JPH07238813A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JPH07238813A
JPH07238813A JP2989094A JP2989094A JPH07238813A JP H07238813 A JPH07238813 A JP H07238813A JP 2989094 A JP2989094 A JP 2989094A JP 2989094 A JP2989094 A JP 2989094A JP H07238813 A JPH07238813 A JP H07238813A
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pressure chamber
passage
engine
pressure
drain
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Application number
JP2989094A
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English (en)
Inventor
Seiji Suga
聖治 菅
Hiroaki Imai
博昭 今井
Dan Egashira
段 江頭
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バルブタイミング制御の安定化を図ると共
に、機関の各摺動部の潤滑性能の低下を防止する。 【構成】 筒状歯車12を圧力室13に油圧供給通路1
8を介して供給された作動油圧によって移動させること
により、スプロケット1とカムシャフト2との相対回動
位相を変換させる構成を前提としている。前記油圧供給
通路18の上流側に、オイルポンプ17から圧力室13
に圧送される作動油の油圧を、圧縮スプリング14のば
ね力との相対関係で適正に制御するリリーフ弁34を設
け、不要な作動油を機関の各摺動部へ供給するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機関の運転状態に応じ
て吸排気弁の開閉時期を可変制御するバルブタイミング
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関のバルブタイミング制御
装置としては、例えば本出願人が先に出願した特願平5
−288563号に記載されたものがある。
【0003】このバルブタイミング制御装置は、図11
に示すように機関のクランク軸からタイミングチェーン
を介して回転力が伝達されるスプロケット41と、一端
部にボルト44によって固定されたスリーブ43がスプ
ロケット41の筒状本体45内に相対回動自在に挿通配
置されたカムシャフト42と、前記筒状本体45とスリ
ーブ43との間に介装されて、カムシャフト軸方向の移
動に伴いはす歯形の各歯45a,43a,46a,46
bを介して両者41,42の相対回動位相を変換する筒
状歯車46とを備えている。
【0004】この筒状歯車46は、軸直角方向から2分
割形成されていると共に、前端側に形成された圧力室4
7内に油圧回路の油圧供給通路48を介して供給された
油圧力と、後端側に弾装された圧縮スプリング49のば
ね力との相対圧で図中左右軸方向へ移動するようになっ
ている。また、筒状歯車46の前端部と圧力室47との
間に配置されたピストン50によって圧力室47からの
油圧力が伝達されるようになっている。
【0005】前記油圧回路は、オイルポンプ51と圧力
室47とを連通する前記油圧供給通路48と、圧力室4
7と外部とを連通する油圧排出通路52とから構成さ
れ、該油圧排出通路52の途中に制御弁53が設けられ
ている。
【0006】前記オイルポンプ51は、機関と同期回転
し、オイルメインギャラリを介して各摺動部に潤滑油を
圧送している。前記油圧排出通路52は、スリーブ43
と内筒部材54との周壁に半径方向に沿って連続的に貫
通した4つのドレン通路部55,56,57,58と、
各ドレン通路部55〜58に連通するドレン室59と、
