JPH07242543A - 肝疾患治療剤 - Google Patents

肝疾患治療剤

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JPH07242543A
JPH07242543A JP3359394A JP3359394A JPH07242543A JP H07242543 A JPH07242543 A JP H07242543A JP 3359394 A JP3359394 A JP 3359394A JP 3359394 A JP3359394 A JP 3359394A JP H07242543 A JPH07242543 A JP H07242543A
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Japan
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group
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benzyloxy
therapeutic agent
lower alkyl
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JP3359394A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Minami
慶典 南
Koichi Omori
弘一 大森
Yoshiyuki Muranaka
義幸 村中
Shozo Yamada
省三 山田
Ichiro Yamawaki
一郎 山脇
Manabu Kaneda
学 鐘田
Hiroshi Kimura
碩志 木村
Yutaka Hironaka
豊 弘中
Tetsuo Fujita
哲郎 藤多
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 肝疾患治療剤を提供する。 【構成】 本発明の肝疾患治療剤は、一般式(I) 【化1】 [式中R1 、R2 、R4 及びR5 は、同一又は異なって
水素原子、水酸基、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子を示し、R3
水素原子又は低級アルキル基を示す。Xは水素原子、水
酸基、低級アルコキシ基、ベンジルオキシ基又は−NH
COR6 基(R6 は低級アルキル基)を示し、nは0又
は1であり、Aは低級アルキレン基又は低級アルケニレ
ン基を示す。Yは−NHCOR7 基又は−COR8 基を
示す。ここでR7 は低級アルキル基を示し、R8 は保護
された含硫黄アミノ酸残基又はフェニル置換アミノ基を
示す。]で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体及
びその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,4−ベンゾジオキ
サン誘導体を有効成分とする肝疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】肝臓は生体内における物質代謝とその調
節の大部分を担う重要な臓器である。この臓器がアルコ
ール、薬物及びウイルス等により障害を受けると、薬剤
性肝障害、アルコール性肝障害及びウイルス性肝炎等の
肝疾患を引き起こし、これらの障害が長期に亙ると、肝
硬変や肝癌に至る。
【0003】しかしながら、これらの肝障害に対し有効
な薬剤は現在のところ開発されておらず、抗ウイルス剤
として唯一開発されたインターフェロン(IFN)も期
待されたほどの効果を挙げていない(肝胆膵,24,1
07〜116(1992))。また、IFNは注射剤で
あるため患者にとって肉体的な苦痛も大きい。
【0004】そのため、経口投与が可能で、毒性が低
く、肝障害を抑制し且つウイルスの増殖をも抑制するよ
うな薬剤の開発が望まれている。
【0005】近年、中薬のシャ虫が慢性肝炎に対して効
果を有することが示唆されており(漢方の臨床,29,
90〜93(1980)及び東洋医学会誌,30,19
〜27(1980))、また、D−ガラクトサミン肝障
害モデルにおいてその抽出成分が効果を有することも明
らかとなってきている(日本生薬学会第30回年会講演
要旨集,13(1983)及び日本生薬学会第31回年
会講演要旨集,19(1984))。
【0006】肝疾患治療剤の有効成分として使用できる
1,4−ベンゾジオキサン骨格を有する化合物として
は、例えば特公昭55−38948号公報及び特開昭5
5−59182号公報に記載の化合物が知られている
が、肝疾患治療剤として十分に満足できる化合物は未だ
得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこれらの
問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式
(I)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体が優
れた肝保護作用、脂質過酸化抑制作用及び抗ウイルス作
用を有し、肝疾患治療剤として有用であることを見い出
し、ここに本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式(I)
【0009】
【化2】
【0010】[式中R1 、R2 、R4 及びR5 は、同一
又は異なって水素原子、水酸基、低級アルキル基、低級
アルコキシ基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子を示
し、R3 は水素原子又は低級アルキル基を示す。Xは水
素原子、水酸基、低級アルコキシ基、ベンジルオキシ基
又は−NHCOR6 基(R6 は低級アルキル基)を示
し、nは0又は1であり、Aは低級アルキレン基又は低
級アルケニレン基を示す。Yは−NHCOR7 基又は−
COR8 基を示す。ここでR7 は低級アルキル基を示
し、R8 は保護された含硫黄アミノ酸残基又はフェニル
置換アミノ基を示す。]で表される1,4−ベンゾジオ
キサン誘導体及びその薬学的に許容される塩からなる群
より選ばれた少なくとも1種を有効成分とする肝疾患治
療剤に係る。
【0011】上記一般式(I)で表される1,4−ベン
ゾジオキサン誘導体及びその薬学的に許容される塩は、
優れた肝保護作用、脂質過酸化抑制作用及び抗ウイルス
作用を有し、肝疾患の治療に好適に使用され得る。
【0012】肝疾患としては、例えばウイルス性肝炎、
アルコール性肝障害、薬剤性肝障害等が挙げられる。
【0013】本発明の上記一般式(I)で表される1,
4−ベンゾジオキサン誘導体は一部公知化合物を含んで
いる。これらの化合物は、例えばAdv.Mass S
pectrom 1980(8B)1269〜127
3、Insect Biochem Vol11,19
80 25〜31、Biomed.Mass Spec
trom Vol8,No4 174〜178(198
1)及びArch.Insect Biochem.P
hysiol.,Vol14(2),93〜109(1
990)に記載されているが、これら化合物が肝疾患用
剤として利用できることについては全く記載されていな
い。
【0014】上記一般式(I)中、R1 、R2 、R3
4 、R5 、R6 、R7 、R8 、A、X及びYで定義さ
れる各基及びその他の本明細書に記載の各基はより具体
的にはそれぞれ次の通りである。
【0015】低級アルキル基としては、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペ
ンチル、イソペンチル、n−ヘキシル基等の炭素数1〜
6の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基が例示できる。
【0016】低級アルコキシ基としては、例えばメトキ
シ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−
ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert
−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキ
シ、n−ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖又は
分枝鎖状のアルコキシ基が例示できる。
【0017】ハロゲン原子としては、例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
【0018】低級アルキレン基としては、例えばメチレ
ン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、メチル
メチレン、2−メチルトリメチレン、プロピレン、ブチ
レン、ペンチレン、ヘキシレン基等の炭素数1〜6の低
級アルキレン基が例示できる。
【0019】低級アルケニレン基としては、例えばビニ
レン、2−メチルビニレン、プロペニレン、ブテニレン
基等の炭素数2〜4の低級アルケニレン基が例示でき
る。
【0020】含硫黄アミノ酸残基としては、アミノ酸の
アミノ基から水素原子を除いて形成される残基を示し、
該アミノ酸残基としては、例えばS−エチルカルバモイ
ルシステインメチルエステル、S−エチルカルバモイル
システインエチルエステル、S−エチルカルバモイルシ
ステインベンゾヒドリルエステル、S−エチルカルバモ
イルシスチンメチルエステル、S−エチルカルバモイル
シスチンエチルエステル、S−エチルカルバモイルシス
チンベンゾヒドリルエステル等が例示できる。
【0021】フェニル置換アミノ基としては、例えば2
−低級アルコキシカルボニルフェニルアミノ基、2−低
級アルコキシカルボニルメチルカルバモイルフェニル基
又は4−(3−低級アルコキシ−2−ヒドロキシプロポ
キシ)フェニルアミノ基等が例示できる。
【0022】低級アルコキシカルボニルフェニルアミノ
基としては、カルボキシル基の上記低級アルキル基の具
体的な基によるエステル基であり、該エステル基として
は例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカル
ボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカ
ルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert
−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニ
ル基、イソペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシル
オキシカルボニル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖
状のアルコキシ基を有する低級アルコキシカルボニルフ
ェニルアミノ基が例示できる。
【0023】低級アルコキシカルボニルメチルカルバモ
イルフェニルアミノ基としては、カルボキシル基のグリ
シンエステル誘導体によるカルバモイル基であり、該カ
ルバモイル基としては例えばメトキシカルボニルメチル
カルバモイル基、エトキシカルボニルメチルカルバモイ
ル基、n−プロポキシカルボニルカルバモイル基、イソ
プロポキシカルボニルカルバモイル基、n−ブトキシカ
ルボニルカルバモイル基、イソブトキシカルボニルカル
バモイル基、sec−ブトキシカルボニルカルバモイル
