JPH07238809A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JPH07238809A
JPH07238809A JP2988694A JP2988694A JPH07238809A JP H07238809 A JPH07238809 A JP H07238809A JP 2988694 A JP2988694 A JP 2988694A JP 2988694 A JP2988694 A JP 2988694A JP H07238809 A JPH07238809 A JP H07238809A
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JP
Japan
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pressure chamber
drain
passage
drain passage
camshaft
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Application number
JP2988694A
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English (en)
Inventor
Seiji Suga
聖治 菅
Dan Egashira
段 江頭
Hiroaki Imai
博昭 今井
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御弁により第1ドレン通路部の開成時にお
ける圧力室の内圧の上昇を抑制して、筒状歯車を最大前
方向移動位置に安定保持する。 【構成】 スプロケット1とカムシャフト2との相対回
転角度を、筒状歯車12の軸方向の移動に伴い多段階に
変換して吸気弁の開閉時期を可変制御する構成を前提と
している。筒状歯車12を図中右方向に移動させる圧力
室13内へ作動油を供給する油圧供給通路18の通路断
面積よりも油圧排出通路19の第1ドレン通路部21の
通路断面積を大きく設定して、ドレン流量を多くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機関の運転状態に応じ
て吸排気弁の開閉時期を可変制御するバルブタイミング
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関のバルブタイミング制御
装置としては、例えば本出願人が先に出願した特願平5
−288563号に記載されたものがある。
【0003】このバルブタイミング制御装置は、図12
に示すように機関のクランク軸からタイミングチェーン
を介して回転力が伝達されるスプロケット41と、一端
部にボルト44によって固定されたスリーブ43がスプ
ロケット41の筒状本体45内に相対回動自在に挿通配
置されたカムシャフト42と、筒状本体45とスリーブ
43との間に介装されて、カムシャフト軸方向の移動に
伴いはす歯形の各歯45a,43a,46a,46bを
介して両者41,42の相対回動位相を変換する筒状歯
車46とを備えている。
【0004】この筒状歯車46は、軸直角方向から2分
割形成されていると共に、前端側に形成された圧力室4
7内に油圧回路の油圧供給通路48を介して供給された
油圧力と、後端側に弾装された圧縮スプリング49のば
ね力との相対圧で図中左右軸方向へ移動するようになっ
ている。また、筒状歯車46の前端部と圧力室47との
間に配置されたピストン50によって圧力室47からの
油圧が伝達されるようになっている。
【0005】前記油圧回路は、オイルポンプ51と圧力
室47とを連通する前記油圧供給通路48と、圧力室4
7と外部とを連通する油圧排出通路52とから構成さ
れ、該油圧排出通路52の途中に制御弁53が設けられ
ている。
【0006】前記油圧排出通路52は、スリーブ43と
内筒部材54との周壁に半径方向に沿って連続的に貫通
した4つのドレン通路部55,56,57,58と、各
ドレン通路部55〜58に連通するドレン室59と、制
御弁53の弁体53aの端壁に軸方向に沿って貫通形成
され、ドレン室59とフロントカバー60のドレン孔6