制御弁53の弁体53aの端壁に軸方向に沿って貫通形
成され、ドレン室59とフロントカバー60のドレン孔
61を介して外部とを連通する軸方向孔62とを備えて
いる。前記第1〜第4ドレン通路部55〜58は、その
各内径(通路断面積)が略同一に設定されていると共
に、カムシャフト軸方向へ所定の間隔をもって配置され
ている。つまり、この間隔は予めスプロケット41とカ
ムシャフト42との所定回転角度に対応して設定されて
いる。
【0007】そして、例えば機関低負荷域では、図外の
コントローラからステッピングモータにOFF信号が出
力されて、駆動ロッド63を最大左方向位置に移動させ
ると、弁体53aが図示のように最大左方向位置に保持
されて、全部のドレン通路部55〜58を開成する。一
方、オイルポンプ51から油圧供給通路48に導入され
た作動油は、常時圧力室47に供給され、ここから第1
ドレン通路部55を通ってドレン室59内に流入し、さ
らに軸方向孔62,ドレン孔61を通って外部に排出さ
れ、したがって、圧力室47が低圧状態になる。
【0008】このため、筒状歯車46は、圧縮スプリン
グ49のばね力により最大前方向位置に移動して、スプ
ロケット41とカムシャフト42との相対回動位相を一
方側に変換して例えば吸気弁の閉時期を最大に遅角制御
する。
【0009】また、機関運転負荷が若干上昇すると、ス
テッピングモータに制御電流が出力されて駆動ロッド6
3を介して弁体53aを図中右方向へ若干移動させて、
第1ドレン通路部55を閉止する。このため、圧力室4
7内に流入した作動油は、一時的に密閉された該圧力室
47の内圧を高めながら、ピストン50を右方向へ押圧
し、したがって、該ピストン50は、内周縁50aで第
2ドレン通路部56を開成した位置で移動を停止する。
依って、筒状歯車46も、ピストン50と同方向へ同一
ストローク量で移動し、両者41,42の相対回動位相
を他方側へ変換する。
【0010】その後、機関運転負荷の上昇に伴い、弁体
53aが右方向へ所定量移動して各ドレン通路部57,
58を適宜閉成する。これによって、圧力室47の容積
を増加させて筒状歯車46を所定の移動位置に保持する
ことにより、両者41,42の相対回動位相を5段階に
制御する。この結果、バルブタイミングを機関運転状態
に応じて高精度に制御することが可能になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
願の発明にあっては、圧力室47が油圧供給通路48を
介して直接的にオイルポンプ51に連通しているため、
圧力室47内の油圧が変動し易くなる。即ち、このオイ
ルポンプ51は、前述のように機関のクランク軸と同期
回転するため、該機関回転数によってその吐出流量が変
化するので、圧力室47の油圧変動が発生し易くなる。
したがって、筒状歯車46を圧縮スプリング49のばね
力との相対圧で機関の負荷に応じて適正な移動位置に安
定に保持することが困難になる。
【0012】特に、高回転時には単位時間当たりの供給
量が多くなって圧力室47の内圧が必要以上に高くなっ
てしまうため、筒状歯車46が最大前方位置に保持され
た低負荷高回転時において、第1ドレン通路部55から
排出される流量よりも圧力室47内に供給される流量が
多くなって筒状歯車46を圧縮スプリング49のばね力
に抗して後方向(図中右方向)へ若干移動させてしまう
惧れがある。この結果、バルブタイミング制御精度の低
下を招来する。
【0013】また、前述のように作動油が不要な低負荷
時にも圧力室47に対してオイルポンプ51から常時作
動油が供給されるようになっているため、機関の各摺動
部に対する潤滑油量が少なくなってしまい、潤滑性能が
低下する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記先願の発
明の問題点に鑑みて案出されたもので、請求項1の発明
は、機関によって回転駆動する回転体と、該回転体から
の回転力によって吸排気弁を作動させるカムを有するカ
ムシャフトと、回転体とカムシャフト本体の一端部に固
