JPH07243944A - 軸受診断装置及びエスカレータ - Google Patents

軸受診断装置及びエスカレータ

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JPH07243944A
JPH07243944A JP6032325A JP3232594A JPH07243944A JP H07243944 A JPH07243944 A JP H07243944A JP 6032325 A JP6032325 A JP 6032325A JP 3232594 A JP3232594 A JP 3232594A JP H07243944 A JPH07243944 A JP H07243944A
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Kazuya Sato
弌也 佐藤
Takao Yoneyama
隆雄 米山
Tsutomu Abe
勉 安部
Kenji Tsuchida
健二 土田
Akira Sudo
明 須藤
Masateru Nakano
政輝 中野
Michio Nakayama
道夫 中山
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 AE法を用いて非破壊的に損傷軸受を検出す
るものにおいて、エスカレータのように低速回転時でも
信頼性高く診断することを可能にする。 【構成】 低速回転機軸受1に特定周波数以上のAEを
高感度で検出するAEセンサ2を設置し、その検出信号
を特定周波数に設定された信号処理回路3に入力して特
定周波数もしくはそれ以上の信号を抽出した後、検波回
路4を通し、次に特定持続時間に設定された持続時間判
別回路5を通して特定持続時間以下の信号を抽出し、こ
の抽出された信号をその発生数をカウンタ6で計数し、
発生数によるしきい値を設けた判定・表示器7で正常と
異常を識別表示する。AE信号とノイズはAEセンサ
2、信号処理回路3、及び持続時間判別回路5で弁別さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エスカレータ用ターミ
ナルギヤなどに用いられている低速回転機用転がり軸受
の損傷状態をアコーステイック・エミッション(AE)
法により非分解で検査する軸受診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、低速回転機の一種であるエスカ
レータの駆動は、モータからチェーンを介した上部ター
ミナルギヤと下部ターミナルギヤによって行われる。こ
れらのターミナルギヤには、それぞれ転がり軸受が設け
られている。設置後、10数年を経過したエスカレータ
用軸受は、分解して全数新品に交換されるのが一般的保
守方法とされている。したがって途中、仮りに損傷した
軸受があっても、この分解検査までは発見されることは
なかった。
【0003】このため、従来において、軸受の損傷状態
を分解することなく、効率的診断を目的としたAE(ア
コーステイック・エミッション)法による軸受診断装置
が望まれている。AE法を用いた転がり軸受の診断法に
は、例えば特開昭64−49708号公報がある。しか
し、従来の応用では回転速度が比較的高い場合について
為されている。これに対し、エスカレータ用ターミナル
ギヤのように回転数が15rpmと極めて低い場合に
は、従来の手法では診断できない。なぜなら、AEエネ
ルギーは、回転数の自乗に比例するため、回転数が低い
と出力が低く診断が難しくなる。また、前記公知例で
は、転動体、内輪、外輪の何れかに傷がある場合、それ
ぞれの傷ごとに定まった周波数による信号が発生すると
されている。しかし、回転数が極端に低くなるとAE特
性に規則性が無くなるため、診断の困難さを増すことに
なる。
【0004】また、AE法による軸受診断装置に、AE
信号の持続時間が設定値以上になるのを判別するものと
して、特開昭62−282259号公報、特開平4−2
03521号公報、及び特開平61−294215号公
報等がある。しかしながら、この場合にも回転数が低く
なるとAE特性に規則性が無くなるために持続時間が所
定以上になることを判別することでは診断が困難とな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した分解検査まで
に重要な損傷軸受が発生した場合は、エスカレータの運
転に支障を及ぼすことは云うまでもない。従って、非分
解で損傷軸受を検査できれば、短期間毎に行うグリース
診断時などに診断することが可能となるし、全数新品交
換も不要となる。
【0006】しかしながら、エスカレータのように回転
数が極端に低くなると、上述したように従来のAE法で
診断したのでは正確な診断ができなかった。
【0007】本発明の目的は、このAE法を用いて非破
壊的に損傷軸受を検出する装置に関し、エスカレータの
ように低速時でも信頼性高く診断することができる装置
を提供するにある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】上記本発明の目的は、
軸受の損傷状態を分解することなく、効率的診断を目的
としたAE(アコーステイック・エミッション)法によ
る軸受診断装置において、エスカレータなど特有の超低
速がゆえに問題となる、低出力、無規則性のAE信号を
処理する手段、すなわち、その手段として、第1に、低
速用回転機等の軸受に設置され特定周波数以上のAEを
高感度で検出するAEセンサと、該AEセンサによって
検出された弾性波信号の特定周波数もしくはそれ以上の
信号を抽出する処理回路と、該処理回路によって抽出さ
