JPH07238325A - 高温耐摩耗性構造体及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度で，耐熱性，耐摩耗性に優れ，かつ安
価な高温耐摩耗性構造体及びその製造方法を提供するこ
と。 【構成】 多数枚の無機成形板１を積層圧着した積層体
１００と，該積層体１００を貫通させたシャフト２と，
該シャフト２の後端に設けたカラー３と，上記シャフト
２の先端に挿通された押圧プレート４とよりなる。ま
た，上記積層体１００を上記カラー３と押圧プレート４
とにより押圧挟持してなり，また上記積層体１００は金
属ケーシング３５によって支承されている高温耐摩耗性
構造体である。上記無機成形板１は無機繊維と無機粉体
とバインダーとの混合物からなり，かつ上記積層体１０
０は嵩密度０．８〜１．５ｇ／ｃｍ³ である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，例えば鋼板の連続熱処
理装置において，処理炉の出口等に設ける，高温耐摩耗
性構造体及びその製造方法に関する。

【０００２】

【従来技術】たとえば，ステンレス鋼板の連続熱処理装
置においては，ステンレス鋼板を熱処理しながら連続的
に移動させていく際に，熱処理炉の端部に設けられた出
入口において，ステンレス鋼板が上下，左右方向に振れ
を生ずることがある。この振れが大きいときには，炉の
出入口部分を損傷するおそれがある。更に，ステンレス
鋼板自身にも損傷が発生するおそれがある。そこで，上
記出入口部分には，従来，上記振れ時の損傷防止のため
に，緩衝部材９が設けてある。

【０００３】即ち，これを図６により説明すると，上記
連続熱処理装置はステンレス鋼板７をアニーリングする
ためのアニーリング炉８と，アニーリングされたステン
レス鋼板７をピックリングするピックリングライン８２
と，冷却ゾーン８３とよりなる。そして，アニーリング
炉８の前後両端には，緩衝部材９が配設されている。該
緩衝部材９の間には，被熱処理材であるステンレス鋼板
７が通過していく。ステンレス鋼板７は巻回されたコイ
ル７０から順次取り出され，アニーリング炉８，ピック
リングライン８２，冷却ゾーン８３を移送されて，熱処
理される。

【０００４】この移送の間，ステンレス鋼板７は多数の
搬送用ロール８５によって移送されると共に，アニーリ
ング炉８の両端に設けた緩衝部材９によっても支承され
ている。ステンレス鋼板７は，緩衝部材９の間を摺動し
ながら移送されていく。なお，上記アニーリング炉８内
の加熱部８１には，燃焼ガス８０１が送入され，１２０
０〜１３００℃に加熱されている。

【０００５】そして，従来，上記緩衝部材９としては，
たとえば，図７に示すごときロール状体が用いられてい
る。この緩衝部材９は，シャフト９１に，円板状のアス
ベスト板９２を多数枚重ねた積層体９２０よりなる。多
数枚のアスベスト板９２の間には，１枚毎に金属板９３
が介設されている。そして，アスベスト板９２，金属板
９３を貫通してシャフト９１が設けてある。また，シャ
フト９１には，上記積層体９２０の両側において金属製
のカラー９４，９５が上記積層体９２０を挟持するよう
に配置されている。カラー９４，９５は，シャフト９１
に溶接９６してある。

【０００６】上記緩衝部材９の表面には，図７に示すご
とく，前記ステンレス鋼板７が載置，摺動され，移送さ
れる（図６参照）。このとき，緩衝部材９は，ステンレ
ス鋼板７の摺動接触によって回転する。また，シャフト
９１はパイプ状になっており，その中空部９１１内に冷
却水が常時通してある。

【０００７】

【解決しようとする課題】しかしながら，従来の高温耐
摩耗性構造体としての緩衝部材９には，次の問題があ
る。即ち，上記緩衝部材９は，上記のごとく１２００〜
１３００℃という高温度のアニーリング炉の両端に設け
てある。そのため，かかる高温度の影響を受け易く，使
用中にアスベスト板９２の積層体９２０にクラックを生
じる。

【０００８】このクラックは，緩衝部材９の内部へも進
展していき，遂には積層体９２０が部分的に崩れるなど
の損傷が大きくなる。また，このように積層体９２０の
損傷が進むと金属板９３が露出し，製品となるステンレ
ス鋼板７と接触してその表面を損傷させてしまう。

