JPH0724412U - 濾過装置用ハウジング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 濾過される液体が収容されるハウジング本体
２の上端開口部を覆ってこの本体２内に高圧気体を導入
するノズル部１３を有する蓋部１０が設けられていると
共に、上記本体２の下端にディスポーザブルディスクフ
ィルターの入口部と着脱可能に連結する上記液体の圧送
用口部８が設けられたことを特徴とする濾過装置用ハウ
ジング。 【効果】 本考案によれば、ディスポーザブルディスク
フィルターに労力を要さずに濾過すべき液体を圧送する
ことができ、比較的少量の液体を簡便にしかも信頼性高
く濾過することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ディスポーザブルディスクフィルターに取り付けて用いられ、濾過 すべき液体を収容しかつこの液体をディスポーザブルディスクフィルターに圧送 するために用いる濾過装置用ハウジングに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、１ｍｌから１０００ｍｌまでの少量の液体を濾過する場合、ディスポー ザブルディスクフィルターを用いる方法又はミリポア濾過器（商品名，ミリポア 社製）を用いる方法が広く採用されている。

【０００３】 このうち、ディスポーザブルディスクフィルターを用いる場合は、主に注射器 シリンダーの先端に直接フィルターを接続するか、或いはルアーロック式シリン ジにはルアーフィッティング方式でワンタッチ着脱し、注射器からフィルターに 濾過すべき液体を導入することが行われていた。また、ミリポア濾過器を用いる 場合は、一次側から窒素ガスや圧縮空気を送り、加圧濾過を行うものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のディスポーザブルディスクフィルターを用いた濾過方法 は、フィルターがハウジングと一体成型されており、濾紙がハウジングに完全に 装着されているため、非常に信頼性の高い濾過が可能になるものであるが、その 反面、注射器による加圧濾過となるため、特に粘度の高い液体を濾過する場合や 、フィルターの孔径を小さいものにした場合などは、長時間注射器を押し続ける 必要があり、大変労力を要する作業となっていた。

【０００５】 また、ミリポア濾過器の場合、上述したように一次側から窒素ガスや圧縮空気 を送って加圧濾過を行うが、フィルター交換時にフィルターが完全に装着されて いるか否かは作業者の技術レベルに依存することが多く、濾過の信頼性に欠ける 点がある上、一次側のホースコネクター付きトップキャップがネジ式となってお り、摺動部分での発塵があるため、精密濾過には適さないという問題があった。

【０００６】 本考案は上記事情を改善するためになされたもので、ディスポーザブルディス クフィルターに取り付けて使用され、このディスポーザブルディスクフィルター に特別の労力を要せずに濾過すべき液体を圧送することができ、使用性に優れた 濾過装置用ハウジングを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するため、濾過される液体が収容されるハウジング 本体の上端開口部を覆ってこの本体内に高圧気体を導入するノズル部を有する蓋 部が設けられていると共に、上記本体の下端にディスポーザブルディスクフィル ターの入口部と着脱可能に連結する上記液体の圧送用口部が設けられたことを特 徴とする濾過装置用ハウジングを提供する。

【０００８】 この場合、本考案の好適な態様においては、ハウジング本体の上端部にフラン ジ部が形成されていると共に、このフランジ部にＯリング又はガスケットを介し て中央部に高圧気体導入用ノズル管を有する蓋体が着脱可能に装着され、かつこ れらフランジ部と蓋体とを固定するクランプを備えたハウジングが提供される。 また、上記液体圧送用口部を、注射器用オス型ルアースリップを本体の下端開口 部に取り付けることにより形成することができる。

【０００９】

【作用】

本考案のハウジングは、ハウジング本体内に濾過すべき液体を入れ、その液体 圧送用口部をディスポーザブルディスクフィルターの入口部に連結すると共に、 ノズル部より窒素ガス、圧縮空気等の高圧気体を本体内に導入し、該高圧気体で 濾過すべき液体を押圧することにより、この液体を液体圧送用口部からディスポ ーザブルディスクフィルターに圧送、導入し、濾過を行うものである。

【００１０】 従って、濾過すべき液体のディスポーザブルディスクフィルターへの圧送、導 入を高圧気体によって行うことができるので、この圧送、導入に労力を必要とす ることがなく、使用性に優れ、ディスポーザブルディスクフィルターの有する利 点を有効に享受することができる。

【００１１】 また、ハウジング本体の上端部にフランジ部を形成すると共に、このフランジ 部にＯリング又はガスケットを介して中央部に高圧気体導入用ノズル管を有する 蓋体を着脱可能に装着し、かつこれらフランジ部と蓋体とを固定するクランプを 備えた構成とした場合、トップキャップに摺動部分がないので、発塵のおそれが ないものである。

【００１２】 従って、本考案のハウジングを用いることにより、１〜１０００ｍｌ程度の比 較的少量の液体を簡便にしかも信頼性高く濾過することができ、実験室で使う各 種薬品、レジスト液等の濾過に有効に使用することができる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の一実施例につき図面を参照して説明する。 図中１は、本考案の一実施例に係る濾過装置用ハウジングを示すもので、この ハウジング１は、ハウジング本体２を有する。この本体２は、円筒状胴部３の上 端部に肩部４を介して小径円筒状首部５が一体に連設され、この首部５の上端外 周縁部にリング状のフランジ部６が一体に突設されていると共に、胴部３の下端 部に漏斗状底部７が一体に連設され、かつその下端周縁部に小径管状の連結部８ が一体に突設され、この連結部８に注射器用オス型ルアースリップ９が液密に嵌 着されることにより液体圧送用口部が形成された構成を有する。