れた信号の発生数もしくは実効値を計測する計測回路と
を設け、AEにより軸受の損傷度を診断する装置によっ
て達成され、第2に、低速用回転機等の軸受に設置され
特定周波数以上のAEを高感度で検出するAEセンサ
と、該AEセンサによって検出された弾性波信号の特定
持続時間以下の信号を抽出する持続時間判別回路と、該
持続時間判別回路によって抽出された信号の発生数もし
くは実効値を計測する計測回路とを設け、AEにより軸
受の損傷度を診断する装置によって達成され、第3に、
低速用回転機等の軸受に設置され特定周波数以上のAE
を高感度で検出するAEセンサと、該AEセンサによっ
て検出された弾性波信号の特定周波数もしくはそれ以上
の信号を抽出する処理回路と、該処理回路によって抽出
された信号の特定持続時間以下の信号を抽出する持続時
間判別回路と、該持続時間判別回路によって抽出された
信号の発生数もしくは実効値を計測する計測回路とを設
け、AEにより軸受の損傷度を診断する装置によって達
成される。
【0009】
【作用】エスカレータの軸受診断について考えると、障
害となるノイズとしては、軸受自体から発生する摺動ノ
イズ、軸受以外から侵入する外部ノイズがある。これら
のノイズは、軸受の損傷部から発生するAE信号よりも
低い周波数成分であることが実験的に確認された。した
がって、特定周波数の信号を感度良く検出するAEセン
サによって検出し、その検出信号から特定周波数の信号
を処理回路によって抽出処理することによってAEのみ
を高感度で高精度に検出することが可能である。また、
超低速回転におけるAE信号は、エネルギーが低く規制
性が無いことが実験的に確認された。従って、AE信号
の持続時間が短くなるため、検出された弾性波信号から
持続時間判別回路により特定持続時間以下の信号のみを
抽出することによってAEのみを高精度で検出すること
ができる。このようにして抽出された信号の発生数を計
測することによって軸受の損傷度を信頼性高く診断でき
る。
【0010】
【実施例】以下本発明を一実施例によって説明する。図
1は本発明による一実施例軸受診断装置のブロック構成
図を示す。被試験軸受1にAEセンサ2を設置し、その
出力を信号処理回路3で処理したのち、検波回路4を通
し、持続時間判別回路5にて処理してから、抽出された
信号をカウンタ6にて発生数を計数し、判定・表示器7
に出力する。
【0011】図2は、診断対象例のエスカレータの構造
と診断対象軸受を示す、エスカレータ8には、上部ター
ミナルギヤ9、下部ターミナルギヤ10がある。上部タ
ーミナルギヤ9は、ドライビングチェーン11によりモ
ータ12と連結して駆動される。前記上部ターミナルギ
ヤ9には、図3に示すように、転がり軸受13及び14
が設けてあり、前記下部ターミナルギヤ10には、転が
り軸受15及び16が設けてある。前記AEセンサ2
は、これらの転がり軸受13、14、15及び16の内
の少なくとも一つに設置される。軸受部の回転数は15
rpm程度と極めて低い。
【0012】図4は、AE信号の波形例、図5は、AE
信号の周波数解析例を示す。図4(a)は欠陥軸受から
のAE波形、(b)は外部からのノイズ波形で、イベン
トの持続時間Td1(AE波形)とTd2(ノイズ波
形)を比較すると、Td1<Td2であることが分か
る。図5(a)は欠陥軸受からのAE周波数特性、
(b)は外部からのノイズ周波数特性で、材質によって
異なるが金属ではあまり差がなく、前者は主成分が50
−80kHzにあるのに対し、後者は主成分が10〜1
4kHzにあることが分かる。
【0013】欠陥軸受には、転動体傷、内輪傷、外輪傷
等があるが、何れも同様なAE波形と周波数特性を示
す。また、ノイズにはチェーンなどの外部から入るもの
と軸受自体の転動体接触ノイズがあるが、何れも同様な
波形と周波数特性を示すことが確認されている。
【0014】本発明は、上述した現象の知見を基になさ
れたものであり、欠陥からのAE信号とノイズを識別す
るために、図1に示した回路構成を設けたものである。
すなわち、AEセンサ2は、特定周波数(例えば、50
〜80kHz)に高感度を有するものを用い、信号処理
回路3は、特定周波数(例えば、50〜80kHz)も
しくはそれ以上を通過しやすい増幅器、バンドパスフィ
ルタを用いる。持続時間判別回路5は、一定の持続時間
(例えば、600μs)以下のイベントのみを抽出する
判別回路を用いる。この持続時間判別回路5で抽出され
た信号をカウンタ6にて信号発生数を計数する。判定・
表示器7は、発生数によるしきい値を設けて、正常品と
異常品を識別表示する。
【0015】このように回転数15rpm程度の低速回
転機において、欠陥軸受から発生するAE周波数は主成
分が50〜80kHzにあり、これを50〜80kHz
の特定周波数で高感度を有するAEセンサ2で検出する
ことにより、AE周波数の主成分を減衰させることなく
高感度で検出することができる。これと反対に低周波ノ
イズはAEセンサ2の高感度領域を外れるから減衰して
検出が行われない。そして、この検出信号を信号処理回
路3の特定周波数50〜80kHzのバンドパスフィル
タを通すことによって特定周波数のAE信号を高感度高
精度に抽出することができる。また、AEセンサ2で検
出されたAE信号のイベントの持続時間Td1(例えば
600μs)に合せて持続時間判別回路5をTd1以下
に設定してあることによりAEイベントのみが信号抽出
される。このときノイズ波形の持続時間Td2は、Td
1<Td2であるから持続時間判別回路5でカットさ
れ、AE信号を極めて高精度をもって抽出することがで
きる。そしてこの抽出信号を計数することによって効率
良く信頼性の高い診断をすることができる。さらに信号