1を介して外部とを連通する軸方向孔62とを備えてい
る。前記第1〜第4ドレン通路部55〜58は、その各
内径(通路断面積)が略同一に設定されていると共に、
カムシャフト軸方向へ所定の間隔をもって配置されてい
る。つまり、この間隔は予めスプロケット41とカムシ
ャフト42との所定回転角度に対応して設定されてい
る。
【0007】そして、例えば機関低負荷域では、図外の
コントローラからステッピングモータにOFF信号が出
力されて、駆動ロッド63を最大左方向位置に移動させ
ると、弁体53aが図示のように最大左方向位置に保持
されて、全部のドレン通路部55〜58を開成する。一
方、オイルポンプ51から油圧供給通路48を介して常
時圧力室47に供給された作動油は、第1ドレン通路部
55を通ってドレン室59内に流入し、ここから軸方向
孔62,ドレン孔61を通って外部に排出され、したが
って、圧力室47が低圧状態になる。
【0008】このため、筒状歯車46は、圧縮スプリン
グ49のばね力により最大前方向位置に移動して、スプ
ロケット41とカムシャフト42との相対回動位相を一
方側に変換して例えば吸気弁の閉時期を最大に遅角制御
する。
【0009】また、機関運転負荷が若干上昇すると、ス
テッピングモータに制御電流が出力されて駆動ロッド6
3を介して弁体53aを図中右方向へ若干移動させて、
第1ドレン通路部55を閉止する。このため、圧力室4
7内に流入した作動油は、一時的に密閉された該圧力室
47の内圧を高めながら、ピストン50を右方向へ押圧
し、したがって、該ピストン50は、内周縁50aで第
2ドレン通路部56を開成した位置で移動を停止する。
依って、筒状歯車46も、ピストン50と同方向へ同一
ストローク量で移動し、両者41,42の相対回動位相
を他方側へ変換する。
【0010】その後、機関運転負荷の上昇に伴い、弁体
53aが右方向へ所定量移動し、これによって圧力室4
7の容積を増加させて筒状歯車46を所定の移動位置に
保持することにより、両者41,42の相対回動位相を
5段階に制御する。この結果、バルブタイミングを機関
運転状態に応じて高精度に制御することが可能になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
願に係る装置にあっては、第1ドレン通路部55の内径
が第2〜第4ドレン通路部56〜58の内径と略同一に
設定されて、比較的小径になっている。このため、前述
のように、機関低負荷時に弁体53aが最大左方向位置
に保持されて、ピストン50との相対関係で第1ドレン
通路部55のみがドレン室59と連通している際には、
常時圧力室47へ供給される作動油の流量よりも、圧力
室47から第1ドレン通路55を通ってドレン室59内
にドレンするドレン流量の方が少なくなってしまう場合
がある。この結果、圧力室47内の油圧が僅かに上昇し
て内圧が変動し、圧力室13の容積が変化することによ
りピストン50が左右方向へ移動して、筒状歯車46を
最大前方向位置に安定に保持することができなくなる惧
れがある。
【0012】特に、オイルポンプ51の回転変化に伴い
ポンプ吐出圧が変化する場合には、斯かる筒状歯車46
の移動位置の不安定化が一層顕著になる。
【0013】この結果、バルブタイミング制御の不安定
化を招く惧れがある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記先願の発
明の問題点に鑑みて案出されたもので、請求項1の発明
は、機関によって回転駆動する回転体と、該回転体から
の回転力によって吸排気弁を作動させるカムを有するカ
ムシャフトと、回転体とカムシャフトとの間に介装され
て、カムシャフト軸方向の移動に伴い回転体とカムシャ
フトとの相対回動位相を変換する位相変換手段と、前記
回転体の内部に形成されて、液圧回路を介して給排され
る内部の液圧に応じて前記位相変換手段を軸方向の一方
側へ移動させる圧力室と、前記液圧回路の排出通路の一
部を構成し、カムシャフト軸方向の位置に夫々所定間隔
をもって径方向へ形成された複数のドレン通路部と、該
夫々のドレン通路部の開口端を機関運転状態に応じて選
択的に開閉して前記圧力室の容積を可変にする制御弁と