基、tert−ブトキシカルボニルカルバモイル基、n
−ペンチルオキシカルボニルカルバモイル基、イソペン
チルオキシカルボニルカルバモイル基、n−ヘキシルオ
キシカルボニルカルバモイル基等の炭素数1〜6の直鎖
又は分枝鎖状のアルコキシカルボニルメチルカルバモイ
ル基を有する低級アルコキシカルボニルメチルカルバモ
イルフェニルアミノ基が例示できる。
【0024】3−低級アルコキシ−2−ヒドロキシプロ
ポキシフェニルアミノ基としては、2,3−ジヒドロキ
シプロポキシ基の3位の水酸基と上記低級アルキル基の
具体的な基によるエーテル基であり、該エーテル基とし
ては例えば3−メトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、
3−エトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−(n−
プロポキシ)−2−ヒドロキシプロピル基、3−イソプ
ロポキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−(n−ブト
キシ)−2−ヒドロキシプロピル基、3−イソブトキシ
−2−ヒドロキシプロピル基、3−(sec−ブトキ
シ)−2−ヒドロキシプロピル基、3−(tert−ブ
トキシ)−2−ヒドロキシプロピル基、3−(n−ペン
チルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル基、3−イソペ
ンチルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−(n−
ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル基等の炭素
数1〜6の直鎖又は分枝鎖状のエーテル基を有する3−
低級アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシフェニルア
ミノ基が例示できる。
【0025】本発明の一般式(I)で表される1,4−
ベンゾジオキサン誘導体の塩としては、薬学的に許容さ
れる塩基性化合物を作用させた塩基塩が挙げられる。上
記塩基塩としては、一般式(I)の化合物のうち酸性
基、特にフェノール性水酸基との塩基、例えばナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ
金属及びアルカリ土類金属との塩、アンモニア、メチル
アミン、ジメチルアミン、ピペリジン、シクロヘキシル
アミン、トリエチルアミン等のアミン類等の有機塩が例
示できる。
【0026】上記一般式(I)で表される1,4−ベン
ゾジオキサン誘導体には、次の化合物が包含される。
【0027】R1 及びR5 が水素原子、R2 が水酸基、
低級アルコキシ基又はベンジルオキシ基、R3 が水素原
子又は低級アルキル基、R4 が水素原子、水酸基又はベ
ンジルオキシ基、Xが水素原子、水酸基、ベンジルオキ
シ基又はNHCOR6 基(R6 は低級アルキル基)、n
が0又は1、Aが低級アルキレン基又は低級アルケニレ
ン基、Yが−NHCOR7 基(R7 は低級アルキル基)
又は−COR8 基(R8 は保護された含硫黄アミノ酸残
基又はフェニル置換アミノ基)である1,4−ベンゾジ
オキサン誘導体。
【0028】R1 及びR5 が水素原子、R2 が水酸基、
低級アルコキシ基又はベンジルオキシ基、R3 が水素原
子又は低級アルキル基、R4 が水素原子、水酸基又はベ
ンジルオキシ基、Xが水素原子、水酸基、ベンジルオキ
シ基又は−NHCOR6 基(R6 は低級アルキル基)、
nが0又は1、Aが低級アルキレン基又は低級アルケニ
レン基、Yが−NHCOR7 基(R7 は低級アルキル
基)又は−COR8 基(R8 はS−エチルカルバモイル
チオシステインメチルエステル残基、2−メトキシカル
ボニルフェニルアミノ基、2−メトキシカルボニルメチ
ルカルバモイルフェニルアミノ基又は4−(3−エトキ
シ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルアミノ基)で
ある1,4−ベンゾジオキサン誘導体。
【0029】上記一般式(I)で表される化合物におい
て、R1 、R3 、R4 及びR5 が水素原子であり、R2
が水酸基であるのが好ましい。また、R1 、R3 、R4
及びR5 が水素原子であり、R2 がメトキシ基であるの
が好ましい。
【0030】特に好ましい化合物は、R1 、R3 、R4
及びR5 が水素原子、R2 が水酸基、nが0、Xが水素
原子又は水酸基、Yがアセトアミド基である化合物、並
びにR1 、R3 、R4 及びR5 が水素原子、R2 がメト
キシ基、nが0、Xが水素原子、Yが−COR8 基(R
8 はS−エチルカルバモイルチオシステインメチルエス
テル残基、2−メトキシカルボニルフェニルアミノ基、
2−メトキシカルボニルメチルカルバモイルフェニルア
ミノ基又は4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポ
キシ)フェニルアミノ基)である化合物である。
【0031】本発明の前記一般式(I)で表される1,
4−ベンゾジオキサン誘導体は、中薬シャ虫から分離精
製することにより、或いは種々の化合物を原料として製
造することができる。
【0032】シャ虫からの分離精製方法としては、例え
ばマダラゴキブリ科のゴキブリをメタノール−クロロホ
ルム混液中で振盪又は加熱還流後、溶媒を留去し、得ら
れたエキスをクロロホルム−水で分配し、水層をブタノ
ール抽出してブタノール可溶性物質を得、次にこの可溶
性物質を分取用液体クロマトグラフィー(HPLC)に
付せばよい。斯くして本発明の1,4−ベンゾジオキサ
ン誘導体を得ることができる。
【0033】また、本発明の1,4−ベンゾジオキサン
誘導体は、下記反応工程式−A又は反応工程式−Bに示
す方法に従って製造される。
【0034】
【化3】
【0035】[式中R1 、R2 、R4 、R5 、R7
A、X及びnは前記に同じ。R9 は低級アルキル基を示
す。] 上記反応工程式−Aにおける各工程は、より詳細には次
のようにして実施される。
【0036】(工程1)一般式(I−a)で表される化
合物は、例えば、ジャーナルオブケミカルソサイアティ
パーキンI,775(1980)及びジャーナルオブバ
イオロジカルケミストリー,262巻,22号,105
46〜10549(1987)に記載の方法に準じて、
適当な溶媒中、酸化銀等の酸化剤の存在下に一般式(I
I)の化合物と一般式(III)の化合物とを反応させ
ることにより製造される。
【0037】溶媒としては反応に関与しないものであれ
ば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、1
−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、
2−ブタノール等のアルコール類、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素
類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシ
ド等の非プロトン性極性溶媒等を単独で或いはこれらを
2種以上組み合わせて使用できる。
【0038】酸化剤としては、例えばマッシュルームチ
ロシナーゼ等の酸化酵素、酸化銀等を例示できる。斯か
る酸化剤は、一般式(III)の化合物1モルに対して
通常1〜5モル当量、好ましくは1〜2モル当量使用す
るのがよい。
【0039】一般式(II)の化合物と一般式(II
I)の化合物との使用割合は、特に限定されるものでは
ないが、後者に対して前者を通常1〜5モル当量、好ま
しくは1〜2モル当量とするのがよい。
【0040】この反応の反応温度は通常0〜100℃程
度、好ましくは室温〜50℃である。また反応時間は通
常0.5〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
【0041】尚、上記一般式(II)で表される化合物
は、参考例1〜4に準じて合成され、また、上記一般式
(III)で表される化合物は、例えば、Org.Pr
ep.Proced.Int.20(20,1−2),
191(1988)及びシンセシス,19,523(1
987)に記載の方法及び参考例5〜10に準じて合成
される。
【0042】更に、上記反応で得られたベンジル体(R
4 がベンジルオキシ基である一般式(I−a)の化合
物)は、不活性溶媒中触媒の存在下に脱ベンジル化反応
を行うことにより、アルコール体(R4 が水酸基である
一般式(I−a)の化合物)に誘導し得る。ここで用い
られる不活性溶媒としては反応に関与しないものであれ
ば特に制限はなく、例えばメタノール、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、酢
酸等を単独で或いはこれらを2種以上組み合わせて使用
できる。
【0043】触媒としては、例えばパラジウム炭素、白
金等が例示できる。斯かる触媒は、一般式(I−a)の
化合物1g当り通常0.01〜2g、好ましくは0.1
〜0.5g使用するのがよい。
【0044】この反応の水素圧は通常1〜5kg/cm
2 、好ましくは1〜3kg/cm2である。また該反応
の反応温度は通常0〜100℃程度、好ましくは室温〜
70℃であり、反応時間は通常0.5〜12時間、好ま
しくは1〜4時間である。
【0045】斯くして得られる一般式(I−a)の化合
物は、それ自身肝障害抑制作用を有しているが、中間原
料として単離し又は単離することなく次の工程2に用い
ることができる。
【0046】(工程2)一般式(I−b)で表される化
合物は、通常一般式(I−a)で表される化合物を公知
慣用の方法でアルキル化することにより、例えば不活性
溶媒中、塩基性化合物の存在下にアルキル化剤を作用さ
せることにより製造される。
【0047】不活性溶媒としては、反応に関与しないも
のであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタ
ノール、2−ブタノール等のアルコール類、ジクロロメ
タン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類、
N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメ
チルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等を例示で
き、これらは単独で或いは2種以上組み合わせて使用で
きる。
【0048】塩基性化合物としては、例えばトリエチル
アミン、ジイソプロピルアミン等のトリアルキルアミン
類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸銀等の炭酸
塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水
素化アルカリ金属等の無機塩基性化合物が例示できる。
斯かる塩基性化合物は、一般式(I−a)の化合物1モ
ルに対して通常1〜5モル当量、好ましくは1〜2モル
当量使用するのがよい。
【0049】アルキル化剤としては、例えばヨウ化アル
キル等のハロゲン化アルキル等を例示できる。斯かるア
ルキル化剤は、一般式(I−a)の化合物1モルに対し
て通常1〜5モル当量、好ましくは1〜2モル当量使用
するのがよい。
【0050】このアルキル化の反応温度は通常0℃〜溶
媒の沸点程度、好ましくは室温〜100℃であり、反応
