JPH07243312A - 内燃機関の弁作動装置 - Google Patents

内燃機関の弁作動装置

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JPH07243312A
JPH07243312A JP3387794A JP3387794A JPH07243312A JP H07243312 A JPH07243312 A JP H07243312A JP 3387794 A JP3387794 A JP 3387794A JP 3387794 A JP3387794 A JP 3387794A JP H07243312 A JPH07243312 A JP H07243312A
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JP
Japan
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rocker arm
prop
cam
lost motion
prop mechanism
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Application number
JP3387794A
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English (en)
Inventor
Shoji Morita
正二 盛田
Yukio Yamakawa
幸夫 山川
Makoto Nakamura
信 中村
Shinichi Takemura
信一 竹村
Tetsuaki Goto
徹朗 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機関の運転状態に応じて吸気弁、排気弁の作
動条件を切換える機構について、高精度の加工を要求さ
れることなく大幅のコスト低減と共に安定した動作が保
証され耐久性の向上を図ることのできる内燃機関の弁作
動機構を提供する。 【構成】 メインロッカアーム(1)と、第2カム(6
A)に摺接して揺動するサブロッカアーム(3)と、サ
ブロッカアームに摺動自在に保たれ、アクチュエータ
(9)によって第1位置と第2位置とに変位可能なプロ
ップ機構(8)と、プロップ機構に当接し、サブロッカ
アームをメインロッカアームに対して揺動可能、揺動拘
束の状態に切換可能なロストモーション機構(10)と
を具備する弁作動装置において、頂部部材(10B)
は、プロップ機構(8)が移動時に摺接する摺接面(1
0C)が形成され、その摺接面(10C)の縁部の一部
をプロップ機構の移動方向にほぼ直交させるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の弁作動装置
に関し、特に、機関の高速回転時と低速回転時とで吸気
弁や排気弁のリフト特性を切換可能とした内燃機関の弁
作動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からカムシャフトによって駆動され
る高速用カムと低速用カムとを具え、低速時には低速用
カムを介して弁の開閉動作を行わせ、高速時には油圧プ
ランジャにより高速用ロッカアームと低速用ロッカアー
ムとを連結して高速用カムの形状に準じたタイミングと
リフトとに従って動作させるように機関の運転状態に応
じて弁作動状態を切換えさせるようにした弁作動装置が
知られている。この種のもので、例えば、特開昭63−
57806号公報に開示されている例は、3つのロッカ
アームを3分割したピンを介して連結、非連結状態に切
換えることで、上記の弁作動状態を変化させるようにし
たものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、3つのロッカアームのピン孔を同軸上に一致
させた状態で、油圧プランジャにより一方のピン先を相
手方のピンの端部に当接させたままで相手方のピンの先
端をさらにいま一つのロッカアームに設けられているピ
ン孔に押込むように構成されている。そこで、3つのロ
ッカアームのそれぞれに設けられるピン孔の位置に加工
時の誤差による位置ずれが生じ易く、位置ずれがあった
のでは正常に作動しなくなる。また、かかる位置ずれを
吸収するにはピンとピン孔とのクリアランスを大きくす
ることが考えられるが、上記従来例による構造では油圧
プランジャの油圧保持にかかわる問題となる上、高速カ
ムに対応する高速ロッカアームの傾きで片当りの生じる
虞があり、クリアランスを大きく設定する訳にいかな