を備えたバルブタイミング制御装置であって、前記制御
弁が前記各ドレン通路部の全てを開成した状態において
前記圧力室と外部とを連通する第1ドレン通路部の通路
断面積を、圧力室に作動油を常時供給する供給通路の通
路断面積よりも大きく設定したことを特徴としている。
【0015】請求項2の発明は、前記各ドレン通路部
を、カムシャフトの円周方向へ沿って長孔状に形成した
ことを特徴としている。
【0016】
【作用】前記構成の本発明によれば、第1ドレン通路部
から排出される作動油の流量が圧力室に供給される作動
油の流量よりも多くなるため、圧力室の内圧の上昇が抑
制されて、位相変換手段を常時一方側位置へ安定的に保
持することができる。
【0017】また、請求項2の発明によれば、各ドレン
通路部を長孔状に形成したため、その孔開け作業をドリ
ル加工ではなく例えば切削加工によって一度に行うこと
ができるので、該作業が容易になる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。
【0019】図1は本発明の一実施例を示し、図中1は
機関のクランク軸から図外のタイミングチェーンを介し
て回転力が伝達されるスプロケット、2は本体2aの外
周にスプロケット1からの回転力によって図外の例えば
吸気弁を開作動させるカムを有するカムシャフトであ
る。
【0020】前記スプロケット1は、筒状本体3と該筒
状本体3の後端部にボルト4によって固定された歯車部
5とを備えている。前記筒状本体3は、前端部にかしめ
固定された円環部6に縦断面コ字形のフロントカバー7
がボルト固定されていると共に、内周面にヘリカル状の
インナ歯3aが形成されている。歯車部5は、円環状を
呈し、内周面がカムシャフト本体2aの外周に回転自在
に支持されている。したがって、スプロケット1とカム
シャフト2とは、相対回動自在に形成されている。
【0021】前記カムシャフト2は、前記カムシャフト
本体2aの一端部に取付ボルト8によって同軸上に固定
された段差円筒状のスリーブ9を有している。このスリ
ーブ9は、全体が筒状本体3内に収容されており、一端
部がカムシャフト本体2aの端部に嵌合保持されている
と共に、他端部が前記円環部6の内周に相対回動自在に
嵌入している。また、スリーブ9は、図1及び図2に示
すように一端部側の内周に円環状の隔壁9aが一体に設
けられていると共に、外周にヘリカル状のアウタ歯9b
が形成されている。さらに、このスリーブ9の他端側内
周には、内筒部材10が収納固定されている。この内筒
部材10は、図1及び図3に示すようにピン11を介し
てスリーブ9に周方向に位置決めされていると共に、一
端側のフランジ部と隔壁9aを介して前記取付ボルト8
によってカムシャフト本体2aの一端部に同軸上に共締
め固定されている。
【0022】また、図中12は、筒状本体3とスリーブ
9との間に介装された位相変換手段たる筒状歯車であっ
て、この筒状歯車12は、軸直角方向から2分割された
前側歯車構成部12aと後側歯車構成部12bとを備え
ている。この両歯車構成部12a,12bは、バックラ
ッシュ隙間を吸収するために連結ピンとコイルスプリン
グを介して互いに接近する方向へ付勢しつつ連結されて
いると共に、夫々の内外周に前記インナ歯3aとアウタ
歯9aに噛合するヘリカル状の内外歯が形成されてい
る。また、この筒状歯車12は、前側歯車構成部12a
と円環部6との間に形成された圧力室13内に油圧回路
を介して供給された油圧力と、後側歯車構成部12bと
歯車部5の内端面との間に弾装された圧縮スプリング1
4のばね力との相対圧で図中左右軸方向へ移動自在に形
成されている。
【0023】前記圧力室13は、その容積が軸方向に沿
って増減するようになっていると共に、前側歯車構成部
12aの前端面に配置されたピストン15を介して筒状
歯車12に油圧力を伝達するようになっている。
【0024】該ピストン15は、図1及び図4,図5に
示すように円環状を呈し、中央にスリーブ9が挿通する
挿通孔15cが形成されていると共に、外周に圧力室1
3をシールするシールリング16が設けられている。ま
たこのピストン15は、圧力室13側の一端面に受圧用
の環状溝面15aが形成されていると共に、一端面の外
周側に円環部6の内端面に離接する円弧状の突起状着座
