JPH07242055A - 透明性および光沢に優れたインキジェット用被記録材 - Google Patents

透明性および光沢に優れたインキジェット用被記録材

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JPH07242055A
JPH07242055A JP6033696A JP3369694A JPH07242055A JP H07242055 A JPH07242055 A JP H07242055A JP 6033696 A JP6033696 A JP 6033696A JP 3369694 A JP3369694 A JP 3369694A JP H07242055 A JPH07242055 A JP H07242055A
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JP
Japan
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ink
water
chemical formula
polymer
recording material
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Application number
JP6033696A
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English (en)
Inventor
Mikiya Sekine
幹也 関根
Akira Furukawa
彰 古川
Makoto Kato
真 加藤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インキジェット被記録材としてインキ吸収性
に優れた高品位の画像を与え、かつ高光沢、高透明性で
あり耐水性に優れた被記録材を与える。 【構成】 支持体上に、4級アンモニウム塩基を有する
水溶性ポリマーを含むインキ吸収層を有し、該インキ吸
収層の上面に、シリカ微粒子と、該シリカ微粒子に対し
て重量で10%以上150%以下の割合で水に不溶性で
ありかつアルコールに可溶性であるポリマーを含む塗液
を 、該ポリマーが0.3g/m2を越えない範囲で、か
つ該シリカ微粒子が前記インキ吸収層全表面積の5%以
上50%以下の範囲の被覆率で存在するように塗布して
なることを特徴とするインキジェット記録用被記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインキジェット記録方式
を利用した水性インキに対する記録媒体に関するもので
あり、特に紙、樹脂コート紙、フィルム等を支持体とす
るインキジェット記録用被記録材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年インキジェット記録装置の高速化や
記録画像の高精細化、フルカラー化に伴い被記録材に対
する品質要求はますます厳しいものになってきている。
さらにフルカラー記録用に開発されている各種インキジ
ェットプリンターの中には画質的に従来の銀塩写真方式
によるカラー画像に匹敵するまでの高精細な画像を出力
できる性能の機種が開発されてきており、被記録材とし
ては銀塩カラーペーパー並の高光沢を有するものも開発
が切望されている。あるいはOHPフィルムとして透明
性が高くかつ画像品質の良好な被記録材の要求も切実で
ある。
【0003】インキジェット用被記録材にたいする基本
的要求性能としてはインキドットの濃度が高く、色調が
明るく鮮やかであること、インキの吸収容量が大きくか
つ吸収速度が速いことからインキドットが重なった場合
においてもインキの流れだしやにじみが生じないことが
必要であり、さらにインキドットの形状がなめらかで周
辺がぼやけないことが要求される。特にカラー記録の場
合においては通常4色のインキを使用して各色インキが
極めて短時間のうちに被記録材上にインキドットとして
打ち込まれ、インキに対する被記録材の吸収容量および
吸収速度が不十分な場合にはインキが被記録材表面であ
ふれ、インキ同士が不均一に混ざり合った形で画像が形
成される現象が生じ問題となる。従来インキジェット用
被記録材としては例えば特開昭55−51583号、同
56−157号、同57−107879号、同57−1
07880号、同59−230787号、同62−16
0277号、同62−184879号、同62−183
382号、同64−11877号公報等に見られるシリ
カ等含珪素顔料を水系バインダーとともに紙表面に塗工
して得られる被記録材が提案されているが、これらの例
で用いられているシリカ等の顔料微粒子は吸油量が大き
くこれらを使用した被記録材は一般にインキの吸収容量
および吸収速度の点ではある程度のレベルに達するもの
であるが、シリカ等の無機顔料を多量に塗工層中に導入
する必要があることから被記録材自体の表面光沢が低下
しかつカラー記録の場合に要求される色調の鮮やかさが
失われるという欠点を有する。さらにこうした塗工層自
体の透光性は低く透明フィルム上に同様な塗工層を設け
た場合にはOHP用としては使用出来ない程度に不透明
な被記録材となる問題があった。光沢および透明性を改
善する目的でシリカに替えてコロイダルシリカを使用す
ると先の特開昭56−157号公報本文中に記載されて
いるようにインキの吸収性を悪くするため好ましくな
い。あるいは、特開平3−215082号、同4−67
986号、同5−32037号公報等に記載されるよう
に微細なアルミナゾルを水溶性バインダーとともに支持
体表面に塗工することで透明性を有する被記録材を形成
する方法が記載されているが、塗層中におけるアルミナ
ゾル(擬ベーマイト)のバインダーに対する比率を高め
ないとインキ吸収性が劣る問題があり、こうした顔料比
率の高い塗工層は塗布乾燥の際塗膜のひび割れが非常に
発生しやすく、かつ塗工量も平米あたり20g/m2
度でなければインキ吸収容量が充分でないため厚膜塗布
が必要であることからさらに実製造における乾燥条件の
コントロール等が困難となる問題がある。さらに塗膜強
度が弱いためインキジェット記録した表面が擦られるこ
とで容易に画像が剥離する問題や、印字後にカールが発
生しやすいという種々の問題があることに加え透明性の
点でも未だ不十分である。
