JPH0723761A - 食品製造方法及び装置 - Google Patents

食品製造方法及び装置

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JPH0723761A
JPH0723761A JP5169014A JP16901493A JPH0723761A JP H0723761 A JPH0723761 A JP H0723761A JP 5169014 A JP5169014 A JP 5169014A JP 16901493 A JP16901493 A JP 16901493A JP H0723761 A JPH0723761 A JP H0723761A
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光男 永井
Yoshinori Tokugawa
善範 徳川
Bunro Tsuda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は食品製造方法及び装置に関し、特
に、澱粉もしくは蛋白質を主成分とする食品材料からフ
ィルム状の食品を連続的に得ることを特徴とする。 【構成】 本発明による食品製造方法及び装置は、押出
機(1)内で混練・溶融された食品材料を筒ダイ(4)を介し
て筒状体(30)に押出し、この筒状体(30)にエアを吹込ん
で3次元方向に延伸した後、セパレータ(5)により切開
して巻取機(9)で巻取ってフィルム状食品(10)を作るこ
とにより、引張り強さ及び柔軟性の優れたものを作る構
成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品製造方法及び装置
に関し、特に、澱粉もしくは蛋白質を主成分とする食品
材料からフィルム状の食品(以下フィルム食品という)
を連続的に得るための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、押出機内で食品材料を加熱処理
する場合、食品材料自体に含まれた水分及び押出機内途
中で添加された水により、押出機から押出された食品に
は発泡、膨化、気泡の発生などが起こる。そこで、これ
ら発泡、膨化、気泡の発生などを押さえるために水を冷
媒とする冷却ダイが用いられる。この冷却ダイにおい
て、シート状食品を製造するものには、一般的にスリッ
トダイ、円筒ダイと呼ばれるものがある。前者のスリッ
トダイは、平板状またはシート状の形状の材料流路を有
するダイで、押出しの際には、その平板状またはシート
状の上下の両面から冷却を行うものである。また、後者
の円筒ダイ(冷却中空円筒ダイ)と呼ばれるものには、
例えば、特開昭63−303605、特開平2−385
65、特開平1−286655、特開平3−14555
8などがあるが、これらはすべて一度パイプ状に押出
し、そのパイプ状押出物の一部を押出し方向に連続的に
切り開くことで、幅の広い平板状あるいはシート状の押
出物を製造するもので、パイプ状に押出されるものの内
外の両面より冷却を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の平板状またはシ
ート状の食品製造方法及び装置は以上のように構成され
ていたため、次のような課題が存在していた。すなわ
ち、発泡、膨化、気泡の発生などの見られない平板状あ
るいはシート状の押出物を製造する場合には、前述のス
リットダイや円筒ダイを用いればよいが、これら冷却ダ
イによる製造では、数mmの厚さのシートが限界であ
り、幅が広く、さらに薄いフィルムを均一に押出すこと
はできなかった。また、本発明者らは、押出されたシー
ト状の食品をさらにうすくするために延伸を試みたとこ
ろ、発泡しない程度に冷却されたシート状の食品は柔ら
かすぎてチャックで挟んで延伸することはできなかっ
た。これに対して、ダイの冷却を強めてシート状の食品
をチャックで挟めるまで冷却すると、シート状の食品は
硬く成りすぎて延伸は殆どできなかった。また、押出し
後のシート状の食品を130℃前後の雰囲気温度下にお
いて僅かに延伸することができたが、水分が蒸発して柔
軟性が無くなる等の問題があった。これらの結果より、
食品をフィルム状にする場合、食品材料は冷却されると
流動性が極めて悪くなるため、ダイにおいて単純な構造