部15bが周方向の等間隔位置に4つ形成されている。
【0025】前記油圧回路は、図1に示すようにオイル
ポンプ17と圧力室13とを連通する油圧供給通路18
と、圧力室13と外部とを連通する油圧排出通路19と
から構成され、該油圧排出通路19の途中に制御弁20
が設けられている。
【0026】前記油圧供給通路18は、図外のシリンダ
ヘッド及びカムシャフト本体2aと取付ボルト8との間
に形成されて上流端がオイルポンプ17に接続された主
通路18aと、スリーブ9と内筒部材10との間に形成
されて、一端が主通路18aに、他端がフロントカバー
7内周面の屈曲通路18b及び円環部6のオリフィス機
能を有する段差径通路孔18cを介して圧力室13に夫
々接続された環状通路18dとから構成されている。ま
た、段差径通路孔18cは、オリフィス機能を有してい
るため、オイルポンプ17から圧力室13に供給される
作動油の圧力変動を抑制できるので、前記ピストン15
は前記作動油の圧力変動の影響を受けることなく安定し
た移動または静止を行うことができる。
【0027】前記油圧排出通路19は、スリーブ9と内
筒部材10の各下端側の周壁に半径方向に沿って連続的
に貫通した複数のドレン通路部21,22,23,24
と、内筒部材10の内部に形成されて各ドレン通路部2
1〜24に連通するドレン室25と、前記制御弁20の
後述する弁体28の端壁に軸方向に沿って穿設されてド
レン室25と連通する軸方向孔26と、フロントカバー
7の壁部を軸方向に貫通形成されてドレン室25と外部
を連通するドレン孔27とを備えている。
【0028】前記ドレン通路部21,22,23,24
は、円周方向に沿った複数の小孔群によって4組列に形
成されており、図6に示すようにスリーブ9に形成され
た外側開口端21a,22a,23a,24aと内筒部
材10に形成された内側開口端21b,22b,23
b,24bとによって夫々形成されている。
【0029】また、図1中、最左側の第1ドレン通路部
21は、その通路断面積が他の第2〜第4ドレン通路部
22〜24の通路断面積よりも大きく設定されていると
共に、外側開口端21aと内側開口端21bが略同一の
内径に設定されている。そして、この第1ドレン通路部
21の通路断面積は、油圧供給通路18の通路断面積よ
りも大きく設定されて、圧力室13内に油圧供給通路1
8を介して常時供給される単位時間当たりの流量よりも
大きな流量となるように設定されている。
【0030】さらに、第1ドレン通路部21と該第1ド
レン通路部21と隣接する第2ドレン通路部22との間
隔は若干大きいものの、他の第2,第3,第4ドレン通
路部22,23,24の間隔は若干小さくかつ等間隔に
設定されている。この各間隔は予めスプロケット1とカ
ムシャフト2との所定の相対回動角度に対応して任意に
設定されている。また、各ドレン通路部21〜24の夫
々の小孔群の総断面積は、圧縮スプリング14のばね力
等との相対関係で決定されて、第1ドレン通路部21を
除く他のドレン通路部22〜24の夫々が均一に設定さ
れている。
【0031】前記制御弁20は、図1に示すように前記
内筒部材10内に軸方向へ摺動自在に設けられて、各ド
レン通路部21〜24を選択的に開閉する弁体28と、
該弁体28を軸方向へ摺動させる図外の電磁アクチュエ
ータとを備えている。
【0032】前記弁体28は、有底円筒状に形成され、
軸方向の長さが前記第1ドレン通路部21から第4ドレ
ン通路部24まで全体を閉成可能な長さに設定されてい
ると共に、外周面が内筒部材10の内周面に密接状態に
摺接するようになっている。また、一端が取付ボルト8
の頭部に弾接したコイルスプリング31のばね力によっ
て図中左方向に付勢されている。
【0033】前記電磁アクチュエータは、ステッピング
モータによって構成され、回転軸の先端側に回転運動を
直線運動に変換する機構を介して駆動ロッド29が連結
されている。この駆動ロッド29は、先端が弁体28の
底壁にナット30を介して連結されて、弁体28を図中
左右軸方向の所定位置に摺動させるようになっている。
また、該ステッピングモータを制御する図外のコントロ
ーラは、マイクロコンピュータが内蔵され、クランク角
センサやエアーフローメータ等の各センサ類から出力さ
