JP7065197B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気弁や排気弁の開閉タイミングを運転状態に応じて可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
内燃機関のバルブタイミング制御装置としては、本出願人が先に出願した以下の特許文献1に記載したものがある。
このバルブタイミング制御装置は、クランクシャフトからチェーン介して回転力が伝達されるスプロケットと、吸気弁を開閉作動させるカムシャフトと、前記カムシャフトの一端部に固定されて、ハウジング内に相対回転に配置されたベーンロータと、前記ベーンロータのハウジングに対する相対回転位置を、最進角側と最遅角側の間の中間位置でロックする2つのロック機構と、を備えている。
2つのロック機構は、ベーンロータに設けられた第1、第2ロックピンと、スプロケットの内周面にそれぞれ設けられて、第1、第2ロックピンが挿入あるいは離脱する2つの第1、第2ロック穴と、第1、第2ロック穴に作動油を供給して各ロック穴から第1、第2ロックピンを離脱させて、ベーンロータのロックを解除する給排通路と、を有してしている。
前記給排通路は、ロータの内部に形成された油通路と、一端が油通路に開口し、他端がロック穴に開口した連通路と、を有している。前記油通路は、ベーンロータのロータの内部に径方向に沿って設けられた径方向通路と、軸方向に沿って設けられた軸方向通路と、から構成されている。前記径方向通路は、ドリル加工によって径方向へ貫通形成されて、外周側の端部がボール栓体によって閉じられている。一方、連通路は、ロータの前端面に円弧状に形成されている。
特開2013-147934号公報
前記従来の装置にあっては、前記給排通路は、油通路が径方向通路と軸方向通路との2つの通路によって構成されていることから、連通路を含めた通路長全体が必然的に長くなってしまう。この結果、作動油の流動抵抗などに起因して前記各ロックピンの解除(離脱)応答性が低下する一方、各ロック穴からの作動油の排出速度が低下して各ロック穴への挿入性も低下するおそれがある。
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、給排通路の通路長を短くして、ロックピンのロック解除の応答性の向上とロック穴への挿入性の向上を図り得る内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することを一つの目的としている。
本発明の好ましい態様の一つとしては、とりわけ、ロック機構は、ハウジングに設けられたロック凹部と、ロータ部材に設けられた収容孔と、前記収容孔の内部に移動可能に収容され、前記ロック凹部に挿入可能なロック部材と、前記ロータ部材に該ロータ部材の回転軸に対して傾斜状に設けられ、少なくとも前記ロック部材が前記ロック凹部に挿入した状態で前記ロック凹部と連通するロック通路であって、前記ロック凹部に臨む一端開口部の開口断面積が通路断面積の最も小さな部分の通路断面積よりも大きな前記ロック通路と、を備えたことを特徴としている。
本発明の好ましい態様によれば、ロックピンのロック解除の応答性とロック穴への挿入性の向上を図ることができる。
本発明に係るバルブタイミング制御装置の一実施形態を示す全体構成図である。 本実施形態に供される主要な構成部材を示す分解斜視図である。 本実施形態に供されるベーンロータが中間の相対回転位置に保持された状態を示す作用説明図である。 同じくベーンロータが最進角の相対回転位置に保持された状態を示す作用説明図である。 同じくベーンロータが最遅角の相対回転位置に保持された状態を示す作用説明図である。 本実施形態に供されるロックピンがロック穴に挿入した状態を示す図1の要部拡大図である。 本実施形態に供されるロックピンがロック穴から離脱した状態を示す図1の要部拡大図である。 本実施形態に供されるベーンロータの一部を断面して示す正面図である。 図8のA部の拡大断面図である。 ベーンロータが焼結成形された後にピン孔やロック通路などがドリル加工によって孔開けされた状態を示す要部断面図である。 図10のB-B線断面図である。 焼結成形されて粗材状態にあるベーンロータの要部断面図である。
以下、本発明の一つの態様に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置を、排気弁側に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の一つの態様に係るバルブタイミング制御装置の一実施形態を示す全体構成図、図2は本実施形態に供される主要な構成部材を示す分解斜視図、図3は本実施形態に供されるベーンロータが中間の相対回転位置に保持された状態を示す作用説明図、図4は同じくベーンロータが最進角の相対回転位置に保持された状態を示す作用説明図、図5は同じくベーンロータが最遅角の相対回転位置に保持された状態を示す作用説明図である。
このバルブタイミング制御装置は、図1及び図2に示すように、機関のクランクシャフトによりタイミングチェーンを介して回転駆動される駆動回転体であるスプロケット1と、スプロケット1に対して相対回転可能に設けられた排気側のカムシャフト2と、スプロケット1とカムシャフト2との間に配置されて、該両者の相対回転位相を変更する位相変更機構と、該位相変更機構を作動させる第1油圧回路3と、前記位相変更機構を介してスプロケット1に対するカムシャフト2の相対回転位置を、最進角側の回転位置(図4の位置)と最遅角側の回転位置(図5の位置)との間の所定の中間回転位相位置(図3の位置)に保持する2つの第1、第2ロック機構4、5と、各ロック機構4,5を作動させる第2油圧回路6と、を備えている。
スプロケット1は、肉厚円板状に形成されて、外周にタイミングチェーンが巻回される歯車部1aを有していると共に、後述するハウジング本体7aの後端開口を閉塞するリアカバーとして構成されている。また、スプロケット1は、中央にカムシャフト2に固定された後述のベーンロータの外周に回転自在に支持される摺動孔である軸受孔1bが貫通形成されている。また、スプロケット1の外周部の周方向のほぼ等間隔位置には、後述する4本のボルト14の雄ねじ部14aが螺着される4つの雌ねじ孔1cが内側面1d側から貫通形成されている。
なお、スプロケット1は、内側面1dの外周部の所定位置に、ハウジング本体7aとの位置決めを行うためのピン1eが回転軸方向に沿って突出している。
カムシャフト2は、図外のシリンダヘッドにカム軸受を介して回転可能に軸受けされ、外周面には排気弁を開閉作動させる複数のカムが軸方向の所定位置に一体に固定されている。また、カムシャフト2は、回転軸方向の一端部2aの内部軸心方向に内周に雌ねじ部が形成されたボルト挿入孔2bが設けられている。
位相変更機構は、図1、図3~図5に示すように、スプロケット1に軸方向から結合されて、内部に作動室を有するハウジング7と、カムシャフト2の一端部の雌ねじ部に螺着するカムボルト8を介して固定されて、ハウジング7内に相対回転自在に収容されたロータ部材であるベーンロータ9と、ハウジング7の内部に有する作動室がベーンロータ9によって仕切られたそれぞれ複数(本実施形態ではそれぞれ4つ)の遅角油圧室11及び進角油圧室12と、該各遅角油圧室11と各進角油圧室12に作動油圧を給排する前記第1油圧回路3と、を備えている。
