JPH07236979A - 抵抗溶接装置及び抵抗溶接方法 - Google Patents
抵抗溶接装置及び抵抗溶接方法Info
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- JPH07236979A JPH07236979A JP6056666A JP5666694A JPH07236979A JP H07236979 A JPH07236979 A JP H07236979A JP 6056666 A JP6056666 A JP 6056666A JP 5666694 A JP5666694 A JP 5666694A JP H07236979 A JPH07236979 A JP H07236979A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 液中で空気を遮断すると同時に被溶接物の冷
却を早め、被溶接物の変色を防止すること。 【構成】 セット治具11の支持台13を液体2より浮
上させた後、被溶接物3を支持台13上にセットする。
次に、セット治具11を駆動して被溶接物3を液槽1内
に入れてある液体2の中に没するように支持台13を下
動させる。次に、抵抗溶接機21のヘッド22を下動さ
せ、ホルダー23の先端部の電極24,25を液体2の
中に埋没させる。このときホルダー23は開拡してお
り、電極24,25が液体2内に没した後に被溶接物3
の溶接部位を両側から挟持する。そして、電極24,2
5により被溶接物3の溶接部位を加圧して、所定の時
間、所定の電流値でもって通電し、液中に埋没した被溶
接物3を液中にて溶接する。
却を早め、被溶接物の変色を防止すること。 【構成】 セット治具11の支持台13を液体2より浮
上させた後、被溶接物3を支持台13上にセットする。
次に、セット治具11を駆動して被溶接物3を液槽1内
に入れてある液体2の中に没するように支持台13を下
動させる。次に、抵抗溶接機21のヘッド22を下動さ
せ、ホルダー23の先端部の電極24,25を液体2の
中に埋没させる。このときホルダー23は開拡してお
り、電極24,25が液体2内に没した後に被溶接物3
の溶接部位を両側から挟持する。そして、電極24,2
5により被溶接物3の溶接部位を加圧して、所定の時
間、所定の電流値でもって通電し、液中に埋没した被溶
接物3を液中にて溶接する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気中で抵抗溶接をし
た場合に、電極近傍の被溶接物が加熱され、被溶接物の
表面が酸化されることによって変色するような材質の被
溶接物をスポット溶接やシーム溶接等の抵抗溶接をする
場合の抵抗溶接装置及び抵抗溶接方法に関するものであ
る。
た場合に、電極近傍の被溶接物が加熱され、被溶接物の
表面が酸化されることによって変色するような材質の被
溶接物をスポット溶接やシーム溶接等の抵抗溶接をする
場合の抵抗溶接装置及び抵抗溶接方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】抵抗溶接におけるスポット溶接やシーム
溶接は、空気中で実施されており、溶接中に発生した熱
は、電極近傍や溶接電流が流れた流路となった部分を加
熱し、これにより被溶接物の表面が酸化されて変色す
る。
溶接は、空気中で実施されており、溶接中に発生した熱
は、電極近傍や溶接電流が流れた流路となった部分を加
熱し、これにより被溶接物の表面が酸化されて変色す
る。
【0003】そこでこの変色を防止する方法として、次
に示す方法が従来から用いられている。 一般には「焼け」と呼ばれている表面変色を防ぐた
めに不活性ガスや窒素ガスを吹きつけて溶接部位を空気
から遮断したり、又はチャンバン内で上記ガスを空気と
置換して溶接部位を空気から遮断している。 また、シーム溶接では、表面変色を防止するという
よりも電極接触部を冷却する意味で水を吹きつけて、部
分的に冷却している。
に示す方法が従来から用いられている。 一般には「焼け」と呼ばれている表面変色を防ぐた
めに不活性ガスや窒素ガスを吹きつけて溶接部位を空気
から遮断したり、又はチャンバン内で上記ガスを空気と
置換して溶接部位を空気から遮断している。 また、シーム溶接では、表面変色を防止するという
よりも電極接触部を冷却する意味で水を吹きつけて、部
分的に冷却している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
変色防止方法にも以下に示すような問題点を有してい
る。 不活性ガスの吹きつけでは、被溶接物が平板状であ
る場合は比較的ガスシールドが容易であるが、被溶接物
の形状が曲面や、突起状など複雑な場合には一様にガス
シールドすることが困難である。 溶接部を部分的にチャンバン内に入れて、シールド
ガスで置換することやチャンバン内を真空にすること
は、原理的には可能で空気を遮断できるが、生産現場で
は時間と手間がかかり、実用的ではない。 シリーズスポット溶接のように、電極間距離が長く
溶接部以外の被溶接部材に溶接電流が流れる場合は、広
い面積をシールドする必要がある。 シーム溶接のように水を導水管で溶接部へ吹きつけ
る方法では、局部の冷却には有効であるが、被溶接物を
空気から遮断して変色を防ぐには有効ではない。
変色防止方法にも以下に示すような問題点を有してい