【0004】透明性を高めOHPシートとして使用可能
な程度の透光性インキ吸収層を形成するためには上記の
ような種々の無機顔料は使用しないか使用しても添加量
は少量に限られてくることからインキ吸収性はもっぱら
使用するバインダーに頼らざるを得ない。従来こうした
用途に使用されるバインダーの例としては、例えば特開
昭57−38185号、同62−184879号公報等
に記載されるようなポリビニルピロリドン、ポリビニル
ピロリドン−酢酸ビニル共重合体、特開60−1686
51号、同60−171143号、同61−13429
0号公報に記載されるようなポリビニルアルコールを主
体とするバインダー、あるいは特開昭62−22038
3号公報に示されるカルボキシル基を有するアクリル系
ポリマー、特開平4−214382号公報等に示される
ポリビニルアセタール系ポリマー、特開平4−2822
82号、同4−285650号公報に記載されるような
架橋性アクリル系ポリマー等種々のインキ吸収性ポリマ
ーが提案されているがこれらはいづれもインキ吸収性と
塗工皮膜自体の耐水性を両立させることが困難であり、
記録画像を水洗すると容易に洗い流されてしまう問題が
あった。さらにカラー画像記録においてはインキ吸収容
量および吸収速度の点で未だ不十分であり、被記録体表
面での各色インキの不均一な混合が生じるため特にべた
画像を記録した場合に著しい濃度むらを発生する問題が
あった。
【0005】インキ吸収速度とインキ吸収容量を単一の
被記録層にもたせることが困難である場合には両者の機
能を分離した形で、それぞれインキ透過層およびインキ
受容層として2層化する方法が例えば特開昭62−14
0878号、同62−152779号、同62−222
885号、同62−222886号、同64−5527
6号、同64−55277号、同平2−55185号公
報等に示されているが、透光性および表面光沢を確保す
るためにはいずれの層においても無機顔料等の添加は制
限されるためこうした場合においてもバインダー自体の
インキ吸収性が同様に問題となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のようないずれの
例においても例えば高速カラー記録の場合のように多数
のインキドットが高速で被記録材表面に印字されるよう
な場合にはインキ吸収速度およびインキ吸収容量の両方
を満足させ、かつ表面光沢に優れ透光性を有する被記録
材は見いだされなかった。本発明が解決しようとする課
題は高い光沢を有し、かつ透明性に優れた被記録材を提
供できることを課題とし、さらに多色カラー記録におい
ても優れた印字品質を示すと共に記録画像の耐水性を従
来以上に高めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下に述べる
本発明により達成される。即ち、紙、樹脂被覆紙(写真
用原紙のようなポリエチレンで表面を被覆した紙等)、
フィルム等の支持体上に、4級アンモニウム塩基を有す
る水溶性ポリマーを含むインキ吸収層を有し、該インキ
吸収層の上面に、シリカ微粒子と、該シリカ微粒子に対
して重量で10%以上150%以下の割合で水に不溶性
でありかつアルコールに可溶性であるポリマーを含む塗
液を 、該ポリマーが0.3g/m2を越えない範囲で、
かつ該シリカ微粒子が前記インキ吸収層全表面積の5%
以上50%以下の範囲の被覆率で存在するように塗布し
てなることを特徴とするインキジェット用被記録材を形
成することで目的とするインキ吸収性および印字品質に
優れた被記録材が得られる。
【0008】上記4級アンモニウム塩基を有する水溶性
ポリマーは基本的に水溶性が高くインキを吸収し内部に
保持する能力を有するものであるが、インキ中の染料と
して通常酸性染料や直接染料のように分子内にスルホン
酸基を有する染料が使用されることから、上記4級アン
モニウム塩基との間でスルホン酸アンモニウム塩の形で
結合を生じ染料が上記水溶性ポリマーに結合し不溶化さ
れることが特徴である。このため印字画像は耐水性の良
好なものとなりが、従来よりこうした4級塩タイプのポ
リマーは染料定着剤として単独ではなく他のポリマー、
顔料等とともに添加剤的に使用されてきた。本発明では
こうした染料定着作用を有するポリマーを従来どうり他
のポリマーと併用する形で使用してもよいが、むしろ染
料定着剤としての4級アンモニウム塩基を有するポリマ
ーをインキ吸収のためのメインのバインダーとして使用
することで一層の染料定着作用の増大が得られることで
非常に好ましいことを見いだした。即ち、インキ液滴が
こうしたポリマー表面に着弾するとインキ中の染料はほ
ぼ瞬間的に4級アンモニウム塩基と反応しポリマーに定
着されるため特にフルカラー記録のように複数のインキ
染料が隣接して表面に打ち込まれる場合においても速や
かに各色染料が定着されることから記録画像の解像度が
高いというメリットを有する。こうした定着作用は従来
より良く知られたものであったが、4級アンモニウム塩
基を有する水溶性ポリマーは空気中の水分を吸収してべ
たつきやすくなることから他のポリマーやシリカ等の無
機顔料を併用しべたつきあるいはブロッキングを防止す
ることが必要であった。このことで本来のインキ定着作
用が弱められることと皮膜の光沢や透明性が損なわれる
といった問題が解決されずにいたのが現状である。ブロ
ッキングの防止として、シリカ等無機顔料や有機ポリマ
ー微粒子をこうしたインキ吸収層中に直接導入し、表面
に適度に凹凸を与えることで改善することが盛んに行わ
れるが、表面光沢および透明性を損なわない程度にこう
したいわゆるマット化剤を導入するには必然的に導入量
は低いレベルにとどめなければならず、こうした場合通
常マット化剤自体の表面もバインダーポリマーに覆われ
てしまうことから上記4級塩タイプのように吸湿性の高
いポリマーをメインのバインダーとして使用した場合に
はブロッキングをこうした方法で防止するのはきわめて
困難であった。
【0009】本発明ではこうした極めてブロッキングを
起こし易いような4級塩タイプポリマーをインキ吸収の
ためのバインダー成分として使用する際に、このポリマ
ーを含む層中にマット化剤としてのシリカ微粒子を直接
導入するのではなく、この層とは分離した形でこの層の
上面にシリカ微粒子を散布することで非常に有効にブロ
ッキングを防止できることを見いだした。
