JPH07238206A - ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物 - Google Patents

ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物

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JPH07238206A
JPH07238206A JP5531194A JP5531194A JPH07238206A JP H07238206 A JPH07238206 A JP H07238206A JP 5531194 A JP5531194 A JP 5531194A JP 5531194 A JP5531194 A JP 5531194A JP H07238206 A JPH07238206 A JP H07238206A
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稔 竹松
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱安定性に優れたブロック共重合体組成物お
よび初期接着力、保持力および耐熱性に優れた粘着剤組
成物に関する。 【構成】 結合スチレン30重量%、結合イソプレン2
4.5重量%、結合ブタジエン45.5重量%の(S−
I−B)3-X型ブロツク共重合体(1)と、結合スチレ
ン30重量%、結合イソプレン24.5重量%、結合ブ
タジエン45.5重量%の(S−I−B)ブロツク共重
合体(2)とを含有し、(1)および(2)の重量が、
(1)/(2)=40/60(重量比)、かつ、IとB
との重量が、I/B=35/65(重量比)であるブロ
ツク共重合体組成物。該ブロック共重合体組成物100
重量部と粘着付与剤170重量部とを配合してなる粘着
剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘着剤用途に適したブ
ロック共重合体組成物および粘着剤組成物に関し、さら
に詳しくは、熱安定性に優れたブロック共重合体組成物
および初期接着力、保持力および高温加熱後の溶融粘度
の変化が少ない粘着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感圧接着剤(粘着剤)や熱溶融型
粘着剤(ホットメルト型粘着剤)のベースポリマーとし
てスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック
共重合体やスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)
ブロック共重合体なとの熱可塑性エラストマーが使用さ
れ、また、ベースポリマーとして、SISブロック共重
合体とSBSブロック共重合体の両者を併用した粘着剤
組成物も知られている(特公昭53−42345号)。
【0003】一般に粘着剤組成物の保持力を高めるため
には多官能カツプリング剤によって得られる分岐状ブロ
ツク共重合体が使用され、このような分岐状ブロツク共
重合体を効率良く製造する方法として、たとえば、有機
リチウム開始剤の存在下にスチレンを重合し、次いでイ
ソプレンを重合し、さらに、微量のブタジエンを添加し
て、イソプレン重合体ブロツクの重合末端に短いブタジ
エンブロツクを形成した後に、多官能カツプリング剤を
用いてカツプリング反応させる製造方法が、最近報告さ
れている(国際公開公報92/20725号)。しか
し、この場合は、分岐状ブロツク共重合体が高カツプリ
ング率で得られるものの、このようなブロツク共重合体
をベースポリマーとする粘着剤組成物は初期接着力に劣
り、粘着剤としてのバランスに欠けるものである。
【0004】このような粘着剤としてのバランスを良好
なものにするために、分岐状ブロツク共重合体と線状ブ
ロツク共重合体とを組み合わせて用いることが検討され
ている(例えば、特開昭51−26938号公報、特開
昭61−26647号公報など)。しかしながら、従来
公知のブロック共重合体系の熱可塑性エラストマーは、
熱安定性が悪く、例えば、SIS型ブロック共重合体の
場合には、溶融加工時に熱劣化を受けて溶融液の粘度が
急低下し、一方、SBS型ブロック共重合体の場合に
は、溶融加工時に架橋結合して溶融液の粘度が急上昇す
る。また、これら両者のブレンド系でも、加熱時に溶融
粘度が経時変化により急上昇を示す。そのため、これら
のブロック共重合体をベースポリマーとするホットメル
ト型粘着剤は、加工時および塗工作業時の品質の安定を