時間は通常1〜48時間、好ましくは1〜24時間であ
る。
【0051】更に、上記反応で得られたベンジル体(R
4 がベンジルオキシ基である一般式(I−b)の化合
物)は、工程1と同様の脱ベンジル化反応を行うことに
よりアルコール体(R4 が水酸基である一般式(I−
b)の化合物)に誘導し得る。
【0052】
【化4】
【0053】[式中R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R
8 、A、X及びnは前記に同じ。] 上記反応工程式−Bにおける反応は、より詳細には次の
ようにして実施される。すなわち、一般式(I−c)で
表される化合物は、通常、ケミッシュベリヒテ,148
2(1975)及びケミッシュベリヒテ,3664(1
977)に記載の方法に準じて合成される上記一般式
(IV)で表されるカルボン酸誘導体と一般式(V)で
表される公知化合物とを、適当な溶媒中、脱水縮合剤の
存在下に反応させることにより製造される。
【0054】溶媒としては反応に関与しないものであれ
ば特に制限はなく、例えばジクロロメタン、クロロホル
ム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル
等の酢酸エステル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭
化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニト
リル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒
等を単独で或いはこれらを2種以上組み合わせて使用で
きる。
【0055】脱水縮合剤としては、カルボン酸体を活性
化するものであれば特に制限はなく、例えばジシクロヘ
キシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、シ
アノリン酸ジエチル等が例示できる。斯かる脱水縮合剤
の使用量としては、通常一般式(IV)の化合物に対し
て1〜5モル当量、好ましくは1〜2モル当量とするの
がよい。
【0056】一般式(IV)の化合物と一般式(V)の
化合物との使用割合は、特に限定されるものではない
が、前者に対して後者を通常1〜5モル当量、好ましく
は1〜2モル当量とするのがよい。
【0057】この反応の反応温度は通常0〜100℃程
度、好ましくは室温〜50℃であり、反応時間は通常1
〜48時間程度、好ましくは1〜24時間である。
【0058】上記の各反応で得られた本発明化合物(I
−a)、(I−b)及び(I−c)は、いずれも通常の
分離精製手段、例えばカラムクロマトグラフィー、再結
晶、減圧蒸留等により反応混合物から容易に単離精製す
ることができる。
【0059】一般式(I)で表される1,4−ベンゾジ
オキサン誘導体及びその薬学的に許容される塩を医薬と
して用いるに当っては、予防又は治療の目的に応じて各
種の投与形態を採用可能であり、該形態としては、例え
ば丸剤、錠剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤等の経口剤、
注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤、エアゾール剤、点眼
剤、点鼻剤等の非経口剤のいずれでもよく、これらの投
与形態は、各々当業者に公知慣用の製造方法により製造
できる。
【0060】経口用固型製剤を調製する場合には、一般
式(I)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体及
びその薬学的に許容される塩に賦形剤、必要に応じて結
合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加え
た後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプ
セル剤等を製造することができる。そのような添加剤と
しては、当該分野で一般的に使用されるものでよく、例
えば、賦形剤としては乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブ
ドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶
セルロース、珪酸等を、結合剤としては、水、エタノー
ル、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン
液、ゼラチン溶液、カルボキシルメチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスタ
ーチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラッ
ク、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等を、崩
壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、
カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラ
ウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、
乳糖等を、滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸
塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を、着色剤とし
ては、酸化チタン、酸化鉄等を、矯味・矯臭剤として
は、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等をそれぞれ例示で
きる。
【0061】経口用液体製剤を調製する場合には、一般
式(I)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体及
びその薬学的に許容される塩に矯味・矯臭剤、緩衝剤、
安定化剤等を加えて常法により、内服液剤、シロップ
剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合
矯味・矯臭剤としては上記に挙げられたものでよく、緩
衝剤としてはクエン酸ナトリウム等が、安定化剤として
はトラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられ
る。
【0062】注射剤を調製する場合には、一般式(I)
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体及びその薬
学的に許容される塩にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、
等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋
肉内、静脈用注射剤を製造することができる。この場合
のpH調節剤及び緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム、
酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が、安定化剤とし
てはピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール
酸、チオ乳酸等が、等張化剤としては塩化ナトリウム、
ブドウ糖等が、局所麻酔剤としては塩酸プロカイン、塩
酸リドカイン等が挙げられる。
【0063】坐剤を調製する場合には、一般式(I)で
表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体及びその薬学
的に許容される塩に当業界においての公知の製剤用担
体、例えばポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ
脂、脂肪酸トリグリセライド等を、更に必要に応じてツ
イーン(登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、
常法により製造することができる。
【0064】軟膏剤を調製する場合には、一般式(I)
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体及びその薬
学的に許容される塩に通常使用される基剤、安定化剤、
湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により
混合、製剤化される。基剤としては、流動パラフィン、
白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアル
コール、パラフィン等が挙げられる。保存剤としては、
パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチ
ル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
【0065】貼付剤を製造する場合には、通常の支持体
に前記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により
塗布すればよい。支持体としては、綿、スフ、化学繊維
からなる織布、不織布や軟質塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポリウレタン等のフィルムあるいは発泡体シートが
適当である。
【0066】上記の各投与単位形態中に配合されるべき
一般式(I)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導
体及びその薬学的に許容される塩の量は、これを適用す
るべき患者の症状により或はその剤型等により一定でな
いが、一般に投与単位形態当り経口剤では1〜1000
mg、注射剤では0.1〜500mg、坐剤では5〜1
000mgとするのが好ましい。また、上記投与形態を
有する薬剤の1日当りの投与量は、患者の症状、体重、
性別等によって一概に決定できないが、通常成人1日当
り0.1〜5000mg、好ましくは1〜1000mg
とすればよく、これを1回又は2〜4回に分けて投与す
るのが好ましい。
【0067】
【実施例】以下、参考例及び実施例を挙げ本発明内容を
更に詳細に説明するが、本発明はこれにより限定される
ものではない。
【0068】参考例1 3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸メチルエステルの合
成 3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸10gにメタノール
200mlを加え、次に塩化水素ガスを導入しながら6
時間加熱還流した。冷後、メタノールを留去して、得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸メチルエステル
を7.17g(収率66%)得た。
【0069】1 H−NMR(DMSO−d6 ):δ 3.43(2H,s),3.57(3H,s),6.4
0〜6.66(3H,m),8.77(2H,broa
ds)。
【0070】参考例2 3,4−ジメトキシメトキシフェネチルベンジルエーテ
ルの合成 参考例1で得られた3,4−ジヒドロキシ酢酸メチルエ
ステル2.59g及びジイソプロピルエチルアミン7.