る。 不活性ガスの吹きつけでは、被溶接物が平板状であ
る場合は比較的ガスシールドが容易であるが、被溶接物
の形状が曲面や、突起状など複雑な場合には一様にガス
シールドすることが困難である。 溶接部を部分的にチャンバン内に入れて、シールド
ガスで置換することやチャンバン内を真空にすること
は、原理的には可能で空気を遮断できるが、生産現場で
は時間と手間がかかり、実用的ではない。 シリーズスポット溶接のように、電極間距離が長く
溶接部以外の被溶接部材に溶接電流が流れる場合は、広
い面積をシールドする必要がある。 シーム溶接のように水を導水管で溶接部へ吹きつけ
る方法では、局部の冷却には有効であるが、被溶接物を
空気から遮断して変色を防ぐには有効ではない。
【0005】このように被溶接物の表面の変色を防止す
るための従来技術では、現場作業上において空気を容易
に遮断することは困難であった。
るための従来技術では、現場作業上において空気を容易
に遮断することは困難であった。
【0006】本発明は上述の点に鑑みて提供したもので
あって、被溶接物を液槽の液体内で支持し、液体内で溶
接を行うことで、液中で空気を遮断すると同時に被溶接
物の冷却を早め、被溶接物の変色を防止することを目的
とした抵抗溶接装置及び抵抗溶接方法を提供するもので
ある。
あって、被溶接物を液槽の液体内で支持し、液体内で溶
接を行うことで、液中で空気を遮断すると同時に被溶接
物の冷却を早め、被溶接物の変色を防止することを目的
とした抵抗溶接装置及び抵抗溶接方法を提供するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
抵抗溶接装置によれば、内部に液体2を入れた液槽1
と、被溶接物3を挟持して該被溶接物3に加圧,通電を
行う電極24,25を備えたヘッド22を有する抵抗溶
接機21とを設け、上記液槽1もしくは抵抗溶接機21
のヘッド22のいずれかを上下動させて上記被溶接物3
を液体2内で溶接を行うようにしたことを特徴としてい
る。
抵抗溶接装置によれば、内部に液体2を入れた液槽1
と、被溶接物3を挟持して該被溶接物3に加圧,通電を
行う電極24,25を備えたヘッド22を有する抵抗溶
接機21とを設け、上記液槽1もしくは抵抗溶接機21
のヘッド22のいずれかを上下動させて上記被溶接物3
を液体2内で溶接を行うようにしたことを特徴としてい
る。
【0008】請求項2記載の抵抗溶接装置によれば、内
部に液体2を入れた液槽1と、この液槽1内に配設され
て被溶接物3のセット時には浮上し溶接時には液体2内
に埋没する上下動自在なセット治具11と、上記被溶接
物3の溶接時に液体2内の被溶接物3に加圧,通電を行
う電極24,25を備え上下動自在なヘッド22を有す
る抵抗溶接機21とを備えたことを特徴としている。
部に液体2を入れた液槽1と、この液槽1内に配設され
て被溶接物3のセット時には浮上し溶接時には液体2内
に埋没する上下動自在なセット治具11と、上記被溶接
物3の溶接時に液体2内の被溶接物3に加圧,通電を行
う電極24,25を備え上下動自在なヘッド22を有す
る抵抗溶接機21とを備えたことを特徴としている。
【0009】請求項3記載の抵抗溶接方法によれば、抵
抗溶接機21のヘッド22の電極24,25にて被溶接
物3を挟持し、その後、内部に液体2を入れた液槽1も
しくは上記抵抗溶接機21のヘッド22のいずれかを上
下動させて上記被溶接物3を液体2内に埋没させ、上記
ヘッド22の電極24,25で上記被溶接物3を加圧,
通電を行うことにより液体2内で溶接を行うようにした
ことを特徴としている。
抗溶接機21のヘッド22の電極24,25にて被溶接
物3を挟持し、その後、内部に液体2を入れた液槽1も
しくは上記抵抗溶接機21のヘッド22のいずれかを上
下動させて上記被溶接物3を液体2内に埋没させ、上記
ヘッド22の電極24,25で上記被溶接物3を加圧,
通電を行うことにより液体2内で溶接を行うようにした
ことを特徴としている。
【0010】また、請求項4記載の抵抗溶接方法によれ
ば、液槽1内に配設され液体2より浮上している上下動
自在なセット治具11に被溶接物3をセットし、上記セ
ット治具11を下動させて上記被溶接物3を液体2内に
埋没させ、抵抗溶接機21の上下動自在なヘッド22を
液体2内に埋没させて該ヘッド22の電極24,25で
上記被溶接物3を挟持して加圧,通電を行うことにより
液体2内で溶接を行うようにしたことを特徴としてい
る。
ば、液槽1内に配設され液体2より浮上している上下動
自在なセット治具11に被溶接物3をセットし、上記セ
ット治具11を下動させて上記被溶接物3を液体2内に
埋没させ、抵抗溶接機21の上下動自在なヘッド22を
液体2内に埋没させて該ヘッド22の電極24,25で
上記被溶接物3を挟持して加圧,通電を行うことにより
液体2内で溶接を行うようにしたことを特徴としてい
る。
【0011】
【作用】本発明の請求項1記載の抵抗溶接装置によれ
ば、抵抗溶接機21のヘッド22の電極24,25にて
被溶接物3を挟持し、ヘッド22を下動させて液槽1内
の液体2の中に埋没させるか、もしくは液槽1を上動さ
せることで上記被溶接物3を液槽1の液体2の中に埋没
させて、液中にて被溶接物3を加圧,通電を行うことに
より溶接を行う。これにより溶接時に液中で空気を遮断
すると同時に、被溶接物3の冷却を早めることができ
る。
ば、抵抗溶接機21のヘッド22の電極24,25にて