確保することが難しく、さらに、熱安定性を確保しつつ
高い保持力を示すことが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性エラストマーとしての特性を有すると共に、熱安定
性に優れたブロック共重合体組成物を提供することにあ
る。また、本発明の目的は、高保持力を示し、熱安定性
に優れた粘着剤組成物を提供することにある。本発明者
らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究
した結果、3官能性カツプリング剤を使用して合成した
(S−I−B)3-X型のブロック共重合体と(S−I−
B)型のブロック共重合体との混合物の中でも、結合ブ
タジエン量が多いブロツク共重合体組成物が優れた熱安
定性を示すことを見いだし、この知見に基づいて完成す
るに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、以下〔1〕および〔2〕 が提供される。 〔1〕 一般式(S−I−B)n-Xで表されるブロツク
共重合体(1)と、一般式(S−I−B)または(S−
B−I)で表されるブロツク共重合体(2)とを含有
し、(1)および(2)の重量が(1)/(2)=20
/80〜90/10(重量比)、かつ、IとBとの重量
がI/B=10/90〜45/55(重量比)であるこ
とを特徴とするブロツク共重合体組成物。(式中、Sは
芳香族ビニル化合物の重合体ブロックである。Bはブタ
ジエン重合体ブロックである。Iはイソプレン重合体ブ
ロックである。nは3または4である。Xは3官能また
は4官能カップリング剤の残基である。) 〔2〕 〔1〕のブロック共重合体組成物100重量部
と粘着付与剤50〜300重量部とを配合してなる粘着
剤組成物。
【0007】本発明のブロック共重合体組成物で使用す
るブロック共重合体(1)は、上記のごとく一般式(S
−I−B)n-Xで表されるブロツク共重合体であって、
芳香族ビニル化合物の重合体ブロックSと、イソプレン
の重合体ブロツクIと、ブタジエンの重合体ブロックB
とから成る(S−I−B)型のブロック共重合体が有す
る重合活性末端を、3官能性または4官能性カップリン
グ剤を用いてカップリングさせて得られた構造を有する
分岐状ブロック共重合体である(式中、nは3または4
である。Xはカツプリング剤の残基である)。
【0008】ブロック共重合体(1)のゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)により測定しポリ
スチレン換算重量平均分子量は、50,000〜50
0,000、好ましくは100,000〜400,00
0である。該分子量が前記下限未満では得られる粘着剤
組成物の保持力が不十分となり、また、前記上限超では
得られる粘着剤組成物の加工性が不満足なものとなる。
【0009】一般式中のS、BおよびIは、それぞれ、
実質的に芳香族ビニル化合物の重合体ブロック、実質的
にブタジエン重合体ブロック、および実質的にイソプレ
ン重合体ブロックである場合を含む。ここで、実質的に
とは、相互に少量の他の共重合成分に由来する結合単位
を含んでいる場合、BまたはIが、ブロックの一端から
他端にかけて漸増する比率で少量のスチレン単位を含有
するテーパー型ブロックポリマーである場合、あるいは
BまたはIの少なくとも一部が水素添加により変性され
ている場合等を意味する。
【0010】ブロツク共重合体(1)において使用する
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、o−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチ
レン、ジメチルスチレン、ビニルナフタレン等を挙げる
ことができる。これらの中でも、入手のし易さ、反応
性、およびブロック共重合体の物性の観点等から、特
に、スチレンが好ましい。
【0011】本発明のブロック共重合体組成物で使用す
るブロック共重合体(2)は、上記のごとく一般式(S
−I−B)または(S−B−I)で表されるブロック共
重合体であって、芳香族ビニル化合物、イソプレンおよ
びブタジエンをブロツク共重合することによって得られ
るものである。
【0012】ブロツク共重合体(2)において使用する
芳香族ビニル化合物としては、ブロツク共重合体(2)
の合成に使用するものと同様な化合物が使用される。
【0013】ブロック共重合体(2)のゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポ
リスチレン換算重量平均分子量は、10,000〜30
0,000、好ましくは20,000〜250,000
である。該分子量が前記下限未満では得られる粘着剤組
成物の保持力が不十分となり、また、前記上限超では得
られる粘着剤組成物の加工性が不満足なものとなる。
【0014】本発明で使用するブロック共重合体(1)
および(2)において、結合芳香族ビニル化合物の割合
は、合計で10〜50重量%、好ましくは15〜45重
量%であり、結合ブタジエンの割合は10〜60重量
%、好ましくは、15〜45重量%であり、結合イソプ
レンの割合は10〜60重量%、好ましくは、25〜5
5重量%である。
【0015】結合芳香族ビニル化合物の割合が10重量
%未満であると、ブロック共重合体を粘着剤のベースポ
リマーとした場合に、保持力が低下し、逆に、50重量
%を越えると、タツキネス(粘着性)が低下する。結合
ブタジエンの割合が10重量%未満であるとブロック共
重合体の溶融粘度が経時変化により小さくなると共に保
持力が低下し、逆に、60重量%を越えると溶融粘度が
経時変化により増大する。結合イソプレンの割合が10
重量%未満であるとブロック共重合体の溶融粘度が経時
変化により増大し、逆に、60重量%を越えると溶融粘
度が経時変化により小さくなると共に保持力が低下す
る。
【0016】さらに、本発明においては、結合イソプレ
ンと結合ブタジエンとの重量比が、I/B=10/90
〜45/55(重量比)、好ましくは15/85〜40
/60(重量比)であることが必要である。結合イソプ
レンと結合ブタジエンとの重量比が10/90より小さ
くなるとブロック共重合体の溶融粘度が経時変化により
大きくなると共に、粘着力および保持力が低下し、逆
に、45/55より大きくなると溶融粘度が経時変化に
より減少し、かつ、耐熱性が低下する。
【0017】結合スチレン、結合イソプレンおよび結合
ブタジエンの割合が前記範囲内にあることによって、得
られるブロック共重合体を粘着剤のベースポリマーとし
て使用した場合に、初期接着力、接着力および保持力の
いずれもが良好な優れた粘着剤を得ることができる。ま
た、結合ブタジエンおよび結合イソプレンの割合が前記
範囲内にあることによって、耐熱性に優れ、溶融加工時
に溶融粘度の変化の少ないブロック共重合体を得ること
ができる。
【0018】本発明で使用するブロック共重合体(1)
および(2)は、通常、ブタジエン部分の1,2−ビニ
ル結合の割合が15%以下で、イソプレン部分の3,4
−ビニル結合の割合が10%以下である。また、本発明
で使用するブロック共重合体(1)および(2)は、粘
弾性測定における貯蔵弾性率(G′)が、通常、0℃〜
50℃の範囲において、105 〜3×108 Paで、か
つ、ブタジエン重合体ブロックおよびイソプレン重合体
ブロックに起因する損失正接(tanδ)のピークが、
−80℃〜−50℃の範囲において、1つだけ存在す
る。例えば、S−I−S型ブロック共重合体とS−B−
S型ブロック共重合体をブレンドした場合には、ブタジ
エン重合体ブロックおよびイソプレン重合体ブロックの
それぞれに起因する損失正接(tanδ)のピークが、
−80℃〜−50℃の範囲において2つ現れる。貯蔵弾
性率(G′)が105 Pa未満のブロック共重合体
(1)および(2)からなる組成物を粘着剤のベースポ
リマーとした場合は、保持力が低下し、逆に、3×10
8 Paを越えると、タッキネスが低下するので好ましく
ない。
【0019】本発明で使用するブロツク共重合体(1)
を合成するために使用する3官能性または4官能性カッ
プリング剤は特に限定されないが、例えば、カップリン
グ剤としては、例えば、メチルトリクロロスズ、テトラ
クロロスズなどのスズ系カップリング剤;四塩化ケイ
素、四ブロモケイ素などのハロゲン化ケイ素系カップリ
ング剤;テトラメトキシシランなどのアルコキシシラ
ン;クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロプロ
パン、トリブロモプロパンなどのハロゲン化アルカン等
を挙げることができる。これらの中でも、テトラメトキ
シシランなどが好ましい。
【0020】本発明で使用するブロック共重合体(1)
および(2)は、従来公知の方法により、炭化水素溶媒
中、有機リチウム化合物を重合開始剤として使用し、各
重合体ブロックを逐次重合させることにより製造するこ
とができる。ただし、前記一般式(1)で示される各ブ
ロック共重合体は、S−I−Bの重合体ブロックを逐次
重合させた後、活性末端を利用してカップリング剤によ