ハウジング7は、粉末金属を圧縮して焼結成形された焼結金属によって円筒状に形成されたハウジング本体7aと、プレス成形によって形成され、ハウジング本体7aの回転軸方向の前端開口を閉塞するフロントカバー13と、後端開口を閉塞するリアカバーとしてのスプロケット1と、から構成されている。
ハウジング本体7aは、内周面に軸心方向に向かって突出した4つの第1~第4シュー10a、10b、10c、10dを一体に有している。この各シュー10a~10dは、ハウジング本体7aの内周面の円周方向のほぼ等間隔位置に設けられており、これらとベーンロータ9の後述する4つのベーン16a~16dとの間に、前述したそれぞれ4つの遅角油圧室11と進角油圧室12が仕切られている。
また各シュー10a~10は、それぞれの内部軸方向にボルト挿通孔10eが貫通形成されている。
第1シュー10aと第2シュー10bは、剛性を高めるために基部側の周方向の幅が他の第3,第4シュー10c、10dよりも大きく形成されている。つまり、後述するように、第1シュー10aは、第1ベーン16aが時計方向から当接する一側部に突部10fが一体に設けられている。一方、第2シュー10bは、第3ベーン16cが反時計方向から当接する一側部に突部10gが一体に設けられている。
なお、ハウジング本体7aは、外周面の第1シュー10aが形成された位置にスプロケット1のピン1eが挿入して互いの円周方向の位置決めをするピン溝7bが回転軸方向に沿って形成されている。
フロントカバー13は、中央に挿入孔13aが貫通形成されていると共に、外周部の円周方向位置には複数(本実施形態では4つ)のボルト挿通孔13bが貫通形成されている。
ハウジング本体7aとフロントカバー13及びスプロケット1は、各ボルト挿通孔10e、13bを挿通して各雌ねじ孔1cに螺着する4本のボルト14によって回転軸方向から共締め固定されている。
カムボルト8は、図1に示すように、外形が六角形の頭部8aと、頭部8aの中央から延びて、カムシャフト2のボルト挿入孔2bに挿通される軸部8bと、該軸部8bの外周に形成されて、ボルト挿入孔2bの雌ねじ部に螺着する雄ねじ部8cと、を有している。頭部8aは、軸部8b側の一端面にフランジ部8dが一体に設けられている。
ベーンロータ9は、例えば金属粉末を圧縮焼結してなる焼結金属によって一体に形成され、図2~図5に示すように、カムシャフト2の一端部2aにカムボルト8によって固定されたロータ15と、該ロータ15の外周面に円周方向のほぼ120°等間隔位置に放射状に突設された複数(本実施形態では4枚)の第1~第4ベーン16a、16b、16c、16dとから構成されている。
ロータ15は、カムシャフト2の回転軸方向に沿って前後方向に長いほぼ円筒状に形成されており、回転軸方向の中央に位置する肉厚なロータ本体15aと、ロータ本体15aのカムシャフト2側の後端側に一体に設けられた薄肉な筒状部15bと、前端側に一体に設けられた薄肉円筒状の挿入ガイド部15cと、を有している。
また、ロータ15の内部には、後述するVTCカバーの通路構成部37が挿入ガイド部15c側から挿入される大径円柱状の挿入孔15dが設けられている。
ロータ本体15aは、外周面円周方向のほぼ等間隔位置に前記第1~第4ベーン16a~16dが一体に設けられている。
筒状部15bは、外周面15jでスプロケット1の軸受孔1bの内周面を摺動可能に軸受している。また、筒状部15bの内周面には、比較的肉厚な円盤状の支持壁15eが径方向に沿って一体に設けられている。この支持壁15eは、中央位置にカムボルト8の軸部8bが挿入するボルト挿入孔15fが貫通形成されている。
また、筒状部15bは、後端部に支持壁15eを底壁とする円形状の嵌合溝15gが形成されている。この嵌合溝15gには、カムシャフト2の一端部2aの先端部が回転軸方向から嵌合している。
筒状部15bは、後端部の先端側外周に後述するスパイラルスプリング50の内周部を支持する円環溝15hが形成されている。
第1~第4ベーン16a~16dは、それぞれが各シュー10a~10dの間に配置されている。また、第1ベーン16aと該第1ベーン16aに径方向から対向する第3ベーン16cは、それぞれ円周方向から対向する各側面に円周方向へ延びた収容孔形成部であるブロック状の突起部16e、16fが一体に設けられている。
第1~第4ベーン16a~16dは、円弧状の先端面に形成されたシール溝内に、ハウジング本体7aの内周面に摺動しつつシールするシール部材17aがそれぞれ嵌着されている。一方、第1~第4シュー10a~10dの先端面に形成されたシール溝にも、ロータ本体15aの外周面15jに摺動しつつシールするシール部材17bがそれぞれ嵌着されている。
ベーンロータ9は、図4に示すように、進角方向へ相対回転すると、第1ベーン16aの一側面が対向する第1シュー10aの突部10fの外側面に当接して最大進角側の回転位置が規制される。また、ベーンロータ9は、図5に示すように、遅角方向へ相対回転すると、第3ベーン16cの一側面が対向する第2シュー10bの突部10gの外側面に当接して最大遅角側の回転位置が規制される。これら第1、第3ベーン16a、16cと第1、第2シュー10a、10bがベーンロータ9の最進角位置と最遅角位置を規制する機械的なストッパとして機能するようになっている。
このとき、他の第2、第4ベーン16b、16dは、両側面が円周方向から対向する各シュー10c、10dの対向側面に当接せずに離間状態にある。したがって、ベーンロータ9とシュー10a~10dとの当接精度が向上すると共に、各遅角油圧室11と各進角油圧室12への油圧の供給速度が速くなってベーンロータ9の正逆回転応答性が高くなる。
さらに、ベーンロータ9は、筒状部15bの後端部外周に配置されたスパイラルスプリング50によって常時進角方向へ回転するように付勢されている。
このスパイラルスプリング50は、内方へフック状に折り曲げられた内端部50aが、筒状部15bの後端部に形成された止め溝15iの内端縁に止められている(図1参照)。一方、同じく内方へフック状に折り曲げられた図外の外端部が、スプロケット1の外側面側に設けられた図外のピンに止められている。このスパイラルスプリング50は、機関が停止される際に、ベーンロータ9がカムシャフト2に発生する交番トルクに抗してベーンロータ9を進角側へ相対回転させる程度のばね力に設定されている。
各遅角油圧室11と各進角油圧室12は、ロータ15の内部にほぼ放射方向(径方向)に沿って形成されたそれぞれ4本の遅角通路孔11aと進角通路孔12aを介して第1油圧回路3にそれぞれに連通している。
第1油圧回路3は、各遅角、進角油圧室11,12に対して作動油(油圧)を選択的に給排するもので、図1に示すように、各遅角油圧室11に対して各遅角通路孔11aを介して油圧を給排する遅角油通路18と、各進角油圧室12に対して各進角通路孔12aを介して油圧を給排する進角油通路19と、該各通路18,19に作動油を選択的に供給する流体圧供給源であるオイルポンプ20と、機関の作動状態に応じて遅角油通路18と進角油通路19の流路を切り換える第1電磁切換弁21と、を備えている。
