JPH07240579A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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JPH07240579A
JPH07240579A JP2856094A JP2856094A JPH07240579A JP H07240579 A JPH07240579 A JP H07240579A JP 2856094 A JP2856094 A JP 2856094A JP 2856094 A JP2856094 A JP 2856094A JP H07240579 A JPH07240579 A JP H07240579A
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JP
Japan
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resin
printed wiring
multilayer printed
wiring board
acid
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Pending
Application number
JP2856094A
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English (en)
Inventor
Junichi Murai
淳一 村井
Yoshiyuki Morihiro
喜之 森広
Mika Oonada
美香 大内田
Teruhito Matsui
輝仁 松井
Osamu Hayashi
修 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エポキシ樹脂あるいはエポキシ樹脂の側鎖を
アクリル変性した樹脂を層間絶縁層に使用した場合、樹
脂層に対する導体層の密着力に優れた多層プリント配線
板の製造方法を得ることを目的とする。 【構成】 エポキシ樹脂あるいはエポキシ樹脂の側鎖を
アクリル変性した樹脂1の表面をアルデヒド類、アミ
ン、アミド、イミンあるいはフェノール類の少なくとも
1種を含む有機溶剤である膨潤剤によって膨潤面6と
し、強酸性の無機酸類又は強酸性の無機酸類に酸化剤を
溶解させた溶液で加水分解して中和処理を施すことによ
って、樹脂表面に緻密な凹凸を持つ粗化面3を形成す
る。次いで、粗化面3に無電解銅めっき液にリチウムイ
オンを含有させることによって微細でかつ針状の銅を析
出させる。これにより、樹脂と銅との接触面積が従来に
比較して増大し、樹脂と銅との密着力を向上させること
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多層プリント配線板
の製造方法、特に、各信号層の接続をフォトプロセスに
よるバイアホールによって行う多層プリント配線板につ
いて、樹脂層に対する導体層の密着力に優れた多層プリ
ント配線板を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板を製造する際には、
絶縁層と導体層間が強固に密着されていることが必要で
ある。絶縁層と導体層間の密着に関しては、従来から種
々の方法が提案されている。例えば、特開平4−148
590号公報に開示された多層プリント配線板の製造方
法がある。すなわち、エポキシ樹脂の表面を膨潤し、次
に、過マンガン酸カリウム溶液で加水分解を施した後、
還元処理を行い、通常の無電解銅めっきを施す方法であ
る。
【0003】あるいは、第34回SHM技術講演会講演
予稿集第14頁〜第18頁(1993年11月5日発
行)及び特開平3−3297号公報に開示された多層プ
リント配線板の製造方法がある。図3は、従来の多層プ
リント配線板の製造方法を説明する樹脂の側断面図であ
り、図において、酸化剤に対して難溶性である耐熱性の
エポキシ樹脂1中に、酸化剤に可溶なフィラー2を混入
することによって樹脂層を形成する(図3(a))。次
に、この樹脂層をクロム酸、クロム酸塩、過マンガン酸
塩、オゾン等の酸化剤で処理することによってフィラー
2を溶解させ、エポキシ樹脂1の表面に粗化面3を形成
させる(図3(b))。しかる後に、中和処理を行い、
粗化面4上に導体層4を形成する方法である(図3
(c))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような多層プ