被溶接物3を挟持し、ヘッド22を下動させて液槽1内
の液体2の中に埋没させるか、もしくは液槽1を上動さ
せることで上記被溶接物3を液槽1の液体2の中に埋没
させて、液中にて被溶接物3を加圧,通電を行うことに
より溶接を行う。これにより溶接時に液中で空気を遮断
すると同時に、被溶接物3の冷却を早めることができ
る。
【0012】請求項2記載の抵抗溶接装置によれば、液
槽1の中の液体2より浮上したセット治具11に被溶接
物3をセットし、セット治具11を駆動してセット治具
11及び被溶接物3を液体2の中に埋没させ、抵抗溶接
機21の電極24,25により被溶接物3を液体2の中
で挟持し、液中にて被溶接物3を加圧,通電を行うこと
により溶接を行う。これにより溶接時に液中で空気を遮
断すると同時に、被溶接物3の冷却を早めることができ
る。
槽1の中の液体2より浮上したセット治具11に被溶接
物3をセットし、セット治具11を駆動してセット治具
11及び被溶接物3を液体2の中に埋没させ、抵抗溶接
機21の電極24,25により被溶接物3を液体2の中
で挟持し、液中にて被溶接物3を加圧,通電を行うこと
により溶接を行う。これにより溶接時に液中で空気を遮
断すると同時に、被溶接物3の冷却を早めることができ
る。
【0013】請求項3記載の抵抗溶接方法によれば、抵
抗溶接機21のヘッド22の電極24,25にて被溶接
物3を挟持し、その後、ヘッド22を下動させて液槽1
内の液体2の中に埋没させるか、もしくは液槽1を上動
させることで上記被溶接物3を液槽1の液体2の中に埋
没させる。次いで、液中にて被溶接物3を加圧,通電を
行うことにより溶接を行う。これにより溶接時に液中で
空気を遮断すると同時に、被溶接物3の冷却を早めるこ
とができる。
抗溶接機21のヘッド22の電極24,25にて被溶接
物3を挟持し、その後、ヘッド22を下動させて液槽1
内の液体2の中に埋没させるか、もしくは液槽1を上動
させることで上記被溶接物3を液槽1の液体2の中に埋
没させる。次いで、液中にて被溶接物3を加圧,通電を
行うことにより溶接を行う。これにより溶接時に液中で
空気を遮断すると同時に、被溶接物3の冷却を早めるこ
とができる。
【0014】また、請求項4記載の抵抗溶接方法によれ
ば、液槽1の中の液体2より浮上したセット治具11に
被溶接物3をセットし、その後、セット治具11を駆動
してセット治具11及び被溶接物3を液体2の中に埋没
させ、さらに抵抗溶接機21の電極24,25により被
溶接物3を液体2の中で挟持し、液中にて被溶接物3を
加圧,通電を行うことにより溶接を行う。これにより溶
接時に液中で空気を遮断すると同時に、被溶接物3の冷
却を早めることができる。
ば、液槽1の中の液体2より浮上したセット治具11に
被溶接物3をセットし、その後、セット治具11を駆動
してセット治具11及び被溶接物3を液体2の中に埋没
させ、さらに抵抗溶接機21の電極24,25により被
溶接物3を液体2の中で挟持し、液中にて被溶接物3を
加圧,通電を行うことにより溶接を行う。これにより溶
接時に液中で空気を遮断すると同時に、被溶接物3の冷
却を早めることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の抵抗溶接装置の構成図を示し、上
面を開口した液槽1の中には水、あるいは引火のおそれ
のない油等の液体2が入れてある。この液槽1内には被
溶接物3を支持してセットするセット治具11が配設さ
れている。上記セット治具11は、液槽1の底部に固定
されている固定台12と、被溶接物3をセットする支持
台13と、上記固定台12と支持台13とを連結してい
る複数のリンク14,15等で構成されている。
する。図1は本発明の抵抗溶接装置の構成図を示し、上
面を開口した液槽1の中には水、あるいは引火のおそれ
のない油等の液体2が入れてある。この液槽1内には被
溶接物3を支持してセットするセット治具11が配設さ
れている。上記セット治具11は、液槽1の底部に固定
されている固定台12と、被溶接物3をセットする支持
台13と、上記固定台12と支持台13とを連結してい
る複数のリンク14,15等で構成されている。
【0016】上記セット治具11の固定台12と下側の
リンク14とは軸16を介して回動自在に連結されてお
り、また、上下のリンク14,15も軸17を介して回
動自在に連結されている。さらに上側のリンク15と支
持台13の下部とは軸(図示せず)を介して上記と同様
に回動自在に連結されている。セット治具11の支持台
13は上下動自在となっており、通常は液体2内に埋没
しており、支持台13に被溶接物3をセットする際に液
体2より浮上するように駆動されるようになっている。
リンク14とは軸16を介して回動自在に連結されてお
り、また、上下のリンク14,15も軸17を介して回
動自在に連結されている。さらに上側のリンク15と支
持台13の下部とは軸(図示せず)を介して上記と同様
に回動自在に連結されている。セット治具11の支持台
13は上下動自在となっており、通常は液体2内に埋没
しており、支持台13に被溶接物3をセットする際に液
体2より浮上するように駆動されるようになっている。
【0017】上記セット治具11の支持台13を上下動
させる駆動源としては、図示していないが、モータ、油
圧シリンダーを用いている。しかし、これらに限られる
ものではなく、支持台13を任意に上下動させるもので