43mlの塩化メチレン(26ml)溶液に、氷冷下メ
トキシメチルクロライド3.24mlを滴下し、同温で
1時間、室温で2時間撹拌した。反応終了後、塩化メチ
レンを留去して、得られた残渣をジエチルエーテルと水
で振り分け、有機層を1N−NaOH水溶液で洗浄後に
水洗し、分取した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
した後溶媒を留去し、3,4−ジメトキシメトキシフェ
ニル酢酸メチルエステルを2.90g(収率76%)得
た。
【0071】次に、リチウムアルミニウムハイドライド
618mgの乾燥テトラヒドロフラン(60ml)懸濁
液に、3,4−ジメトキシメトキシフェニル酢酸メチル
エステル2.20gの乾燥テトラヒドロフラン(20m
l)溶液を室温で滴下し、同温で1時間撹拌した。反応
終了後、含水テトラヒドロフランを加え、析出した不溶
物をハイフロスーパーセル上で濾過後、濾液を濃縮し、
3,4−ジメトキシメトキシフェネチルアルコールを
1.95mg(収率99%)得た。
【0072】次に、3,4−ジメトキシメトキシフェネ
チルアルコール1.92gを乾燥テトラヒドロフラン2
0mlに溶解し、氷冷下に60%水素化ナトリウム47
5mgを少量ずつ加えた。同温で20分間、室温で40
分間撹拌した後、ベンジルブロマイド1ml及びテトラ
ブチルアンモニウムアイオダイド60mlを加え、更に
室温で5時間撹拌した。反応終了後、不溶物をハイフロ
スーパーセル上で濾過し、濾液を濃縮し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、3,
4−ジメトキシメトキシフェネチルベンジルエーテルを
2.11mg(収率80%)得た。
【0073】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 2.79(2H,t,J=7.08Hz),3.51
(6H,s),3.68(2H,t,J=7.08H
z),4.52(2H,s),5.20(4H,s),
6.76〜7.35(8H,m)。
【0074】参考例3 3,4−ジヒドロキシフェネチルベンジルエーテルの合
成 参考例2で得られた3,4−ジメトキシメトキシフェネ
チルベンジルエーテルを2.10gを酢酸エチル2ml
に溶解後、氷冷下に2.6M塩化水素−酢酸エチル溶液
5.7mlを滴下し、室温で4時間撹拌した。反応終了
後、酢酸エチルを留去し、得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製し、3,4−ジヒドロキ
シフェネチルベンジルエーテルを1.25mg(収率8
5%)得た。
【0075】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 2.78(2H,t,J=7.08Hz),3.65
(2H,t,J=7.08Hz),4.53(2H,
s),6.53〜6.76(3H,m),7.30(5
H,s)。
【0076】参考例4 ベンズヒドリル (2−ヒドロキシ−5−ホルミル)フ
ェニル コハク酸エステルの合成 0.5N水酸化ナトリウム水溶液200mlに3,4−
ジヒドロキシベンズアルデヒド13.8gを加えて溶解
後、氷冷下に無水コハク酸15gを加えて5分間撹拌
後、2N塩酸50mlで中和し、酢酸エチルで抽出し
た。次に、この抽出液に氷冷下ジフェニルジアゾメタン
19.4gを含む塩化メチレン溶液200mlを滴下し
た。室温で1時間撹拌後溶媒を留去し、得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ベンズ
ヒドリル (2−ヒドロキシ−5−ホルミル)フェニル
コハク酸エステルを21.43g(収率53%)得
た。
【0077】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 2.88〜3.00(4H,m),5.72(1H,
s),6.92(1H,s),7.25〜7.80(1
3H,m)。
【0078】参考例5 3−ヒドロキシ−4−メトキシメトキシベンズアルデヒ
ドの合成 参考例4で得られたベンズヒドリル (2−ヒドロキシ
−5−ホルミル)フェニル コハク酸エステル20.2
g及びジイソプロピルアミン7.74gを塩化メチレン
200mlに溶解後、氷冷下メトキシメチルクロライド
4.83gの塩化メチレン溶液20mlを滴下し、室温
で3時間撹拌した。反応終了後溶媒を留去し、得られた
残渣をジエチルエーテルと水で振り分け、分取した有機
層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後溶媒を留去し、
22.4gの残渣を得た。
【0079】次に、得られた残渣をメタノール200m
lに溶解後、5N−水酸化ナトリウム水溶液22mlを
室温で滴下し、同温で1時間撹拌した。反応終了後メタ
ノールを留去し、得られた残渣をジエチルエーテルと水
で振り分け、分取した水層を6N−塩酸18mlで中和
した後ジエチルエーテルで抽出し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製し、3−ヒドロキシ
−4−メトキシメトキシベンズアルデヒドを9.0g
(収率98%)得た。
【0080】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 3.53(3H,s),5.32(2H,s),5.9
8(1H,broad),7.26〜7.48(3H,
m),9.86(1H,s)。
【0081】参考例6 3−ベンジロキシ−4−メトキシメトキシベンズアルデ
ヒドの合成 参考例5で得られた3−ヒドロキシ−4−メトキシメト
キシベンズアルデヒド1.82g、炭酸カリウム1.4
5g及びベンジルブロマイド1.8gをアセトン36m
l中2時間加熱還流した。冷後不溶物を濾過した後溶媒
を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製し、3−ベンジロキシ−4−メトキシメ
トキシベンズアルデヒドを2.58g(収率94%)得
た。
【0082】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 3.52(3H,s),5.20(2H,s),5.3
2(2H,s),7.26〜7.49(8H,m),
9.83(1H,s)。
【0083】参考例7 N−アセチル−3−ベンジロキシ−4−ヒドロキシ−β
−スチリルアミンの合成 参考例6で得られた3−ベンジロキシ−4−メトキシメ
トキシベンズアルデヒド2.27gに触媒量のヨウ化亜
鉛及びトリメチルシリルシアニド1.2mlを加えて、
室温で1.5時間撹拌後乾燥ジエチルエーテル15ml
に溶解した。この溶液をリチウムアルミニウムハイドラ
イド758mgの乾燥ジエチルエーテル75mlの懸濁
液に室温で滴下し、その後2時間加熱還留した。冷後、
氷冷下に水1ml、2N−水酸化ナトリウム水溶液1m
lを加え、不溶物をハイフロスーパーセル上で濾過し、
濾液よりエーテル層を分取し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥後溶媒を留去し、(3−ベンジロキシ−4−メトキ
シメトキシ)フェニルエタノールアミンを1.64g
(収率65%)得た。
【0084】1 H−NMR(DMSO−d6 /D
2 O):δ 2.60〜2.80(2H,m),3.36(3H,
s),4.40〜4.60(1H,m),5.08(2
H,s),5.12(2H,s),6.80〜7.52
(8H,m)。
【0085】参考例8 O,N−ジアセチル−(3−ベンジロキシ−4−メトキ
シメトキシ)フェニルエタノールアミンの合成 参考例7で得られた(3−ベンジロキシ−4−メトキシ
メトキシ)フェニルエタノールアミン4.11g、トリ
エチルアミン4.0ml及びジメチルアミノピリジン1
0mgに氷冷下、無水酢酸12.8mlを滴下し、発熱
が止んでから室温で1時間撹拌した。次に無水酢酸を減
圧下留去した後、残渣に水を加えて析出物を濾取した。
減圧乾燥してO,N−ジアセチル−(3−ベンジロキシ
−4−メトキシメトキシ)フェニルエタノールアミンを
5.02g(収率95%)得た。
【0086】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 1.92(3H,s),2.02(3H,s),3.4
8(3H,s),3.46〜3.64(2H,m),
5.12(2H,s),5.18(2H,s),5.6
4〜5.76(1H,m),6.80〜7.48(8
H,m)。
【0087】参考例9 O,N−ジアセチル−(3−ベンジロキシ−4−アセト
キシ)フェニルエタノールアミンの合成 参考例8で得られたO,N−ジアセチル−(3−ベンジ
ロキシ−4−メトトキシメトキシ)フェニルエタノール
アミン1.94gにトルエンスルホン酸1水和物95m
g、無水酢酸2.4ml及び酢酸12mlを加え、10
0℃で2時間撹拌した。冷後、減圧下に酢酸を留去した
後、得られた残渣を酢酸エチルと水で振り分け、酢酸エ
チル層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を
留去した。残渣にジエチルエーテルを加えて氷冷下撹拌
して結晶を析出させO,N−ジアセチル−(3−ベンジ
ロキシ−4−アセトキシ)フェニルエタノールアミンを
1.34g(収率69%)得た。
【0088】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 1.94(3H,s),2.07(3H,s),2.2
7(3H,s),3.52〜3.66(2H,m),
5.10(2H,s),5.73〜5.86(1H,
m),6.89〜7.43(8H,m)。
【0089】参考例10 N−アセチル−3−ベンジロキシ−4−ヒドロキシ−β
−スチリルアミンの合成参考例9で得られたO,N−ジ
アセチル−(3−ベンジロキシ−4−アセトキシ)フェ
ニルエタノールアミン3.16g及び炭酸カリウム2.