オイルポンプ20は、機関のクランクシャフトによって回転駆動するトロコイドポンプなどの一般的なものである。
遅角油通路18と進角油通路19は、それぞれの一端部が第1電磁切換弁21の通路孔に接続されている。一方、各遅角、進角油通路18,19の他端側は、ロータ15の挿入孔15d内に挿通保持された通路構成部37内にほぼL字形状に沿って形成された遅角通路部18aと、通路構成部37内に軸方向にほぼL字形状に形成された進角通路部19aと、にそれぞれ接続されている。遅角通路部18aは、遅角通路孔11aを介して各遅角油圧室11に連通している。一方、進角通路部19aは、進角通路孔12aを介して前記各進角油圧室12に連通している。
通路構成部37は、ほぼ円柱状に形成されて、フロントカバー13の前端側に配置された図外のVTCカバーの内側面に一体に設けられている。このVTCカバーは、例えばアルミ合金材などによって一体に形成されて、外周部がボルトなどを介して図外のチェーンカバーに固定されて非回転部として構成されている。また、図1に示すように、通路構成部37の内部軸方向には、各通路部18a、19aの他に、第1、第2ロック機構4,5の2つの第1、第2ロック穴24,25に作動油圧を給排する給排通路33の給排通路部33aが形成されている。第1、第2ロック機構4,5の具体的構成については後述する。
第1電磁切換弁21は、図1に示すように、4ポート3位置の比例型弁であって、図外のコントロールユニット(ECU)からの制御パルス信号(制御電流)によって作動が制御されている。つまり、第1電磁切換弁21は、図外のバルブボディ内に軸方向へ摺動可能に設けられたスプール弁体を前後方向に移動させるようになっている。これによって、オイルポンプ20の吐出通路20aといずれかの油通路18,19と連通させると同時に、他方の油通路18,19とドレン通路22とを連通させるようになっている。
オイルポンプ20の吸入通路20bとドレン通路22は、オイルパン23内に連通している。また、オイルポンプ20の吐出通路20aは、下流側に濾過フィルタ51が設けられていると共に、さらにこの下流側で内燃機関の摺動部などに潤滑油を供給するメインオイルギャラリーM/Gに連通している。また、オイルポンプ20は、吐出通路20aから吐出された過剰な作動油をオイルパン23に排出して適正な圧力に制御する圧力制御弁52(リリーフ弁)が設けられている。
ECUは、内蔵されたコンピュータがクランク角センサ(機関回転数検出)やエアーフローメータ(機関負荷検出)、機関水温センサ、機関温度センサ、スロットルバルブ開度センサおよびカムシャフト2の現在の回転位相を検出するカム角センサなどの各種センサ類からの情報信号を入力して現在の機関運転状態を検出している。また、ECUは、第1電磁切換弁21や後述する第2電磁切換弁36の各コイルに制御パルス信号を出力して各スプール弁体の移動位置を制御して遅角油通路18と進角油通路19を切換制御させるようになっている。
図6は第1ロック機構4の要部拡大図であって、ロックピンがロック穴に挿入された状態を示し、図7は同じくロックピンがロック穴から抜け出して離脱した状態を示している。
第1、第2ロック機構4、5は、図1~図7に示すように、スプロケット1の内側面の円周方向の所定位置、つまり、ロータ15の各突起部16e、16fに対応した位置に設けられたロック凹部である2つの第1,第2ロック穴24,25と、第1、第3ベーン16a、16cの各突起部16e、16fの内部にそれぞれ設けられた収容孔である2つの第1、第2ピン孔31a、31bと、この各ピン孔31a、31bの内部に移動可能に設けられて、各ロック穴24,25に挿入あるいは離脱するロック部材である2つの第1、第2ロックピン26,27と、該各ロックピン26,27の各ロック穴24,25に対する挿入あるいは離脱させる第2油圧回路6と、から主として構成されている。
第1ロック穴24は、ほぼ円形状に形成されている。また、底面24aは、段差がなく全体が平坦状に形成されてスプロケット1の内側面1dのベーンロータ9の進角側の回転位置から遅角側に寄った中間位置に形成されている。また、この第1ロック穴24は、進角側の各内側面は垂直に立ち上がった壁面になっていると共に、遅角側の内側縁も垂直に立ち上がった壁面になっている。第1ロック穴24は、内径が後述する第1ロックピン26の先端部26bの外径よりも一回り大きく形成されている。したがって、第1ロックピン26は、第1ロック穴24に挿入した状態で、周方向の隙間を介して進角側から遅角側(スプロケット1の円周方向)へ僅かに移動可能になっている。
第2ロック穴25は、図2~図5に示すように、第1ロック穴24と同心円上に配置されていると共に、スプロケット1の円周方向に沿って長溝状に形成されている。また、第2ロック穴25の底面は、進角側から遅角側に下る2段の階段状に形成されている。つまり、スプロケット1の内側面1dを最上段として、これより一段ずつ低くなる第1底面25a、第2底面25bと順次低くなる階段状に形成されている。そして、進角側(図3中、上方位置)の第1底面25aの内側面は、垂直に立ち上がった壁面になっていると共に、第2底面25bの遅角側の内側縁25cも垂直に立ち上がった壁面になっている。第1底面25aは、その底面積が第2ロックピン27の先端部27bの先端面の面積よりも小さく設定されている。一方、第2底面25bは、円周方向(遅角方向)に僅かに延びてその底面積全体が第2ロックピン27の先端部27bの先端面の面積よりも大きく設定されている。したがって、この第2底面25bは、円周方向の先端側(図3中、下方位置、内側縁24c)がスプロケット1の内側面1dのベーンロータ9の最進角側の回転位置よりも遅角側に寄った中間位置になっている。
また、第1ロック穴24と第2ロック穴25は、第2油圧回路6から作動油圧が導入されるロック解除用の受圧室としても構成されている。つまり、後述する第1、第2ロック通路39、39から各ロック穴24,25に導入された油圧は、第1、第2ロックピン26,27の先端部26b、27bの先端面を含めた全体に作用し、後述する第1、第2ロックピン26,27の第1、第2段差部26c、27c(受圧面)から先端部26b、27b全体に同時に作用させるようになっている。
第1ロックピン26は、図1や図6及び図7などに示すように、第3ベーン16cに形成された第1ピン孔31a内に軸方向へ摺動可能に配置された大径部であるピン本体26aと、ピン本体26aの先端側に第1段差部26cを介して一体に設けられ、ピン本体26aより小径部である先端部26bと、を有している。
ピン本体26aは、外周面が単純なストレートの円筒面に形成されて、第1ピン孔31aに液密的に摺動するようになっている。一方、先端部26bは、小径なほぼ円柱状に形成されて、外径が第1ロック穴24の内径よりも小さく設定されている。
また、第1ロックピン26は、後端側から内部軸方向に形成された凹溝底面とフロントカバー13の内側面との間に弾装された付勢部材である第1スプリング29のばね力によって第1ロック穴24に挿入する方向へ付勢されている。