れた機関回転数や吸入空気量等に基づいて現在の運転状
態を検出している。
【0034】以下、本実施例の作用について説明する。
まず、例えば機関低負荷域では、コントローラからステ
ッピングモータにOFF信号(非通電)が出力されて、
駆動ロッド29を最大左方向位置に移動させる。したが
って、弁体28は、図1に示すように最大左方向位置に
保持され、全ドレン通路部21〜24のドレン室25側
の各内側開口端21b〜24bを開成する。一方、オイ
ルポンプ17から油圧供給通路18を介して圧力室13
に供給された作動油は、その全てが第1ドレン通路部2
1を通ってドレン室25内に流入し、ここから、軸方向
孔26,ドレン孔27を通って外部に排出される。した
がって、圧力室13内が低圧状態になる。このため、筒
状歯車12は、圧縮スプリング14のばね力によって最
大前方向位置(図中左方向位置)に移動し、この位置に
安定保持される。これによって、スプロケット1とカム
シャフト2は、一方側の最大相対回動角度位置に保持さ
れて、例えば吸気弁の閉時期を最大遅角制御する。
【0035】また、機関運転負荷が若干上昇すると、コ
ントローラからステップモータに制御電流が出力されて
所定量回転する。したがって、弁体28は、図7に示す
ように駆動ロッド29を介して図中右方向へ若干移動し
て、第1ドレン通路部21の内側開口端21bを閉成す
る。このため、油圧供給通路18から圧力室13内に流
入した作動油は、一時的に密閉された該圧力室13内で
圧力を高めながらピストン15を図示のように右方向へ
押圧し、該ピストン15の環状溝面15aの内周縁15
dで第2ドレン通路部22の外側開口端22aを開成す
る。したがって、該ピストン15は、圧力室13の油圧
と圧縮スプリング14のばね力が均り合う位置つまり第
2ドレン通路部22の外側開口端22aを開成した移動
位置で停止する。よって、筒状歯車12は、ピストン1
5のよって図示位置まで右方向に移動し、スプロケット
1とカムシャフト2の相対回動角度位置を他方側に変換
して、吸気弁の閉時期を進角側に制御する。
【0036】更に、機関運転負荷が上昇すると、ステッ
ピングモータにより弁体28がさらに右方向へ移動して
図8に示すように、今度は第1ドレン通路部21の内側
開口端21bを閉成しつつさらに第2ドレン通路部22
の内側開口端22bも閉成する。このため、一時的に密
閉された圧力室13内の油圧が上昇してピストン15を
図示のようにさらに右方向へ押圧する。したがって、ピ
ストン15は、第3ドレン通路部23の外側開口端23
aを開成すると共に、前述と同様に該第3ドレン通路部
23の外側開口端23aを開成した移動位置で停止す
る。このため、筒状歯車12は、ピストン15によって
図示位置まで右方向に移動し、スプロケット1とカムシ
ャフト2の相対回動角度位置をさらに他方側に変換す
る。
【0037】次に、機関運転負荷がさらに上昇すると、
ステッピングモータにより弁体28がさらに右方向へ移
動して、図9に示すように第1,第2ドレン通路部2
1,22の内側開口端21b,22bを閉成しつつ第3
ドレン通路部23の内側開口端23bも閉成する。この
ため、一時的に密閉された圧力室13内の油圧が上昇し
てピストン15を図示の如くさらに右方向へ押圧する。
したがって、ピストン15は、第4ドレン通路部24の
外側開口端24aを開成すると共に、該第4ドレン通路
部24を開成した移動位置で停止する。このため、筒状
歯車12もピストン15によって図示位置まで右方向に
移動し、スプロケット1とカムシャフト2の相対回動角
度をさらに他方側に変換し、吸気弁の閉時期をさらに進
角側に制御する。
【0038】また、機関運転が高負荷域に移行すると、
ステッピングモータによって弁体28がさらに右方向へ
移動して図10に示すように第1〜第3ドレン通路部2
1〜23の内側開口端21b〜23bを閉成しつつ第4
ドレン通路部24の内側開口端24bも閉成し、つま
り、全部を閉成する。このため、圧力室13は、密閉状
態になって内部油圧が最大に上昇する。したがって、ピ
ストン15は、図示のようにさらに右方向に移動して、
筒状歯車12を最大右方向に押圧する。このため、スプ
ロケット1とカムシャフト2は、相対回転角度が他方側