リント配線板の製造方法では、過マンガン酸カリウム溶
液でエポキシ樹脂表面を粗化して無電解銅めっきを行う
方法を、エポキシ樹脂の側鎖をアクリル変性した樹脂に
適用した場合、図4に示す側断面図のように、樹脂層1
の表面に二酸化マンガン5が残存し、還元処理を行って
も残存物を完全に除去することは困難で、樹脂層は黒色
となる。この状態で樹脂層1の表面に導体層4例えば銅
層を形成しても、樹脂と銅との密着力はほとんどなく、
銅箔の剥離面に黒色残査が残るという問題点があった。
なお、ここでエポキシ樹脂の側鎖をアクリル変性した樹
脂とは、シート状のエポキシ樹脂であり、このエポキシ
樹脂を所定部分に貼り付けて露光等により硬化させた
後、不要部分を除去する等により使用するものである。
これに対して上述したエポキシ樹脂は、液状の状態で所
定部分に塗布した後、光硬化等により硬化させ、不要部
分を除去する等により使用するものであり、側鎖をアク
リル変性したエポキシ樹脂とは異なるものである。
【0005】また、クロム酸塩で樹脂表面を粗化する方
法は、酸化剤に可溶なフィラーが混入された樹脂の表面
粗化には有効であっても、フィラーが混入されていない
単なるエポキシ樹脂に適用した場合、樹脂の表面はあま
り粗化されず、導体層を形成しても樹脂と銅との密着力
は非常に弱いという問題点があった。以上のように、層
間絶縁層にエポキシ樹脂あるいは側鎖をアクリル変性し
たエポキシ樹脂を用いて、樹脂層と導体層を順次ビルド
アップすることによって多層配線板を製造する際、特
に、エポキシ樹脂の側鎖をアクリル変性した樹脂の表面
を粗化して樹脂層と導体層の密着力を向上させる方法に
ついては、これまで提案されていなかった。
【0006】この発明は、このような問題点を解決する
ためになされたもので、エポキシ樹脂はもちろんのこ
と、側鎖をアクリル変性したシート状のエポキシ樹脂に
おいてもその表面を粗化することができ、樹脂層と導体
層の密着力が優れた多層プリント配線板の製造方法を得
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項第1項
に係る多層プリント配線板の製造方法は、層間絶縁層に
エポキシ樹脂あるいはエポキシ樹脂の側鎖をアクリル変
性した樹脂を用いて多層プリント配線板を製造する際
に、上記樹脂の表面をアルデヒド類、アミン、アミド、
イミン及びフェノール類からなる群から選ばれた少なく
とも1種を含む有機溶剤である膨潤剤によって膨潤させ
た後、酸による加水分解及びアルカリによる中和処理を
施して上記樹脂の表面を粗化し、次いで、リチウムイオ
ンを含む無電解銅めっき液によって上記樹脂の表面に導
体を形成するものである。
【0008】この発明の請求項第2項に係る多層プリン
ト配線板の製造方法は、酸による加水分解処理におい
て、強酸性の無機酸類あるいは強酸性の無機酸類に酸化
剤を溶解させた溶液を使用するものである。
【0009】この発明の請求項第3項に係る多層プリン
ト配線板の製造方法は、酸による加水分解処理におい
て、カルボキシル基を持つ有機酸を使用するものであ
る。
【0010】この発明の請求項第4項に係る多層プリン
ト配線板の製造方法における無電解銅めっき液のリチウ
ムイオンは、エチレンジアミン四酢酸のリチウム塩から
供給されるものである。
【0011】この発明の請求項第5項に係る多層プリン
ト配線板の製造方法における無電解銅めっき液のリチウ
ムイオンは、水酸化リチウムと他の水酸化アルカリの少
なくとも1種とを含むpH調整剤から供給されるもので
ある。
【0012】この発明の請求項第6項に係る多層プリン
ト配線板の製造方法における無電解銅めっき液のリチウ
ムイオンは、リチウム化合物を含んだ添加剤から供給さ
れるものである。
【0013】
【作用】この発明の請求項第1項においては、樹脂表面
に緻密な凹凸を有する粗化面を形成し、この粗化面に微
細でかつ針状の無電解銅を析出させるので、樹脂と銅と
の接触面積が増大して密着力が向上する。
【0014】この発明の請求項第2項においては、エポ
キシ樹脂及びエポキシ樹脂の側鎖をアクリル変性した樹
脂の表面を効果的に加水分解する。
【0015】この発明の請求項第3項においては、エポ
キシ樹脂及びエポキシ樹脂の側鎖をアクリル変性した樹
脂の表面を効果的に加水分解する。
【0016】この発明の請求項第4項においては、樹脂
表面に析出する銅を微細化するリチウムイオンを安価に
供給する。