【0010】さらに重要な効果として、このような方法
で表面にシリカ微粒子を導入することでインキ吸収層表
面のインキに対する濡れ性が飛躍的に向上し、複数のイ
ンキドットが隣接して表面に着弾した場合にもインキ液
滴同士が均一に接合し濃度分布のない均質な画像濃度を
与えるという好ましい効果を発揮する。即ち、インキが
着弾する表面におけるインキに対する濡れ性が悪い場合
にはインキドットが適度に広がらず部分的にインキドッ
ト同士が接合した部分と独立した部分を生じ、結果とし
て濃度むら、べたむらを生じる問題が起こる。従って、
表面のインキに対する接触角を小さくし、特にインキド
ットが隣接して表面に打ち込まれる場合には積極的にイ
ンキドット同士の融合を生じせしめることで濃度分布が
なくかつ高い発色濃度を示すことができ好ましい。
【0011】こうしたシリカ微粒子は被記録材の表面に
おいてランダムに存在し、シリカ微粒子の大きさが1ミ
クロン以上の場合には全表面積の1%以上を占める割合
で存在するときにはじめて良好なブロッキング防止作用
を示し、さらに5%以上を占める場合にインキに対する
接触角を低下させ画像濃度分布をなくし均一なべた画像
を与える。この際各シリカ微粒子は互いに凝集せず分離
した状態もしくはシリカが集合した100ミクロン以下
の島状部分が表面にランダムに分布していることがその
効果を最もよく発揮するものであり、部分的にシリカ微
粒子が100ミクロン程度以上集まった状態で密集して
いる場合には表面光沢の著しい低下とシリカ微粒子の存
在しない表面においてインキに対する接触角を低下させ
る作用が現れないため好ましくない。さらにシリカ微粒
子が被記録材表面の全表面積の50%以上を占めるよう
な場合には接触角低下によるべたむら改良効果はあるも
のの表面光沢が著しく低下しかつ透明性も非常に低下す
る問題が発生するため本発明の目的とする高光沢、高透
明な被記録材を得るためにはこうしたシリカ微粒子は全
表面積の5%以上50%以下が好ましく、さらには5%
以上25%以下の表面被覆率であることがべたむらを防
止しつつ高光沢、高透明性を確保するために非常に好ま
しい範囲である。さらに表面被覆率が18%以下である
場合には表面のシリカ微粒子の存在による光沢の低下は
目視ではほとんど認められない程度まで光沢を保持でき
ることから極めて好ましい。尚、表面のシリカによる被
覆率は平均粒径と塗布量の数値から、1.5×(塗布
量)/(粒子半径)の式から容易に計算されるものであ
り、例えば平均粒子径3ミクロンのシリカ粒子を0.3
g/m2の塗布量で表面を覆った場合の被覆率は約10
%である。
【0012】本発明では表面にシリカ微粒子を散布した
形態を有する被記録材を与えるものであるが、シリカ微
粒子を使用する目的は一般に分散がきわめて容易であ
り、分散安定性が良好であることからこうした微粒子を
含む液を塗工し乾燥した場合にも粒子同士が独立した形
で表面に塗布され凝集形態をとりにくいことがメリット
として挙げられる。シリカ微粒子が凝集し、著しい場合
には表面に層状に微粒子層が形成されれば、この部分に
おけるインキ吸収性は高いもののシリカ微粒子間の間隙
にインキが毛細管現象により浸透し、ドットが広がりす
ぎるため解像度の低下を招き、あるいはドット形状が不
均一になり画質の劣化を引き起こすため好ましくない。
従ってシリカ微粒子は連続層を形成していないことがき
わめて重要であり、仮に数100個程度以下の複数の粒
子がより集まっている場合においてもこの部分の大きさ
は100ミクロン程度以下であることが必要であり、さ
もなければ画像にむらを生じる問題が発生するため、シ
リカ微粒子は離散的もしくは海−島的に表面に分布し、
下層のインキ吸収層の表面が全体の少なくとも50%を
越えて露出していることが極めて重要である。
【0013】本発明で使用するシリカ微粒子は単独で被
記録材表面に散布しブロッキング防止およびべたむら改
善の目的を達成することは可能であるが表面との接着が
弱いため表面が擦られると簡単にシリカ微粒子が脱落し
てしまうため永続的なブロキング防止、べたむら改善が
行われず、さらに表面を指で触った場合に粉っぽさ等違
和感を感じるため好ましくない。このためシリカ微粒子
とともにこれの接着剤としてのアルコール可溶性ポリマ
ーを添加することが好ましい。
【0014】ここでアルコール可溶性ポリマーを選択す
る理由の一つとしては、インキジェット記録に使用され
る水系インキ中にはノズルの目詰まり防止等を目的とし
てグリセリンやエチレングリコール等の高沸点アルコー
ルや種々のアルコール等の溶剤が添加されていることが
多く、被記録材は水性インキ中の水だけでなくこうした
アルコール成分に対する親和性を有しかつこれらを吸収
する必要がある。インキ吸収層自体は水性インキの大部
分を占める水を吸収する必要があるがこれと同時にアル
コール成分を有効に吸収することも要求されるわけであ
るが両者を同時に効率よく吸収できる素材の選択はきわ
めて限られてくるため本発明に示すように、インキ液滴
が着弾する表面にアルコール可溶性ポリマーを添加して
おくことで印字直後にインキ中のアルコールをある程度
吸収することからきわめて好ましい。さらに、こうした
アルコール可溶性ポリマーはインキに対する親和性が高
く、このことでインキ液滴が着弾した瞬間におけるイン
キドットの広がりを適度にコントロールし、このことで
隣接して打ち込まれたインキドット同士が適度に融合し
べた部や画線の濃度むらを解消するというきわめて好ま
しい結果が得られる。
【0015】さらに、上記アルコール可溶性ポリマーが
同時に水不溶性である場合には記録画像の耐水性が非常
に向上することからきわめて好ましい。被記録材の表面
にこうした水不溶性でありかつアルコール可溶性である
ポリマーを該シリカ微粒子とともに表面に塗設すること
で画質の飛躍的に向上した高耐水性の被記録材が得られ
る。
【0016】この目的で使用する水不溶性でアルコール
可溶性ポリマーとしては特に制限はないがシリカ微粒子
に対し10%以上150%以下の重量比で添加すること
で微粒子が被記録材表面に固定化され摩擦等によっても
微粒子が該表面から脱落することがないため各種水不溶
性でアルコール可溶性のポリマーが使用出来る。この場
合微粒子に対して10重量%未満では接着剤としての効
果はなく粒子は簡単に脱落するため好ましくなく、逆に
150重量%を越える割合で使用すると粒子の周囲にこ