に最大に変換され、吸気弁の閉時期を最大進角側に制御
する。
【0039】尚、各ドレン通路部21〜24からドレン
室25に流入した作動油は、軸方向孔26、ドレン孔2
7を通って外部に排出されてオイルパン32に戻され
る。
【0040】このように、本実施例では、弁体28の移
動位置に応じて各ドレン通路部21〜24を選択的に開
閉することによりピストン15を介して筒状歯車12を
5段階に移動させることができるため、スプロケット1
とカムシャフト2との相対回転角度も5段階に変換する
ことができる。この結果、吸気弁の閉時期を機関運転状
態に応じて高精度に制御できる。
【0041】しかも、予め形成位置が設定された各ドレ
ン通路部21〜24を弁体28によって開閉するだけで
あるから、各構成部品の移動位置、例えばピストン15
等の移動位置を常に検出する必要がない。したがって、
コントローラの制御構造が簡素化されて、製造作業能率
の向上とコストの大巾な低下が図れる。
【0042】また、前述のように機関低負荷時に、第1
ドレン通路部21が圧力室13とドレン室25とを連通
した場合には、油圧供給通路18から圧力室13へ供給
される作動油の流量よりも、圧力室13からドレン室2
5にドレンされる流量の方が多くなるため、圧力室13
の内圧の上昇が確実に抑制されて圧力変動が防止され
る。このため、ピストン15は、環状溝面15aに対す
る受圧力が低下して、円環部6の内端面に着座部15が
確実に当接して、該移動位置に安定化保持される。した
がって、筒状歯車12も、前述のように圧縮スプリング
14のばね力によって最大前方向の移動位置に安定に保
持される。
【0043】また、前記第2〜第4ドレン通路部22〜
24は、外側開口端22a〜24aの通路断面積が十分
に小さいため、大きな通路断面積とした場合に比較して
ピストン15の内周縁15dによる該各外側開口端22
a〜24aの全開作用つまり開き切り作業が良好とな
り、斯かる作用によってピストン15自体もその所定の
移動位置に安定に保持される。このため、各ドレン通路
部22〜24の形成位置によって決定される筒状歯車1
2の移動設定位置を高精度に制御できる。この結果、ス
プロケット1とカムシャフト2を、所定の相対回動設定
角度位置に安定かつ正確に保持することが可能になる。
【0044】一方、機関負荷の上昇に伴い弁体28が第
1ドレン通路部21を閉止した後は、ピストン15によ
って圧力室13内の油圧を効率良く受圧すると共に、筒
状歯車12を軸方向へ移動案内するため、筒状歯車12
の移動応答性が向上する。
【0045】尚、機関高負荷域から低負荷域に移行する
までの間も、弁体28によって前述とは逆に各ドレン通
路部21〜24を選択的に開閉しつつ、筒状歯車12を
多段階に左方向へ移動させることも可能である。また、
各ドレン通路部21〜24を、前述のように弁体28で
順次選択的に開閉するのではなく、機関負荷の急激な変
化に応じて適宜対応するドレン通路部21〜24を選択
して開閉することも可能である。
【0046】図11は本発明に供される各ドレン通路部
21〜24の形状を変更したもので、複数の小孔に替え
て長孔状に形成したものである。この長孔は、その通路
総断面が小孔の総断面と同一に設定されており、したが
って、該各ドレン通路部21〜24を通流する作動油の
流量は小孔の場合と同一になる。また、これに対応して
内筒部材10側も長孔に形成されていることは勿論であ
る。このように、各ドレン通路部21〜24を長孔に形
成すれば、ドリリングではなく切削作業で一度に成形で
きるため、斯かる成形作業能率の向上とコストの低廉化
が図れる。この場合、第1ドレン通路部21の通路断面
積が、油圧供給通路18の通路断面積よりも大きく設定
されていることは勿論である。
【0047】本発明は、前記実施例の構成に限定される
ものではなく、例えば各ドレン通路部21〜24をさら
に増加形成して、筒状歯車12をさらに6段階以上の移
動制御を行うことも可能である。
【0048】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、第1ドレン通路部の通路断面積を供給通路の通
路断面積よりも大きく設定したため、制御弁により該第