るカップリング反応を行わせることにより得ることがで
きる。
【0021】一般式(1)で示されるブロック共重合体
は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤
として、先ず、芳香族ビニル化合物を重合させ、次い
で、イソプレンの重合、および、ブタジエンの重合を逐
次行い、しかる後、3官能性または4官能性カップリン
グ剤を加えて、活性末端を利用してカップリング反応を
行うことにより得ることができる。
【0022】さらに、一般式(2)で示されるブロック
共重合体は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を重
合開始剤として、先ず、芳香族ビニル化合物を重合さ
せ、次いで、イソプレンの重合、ブタジエンの重合を逐
次行うことにより得ることができる。イソプレンの重合
とブタジエンの重合との順番を逆にしてもよい。
【0023】ブロック共重合体の製造に使用する炭化水
素溶媒としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、およびこ
れらとペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ブタンなどとの
混合溶媒等が挙げられる。
【0024】重合開始剤として用いられる有機リチウム
化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec
−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘ
キシルリチウム、iso−ヘキシルリチウム、フェニル
リチウム、ナフチルリチウムなどが挙げられ、通常、モ
ノマー100重量部当り0.01〜1重量部の範囲で用
いられる。
【0025】本発明のブロック共重合体組成物は、ブロ
ック共重合体(1)および(2)を、それぞれ別個に合
成した後、これらを任意の方法により上記重量比率で混
合することによって得てもよく、また、ブタジエンの重
合体ブロツクの重合活性末端を有する(S−I−B)型
のブロック共重合体をカップリングさせるときに、3官
能性または4官能性カップリング剤の種類および量を制
御し、さらに、必要ならば公知のカップリング促進剤を
併用することによって、本発明のブロック共重合体組成
物を一時に得ることも可能である。
【0026】本発明のブロック共重合体組成物を得るた
めのブロック共重合体(1)および(2)の混合方法は
特に限定されず、各成分をブラベンダーやニーダー等で
加熱混合する方法を例示することができる。
【0027】本発明のブロック共重合体組成物は、ブロ
ック共重合体(1)および(2)の重量の間に、(1)
/(2)=20/80〜90/10(重量比)、好まし
くは、(1)/(2)=25/75〜85/15(重量
比)の関係が成立することが必要である。(1)/
(2)が20/80(重量比)未満では粘着剤としての
保持力が低下するので好ましくない。(1)/(2)が
90/10(重量比)を超えると粘着剤としての粘着
力、保持力および耐熱性が低下するので好ましくない。
【0028】本発明のブロック共重合体組成物は、粘着
剤のベースポリマーとして使用することができ、特に、
熱可塑性エラストマーとしての特性と熱安定性を利用し
て、熱溶融型粘着剤組成物のベースポリマーとして好適
に使用することができる。かかる粘着剤組成物は、前記
ブロック共重合体組成物100重量部と、粘着付与剤5
0〜300重量部を含有する。また、軟化剤を0〜10
0重量部の割合で配合してもよい。
【0029】粘着付与剤としては、数平均分子量が30
0〜3,000、JIS K−2207に定められた環
球法に基づく軟化点が60〜130℃の低分子量の樹脂
が好ましく使用できる。具体例としては、例えば、ロジ
ンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、芳香族変性
テルペン樹脂およびそれらの水素化物、テルペンフェノ
ール樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹
脂、芳香族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族・芳
香族共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹
脂およびその水素化物、スチレンまたは置換スチレンの
低分子量重合体などが挙げられる。
【0030】粘着付与剤としては、ブロック共重合体の