うしたポリマーの層を形成しこの部分でのインキ吸収性
やインキ定着性が阻害されることから好ましくない。さ
らに同様の理由でこうした接着用ポリマーはこれ自体平
米当り0.3gを越えない範囲で使用することが必要で
あり、これを越える塗布量では表面にこうしたポリマー
による層が形成されやすくインキ定着、吸収を阻害し画
像に悪影響を与えることから好ましくない。
【0017】上記水不溶性かつアルコール可溶性ポリマ
ーとしては種々の構造のポリマーが使用可能であり、構
造の差異によるアルコールへの親和性の程度、画質向上
への影響等が微妙に異なる。一方で、市販インキジェッ
トプリンターに使用される水性インキとしても極めて多
種の組成を有するインキが使用されており要求される画
像品質もそれぞれ異なることから実際には適用しようと
するプリンターに合わせ込んだ最適のポリマーが選択さ
れる。
【0018】こうしたシリカ微粒子を被記録材表面に接
着するためのポリマーとしては上述のように各種水不溶
性かつアルコール可溶性ポリマーが好ましく使用される
がこれらのポリマーはインキ中のアルコールに対して親
和性を有するためインキを弾くことがなく画像品質の向
上に寄与するとともに水に不溶性であることから表面に
シリカを接着した際のシリカ粒子が耐水化され、画像記
録後も耐水性に優れたシリカ表面層を有することから例
えば水洗後においても良好なブロッキング防止作用を示
し極めて好ましい。特にこうした水不溶性かつアルコー
ルに可溶性であるポリマーとしては、ポリ酢酸ビニルお
よびその共重合体、アセタール樹脂、エチレン−ビニル
アルコール共重合体、アルコール可溶性ナイロン、ポリ
ヒドロキシエチルメタクリレートおよびその共重合体、
ポリヒドロキシプロピルメタクリレートおよびその共重
合体、ポリメタクリル酸およびその共重合体、ポリジア
セトンアクリルアミドおよびその共重合体から選ばれる
ポリマーであることが良好な画質を示しかつ画像の耐水
性を高めることから特に好ましい。これ以外のポリマー
で疎水性が高い油溶性ポリマー等を使用した場合には水
性インキを反発し画像むらを生じる場合があるため好ま
しくない場合がある。こうしたポリマーを平米0.3g
を越えて塗布した場合にはポリマーの種類に関わらずイ
ンキ中の染料の一部がこのポリマーに吸収されるため染
料定着性が損なわれることもあり好ましくない。さらに
は平米当り0.1g以下の範囲で最も良好な結果を与え
る。
【0019】シリカ微粒子としては平均粒子径が1ミク
ロン以上5ミクロン以下のものが好ましく使用される。
平均粒子径が1ミクロン未満である場合には表面に凹凸
を与える効果が小さくブロキング防止効果自体が小さい
ため、ブロッキングを防止するためには表面積の50%
を越える割合で塗布する場合があるため光沢の低下およ
び透明性の低下を招き好ましくない。また平均粒子径が
5ミクロンを越える微粒子を使用した場合には表面のざ
らつきが顕緒となり、また画像の解像度にも影響を与え
る場合があることからその使用量は微量に限られ、場合
によっては表面積(被覆率)の1%を下回る場合があり
ブロッキング防止効果が不十分である場合が生じる。従
って、使用する微粒子の粒子径分布としては1ミクロン
から5ミクロンの範囲に少なくとも全体の50%以上が
ほぼ収まっている場合が好ましく1ミクロン未満の小粒
径の粒子が多数混在するとブロッキング防止性が低下し
たり光沢、透明性が低下する場合があり、また5ミクロ
ンを越える大粒径の粒子が多数混在すると表面がざらつ
いたり解像度に悪影響を与える場合があるため好ましく
ない。
【0020】本発明で使用されるシリカ微粒子はインキ
中の染料を若干吸収するもののシリカ自体の表面存在量
自体が非常に僅かであり、さらにこうした微粒子を表面
につなぎとめる役割を果たす上記のアルコール可溶性ポ
リマーもその使用量が非常に微量であることからこの部
分に吸収される染料の量もきわめて僅かであるため画像
および染料定着性等には何等悪影響を与えないことが特
徴である。
【0021】被記録材表面に上記のようなシリカ微粒子
および水不溶性かつアルコール可溶性ポリマーからなる
構成でオーバーコートを設けることで本発明の目的は達
成されるが、さらにこうしたオーバーコート中に種々の
目的で他の成分を導入してさらに特性を改良することも
可能である。例えば各種コロイダルシリカ、アルミナゾ
ル、ポリマーラテックス、各種金属塩、金属酸化物等の
添加による表面オーバーコートによる特性の改良も可能
であるが、これら添加物の量は上記シリカ粒子に対して
これ以下の量を添加することが好ましく、シリカ粒子を
上回る量を添加した場合には光沢、透明性の低下等好ま
しくない影響が生じることがあるため好ましくない。
【0022】上記のように分散したシリカ微粒子による
ブロッキング防止およびべたむら改善を行えばその下方
に4級アンモニウム塩基を有する水溶性ポリマーを含む
インキ吸収定着層を設けることで本発明の目的は基本的
に達成されるわけであるが、このような4級アンモニウ
ム塩基を有するポリマーとしては例えば前記化1、化2
もしくは化3から選ばれるモノマーを少なくとも使用し
て得られる水溶性ポリマーであることが好ましい。
【0023】化1中 、R1は水素またはメチル基を表
し、Qは酸素もしくはNH基を表す。R2、R3 、R4
メチル基またはエチル基を表し、同じであっても異なっ
ていてもよい。Xはハロゲンイオンまたはスルホン酸ア
ニオン、アルキルスルホン酸アニオン、酢酸アニオン、
アルキルカルボン酸アニオンを表す。nは2または3の
整数を表す。化2中R5、R6、R7はメチルまたはエチ
ル基を表し、同じであっても異なっていてもよい。Xは
化1中のXと同じである。化3中R8、R9、R10はメチ
ル、エチルまたはアリル基を表し、同じであっても異な
っていてもよい。Xは化1中のXと同じである。
【0024】化1で示されるモノマーのうち好ましい化
合物としては、たとえば、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびN,N−ジ
エチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチル
クロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エ
チルブロマイド、メチルアイオダイドあるいはエチルア