い。従って、あくまでも各ロッカアームに穿設されるピ
ン孔同士の高精度な相対位置が要求されることになり、
コスト増を招く。
【0004】本発明の目的は、上述したような従来の問
題の解決を図るべく、機関の運転状態に応じて弁作動状
態を切換えるための機構について高精度の加工が要求さ
れず、大幅のコスト低減が図れると共に、構造および作
用の点でも無理がなく耐久性の向上を図ることのでき、
特に弁作動状態の切換時において安定した動作が得られ
るようにした内燃機関の弁作動装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、カム軸の第1カムに摺接して揺動し、弁
を開閉するメインロッカアームと、該メインロッカアー
ムに一端が軸支され、他端が前記カム軸の第1カム以外
のカムに摺接して揺動可能なサブロッカアームと、該サ
ブロッカアームの前記カム軸方向に設けられた摺動溝に
摺動自在に嵌合し、同方向に設けたばねのばね力により
アクチュエータに向けて偏倚された第1の位置と、該ア
クチュエータにより前記摺動溝に沿って第2の位置とに
移動可能なプロップ機構と、前記メインロッカアームに
配置され、前記プロップ機構の第1の位置では該プロッ
プ機構に当接して、前記サブロッカアームを第1カム以
外のカムに向けて偏倚させるロストモーションプランジ
ャおよび当該ロストモーションプランジャを案内する頂
部部材を有するロストモーション機構とを具備し、前記
アクチュエータによる前記プロップ機構の第1位置から
第2位置への移動動作により前記メインロッカアームの
第1カムによる揺動から前記サブロッカアームの前記第
1カム以外のカムによる揺動に切換可能とした内燃機関
の弁作動装置において、前記頂部部材は、前記プロップ
機構の移動動作時に当該プロップ機構が摺接する摺接面
が形成されると共に、当該摺接面の縁部の一部は前記プ
ロップ機構の移動動作の方向にほぼ直交することを特徴
とするものである。
【0006】本発明の好ましい例では、前記頂部部材の
摺接面には、前記サブロッカアームの揺動を許容するた
めの切欠部が前記カム軸と直交する方向に形成されるこ
とを特徴とするものである。
【0007】本発明のさらに好ましい例では、前記頂部
部材の前記プロップ機構にかかわる摺接面には、当該摺
接面に摺接する前記プロップ機構の前記カム軸に直交す
る断面形状にほぼ対応する凹面が形成されることを特徴
とするものである。
【0008】本発明のさらに好ましい他の例では、前記
プロップ機構の第2位置における該プロップ機構および
前記ロストモーション機構の当接面同士を互いに平坦に
形成すると共に前記プロップ機構の第1位置において該
プロップ機構と接触するロストモーションプランジャの
頂部を球面状に形成することを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明によれば、機関の例えば低速回転時には
アクチュエータが駆動されないことによりプロップ機構
は第1の位置に保たれ、プロップ機構に当接するロスト
モーションプランジャがサブロッカアームのメインロッ
カアームに対する相対的な揺動を許容することによりサ
ブロッカアームは弁を動作させるストロークに関与せ
ず、従って第1カムに従いメインロッカアーム自体によ
る弁作動が行われる。また、高速回転時には、アクチュ
エータが駆動されるように制御されることで、プロップ
機構は第2の位置に移動され、サブロッカアームのメイ
ンロッカアームに対する相対的な揺動が拘束される状態
となることにより第1カム以外のカムに従ったメインロ
ッカアームの揺動動作により弁の開閉動作が行われる。
【0010】また、頂部部材に形成した摺接面の縁部を
プロップ機構の移動方向とほぼ直交させるようにしたこ
とによりプロップ機構の移動する過程において、頂部部
材のプロップ機構と接触する面積を広く保ち、仮に十分
なプロップ機構の移動行程が得られない場合でもカムか
ら伝達される圧力に対し十分な受圧面積を確保すること
に貢献できる。
【0011】また、請求項2の発明によれば、ロストモ
ーション機構頂部部材の摺接面に形成した切欠部により
サブロッカアームの揺動が許容されるので、プロップ機
構の摺動面の前記揺動方向の幅を十分に広く設定するこ
とが可能となる。
【0012】また、請求項3の発明によれば、頂部部材
の上部に設けた凹面に沿ってプロップ機構が摺接するの
で、プロップ機構とメインロッカアームとの摺接面積を
広く確保することができる。
【0013】さらにまた、請求項4の発明によれば、ロ
ストモーション機構の球面形状としたプランジャ頂部が