第1段差部26cは、図6、図7に示すように、先端部26bの付け根部周囲に円環状に形成されていると共に、横断面形状が円弧状に形成されている。この第1段差部26cは、第1ロック通路39から導入された作動油圧を受圧する受圧部として機能すると共に、作動油圧を第1ロック穴24内に案内する機能も有している。つまり、第1段差部26cは、ここで受けた作動油圧とここから第1ロック穴24に供給された作動油圧よって、1スプリング29のばね力に抗して第1ロックピン26を後退移動させる。これにより、先端部26bが、第1ロック穴24から後退移動して離脱することによりロックが解除されるようになっている。
なお、第1ピン孔31aの軸方向の後端部には、フロントカバー13の挿入孔13aを介して大気と連通して第1ロックピン26のスムーズな摺動を確保する第1呼吸溝32が形成されている。
第2ロックピン27は、図2に示すように、外径や長さなどの全体の外形が第1ロックピン26とほぼ同一に形成されており、ロータ15の第1ベーン16aに形成された第2ピン孔31b内に摺動可能に配置されたピン本体27aと、該ピン本体27aの先端側に第2段差部27cを介して一体に設けられ、ピン本体27aより小径な先端部27bと、から構成されている。
ピン本体27aは、外周面が単純なストレートの円筒面に形成されて、第2ピン孔31bに摺動するようになっている。一方、先端部27bは、小径なほぼ円柱状に形成されて、外径が第2ロック穴25の内径よりも小さく設定されている。
また、第2ロックピン27は、後端側から内部軸方向に形成された凹溝底面とフロントカバー13の内面との間に弾装された付勢部材である第2スプリング30のばね力によって第2ロック穴25に挿入する方向へ付勢されている。
第2段差部27cは、第1段差部26cと同じ構成であって、先端部27bの付け根部周囲に円環状に形成されていると共に、横断面形状が円弧状に形成されている。この第1段差部26cは、後述する第2ロック通路39から導入された作動油圧を受圧する受圧面の機能と、作動油圧をロック穴25内に案内する案内機能も有している。つまり、第2段差部27cは、ここで受けた作動油圧とここから第2ロック穴25に案内供給した作動油圧よって第2スプリング30のばね力に抗して第2ロックピン27を後退移動させる。これにより、先端部27bが、第2ロック穴25から離脱してロックが解除されるようになっている。
なお、第2ピン孔31bの軸方向の後端部には、フロントカバー13の挿入孔13aを介して大気と連通して第2ロックピン27のスムーズな摺動を確保する図外の第2呼吸溝が形成されている。
そして、ベーンロータ9は、第1、第2ロックピン26、27がそれぞれ対応する第1、第2ロック穴24,25にそれぞれ同時に挿入することによって、ハウジング7に対して最遅角位相と最進角位相との間の中間位相位置に保持されるようになっている。
なお、第1、第2段差部26c、27cは、両ロックピン26,27が、各ロック穴24,25に挿入した状態では、第1ロックピン26のみを示した図6に示すように、各ロック穴24,25の上端孔縁よりも僅かに上方位置となるように形成されている。
第2油圧回路6は、図1に示すように、第1、第2ロック穴24,25に対して、オイルポンプ20の吐出通路20aから分岐した供給通路34を介して作動油圧を第1、第2ロック穴24,25に供給すると共に、ドレン通路22に連通する排出通路35を介して第1、第2ロック穴24,25内の作動油を排出する給排通路33と、機関の状態に応じて給排通路33と各通路34、35を選択的に切り換える第2制御弁である第2電磁切換弁36と、を備えている。
給排通路33は、図1に示すように、一端側が第2電磁切換弁36の対応する通路孔に接続されている一方、他端側の給排通路部33aが通路構成部37の内部軸心方向から直線状に形成されている。また、給排通路部33aは、挿入孔15dの内部に形成された油室38に連通している。この油室38は、ロータ15の内部に形成された2つの第1、第2ロック通路39、39を介して第1、第2ロック穴24,25に連通している。
通路構成部37は、外周面の軸方向の前後位置に円環状の複数(本実施形態では4つ)の嵌着溝が形成されている。この4つの嵌着溝には、進角通路部19aと外部や遅角通路部18aと進角通路部19aとの間、遅角通路部18aと油室38との間などをシールする4つのシールリング40a、40b、40c、40dがそれぞれ嵌着固定されている。
油室38は、挿入孔15dの内部であって、通路構成部37の先端面とカムボルト8の頭部8aとの間に形成されている。この油室38は、シールリング40dの他に、カムボルト8の頭部8aに有するフランジ部8dの平坦な着座面と該着座面が着座する支持壁15eの対向面との間で外部に対してシールされている。
図8は、本実施形態に供されるベーンロータの一部を断面して示す正面図、図9は図8のA部を拡大して示す断面図、図10はベーンロータが焼結成形された後にピン孔やロック通路などがドリル加工によって孔開けされた状態を示す要部断面図である。
第1、第2ロック通路39、39は、同一の構造であるから、以下では、便宜上、図1、図6~図10に基づいて、第1ロック通路39を主として説明する。この第1ロック通路39は、ロータ15のロータ本体15aと筒状部15bとの間の段差部位を、第1ロック穴24側から挿入孔15dの回転軸心方向へ向かって傾斜状に沿って形成された一般通路部39aと、該一般通路部39aの第1ロック穴24側に開口した一端開口部39bと、を有している。
一般通路部39aは、各ロック通路39、39のうち通路断面積の最も小さな部分であって、一般通路部39aの軸心に対して直角方向へ断面した形状(通路断面積)が円形状に形成されて内径が均一になっている。また、一般通路部39aの他端開口部39cが、油室38に臨んでいる(図1、図6、図7参照)。
一端開口部39bは、矩形凹状に形成されて、開口断面積が第1、第2ロック通路39,39の通路断面積の最も小さな部分よりも大きく形成されている。ここで、第1、第2ロック通路39,39の通路断面積の最も小さな部分とは、一般通路部39aとスプロケット1の第1ロック穴24の内側壁1fによって形成されている部分を示す。すなわち、一端開口部39bは、ロータ15の円周方向に長いほぼ長方形の凹状に形成されていると共に、長手方向のほぼ中央位置に一般通路部39aが孔開けられている。したがって、この一端開口部39bは、図6に示すように、ベーンロータ9がハウジング7の内部に組み付けられた状態で、第1ロックピン26の第1段差部26c(受圧部)と第1ロック穴24に臨んでいる。また、この一端開口部39bは、前述のように第1ロック穴24に臨んでいるが、一部がスプロケット1の第1ロック穴24の内側壁1fに覆われている。
図11及び図12は第1ロック通路39などを孔開け加工する際のベーンロータ9の一部断面図であって、図11は図10のB-B線断面図、図12は焼結成形されて粗材状態にあるベーンロータの要部断面図である。