イオダイドによる4級化物、または、それらのアニオン
を置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸
塩あるいはアルキルカルボン酸塩を挙げることができ
る。この中で特に好ましい化合物としては、たとえば、
トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアン
モニウム クロライド、トリエチル−2−(メタクリロ
イルオキシ)エチルアンモニウム クロライド、トリメ
チル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウム
クロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキ
シ)エチルアンモニウム クロライド、トリメチル−3
−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウム ク
ロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)
プロピルアンモニウム クロライド、トリメチル−2−
(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウム クロラ
イド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチ
ルアンモニウム クロライド、トリメチル−2−(アク
リロイルアミノ)エチルアンモニウム クロライド、ト
リエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニ
ウム クロライド、トリメチル−3−(メタクリロイル
アミノ)プロピルアンモニウム クロライド、トリエチ
ル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウ
ム クロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミ
ノ)プロピルアンモニウム クロライド、トリエチル−
3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウム ク
ロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタ
クリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイル
オキシ)エチルアンモニウム クロライド、N,N−ジ
メチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロ
ピルアンモニウム クロライド、トリメチル−2−(メ
タクリロイルオキシ)エチルアンモニウム ブロマイ
ド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピル
アンモニウム ブロマイド、トリメチル−2−(メタク
リロイルオキシ)エチルアンモニウム スルホネート、
トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアン
モニウム アセテートなどを挙げることができる。
【0025】化2で示されるモノマーの好ましい例とし
ては、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウム
クロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニ
ウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアン
モニウム クロライド、トリエチル−m−ビニルベンジ
ルアンモニウム クロライド、N,N−ジメチル−N−
エチル−p−ビニルベンジルアンモニウム クロライ
ド、N,N−ジエチル−N−メチル−p−ビニルベンジ
ルアンモニウム クロライド、トリメチル−p−ビニル
ベンジルアンモニウム ブロマイド、トリメチル−m−
ビニルベンジルアンモニウム ブロマイド、トリメチル
−p−ビニルベンジルアンモニウム スルホネート、ト
リメチル−m−ビニルベンジルアンモニウム スルホネ
ート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウム
アセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニ
ウム アセテートなどを挙げることができる。
【0026】化3で示されるモノマーの好ましい例とし
ては、ジアリルジメチルアンモニウム クロライド、ジ
アリルジエチルアンモニウム クロライド、ジアリルジ
メチルアンモニウム ブロマイド、ジアリルジメチルア
ンモニウム スルホネート、ジアリルジメチルアンモニ
ウム アセテートなどを挙げることができる。
【0027】化1、化2または化3で示される4級アン
モニウム塩基を水溶性ポリマー中に導入することでこれ
をインキ吸収層中に含む場合に優れた染料定着作用を示
し好ましく使用することが出来る。こうした4級塩タイ
プポリマーは他のシリカ等の顔料あるいは他の水溶性ポ
リマー等と併用する形でインキ吸収層を形成しても良い
が顔料を併用する場合は透明性および光沢を損なわない
範囲で少量の添加に限られる。また他の水溶性ポリマー
等を併用する場合には4級塩タイプポリマーの層中での
濃度が低下し染料定着機能が充分に発揮出来ない場合が
あることから他のポリマーの使用も少量もしくは用いな
い系がより好ましい。
【0028】さらに上記4級塩タイプポリマーとしては
化1、化2もしくは化3で示されるモノマー単位を重合
体中に10〜50重量部の範囲内で含まれるものが特に
好ましく、この範囲の含有率で染料定着性およびインキ
吸収性が最も好ましく発揮され、これ以外の範囲では染
料定着性が低下する問題や、皮膜のべたつきが極端に悪
化したり皮膜自体の耐水性が劣る場合があるため好まし
くない場合がある。さらに、化1〜化3から選ばれるモ
ノマー単位に加えて前記化4で示されるモノマー単位を
1〜30重量部の範囲で共重合させることで皮膜の光
沢、支持体との接着性、カール防止等の性能をさらに高
めることが出来るため非常に好ましい。
【0029】化4中R11は水素またはメチル基を表し、