95gをジメチルスルホキシド24ml中110℃で2
時間撹拌した。冷後、氷水に注ぎ酢酸エチルで抽出し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去した。得られ
た残渣に四塩化炭素を加えて結晶を析出させ、N−アセ
チル−3−ベンジロキシ−4−ヒドロキシ−β−スチリ
ルアミンを1.00g(収率40%)得た。
【0090】1 H−NMR(DMSO−d6 ):δ 1.94(3H,s),5.12(2H,s),5.9
8(1H,d,J=14.9Hz),6.92〜7.5
8(9H,m),8.96(1H,s),10.06
(1H,broad−d,J=5.6Hz)。
【0091】実施例1 シャ虫からの単離 マダラゴキブリ科のゴキブリをメタノール−クロロホル
ム混液中で加熱還流後溶媒を留去し、得られたエキスを
クロロホルム−水で分配し、水層をブタノール抽出した
後溶媒を留去し、ブタノール可溶性物質75gを得た。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付し、クロロホルム−メタノール(20:1)混合溶媒
で溶出し、有効成分を含有する分画の溶媒を留去し、残
渣を4g得た。得られた残渣を分取用HPLC(カラ
ム:YMC・ODS−D(250×20mmi.d.,
山村化学),溶媒:20mMリン酸二水素カリウム溶液
−アセトニトリル)にて分離精製し、N−[3−(3,
4−ジヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−6−
(2−ヒドロキシエチル)−1,4−ベンゾジオキシン
−2−イル]−アセトアミドを15mg、N−[3−
(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ
−7−(2−ヒドロキシエチル)−1,4−ベンゾジオ
キシン−2−イル]−アセトアミドを25mg、N−
[2−[2−(アセチルアミノ)−3−(3,4−ジヒ
ドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベン
ゾジオキシン−6−イル]−エテニル]−アセトアミド
を45mg及びN−[2−[3−(アセチルアミノ)−
2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒ
ドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]−エテニ
ル]−アセトアミドを20mg得た。
【0092】N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−2,3−ジヒドロ−6−(2−ヒドロキシエチ
ル)−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]−アセト
アミド (化合物1) FAB−MS:m/z 346(M+H)+ 1 H−NMR(DMSO−d6 ):δ 1.77(3H,s),2.62(2H,t,J=7H
z),3.56(2H,t,J=7Hz),4.55
(1H,br−s),4.71(1H,d,J=7H
z),5.55(1H,d,J=8Hz),6.65〜
6.80(6H,m),8.85(1H,br−d,J
=9Hz),8.97(2H,br−s)。
【0093】N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−2,3−ジヒドロ−7−(2−ヒドロキシエチ
ル)−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]−アセト
アミド (化合物2) FAB−MS:m/z 346(M+H)+ 1 H−NMR(DMSO−d6 ):δ 1.77(3H,s),2.62(2H,J=7H
z),3.55(2H,t,J=7Hz),4.55
(1H,br−s),4.71(1H,d,J=7H
z)5.57(1H,dd,J=9,7Hz),6.6
5〜6.74(3H,m),6.75(1H,d,J=
2Hz),6.78(1H,d,J=2Hz),6.8
2(1H,d,J=8Hz),8.86(1H,br−
d,J=9Hz),8.98(2H,br−s)。
【0094】N−[2−[2−(アセチルアミノ)−3
−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒド
ロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]−エテニ
ル]−アセトアミド(化合物3) FAB−MS:m/z 385(M+H)+ 1 H−NMR(DMSO−d6 ):δ 1.77(3H,s)1.94(3H,s),4.75
(1H,d,J=7Hz),5.58(1H,br−
t,J=8Hz),6.00(1H,d,J=15H
z),6.68(1H,dd,J=8,2Hz),6.
71(1H,d,J=8Hz),6.79(1H,d,
J=2Hz),6.81(1H,d,J=8Hz),
6.87(1H,dd,J=8,2Hz),6.88
(1H,d,J=2Hz),7.23(1H,d,J=
15Hz),8.88(1H,br−d,J=9H
z),8.95(2H,br−s),10.03(1
H,br−s)。
【0095】N−[2−[3−(アセチルアミノ)−2
−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒド
ロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]−エテニ
ル]−アセトアミド(化合物4) FAB−MS:m/z 385(M+H)+ 1 H−NMR(DMSO−d6 ):δ 1.78(3H,s),1.94(3H,s),4.7
4(1H,d,J=7Hz),5.60(1H,br−
t,J=8Hz),6.03(1H,d,J=15H
z),6.68(1H,dd,J=8Hz),6.71
(1H,d,J=8Hz),6.78(1H,d,J=
2Hz),6.85(3H,s),7.23(1H,
d,J=15Hz),8.89(1H,br−d,J=
9Hz),8.95(2H,br−s),10.03
(1H,br−s)。
【0096】実施例2 N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2,3
−ジヒドロ−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,4−
ベンゾジオキシン−2−イル]−アセトアミド(化合物
1)及びN−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)
−2,3−ジヒドロ−7−(2−ヒドロキシエチル)−
1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]−アセトアミド
(化合物2)の合成 参考例3で得られた3,4−ジヒドロキシフェネチルベ
ンジルエーテルから公知慣用の脱ベンジル化反応によっ
て合成された4−(ヒドロキシエチル)カテコール1
2.2gと、参考例10で得られたN−アセチル−3−
ベンジロキシ−4−ヒドロキシ−β−スチリルアミン1
4.15gをベンゼン600ml、メタノール120m
l中、酸化銀11.58g存在下、室温で20時間攪拌
した。不溶物をハイフロスーパーセル上で濾過後、濾液
を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(ベンゼン/酢酸エチル=2/1)で精製し、
位置異性体混合物10.94gが得られた。得られた混
合物10.94gをメタノール200mlに溶解し、5
%パラジウム炭素5.46gを加え、水素気流下(初圧
2.8kg/cm2 )室温にて24時間振盪した。ハイ
フロスーパーセル上で濾過後、濾液を濃縮し、得られた
残渣をHP−20カラムクロマトグラフィーにて精製
し、凍結乾燥により化合物1が4.09g及び化合物2
が1.43g得られた。NMRのケミカルシフト値は実
施例1で得られたものに一致した。
【0097】実施例3 N−[2−[2−(アセチルアミノ)−3−(3,4−
ジヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,4−
ベンゾジオキシン−6−イル]−エテニル]−アセトア
ミド(化合物3)及びN−[2−[3−(アセチルアミ
ノ)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2,3
−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]−
エテニル]−アセトアミド(化合物4)の合成 1,2−デヒドロ−N−アセチルドパミン1.2gとマ
ッシュルームチロシナーゼ20mgを0.05Mリン酸
ナトリウム緩衝液(pH=6.0)400ml中、28
℃で40分間攪拌した。反応混合物を凍結乾燥し、残渣
をメタノール200mlで抽出した後、抽出液を濃縮
し、得られた残渣を分取用HPLC(カラム:YMC・
ODS−D)で分離精製し、凍結乾燥により化合物3が
85mg及び化合物4が42mg得られた。NMRのケ
ミカルシフト値は実施例1で得られたものに一致した。
【0098】実施例4 N−[3−(3−ベンジロキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−2,3−ジヒドロ−6−(2−ベンジロキシエチ
ル)−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]アセトア
ミド(化合物5)の合成 参考例3で得られた3,4−ジヒドロキシフェネチルベ
ンジルエーテル244mg及び参考例10で得られたN
−アセチル−3−ベンジロキシ−4−ヒドロキシ−β−
スチリルアミン283mgを酸化銀232mg存在下、
ベンゼン12ml及びメタノール2.4mlの混合溶媒
中室温で24時間攪拌した。不溶物をハイフロスーパー
セル上で濾過後濾液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物(化
合物5)を295mg(収率56%)得た。
【0099】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 1.94(3H,s),2.84(2H,t,J=5.
1Hz),3.64(2H,t,J=5.1Hz),
4.52(2H,s),4.85(1H,d,J=5.
1Hz),5.04(2H,s),5.75(1H,
s),6.04(1H,dd,J=5.1,9.5H
z),6.20(1H,d,J=9.5Hz),6.7
8〜7.38(16H,m)。
【0100】実施例5 N−[3−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)
−2,3−ジヒドロ−6−(2−ベンジロキシエチル)
−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]アセトアミド
(化合物6)の合成 実施例4と同様な方法でN−アセチル−3−ベンジロキ
シ−4−ヒドロキシ−β−スチリルアミンの代わりに、
N−アセチル−3−メトキシ−4−ヒドロキシ−β−ス
チリルアミンを使用して反応を行い、標記化合物(化合
物6)を収率33%で得た。
【0101】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 1.92(3H,s),2.82(2H,t,J=6.
8Hz),3.62(2H,t,J=6.8Hz),
3.80(3H,s),4.48(2H,s),4.8
2(1H,d,J=5.1Hz),5.72(2H,
s),6.00(1H,dd,J=5.1,9.6H
z),6.30(1H,d,J=9.6Hz),6.7
2〜6.90(6H,m),7.30(5H,s)。
【0102】実施例6 N−[3−(3,5−ジベンジロキシ−4−ヒドロキシ
フェニル)−2,3−ジヒドロ−6−(2−ベンジロキ
シエチル)−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]ア
セトアミド(化合物7)の合成 実施例4と同様な方法でN−アセチル−3−ベンジロキ
シ−4−ヒドロキシ−β−スチリルアミンの代わりに、
N−アセチル−3,5−ジベンジロキシ−4−ヒドロキ
シ−β−スチリルアミンを使用して反応を行い、標記化
合物(化合物7)を収率75%で得た。
【0103】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 1.89(3H,s),2.82(2H,t,J=6.
8Hz),3.64(2H,t,J=6.8Hz),
4.51(2H,s),4.80(1H,d,J=6.