定されたスリーブとの間に介装されて、カムシャフト軸
方向の移動に伴い回転体とカムシャフトとの相対回動位
相を変換する位相変換手段と、前記回転体の内部一端側
に形成されて、液圧回路の供給通路を介して供給される
内部液圧により容積を増加して前記位相変換手段を一方
向へ移動させる圧力室と、回転体の内部他端側に弾装さ
れて位相変換手段を他方向へ付勢するばね部材と、前記
液圧回路の排出通路の一部を構成し、前記スリーブのカ
ムシャフト軸方向の位置に夫々所定間隔をもって形成さ
れた複数のドレン通路部と、該各ドレン通路部の内側開
口端を機関運転状態に応じて選択的に開閉して前記圧力
室の容積を可変にする制御弁とを備えたバルブタイミン
グ制御装置において、前記供給通路に、圧力室内の作動
油を前記ばね部材のばね力との相対関係で制御する流量
制御機構を設けたことを特徴としている。
【0015】請求項2の発明は、前記流量制御機構が、
機関運転状態に応じて圧力室に対する作動油の供給を停
止させる停止手段を備えたことを特徴としている。
【0016】
【作用】請求項1の発明によれば、流量制御機構によっ
て供給通路から圧力室に対する液圧を、機関回転数に拘
わらずばね部材との相対関係で適正圧に制御できるた
め、位相変換手段を機関負荷等に応じた正規の移動位置
に安定に保持することができる。
【0017】請求項2の発明によれば、例えば機関低負
荷時には、流量制御機構によって供給通路を遮断して圧
力室への作動油の供給を停止させるため、その分各摺動
部に対する供給量が多くなり、潤滑性能の低下を防止で
きる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。
【0019】図1は本発明の第1実施例を示し、図中1
は機関のクランク軸から図外のタイミングチェーンを介
して回転力が伝達されるスプロケット、2は本体2aの
外周にスプロケット1からの回転力によって図外の例え
ば吸気弁を開作動させるカムを有するカムシャフトであ
る。
【0020】前記スプロケット1は、筒状本体3と該筒
状本体3の後端部にボルト4によって固定された歯車部
5とを備えている。前記筒状本体3は、前端部にかしめ
固定された円環部6に縦断面コ字形のフロントカバー7
がボルト固定されていると共に、内周面にヘリカル状の
インナ歯3aが形成されている。歯車部5は、円環状を
呈し、内周面がカムシャフト本体2aの外周に回転自在
に支持されている。したがって、スプロケット1とカム
シャフト2とは、相対回動自在に形成されている。
【0021】前記カムシャフト2は、カムシャフト本体
2aがシリンダヘッド40の上端部に設けられたカム軸
受40aによって回転自在に支持されていると共に、カ
ムシャフト本体2aの一端部に取付ボルト8によって同
軸上に固定された段差円筒状のスリーブ9を有してい
る。このスリーブ9は、全体が筒状本体3内に収容され
ており、一端部がカムシャフト本体2aの端部に嵌合保
持されていると共に、他端部が前記円環部6の内周に相
対回動自在に嵌入している。また、スリーブ9は、図1
及び図2に示すように一端部側の内周に円環状の隔壁9
aが一体に設けられていると共に、外周にヘリカル状の
アウタ歯9bが形成されている。さらに、このスリーブ
9の他端側内周には、内筒部材10が収納固定されてい
る。この内筒部材10は、図1及び図3に示すようにピ
ン11を介してスリーブ9に周方向に位置決めされてい
ると共に、一端側のフランジ部と隔壁9aを介して前記
取付ボルト8によってカムシャフト本体2aの一端部に
同軸上に共締め固定されている。
【0022】また、図中12は、筒状本体3とスリーブ
9との間に介装された位相変換手段たる筒状歯車であっ
て、この筒状歯車12は、軸直角方向から2分割された
前側歯車構成部12aと後側歯車構成部12bとを備え
ている。この両歯車構成部12a,12bは、バックラ
ッシュ隙間を吸収するために連結ピンとコイルスプリン
グを介して互いに接近する方向へ付勢しつつ連結されて
いると共に、夫々の内外周に前記インナ歯3aとアウタ
歯9aに噛合するヘリカル状の内外歯が形成されてい