【0017】この発明の請求項第5項においては、樹脂
表面に析出する銅を微細化するリチウムイオンを安価に
供給する。
【0018】この発明の請求項第6項においては、樹脂
表面に析出する銅を微細化するリチウムイオンを特に安
価に供給する。
【0019】
【実施例】この発明においては、エポキシ樹脂あるいは
エポキシ樹脂の側鎖をアクリル変性した樹脂表面に上述
したような有機溶剤である膨潤剤による処理を施すと、
樹脂表面の非晶質部分から溶剤が浸透し、樹脂が膨潤さ
れる。しかる後、酸による処理を施すと膨潤した部分が
加水分解され、さらに、アルカリによる中和処理を施す
ことによって樹脂表面に1〜2μm程度の微細な凹凸が
形成される。このように微細な凹凸をもつ樹脂表面に無
電解銅めっきを施すと、無電解銅めっきで得られた銅自
身も非常に微細でかつ針状であるため、樹脂表面の凹凸
に銅が絡む形で保持され、樹脂と銅とは強固に密着され
る。
【0020】実施例1.図1は、この発明の実施例1に
より表面を膨潤及び粗化した樹脂を示す側断面図であ
る。膨潤剤として37%ホルムアルデヒド溶液(和光純
薬製、試薬特級)とアセトン(和光純薬製、試薬特級)
を1:1に混合した溶液を用意し、耐熱性ガラスエポキ
シ樹脂上に形成したエポキシ樹脂あるいはエポキシ樹脂
の側鎖をアクリル変性した樹脂1を上記混合溶液中に浸
漬させ、室温(約25℃)で5分間超音波洗浄を行い、
樹脂1上に膨潤面6を形成させた(図1(a))。次
に、10重量%硫酸溶液(和光純薬製、試薬特級)に1
85g/L(リットル)ペルオキソ二硫酸アンモニウム
(和光純薬製、試薬特級)を溶解させた酸性溶液に上記
樹脂1の試料を室温(約25℃)で1分間浸漬し、加水
分解処理を施した。その後、50℃に加温した3重量%
水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬製、試薬特級)に試
料を浸漬し、中和処理を行い、樹脂表面上に緻密な凹凸
を持つ粗化面3を形成した(図1(b))。
【0021】図2は、これらの処理によって得られた樹
脂1の表面を示すSEM像(走査型電子顕微鏡写真)で
ある。しかる後、50℃に加温したパラジウムースズコ
ロイド溶液(シプレイ社製、キャタポジット44(商品
名))により1分間活性化処理を施した。活性化処理液
は、この処理液に限定されるものではなく、無電解めっ
きによって銅を析出させ得る活性化処理液であればいか
なるものであってもよい。
【0022】次に、表1に示す浴組成及び操作条件のも
とで無電解銅めっきを行った。
【0023】
【表1】
【0024】得られためっき銅は、リチウムイオンのた
めに微細であり、かつリチウムイオンと界面活性剤との
併用により針状である。これにより、樹脂と無電解銅と
の密着力は強固なものとなる。なお、試料のロッキング
速度は2m/分とした。上記ロッキング速度は1〜3m
/分の範囲で使用するのが望ましいが、無電解めっきに
よる銅を均一に析出させ得るものであればいかなるもの
であってもよい。続いて、通常の電解銅めっき(メルテ
ックス社製、カッパーグリームPCM)を行い、35μ
mのめっき銅厚さを得た。なお、電解銅めっきは、硫酸
銅五水和物75g/L 、硫酸190g/L 、塩素イオン
50ppm、添加剤15mL/Lのものを使用し、液温2
5℃、電流密度2A/dm2 、試料のロッキング速度は
2m/分の条件で行った。電解銅めっき液は、上記めっ
き液に限定されるものではなく、機械的特性に優れた銅
を析出させ得るものであればいかなるものであってもよ
い。また、電流密度は析出銅にめっきやけが起こらない
範囲であればいかなるものであってもよいが、1〜3A
/dm2 の範囲でめっきを行うのが望ましい。さらに、
試料のロッキング速度は1〜3m/分の範囲で使用する
のが望ましいが、電解銅めっきによる銅を均一に析出さ
せうるものであればいかなるものであってもよい。この
ときのめっき銅と樹脂の引き剥がし強さは、約1.2k
gf/cmの値であった。
【0025】実施例2.膨潤剤として50%アセトアル
デヒド水溶液(和光純薬製、試薬特級)を用意し、密着
力測定用試料である樹脂をこの水溶液中に浸漬させ、室
温(約25℃)で30秒超音波洗浄した。次に、実施例
1と同様に、10重量%硫酸溶液(和光純薬製、試薬特
級)に185g/L ペルオキソ二硫酸アンモニウム(和
光純薬製、試薬特級)を溶解させた酸性溶液に試料を室
温(約25℃)で1分間浸漬し、加水分解処理を施し
た。その後、50℃に加温した3重量%水酸化ナトリウ