8Hz),5.07(4H,s),5.66(1H,
s),6.00(1H,dd,J=6.8,9.6H
z),6.20(1H,d,J=9.6Hz),6.6
7(2H,s),6.78〜7.38(18H,m)。
【0104】実施例7 N−[3−(3−ベンジロキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−
2−イル]アセトアミド(化合物8)の合成実施例2と
同様な方法で3,4−ジヒドロキシフェネチルベンジル
エーテルの代わりに、カテコールを使用して反応を行
い、標記化合物(化合物8)を収率31%で得た。
【0105】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 1.89(3H,s),4.80(1H,d,J=6.
8Hz),5.00(2H,s),6.00(1H,d
d,J=6.8,9.6Hz),6.32(1H,d,
J=9.6Hz),6.82〜6.96(7H,m),
7.32(5H,s)。
【0106】実施例8 N−[3−(3−ベンジロキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−8−ベンジロキシ−2,3−ジヒドロ−1,4−
ベンゾジオキシン−2−イル]アセトアミド(化合物
9)の合成 実施例4と同様な方法で3,4−ジヒドロキシフェネチ
ルベンジルエーテルの代わりに、2,3−ジヒドロキシ
ベンジルエーテルを使用して反応を行い、標記化合物
(化合物9)を収率36%で得た。
【0107】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 1.68(3H,s),4.72(1H,d,J=5.
1Hz),5.00(2H,s),5.02(2H,
s),5.82(1H,s),6.02(1H,dd,
J=5.1,9.5Hz),6.50〜7.00(6
H,m),7.20(5H,s),7.32(5H,
s)。
【0108】実施例9 N−[3−(3−ベンジロキシ−4−メトキシフェニ
ル)−2,3−ジヒドロ−6−(2−ベンジロキシエチ
ル)−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]アセトア
ミド(化合物10)の合成 実施例4で得られたN−[3−(3−ベンジロキシ−4
−ヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−6−(2
−ベンジロキシエチル)−1,4−ベンゾジオキシン−
2−イル]アセトアミド(化合物5)525mg及びヨ
ウ化メチル284mgを炭酸カリウム207mg存在
下、アセトン12ml中で3時間加熱還流した。冷後不
溶物をハイフロスーパーセル上で濾過後濾液を濃縮し、
得られた残渣をジエチルエーテルと水で振り分け、有機
層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、標記化合物(化合物10)を329mg
(収率61%)得た。
【0109】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 1.90(3H,s),2.83(2H,t,J=6.
8Hz),3.64(2H,t,J=6.8Hz),
3.80(3H,s),4.42(2H,s),4.8
2(1H,d,J=5.1Hz),5.20(2H,
s),5.98(1H,dd,J=5.1,9.6H
z),6.28(1H,d,J=9.6Hz),6.7
4〜7.40(16H,m)。
【0110】実施例10 N−[3−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,3−
ジヒドロ−6−(2−ベンジロキシエチル)−1,4−
ベンゾジオキシン−2−イル]アセトアミド(化合物1
1)の合成 実施例9と同様な方法でN−[3−(3−ベンジロキシ
−4−ヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−6−
(2−ベンジロキシエチル)−1,4−ベンゾジオキシ
ン−2−イル]アセトアミドの代わりに、実施例5で得
られたN−[3−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェ
ニル)−2,3−ジヒドロ−6−(2−ベンジロキシエ
チル)−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]アセト
アミド(化合物6)を使用して反応を行い、標記化合物
(化合物11)を収率90%で得た。
【0111】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 1.94(3H,s),2.83(2H,t,J=6.
8Hz),3.65(2H,t,J=6.8Hz),
3.83(3H,s),3.85(3H,s),4.5
2(2H,s),4.88(1H,d,J=5.1H
z),6.00(1H,dd,J=5.1,9.6H
z),6.42(1H,d,J=9.6Hz),6.6
7〜6.90(6H,m),7.30(5H,s)。
【0112】実施例11 N−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)
−2,3−ジヒドロ−6−(2−ヒドロキシエチル)−
1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]アセトアミド
(化合物12)の合成 実施例9で得られたN−[3−(3−ベンジロキシ−4
−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−6−(2−
ベンジロキシエチル)−1,4−ベンゾジオキシン−2
−イル]アセトアミド(化合物10)183mgと5%
パラジウム炭素92mgとをメタノール5ml中、水素
気流下(初圧2.8kg/cm2 )室温にて1時間振盪
した。不溶物を濾過後濾液を濃縮し、得られた残渣をH
P−20カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥
により標記化合物(化合物12)を113mg(収率9
3%)得た。
【0113】1 H−NMR(ピリジン−d5 ):δ 1.93(3H,s),2.94(2H,t,J=6.
7Hz),3.67(3H,s),4.05(2H,
t,J=6.7Hz),5.20(1H,t,J=6.
8Hz),6.51(1H,dd,J=9.6,6.8
Hz),6.90(1H,dd,J=8.3,1.9H
z),6.95(1H,d,J=8.3Hz),7.0
7(1H,d,J=8.3Hz),7.08(1H,
d,J=1.9Hz),7.13(1H,dd,J=
8.3,2.1Hz),7.49(1H,d,J=2.
1Hz),9.96(1H,d,J=9.6Hz),1
1.21(1H,br−s)。
【0114】実施例12 N−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)
−2,3−ジヒドロ−6−(2−ヒドロキシエチル)−
1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]アセトアミド
(化合物13)の合成 実施例11と同様な方法でN−[3−(3−ベンジロキ
シ−4−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−6−
(2−ベンジロキシエチル)−1,4−ベンゾジオキシ
ン−2−イル]アセトアミド(化合物10)の代わり
に、実施例5で得られたN−[3−(3−メトキシ−4
−ヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−6−(2
−ベンジロキシエチル)−1,4−ベンゾジオキシン−
2−イル]アセトアミド(化合物6)を使用して反応を
行い、標記化合物(化合物13)を収率79%で得た。
【0115】1 H−NMR(ピリジン−d5 ):δ 1.94(3H,s),2.96(2H,t,J=6.
8Hz),3.7(3H,s),4.06(2H,t,
J=6.8Hz),5.19(1H,d,J=7.1H
z),6.54(1H,dd,J=9.6,7.2H
z),6.92(1H,dd,J=8.1,1.9H
z),7.10(1H,d,J=8.1Hz),7.1
2(1H,d,J=1.9Hz),7.18(1H,d
d,J=8.1,1.9Hz),7.22(1H,d,
J=8.1Hz),7.30(1H,d,J=1.7H
z),9.94(1H,d,J=9.6Hz),11.
3(1H,br−s)。
【0116】実施例13 N−[3−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,3−
ジヒドロ−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,4−ベ
ンゾジオキシン−2−イル]アセトアミド(化合物1
4)の合成 実施例11と同様な方法でN−[3−(3−ベンジロキ
シ−4−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−6−
(2−ベンジロキシエチル)−1,4−ベンゾジオキシ
ン−2−イル]アセトアミド(化合物10)の代わり
に、実施例10で得られたN−[3−(3,4−ジメト
キシフェニル)−2,3−ジヒドロ−6−(2−ベンジ
ロキシエチル)−1,4−ベンゾジオキシン−2−イ
ル]アセトアミド(化合物11)を使用して反応を行
い、標記化合物(化合物14)を収率76%で得た。
【0117】1 H−NMR(ピリジン−d5 ):δ 1.96(3H,s),2.96(2H,t,J=6.
8Hz),3.69(3H,s),3.73(3H,
s),4.07(2H,t,J=6.8Hz),5.2
1(1H,d,J=7.0Hz),6.52(1H,d
d,J=9.4,7.0Hz),6.92(1H,d,
J=8.1Hz),6.93(1H,dd,J=8.
1,1.9Hz),7.10(1H,d,J=8.1H
z),7.12(1H,d,J=2.1Hz),7.2
0(1H,dd,J=8.1,1.9Hz),7.27
(1H,d,J=1.9Hz),9.95(1H,br
−s)。
【0118】実施例14 N−[3−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−
2,3−ジヒドロ−6−(2−ヒドロキシエチル)−
1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]アセトアミド
(化合物15)の合成 実施例11と同様な方法でN−[3−(3−ベンジロキ
シ−4−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−6−
(2−ベンジロキシエチル)−1,4−ベンゾジオキシ
ン−2−イル]アセトアミド(化合物10)の代わり
に、実施例6で得られたN−[3−(3,5−ジベンジ
ロキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ
−6−(2−ベンジロキシエチル)−1,4−ベンゾジ
オキシン−2−イル]アセトアミド(化合物7)を使用
して反応を行い、標記化合物(化合物15)を収率80
%で得た。
【0119】1 H−NMR(ピリジン−d5 ):δ 1.89(3H,s),2.90(2H,t,J=6.