る。また、この筒状歯車12は、前側歯車構成部12a
と円環部6との間に形成された圧力室13内に油圧回路
を介して供給された油圧力と、後側歯車構成部12bと
歯車部5の内端面との間に弾装されたばね部材たる圧縮
スプリング14のばね力との相対圧で図中左右軸方向へ
移動自在に形成されている。
【0023】前記圧力室13は、その容積が軸方向に沿
って増減するようになっていると共に、前側歯車構成部
12aの前端面に配置されたピストン15を介して筒状
歯車12に油圧力を伝達するようになっている。
【0024】該ピストン15は、図1及び図4,図5に
示すように円環状を呈し、中央にスリーブ9が挿通する
挿通孔15cが形成されていると共に、外周に圧力室1
3をシールするシールリング16が設けられている。ま
た、このピストン15は、圧力室13側の一端面に受圧
用の環状溝面15aが形成されていると共に、一端面の
外周側に円環部6の内端面に離接する円弧状の突起状着
座部15bが周方向の等間隔位置に4つ形成されてい
る。
【0025】前記油圧回路は、図1に示すようにオイル
ポンプ17と圧力室13とを連通する油圧供給通路18
と、圧力室13と外部とを連通する油圧排出通路19と
から構成され、該油圧排出通路19の途中に制御弁20
が設けられている。
【0026】前記油圧供給通路18は、シリンダヘッド
40及びカムシャフト本体2aと取付ボルト8との間に
形成されて上流端がオイルポンプ17に接続された主通
路18aと、スリーブ9と内筒部材10との間に形成さ
れて、一端が主通路18aに、他端がフロントカバー7
内周面の屈曲通路18b及び円環部6のオリフィス機能
を有する段差径通路孔18cを介して圧力室13に夫々
接続された環状通路18dとから構成されている。段差
径通路孔18cは、オリフィス機能によってオイルポン
プ17から圧力室13に供給される作動油の圧力変動を
抑制することができため、前記ピストン15を安定して
移動または静止させることができる。
【0027】また、前記オイルポンプ17は、機関のク
ランク軸から伝達ベルトを介して回転力が伝達されて、
クランク軸と同期回転するようになっている。
【0028】更に、前記主通路18aの上流側に流量制
御機構32が設けられている。この流量制御機構32
は、オイルポンプ17の下流側に分岐されたリリーフ通
路33と、該リリーフ通路33の途中に設けられた可変
型のリリーフ弁34とから構成されている。このリリー
フ弁34は、リリーフ通路33上流側に一端が接続され
たパイロット通路35からパイロット圧が導入され、こ
のパイロット圧に応じてリリーフ通路33の通路断面積
を可変制御するようになっている。
【0029】尚、オイルポンプ17とリリーフ通路33
との間には、機関の各摺動部に潤滑油を供給するオイル
メインギャラリ36が接続されている。
【0030】前記油圧排出通路19は、スリーブ9と内
筒部材10の各下端側の周壁に半径方向に沿って連続的
に貫通した複数のドレン通路部21,22,23,24
と、内筒部材10の内部に形成されて各ドレン通路部2
1〜24に連通するドレン室25と、前記制御弁20の
後述する弁体28の端壁に軸方向に沿って穿設されてド
レン室25と連通する軸方向孔26と、フロントカバー
7の壁部を軸方向に貫通形成されてドレン室25と外部
を連通するドレン孔27とを備えている。
【0031】前記ドレン通路部21,22,23,24
は、円周方向に沿った複数の小孔群によって4組列に形
成されており、スリーブ9に形成された外側開口端21
a,22a,23a,24aと内筒部材10に形成され
た内側開口端21b,22b,23b,24bとによっ
て夫々形成されている。そして、前記外側開口端22a
〜24aは、その各通路断面積つまり内径が可及的に小
さく設定されている一方、内側開口端22b〜24bの
内径は、外側開口端22a〜24aの内径aの約2倍の
大きさに設定されている。尚、第1ドレン通路部21の
外側開口端21aは、内側開口端21bと略等しい内径
に設定されている。
【0032】また、図1中、最左側の第1ドレン通路部
21と該第1ドレン通路部21に隣接する第2ドレン通