プロップ機構の第1の位置ではプロップ機構の平坦に形
成された当接面と接触するので、プロップ機構とロスト
モーションプランジャとの間の摺動摩擦抵抗を少なくで
き、また、プロップ機構の第2位置においてはプロップ
機構とロストモーション機構の平坦な当接面同士の接触
によって安定した接触状態が得られる。
【0014】
【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を具
体的に説明する。
【0015】図1〜図4は本発明の一実施例を示す。こ
れらの図において、1はロッカシャフト2に揺動自在に
支承されたメインロッカアーム、3はメインロッカアー
ム1にサブロッカアームシャフト4を介して揺動自在に
支承されたサブロッカアーム、また、5はメインロッカ
アーム1の頂部側に配設されている低速用フォロア部、
3Aはサブロッカアーム3の頂部側に形成した高速用フ
ォロア部である。なお、これらの高速用フォロア部3A
および低速用フォロア部5は図2に示すようにそれぞれ
カムシャフト6の高速カム部6Aおよび低速カム部6B
に摺接するように構成されている。さらにまた、ロッカ
アーム1の端部に突設したチップ部1Aは図3に示すよ
うに開閉動作を行わせる吸気弁あるいは排気弁の頂部7
に当接した状態に保たれるもので、以下に述べる機構に
より機関の低速回転時と高速回転時とに応じて弁リフト
特性を異ならせるようにメインロッカアーム1を動作さ
せることができる。
【0016】すなわち、8はサブロッカアーム3の、ロ
ッカシャフト2と平行する摺動溝3Bに摺動自在に保持
されるプロップ機構、9はプロップ機構8をその摺動方
向(移動動作方向)に動作させるための油圧プランジャ
(アクチュエータ)、10はプロップ機構8に対してそ
の下方に配置されたロストモーション機構である。
【0017】前記プロップ機構8は、摺動溝3Bに沿っ
て摺動自在に保持されるプロップ部材(本体)80、支
持部材15および内装ばね8Cを主要素として構成され
ている。8Bはプロップ部材80にその摺動方向に沿っ
て穿設されたばね保持孔である。保持孔8Bに保持され
る内装ばね8Cは、プロップ部材80を油圧プランジャ
9の作動面に向けて偏倚させている。プロップ部材80
には脚部8Aが形成され、この脚部8Aの先端にロスト
モーション機構10に接する摺動面8Dが形成されてい
る。前記ロストモーション機構10はその外套部材(以
下では調整部材という)10Aの外周部に図5に示すよ
うな雄ねじが螺刻されていて、その外周部をメインロッ
カアーム1のカムシャフト6と直交する方向に穿設され
た雌ねじ孔1Bに螺合した上、ロック用のナット部材1
1で固定される。
【0018】10Bは頂部部材で、この頂部部材10B
は調整部材10Aの内周面10Kに嵌め合わされると共
に、プランジャ部材12(ロストモーションプランジ
ャ)をその内筒部10Eに摺動自在に保持している。1
3はプランジャ部材12とばね止め部材16との間に介
装されたばねで、このばね13はプランジャ部材12を
ばね止め部材16から離間する方向に付勢している。1
4は頂部部材10Bと調整部材10Aとの間の軸方向の
離間を禁止するストッパリングである。頂部部材10B
には図5に示すように、プロップ部材80が摺接する摺
接面10Cが形成されており、その縁部10Lはプロッ
プ機構8の摺動方向と、これとは直角の方向との2方向
に形成されていて、この縁部10Lを形成する外周面1
0Mをメインロッカアーム1の取付孔に挿入し、頂部部
材10Bを位置決めする(図3,図4参照)ことで、頂
部部材10Bの回動を規制している。
【0019】また図9(A),(B)に示すように、頂
部部材10Bには、プランジャ部材12が挿入される内
筒部10Eとメインロッカアーム1に対するサブロッカ
アーム3の揺動を許容するための切欠部10Iが穿設さ
れている。すなわち、プランジャ部材12をその全周に
亘って支持する内筒部10Eと、この内筒部10Eの上
部にはメインロッカアーム1に対するサブロッカアーム
3の揺動を許容するために、サブロッカアーム3と一体
に揺動するプロップ部材80の脚部8Aの逃げとして切
欠部10Iが連設されている。また、プロップ部材80
の摺接面8Dが摺接する頂部部材10Bの摺接面10C
の縁部10J,10Lは、その一部分がプロップ部材8
0の摺動方向(移動動作方向)に直交した直線状に形成
されている。また、プランジャ部材12は頂部部材10
Bの円筒部10Eに摺動自在に案内されるが、少なくと
も円筒部10Eはプランジャ部材12をその全周に亘っ