8Hz),4.02(2H,t,J=6.8Hz),
5.17(1H,d,J=6.8Hz),6.55(1
H,dd,J=9.6,6.8Hz),6.85(1
H,dd,J=8.1,2.1Hz),7.02(1
H,d,J=8.1Hz),7.15(2H,s),
9.96(1H,d,J=9.6Hz)。
【0120】実施例15 N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2,3
−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]ア
セトアミド(化合物16)の合成 実施例11と同様な方法でN−[3−(3−ベンジロキ
シ−4−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−6−
(2−ベンジロキシエチル)−1,4−ベンゾジオキシ
ン−2−イル]アセトアミド(化合物10)の代わり
に、実施例7で得られたN−[3−(3−ベンジロキシ
−4−ヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,
4−ベンゾジオキシン−2−イル]アセトアミド(化合
物8)を使用して反応を行い、標記化合物(化合物1
6)を収率76%で得た。
【0121】1 H−NMR(ピリジン−d5 ):δ 1.91(3H,s),5.19(1H,d,J=6.
8Hz),6.56(1H,d,J=6.8Hz),
6.86(1H,td,J=7.5,2.1Hz),
6.90(1H,td,J=7.5,2.1Hz),
7.04(1H,dd,J=7.5,2.1Hz),
7.09(1H,dd,J=8.1,2.1Hz),
7.11(1H,dd,J=7.5,2.1Hz),
7.23(1H,d,J=8.1Hz),7.52(1
H,d,J=2.1Hz),9.95(1H,br−
s),11.0(2H,br−s)。
【0122】実施例16 N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2,3
−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−1,4−ベンゾジオキシ
ン−2−イル]アセトアミド(化合物17)の合成 実施例11と同様な方法でN−[3−(3−ベンジロキ
シ−4−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−6−
(2−ベンジロキシエチル)−1,4−ベンゾジオキシ
ン−2−イル]アセトアミド(化合物10)の代わり
に、実施例8で得られたN−[3−(3−ベンジロキシ
−4−ヒドロキシフェニル)−8−ベンジロキシ−2,
3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]
アセトアミド(化合物9)を使用して反応を行い、標記
化合物(化合物17)を収率60%で得た。
【0123】1 H−NMR(ピリジン−d5 ):δ 1.77(3H,s),4.69(1H,d,J=7.
27Hz),5.55((1H,t,J=7.27,
9.19Hz),6.36〜6.78(6H,m),
8.86(1H,d,J=9.19Hz)。
【0124】実施例17 N−{2−[N−(メトキシカルボニルメチル)カルバ
モイル]フェニル}−3−(3−メトキシ−4−ヒドロ
キシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジ
オキシン−2−カルボン酸アミド(化合物18)の合成 3−(3−メトキシ−4−メトキシメトキシフェニル)
−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−
カルボン酸100mgとカルボニルジイミダゾール52
mgとをテトラヒドロフラン1ml中、室温にて2時間
撹拌した。2時間後、2−アミノベンゾイルグリシンメ
チルエステル66mgの塩化メチレン1ml溶液を加
え、室温で18時間撹拌した。溶媒を留去後、得られた
残渣にメタノール2mlを加え、さらに4N−塩化水素
酢酸エチル溶液0.1mlを加えて室温で1.5時間撹
拌した。溶媒を留去後、得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物(化合物1
8)を75mg(収率53%)得た。
【0125】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 3.78(3H,s),3.82(3H,s),4.1
6(1H,d,J=6Hz),4.73(1H,d,J
=5Hz),5.27(1H,d,J=5Hz),5.
81(1H,s),7.85〜8.57(11H,
m),8.47(1H,d,J=9Hz)。
【0126】実施例18 N−[4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)フェニル]−3−(メトキシ−4−ヒドロキシフェ
ニル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン
−2−カルボン酸アミド(化合物19)の合成 実施例17と同様な方法で2−アミノベンゾイルグリシ
ンメチルエステルの代わりに、2−アミノ安息香酸メチ
ルエステルを使用して反応を行い、標記化合物(化合物
19)を収率50%で得た。
【0127】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 1.21(3H,t,J=9Hz),3.45〜4.2
1(7H,m),3.85(3H,s),4.73(1
H,d,J=6Hz),5.21(1H,d,J=6H
z),5.72(1H,s),6.72〜7.36(1
1H,m),7.88(1H,br−s)。
【0128】実施例19 N−(2−メトキシカルボニルフェニル)−3−(3−
メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒド
ロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−カルボン酸アミド
(化合物20)の合成 実施例17と同様な方法で2−アミノベンゾイルグリシ
ンメチルエステルの代わりに、p−(3−エトキシ−2
−ヒドロキシ)プロポキシアニリンを使用して反応を行
い、標記化合物(化合物20)を収率40%で得た。
【0129】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 3.83(3H,s),3.92(3H,s),4.7
6(1H,d,J=6Hz),5.28(1H,d,J
=6Hz),5.64(1H,s),6.71〜8.0
0(11H,m),8.58(1H,d,J=9H
z)。
【0130】実施例20 N−[(1−メトキシカルボニル−2−エチルカルバモ
イルチオ)エチル]−3−(3−メトキシ−4−ヒドロ
キシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジ
オキシン−2−カルボン酸アミド(化合物21)の合成 実施例17と同様な方法で2−アミノベンゾイルグリシ
ンメチルエステルの代わりに、S−エチルカルバモイル
チオシステインメチルエステルを使用して反応を行い、
標記化合物(化合物21)のジアステレオマー混合物を
収率70%で得た。
【0131】1 H−NMR(CDCl3 ):δ 1.08,1.16(both3H,t,J=8H
z),3.14〜3.34(4H,m),3.67,
3.71(both3H,s),3.86(3H,
s),4.54〜4.77(2H,m),5.03〜
5.14(1H,m),5.23〜5.54(1H,b
r),5.74(1H,br),6.80〜8.10
(7H,m),7.40〜7.80(1H,br)。
【0132】次に本発明化合物を用いた製剤例を挙げ
る。
【0133】 製剤例1(錠剤) 化合物15 100mg 乳 糖 47mg トウモロコシデンプン 50mg 結晶セルロース 50mg ヒドロキシプロピルセルロース 15mg タルク 2mg ステアリン酸マグネシウム 2mg エチルセルロース 30mg 不飽和脂肪酸グリセリド 2mg 二酸化チタン 2mg 1錠当り 300mg 上記の配合割合で常法に従い錠剤を調製した。
【0134】 製剤例2(顆粒剤) 化合物15 200mg マンニトール 540mg トウモロコシデンプン 100mg 結晶セルロース 100mg ヒドロキシプロピルセルロース 50mg タルク 10mg 1包当り 1000mg 上記の配合割合で常法に従い顆粒剤を調製した。
【0135】 製剤例3(細粒剤) 化合物17 200mg マンニトール 520mg トウモロコシデンプン 100mg 結晶セルロース 100mg ヒドロキシプロピルセルロース 70mg タルク 10mg 1包当り 1000mg 上記の配合割合で常法に従い細粒剤を調製した。
【0136】 製剤例4(カプセル剤) 化合物13 100mg 乳 糖 50mg トウモロコシデンプン 47mg 結晶セルロース 50mg タルク 2mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 1カプセル当り 300mg 上記の配合割合で常法に従いカプセル剤を調製した。
【0137】 製剤例5(シロップ剤) 化合物12 1g 精製白糖 60g パラヒドロキシ安息香酸エチル 5mg パラヒドロキシ安息香酸ブチル 5mg 香 料 適 量 着色料 適 量 精製水 適 量 全 量 100ml 上記の配合割合で常法に従いシロップ剤を調製した。
【0138】 製剤例6(注射剤) 化合物15 100mg 注射用蒸留水 適 量 1アンプル中 2ml 上記の配合割合で常法に従い注射剤を調製した。
【0139】 製剤例7(坐剤) 化合物15 100mg ウイテップゾールS−55 1400mg (ラウリン酸からステアリン酸までの飽和脂肪酸のモノ−,ジ−, トリ−グリセライド混合物、ダイナマイトノーベル社製) 1個当り 1500mg 上記の配合割合で常法に従い坐剤を調製した。