ム水溶液(和光純薬製、試薬特級)に試料を浸漬し、中
和処理を行った。これらの処理によって、樹脂表面には
実施例1でみられた粗化面よりもさらに緻密な凹凸が形
成できた。しかる後、実施例1と同じ活性化処理、無電
解銅めっき及び電解銅めっきを行った。このときのめっ
き銅と樹脂の引き剥がし強さは、実施例1に比較して増
大し、約1.5kgf/cmの値であった。
【0026】実施例3.膨潤剤として40%アンモニア
水溶液(和光純薬製、試薬特級)を用意し、密着力測定
用試料である樹脂をこの水溶液中に浸漬させ、室温(約
25℃)で1分間処理した。次に、実施例1と同様に、
10重量%硫酸溶液(和光純薬製、試薬特級)に185
g/L ペルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬製、試
薬特級)を溶解させた酸性溶液に試料を室温(約25
℃)で1分間浸漬し、加水分解処理を施した。その後、
50℃に加温した3重量%水酸化ナトリウム水溶液(和
光純薬製、試薬特級)に試料を浸漬し、中和処理を行っ
た。しかる後、実施例1と同じ活性化処理、無電解銅め
っき及び電解銅めっきを行った。このときのめっき銅と
樹脂の引き剥がし強さは、実施例2で得られた値とほぼ
同じ約1.5kgf/cmであった。
【0027】実施例4.膨潤剤として50%フェノール
水溶液(和光純薬製、試薬特級)を用意し、密着力測定
用試料である樹脂をこの水溶液中に浸漬させ、室温(約
25℃)で1分間処理した。次に、実施例1と同様に、
10重量%硫酸溶液(和光純薬製、試薬特級)に185
g/L ペルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬製、試
薬特級)を溶解させた酸性溶液に試料を室温(約25
℃)で1分間浸漬し、加水分解処理を施した。その後、
50℃に加温した3重量%水酸化ナトリウム水溶液(和
光純薬製、試薬特級)に試料を浸漬し、中和処理を行っ
た。しかる後、実施例1と同じ活性化処理、無電解銅め
っき及び電解銅めっきを行った。このときのめっき銅と
樹脂の引き剥がし強さは、実施例2で得られた値とほぼ
同じ約1.5kgf/cmであった。
【0028】実施例5.膨潤剤として50%アセトアル
デヒド水溶液(和光純薬製、試薬特級)を用意し、密着
力測定用試料である樹脂をこの水溶液中に浸漬させ、室
温(約25℃)で30秒超音波洗浄した。次に、20重
量%硝酸水溶液(和光純薬製、試薬特級)に試料を室温
(約25℃)で1分間浸漬し、加水分解処理を施した。
その後、50℃に加温した3重量%水酸化ナトリウム水
溶液(和光純薬製、試薬特級)に試料を浸漬し、中和処
理を行った。しかる後、実施例1と同じ活性化処理、無
電解銅めっき及び電解銅めっきを行った。このときのめ
っき銅と樹脂の引き剥がし強さは、実施例2で得られた
値とほぼ同じ約1.5kgf/cmであった。
【0029】実施例6.膨潤剤として50%アセトアル
デヒド水溶液(和光純薬製、試薬特級)を用意し、密着
力測定用試料である樹脂をこの水溶液中に浸漬させ、室
温(約25℃)で30秒超音波洗浄した。次に、10重
量%酢酸水溶液(和光純薬製、試薬特級)に試料を室温
(約25℃)で1分間浸漬し、加水分解処理を施した。
その後、50℃に加温した3重量%水酸化ナトリウム水
溶液(和光純薬製、試薬特級)に試料を浸漬し、中和処
理を行った。しかる後、実施例1と同じ活性化処理、無
電解銅めっき及び電解銅めっきを行った。このときのめ
っき銅と樹脂の引き剥がし強さは、実施例2で得られた
値とほぼ同じ約1.5kgf/cmであった。
【0030】実施例7.膨潤剤として50%アセトアル
デヒド水溶液(和光純薬製、試薬特級)を用意し、密着
力測定用試料である樹脂をこの水溶液中に浸漬させ、室
温(約25℃)で30秒超音波洗浄した。次に、20重
量%硝酸水溶液(和光純薬製、試薬特級)に試料を室温
(約25℃)で1分間浸漬し、加水分解処理を施した。
その後、50℃に加温した3重量%水酸化ナトリウム水
溶液(和光純薬製、試薬特級)に試料を浸漬し、中和処
理を行った。しかる後、50℃に加温したパラジウムー
スズコロイド溶液(シプレイ社製、キャタポジット4
4)により1分間活性化処理を施した。次に、表2に示
す浴組成及び操作条件のもとで無電解銅めっきを行っ
た。
【0031】
【表2】
【0032】実施例1〜6で使用した無電解銅めっき液
は、めっき液のpH調整剤に水酸化リチウムを使用し
た。ここでは、無電解銅めっき液のリチウムイオンが、