て支持しているので、プランジャ部材12がその軸線を
中心とした回動および上下方向の摺動に対して倒れるこ
とがない。
【0020】このように構成したロストモーション機構
10は、後述するように油圧プランジャ9によって駆動
されるプロップ機構8の動作に関連して高速カム部6A
からサブロッカアーム3に伝達される押下作用を有効・
無効、すなわち、能動・非能動状態に切り換えるように
機能するものである。
【0021】次に本実施例による弁作動動作について説
明する。
【0022】ただし、低速回転時と高速回転時とで制御
される油圧プランジャ9によるプロップ機構8の移動動
作は不図示の電子制御のコントロールユニットによって
制御される油圧ポンプからの油圧により行われるもの
で、コントロールユニットにはエンジン回転数や冷却水
温度、潤滑油温度等機関の運転状態にかかわる情報が信
号として入力するように構成されている。一方、カムシ
ャフト6の高速カム部6Aは低速カム部6Bより弁リフ
ト量もしくは開弁期間の少なくとも一方を大きくするよ
うにそのプロフィルが形成されている。
【0023】そこでいま、機関の低速回転領域にあると
きは、コントロールユニットにより油圧ポンプからの油
圧が油圧プランジャ9には供給されず、油圧プランジャ
9が駆動されないことにより、図2に示すようにプロッ
プ部材80の脚部8Aはロストモーション機構10の頂
部部材10Bに当接せず、プランジャ部材12の頂部に
当接した状態に保たれている。従って、カムシャフト6
の回転によって高速用フォロア部3Aが高速カム部6A
によって押下されるがロストモーション機構10ではそ
の押下に伴ってプランジャ部材12がばね13のばね力
に抗して押下げられるだけで弁のリフト量にはかかわら
ず、低速カム部6Bによる低速用フォロア部5の押下に
よって弁の開閉動作が制御される。
【0024】また、機関が高速回転領域となると、コン
トロールユニットでは油圧プランジャ9を駆動してプロ
ップ部材80を内挿ばね8Cのばね力に抗して図4に示
すように左方に摺動させる。そして、この摺動動作によ
りプロップ部材80のプロップ脚8Aがロストモーショ
ン機構10の頂部部材10Bの頂面10Cと干渉する位
置に導かれて、頂面10Cに当接することにより、サブ
ロッカアーム3のメインロッカアーム1に対する上下方
向の揺動動作が拘束される。よって、高速回転領域では
高速カム部6Aのプロフィルに従って弁の開閉動作が制
御される。
【0025】このような構成になる弁作動装置では高速
カム部6Aがサブロッカアーム3の高速フォロア部3A
に当接するが、そのベースサークルと高速フォロア部3
Aとの間に保たれるすき間は装置を構成する各部材間の
寸法精度のばらつき等によって所定の寸法に保つことが
難しい。本実施例によればロストモーション機構10に
おいて、その頂部部材10Bの方向を位置決めした状態
のままナット部材11の螺締調整により調整部材10A
に設けた雄ねじ部を介してロストモーション機構10自
体を上下に移動調整可能としたので、プロップ部材80
の脚部8Aとロストモーション機構10との間のすき間
および高速カム部6Aのベースサークルと高速フォロア
3Aとの間のすき間を適切に調整し、設定することがで
きる。
【0026】また、頂部部材10Bにおいては図5に示
すようにそのプランジャ部材12が嵌め合わされる摺動
孔の上部がプロップ部材80の移動方向とは直角の方向
に幅Bずつ広げられて略長円形に形成されているので、
それだけプロップ部材80の脚幅Cを図3に示すように
広げても低速回転時に頂部部材10Bの上面と干渉する
虞がなく、また、これによってプロップ部材80の脚部
8Aとロストモーション機構10の頂部部材10B頂面
とが高速回転時において、十分な接触面積を保持して接
触することにより、プロップ部材80の接触によって発
生する接触応力の低減を図ることができる。
【0027】さらにまた、図5に示すように頂部部材1
0Bの摺接面10Cに開口する内筒部10Eおよび切欠
部10Iの開口縁部10Jと頂部部材10Bの切除面縁
部10Lは、プロップ部材80の摺動方向(移動動作方
向)に直交した直線状に形成されている。図10の
(A)を参照して詳述すれば、破線はプロップ部材80
の脚部8Aと頂部部材10Bとの非連係状態を示し、実
線は移動動作が開始されプロップ部材80の脚部8Aが
破線の状態から摺動距離t摺動して頂部部材10Bに連
係した状態を示している。実線で示す状態のプロップ部
材80の摺動動作は、完全に終了していない状態(摺動
中の状態)であり、プロップ部材80の摺動距離tによ
って、プロップ部材80と頂部部材10Bとの接触面積