12、R13はメチル基またはエチル基を表し、同じであ
っても異なっていてもよい。Qは酸素またはNH基を表
す。nは2または3の整数を表す。化4で示されるモノ
マーの好ましい例としては、N,N−ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミド等が挙げられる。
【0030】これらモノマー単位にさらにアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドンか
ら選ばれるモノマーを20〜80重量部の範囲で共重合
することで、該4級アンモニウム塩基を有するポリマー
自体のインキ吸収容量、インキ吸収速度を高め、さらに
インキドット径を適度の大きさに調節したりべた部の印
字むらを解消するなど極めて好ましい性質を付与する。
こうしたモノマー単位の該4級塩タイプポリマー中での
使用量が20重量部以下ではこうした好ましい効果が認
め難く、また80重量部以上では4級塩基のポリマー中
での濃度が低下しインキ定着性機能が低下する場合があ
る。
【0031】また上記4級塩タイプポリマーとしては上
記モノマー単位に加えて種々の共重合可能なモノマーを
導入することも出来るが上記各モノマー単位の導入によ
る好ましい効果を損なわない範囲で使用すべきであり通
常は30重量部以下であることが好ましい。このような
モノマーとしては例えば、スチレンおよびその誘導体、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン
酸、フマル酸、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニル
エーテル類等種々のモノマーが挙げられる。
【0032】特に上記の4級塩タイプポリマーは実質単
独でインキ吸収層を形成し、こうしたポリマー自体がイ
ンキ吸収性およびインキ定着性を同時に満足する点で非
常に好ましい。シリカ等無機顔料の添加や他のポリマー
の併用は行わないか使用せざるを得ない場合においても
最小限にとどめることが好ましく4級塩タイプポリマー
に対して通常10%以下の範囲にとどめるのが光沢、透
明性を損なわないために好ましい。特に光沢度の高い被
記録材を得るためにはインキ吸収層自体の表面光沢を高
いレベルに構成する必要があり、JIS規格による光沢
度の測定方法において60度の角度で測定した光沢度が
少なくとも30以上の値を示すことで光沢感のある被記
録材が得られる。さらにはインキ吸収層自体の光沢度が
70以上の場合に光沢感が一段と増し、このインキ吸収
層の上にさらに上述のようにシリカ微粒子を接着用ポリ
マーとともに散布しても光沢感の大きな低下は認められ
ないことから極めて好ましい。即ち表面にシリカ微粒子
が存在することである程度の光沢度の低下はやむを得な
いが、被記録材としての表面光沢がおおよそ20以上で
あれば目視では光沢感を確認できるためこうした被記録
材の表面光沢を少なくとも20以上に保つためにはイン
キ吸収層自体の光沢度を少なくとも30以上の値に確保
することが必要で、この場合にはじめてシリカ微粒子を
表面に散布しても表面光沢は20以上の値に保つことが
可能となる。このようにインキ吸収層自体の表面光沢を
30以上に保つためにはインキ吸収層中には該4級塩タ
イプポリマー以外にシリカ等の無機粒子等の他の添加剤
は出来るだけ導入しないことが好ましく仮に導入する場
合においても該4級塩タイプポリマー100重量部に対
し10重量部以下であることでこれにより構成されるイ
ンキ吸収層自体の表面光沢をすくなくとも30以上の値
に保つことから好ましい。
【0033】但し、上記4級塩タイプポリマーを架橋し
耐水性を一段と高め、一方でインキ吸収容量を向上させ
るために種々の硬化剤を添加することはきわめて好まし
く、こうした目的で使用される硬化剤としては化5〜化
13で示されるようなエポキシ系硬化剤が好ましく使用
される。特に4級塩タイプポリマー中に化4で示される
ようなアミノ基を導入しておくことでエポキシ硬化剤に
対する架橋点として有効に作用し効率よく3次元架橋さ
れた耐水性のある皮膜を与える点で特に好ましい。エポ
キシ硬化剤の該4級塩タイプポリマーに対する添加割合
はポリマーに対して1〜30重量部の範囲で添加される
ことが好ましく、これ未満では架橋が不十分でその効果
が認められず、また30重量部を越える添加では硬化が
進みすぎ高度に架橋された重合体を形成するためインキ
の吸収が極端に低下することから好ましくない。好まし
いエポキシ硬化剤の量としては該ポリマー100重量部
に対し1〜10重量部の範囲である。
【0034】
【化5】
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】(化7中、nは2または3の整数を表
す。)
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】
【化12】
【0043】(化12中、mは1から22までの整数を
表す。)
【0044】
【化13】
【0045】(化13中、qは1から11までの整数を
表す。)
【0046】このようにエポキシ系硬化剤で適度に3次
元架橋された4級塩タイプポリマーをインキ吸収層とし
て使用し、さらにこの層の上面にシリカ微粒子を水不溶
性かつアルコール可溶性ポリマーとともに粒子が離散し
た形で表面に接着することでインキ吸収性、定着性に優
れかつブロッキングを起こさない被記録材が構成され、
これらは表面光沢に優れかつフィルム等の透光性支持体
上に上記構成を設けることでOHP用被記録材が提供さ
れる。これらは多色カラー記録に特に有用であり、耐水
性が飛躍的に向上することも特徴の一つである。
【0047】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
【0048】実施例1〜5 表1に示すような組成での重合体を合成し、各々の重合
体を10重量%水溶液としてポリエチレンで表面を被覆
した紙(RC紙)上に乾燥膜厚が約10ミクロンとなる
ように塗工し乾燥した。形成されたインキ吸収層の表面
光沢を光沢度計(グロスチェッカ、堀場製作所製)で測
定したところいずれの場合においても70以上の高い光
沢度を示した。この塗工層上にさらにオーバーコート塗
液として下記の組成の塗液を塗布量(ウェット塗布量)
