JPH0723703A - 凍結卵のゲル化防止剤 - Google Patents

凍結卵のゲル化防止剤

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JPH0723703A
JPH0723703A JP5163588A JP16358893A JPH0723703A JP H0723703 A JPH0723703 A JP H0723703A JP 5163588 A JP5163588 A JP 5163588A JP 16358893 A JP16358893 A JP 16358893A JP H0723703 A JPH0723703 A JP H0723703A
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JP
Japan
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frozen
eggs
egg
agent
gelatinization
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Pending
Application number
JP5163588A
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English (en)
Inventor
Yasushi Miura
靖 三浦
Akifumi Yuki
明文 結城
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 サイクロフラクタンおよび/またはトレハ
ロースを有効成分とする凍結卵のゲル化防止剤。 【効果】 従来のゲル化防止剤に比べて、解凍後のゲル
化が起き難く、さらには、味を付加せず、卵黄表面のつ
やを保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凍結卵の新規なゲル化
防止剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】凍結卵は、貯蔵、運搬の効率化を目的と
して卵の内容物を凍結させたものであり、例えば鶏卵を
割り、内容のみを凍結させた冷凍全卵と、卵黄と卵白と
を分離して凍結させたものとがある。一般的な凍結卵の
製造プロセスは、1)割卵して液卵を分離し、撹拌を行
い均一にする、2)0℃程度に予冷し、3)−15〜−
25℃で数時間凍結させることにより製造し、4)−6
〜−8℃で貯蔵する、というものである。その用途は、
予め7〜10℃で解凍して製菓、製パン、マヨネーズ製
造などに生卵と同様に用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、凍結卵を使用
する際に解凍すると、ゲル化を生じる。そこで、従来よ
り、例えば凍結卵黄にあっては、マヨネーズなどの原料
とするものには塩化ナトリウムを5重量%程度、製菓原
料用のものにはシュクロースなどを10重量%程度の添
加量で加え、ゲル化防止を行っている。しかし、これら
のゲル化防止剤は充分なゲル化防止効果を有しておら
ず、解凍後の粘度上昇が大きいため、未凍結の液卵に比
べて取扱いが非常に困難であり、また、解凍後には卵黄
のつやが消失し、しかも最終製品の風味に影響を及ぼす
などの問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
充分な効果を有するゲル化防止剤を提供すべく種々検討
した結果、特定の化合物を使用すると凍結卵のゲル化防
止に顕著な効果があることを見い出し、本発明に到達し
た。すなわち、本発明の要旨は、サイクロフラクタンお
よび/またはトレハロースを有効成分とする凍結卵のゲ
ル化防止剤に存する。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて用いられるサイクロフラクタンとは、D−フラク
トース分子が6〜8個、β−2,1グリコシド結合によ
り環状に結合したオリゴ糖である。一方、D−グルコー
ス分子がα−1,4グリコシド結合で6〜8個環状に結
合したサイクロ−α−1,4′−グルコオリゴ糖(以
下、サイクロデキストリンという。)が既に工業化さ
れ、主に食品分野で包接剤として利用されている。本発
明において用いられるサイクロフラクタンと従来より公
知のサイクロデキストリンとは全く別個の物質である。
サイクロフラクタンは、キクイモ、チコリ、ダリヤ等の
根茎の炭水化物の主成分であるイヌリン、すなわちフラ
クトースがβ−2,1−グリコシド結合した直鎖状のフ
ラクタンを原料にして、Bacillus circu
lans MCI−2554などの菌を用いた発酵法で