が確保されている。ここで、頂部部材10Bの摺接面1
0Cに開口する内筒部10Eおよび切欠部10Iの開口
縁部10Jと頂部部材10Bの切除面縁部10Lとは、
プロップ部材80の摺動方向(移動動作方向)に直交し
た直線状に形成されているから、プロップ部材80と頂
部部材10Bとの接触面積はその摺動中の状態で取り得
る最大の接触面積となっている。従って、本発明の実施
例では、たとえプロップ部材80の摺動中に高速カム6
Aによるサブロッカアーム3の揺動が開始されても、プ
ロップ部材80に発生する接触応力を低減できる。
【0028】これに対して、図10の(B)に示すよう
に、プランジャ部材12が内挿された場合は、プロップ
部材80の摺動距離tによってプロップ部材80と頂部
部材10Bとの接触面積が最大限に確保されず(本発明
に比して、図に示すハッチング部分だけ接触面積が損失
している)、プロップ部材80に発生する接触応力(面
圧)が高くなって耐久性が低下するところ、本発明はこ
れを有利に解決できる。また、プロップ部材80をその
移動動作中および能動状態すなわち図4に示す第2位置
の状態で十分に機能させるためにはプロップ部材80の
脚部8Aと頂部部材10Bの頂面10Cとが十分な接触
面積を介して接触することが必要であり、それには図3
に示した脚部8Aの幅Cができるだけ広いことが望まし
い。一方、脚部8Aとして、その接触する底面の断面
が、幾分円弧状に形成されているのは、非能動時すなわ
ち、図2に示したように脚部8Aがロストモーションプ
ランジャ部材12と接触するときにプランジャ部材12
との摺動摩擦抵抗を低減させると同時にプランジャ部材
12と脚部8Aとのこじりを防止するためである。
【0029】なお、このように曲面を有する物体が接触
により局部的に変形して圧縮応力が発生する場合につい
ては、ヘルツの公式として近似的に下記の式の関係のあ
ることが知られている。
【0030】
【数1】
【0031】そこで、本実施例のような場合、プロップ
部材80の脚部8A先端の断面形状の曲率半径は大きけ
れば大きい程、プロップ部材80が能動状態で、その接
触が線接触から面接触へと移行することを意味する。
【0032】従って、本実施例では能動状態における脚
部8Aとロストモーション機構10の頂部部材10Bの
頂面10Cとの間の接触状態が面接触に保たれ、十分な
接触面積を得ることができる。
【0033】また、本実施例によれば、ロストモーショ
ン機構10を調整部材10Aと頂部部材10Bとの組合
せとしてこれらの内筒部10Eにプランジャ部材12を
摺動自在に保持させると共にばね13によりプロップ部
材80の脚部8Aと接触を保つようになし、さらに、調
整部材10Aの外周部に設けたねじをメインロッカアー
ムの取付用ねじ孔に螺合させる形で、ロストモーション
機構10の上下方向の位置を調整可能としたことで、高
速フォロア部3Aとカムシャフトの高速カム部6Aとの
間のすき間調整が容易となり、また、頂部部材10Bの
プロップ部材脚部8Aと接触を保つ部分にプロップ部材
80の摺動方向とは直角の方向の逃げを設けたことで、
脚部8Aの幅を十分広くして、高速作動時にプロップ機
構8とロストモーション機構10との間に発生する接触
応力の低減を図ることができる。
【0034】図6および図7は本発明の第2の実施例を
示す。本例は、メインロッカアーム1にロストモーショ
ン機構10の調整部材および頂部部材をロッカアーム1
と一体にして形成した上、その内筒部10Eにプランジ
ャ部材12、ばね13およびばね止め部材16を組込ん
だもので、そのプランジャ部材12の頂面12Aを球面
状としたところに特徴がある。なお、この球面状の頂面
12Aに摺接するプロップ機構8の脚部8Aの摺接面8
Dの方は平坦面に形成してある。その他の基本的構成に
ついてはロストモーション機構を調整可能とする機構が
ない外は図1〜図4に示した第1実施例のそれと変わら
ないのでその説明は省略する。
【0035】本実施例によれば、機関の低速回転時と高
速回転時とにおけるプロップ機構8とロストモーション
機構10とにかかわる基本的な動作については第1実施
例と変わらないが、図6に示すような低速回転時の状態
では、プロップ部材80の摺接面8Dがロストモーショ
ン機構10のプランジャ部材頂部12Aの球面との移動
摩擦抵抗が少なくてすみ、円滑な動作が図れる。また、
高速回転時には油圧プランジャ9によるプロップ部材8
0の移動でその脚部8Aがロストモーション機構10の
頂面10Cに接するが、その接する面同士が平坦で十分
な接触面積が保たれるために、プロップ部材80に発生