処理回路3及び持続時間判別回路5で各々直列に抽出処
理した信号の計測によって診断精度は更に向上する。
【0016】なお、AEセンサ2及び信号処理回路3の
特定周波数、持続時間判別回路5の特定持続時間Td1
は低速回転機の回転数によって多少変化するから、回転
数に合せて設定する。しかしながら、低速回転機におい
て、AE信号波形とノイズ波形とは、周波数特性の主成
分及びイベント持続時間に極端な差が現われるから、い
ずれにおいても、検出感度及び抽出精度は極めて高く、
信頼性の高い診断が可能である。
【0017】図6は他の実施例の軸受診断装置付エスカ
レータ診断対象軸受部の構成図を示す。エスカレータに
は4個のターミナルギヤ13、14、15及び16があ
るため、各軸受にAEセンサ17、18、19、20を
各々設置し、各センサからの出力をセンサ切り替え器2
1に入れ、切り替えによって信号処理回路3に取り込
む。前記センサ切り替え器21は、一定時間ごとに各A
Eセンサを切り替えて診断する。また切り替え器を設け
ない場合は、各ターミナルギヤごとに独立した軸受診断
装置を設置して連続して診断することができる。
【0018】また、本発明は、エスカレータに限らず、
圧延機、ベルトコンベア、その他低速回転機軸受装置の
軸受診断装置として有効である。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明による軸受診断装
置を用いると、低速回転数の被試験回転機を解体するこ
となく損傷軸受を効率良く信頼性高く診断することがで
きるため、安心して運転することができる。また、本発
明による軸受診断装置付エスカレータは、エスカレータ
を解体することなく損傷軸受を効率良く信頼性高く診断
することができるため、安心して運転することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例軸受診断装置のブロック構成
図である。
【図2】本発明の診断対象例のエスカレータの構造図で
ある。
【図3】図2の診断対象軸受部分の構造図である。
【図4】AE信号の波形図及びノイズ波形図である。
【図5】AE信号の周波数解析及びノイズの周波数解析
例図である。
【図6】本発明の他の実施例軸受診断装置付エスカレー
タ診断対象軸受部分のブロック構成図である。
【符号の説明】
1…被試験軸受、2…AEセンサ、3…信号処理回路、
4…検波回路、5…持続時間判別回路、6…カウンタ、
7…判定・表示器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米山 隆雄 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 安部 勉 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 土田 健二 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 須藤 明 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 中野 政輝 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 中山 道夫 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式会 社日立エンジニアリングサービス内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低速用回転機の軸受に設置され特定周波
    数以上のAEを高感度で検出するAEセンサと、該AE
    センサによって検出された弾性波信号の特定周波数もし
    くはそれ以上の信号を抽出する処理回路と、該処理回路
    によって抽出された信号の発生数もしくは実効値を計測
    する計測回路とを設けて成り、AEによって軸受の損傷
    度を診断することを特徴とする軸受診断装置。
  2. 【請求項2】 低速用回転機の軸受に設置され特定周波
    数以上のAEを高感度で検出するAEセンサと、該AE
    センサによって検出された弾性波信号の特定持続時間以
    下の信号を抽出する持続時間判別回路と、該持続時間判
    別回路によって抽出された信号の発生数もしくは実効値
    を計測する計測回路とを設けて成り、AEによって軸受
    の損傷度を診断することを特徴とする軸受診断装置。
  3. 【請求項3】 低速用回転機の軸受に設置され特定周波
    数以上のAEを高感度で検出するAEセンサと、該AE
    センサによって検出された弾性波信号の特定周波数もし
    くはそれ以上の信号を抽出する処理回路と、該処理回路
    によって抽出された信号の特定持続時間以下の信号を抽
    出する持続時間判別回路と、該特定持続時間判別回路に
    よって抽出された信号の発生数もしくは実効値を計測す
    る計測回路とを設けて成り、AEによって軸受の損傷度
    を診断することを特徴とする軸受診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の軸受診断装置を設けたエ
    スカレータ。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の軸受診断装置を設けたエ
    スカレータ。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の軸受診断装置を設けたエ
    スカレータ。
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