【００１４】 また、１０は、ガスケット１１を介して上記本体２のフランジ部６に液密に装 着され、上記本体２の上端開口部を気密に閉塞する円板状の蓋体であり、この蓋 体１０の中央部には高圧気体導入用孔１２が穿設されていると共に、この孔１２ の周縁部には高圧気体導入用ノズル管（ノズル部）１３が一体に突設されている 。なお、上記フランジ部６上面及び蓋体１０の下面には、上記ガスケット１１の リング状突出シール部１４がそれぞれ係合するリング状溝１５，１６がそれぞれ 形成され、該シール部１４をこれらリング状溝１５，１６に嵌挿した状態で蓋体 １０をフランジ部６に装着することにより、蓋体１０をフランジ部６に気密にシ ールし得るようになっている。

【００１５】 更に、１７は、蓋体１０をフランジ部６に装着した後、これら蓋体１０及びフ ランジ部６間を挟持した状態で蓋体１０をフランジ部６に固定するためのクラン プで、リング体１８とネジ１９を具備し、ネジ１９を操作することにより、リン グ体１８が狭まり或いは広がるようになっている。

【００１６】 なお、上記本体２、ルアースリップ９、蓋体１０、クランプ１７は、ステンレ ススチール等の金属やポリテトラフルオロエチレン等のプラスチックにより形成 され、ガスケット１１はシリコーンゴムやフッ素樹脂などで形成される。

【００１７】 上記ハウジング１を使用する場合は、その本体２のルアースリップ９（液体圧 送用口部）をディスポーザブルディスクフィルターの入口部に取り付け、次いで 本体２内に開蓋状態において所定量の濾過すべき液体を入れた後、ガスケット１ １を介して蓋体１０を本体２のフランジ部６に装着し、クランプ１７のネジ１９ を操作してリング体１８で蓋体１０とフランジ部６とを締め付け、挟持して、蓋 体１０を本体２に固定する。

【００１８】 この状態で、高圧気体導入用ノズル管１３より窒素ガス、圧縮空気等の高圧気 体を本体２内に導入し、本体２内の濾過すべき液体を押圧する。これにより、該 液体はディスポーザブルディスクフィルター内に圧送、導入され、加圧下に濾過 が行われるものである。

【００１９】 従って、濾過すべき液体はこのように高圧気体の押圧力によりディスポーザブ ルディスクフィルターに導入され、加圧濾過が行われるので、濾過時に労力を必 要としない。また、本体２に濾過すべき液体を入れた後、蓋体１０を取り付ける 場合、蓋体１０を摺動させることがなく、蓋体１０をフランジ部６に載置し、ク ランプ１７で締め付けるだけであるので、発塵などのおそれがないものである。

【００２０】 なお、上記実施例では、連結部にルアースリップを取り付けることにより、液 体圧送用口部を形成したが、注射器のストレートのテーパーのついた口金金具を 取り付けてもよく、或いは上記連結部そのものをディスポーザブルディスクフィ ルターに着脱可能に取り付けられる形状に形成してもよく、またガスケットの代 わりにＯリングを用いてもよく、その他の構成についても本考案の要旨を逸脱し ない範囲で種々変更しても差し支えない。

【００２１】 なおまた、本考案のハウジングが取り付けられるディスポーザブルディスクフ ィルターとしては公知のものを使用し得、例えばＬＡＢＯＤＩＳＣ（商品名，ア ドベンテック社製）、アイレクスシリーズ（商品名，ミリポア社製）、マイショ リディスク（商品名，東ソー社製）などを用いることができる。

【００２２】 次に、実験例を示す。 〔実験例〕 図面に示すハウジング（本体２の内容積３００ｍｌ、クランプ１７の外径６０ ｍｍ，内径４５ｍｍ）をＬＡＢＯＤＩＳＣ−５０ＪＰＯＺＯＡＮ（商品名，アド バンテック社製，０．２０μｍフィルター）に装着し、粘度２０ｃｐのフォトレ ジスト液２００ｍｌを０．５ｋｇ／ｃｍ²のＮ₂圧で上記方法に従って濾過した。 濾過時間は１０分で、１９９．５ｍｌのレジスト液を得た。その結果、レジスト 液中の０．５μｍ以上の粒子は濾過前は１０００個／ｃｍ³であったが、濾過後 は０．１２個／ｃｍ³となった。

【００２３】

【考案の効果】

本考案によれば、ディスポーザブルディスクフィルターに労力を要さずに濾過 すべき液体を圧送することができ、比較的少量の液体を簡便にしかも信頼性高く 濾過することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す展開断面図である。

【図２】同例に用いるクランプの斜視図である。

【符号の説明】

１ ハウジング ２ ハウジング本体 ３ 円筒状胴部 ６ フランジ部 ９ ルアースリップ １０ 蓋体 １１ ガスケット １３ 高圧気体導入用ノズル管 １４ リング状突出シール部 １５，１６ リング状溝

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 濾過される液体が収容されるハウジング
   本体の上端開口部を覆ってこの本体内に高圧気体を導入
   するノズル部を有する蓋部が設けられていると共に、上
   記本体の下端にディスポーザブルディスクフィルターの
   入口部と着脱可能に連結する上記液体の圧送用口部が設
   けられたことを特徴とする濾過装置用ハウジング。
2. 【請求項２】 ハウジング本体の上端部にフランジ部が
   形成されていると共に、このフランジ部にＯリング又は
   ガスケットを介して中央部に高圧気体導入用ノズル管を
   有する蓋体が着脱可能に装着され、かつこれらフランジ
   部と蓋体とを固定するクランプを備えた請求項１記載の
   ハウジング。
3. 【請求項３】 上記液体圧送用口部が、注射器用オス型
   ルアースリップを本体の下端開口部に取り付けることに
   より形成された請求項１又は２記載のハウジング。