で、かつ、短い流路で発泡などを押さえるための冷却を
行い、まだ食品が熱く、柔らかい状態で冷却機能を有し
た力を加え延伸を行う必要があることが判明した。
【0004】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、澱粉もしくは蛋白質を主成
分とする食品材料からフィルム状のフィルム食品を連続
的に得るようにした食品の製造方法及び装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による食品製造方
法は、押出機内で混練・溶融された食品材料を筒ダイを
介して筒状体として押出し、この筒状体にエアを吹込ん
で延伸した後、セパレータにより切開してフィルム状の
食品を得る方法である。
【0006】さらに詳細には、筒状体は、筒ダイにおい
て発泡を押える温度まで冷却される方法である。
【0007】さらに詳細には、エアをセパレータ側から
筒状体に対して連続的に吹込む方法である。
【0008】本発明による食品製造装置は、食品材料を
混練・溶融する押出機と、該押出機の先端部に設けら
れ、中心部に貫通する第1エア流路を有し、吐出部周囲
に冷却ジャケットを有する筒ダイと、該筒ダイの吐出部
から離間して設けられ、先端部に円錐形部を有し、円錐
形部の先端面に吹出し口を有する第2エア流路を有する
セパレータとよりなる構成である。
【0009】さらに詳細には、セパレータの下流に巻取
機を設けた構成である。
【0010】
【作用】本発明による食品製造方法及び装置において、
押出機本体から押出された溶融した食品材料が、筒ダイ
のチューブ状の材料流路を圧送される間に第1エア流路
及び冷却ジャケットを流動する冷却媒体により発泡しな
い温度まで冷却され、チューブ状に押出される。このチ
ューブ状に押出された食品は、対面するセパレータ先端
部の円錐形部に到る。筒ダイ吐出部からセパレータ先端
部に達するチューブ状食品は、その内部にセパレータ先
端面から吹込まれるエアを流動させ、エアの圧力により
筒ダイから吐出した直後の熱く柔らかい状態で膨らみ、
三次元方向に延伸され、その後冷却されるとともに乾燥
されてセパレータに到る。セパレータの先端面から吹出
したエアは、チューブ状食品から熱を奪い、水分を奪
い、筒ダイの吐出部付近に到ってチューブ状食品を膨張
させ、筒ダイの第1エア流路を通過して溶融状態の食品
材料から熱を奪い、放出される。続いて、延伸された筒
状食品はセパレータに取り付けられたカッターにより切
開されてフィルム状食品となり、ロールを経て巻取機に
より巻き取られる。従って、食品材料から均質な可食性
フィルムとしてのフィルム食品を連続的かつ安定的に製
造することが可能である。また、押出した食品材料をエ
アにより3次元方向に延伸して薄いフィルム状とするた
め、ダイでの食品材料の材料流路の隙間を高精度に薄く
保つ必要が無く、ダイを安価に製造することができる。
更に、延伸用のエアを連続的に流すことにより押出され
た食品材料の乾燥を行い、巻取り後のフィルム同士の張
り付きを防ぐ、また、押出された食品材料は3次元方向
に延伸されるため、製造されたフィルムは強靱で柔軟な
ものとなる。
【0011】
【実施例】以下、図面と共に本発明による食品製造方法
及び装置の好適な実施例について詳細に説明する。図1
は、本発明の食品製造方法に適用する装置の一実施例の
状態を示す構成図、図2は、図1の要部を示す概略拡大
縦断面図、図3は、図2のダイの正面図、図4は図3の
上側面図、図5は図1のセパレータの拡大縦断面図であ
る。
【0012】図1及び図2において符号1で示されるも
のはスクリュ2を有するシリンダ2A及びダイホルダ3
からなる押出機であり、この押出機1のダイホルダ3に
は筒ダイ4が設けられている。この筒ダイ4の下方の近
傍位置には、セパレータ5が設けられており、このセパ
レータ5及びダイ4はエアポンプ6からそれぞれバルブ
23,24を介してエア配管7が配設されている。な
お、この筒ダイ4は、円筒、角筒、三角筒、多角筒の何
れでも可である。
【0013】前記セパレータ5の下流側には、ガイドロ
ーラ8を介して巻取機9が設けられており、この巻取機
9は最終製品であるフィルム食品10を巻取るように構
成されている。
【0014】前記筒ダイ4は、図2で示すように構成さ
れている。すなわち、この筒ダイ4を構成する中空箱状