する内部応力が少なくてすむと共に、その面接触により
安定した接触状態が保たれ、機構の延命に貢献する。
【0036】図8は本発明のさらに他の実施例としてそ
のロストモーション機構10の構成の一部を示す。本例
は図1〜図4に示した実施例に対し、そのロストモーシ
ョン機構10の頂部部材10Bにかかわる変形例を示す
ものである。ここで、10Dはその頂面10Cに形成し
た断面が円弧状をなす溝であり、プロップ部材80の摺
動方向(図2参照)に沿って形成されている。また、そ
の円弧形状としては、プロップ部材80の脚部8A先端
の断面形状(図3参照)にほぼ等しいかまたはその曲率
半径より幾分大きい目の円弧形状とすることが望まし
い。
【0037】本実施例の構成によれば、ロストモーショ
ン機構10のプランジャ部材12とプロップ部材8Dの
脚部8Aとの間の摩擦抵抗の低減が図れると共にプロッ
プ部材80の脚部8A先端がロストモーション機構10
の頂部部材10Bの頂面10Cに摺接する状態および図
4に示すような高速回転時で頂面10Cに当接した状態
に保たれる場合の摩擦力の低減および接触応力の低減に
貢献し、機構の延命に貢献することができる。
【0038】なお、以上に述べてきた実施例では機関の
高速回転時と低速回転時とに応じて弁のリフト特性を変
更させるようにしたが、メインロッカアームに複数のサ
ブロッカアームを揺動自在に配置すると共に、サブロッ
カアームのそれぞれにプロップ機構およびこれを作動さ
せる油圧プランジャなどの作動機構と、ロストモーショ
ン機構との組合せを設け、機関の複数の異なる運転条件
に応じて弁のリフト特性を変更させるように構成可能な
ことはいうまでもない。
【0039】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、カム軸の第1カムに摺接して揺動し、弁を開閉する
メインロッカアームと、該メインロッカアームに一端が
軸支され、他端が前記カム軸の第1カム以外のカムに摺
接して揺動可能なサブロッカアームと、該サブロッカア
ームの前記カム軸方向に設けられた摺動溝に摺動自在に
嵌合し、同方向に設けたばねのばね力によりアクチュエ
ータに向けて偏倚された第1の位置と、該アクチュエー
タにより前記摺動溝に沿って第2の位置とに移動可能な
プロップ機構と、前記メインロッカアームに配置され、
前記プロップ機構の第1の位置では該プロップ機構に当
接して、前記サブロッカアームを第1カム以外のカムに
向けて偏倚させるロストモーションプランジャおよび当
該ロストモーションプランジャを案内する頂部部材を有
するロストモーション機構と、を具備し、前記アクチュ
エータによる前記プロップ機構の第1位置から第2位置
への移動動作により前記メインロッカアームの第1カム
による揺動から前記サブロッカアームの前記第1カム以
外のカムによる揺動に切換可能とした内燃機関の弁作動
装置において、前記頂部部材は、前記プロップ機構の移
動時に当該プロップ機構が摺接する摺接面が形成される
と共に当該摺接面の縁部の一部は前記プロップ機構の移
動方向にほぼ直交するようにしたので、機関の運転条件
に応じて弁のリフト特性を異ならせるべく操作されるカ
ムとロッカアームとに関連する機構の調整が容易とな
り、それだけ個々の部品の加工精度の緩和が図られると
共に、特にプロップ機構とロストモーション機構との間
で安定し、かつ摺動ならびに接触摩擦の少ない状態が得
られるので各作動部に発生する接触応力の低減により耐
久性の向上を図ることができる。
【0040】また、請求項2に記載の発明によれば、そ
の頂部部材の摺接面に、カム軸と直交する方向の切欠部
を設けることにより、プロップ機構の脚部の幅を増すこ
とができ、プロップ機構とロストモーション機構との間
でさらに安定した摺動状態を維持させることができる。
【0041】また、請求項3に記載の発明によれば、頂
部部材のプロップ機構にかかわる摺接面に凹面を形成す
ることにより頂部部材とプロップ機構との摺接面積の増
大が図られ、面積当りの接触圧を低減させることができ
る。
【0042】さらにまた、請求項4に記載の発明によれ
ば、プロップ機構とプランジャ部材との間のこじりがな
くなり、プロップ脚部を平坦にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成の一例を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】高速回転時の状態を示す図1のA−A線断面図
である。
【図5】本発明にかかるロストモーション機構の構成の