あればどのような駆動源でも良い。また、セット治具1
1の構成も図1に示したものに限られるものではなく、
被溶接物3をセットするための支持台を液体2内に埋入
させたり、浮上させることができるものであれば図示し
た形状に限定されるものではない。さらには、支持台1
3の形状も図1に示した形状に限定されるものではな
く、被溶接物3の形状に応じて適宜な形状を用いること
も本発明の範囲に含まれるものである。
させる駆動源としては、図示していないが、モータ、油
圧シリンダーを用いている。しかし、これらに限られる
ものではなく、支持台13を任意に上下動させるもので
あればどのような駆動源でも良い。また、セット治具1
1の構成も図1に示したものに限られるものではなく、
被溶接物3をセットするための支持台を液体2内に埋入
させたり、浮上させることができるものであれば図示し
た形状に限定されるものではない。さらには、支持台1
3の形状も図1に示した形状に限定されるものではな
く、被溶接物3の形状に応じて適宜な形状を用いること
も本発明の範囲に含まれるものである。
【0018】被溶接物3を溶接するための抵抗溶接機2
1は一般的な構成の溶接機であり、上下動自在なヘッド
22には一対のホルダー23,23を備えており、この
ホルダー23の先端部には電極24,25をそれぞれ有
している。上記ホルダー23は開閉自在に駆動されるよ
うになっており、図1に示す場合には左右の電極24,
25が被溶接物3を挟持して加圧し、所定の時間、所定
の値の溶接電流を通電して溶接するものである。
1は一般的な構成の溶接機であり、上下動自在なヘッド
22には一対のホルダー23,23を備えており、この
ホルダー23の先端部には電極24,25をそれぞれ有
している。上記ホルダー23は開閉自在に駆動されるよ
うになっており、図1に示す場合には左右の電極24,
25が被溶接物3を挟持して加圧し、所定の時間、所定
の値の溶接電流を通電して溶接するものである。
【0019】次に本装置における液中における抵抗溶接
方法について説明する。なお、被溶接物3の形状は簡単
な構造から複雑な構造まで種々なものがあるが、図1に
示す場合は、被溶接物3の形状を便宜上平板状としてい
る。まず、セット治具11の図示しない駆動源をオン駆
動して液槽1の液体2内に埋没している支持台13を液
体2より浮上させる。
方法について説明する。なお、被溶接物3の形状は簡単
な構造から複雑な構造まで種々なものがあるが、図1に
示す場合は、被溶接物3の形状を便宜上平板状としてい
る。まず、セット治具11の図示しない駆動源をオン駆
動して液槽1の液体2内に埋没している支持台13を液
体2より浮上させる。
【0020】セット治具11の支持台13を液体2より
浮上させた後、任意の形状の被溶接物3(図1の場合に
は平板状の被溶接物3)を支持台13上に動かないよう
にセットする。そして、被溶接物3を支持台13にセッ
トした後に、セット治具11を駆動して被溶接物3を液
槽1内に入れてある液体2の中に没するように支持台1
3を下動させる。
浮上させた後、任意の形状の被溶接物3(図1の場合に
は平板状の被溶接物3)を支持台13上に動かないよう
にセットする。そして、被溶接物3を支持台13にセッ
トした後に、セット治具11を駆動して被溶接物3を液
槽1内に入れてある液体2の中に没するように支持台1
3を下動させる。
【0021】次に、抵抗溶接機21のヘッド22を下動
させ、ホルダー23の先端部の電極24,25を液体2
の中に埋没させる。このときホルダー23は開拡してお
り、電極24,25が液体2内に没した後に被溶接物3
の溶接部位を両側から挟持する。そして、電極24,2
5により被溶接物3の溶接部位を加圧して、所定の時
間、所定の電流値でもって通電し、液中に埋没した被溶
接物3を液中にて溶接するものである。溶接終了後は、
セット治具11の支持台13を液体2より浮上させて、
被溶接物3を支持台13より取り外す。
させ、ホルダー23の先端部の電極24,25を液体2
の中に埋没させる。このときホルダー23は開拡してお
り、電極24,25が液体2内に没した後に被溶接物3
の溶接部位を両側から挟持する。そして、電極24,2
5により被溶接物3の溶接部位を加圧して、所定の時
間、所定の電流値でもって通電し、液中に埋没した被溶
接物3を液中にて溶接するものである。溶接終了後は、
セット治具11の支持台13を液体2より浮上させて、
被溶接物3を支持台13より取り外す。
【0022】このように溶接は液中にて行うため、溶接
中は抵抗溶接機21の電極24,25及び被溶接物3は
空気中に触れることがないので、被溶接物3が酸化され
ることなく、変色もないものである。なお上記の実施例
では支持台13を通常液体2の中に埋没している場合に
ついて説明したが、支持台13を通常液体2より浮上さ
せておいて、溶接時にのみ液体2の中に埋没させるよう
にしても良い。
中は抵抗溶接機21の電極24,25及び被溶接物3は
空気中に触れることがないので、被溶接物3が酸化され
ることなく、変色もないものである。なお上記の実施例
では支持台13を通常液体2の中に埋没している場合に
ついて説明したが、支持台13を通常液体2より浮上さ
せておいて、溶接時にのみ液体2の中に埋没させるよう
にしても良い。
【0023】図2は被溶接物の他の形状の例を示し、断
面を円形としたパイプ状の被溶接物4と断面を略コ字型