ベーンロータ9は、図12に示すように、全体が焼結金属によって一体に成形されている。この成形品(素材)において、第1、第2ロック通路39が加工される部位には、ベーンロータ9の焼結成形と同時に平坦な当たり面41がそれぞれ形成されている。この当たり面41は、第1ピン孔31aの第1ロック穴24側の一端部31cから筒状部15bの外周面まで傾斜状に形成されている。
そして、このベーンロータ9の成形品に対して、図10,図11に示すように、例えばドリル加工によって、ロック通路39と第1ピン孔31a及び各4つの遅角通路孔11aと進角通路孔12aがそれぞれ順次孔開け加工される。なお、この孔開け加工の順番は、決まっているわけではなく任意に設定することができる。
そして、ロック通路39を孔開け加工するには、ドリル刃の先端を当たり面41に対して垂直方向から当接させて、傾斜方向に沿って孔開け加工する。
ここで、第1ロック通路39の一端開口部39bは、開口断面積が一般通路部39aの通路断面積よりも大きくなっている。これは当たり面41を孔開けした際に、第1ピン孔31aの一端部31cに予め有する孔開け代の一部が残存したものである(本実施形態)。しかし、切削加工やドリル加工などによって意図的に一端開口部39bの開口断面積の大きく形成することも可能である。
なお、第2ロック通路39は、一般通路部39aや一端開口部39bなどの構造が第1ロック通路39と同じである。
第2電磁切換弁36は、3ポート2位置のオン-オフ型弁であって、ECUから出力されたオン-オフの制御電流や内部のバルブスプリングのばね力によってスプール弁体により、給排通路33に対して供給通路34と排出通路35のいずれか一方を選択的に連通させるようになっている。
〔本実施形態の作用〕
以下、本実施形態の作用を説明する。
まず、イグニッションスイッチをオフ操作して機関を停止しようした場合について説明する。前記オフ操作後に機関が完全に停止する直前に、ECUから第1電磁切換弁21に制御電流を出力して、スプール弁体を軸方向の一方向に移動させて吐出通路20aと遅角油通路18あるいは進角油通路19の一方と連通させる。同時に、ドレン通路22といずれか他方の油通路18,19を連通させる。つまり、ECUがカム角センサやクランク角センサからの情報信号に基づいて現在のベーンロータ9の相対回転位置を検出し、これに基づいて各遅角油圧室11か、あるいは各進角油圧室12に油圧を供給する。これによって、ベーンロータ9は、図3に示すように、最遅角側と最進角側の所定の中間位置まで回転制御される。なお、このとき、ベーンロータ9は、スパイラルスプリング50のばね力によって進角方向へ相対回転する。
同時に、第2電磁切換弁36に通電して給排通路33と排出通路35とを連通させる。これによって、第1、第2ロック穴24,25内の作動油は、各ロック通路39、39から油室38に流入し、ここから給排通路33(給排通路部33aも含む)を通って、排出通路35及びドレン通路22に流入してオイルパン23内へ速やかに排出される。したがって、第1ロック穴24,25の内部が低圧となる。よって、各ロックピン26、27は、各スプリング29,30のばね力によって進出方向(ロック穴24,25に挿入する方向)へ付勢されて、各先端部26b、27bが各ロック穴24,25にそれぞれ挿入する(図6参照)。
この状態では、第2ロックピン27の先端部27bの外側面が、第2ロック穴25の遅角側の第1底面25aの内側面に当接して遅角方向への移動が規制される。一方、第1ロックピン26の先端部26bの外側面が、第1ロック穴24の進角側の対向内側面に当接して進角方向への移動が規制される。
この作動によってベーンロータ9は、図3に示すように、ハウジング7に対して中間位置に相対回転してロックされる。このため、排気弁は、閉弁時期がピストン下死点よりも後の遅角側に制御される。
したがって、機関停止から十分に時間が経った冷機状態で再始動した場合には、排気弁の特異な閉時期によって機関の有効圧縮比が高められて燃焼が良好になり、機関の始動性が向上すると共に、始動の安定化が図れる。
その後、機関がアイドリング運転に移行すると、ECUから出力された制御電流によって第1電磁切換弁21が、吐出通路20aと進角油通路19を連通させると共に、遅角油通路18とドレン通路22を連通させる。一方、この時点では、第2電磁切換弁36は、ECUから通電されず、給排通路33と供給通路34を連通させると共に、排出通路35を閉止する。
このため、オイルポンプ20から吐出通路20aに吐出された作動油圧は、供給通路34と給排通路33及び油室38に供給される。さらにここから、各ロック通路39,39を通って各ロックピン26,27の第1、第2段差部26c、27cに流入すると共に、各ロック穴24、25内に流入する。したがって、各ロックピン26,27は、各スプリング29,30のばね力に抗して後退移動する。これによって、各先端部26b、27bが、各ロック穴24,25から抜け出し離脱してロックが解除される(図7参照)。よって、ベーンロータ9は、ハウジング7に対して自由な相対回転が確保される。
また、吐出通路20aに吐出された油圧の一部は、進角通路部19aと各進角通路孔12aを通って各進角油圧室12に供給される一方、各遅角油圧室11の作動油が各遅角通路孔11aと遅角油通路18を通ってドレン通路22からオイルパン23に排出される。
したがって、各進角油圧室12内が高圧になる一方、各遅角油圧室11内が低圧になる。このため、ベーンロータ9は、図4に示すように、図中時計方向(進角側)へ回転して第1ベーン16aの一側面が第1シュー10aの対向側面に当接して、最進角側の回転位置に規制保持される。
これにより、排気弁の開閉タイミングが進角側へ移行して、吸気弁と排気弁のバルブオーバーラップが少なくなる。この結果、燃焼ガスの吹き返しが抑制されて、良好な燃焼状態が得られると共に、燃費の向上と機関回転の安定化が図れる。
また、機関が例えば高回転域になった場合には、ECUから出力された制御電流によって第1電磁切換弁21が、流路を切り換えて吐出通路20aと遅角油通路18を連通させると共に、進角油圧室12とドレン通路22を連通させる。一方、この時点では、第2電磁切換弁36が、給排通路33と供給通路34を連通させると共に、排出通路35を閉止した状態が継続されている。
したがって、今度は各遅角油圧室11が高圧になると共に、各進角油圧室12が低圧になる。このため、ベーンロータ9は、図5に示すように、遅角側に回転して第3ベーン16cの一側面が第2シュー10bの対向側面に当接して最遅角側の回転位置に規制保持される。これによって、排気弁は、開閉タイミングが遅くなって、吸気弁とのバルブオーバーラップが大きくなり、吸入空気量が増加して出力が向上する。
そして、前述のように、機関を停止させるためにイグニッションスイッチをオフ操作したときに、ベーンロータ9が、何らかの原因で前述の中間位置に戻らずに、例えば図4に示すように最進角側の位置で回転停止してしまった場合には、冷機再始動時に以下の作動を行う。