エチレンジアミン四酢酸のリチウム塩により供給される
ので、実施例1〜6の無電解銅めっき液に比較してより
安価なめっき液となる。なお、試料のロッキング速度は
2m/分とした。このときのめっき銅と樹脂の引き剥が
し強さは、実施例2〜6で得られた値とほぼ同じ約1.
5kgf/cmであった。これにより、実施例2〜6に
比較して、より安価で同等の物性値が得られた。上記エ
チレンジアミン四酢酸のリチウム塩は、めっき液中の銅
イオンの錯化剤として使用するものであるが、ここで用
いたエチレンジアミン四酢酸・二リチウム以外に、エチ
レンジアミン四酢酸・三リチウム等も使用できるが、こ
れらは併用して使用してもよい。また、エチレンジアミ
ン四酢酸のリチウム塩とエチレンジアミン四酢酸の他の
アルカリ塩を併用したものをめっき液中の銅イオンの錯
化剤として使用してもよい。
【0033】実施例8.実施例7と同様の処理を密着力
測定用試料に施し、樹脂表面を粗化した後、50℃に加
温したパラジウムースズコロイド溶液(シプレイ社製、
キャタポジット44)により1分間活性化処理を施し
た。次に、表3に示す浴組成及び操作条件のもとで無電
解銅めっきを行った。
【0034】
【表3】
【0035】ここでは、無電解銅めっき液のリチウムイ
オンが、水酸化リチウムと他の水酸化アルカリの少なく
とも1種以上を含むpH調整剤により構成されているた
め、実施例1〜6の無電解銅めっき液に比較してより安
価なめっき液となる。なお、試料のロッキング速度は2
m/分とした。このときのめっき銅と樹脂の引き剥がし
強さは、実施例2〜7で得られた値とほぼ同じ約1.5
kgf/cmであった。上記pH調整剤は、任意の割合
で水酸化リチウムと他の水酸化アルカリを併用して使用
してもよいが、水酸化リチウムの含有率が水酸化アルカ
リ全体の20%以上であることが望ましい。
【0036】実施例9.実施例7と同様の処理を密着力
測定用試料に施し、樹脂表面を粗化した後、50℃に加
温したパラジウムースズコロイド溶液(シプレイ社製、
キャタポジット44)により1分間活性化処理を施し
た。次に、表4に示す浴組成及び操作条件のもとで無電
解銅めっきを行った。
【0037】
【表4】
【0038】ここでは、無電解銅めっき液のリチウムイ
オンが、リチウム化合物を含んだ添加剤により構成され
ているため、実施例1〜6の無電解銅めっき液に比較し
てより安価なめっき液となる。なお、試料のロッキング
速度は2m/分とした。このときのめっき銅と樹脂の引
き剥がし強さは、実施例2〜8で得られた値とほぼ同じ
約1.5kgf/cmであった。上記添加剤として用い
た塩化リチウム以外に、硫酸リチウム、炭酸リチウム等
が使用できるが、これらに限定されるものではなく、ま
た、これらは併用して使用してもよい。さらに、添加剤
の濃度はどのようなものであってもよいが、30〜50
ppmの濃度範囲で使用するのが望ましい。なお、めっ
き銅と樹脂の密着力の測定は、JIS−C6481−
5.7に準じて行った。この測定方法は、銅箔の一端を
適切な長さに剥がした試料を支持金具に取り付け、剥が
した銅箔の先端をつかみ具でつかみ、銅箔面に垂直にな
る方向に毎分約50mmの速さで連続的に約50mm剥
がしたときの荷重の最低値を引き剥がし強さ(kgf/
cm)とするものである。
【0039】上述した実施例では、溶剤処理としてのア
ルデヒド類として、アセトアルデヒド、イソブチルアル
デヒド、クロトンアルデヒド、フルフラール(2−フル
アルデヒド)、n−バレルアルデヒド等が使用できる
が、これらに限定されるものではなく、また、これらは
併用して使用してもよい。また、溶剤として、アミン、
アミド、イミンを使用してもよい。例えば、アンモニ
ア、アニリン、ジエチルアミン、ジエチレントリアミ
ン、2−ジメチルアミノエタノール、ジメチルホルムア
ミド、エチレンジアミン、エチレンイミド、モルホリ
ン、ピリジン、トリエチレンテトラミン等が使用できる
が、これらに限定されるものではなく、また、これらは
併用して使用してもよい。
【0040】さらに、溶剤として、フエノール類を使用
してもよい。例えば、フエノール、m−クレゾール、o
−クレゾール、p−クレゾール等が使用できるが、これ
らに限定されるものではなく、また、これらは併用して
使用してもよい。上記溶剤は、樹脂への浸透性の点から
できるだけ立体障害の少ない構造式のものを使用するこ
とが望ましい。また、次工程である酸処理において、後
述する強酸性の無機酸類あるいは強酸性の無機酸類に酸