【０００９】また，上記緩衝部材９は，アスベスト板９
２の間に金属板９３を１枚毎に介在させている。そのた
め，その作製に多くの手間と時間を要し，コスト高とな
る。また，上記緩衝部材９は，ロール状体であり，回転
可能に設けるため，緩衝部材９を回転可能に支承するた
めの回転シャフト，更には該回転シャフトを受けるベア
リングユニットを必要とする。そのため，構造が複雑に
なり，交換も容易でなく，コスト高になる。本発明は，
かかる従来の問題点に鑑み，高強度で，耐熱性，耐摩耗
性に優れ，かつ安価な高温耐摩耗性構造体及びその製造
方法を提供しようとするものである。

【００１０】

【課題の解決手段】本発明は，多数枚の無機成形板を積
層圧着した積層体と，該積層体を貫通させたシャフト
と，該シャフトの後端に設けたカラーと，上記シャフト
の先端に挿通された押圧プレートとよりなると共に，上
記積層体を上記カラーと押圧プレートとにより押圧挟持
してなり，また上記積層体は金属ケーシングによって支
承されている高温耐摩耗性構造体であって，上記無機成
形板は無機繊維と無機粉体とバインダーとの混合物から
なり，かつ上記積層体は嵩密度０．８〜１．５ｇ／ｃｍ
³ であることを特徴とする高温耐摩耗性構造体にある。

【００１１】本発明において最も注目すべきことは，上
記積層体をカラーと押圧プレートとにより押圧挟持する
と共に積層体を金属ケーシングによって支承したこと，
また無機成形板は無機繊維と無機粉体とバインダーとに
より成形してあり，かつ積層体は嵩密度が上記特定範囲
にあることである。

【００１２】上記積層体は，多数枚の無機成形板を積層
圧着したものである。該積層体は，上記多数枚の無機成
形板を，シャフトに挿通すると共に，その両側から，カ
ラーと押圧プレートとにより押圧挟持し，上記嵩密度に
したものである。積層体は，例えばその下方が金属ケー
シングの中に入れられて，支承されている（図１参
照）。上記シャフト，カラー，押圧プレート及び金属ケ
ーシングは，金属により作成する。

【００１３】上記無機成形板は，無機繊維と無機粉体と
バインダーとを混合し，これらをプレス成形等により成
形したものである。上記無機繊維は，アルミナ，ジルコ
ニア，ガラス，窒化ケイ素，シリカ・アルミナのグルー
プより選択される１種又は２種以上のセラミックスの繊
維を用いることが好ましい。これらは，特に耐熱性が高
い点で優れている。また，無機繊維は平均繊維径１．５
〜１０μｍ，平均繊維長１０〜１５０ｍｍであることが
好ましい。この場合には，成形品の結合強度の点で優れ
ている。

【００１４】上記無機粉体は，Ａｌ₂ Ｏ₃ ，ＺｒＯ₂ ，
Ｓｉ₃ Ｎ₄ ，ＳｉＡｌＯＮ，ＺｒＢ₂ ，３Ａｌ₂ Ｏ₃ ・
２ＳｉＯ₂ のグループから選ばれる１種又は２種以上の
セラミックスの粉体を用いることが好ましい。この場合
には，特に耐熱強度の点で優れている。上記バインダー
は，無機結合材又は有機結合材を用いることができる。
上記無機結合材としては，コロイダルシリカ等の無機コ
ロイド，木節粘土等の粘土鉱物，フリット等の焼結助剤
などがある。

【００１５】また，有機結合材としては，ＮＢＲ，ＳＢ
Ｒ，アクリル酸エステル系等のエマルジョンラテック
ス，ポリアクリルアマイド等がある。また，上記積層体
は，押圧挟持した状態において，嵩密度が０．８〜１．
５ｇ／ｃｍ³ である。０．８ｇ／ｃｍ³ 未満では，強度
が低い。一方，１．５ｇ／ｃｍ³ を超えると全体が硬く
なり，ビルドアップ，即ちステンレス鋼板上に生じたス
ケールが，高温耐摩耗性構造体の表面に喰い込み，針山
状となって，ステンレス鋼板に押し疵が発生するという
問題がある。