すなわち、イグニッションスイッチをオン操作してクランキングが開始されると、このクランキング初期にはカムシャフト2(ベーンロータ9)にバルブスプリングのばね力に起因して発生する正負の交番トルクが入力される。この変動トルクのうち正のトルクが入力された際に、ベーンロータ9が、遅角側へ僅かに回転する。このため、第2ロックピン27の先端部27bが、第2スプリング30のばね力によってスプロケット1の内側面1dから第2ロック穴25の第1底面25aに下降して当接する。
その直後、負のトルクが入力されてベーンロータ9が進角側への回転力が作用すると、第2ロックピン27の先端部27bの外側面が第2ロック穴25の第1底面25a側の立ち上がり内側面に当接して進角側への回転が規制される。その後、再び正のトルクが作用すると、ベーンロータ9の遅角側への回転に伴って第2ロックピン27の先端部27bが、第1底面25aから第2底面25bまで下降して挿入する。
ここで再び負のトルクが作用すると、先端部27bの外側面が第2底面25b側の立ち上がり内側面に当接して進角側への回転が規制される。つまり、ベーンロータ9は、第2ロックピン27と第2ロック穴25との間のラチェット機能によって遅角側へ順次自動的に回転する(図4、図3参照)
続いて、ベーンロータ9が、再び正のトルクによって遅角側へ回転すると、第2ロックピン27は先端部27bが第2ロック穴25の第2底面25b上を遅角側へ摺動して先端部27bの外周面が遅角側の内側面に当接する(図3参照)。同時に、第1ロックピン26が、第1ロック穴24内に入り込んで先端部26bが底面24aに当接すると共に、先端部26bの外側面が遅角側の内側面24bに当接する。これによって、第1ロックピン26と第2ロックピン27の各先端部26b、27bによってベーンロータ9は進角、遅角側の自由な相対回転が規制された状態になる。したがって、ベーンロータ9は、最遅角側と最進角側の中間位置に自動的に保持される。
よって、通常の冷機始動時には、クランキング中の機関の有効圧縮比が高められて燃焼が良好になり、始動の安定化と始動性の向上が図れる。
以上のように、本実施形態では、各ロック機構4,5の各ロック穴24,25に作動油を給排する第1、第2ロック通路39、39を、ロータ15の回転軸に対して径方向へ傾斜状に形成した。このため、通路長を前記従来の装置に比較して十分に短くすることが可能になる。したがって、第1、第2ロック穴24,25へ供給される作動油圧の流動抵抗が十分に低減されて、該各ロック穴24,25に対する作動油圧の供給速度が速くなる。
一方、各ロック穴24,25から排出される作動油圧も、通路長の短い各ロック通路39,39を通って油室38及び給排通路33から排出通路35,ドレン通路22を通ってオイルパン23に速やかに排出される。したがって、第1、第2ロック穴24,25から排出される作動油圧の流動抵抗が十分に低減されて、各ロック穴24,25からの作動油の排出速度が速くなる。
このように、各ロック穴24,25に対する作動油の供給、排出速度が速くなることによって、ベーンロータ9のハウジング7に対する相対回転の切り換え応答性が向上する。この結果、排気弁の開閉タイミングの制御応答性が向上する。
特に、各ロック通路39は、一端開口部39bの開口断面積が一般通路部39aの通路断面積よりも十分に大きく形成されている。このため、とりわけ、各ロック穴24,25からの作動油の排出性が良好になる。つまり、各ロック穴24,25に供給されて溜まった作動油は、各一端開口部39bから各一般通路部39aに流入するが、このとき各一端開口部39bは、大きな開口断面積になっていることから、作動油の排出流動抵抗が大幅に低減される。したがって、各ロック穴24,25からの作動油の排出性が向上することから、前述した各ロックピン26,27は、各ロック穴24,25への速やかに挿入することが可能になる。この結果、ベーンロータ9は、ハウジング7に対して速やかにロックされる。
前述のように、各ロック通路39に流入した作動油圧は、各一端開口部39bから各ロックピン26,27の各段差部26c、27cを介して各先端部26b、27bの外面と各ロック穴24、25の内周面との間に供給される。したがって、この供給された作動油圧は、各段差部26c、27cの他に各先端部26b、27b全体に作用する。このため、各ロックピン26,27は、各ロック穴24,25から速やかに後退移動することが可能になり、各先端部26b、27bの各ロック穴24,25からの離脱性も向上する。
さらに、各ロック通路39に流入した作動油は、その一部が各一端開口部39bからスプロケット1の軸受孔1bの内周面と筒状部15bの外周面15jとの間に供給される。このため、軸受孔1bの内周面と外周面15jと間の潤滑性が向上して、筒状部15bによる軸受性能が向上する。
各ロック通路39、39は、従来の技術のような複雑な通路構造ではなく、ストレートの単純な通路構造であるから、加工作業が容易になる。このため、加工作業能率の向上と加工コストの低減化が図れる。
さらに、各ロック通路39,39は、粗材に対して孔開け加工する際に、当たり面41を利用してドリル加工することから、位置決めが簡単になると共に加工作業が容易になる。
各一端開口部39bは、一部がスプロケット1の軸受孔1bの孔縁部で覆われた状態になっているが、開口断面積が大きくなっているので、作動油の流通量に影響がない。却って、一端開口部39bに流入した作動油は、軸受孔1bの孔縁部の壁面を伝って各ロック穴24,25内へ速やかに案内される。したがって、各ロックピン26,27の離脱性が向上する。
また、各一端開口部39bは、ロータ本体15aと軸受用の筒状部15bとの段差位置に形成されるので、加工作業が容易になる。
なお、本実施形態では、第1、第2ロックピン26,27の1、第2段差部26c、27cを解除用の受圧面として利用したことから、各ピン本体26a、27aの外周面をほぼストレートな円筒面に形成することができる。したがって、各ロックピン26,27の外径を可及的に小さくすることができるので、ロータ15を含めた装置全体のコンパクト化が図れる。この結果、エンジンルーム内での機関への搭載性が向上する。
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、ロック通路39を仕様によっては傾斜状ではなく径方向へ直線状に形成することも可能である。
また、バルブタイミング制御装置を、排気弁側ばかりか吸気弁側にも適用することも可能である。
本実施形態では、機関停止時に、ベーンロータ9を、ハウジング7に対して最進角側と最遅角側の間の中間回転位置にロック制御するものを示したが、例えば、最進角側あるいは最遅角側いずれか一方の回転位置にロック制御するものにも適用可能である。
さらに、駆動回転体としてスプロケット1の他にプーリに適用することも可能である。
また、本実施形態では、ロック機構を2つ設けたものを示したが、1つであっても良く、また2つ以上であっても良い。さらに、ロック機構の形成位置としては、ベーンではなくロータ15に形成することも可能である。
また、本実施形態では、一端開口部39bは、当たり面41を孔開けした際に、第1ピン孔31aの一端部31cに予め有する孔開け代の一部が残存したものであるが、例えば意図的に加工によって形成することも可能である。