化剤を溶解させた溶液を使用する場合、できるだけ親水
性の溶剤を使用することが望ましい。もし、疎水性の溶
剤を使用する場合は、溶剤処理後にメチルアルコールや
エチルアルコール等の親水性及び疎水性の両方をもつ共
通溶媒によって洗浄し、酸処理を行うのが望ましい。
【0041】また、上述した実施例では、酸による樹脂
表面の加水分解に、強酸性の無機酸類あるいは強酸性の
無機酸類に酸化剤を溶解させた溶液が使用できる。例え
ば、無機酸類としては、単独で使用する場合は20重量
%以上の塩酸、フッ化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸が使
用でき、無機酸類に酸化剤を溶解させた溶液を使用する
場合は、上記無機酸類を10重量%以上で十分である。
酸化剤としては、塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウ
ム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸
ナトリウム、ペルオキソほう酸アンモニウム、ペルオキ
ソほう酸ナトリウム等が使用できるが、これらに限定さ
れるものではなく、また、これらは併用して使用しても
よい。また、カルボキシル基を持つ有機酸によって樹脂
表面を加水分解する場合には、酢酸やギ酸等が使用でき
るが、これらに限定されるものではなく、また、これら
は併用して使用してもよい。
【0042】さらに、無電解銅めっき液への添加剤とし
て、上記実施例では、界面活性剤にポリエチレングリコ
ールを使用したが、この他に、高級アルコールエチレン
オキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサ
イド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価ア
ルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高
級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸ア
ミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサ
イド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサ
イド付加物等のポリエチレングリコール型のノニオン系
界面活性剤が使用できるが、これらに限定されるもので
はなく、また、これらは併用して使用してもよい。な
お、この発明では、エポキシ樹脂あるいはエポキシ樹脂
の側鎖をアクリル変性した樹脂について多層プリント配
線板の製造方法を述べてきたが、このような方法はポリ
イミドやBTレジン等にも応用できるものと期待され
る。
【0043】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項第1項
は、層間絶縁層にエポキシ樹脂あるいはエポキシ樹脂の
側鎖をアクリル変性した樹脂を用いて多層プリント配線
板を製造する際に、上記樹脂の表面をアルデヒド類、ア
ミン、アミド、イミン及びフェノール類からなる群から
選ばれた少なくとも1種を含む有機溶剤である膨潤剤に
よって膨潤させた後、酸による加水分解及びアルカリに
よる中和処理を施して上記樹脂の表面を粗化し、次い
で、リチウムイオンを含む無電解銅めっき液によって上
記樹脂の表面に導体を形成するので、樹脂層表面に緻密
な凹凸を有する粗化面を形成し、樹脂層に対する導体層
である銅層の密着力に優れた多層プリント配線板を製造
することができるという効果を奏する。
【0044】この発明の請求項第2項は、酸による加水
分解処理において、強酸性の無機酸類あるいは強酸性の
無機酸類に酸化剤を溶解させた溶液を使用するので、エ
ポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の側鎖をアクリル変性した
樹脂の表面を効果的に加水分解することができるという
効果を奏する。
【0045】この発明の請求項第3項は、酸による加水
分解処理において、カルボキシル基を持つ有機酸を使用
するので、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の側鎖をアク
リル変性した樹脂の表面を効果的に加水分解することが
できるという効果を奏する。
【0046】この発明の請求項第4項は、無電解銅めっ