体11のフランジ部11aはダイ取付ボルト12を介し
てダイホルダ3に固定されており、この中空箱状体11
内に形成されほぼL字型をなす材料流路13の入口13
aは前記ダイホルダ3の出口3aと連通し、この材料流
路13内には断面形状がほぼT型をなし第1エア流路1
4を中心部に貫通して有する筒体15が設けられてい
る。
【0015】前記筒体15は取付ボルト16を介して前
記中空箱状体11に固定され、この筒体15の筒部15
aは下方に垂下し、この筒体15の下部には前記中空箱
状体11の材料流路13の下部位置において筒状ノズル
17が形成されている。
【0016】前記中空箱状体11の下部外周位置には、
冷媒としてのエアを案内するための冷却ジャケット18
が設けられ、この冷却ジャケット18により前記中空箱
状体11の下部が冷却されるように構成されている。
【0017】前記筒体15の上部に形成され前記第1エ
ア流路14の排気口15bには流量調整用のバルブ19
が取付けられている。ジャケット18にはエア入口18
a及びエア出口18bが設けられ、エア入口18aは図
1で示すように前記エア配管7によりバルブ24を介し
てエアポンプ6に接続されている。前記セパレータ5に
は、L字型に形成された配管からなる第2エア流路20
が設けられ、エア配管7によりバルブ23を介してエア
ポンプ6に接続されている。前記第1エア流路14と第
2エア流路20とは、図1で示されるように、筒状ノズ
ル17から垂下した筒状体30により連通するように構
成され、前記セパレータ5の上部には、円錐状をなす円
錐形部21が形成され、この円錐形部21の下部外周に
はカッター刃22が一体状に形成されていると共に、こ
の第2エア流路20の上端20aはこの円錐形部21の
上面21aに面して開口している。
【0018】次に動作について説明する。押出機1から
押出された食品材料(図示せず)が入口13aを経て、
材料流路13に圧送される。この食品材料が材料流路1
3を圧送される間に、ジャケット18により発泡しない
温度まで冷却されて筒状ノズル17から下方に押出され
た筒状体30はセパレータ5の円錐形部21に接合し、
この筒状食品30により各エア流路14,20が密合し
て連通した状態となる。次に、エアーポンプ6の作動に
より、セパレータ5の第2エア流路20の上部からエア
が連続的にこの筒状体30を介して第1エア流路14側
に送り込まれると、バルブ19の圧力調整作用によりダ
イ4とセパレータ5との間の筒状体30内に圧力が発生
し筒状体30が3次元方向に延伸される(図1は延伸後
の状態を示す)。この時、延伸の度合いはバルブ19の
開度で調節する。
【0019】前述の延伸された筒状体30は、巻取機9
で巻きとられる時に引張られ、その引張作用によって、
セパレータ5のカッター刃22で切開されることにより
フィルム状のフィルム食品10となり、ロール8を経て
前記巻取機9で巻き取られる。また、この巻取機9の巻
取速度を大きくしてフィルム状食品10を引張り加減に
巻取ることにより、筒状体30を延伸することも可能で
ある。さらに、エアポンプ6からセパレータ5及び冷却
ジャケット18へ供給されるエアは、それぞれ、バルブ
23,24によりその供給量が調節されるとともに、エ
アの温度、湿度、清浄度等の性状を必要に応じて制御す
ることも可能である。
【0020】
【実験例】本実験例の筒ダイ4を、二軸押出機(日本製
鋼所:TEX−L;スクリュ外径30mm、L/D=1
0)に取り付け、食品材料として分離蛋白質(不二製油
フジプロSE)を用いて押出しを行なった。押出機1
に、分離蛋白質を0.3kg/h、水(グリセリン:水
=1:2)を0.3kg/hでシリンダ2Aに供給し、
スクリュ2でシリンダ2A先端に送りながらシリンダ2
Aにより加熱しながら混練・溶融を行い、ダイホルダ3
を通して筒ダイ4の入口13aに溶融した分離蛋白質を
押出した。スクリュ2は200rpmで回転させ、スクリ
ュ2は、加熱部分に図示しないリバーススクリュおよび
ニーディングスクリュを組み合わせた形状とし、シリン
ダ2Aは150℃に加熱した。この時、シリンダ2A先
端における材料温度は158℃、圧力は26kg/cm2であ
った。延伸用エアおよび冷却用エアは、マイクロエアー
ポンプ6(MF−30)を用い、冷却用エアのエア量は
ポンプ6のバルブ(図示せず)で調節した。この結果、