また、本装置をいわゆるアイドルストップ車や、車両の走行モードによって駆動源を電動モータと内燃機関に切り換えるいわゆるハイブリッド車に適用することも可能である。
以上説明した実施形態に基づく内燃機関のバルブタイミング制御装置としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
その一つの態様として、クランクシャフトからの回転力が伝達されるハウジングと、カムシャフトに固定され、前記ハウジングの内部に相対回転可能に配置されたロータ部材と、前記ハウジングに対する前記ロータ部材の相対回転位置を規制可能なロック機構と、を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記ロック機構は、前記ハウジングに設けられたロック凹部と、
前記ロータ部材に設けられた収容孔と、前記収容孔の内部に移動可能に収容され、前記ロック凹部に挿入可能なロック部材と、前記ロータ部材に該ロータ部材の回転軸に対して傾斜状に設けられ、少なくとも前記ロック部材が前記ロック凹部に挿入した状態で前記ロック凹部と連通するロック通路であって、前記ロック凹部に臨む一端開口部の開口断面積が前記ロック通路の通路断面積が最も小さい部分よりも大きな前記ロック通路と、を備えている。
この発明の態様によれば、ロック通路は、従来のような軸方向通路や径方向通路などの複雑な通路ではなく、単にロータ部材に傾斜状に形成されていることから通路長全体が短くなる。これによって、ロック凹部に対する作動油の供給速度や排出速度が速くなって、ロック部材のロック作用及びロック解除応答性が向上する。
しかも、ロック通路の一端開口部の開口断面積が一般部の通路断面積よりも大きくことから、ロック凹部からの作動油の排出性が良好になって、ロック部材のロック凹部への挿入性が向上する。
さらに好ましくは、前記ロータ部材は、筒状部を有し、前記ハウジングは、前記筒状部の外周面に摺動する摺動孔を有し、前記ロック通路は、前記一端開口部の一部が前記筒状部の外周面と前記摺動孔の内周面との間に開口している。
この発明の態様によれば、ロック通路に流入した作動油の一部が、筒状部と摺動孔との間に流入することから、筒状部による軸受の潤滑性が向上する。
さらに好ましくは、前記ロック部材は、前記ロック凹部に挿入する小径部と、前記収容孔の内周面に摺動する大径部と、を有し、前記一端開口部は、前記小径部が前記ロック凹部に挿入した状態において、一部が前記小径部と前記大径部との間の段差部に対向している。
この発明の態様によれば、一端開口部の一部が段差部に対向していることから、ロック通路に流入した作動油は、ロック凹部を介してロック部材の小径部の外周面全体に回り込み易い。したがって、ロック部材のロック凹部からの離脱性も向上する。
さらに好ましくは、前記ロータ部材は、前記収容孔が形成される収容孔形成部位を有し、前記ハウジングは、回転軸方向の一端開口を閉塞するプレート部材を有し、該プレート部材の前記収容孔と前記ロータ部材の回転軸方向から対向した位置に前記ロック凹部が形成され、前記ロック通路の前記一端開口部は、少なくとも一部が前記収容孔形成部位の前記ロータ部材の回転軸方向の端面に開口している。
さらに好ましくは、前記一端開口部は、一部が前記プレート部材によって覆われている。
この発明の態様によれば、一端開口部は、開口断面積が大きいことから、プレート部材によって一部が覆われていても影響はなく、このような位置に設けることができることから、より加工がし易い。
さらに好ましくは、前記一端開口部は、前記収容孔の内周面に対して周方向に延びた溝状になっている。
さらに好ましくは、前記ロック通路は、前記通路断面積の最も小さな部分の断面形状が円形状に形成されていると共に、前記一端開口部の断面形状が矩形状に形成されており、前記ロータ部材は、焼結合金によって一体に形成され、前記通路断面積の最も小さな部分は加工によって形成されている一方、一端開口部は焼結成形と加工によって形成されている。
さらに好ましくは、前記一端開口部は、前記ロータ部材の周方向の幅が前記通路断面積の最も小さな部分の内径よりも大きくなっている。
この発明の態様によれば、ロック部材の小径部付近の一端開口部の開口面積が大きいことから、ロック部材がロック凹部に挿入される際に、ロック凹部から作動油が一端開口部から通路断面積の最も小さな部分へ排出し易くなる。このため、ロック部材によるロック応答性の向上が図れる。
別の好ましい態様としては、クランクシャフトからの回転力が伝達されるハウジングと、カムシャフトに固定され、前記ハウジングの内部に相対回転可能に配置されたロータ部材と、前記ハウジングに対する前記ロータ部材の相対回転位置を規制可能なロック機構と、を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記ロック機構は、前記ハウジングに設けられたロック凹部と、前記ロータ部材に設けられた収容孔と、前記収容孔の内部に移動可能に収容され、前記ロック凹部に挿入可能なロック部材と、前記ロータ部材または前記ハウジングに設けられ、少なくとも前記ロック部材が前記ロック凹部に挿入した状態で、前記ロック凹部と連通するロック通路であって、前記収容孔に臨む一端開口部の開口断面積が前記ロック通路の通路断面積が最も小さい部分よりも大きな前記ロック通路と、を備えている。
別の好ましい態様としてはクランクシャフトからの回転力が伝達されるハウジングと、カムシャフトに固定され、前記ハウジングの内部に相対回転可能に配置されたロータ部材と、前記ハウジングに対する前記ロータ部材の相対回転位置を規制可能なロック機構と、前記ハウジングに設けられたロック凹部と、前記ロータ部材に設けられた収容孔と、前記収容孔の内部に移動可能に収容され、前記ロック凹部に挿入可能なロック部材と、前記ロータ部材に設けられ、少なくとも前記ロック部材が前記ロック凹部に挿入した状態で前記ロック凹部と連通するロック通路と、を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置の製造方法であって、
前記ロータ部材を成形する工程は、粗材を焼結によって成形する際に、凹状の平坦な当たり面を成形する工程と、前記当たり面に対して垂直方向から孔開け加工して前記ロック通路を貫通形成する工程と、孔開け加工によって前記収容孔を形成する工程と、を備えている。
さらに好ましくは、前記当たり面は前記ロータ部材の回転軸に対して傾いた平面になっている。
さらに好ましくは、前記孔開け加工によって前記収容孔を形成する工程では、前記当たり面を残しつつ前記収容孔を形成する。
さらに好ましくは、前記ロック通路は、ドリル加工によって形成される。