路部22との間隔は若干大きいものの、他の第2,第
3,第4ドレン通路部22,23,24の間隔は若干小
さくかつ等間隔に設定されている。さらに、この各間隔
は予めスプロケット1とカムシャフト2との所定の相対
回動角度に対応して任意に設定されている。更に、各ド
レン通路部21〜24の夫々の小孔群の総断面積は、圧
縮スプリング14のばね力等との相対関係で決定され
て、夫々が均一に設定されている。
【0033】前記制御弁20は、図1に示すように前記
内筒部材10内に軸方向へ摺動自在に設けられて、各ド
レン通路部21〜24を選択的に開閉する弁体28と、
該弁体28を軸方向へ摺動させる図外の電磁アクチュエ
ータとを備えている。
【0034】前記弁体28は、有底円筒状に形成され、
軸方向の長さが前記第1ドレン通路部21から第4ドレ
ン通路部24まで全体を閉成可能な長さに設定されてい
ると共に、外周面が内筒部材10の内周面に密接状態に
摺接するようになっている。また、一端が取付ボルト8
の頭部に弾接したコイルスプリング31のばね力によっ
て図中左方向に付勢されている。
【0035】前記電磁アクチュエータは、ステッピング
モータによって構成され、回転軸の先端側に回転運動を
直線運動に変換する機構を介して駆動ロッド29が連結
されている。この駆動ロッド29は、先端が弁体28の
底壁にナット30を介して連結されて、弁体28を図中
左右軸方向の所定位置に摺動させるようになっている。
また、該ステッピングモータを制御する図外のコントロ
ーラは、マイクロコンピュータが内蔵され、クランク角
センサやエアーフローメータ等の各センサ類から出力さ
れた機関回転数や吸入空気量等に基づいて現在の運転状
態を検出している。
【0036】以下、本実施例の作用について説明する。
まず、例えば機関低負荷域では、コントローラからステ
ッピングモータにOFF信号(非通電)が出力されて、
駆動ロッド29を最大左方向位置に移動させる。したが
って、弁体28は、図1に示すように最大左方向位置に
保持され、全ドレン通路部21〜24のドレン室25側
の各内側開口端21b〜24bを開成する。一方、オイ
ルポンプ17から油圧供給通路18を介して圧力室13
に供給された作動油は、その殆どが第1ドレン通路部2
1を通ってドレン室25内に流入し、ここから、軸方向
孔26,ドレン孔27を通って外部に排出される。した
がって、圧力室13内が低圧状態になる。このため、筒
状歯車12は、圧縮スプリング14のばね力によって最
大前方向位置(図中左方向位置)に移動し、この位置に
安定に保持される。これによって、スプロケット1とカ
ムシャフト2は、一方側の最大相対回動角度位置に保持
されて、例えば吸気弁の閉時期を最大遅角制御する。
【0037】また、機関運転負荷が若干上昇すると、コ
ントローラからステップモータに制御電流が出力されて
所定量回転する。したがって、弁体28は、図6に示す
ように駆動ロッド29を介して図中右方向へ若干移動し
て、第1ドレン通路部21の内側開口端21bを閉成す
る。このため、油圧供給通路18から圧力室13内に流
入した作動油は、シールリング16を介して一時的に密
閉された該圧力室13内で圧力を高めながらピストン1
5を図示のように右方向へ押圧し、該ピストン15の内
周縁15dで第2ドレン通路部22の外側開口端22a
を開成する。したがって、該ピストン15は、圧力室1
3の油圧と圧縮スプリング14のばね力が均り合う位置
つまり第2ドレン通路部22の外側開口端22aを開成
した移動位置で停止する。よって、筒状歯車12は、ピ
ストン15のよって図示位置まで右方向に移動し、スプ
ロケット1とカムシャフト2の相対回動角度位置を他方
側に変換して、吸気弁の閉時期を進角側に制御する。
【0038】更に、機関運転負荷が上昇すると、ステッ
ピングモータにより弁体28がさらに右方向へ移動して
図7に示すように、今度は第1ドレン通路部21の内側
開口端21bを閉成しつつさらに第2ドレン通路部22
の内側開口端22bも閉成する。このため、一時的に密
閉された圧力室13内の油圧が上昇してピストン15を