き液のリチウムイオンをエチレンジアミン四酢酸のリチ
ウム塩から供給するので、樹脂表面に析出する銅を微細
化するリチウムイオンを安価に供給することができると
いう効果を奏する。
【0047】この発明の請求項第5項は、無電解銅めっ
き液のリチウムイオンを水酸化リチウムと他の水酸化ア
ルカリの少なくとも1種とを含むpH調整剤から供給す
るので、樹脂表面に析出する銅を微細化するリチウムイ
オンを安価に供給することができるという効果を奏す
る。
【0048】この発明の請求項第6項は、無電解銅めっ
き液のリチウムイオンをリチウム化合物を含んだ添加剤
から供給するので、樹脂表面に析出する銅を微細化する
リチウムイオンを特に安価に供給することができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1により表面を膨潤及び粗化
した樹脂を示す側断面図である。
【図2】この発明の実施例1で得られた粗化された樹脂
表面を示すSEM像(走査型顕微鏡写真)である。
【図3】従来の多層プリント配線板の製造方法を説明す
る樹脂の側断面図である。
【図4】従来の他の多層プリント配線板の製造方法を説
明する樹脂の側断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂 3 粗化面 6 膨潤面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 輝仁 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 林 修 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層間絶縁層にエポキシ樹脂あるいはエポ
    キシ樹脂の側鎖をアクリル変性した樹脂を用いて多層プ
    リント配線板を製造する際に、 上記樹脂の表面をアルデヒド類、アミン、アミド、イミ
    ン及びフェノール類からなる群から選ばれた少なくとも
    1種を含む有機溶剤である膨潤剤によって膨潤させた
    後、 酸による加水分解及びアルカリによる中和処理を施して
    上記樹脂の表面を粗化し、次いで、 リチウムイオンを含む無電解銅めっき液によって上記樹
    脂の表面に導体を形成することを特徴とする多層プリン
    ト配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸による加水分解処理において、強酸性
    の無機酸類あるいは強酸性の無機酸類に酸化剤を溶解さ
    せた溶液を使用することを特徴とする請求項第1項記載
    の多層プリント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸による加水分解処理において、カルボ
    キシル基を持つ有機酸を使用することを特徴とする請求
    項第1項記載の多層プリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 無電解銅めっき液のリチウムイオンは、
    エチレンジアミン四酢酸のリチウム塩から供給されるこ
    とを特徴とする請求項第1項ないし第3項のいずれかに
    記載の多層プリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 無電解銅めっき液のリチウムイオンは、
    水酸化リチウムと他の水酸化アルカリの少なくとも1種
    とを含むpH調整剤から供給されることを特徴とする請
    求項第1項ないし第3項のいずれかに記載の多層プリン
    ト配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】 無電解銅めっき液のリチウムイオンは、
    リチウム化合物を含んだ添加剤から供給されることを特
    徴とする請求項第1項ないし第3項のいずれかに記載の
    多層プリント配線板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6193789B1 (en) * 1996-06-03 2001-02-27 Hideo Honma Electroless copper plating solution and method for electroless copper plating

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