1…スプロケット(プレート部材)、1b…軸受孔(摺動孔)、2…カムシャフト、2a…一端部、3…第1油圧回路、4…第1ロック機構、5…第2ロック機構、6…第2油圧回路、7…ハウジング、7a…ハウジング本体、9…ベーンロータ(ロータ部材)、10a~10d…シュー、11…遅角油圧室、11a…遅角通路孔、12…進角油圧室、12a…進角通路孔、15…ロータ、15a…ロータ本体、15b…筒状部、15j…外周面、16a~16c…ベーン、16e、16f…突起部(収容孔形成部)、18…遅角油通路、19…進角油通路、24…第1ロック穴(ロック凹部)、25…第2ロック穴(ロック凹部)、26…第1ロックピン(ロック部材)、26a…ピン本体、26b…先端部、26c…第1段差部(受圧面)、27…第2ロックピン、27a…ピン本体、27b…先端部、27c…第2段差部(受圧面)、29、30…第1、第2スプリング(付勢部材)、31a、31b…第1、第2ピン孔(収容孔)、33…給排通路、34…供給通路、36…第2電磁切換弁、37…通路構成部、38…油室、39…ロック通路、39a…一般通路部(通路断面積の最も小さな部分)、39b…一端開口部、39c…他端開口部。

Claims (12)

  1. クランクシャフトからの回転力が伝達されるハウジングと、カムシャフトに固定され、前記ハウジングの内部に相対回転可能に配置されたロータ部材と、前記ハウジングに対する前記ロータ部材の相対回転位置を規制可能なロック機構と、を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
    前記ロック機構は、
    前記ハウジングに設けられたロック凹部と、
    前記ロータ部材に設けられた収容孔と、
    前記収容孔の内部に移動可能に収容され、前記ロック凹部に挿入可能なロック部材と、
    前記ロータ部材に該ロータ部材の回転軸に対して傾斜状に設けられ、少なくとも前記ロック部材が前記ロック凹部に挿入した状態で前記ロック凹部と連通するロック通路であって、前記ロック凹部に臨む一端開口部の開口断面積が前記ロック通路の通路断面積が最も小さい部分の通路断面積よりも大きな前記ロック通路と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記ロータ部材は、筒状部を有し、
    前記ハウジングは、前記筒状部の外周面に摺動する摺動孔を有し、
    前記ロック通路は、前記一端開口部の一部が前記筒状部の外周面と前記摺動孔の内周面との間に開口していることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記ロック部材は、前記ロック凹部に挿入する小径部と、前記収容孔の内周面に摺動する大径部と、を有し、
    前記一端開口部は、前記小径部が前記ロック凹部に挿入した状態において、一部が前記小径部と前記大径部との間の段差部に対向していることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記ロータ部材は、前記収容孔が形成される収容孔形成部位を有し、
    前記ハウジングは、回転軸方向の一端開口を閉塞するプレート部材を有し、該プレート部材の前記収容孔と前記ロータ部材の回転軸方向から対向した位置に前記ロック凹部が形成され、
    前記ロック通路の前記一端開口部は、少なくとも一部が前記収容孔形成部位の前記ロータ部材の回転軸方向の端面に開口していることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記一端開口部は、一部が前記プレート部材によって覆われていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  6. 請求項4に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記一端開口部は、前記収容孔の内周面に対して周方向に延びた溝状に形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  7. 請求項4に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記ロック通路は、前記通路断面積の最も小さな部分の断面形状が円形状に形成されていると共に、前記一端開口部の断面形状が矩形状に形成されており、
    前記ロータ部材は、焼結合金によって一体に形成され、前記通路断面積の最も小さな部分は加工によって形成されている一方、一端開口部は焼結成形と加工によって形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  8. 請求項7に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記一端開口部は、前記ロータ部材の周方向の幅が前記通路断面積の最も小さな部分の内径よりも大きくなっていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  9. クランクシャフトからの回転力が伝達されるハウジングと、カムシャフトに固定され、前記ハウジングの内部に相対回転可能に配置されたロータ部材と、前記ハウジングに対する前記ロータ部材の相対回転位置を規制可能なロック機構と、前記ハウジングに設けられたロック凹部と、前記ロータ部材に設けられた収容孔と、前記収容孔の内部に移動可能に収容され、前記ロック凹部に挿入可能なロック部材と、前記ロータ部材に設けられ、少なくとも前記ロック部材が前記ロック凹部に挿入した状態で前記ロック凹部と連通するロック通路と、を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置の製造方法であって、
    前記ロータ部材を成形する工程は、
    粗材を焼結によって成形する際に、前記ロック通路が孔開け加工される部位の外面に、孔開け工具の先端が当接する傾斜状の平坦な当たり面を成形する工程と、
    前記当たり面に対して垂直方向から孔開け加工して前記ロック通路を貫通形成する工程と、
    孔開け加工によって前記収容孔を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置の製造方法。
  10. 請求項9に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置の製造方法において、
    前記当たり面は前記ロータ部材の回転軸に対して傾いた平面であることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置の製造方法。
  11. 請求項10に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置の製造方法において、
    前記孔開け加工によって前記収容孔を形成する工程では、前記当たり面を残しつつ前記収容孔を形成することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置の製造方法。
  12. 請求項11に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置の製造方法において、
    前記ロック通路は、ドリル加工によって形成されることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置の製造方法。
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