図示のようにさらに右方向へ押圧する。したがって、ピ
ストン15は、内周縁15dによって第3ドレン通路部
23の外側開口端23aを開成すると共に、前述と同様
に該第3ドレン通路部23の外側開口端23aを開成し
た移動位置で停止する。このため、筒状歯車12は、ピ
ストン15によって図示位置まで右方向に移動し、スプ
ロケット1とカムシャフト2の相対回動角度位置をさら
に他方側に変換する。
【0039】次に、機関運転負荷がさらに上昇すると、
ステッピングモータにより弁体28がさらに右方向へ移
動して、図8に示すように第1,第2ドレン通路部2
1,22の内側開口端21b,22bを閉成しつつ第3
ドレン通路部23の内側開口端23bも閉成する。この
ため、一時的に密閉された圧力室13内の油圧が上昇し
てピストン15を図示の如くさらに右方向へ押圧する。
したがって、ピストン15は、第4ドレン通路部24の
外側開口端24aを開成すると共に、該第4ドレン通路
部24を開成した移動位置で停止する。このため、筒状
歯車12もピストン15によって図示位置まで右方向に
移動し、スプロケット1とカムシャフト2の相対回転角
度をさらに他方側に変換し、吸気弁の閉時期をさらに進
角側に制御する。
【0040】また、機関運転が高負荷域に移行すると、
ステッピングモータによって弁体28がさらに右方向へ
移動して図9に示すように第1〜第3ドレン通路部21
〜23の内側開口端21b〜23bを閉成しつつ第4ド
レン通路部24の内側開口端24bも閉成し、つまり、
全部を閉成する。このため、圧力室13は、密閉状態に
なって内部油圧が最大に上昇する。したがって、ピスト
ン15は、図示のようにさらに右方向に移動して、筒状
歯車12を最大右方向に押圧する。このため、スプロケ
ット1とカムシャフト2は、相対回転角度が他方側に最
大に変換され、吸気弁の閉時期を最大進角側に制御す
る。
【0041】尚、各ドレン通路部21〜24からドレン
室25に流入した作動油は、軸方向孔26、ドレン孔2
7を通って外部に排出されてオイルパン31に戻され
る。
【0042】このように、本実施例では、弁体28の移
動位置に応じて各ドレン通路部21〜24を選択的に開
閉することによりピストン15を介して筒状歯車12を
5段階に移動させることができるため、スプロケット1
とカムシャフト2との相対回動角度も5段階に変換する
ことができる。この結果、吸気弁の閉時期を機関運転状
態に応じて高精度に制御できる。
【0043】また、予め形成位置が設定された各ドレン
通路部21〜24を弁体28によって開閉するだけであ
るから、各構成部品の移動位置、例えばピストン15等
の移動位置を常に検出する必要がない。したがって、コ
ントローラの制御構造が簡素化されて、製造作業能率の
向上とコストの大巾な低下が図れる。
【0044】また、油圧回路の油圧供給通路18や油圧
排出通路部19の構造も比較的簡素化されているため、
この点でも製造作業能率の向上とコストの低廉化が図れ
る。
【0045】しかも、本実施例では、主通路18aと分
岐したリリーフ通路33にリリーフ弁34を設けたた
め、機関回転数つまりオイルポンプ17のポンプ回転数
に拘わらず圧力室13には、圧縮スプリング14のばね
力との相対関係で常時適正かつ安定した作動油圧を供給
することができる。このため、たとえオイルポンプ17
から供給される作動油圧がポンプ回転数によって変動し
ても、リリーフ弁34がリリーフ通路33の通路面積を
作動油圧の変動に応じて調節するので、圧力室13内の
作動油圧は一定に保たれ、前述のように筒状歯車12を
機関負荷に応じた正規の移動位置に安定に保持すること
ができる。ひいてはスプロケット1とカムシャフト2
を、所定の相対回動角度位置に安定に保持することが可
能になる。この結果、バルブタイミング制御の安定化が
図れる。
【0046】更に、機関の全ての運転域において、リリ
ーフ弁34によって圧力室13へ不要な作動油の供給が
抑制されるので、その分オイルメインギャラリ36を介
して各摺動部に多量に供給できるため、潤滑性能の低下
を防止できる。
【0047】また、図2〜図3に示すように前記ドレン