ブタジエン重合体ブロックまたはイソプレン重合体ブロ
ックに相溶するものが好ましく、例えば、ポリテルペン
樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂の水素化物
などが好ましい。また、粘着剤組成物の凝集力を向上さ
せる目的で、芳香族ビニル化合物重合体ブロックに相溶
するクマロン・インデン樹脂あるいはスチレンや置換ス
チレンの低分子量重合体を、前記共役ジエン重合体ブロ
ックと相溶する粘着付与剤と共に、配合してもよい。
【0031】軟化剤としては、例えば、パラフィン系プ
ロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プ
ロセスオイルなどの石油系プロセスオイル;ひまし油、
トール油などの天然油;フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
オクチル、アジピン酸ジブチルなどの二塩基酸ジアルキ
ル;液状ポリブテン、液状ポリイソプレンなどの低分子
量液状ポリマー;が挙げられる。これらの中でも、パラ
フィン系プロセスオイルや液状ポリブテンを用いると、
熱や紫外線に対し特に安定で色合いの優れた粘着剤を得
ることができる。
【0032】粘着剤組成物において、粘着付与剤の使用
割合は、ブロック共重合体組成物100重量部に対し、
50〜300重量部、好ましくは30〜180重量部で
ある。粘着付与剤の割合が50重量部未満であると、タ
ッキネスが低下し、逆に、300重量部を越えると、保
持力が低下する。軟化剤の使用割合は、0〜100重量
部、好ましくは5〜150重量部、より好ましくは10
〜130重量部である。この比率を逸脱すると、粘着剤
としてバランスのとれた物性を得ることが難しい。粘着
剤組成物には、本発明の目的を妨げない範囲で他のゴム
成分を配合してもよく、さらに、所望に応じて、酸化防
止剤、顔料、充填剤などの添加剤を適宜配合することが
できる。
【0033】粘着剤組成物の製造方法は、特に限定され
るものではなく、ロール、バンバリーミキサー、タルト
ン混練機などを用いた機械的混合法、撹拌機を備えた溶
融釜あるいは一軸または二軸の押出機を用いて加熱混合
することを特徴とするホットメルト法、適当な溶剤に配
合成分を投入し、これを攪拌することによって粘着剤組
成物の均一な溶液を得る溶剤法など、いずれの方法も用
いることができる。粘着剤組成物は、無溶剤で、あるい
はその溶液を、紙、プラスチックフィルムなどの支持体
に適当な塗布機を用いて均一に塗布し、必要に応じて乾
燥することによって、各種の粘着テープや粘着シートを
製造することができる。
【0034】本発明のブロック共重合体組成物は、熱安
定性に優れており、加熱溶融時における溶融粘度の経時
変化が少ないため、これらをベースポリマーとする粘着
剤組成物は、特に、熱溶融型粘着剤組成物として好適に
使用することができる。本発明の熱溶融型粘着剤組成物
は、溶融温度を高めても溶融粘度の経時変化が少ないた
め、溶融させることにより、無溶剤でも流動性良く支持
体上に塗工することができる。また、粘着剤組成物を支
持体に塗布することなく、熱で溶融させるか適当な溶剤
に溶解するなどの方法で流動化させることによって、接
着剤あるいはシーラントとして使用することもできる。
【0035】また、本発明のブロツク共重合体組成物は
上記粘着剤組成物の用途の他に、その特徴を生かして、
たとえば、シートフイルム、各種形状の射出成形品、中
空成形品等の成形品用途、各種熱可塑性樹脂の改質材、
履物の素材、アスフアルト改質材、電線ケーブルの素
材、加硫ゴム用素材、加硫ゴム改質材、家電製品、自動
車部品、工業部品、家庭用品、玩具等の素材等に適用が
可能である。
【0036】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。なお、本実施例中の部および%は、特に
断りのないかぎり、重量基準である。なお、以下の例に
おける物性の測定法は、次の通りである。 <結合スチレン量、結合ブタジエン量、結合イソプレン
量>NMR(核磁気共鳴吸収)法により測定した(単
位:重量%)。 <重量平均分子量>ブロック共重合体の重量平均分子量
は、高速液体クロマトグラフィー(HCL−802A、
東ソー社製)を用いて測定された分子量分布曲線から、
分子量既知の標準ポリスチレンの分析結果より求められ
る検量線をもとに算出した。測定には、ポリスチレンゲ
ルを充填したカラムG−4000HとG−5000を組
み合わせて用い、カラム温度40℃、キャリア(テトラ
ヒドロフラン)流量1.3m1/min、試料濃度0.