一部を分解して示す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例による構成をカム軸方向の
断面によって示す説明図である。
【図7】図6に示す実施例の構成をカム軸と直交する方
向の断面によって示す説明図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例によるロストモーシ
ョン機構の構成の一部を分解して示す斜視図である。
【図9】本発明にかかるロストモーション機構の頂部部
材の構成を上面図(A)および(A)のA−A線断面図
(B)によって示す説明図である。
【図10】本発明にかかる頂部部材とプロップ部材との
関係を上面図の(A)と(B)とで比較して示す説明図
である。
【符号の説明】
1 メインロッカアーム 1A チップ 1B 雌ねじ孔 2 ロッカシャフト 3 サブロッカアーム 3A 高速フォロア部 5 低速フォロア部 6 シャフト 6A 高速カム部 6B 低速カム部 8 プロップ機構 8A 脚部 8B ばね保持孔 8C 内装ばね 80 プロップ部材 9 油圧プランジャ 10 ロストモーション機構 10A 外套部材(調整部材) 10B 頂部部材 10C 頂面(摺接面) 10D 溝 10J 縁部 10L 縁部 11 ナット部材 12 プランジャ部材 13 ばね 14 ストッパリング 15 ばね支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 信 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 竹村 信一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 後藤 徹朗 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カム軸の第1カムに摺接して揺動し、弁
    を開閉するメインロッカアームと、 該メインロッカアームに一端が軸支され、他端が前記カ
    ム軸の第1カム以外のカムに摺接して揺動可能なサブロ
    ッカアームと、 該サブロッカアームの前記カム軸方向に設けられた摺動
    溝に摺動自在に嵌合し、同方向に設けたばねのばね力に
    よりアクチュエータに向けて偏倚された第1の位置と、
    該アクチュエータにより前記摺動溝に沿って第2の位置
    とに移動可能なプロップ機構と、 前記メインロッカアームに配置され、前記プロップ機構
    の第1の位置では該プロップ機構に当接して、前記サブ
    ロッカアームを第1カム以外のカムに向けて偏倚させる
    ロストモーションプランジャおよび当該ロストモーショ
    ンプランジャを案内する頂部部材を有するロストモーシ
    ョン機構とを具備し、 前記アクチュエータによる前記プロップ機構の第1位置
    から第2位置への移動動作により前記メインロッカアー
    ムの第1カムによる揺動から前記サブロッカアームの前
    記第1カム以外のカムによる揺動に切換可能とした内燃
    機関の弁作動装置において、 前記頂部部材は、前記プロップ機構の移動動作時に当該
    プロップ機構が摺接する摺接面が形成されると共に、当
    該摺接面の縁部の一部は前記プロップ機構の移動動作の
    方向にほぼ直交することを特徴とする内燃機関の弁作動
    装置。
  2. 【請求項2】 前記頂部部材の摺接面には、前記サブロ
    ッカアームの揺動を許容するための切欠部が前記カム軸
    と直交する方向に形成されることを特徴とする請求項1
    に記載の内燃機関の弁作動装置。
  3. 【請求項3】 前記頂部部材の前記プロップ機構にかか
    わる摺接面には、当該摺接面に摺接する前記プロップ機
    構の前記カム軸に直交する断面形状にほぼ対応する凹面
    が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載
    の内燃機関の弁作動装置。
  4. 【請求項4】 前記プロップ機構の第2位置における該
    プロップ機構および前記ロストモーション機構の当接面
    同士を互いに平坦に形成すると共に前記プロップ機構の
    第1位置において該プロップ機構と接触するロストモー
    ションプランジャの頂部を球面状に形成することを特徴
    とする請求項1または2に記載の内燃機関の弁作動装
    置。
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