通路部22〜24は、外側開口端22a〜24aの通路
断面積が十分に小さいため、大きな通路断面積とした場
合に比較してピストン15の内周縁15dによる該各外
側開口端21a〜24aの全開作用つまり開き切り作業
が良好となり、斯かる作用によってピストン15自体も
その所定の移動位置に安定に保持される。このため、各
ドレン通路部21〜24の形成位置によって決定される
筒状歯車12の移動設定位置を高精度に制御できる。し
たがって、前述と同様に、スプロケット1とカムシャフ
ト2を、所定の相対回動設定角度位置に安定かつ正確に
保持することが可能になる。
【0048】さらに、内側開口端21b〜24bの通路
断面積を、外側開口端21a〜24aよりも十分に大き
く設定したため、スリーブ9と内筒部材10との組み付
け時における両開口端21a,21b,22a,22
b,23a,23b,24a,24bの位置合わせが容
易になる。この結果、たとえスリーブ9と内筒部材10
との若干の組み付け誤差が生じても正規の通路断面積が
確保され、組み付け作業能率の向上が図れる。
【0049】また、ピストン15によって圧力室13内
の油圧を効率良く受圧すると共に、筒状歯車12を軸方
向へ移動案内するため、筒状歯車12の移動応答性が向
上する。
【0050】尚、機関高負荷域から低負荷域に移行する
までの間も、弁体28によって前述とは逆に各ドレン通
路部21〜24を選択的に開閉しつつ、筒状歯車12を
多段階に左方向へ移動させることも可能である。また、
各ドレン通路部21〜24を、前述のように弁体28で
順次選択的に開閉するのではなく、機関負荷の急激な変
化に応じて適宜対応するドレン通路部21〜24を選択
して開閉することも可能である。
【0051】図10は本発明の第2実施例を示し、オイ
ルポンプ17とリリーフ通路33との間の主通路18a
に、該主通路18aを開閉制御する停止手段たる2方向
型の電磁弁37を設けたものである。この電磁弁37
は、一般的な構造を備え、電磁コイルや固定コア,可動
コア及び主通路18aをON−OFF的に開閉する弁体
等が設けられており、前記電磁コイルに前記コントロー
ラから機関低負荷時にON信号が出力されて弁体により
主通路18aを閉成するようになっている。
【0052】したがって、この実施例によれば、機関低
負荷時には回転数に拘わらず電磁弁37によって主通路
18aが閉成されるため、圧力室13に対する作動油の
供給が停止される。このため、オイルポンプ17から圧
送された潤滑油の全部がオイルメインギャラリ36を介
して各摺動部に供給される。依って、各摺動部の潤滑性
能の低下が確実に防止される。特に、各摺動部の潤滑性
がさらに要求される高回転時には、ポンプ吐出流量も多
くなるため、潤滑性能の低下を一層確実に防止できる。
しかも、このように低負荷時には、圧力室13に対する
作動油の供給が停止されて、該圧力室13が確実に低圧
状態になるため、筒状歯車12を最大前方位置に安定か
つ確実に保持することが可能になる。
【0053】尚、低負荷域以外の運転域では、電磁弁3
7が主通路18aを開成して圧力室13に作動油が供給
されるが、前述のリリーフ弁34によって不要な作動油
の供給が抑制されるため、各摺動部の潤滑性能の低下が
防止されることは勿論である。
【0054】本発明は、前記実施例の構成に限定される
ものではなく、例えば各ドレン通路部21〜24をさら
に増加形成して、筒状歯車12をさらに6段階以上の移
動制御を行うことも可能である。
【0055】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、流量制御機構によって圧力室に対する作動液の
供給量が適正に制御されるため、位相変換手段を機関運
転状態に応じた正規の移動位置へ安定に保持することが
できる。この結果、バルブタイミング制御の安定化が図
れる。
【0056】また、前記適正な流量制御により不要な作
動液を機関の各摺動部に供給することができるため、該
各摺動部の潤滑性能の低下を防止できる。
【0057】しかも、請求項2の発明によれば、例えば