6g/1の条件で測定した(単位:×104)。また、
ブロツク共重合体組成物におけるブロツク共重合体
(1)とブロツク共重合体(2)との割合は、高速液体
クロマトグラフィーにより得られた各共重合体のピーク
面積から求めた(単位:重量比)。
【0037】<粘着物性>粘着剤組成物の調製 次の配合処方により粘着剤組成物を調製し粘着物性を測
定した。具体的には、下記の配合処方により、各成分を
ダルトン混練機にて混練した後、得られた組成物をトル
エンに溶解し(不揮発分濃度50%)、この溶液を25
μm厚のポリエステルフィルム上に糊厚25μmになる
ように塗布して粘着テープを作成した。結果を一括して
表1に示す。 〔粘着剤組成物の配合〕 ブロック共重合体組成物 100部 粘着付与剤(芳香族系石油樹脂の水素化物) 170部 軟化剤(パラフィン系プロセスオイル) 65部 酸化防止剤 1部
【0038】(1)初期接着力は、JIS Z−023
7に準じ、23℃および10℃において、傾斜角30度
のステンレス板上の斜面に、長さ10cmの粘着テープ
を粘着面を上にして貼りつけ、斜面の上方10cmの位
置より直径3/32インチから32/32インチまでの
30種類の大きさの鋼球を初速度0でころがして、粘着
テープ上で停止する最大径の球の大きさで表示した(5
個のボールナンバーの平均値)。 (2)粘着力は、JIS Z−0237に準じ、280
番の耐水研磨紙で研磨したステンレス板に、幅10mm
×長さ100mmとした粘着テープを貼りつけ、23℃
において200mm/分の速度で180度の方向に剥離
して測定した(単位:g/cm)。 (3)保持力は、JIS Z−0237に準じ、前記と
同様に処理したステンレス板に25mm×10mmの面
積が接するように粘着テープを貼りつけ、50℃におい
て1kgの荷重を加えて、粘着テープがステンレス板よ
り脱落するのに要する時間を測定した(単位:分)。 (4)耐熱性試験(S.A.F.T.:Shear A
dhesive Failure Temperatu
re) 粘着テープをステンレス板に25mm×10mmの面積
が接するように貼りつけ、40℃×1時間加熱後、1キ
ログラムの荷重を加えて、0.5℃/分で昇温し、粘着
テープが落下した時の温度を測定した。数値が大きいほ
ど熱安定性が良好である(単位:℃)。
【0039】(参考例:ブロック共重合体組成物の合
成) (1) 乾燥窒素雰囲気下、3リットルのオートクレー
ブにて、1500gのシクロヘキサン溶媒中、n−ブチ
ルリチウム5.7ミリモルを重合開始剤として使用し、
スチレン、イソプレン、およびブタジエンを順次添加し
て重合を行い、しかる後、カップリング剤としてテテト
ラメトキシシランを使用してカップリング反応を行い、
表1に示す(S−I−B)3-X型ブロツク共重合体と
(S−I−B)型ブロック共重合体とからなる10種類
のブロツク共重合体組成物(実施例1〜6および比較例
1〜4に使用)を製造した。得られたブロック共重合体
組成物の結合スチレンの割合は30重量%、結合イソプ
レンの割合は24.5重量%、結合ブタジエンの割合は
45.5重量%である。また、結合イソプレンと結合ブ
タジエンとの重量比はI/B=35/65(重量比)
(実施例1〜3に使用)、20/80(重量比)(実施
例4〜6に使用)、30/70(重量比)(比較例1、
2に使用)、90/10(重量比)(比較例3に使用)
および5/95(重量比)(比較例4に使用)である。
(S−I−B)3-X型ブロツク共重合体の重量平均分子
量は21.6万であり、(S−I−B)型ブロック共重
合体の重量平均分子量は7.2万であった。なお、ブロ
ツク共重合体組成物の重量平均分子量は表1に示す。 (2) 次に、乾燥窒素雰囲気下、3リットルのオート
クレーブにて、1500gのシクロヘキサン溶媒中、n