1ドレン通路部を開成した際における圧力室に対する作
動液の供給量よりも排出量を多くすることができる。し
たがって、該圧力室の僅かな液圧上昇が抑制されて、位
相変換手段を最大一方向の移動位置に安定かつ確実に保
持することが可能になる。この結果、バルブタイミング
制御の安定化が図れる。
【0049】また、請求項2の発明によれば、各ドレン
通路部を周方向に沿った長孔状に形成したため、該各ド
レン通路部を切削加工によって一度に形成できるので、
その加工作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部縦断面図。
【図2】本実施例のスリーブを示す側面図。
【図3】本実施例の内筒部材を示す側面図。
【図4】本実施例のピストンを示す正面図。
【図5】図4のA−A線断面図。
【図6】本実施例の要部拡大断面図。
【図7】本実施例の作用を示す説明図。
【図8】本実施例の作用を示す説明図。
【図9】本実施例の作用を示す説明図。
【図10】本実施例の作用を示す説明図。
【図11】本実施例の各ドレン通路部の異なる構造を示
すスリーブの縦断面図。
【図12】先願に係る装置を示す要部縦断面図。
【符号の説明】
1…スプロケット(回転体) 2…カムシャフト 12…筒状歯車(位相変換手段) 13…圧力室 15…ピストン 15d…内周縁 18…油圧供給通路 19…油圧排出通路 20…制御弁 21〜24…第1〜第4ドレン通路部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関によって回転駆動する回転体と、該
    回転体からの回転力によって吸排気弁を作動させるカム
    を有するカムシャフトと、回転体とカムシャフトとの間
    に介装されて、カムシャフト軸方向の移動に伴い回転体
    とカムシャフトとの相対回動位相を変換する位相変換手
    段と、前記回転体の内部に形成されて、液圧回路を介し
    て給排される内部の液圧に応じて前記位相変換手段を軸
    方向の一方側へ移動させる圧力室と、前記液圧回路の排
    出通路の一部を構成し、カムシャフト軸方向の位置に夫
    々所定間隔をもって径方向へ形成された複数のドレン通
    路部と、該夫々のドレン通路部の開口端を機関運転状態
    に応じて選択的に開閉して前記圧力室の容積を可変にす
    る制御弁とを備えたバルブタイミング制御装置であっ
    て、 前記制御弁が前記各ドレン通路部の全てを開成した状態
    において前記圧力室と外部とを連通する第1ドレン通路
    部の通路断面積を、圧力室に作動油を常時供給する供給
    通路の通路断面積よりも大きく設定したことを特徴とす
    る内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記各ドレン通路部を、カムシャフトの
    円周方向へ沿って長孔状に形成したことを特徴とする請
    求項1記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
JP2988694A 1993-11-18 1994-02-28 内燃機関のバルブタイミング制御装置 Pending JPH07238809A (ja)

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US08/343,992 US5447126A (en) 1993-11-18 1994-11-18 Variabe cam phaser for internal combustion engine
DE69411126T DE69411126T2 (de) 1993-11-18 1994-11-18 Vorrichtung zur Veränderung der Nockensteuerung einer Brennkraftmaschine
EP94118226A EP0654588B1 (en) 1993-11-18 1994-11-18 Variable cam phaser for internal combustion engine

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