黄褐色の透明(厚み30〜45μ)な大豆蛋白の可食性
フィルムからなるフィルム状食品10を連続的に得るこ
とができた。また、筒状ノズル17からの筒状体30は
バルブ19によりエア量を変化させることにより、外径
で1〜4倍の範囲、肉圧で0.5mm〜15μの範囲で
延伸することができた。
【0021】なお、押出機1の運転を容易にかつ安定的
に行うには、筒ダイ4の材料流路13の筒状ノズル17
に連通する隙間(筒体15の筒部15aと中空箱状体1
1の内壁11a間の隙間)は、0.4mm以上、吐出端
部では0.4mm〜1.0mmの範囲が良好であり、目的
のフィルム食品10の幅および厚みに合わせて、材料流
路3の外径、厚さおよびエア量により変化させることが
できる。吐出端部の隙間が、0.4mmより小さい場合
は食品材料の流動が不安定になり、1.0mmを越える
と食品材料の厚み方向に温度勾配が発生してその後の延
伸が不安定かつ困難になる。また、本実施例のダイ4
は、入口13aとの交差以降の筒体15の形状を単なる
円錐形にしたが、筒体15外周に単数もしくは複数の螺
旋溝が切ってあってもよく、また、入口13aと材料流
路13は直角にすることなく同一方向に位置してもよ
い。
【0022】
【発明の効果】本発明による食品製造方法及び装置は以
上のように構成されているため、次のような効果を得る
ことができる。 1) エアにより筒状食品を3次元方向に延伸すること
により、製造された可食性フィルム(フィルム状食品)
は、引張り強さ、柔軟性の優れたものにすることができ
る。 2) 延伸のためのエアを連続で流すことにより、筒状
食品の乾燥が行え、巻取後の張り付きを防ぐことができ
る。 3) 延伸のためのエア量を調節することにより、可食
性フィルムの幅および肉厚を自在に調節することができ
る。 4) ダイの構造、形状が簡単ですむため、安価にダイ
が製造できた。 5) 食品材料の処理に押出機を用いるため連続的に加
工でき、均一で薄い未発泡の可食性フィルムが安定的に
製造できた。など顕著な効果を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による食品製造方法に適用した装置の一
実施例を示す構成図である。
【図2】図1の要部を示す概略拡大縦断面図である。
【図3】図2のダイ正面図である。
【図4】図3の上側面図である。
【図5】図1のセパレータの拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 押出機 4 筒ダイ 5 セパレータ 9 巻取機 10 フィルム状食品 13 材料流路 14 第1エア流路 15 筒体 17 筒状ノズル 19 バルブ 20 第2エア流路 22 カッター刃 30 筒状体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機(1)内で混練・溶融された食品材
    料を筒ダイ(4)を介して筒状体(30)として押出し、この
    筒状体(30)にエアを吹込んで延伸した後、セパレータ
    (5)により切開してフィルム状の食品(10)を得ることを
    特徴とする食品製造方法。
  2. 【請求項2】 筒状体(30)は、筒ダイ(4)において発泡
    を押える温度まで冷却されることを特徴とする請求項1
    記載の食品製造方法。
  3. 【請求項3】 エアをセパレータ(5)側から筒状体(30)
    に対して連続的に吹込むことを特徴とする請求項1また
    は2記載の食品製造方法。
  4. 【請求項4】 食品材料を混練・溶融する押出機(1)
    と、該押出機(1)の先端部に設けられ、中心部に貫通す
    る第1エア流路(14)を有し、 吐出部周囲に冷却ジャケット(18)を有する筒ダイ(4)
    と、 該筒ダイ(4)の吐出部から離間して設けられ、先端部に
    円錐形部(21)を有し、 円錐形部(21)の先端面(21a)に吹出し口(20a)を有する第
    2エア流路(20)を有するセパレータ(5)とで構成したこ
    とを特徴とする食品製造装置。
  5. 【請求項5】 セパレータ(5)の下流に巻取機(9)を設け
    たことを特徴とする請求項4記載の食品製造装置。
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