−ブチルリチウム5.7ミリモルを重合開始剤として使
用し、スチレン、ブタジエンおよびスチレンを順次添加
して重合を行い、(S−B−S)型ブロツク共重合体を
製造した。得られたブロック共重合体の結合スチレン含
量は40重量%、結合ブタジエンの割合は60重量%で
ある。また、重量平均分子量は14.8万であった。 (3) また、同様にして、シクロヘキサン溶媒中、n
−ブチルリチウムを重合開始剤として使用し、スチレ
ン、イソプレンおよびスチレンを順次添加して重合を行
い、(S−I−S)型ブロック共重合体を製造した。得
られたブロック共重合体組成物の結合スチレン含量は1
5重量%、結合イソプレンの割合は85重量%、重量平
均分子量は15万であった。
【0040】(実施例1〜6)参考例で(1)製造した
10種類のブロック共重合体組成物の中、I/B=35
/65および20/80の6種類のものを用いて粘着剤
組成物を調製し粘着物性の測定および熱安定性試験を行
った。結果を表1に示す。
【0041】(比較例1、2)参考例で(1)製造した
ブロック共重合体組成物の中、(S−I−B)3-X型ブ
ロツク共重合体と(S−I−B)型ブロック共重合体と
の割合が本発明で規定する範囲外の2種類のブロック共
重合体組成物を用いて粘着剤組成物を調製し粘着物性の
測定および熱安定性試験を行った。結果を表1に示す。
【0042】(比較例3、4)参考例で(1)製造した
ブロック共重合体組成物の中、I/Bが本発明で規定す
る範囲外の2種類のブロック共重合体組成物を用いて粘
着剤組成物を調製し粘着物性の測定および熱安定性試験
を行った。結果を表1に示す。
【0043】(比較例5)参考例で(2)製造した(S
−B−S)型ブロツク共重合体を用いて粘着剤組成物を
調製し粘着物性の測定および熱安定性試験を行った。結
果を表1に示す。
【0044】(比較例6)参考例で(2)製造した(S
−B−S)型ブロツク共重合体と 参考例で(3)製造
した(S−I−S)型ブロツク共重合体とを50/50
(重量比)で混合したブロツク共重合体組成物を用いて
粘着剤組成物を調製し粘着物性の測定および熱安定性試
験を行った。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1の結果から明らかなように、本発明の
ブロック共重合体組成物を使用した粘着剤組成物(実施
例1〜6) は、粘着力および保持力は高く、かつ、熱安
定性が良好であることが分かる。一方、(S−I−B)
3-X型ブロツク共重合体と(S−I−B)型ブロック共
重合体との割合が本発明で規定する範囲外のブロック共
重合体組成物を使用した場合(比較例1、2)、およ
び、I/Bが本発明で規定する範囲外のブロツク共重合
体組成物を使用した場合(比較例3、4)、そして、
(S−B−S)型ブロツク共重合体や(S−I−S)型
ブロツク共重合体を使用した場合(比較例5、6)には
粘着物性のバランスに劣り、また、熱安定性が不良であ
ることが分かる。
【0047】なお、本発明の具体的な態様は以下のとお
りである。 (1) 一般式(S−I−B)n-Xで表されるブロツク
共重合体(1)と、一般式(S−I−B)または(S−
B−I)で表されるブロツク共重合体(2)とを含有
し、(1)および(2)の重量が(1)/(2)=20
/80〜90/10(重量比)、かつ、IとBとの重量
がI/B=10/90〜45/55(重量比)であるこ
とを特徴とするブロツク共重合体組成物。(式中、Sは
芳香族ビニル化合物の重合体ブロックである。Bはブタ
ジエン重合体ブロックである。Iはイソプレン重合体ブ
ロックである。nは3または4である。Xは3官能また
は4官能カップリング剤の残基である。) (2) 芳香族ビニル化合物がスチレンである(1)の