とした被溶接物5とを溶接する場合である。なお図2の
場合、電極24,25を上下方向に配置した場合を示し
ているが、被溶接物4,5を90°回転させた位置でセ
ットし、電極24,25を左右方向に配置するようにし
ても良い。ここで電極24をプラス側、電極25をマイ
ナス側とした場合、図2の矢印に示すように溶接電流が
流れる。そして、両被溶接物4,5の接触部が溶接され
ることになる。
面を円形としたパイプ状の被溶接物4と断面を略コ字型
とした被溶接物5とを溶接する場合である。なお図2の
場合、電極24,25を上下方向に配置した場合を示し
ているが、被溶接物4,5を90°回転させた位置でセ
ットし、電極24,25を左右方向に配置するようにし
ても良い。ここで電極24をプラス側、電極25をマイ
ナス側とした場合、図2の矢印に示すように溶接電流が
流れる。そして、両被溶接物4,5の接触部が溶接され
ることになる。
【0024】このとき、電極24,25の近傍や、コ字
型の被溶接物5の方にも無効分流が流れ、この溶接電流
が流れた流路となった部分を加熱するが、被溶接物4,
5は液中に没しているために冷却されて、溶接部位やそ
れ以外の箇所が酸化されることがなく、変色も生じない
ものである。
型の被溶接物5の方にも無効分流が流れ、この溶接電流
が流れた流路となった部分を加熱するが、被溶接物4,
5は液中に没しているために冷却されて、溶接部位やそ
れ以外の箇所が酸化されることがなく、変色も生じない
ものである。
【0025】図3は被溶接物のさらに他の形状の場合を
示し、また、図2の場合には通常のスポット溶接であっ
たが、この場合にはシリーズスポット溶接の場合を示し
ている。この場合の被溶接物は、平板状の被溶接物6
と、中央部分を略コ字型とした被溶接物7としている。
そして、被溶接物6の上面に被溶接物7を溶接するよう
にしたものであり、アンビル電極26の上面に被溶接物
6,7を配設し、被溶接物7の両側に電極24,25を
配置して、加圧,通電を行うことで被溶接物6,7を溶
接するようにしたものである。
示し、また、図2の場合には通常のスポット溶接であっ
たが、この場合にはシリーズスポット溶接の場合を示し
ている。この場合の被溶接物は、平板状の被溶接物6
と、中央部分を略コ字型とした被溶接物7としている。
そして、被溶接物6の上面に被溶接物7を溶接するよう
にしたものであり、アンビル電極26の上面に被溶接物
6,7を配設し、被溶接物7の両側に電極24,25を
配置して、加圧,通電を行うことで被溶接物6,7を溶
接するようにしたものである。
【0026】ここで電極24をプラス側、電極25をマ
イナス側とした場合、溶接電流は図3の矢印に示すよう
に流れる。溶接電流は主にアンビル電極26を介して流
れることで被溶接物6,7を溶接するが、図示するよう
に被溶接物6,7にも無効分流が流れる。この場合、被
溶接物7の方にも溶接電流が流れるが、上記と同様に液
中で溶接を行っているために、被溶接物7や電極近傍は
加熱されず、そのため、被溶接物7が酸化されず、変色
も生じない。
イナス側とした場合、溶接電流は図3の矢印に示すよう
に流れる。溶接電流は主にアンビル電極26を介して流
れることで被溶接物6,7を溶接するが、図示するよう
に被溶接物6,7にも無効分流が流れる。この場合、被
溶接物7の方にも溶接電流が流れるが、上記と同様に液
中で溶接を行っているために、被溶接物7や電極近傍は
加熱されず、そのため、被溶接物7が酸化されず、変色
も生じない。
【0027】このように、本発明の装置及び方法によ
り、液体2の中で溶接することで、被溶接物は変色する
ことないものであり、そのため、溶接後に変色した部分
の塗装を施す必要がない。したがって、製品化すること
の多いステンレス製品などにおいては、その外観上から
本発明の効果が非常に大きいものである。また、溶接中
に溶融した金属が散りとなって周囲に飛散することがあ
るが、液中で溶接しているために、溶接中の溶融した金
属の散りの飛散を防止することができ、作業環境の改善
を図ることができる。
り、液体2の中で溶接することで、被溶接物は変色する
ことないものであり、そのため、溶接後に変色した部分
の塗装を施す必要がない。したがって、製品化すること
の多いステンレス製品などにおいては、その外観上から
本発明の効果が非常に大きいものである。また、溶接中
に溶融した金属が散りとなって周囲に飛散することがあ
るが、液中で溶接しているために、溶接中の溶融した金
属の散りの飛散を防止することができ、作業環境の改善
を図ることができる。
【0028】なお、上記の実施例では、スポット溶接の
場合について説明したが、これに限定されるものではな
く、他の溶接、例えば、シーム溶接、プロジェクション
溶接の場合にも本発明を適用することができるものであ
る。
場合について説明したが、これに限定されるものではな
く、他の溶接、例えば、シーム溶接、プロジェクション
溶接の場合にも本発明を適用することができるものであ
る。
【0029】また、被溶接物の材質としては、上記のス
テンレス鋼の他に、炭素鋼の場合にも適用でき、さらに
は、溶融した散りの飛散を防止するために溶接する場合
には、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、高張力鋼板、アルミニウ
ム合金の場合にも本発明を適用することができる。な