が6g/m2 となるように塗工し乾燥させインキジェッ
ト用被記録材とした。
【0049】 サイリシア358(富士シリシア化学(株)製 シリカ微粒子、平均粒子径1. 8ミクロン) 1.0g ビニロール30(昭和高分子(株)製 ポリ酢酸ビニル−クロトン酸共重合体) 0.5g(固形) メタノール 70.0g 得られた被記録材をキャノン社製フルカラーインキジェ
ットプリンターピクセルジェットを使用して印字を行い
表2に示すような結果を得た。
【0050】比較例1〜5 比較として上記オーバーコート塗液を塗布しない場合の
各々の印字結果を同じく表2中に比較例として示した。
比較例1〜5では印字されたドットが均一に広がらず、
べた画像に著しい濃度むらを生じた。これに対し実施例
ではいずれの場合にも表面光沢が30以上の光沢感に優
れかつ解像度、べた部印字濃度の均一性に優れブロッキ
ングの発生も認められない良好な被記録材であった。ま
た実施例1〜5で得られた被記録材の表面を走査型電子
顕微鏡で観察したところ表面にシリカが離散した形で存
在しシリカ粒子間に下層ノポリマー層が露出した状態で
あることが確認された。画像解析装置によりシリカの表
面被覆率を求めたところ約20%であった。また実施例
で得られた被記録材表面を指で擦ったがシリカの脱落は
発生せず指による感触ではなめらかな表面であった。
【0051】
【表1】
【0052】表1中、DMAPAA-Q=ジメチルアミノプロピ
ルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物
(トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルア
ンモニウム クロライド)、DMAEMA-Q=ジメチルアミノ
エチルメタクリレートのメチルクロライドによる4級化
物(トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチル
アンモニウム クロライド)、VBTMAC=p−ビニルベン
ジルトリメチルアンモニウムクロライド、DADMAC=ジア
リルジメチルアンモニウムクロライド、AM=アクリルア
ミド、HEMA=2−ヒドロキシエチルメタクリレート、DM
APAA=ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを表す。
【0053】
【表2】
【0054】比較例6〜10 表1に示した重合体1〜5を実施例1と同様にRC紙上
に塗布、乾燥した後、下記の処方で示す塗液をオーバー
コート層として乾燥膜厚が約2ミクロンとなるように上
記重合体層上に塗布乾燥し被記録材とした。実施例1と
同様に印字評価を行ったところ表3に示す結果を得た。 比較用オーバーコート層用塗液 サイリシア358 10g ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA103) 8g 純水 100g この場合印字を行ったところべた部の印字品質は良好で
あったものの被記録材の表面全面がシリカで被覆されて
おり表面光沢度は20未満で光沢がなく解像度の低い印
字結果であった。さらにこの場合の被記録材表面を指で
擦ると簡単にシリカが脱離し、表面が粉っぽい感触を与
え好ましいものではなかった。
【0055】
【表3】
【0056】実施例6〜10 表4に示すような組成での重合体を合成し各々の重合体
を10重量%水溶液とし、さらに化5で示すエポキシ硬
化剤を重合体に対し10重量%添加した水溶液を塗液と
して、これらを水性下引き処理を施した100ミクロン
厚みのポリエステルフィルム上に乾燥膜厚が約10ミク
ロンとなるように塗工し乾燥した。40℃の温度で1昼
夜加温した後この塗工層上にオーバーコート用塗液とし
て下記の組成の塗液を塗布量(ウェット塗布量)が10
g/m2 となるように塗工し乾燥させ被記録材とした。 サイリシア435(富士シリシア化学製、 シリカ微粒子、平均粒子径2.5 ミクロン) 1.0g アルコール可溶性ポリマーA〜E 0.8g(固形) メタノール 70.0g ここで水に不溶性/アルコール可溶性ポリマーとして、
A=ポリアセタール樹脂(積水化学製、BM−5)、B
=酢ビ−クロトン酸(95:5重量比)共重合体、C=
アルコール可溶性ナイロン(帝国化学製、トレジンEF
−30T)、D=エチレン−ビニルアルコール共重合体
(日本合成化学製、ソワノール30T)、E=ポリ(2
−ヒドロキシエチルメタクリレート)を使用した。得ら
れた被記録材は表面がシリカにより約20%程度被覆さ
れており、これをキャノン社製フルカラーインキジェッ
トプリンターピクセルジェットを使用して印字を行った
ところ表5に示すような結果を得た。
【0057】比較例11〜15 比較として先の比較例6〜10で使用したオーバーコー
ト層用塗液を使用して本実施例と全く同様にして乾燥膜
厚が約1ミクロンとなるように表4で得られた重合体塗
布層上に同様に塗布乾燥して得られた被記録材を比較例
11〜15とした。比較例の場合、被記録材表面の90
%以上がシリカで覆われており透明性はきわめて低いも
のであった。さらに印字画像上に水滴をたらし、これを
指で擦ることにより染料の定着性を評価したところ染料
が簡単に溶出し擦られた部分に染料が付着して汚染を生
じた。一方、本実施例で得られた被記録材は良好な印字
画質および透明性を示し、かつ記録画像上に水滴をたら
し指で擦るような定着性および耐水性試験を行っても染
料の溶出は発生せずきわめて耐水性に優れた被記録材で
あった。同様にRC紙上に同様の構成の被記録層を設け
た被記録材を作成したが同様の良好な印字特性および耐
水性を示すとともに光沢度が30以上の光沢感の非常に
優れたものであった。
【0058】
【表4】 表4中、IPAM=イソプロピルアクリルアミド、DMAEMA=
ジメチルアミノエチルメタクリレートを表す。
【0059】
【表5】
【0060】上記表2、表3、及び表5中の評価項目の
評価方法及び評価結果の定義は以下の通りである。 ベタ部均一性 イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各単色及び
それらの重色について目視判断。○:インクのよりやあ
ふれがなく均一ベタ、×:インクがよったりあふれたり
してざらついたベタ。 解像度 線幅及び間隔が125μmの細線を目視判断。○:線と