【００１６】次に，上記高温耐摩耗性構造体の製造方法
としては，例えば無機繊維と無機粉体とバインダーと水
とを混合してスラリーを作成する第１工程と，上記スラ
リー中に凝集剤を添加混合して凝集体を作成する第２工
程と，上記凝集体をウェットシートに抄造成形し，次い
で脱水プレスし，嵩密度０．５〜１．１ｇ／ｃｍ³ の無
機成形板を得る第３工程と，上記無機成形板を所望形状
に打抜く第４工程と，打抜いた成形板を乾燥する第５行
程と，上記無機成形板を多数枚積層して積層体となし，
該積層体にこれを貫通するシャフトを挿通すると共に該
シャフトの軸方向と平行にカラー及び押圧プレートによ
り積層体を押圧挟持する第６工程とよりなり，上記積層
体が嵩密度０．８〜１．５ｇ／ｃｍ³ である高温耐摩耗
性構造体を製造することを特徴とする高温耐摩耗性構造
体の製造方法がある。

【００１７】上記製造方法において用いる材料は，前記
と同様である。上記第３工程において，無機成形板はプ
レス脱水により嵩密度０．５〜１．１ｇ／ｃｍ³ として
おく必要がある。この範囲外では，無機成形板を積層圧
着したときの嵩密度０．８〜１．５ｇ／ｃｍ³ を得難
く，優れた高温耐摩耗性構造体を製造することが困難で
ある。また，上記凝集剤としては，例えば硫酸バン土，
ポリアクリルアマイド系高分子凝集剤がある。

【００１８】また，本発明の高温耐摩耗性構造体は，前
記したステンレス鋼板の熱処理炉の緩衝部材として用い
る他，例えば１０００℃以上の高温下で，かつ耐摩耗性
が要求される，ガラス板の熱処理搬送用，ステンレスパ
イプの熱処理搬送用などにも用いることができる。

【００１９】

【作用及び効果】本発明の高温耐摩耗性構造体は，上記
のごとく，無機繊維と無機粉体とバインダーよりなる無
機成形板を多数枚重ねてこれらを押圧挟持してなり，か
つ金属ケーシングによって支承されている。そのため，
強度が高い。また，積層体は，上記無機繊維と無機粉体
とバインダーとの混合物を用いているので，耐摩耗性に
優れている。

【００２０】また，上記無機成形板による積層体を用い
ているので高温耐熱性に優れている。また，高温耐摩耗
性構造体の製造に当たっては，上記シャフトに無機成形
板を順次挿入し，両側よりカラーと押圧プレートとによ
りボルト締め等により圧着するという工程を行えば良
く，従来のごとく無機成形板の間に金属板を重ねる必要
がない。

【００２１】また，本発明の高温耐摩耗性構造体を，前
記従来例に示したごとく，熱処理炉のカラーとして用い
る場合には，前記従来例のロール状体のごとくベアリン
グユニットや回転シャフトを必要としない。そのため，
構造簡単で，交換も容易であり，コストも低い。また，
上記製造方法によれば，上記のごとき優れた高温耐摩耗
性構造体を容易に製造することができる。したがって，
本発明によれば，高強度で，耐熱性，耐摩耗性に優れ，
かつ安価な高温耐摩耗性構造体及びその製造方法を提供
することができる。

【００２２】

【実施例】

実施例１ 本発明の実施例にかかる高温耐摩耗性構造体につき，図
１〜図５を用いて説明する。本例の高温耐摩耗性構造体
は，従来例と同様に，ステンレス鋼板のアニーリング炉
の出入口に用いる緩衝部材である。但し，この高温耐摩
耗性構造体は，従来例に示したロール状体でなく，台状
体である。

【００２３】即ち，図１に示すごとく，本例の高温耐摩
耗性構造体１０は，多数枚の無機成形板１を積層圧着し
た積層体１００と，該積層体１００を貫通させたシャフ
ト２と，該シャフト２の後端に設けたカラー３と，シャ
フト２の先端に挿通した押圧プレート４とよりなる。

【００２４】そして，上記積層体１００を上記カラー３
と押圧プレート４とにより押圧挟持してなる。また，積
層体１００の下部は，金属ケーシング３５内に支承して
ある。上記無機成形板１は，無機繊維と無機粉体とバイ
ンダーとの混合物からなり，かつ上記積層体１００の嵩
密度は０．８〜１．５ｇ／ｃｍ³ である。

【００２５】上記において，カラー３及び金属ケーシン
グ３５は，図２，図４に示すごとく，溶接により一体化
されている。カラー３には，その穴３１にシャフト２の
後端２２が挿入され溶接されている。金属ケーシング３
５は断面Ｕ字状をなし，無機成形板１の下部１３及び押
圧プレート４の下部４２が挿入できる内径を有してい
る。