生産される。本発明では、フラクトース6〜8分子から
構成されるサイクロフラクタンの種類を限定せず、これ
らを単独、あるいは2以上の種類の異なるサイクロフラ
クタンの混合物として使用しても構わない。
【0006】一方、トレハロースとは、D−グルコース
2分子から構成される非還元グルコオリゴ糖で、グリコ
シド結合様式により3種類の構造異性体がある。すなわ
ち、α−D−グルコピラノシル−(1→1)α−D−グ
ルコピラノシドであるα,α体(通称トレハロース、別
称ミコース)は菌類や紅藻類、酵母、昆虫、トレハラマ
ンナなどに存在し、α−D−グルコピラノシル−(1→
1)β−D−グルコピラノシドであるα,β体(通称ネ
オトレハロース)は麹汁などに存在し、β−D−グルコ
ピラノシル−(1→1)β−D−グルコピラノシドであ
るβ,β体(通称イソトレハロース)はデンプン加水分
解物中に存在が確認されている。この物質を得る方法に
は天然物からの抽出法、リゾクトニア属菌やスクレロチ
ウム属菌、Enterobacter属菌、Erwin
ia属菌などの微生物による発酵法が行われている。本
発明においては、トレハロースをα,α体に限定するも
のではないが、α,α体が望ましく、これらの構造異性
体の混合物であっても構わない。
【0007】本発明においてサイクロフラクタンおよび
/またはトレハロースの使用量は、卵種、卵の鮮度、水
分、凍結および解凍の温度および時間、凍結貯蔵の温度
および期間などの他、後記する他のゲル化防止剤との併
用、さらには、凍結卵を用いて製造する食品によって異
なるが、生卵や、凍結卵を解凍したものを用いて製造す
る食品が、甘味を呈するものでなければ、一般的には全
卵や卵黄などの液卵に対して0.5〜10重量%、好ま
しくは1〜6重量%の範囲から適宜選択される。使用量
が0.5重量%より少ないと、ゲル化防止の効果が出
ず、凍結卵の解凍後に、ゲル化してしまい、かつ、卵黄
表面のつやが失われる。又、10重量%以上だと、凍結
卵のゲル化防止効果は充分であるが、液卵が甘味を呈し
てしまい、甘味を呈する食品の製造に使用することは何
ら問題を生じないが、甘味を呈しない食品の製造に使用
するには不向きとなる。サイクロフラクタンとトレハロ
ースを併用する際には、両者を任意の比率で用いること
が可能である。
【0008】また、本発明の凍結卵のゲル化防止剤は、
従来の凍結卵のゲル化防止剤と同様に、糖類、糖アルコ
ール類、油脂、タンパク質、ペプチド、乳化剤などを適
宜配合してもよく、かかる場合、各添加剤の作用効果は
損なわれることなく十分発揮される。本発明の凍結卵の
ゲル化防止剤が適用される原料卵としては、代表的には
鶏卵、あひる卵、うずら卵等の鳥類の卵が挙げられる
が、この外にリポプロティンを含有する他の動物卵も同
様に使用することが可能である。
【0009】なお、凍結卵のゲル化防止剤は、リボン羽
根ミキサー、ニーダーなどの撹拌機あるいは混合機を用
いて凍結処理前の液卵に添加される。凍結卵のゲル化は
凍結解凍中に主に卵黄中の低密度リポプロティンの単分
子層収着水および多分子層収着水などの不凍水、および
毛管凝縮水などの限界水分量が変化して低密度リポプロ
ティンが不可逆的に凝集することによるものと言われて
いる(若松利男:食品タンパク質の科学 −テクスチャ
ーとレオロジー編−、pp.81〜101(198
6))。したがって、本発明のゲル化防止剤は、分散相
の水分子配列の規則性を向上させ低密度リポプロティン
分子の選択的水和を促進すると共に粗い氷晶を不均一に
成長させずに細かい氷晶のまま均一に分散させているも
のと考えられる。
【0010】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1〜2、比較例1〜6 割卵し、卵白およびカラザおよび卵黄膜を除去後、撹拌
して均一にした卵黄100gに、これに対して表1に示
したように、サイクロフラクタン(三菱化成(株)製、
フラクトース6分子からなる成分含量が73重量%、フ
ラクトース7分子からなる成分含量が22重量%、フラ
クトース8分子からなる成分含量が5重量%)、トレハ
ロース(特級、二水和物、東京化成工業(株)製)、シ
ュクロース(特級、和光純薬工業(株)製)、サイクロ
デキストリン(日本食品化工(株)製、α−サイクロデ
キストリンである商品名「セルデックスα−CD、Aグ
レード」とβ−サイクロデキストリンである商品名「セ
ルデックスβ−CD、Nグレード」とγーサイクロデキ
ストリンである商品名「セルデックスγ−CD、Aグレ
ード」を重量比で73:22:5で混合した物)、ラク
チトール(特級、二水和物、フナコシ薬品(株)製)、
還元低分子直鎖オリゴ糖(商品名「オリゴトースH−7
0」、三菱化成食品(株)製、Brix70、構成単糖
の重合度が3以下の糖アルコール含量が81重量%)、