【0140】次に薬理試験結果を挙げる。
【0141】尚、これらの実験においては、各化合物投
与群とも死亡例は認められず、また、外観上にも変化は
認められなかった。
【0142】薬理試験例1 in vitro D−ガラクトサミン肝障害モデルで
の効果判定 初代培養肝細胞(以後肝細胞)は中村らの方法(蛋白・
核酸・酵素別冊,No.24,55〜76)に従って調
整した。すなわち、ウイスター系雄性ラット(7週令)
の肝臓を0.05%コラゲナーゼで潅流して肝細胞を分
散し、遠心操作(50×G,1分)を3回繰り返し、肝
細胞のみ回収した。得られた肝細胞2×106 個を、3
5mmディッシュの10%子牛血清を含むウイリアムス
のE培地(Williams’E medium)に播
き、5%CO2 中で37℃で2時間静置培養した。培養
後新しい培地に交換し、エタノールに溶解した化合物を
添加した後、1mMのD−ガラクトサミン(GAL)で
処理し、24時間後に培地に漏出したグルタミン酸−ピ
ルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)をトランスアミ
ナ−ゼC−IIテストワコー(和光純薬社製)を用いて
測定し、併せて肝細胞の形態も位相差顕微鏡で観察し、
肝細胞障害抑制効果を検討した。得られた結果を表1に
示す。
【0143】
【表1】
【0144】表1に見られるように、いずれの化合物に
おいても効果が認められた。
【0145】薬理試験例2 in vitro t−BHP肝障害モデルでの有効成
分の効果 薬理試験例1と同様にして得られた肝細胞2×106
を、35mmディッシュの5%子牛血清を含むウイリア
ムスのE培地に播き、5%CO2 中で37℃で20時間
静置培養した。培養後新しい培地に交換し、エタノール
に溶解した化合物を添加し、1時間後1mMのtert
−ブチルヒドロパーオキシド(t−BHP)で処理し、
1時間後に培養上清を採取し、ラクテートデヒドロゲナ
ーゼC−IIテストワコー(和光純薬社製)を用いてラ
クテートデヒドロゲナーゼ(LDH)を測定し、併せて
肝細胞の形態も位相差顕微鏡で観察し、肝細胞障害抑制
効果を検討した。得られた結果を表2に示す。
【0146】
【表2】
【0147】表2に見られるように、いずれの化合物に
おいても効果が認められた。
【0148】また、同様にして得られたディシュに残っ
た肝細胞を回収し、過酸化脂質をステイシイ(Stac
ey,N.H)らの方法に従い測定し(Toxico
l.Appl.Pharmacol.,53,470〜
480(1980))、併せて肝細胞の形態も位相差顕
微鏡で観察し効果を判定した。得られた結果を表3に示
す。
【0149】
【表3】
【0150】表3に見られるように、いずれの化合物に
おいても効果が認められた。
【0151】薬理試験例3 マウス脾細胞におけるγ−インターフェロン産生増強作
用 雄性ddYマウス(5週令)から脾臓を摘出し、脾細胞
を分離した。得られた脾細胞を24穴マイクロプレート
の10%牛胎児血清を含むRPMI1640培地に細胞
密度が107 細胞/wellになるように播き、5%C
2 中で37℃で1時間静置培養した。培養後に脾細胞
をコンカナバリンA(ConA:5μg/ml)で刺激
した後、エタノールに溶解した化合物を添加した。48
時間後に培養上清を採取し、γ−インターフェロン(γ
−IFN)をELISA法(Holland biot
echnology社製)にて測定した。得られた結果
を表4に示す。
【0152】
【表4】
【0153】表4に見られるように、本発明化合物はC
onA単独刺激した場合と比較して2倍以上もγ−IF
Nの産生を増強した。
【0154】薬理試験例4 in vivo GAL肝障害モデルでの効果 ウイスター系雄性ラット50匹を一週間飼育し10匹ず
つ5群に分けて使用した。ラット(7週令)に加熱溶解
した化合物16を投与し、次いで、GALを400mg
/kgの用量で皮下投与した後絶食し、24時間後に下
大静脈より採血して血漿中のGPTを測定し、肝細胞障
害抑制効果を検討した。得られた結果を表5に示す。
【0155】
【表5】
【0156】表5の結果から、腹腔内投与においては1
00mg/kgの用量で、また経口投与では200mg
/kgの用量で効果が確認され、経口投与でも治療可能
な肝疾患治療剤であることが示された。
【0157】薬理試験例5 抗ウイルス活性 抗ウイルス活性の検討には肝炎ウイルスのモデルとして
マウス白血病ウイルス(MLV)及び単純ヘルペスウイ
ルス(HSV)を用いて検討した。操作はローウェ(R
owe,W.P.)らの方法(Virology,4
2,1136〜1139(1970))に準じて行っ
た。すなわち、SC細胞を24穴プレートの10%牛胎
児血清を含むMEM培地に3.5×104 細胞/mlを
0.8ml接種し1日間培養した。1日後、種々の濃度
の化合物の溶液0.1mlと20〜40p.f.uのM
LVを含む培地を0.1ml加え、5%CO2 中37℃
で5日間培養した。5日後、175Wcm2 の強度で3
分間UV照射して感染細胞を殺し、その上にXC細胞を
0.8×105 細胞の濃度で接種し、37℃で4日間培
養した。4日後、細胞を生理リン酸緩衝液(PBS)で
洗浄した後、0.05%クリスタルバイオレットで染色
してプラーク数を計測し、薬剤未処理群のプラーク数を
100%としてウイルスの増殖が50%抑制された薬物
濃度(MIC50)で効果を判定した。また、HSVを用
いて同様な操作を行い、0.05%ニュートラルレッド
で染色してプラーク数を計測し、MIC50で効果を判定
した。得られた結果を表6に示す。
【0158】
【表6】
【0159】表6から、本発明化合物の抗ウイルス活性
が顕著であることが示された。
【0160】
【発明の効果】本発明の肝疾患治療剤はウイルス性肝
炎、アルコール性肝障害及び薬剤性肝障害を含む肝疾患
の治療剤として好適に使用され得る。更に本発明の肝疾
患治療剤は、経口投与が可能で、毒性が低く、肝障害を
抑制し、ウイルスの増殖をも抑制するという利点を有し
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山脇 一郎 徳島県板野郡藍住町矢上字原117−3 (72)発明者 鐘田 学 徳島県徳島市住吉4丁目3番12−201号 (72)発明者 木村 碩志 兵庫県赤穂市加里屋2476−25 (72)発明者 弘中 豊 兵庫県赤穂市加里屋駅前町30−12 (72)発明者 藤多 哲郎 京都府向日市鶏冠井町大極殿40−23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中R1 、R2 、R4 及びR5 は、同一又は異なって
    水素原子、水酸基、低級アルキル基、低級アルコキシ
    基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子を示し、R3
    水素原子又は低級アルキル基を示す。Xは水素原子、水
    酸基、低級アルコキシ基、ベンジルオキシ基又は−NH
    COR6 基(R6 は低級アルキル基)を示し、nは0又
    は1であり、Aは低級アルキレン基又は低級アルケニレ
    ン基を示す。Yは−NHCOR7 基又は−COR8 基を
    示す。ここでR7 は低級アルキル基を示し、R8 は保護
    された含硫黄アミノ酸残基又はフェニル置換アミノ基を
    示す。]で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体及
    びその薬学的に許容される塩からなる群より選ばれた少
    なくとも1種を有効成分とする肝疾患治療剤。
  2. 【請求項2】 R1 及びR5 が水素原子、R2 が水酸
    基、低級アルコキシ基又はベンジルオキシ基、R3 が水
    素原子又は低級アルキル基、R4 が水素原子、水酸基又
    はベンジルオキシ基、Xが水素原子、水酸基、ベンジル
    オキシ基又は−NHCOR6 基(R6 は低級アルキル
    基)、nが0又は1、Aが低級アルキレン基又は低級ア
    ルケニレン基、Yが−NHCOR7 基(R7 は低級アル
    キル基)又は−COR8 基(R8 は保護された含硫黄ア
    ミノ酸残基又はフェニル置換アミノ基)である請求項1
    に記載の肝疾患治療剤。
  3. 【請求項3】 R8 において、保護された含硫黄アミノ
    酸残基がS−エチルカルバモイルチオシステインメチル
    エステル残基であるか、又はフェニル置換アミノ基が2
    −メトキシカルボニルフェニルアミノ基、2−メトキシ
    カルボニルメチルカルバモイルフェニルアミノ基もしく
    は4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フ
    ェニルアミノ基である請求項1又は請求項2に記載の肝
    疾患治療剤。
  4. 【請求項4】 R1 、R3 、R4 及びR5 が水素原子、
    2 が水酸基である請求項1又は請求項2に記載の肝疾
    患治療剤。
  5. 【請求項5】 R1 、R3 、R4 及びR5 が水素原子、
    2 がメトキシ基である請求項1又は請求項2に記載の
    肝疾患治療剤。
  6. 【請求項6】 R1 、R3 、R4 及びR5 が水素原子、
    2 が水酸基、nが0、Xが水素原子又は水酸基、Yが
    アセトアミド基である請求項1又は請求項2に記載の肝
    疾患治療剤。
  7. 【請求項7】 R1 、R3 、R4 及びR5 が水素原子、
    2 がメトキシ基、nが0、Xが水素原子、Yが−CO
    8 基(R8 は保護された含硫黄アミノ酸残基又はフェ
    ニル置換アミノ基)である請求項1又は請求項2に記載
    の肝疾患治療剤。
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