【００２６】無機成形板１は，図１，図３，図５に示す
ごとく逆凸状を呈し，上部１２と下部１３とを一体的に
成形したものである。下部１３には，シャフト挿通穴１
４を有する。押圧プレート４も，図１，図４，図５に示
すごとく，同様に大面積の上部４１と下部４２とを有す
る。下部４２には，シャフト挿通穴４３を有する。

【００２７】そして，上記無機成形板１の下部１３と押
圧プレート４の下部４２とは同じ大きさを有する。一
方，無機成形板１の上部１２と，押圧プレート４の上部
４１とは，幅は同じであるが，高さは無機成形板１の上
部１２の方が高い（図４，図５）。シャフト２の先端２
１には，ネジ部２１０を有する。

【００２８】上記高温耐摩耗性構造体１０を作製するに
当たっては，後述の実施例２に示すごとく，予め無機成
形板１を抄造，プレス成形しておく。次に，図１に示す
ごとく，カラー３に設けたシャフト２に対して，無機成
形板１のシャフト挿通穴１４を挿通させながら，多数の
無機成形板１を順次積層する。そして，最後列には，シ
ャフト２に対して，押圧プレート４のシャフト挿通穴４
３を挿通して，無機成形板１に押圧プレート４を並列さ
せる。

【００２９】その後，シャフト２にワッシャ４６を嵌合
する。次いでシャフト２の先端２１のネジ部２１０にボ
ルト４７を螺合してカラー３と押圧プレート４とによ
り，積層体１００を押圧挟持する。更に，ボルト４８を
螺着して，二重ボルトによるロックをする。これによ
り，高温耐摩耗性構造体１０が製造される。

【００３０】実施例２ 本例においては，実施例１に示した高温耐摩耗性構造体
１０につき，主にその製造法の具体例につき説明する。
まず，無機成形板の成形方法につき説明する。まず，無
機繊維としてのシリカ・アルミナファイバー６０％（重
量％，以下同じ）と，無機粉体としての微粒低ソーダア
ルミナ粉３２％と，バインダーとしての変性アクリル酸
エステルエマルジョンラテックス８％とを準備した。

【００３１】次に，これらの１００％に対してスラリー
濃度が１％となるように，水を加えて攪拌混合し，スラ
リーを作成した。その後，該スラリーに，更にポリアク
リルアマイド系紙力増強剤１．５％を添加，混合し，次
いで凝集剤を添加して，上記スラリーを凝集体を作成し
た。上記凝集剤としては，硫酸バン土，及びポリアクリ
ルアマイド系高分子凝集剤を用いた。

【００３２】次に，上記凝集体を，抄造成形用のウェッ
トマシンにて，幅２００ｍｍ，厚み１８ｍｍの連続ウェ
ットシートに抄造成形した。次に，上記ウェットシート
を脱水プレスし，厚み３ｍｍとした。更に，このものを
打抜き型を用いて，図３に示すごとく，縦６５ｍｍ，上
部１２の横幅５２ｍｍ，下部１３の横幅４８ｍｍ，また
シャフト挿通穴直径１６ｍｍに打抜いた。更に，その
後，加熱乾燥し，嵩密度０．８ｇ／ｃｍ³ の無機成形板
１を作成した。

【００３３】一方，厚み２．５ｍｍのステンレス鋼板を
用いて，内径６０ｍｍ，高さ３０ｍｍ，長さ１５６０ｍ
ｍの金属ケーシング３５を作製した。また，該金属ケー
シング３５に前記図４に示すごとく，ステンレス鋼板製
のカラー３を溶接した。更に，カラー３には，シャフト
２の後端を挿入して溶接した。次に，実施例１の図１に
示したごとく，シャフト２に，上記無機成形板１を順次
挿通し，最後に押圧プレート４を挿通し，更にボルト４
７，４８により，無機成形板１の積層体１００を押圧挟
持した。

【００３４】積層体１００は，長さ１７００ｍｍで，嵩
密度１．４ｇ／ｃｍ³ であった。上記無機成形板１の嵩
密度は０．８ｇ／ｃｍ³ であったが，積層体１００の嵩
密度が１．４ｇ／ｃｍ³ と高くなったのは，上記カラー
３と押圧プレート４とによる押圧挟持のためである。