お、材質の種類により錆が発生する場合には、溶接後に
錆止めの処理を行う。
テンレス鋼の他に、炭素鋼の場合にも適用でき、さらに
は、溶融した散りの飛散を防止するために溶接する場合
には、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、高張力鋼板、アルミニウ
ム合金の場合にも本発明を適用することができる。な
お、材質の種類により錆が発生する場合には、溶接後に
錆止めの処理を行う。
【0030】本発明では、従来のように被溶接物ないし
溶接部位をガスシールドや真空にするなどの方法は行わ
ず、単に水や油等の液体内で溶接を行っていることで、
溶接装置を簡素化でき、コストダウンが図れると共に、
現場でも容易に溶接作業を行うことができるものであ
る。また、従来のように被溶接物ないし溶接部位をガス
シールドや真空にするなどの方法は行わず、単に水や油
等の液体内で溶接を行っていることで、複雑な形状の被
溶接物も容易に溶接を行うことができる。
溶接部位をガスシールドや真空にするなどの方法は行わ
ず、単に水や油等の液体内で溶接を行っていることで、
溶接装置を簡素化でき、コストダウンが図れると共に、
現場でも容易に溶接作業を行うことができるものであ
る。また、従来のように被溶接物ないし溶接部位をガス
シールドや真空にするなどの方法は行わず、単に水や油
等の液体内で溶接を行っていることで、複雑な形状の被
溶接物も容易に溶接を行うことができる。
【0031】さらに、シリーズスポット溶接のように、
電極間の距離が長く溶接部以外の被溶接物に溶接電流
(無効分流)が流れる場合にも従来のように広い面積を
シールドする必要がなく、被溶接物全体を液中に埋没さ
せることで、変色させることなく溶接を行うことができ
る。また、液体として特に水を用いた場合には、コスト
を非常に下げることができる。更には、水や油等は、何
回も溶接を行い、所定の導電率にまで上昇するまで使用
することができるので、ランニングコストを非常に下げ
ることができるものである。
電極間の距離が長く溶接部以外の被溶接物に溶接電流
(無効分流)が流れる場合にも従来のように広い面積を
シールドする必要がなく、被溶接物全体を液中に埋没さ
せることで、変色させることなく溶接を行うことができ
る。また、液体として特に水を用いた場合には、コスト
を非常に下げることができる。更には、水や油等は、何
回も溶接を行い、所定の導電率にまで上昇するまで使用
することができるので、ランニングコストを非常に下げ
ることができるものである。
【0032】なお、上記の実施例では、セット治具11
を上下動させると共に、抵抗溶接機21のヘッド22を
上下動させて、液体2内で被溶接物3を溶接する場合に
ついて説明したが、これに限られるものではない。例え
ば、セット治具11を用いずにヘッド22の電極24,
25で被溶接物3を直に、あるいはロボットのアームに
より挟持し、ヘッド22を上下動させて被溶接物3を液
中で溶接しても良く、また、ヘッド22は上下動させず
に液槽1を上下動させて液中で溶接するようにしても良
い。
を上下動させると共に、抵抗溶接機21のヘッド22を
上下動させて、液体2内で被溶接物3を溶接する場合に
ついて説明したが、これに限られるものではない。例え
ば、セット治具11を用いずにヘッド22の電極24,
25で被溶接物3を直に、あるいはロボットのアームに
より挟持し、ヘッド22を上下動させて被溶接物3を液
中で溶接しても良く、また、ヘッド22は上下動させず
に液槽1を上下動させて液中で溶接するようにしても良
い。
【0033】更には、ヘッド22を上下動させずに、上
下動自在なセット治具11を液槽1の中に配設し、液槽
1自体を上下動させて被溶接物3を液中で溶接するよう
にしても良い。つまり、被溶接物3を液中で溶接するた
めに、いずれの部材を上下動させても良いものである。
下動自在なセット治具11を液槽1の中に配設し、液槽
1自体を上下動させて被溶接物3を液中で溶接するよう
にしても良い。つまり、被溶接物3を液中で溶接するた
めに、いずれの部材を上下動させても良いものである。
【0034】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の抵抗溶接装置に
よれば、抵抗溶接機のヘッドの電極にて被溶接物を挟持
し、ヘッドを下動させて液槽内の液体の中に埋没させる
か、もしくは液槽を上動させることで上記被溶接物を液
槽の液体の中に埋没させて、液中にて被溶接物を加圧,
通電を行うことにより溶接を行う。これにより溶接時に
液中で空気を遮断すると同時に、被溶接物の冷却を早め
ることができる。そのため、被溶接物の変色を防止する
ことができる。したがって、被溶接物が変色することが
ないので、変色の処理のための溶接後の塗装をする必要
がなく、特に製品化することの多いステンレス製品など
においては、その外観上からの効果が大きいものであ
る。また、溶接中に溶融した金属が散りとなって周囲に
飛散することがあるが、液体の中で溶接しているため、
これらの金属の散りの飛散を防止でき、作業環境の改善
を図ることができる。また、従来のように被溶接物ない
し溶接部位をガスシールドや真空にするなどの方法は行
わず、単に液体内で溶接を行っていることで、被溶接物
の形状が複雑な場合や、例えばシリーズスポット溶接の
ように電極間の距離が長い場合でも被溶接物を変色させ
ることなく溶接を行うことができる。しかも、被溶接物