ブロツク共重合体組成物。 (3) 芳香族ビニル化合物の割合が10〜20重量
%、結合ブタジエンの割合が15〜45重量%、結合イ
ソプレンの割合が20〜70重量%である(1)のブロ
ツク共重合体組成物。 (4) nが3である(1)のブロツク共重合体組成
物。 (5) 一般式(1)のブロツク共重合体の重量平均分
子量が50,000〜500,000であり、一般式
(2)のブロツク共重合体の重量平均分子量が10,0
00〜300,000である(1)のブロツク共重合体
組成物。 (6)(1) のブロック共重合体組成物100重量部と
粘着付与剤50〜300重量部とを配合してなる粘着剤
組成物。 (7)(1) のブロック共重合体組成物100重量部と
粘着付与剤80〜180重量部とを配合してなる粘着剤
組成物。 (8)(1) のブロック共重合体組成物100重量部と
粘着付与剤80〜180重量部および軟化剤5〜150
重量部とを配合してなる粘着剤組成物。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性エラストマー
としての特性を有すると共に、加熱溶融加工時における
溶融粘度の経時変化が少なく、熱安定性に優れた新規な
ブロック共重合体組成物が提供される。また、本発明の
熱安定性に優れたブロック共重合体組成物をベースポリ
マーとする粘着剤組成物は、特に、粘着力および保持力
が高く、熱安定性に優れた熱溶融型粘着剤組成物として
有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(S−I−B)n-Xで表されるブ
    ロツク共重合体(1)と、一般式(S−I−B)または
    (S−B−I)で表されるブロツク共重合体(2)とを
    含有し、(1)および(2)の重量が、(1)/(2)
    =20/80〜90/10(重量比)、かつ、IとBと
    の重量が、I/B=10/90〜45/55(重量比)
    であることを特徴とするブロツク共重合体組成物。(式
    中、Sは芳香族ビニル化合物の重合体ブロックである。
    Bはブタジエン重合体ブロックである。Iはイソプレン
    重合体ブロックである。nは3または4である。Xは3
    官能または4官能カップリング剤の残基である。)
  2. 【請求項2】 請求項1のブロック共重合体組成物10
    0重量部と粘着付与剤50〜300重量部とを配合して
    なる粘着剤組成物。
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WO1998018840A1 (fr) * 1996-10-30 1998-05-07 Nippon Zeon Co., Ltd. Copolymere sequence vinyle aromatique / isoprene, procede de production, et composition d'adhesif autocollant durcissable contenant ce copolymere

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998018840A1 (fr) * 1996-10-30 1998-05-07 Nippon Zeon Co., Ltd. Copolymere sequence vinyle aromatique / isoprene, procede de production, et composition d'adhesif autocollant durcissable contenant ce copolymere
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