【００３５】次に，上記高温耐摩耗性構造体１０を，従
来例の図６で示したごとく，アニーリング炉の緩衝部材
として用いた。そして，図４に示すごとく，積層体１０
０の上面においてステンレス鋼板７を移送させた。その
結果，約１００００トンのステンレス鋼板（ＳＵＳ３０
４）を熱処理した時点でも，積層体１００は僅か１０ｍ
ｍしか摩耗せず，またクラックは何ら発生しなかった。
上記のごとく，本発明によれば，高強度で，耐熱性，体
摩耗性に優れ，かつ安価な高温耐摩耗性構造体及びその
製造方法を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１における，高温耐摩耗性構造体の展開
斜視図。

【図２】実施例１における，カラーと金属ケーシングの
斜視図。

【図３】実施例１における，無機成形板の正面図。

【図４】実施例１における，高温耐摩耗性構造体の一部
断面正面図。

【図５】実施例１における，高温耐摩耗性構造体の右側
面図。

【図６】従来例における，熱処理装置の説明図。

【図７】従来例における，ロール状の緩衝部材の正面
図。

【符号の説明】

１．．．無機成形板， １０．．．高温耐摩耗性構造体， １００．．．積層体， ２．．．シャフト， ３．．．カラー， ３５．．．金属ケーシング， ４．．．押圧プレート，

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 寿男 茨城県鹿島郡鹿島町大字光３番地 住友金 属工業株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 日向寺 幸夫 茨城県鹿島郡鹿島町大字光３番地 住友金 属工業株式会社鹿島製鉄所内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数枚の無機成形板を積層圧着した積層
   体と，該積層体を貫通させたシャフトと，該シャフトの
   後端に設けたカラーと，上記シャフトの先端に挿通され
   た押圧プレートとよりなると共に，上記積層体を上記カ
   ラーと押圧プレートとにより押圧挟持してなり，また上
   記積層体は金属ケーシングによって支承されている高温
   耐摩耗性構造体であって，上記無機成形板は無機繊維と
   無機粉体とバインダーとの混合物からなり，かつ上記積
   層体は嵩密度０．８〜１．５ｇ／ｃｍ³ であることを特
   徴とする高温耐摩耗性構造体。
2. 【請求項２】 請求項１において，上記無機繊維は，ア
   ルミナ，ジルコニア，，ガラス，窒化ケイ素，シリカ・
   アルミナのグループより選択される１種又は２種以上の
   セラミックスの繊維であることを特徴とする高温耐摩耗
   性構造体。
3. 【請求項３】 請求項２において，無機繊維は平均繊維
   径が１．５〜１０μｍ，平均繊維長が１０〜１５０ｍｍ
   であることを特徴とする高温耐摩耗性構造体。
4. 【請求項４】 請求項１において，上記無機粉体は，Ａ
   ｌ₂ Ｏ₃ ，ＺｒＯ₂ ，Ｓｉ₃ Ｎ₄ ，ＳｉＡｌＯＮ，Ｚｒ
   Ｂ₂ ，３Ａｌ₂ Ｏ₃ ・２ＳｉＯ₂ のグループから選ばれ
   る１種又は２種以上のセラミックスの粉体であることを
   特徴とする高温耐摩耗性構造体。
5. 【請求項５】 請求項１において，上記バインダーは，
   無機結合材又は有機結合材であることを特徴とする高温
   耐摩耗性構造体。
6. 【請求項６】 無機繊維と無機粉体とバインダーと水と
   を混合してスラリーを作成する第１工程と，上記スラリ
   ー中に凝集剤を添加混合して凝集体を作成する第２工程
   と，上記凝集体をウェットシートに抄造成形し，次いで
   脱水プレスし，嵩密度０．５〜１．１ｇ／ｃｍ³ の無機
   成形板を得る第３工程と，上記無機成形板を所望形状に
   打抜く第４工程と，打抜いた成形板を乾燥する第５行程
   と，上記無機成形板を多数枚積層して積層体となし，該
   積層体にこれを貫通するシャフトを挿通すると共に該シ
   ャフトの軸方向と平行にカラー及び押圧プレートにより
   積層体を押圧挟持する第６工程とよりなり，上記積層体
   が嵩密度０．８〜１．５ｇ／ｃｍ³ である高温耐摩耗性
   構造体を製造することを特徴とする高温耐摩耗性構造体
   の製造方法。