をガスシールドや真空にするなどの方法は行わず、液中
で溶接を行っていることで、溶接装置を簡素化でき、コ
ストダウンが図れると共に、現場でも容易に溶接作業を
行うことができるものである。更には、液体は、何回も
溶接を行い、所定の導電率にまで上昇するまで使用する
ことができるので、ランニングコストを非常に下げるこ
とができる。
よれば、抵抗溶接機のヘッドの電極にて被溶接物を挟持
し、ヘッドを下動させて液槽内の液体の中に埋没させる
か、もしくは液槽を上動させることで上記被溶接物を液
槽の液体の中に埋没させて、液中にて被溶接物を加圧,
通電を行うことにより溶接を行う。これにより溶接時に
液中で空気を遮断すると同時に、被溶接物の冷却を早め
ることができる。そのため、被溶接物の変色を防止する
ことができる。したがって、被溶接物が変色することが
ないので、変色の処理のための溶接後の塗装をする必要
がなく、特に製品化することの多いステンレス製品など
においては、その外観上からの効果が大きいものであ
る。また、溶接中に溶融した金属が散りとなって周囲に
飛散することがあるが、液体の中で溶接しているため、
これらの金属の散りの飛散を防止でき、作業環境の改善
を図ることができる。また、従来のように被溶接物ない
し溶接部位をガスシールドや真空にするなどの方法は行
わず、単に液体内で溶接を行っていることで、被溶接物
の形状が複雑な場合や、例えばシリーズスポット溶接の
ように電極間の距離が長い場合でも被溶接物を変色させ
ることなく溶接を行うことができる。しかも、被溶接物
をガスシールドや真空にするなどの方法は行わず、液中
で溶接を行っていることで、溶接装置を簡素化でき、コ
ストダウンが図れると共に、現場でも容易に溶接作業を
行うことができるものである。更には、液体は、何回も
溶接を行い、所定の導電率にまで上昇するまで使用する
ことができるので、ランニングコストを非常に下げるこ
とができる。
【0035】請求項2記載の抵抗溶接装置によれば、液
槽の中の液体より浮上したセット治具に被溶接物をセッ
トし、セット治具を駆動してセット治具及び被溶接物を
液体の中に埋没させ、抵抗溶接機の電極により被溶接物
を液体の中で挟持し、液中にて被溶接物を加圧,通電を
行うことにより溶接を行う。これにより溶接時に液中で
空気を遮断すると同時に、被溶接物の冷却を早め、被溶
接物の変色を防止することができる。したがって、被溶
接物が変色することがないので、変色の処理のための溶
接後の塗装をする必要がなく、特に製品化することの多
いステンレス製品などにおいては、その外観上からの効
果が大きいものである。また、溶接中に溶融した金属が
散りとなって周囲に飛散することがあるが、液体の中で
溶接しているため、これらの金属の散りの飛散を防止で
き、作業環境の改善を図ることができる。また、従来の
ように被溶接物ないし溶接部位をガスシールドや真空に
するなどの方法は行わず、単に液体内で溶接を行ってい
ることで、被溶接物の形状が複雑な場合や、例えばシリ
ーズスポット溶接のように電極間の距離が長い場合でも
被溶接物を変色させることなく溶接を行うことができ
る。しかも、被溶接物をガスシールドや真空にするなど
の方法は行わず、液中で溶接を行っていることで、溶接
装置を簡素化でき、コストダウンが図れると共に、現場
でも容易に溶接作業を行うことができるものである。更
には、液体は、何回も溶接を行い、所定の導電率にまで
上昇するまで使用することができるので、ランニングコ
ストを非常に下げることができる。
槽の中の液体より浮上したセット治具に被溶接物をセッ
トし、セット治具を駆動してセット治具及び被溶接物を
液体の中に埋没させ、抵抗溶接機の電極により被溶接物
を液体の中で挟持し、液中にて被溶接物を加圧,通電を
行うことにより溶接を行う。これにより溶接時に液中で
空気を遮断すると同時に、被溶接物の冷却を早め、被溶
接物の変色を防止することができる。したがって、被溶
接物が変色することがないので、変色の処理のための溶
接後の塗装をする必要がなく、特に製品化することの多
いステンレス製品などにおいては、その外観上からの効
果が大きいものである。また、溶接中に溶融した金属が
散りとなって周囲に飛散することがあるが、液体の中で
溶接しているため、これらの金属の散りの飛散を防止で
き、作業環境の改善を図ることができる。また、従来の
ように被溶接物ないし溶接部位をガスシールドや真空に
するなどの方法は行わず、単に液体内で溶接を行ってい
ることで、被溶接物の形状が複雑な場合や、例えばシリ
ーズスポット溶接のように電極間の距離が長い場合でも
被溶接物を変色させることなく溶接を行うことができ
る。しかも、被溶接物をガスシールドや真空にするなど
の方法は行わず、液中で溶接を行っていることで、溶接
装置を簡素化でき、コストダウンが図れると共に、現場
でも容易に溶接作業を行うことができるものである。更
には、液体は、何回も溶接を行い、所定の導電率にまで
上昇するまで使用することができるので、ランニングコ
ストを非常に下げることができる。
【0036】請求項3記載の抵抗溶接方法によれば、抵
抗溶接機のヘッドの電極にて被溶接物を挟持し、その
後、ヘッドを下動させて液槽内の液体の中に埋没させる
か、もしくは液槽を上動させることで上記被溶接物を液
槽の液体の中に埋没させる。次いで、液中にて被溶接物
を加圧,通電を行うことにより溶接を行う。これにより