塩化ナトリウム(特級、キシダ化学(株)製)を卵黄に
対して5重量%になるように各々添加した。さらに、ゲ
ル化防止剤が粉体状の場合には液状のゲル化防止剤が付
随する水分相当量を添加して水分含量を調整した後、撹
拌機で10分間撹拌して生卵黄を製造した。次に、この
生卵黄をガラス製容器に充填して密封し、5℃で一夜静
置の後に−26.0±0.5℃で凍結し−26±0.5
℃で保存して凍結卵黄を製造した。
【0011】この凍結卵黄を3日後取り出し、25.0
±0.1℃の恒温水槽内にガラス製容器を1時間浸漬し
てガラス製容器内の凍結卵黄を解凍し、若松らの方法
(若松利男・佐藤泰・斉藤芳子:農化誌、54、951
(1980))に準じて解凍後の卵黄の見かけの粘度を
測定した。すなわち、E型粘度計(EHタイプ、東京計
器)を用い、コーン角が1°34′で半径が2.4cm
のコーンを使用して、品温を25.0±0.1℃に保持
しつつ回転速度(せん断速度)1rpm(3.83se
-1)で1分間の定常せん断を与えた後、見かけの粘度
を測定した。
【0012】結果は、表−1に示したとおりである。す
なわち、本発明の凍結卵のゲル化防止剤を添加して製造
した凍結卵黄は、従来から凍結卵のゲル化防止剤として
用いられているシュクロースや塩化ナトリウムを添加し
て製造した凍結卵黄に比べて見かけの粘度が低いまま保
持された。また、甘味が殆ど感じられないばかりでな
く、従来からの凍結卵のゲル化防止剤を添加したものに
比べて卵黄表面のつやが向上した
【0013】
【表1】 *せん断速度3.83sec-1
【0014】
【発明の効果】本発明の凍結卵のゲル化防止剤を添加し
て製造された凍結卵は、従来法で製造したものに比べて
ゲル化が起き難いので長期間の冷凍貯蔵が可能である。
つまり解凍後の粘度が低いまま保持されるので、卵製品
の製造の際の操作性が良好であるばかりでなく、凍結前
の卵の加工特性が保持されるので卵加工業にとって画期
的な有益性をもたらす。さらに、本発明の凍結卵のゲル
化防止剤は、物理的ならびに化学的に安定で、液卵の褐
色変化を起こしにくく、かつ、液卵に味を付加せずにゲ
ル化防止の効果を発揮する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイクロフラクタンおよび/またはトレ
    ハロースを有効成分とする凍結卵のゲル化防止剤。
JP5163588A 1993-07-01 1993-07-01 凍結卵のゲル化防止剤 Pending JPH0723703A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5163588A JPH0723703A (ja) 1993-07-01 1993-07-01 凍結卵のゲル化防止剤

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JP5163588A JPH0723703A (ja) 1993-07-01 1993-07-01 凍結卵のゲル化防止剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0723703A true JPH0723703A (ja) 1995-01-27

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ID=15776773

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JP5163588A Pending JPH0723703A (ja) 1993-07-01 1993-07-01 凍結卵のゲル化防止剤

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JP (1) JPH0723703A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009123680A1 (en) * 2008-03-31 2009-10-08 Cargill, Incorporated Soft frozen liquid egg product
US9175006B2 (en) 2009-06-17 2015-11-03 Board Of Regents, The University Of Texas System Compositions and methods for cyclofructans as separation agents
CN115251318A (zh) * 2022-06-16 2022-11-01 浙江工业大学 一种防止冷冻蛋清液聚集变性及提高功能特性的方法

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