線が明瞭に分かれて見える、×:にじみにより線が太り
くっついて見える。 光沢 目視及び光沢度にて判断。○:光沢感があり、光沢度は
30以上、×:光沢感がなく、光沢度は30未満。 ブロッキング性 被記録材の表裏を重ね合わせ0. 5kg/100cm2 の圧
力をかけ20℃、65%RHの室内に24時間放置。
○:ブロッキングなし、×:ブロッキングが発生。 耐水性 印字画像上に水を落し、1分後に布で拭き取る。○:塗
層の剥がれがなく、印字画像の脱色やにじみも認められ
ない。×:塗層の剥がれあるいは印字画像の脱色やにじ
みが認められる。 透明性 目視判断。○:透明で印字画像の彩度が高い、×:透明
性が低く、印字画像が濁って見える。
【0061】
【発明の効果】本発明により印字品質の良好な光沢およ
び透明性に優れた耐水性のあるインキジェット記録用被
記録材が得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、4級アンモニウム塩基を有
    する水溶性ポリマーを含むインキ吸収層を有し、該イン
    キ吸収層の上面に、シリカ微粒子と、該シリカ微粒子に
    対して重量で10%以上150%以下の割合で水に不溶
    性でありかつアルコールに可溶性であるポリマーを含む
    塗液を 、該ポリマーが0.3g/m2を越えない範囲
    で、かつ該シリカ微粒子が前記インキ吸収層全表面積の
    5%以上50%以下の範囲の被覆率で存在するように塗
    布してなることを特徴とするインキジェット記録用被記
    録材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、シリカ微粒子が平均
    粒子径1ミクロン以上5ミクロン以下であることを特徴
    とする被記録材。
  3. 【請求項3】 請求項1における4級アンモニウム塩基
    を有する水溶性ポリマーが、化1、化2、または化3か
    ら選ばれるモノマーを少なくとも重合して得られる水可
    溶性ポリマーであることを特徴とする被記録材。 【化1】 (化1中 、R1は水素またはメチル基を表し、Qは酸素
    もしくはNH基を表す。R2、R3 、R4はメチル基また
    はエチル基を表し、同じであっても異なっていてもよ
    い。Xはハロゲンイオンまたはスルホン酸アニオン、ア
    ルキルスルホン酸アニオン、酢酸アニオン、アルキルカ
    ルボン酸アニオンを表す。nは2または3の整数を表
    す。) 【化2】 (化2中R5 、R6、R7はメチルまたはエチル基を表
    し、同じであっても異なっていてもよい。Xは化1中の
    Xと同じである。) 【化3】 (化3中R8、R9、R10はメチル、エチルまたはアリル
    基を表し、同じであっても異なっていてもよい。Xは化
    1中のXと同じである。)
  4. 【請求項4】 請求項1または3において4級アンモニ
    ウム塩基を有する水溶性ポリマーが化1、化2、化3か
    ら選ばれるモノマーを10〜50重量部と化4で表され
    るモノマーを1〜30重量部、さらに水可溶性モノマー
    としてアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジ
    メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミ
    ド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリ
    ルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
    ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N
    −ビニルピロリドンから選ばれるモノマーを20〜80
    重量部の範囲で共重合することで得られる水溶性ポリマ
    ーであることを特徴とする被記録材。 【化4】 (化4中R11は水素またはメチル基を表し、R12、R13
    はメチル基またはエチル基を表し、同じであっても異な
    っていてもよい。Qは酸素またはNH基を表す。nは2
    または3の整数を表す。)
  5. 【請求項5】 請求項1、3または4において4級アン
    モニウム塩基を有する水溶性ポリマーとともにエポキシ
    硬化剤を添加することで3次元架橋したインキ吸収層を
    形成することを特徴とする被記録材。
  6. 【請求項6】 請求項1においてインキ吸収層が該4級
    アンモニウム塩基を有するポリマー以外にシリカ等の無
    機微粒子を10重量部以上の割合で含有せず、該インキ
    吸収層単独の表面光沢がJIS規格による角度60度で
    測定した光沢度が30以上であることを特徴とする被記
    録材。
  7. 【請求項7】 請求項1において、シリカ微粒子ととも
    に含まれる水に不溶性でありかつアルコールに可溶性で
    あるポリマーが、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体、
    アセタール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合
    体、アルコール可溶性ナイロン、ポリヒドロキシエチル
    メタクリレートおよびその共重合体、ポリヒドロキシプ
    ロピルメタクリレートおよびその共重合体、ポリメタク
    リル酸およびその共重合体、ポリジアセトンアクリルア
    ミドおよびその共重合体から選ばれるポリマーであるこ
    とを特徴とする被記録材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6040060A (en) * 1997-10-10 2000-03-21 Eastman Kodak Company High uniform gloss ink-jet receivers
EP1612054A1 (en) 2004-07-02 2006-01-04 Fuji Photo Film Co., Ltd. Inkjet recording medium

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