機関低負荷域では圧力室への作動液の供給を停止させる
ため、ばね部材のばね力によって位相変換手段を最大一
方の移動位置に安定かつ確実に保持することができる。
また、その停止された分だけ作動液を各摺動部に供給で
きるので、潤滑性能の低下をさらに防止することが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図。
【図2】本実施例のスリーブを示す側面図。
【図3】本実施例の内筒部材を示す側面図。
【図4】本実施例のピストンを示す正面図。
【図5】図4のA−A線断面図。
【図6】本実施例の作用を示す説明図。
【図7】本実施例の作用を示す説明図。
【図8】本実施例の作用を示す説明図。
【図9】本実施例の作用を示す説明図。
【図10】本発明の第2実施例を示す縦断面図。
【図11】先願に係る装置を示す要部縦断面図。
【符号の説明】
1…スプロケット(回転体) 2…カムシャフト 12…筒状歯車(位相変換手段) 13…圧力室 14…圧縮スプリング(ばね部材) 18…油圧供給通路 19…油圧排出通路 20…制御弁 21〜24…ドレン通路部 21a〜24a…外側開口端 21b〜24b…内側開口端 32…流量制御機構 34…リリーフ弁 37…電磁弁(停止手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関によって回転駆動する回転体と、該
    回転体からの回転力によって吸排気弁を作動させるカム
    を有するカムシャフトと、回転体とカムシャフト本体の
    一端部に固定されたスリーブとの間に介装されて、カム
    シャフト軸方向の移動に伴い回転体とカムシャフトとの
    相対回動位相を変換する位相変換手段と、前記回転体の
    内部一端側に形成されて、液圧回路の供給通路を介して
    供給される内部液圧により容積を増加して前記位相変換
    手段を一方向へ移動させる圧力室と、回転体の内部他端
    側に弾装されて位相変換手段を他方向へ付勢するばね部
    材と、前記液圧回路の排出通路の一部を構成し、前記ス
    リーブのカムシャフト軸方向の位置に夫々所定間隔をも
    って形成された複数のドレン通路部と、該各ドレン通路
    部の内側開口端を機関運転状態に応じて選択的に開閉し
    て前記圧力室の容積を可変にする制御弁とを備えたバル
    ブタイミング制御装置において、 前記供給通路に、圧力室内の作動油を前記ばね部材のば
    ね力との相対関係で制御する流量制御機構を設けたこと
    を特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記流量制御機構は、機関運転状態に応
    じて圧力室に対する作動油の供給を停止させる停止手段
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関のバ
    ルブタイミング制御装置。
JP2989094A 1993-11-18 1994-02-28 内燃機関のバルブタイミング制御装置 Pending JPH07238813A (ja)

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EP94118226A EP0654588B1 (en) 1993-11-18 1994-11-18 Variable cam phaser for internal combustion engine
US08/343,992 US5447126A (en) 1993-11-18 1994-11-18 Variabe cam phaser for internal combustion engine
DE69411126T DE69411126T2 (de) 1993-11-18 1994-11-18 Vorrichtung zur Veränderung der Nockensteuerung einer Brennkraftmaschine

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