溶接時に液中で空気を遮断すると同時に、被溶接物の冷
却を早めることができる。そのため、被溶接物の変色を
防止することができる。したがって、被溶接物が変色す
ることがないので、変色の処理のための溶接後の塗装を
する必要がなく、特に製品化することの多いステンレス
製品などにおいては、その外観上からの効果が大きいも
のである。また、溶接中に溶融した金属が散りとなって
周囲に飛散することがあるが、液体の中で溶接している
ため、これらの金属の散りの飛散を防止でき、作業環境
の改善を図ることができる。また、従来のように被溶接
物ないし溶接部位をガスシールドや真空にするなどの方
法は行わず、単に液体内で溶接を行っていることで、被
溶接物の形状が複雑な場合や、例えばシリーズスポット
溶接のように電極間の距離が長い場合でも被溶接物を変
色させることなく溶接を行うことができる。しかも、被
溶接物をガスシールドや真空にするなどの方法は行わ
ず、液中で溶接を行っていることで、溶接装置を簡素化
でき、コストダウンが図れると共に、現場でも容易に溶
接作業を行うことができるものである。更には、液体
は、何回も溶接を行い、所定の導電率にまで上昇するま
で使用することができるので、ランニングコストを非常
に下げることができる。
抗溶接機のヘッドの電極にて被溶接物を挟持し、その
後、ヘッドを下動させて液槽内の液体の中に埋没させる
か、もしくは液槽を上動させることで上記被溶接物を液
槽の液体の中に埋没させる。次いで、液中にて被溶接物
を加圧,通電を行うことにより溶接を行う。これにより
溶接時に液中で空気を遮断すると同時に、被溶接物の冷
却を早めることができる。そのため、被溶接物の変色を
防止することができる。したがって、被溶接物が変色す
ることがないので、変色の処理のための溶接後の塗装を
する必要がなく、特に製品化することの多いステンレス
製品などにおいては、その外観上からの効果が大きいも
のである。また、溶接中に溶融した金属が散りとなって
周囲に飛散することがあるが、液体の中で溶接している
ため、これらの金属の散りの飛散を防止でき、作業環境
の改善を図ることができる。また、従来のように被溶接
物ないし溶接部位をガスシールドや真空にするなどの方
法は行わず、単に液体内で溶接を行っていることで、被
溶接物の形状が複雑な場合や、例えばシリーズスポット
溶接のように電極間の距離が長い場合でも被溶接物を変
色させることなく溶接を行うことができる。しかも、被
溶接物をガスシールドや真空にするなどの方法は行わ
ず、液中で溶接を行っていることで、溶接装置を簡素化
でき、コストダウンが図れると共に、現場でも容易に溶
接作業を行うことができるものである。更には、液体
は、何回も溶接を行い、所定の導電率にまで上昇するま
で使用することができるので、ランニングコストを非常
に下げることができる。
【0037】請求項4記載の抵抗溶接方法によれば、液
槽の中の液体より浮上したセット治具に被溶接物をセッ
トし、その後、セット治具を駆動してセット治具及び被
溶接物を液体の中に埋没させ、さらに抵抗溶接機の電極
により被溶接物を液体の中で挟持し、液中にて被溶接物
を加圧,通電を行うことにより溶接を行う。これにより
溶接時に液中で空気を遮断すると同時に、被溶接物の冷
却を早め、被溶接物の変色を防止することができる。し
たがって、被溶接物が変色することがないので、変色の
処理のための溶接後の塗装をする必要がなく、特に製品
化することの多いステンレス製品などにおいては、その
外観上からの効果が大きいものである。また、溶接中に
溶融した金属が散りとなって周囲に飛散することがある
が、液体の中で溶接しているため、これらの金属の散り
の飛散を防止でき、作業環境の改善を図ることができ
る。また、従来のように被溶接物ないし溶接部位をガス
シールドや真空にするなどの方法は行わず、単に液体内
で溶接を行っていることで、被溶接物の形状が複雑な場
合や、例えばシリーズスポット溶接のように電極間の距
離が長い場合でも被溶接物を変色させることなく溶接を
行うことができる。しかも、被溶接物をガスシールドや
真空にするなどの方法は行わず、液中で溶接を行ってい
ることで、溶接装置を簡素化でき、コストダウンが図れ
ると共に、現場でも容易に溶接作業を行うことができる
ものである。更には、液体は、何回も溶接を行い、所定
の導電率にまで上昇するまで使用することができるの
で、ランニングコストを非常に下げることができる。
槽の中の液体より浮上したセット治具に被溶接物をセッ
トし、その後、セット治具を駆動してセット治具及び被
溶接物を液体の中に埋没させ、さらに抵抗溶接機の電極
により被溶接物を液体の中で挟持し、液中にて被溶接物
を加圧,通電を行うことにより溶接を行う。これにより
溶接時に液中で空気を遮断すると同時に、被溶接物の冷
却を早め、被溶接物の変色を防止することができる。し
たがって、被溶接物が変色することがないので、変色の
処理のための溶接後の塗装をする必要がなく、特に製品
化することの多いステンレス製品などにおいては、その
外観上からの効果が大きいものである。また、溶接中に
溶融した金属が散りとなって周囲に飛散することがある
が、液体の中で溶接しているため、これらの金属の散り
の飛散を防止でき、作業環境の改善を図ることができ
る。また、従来のように被溶接物ないし溶接部位をガス
シールドや真空にするなどの方法は行わず、単に液体内
で溶接を行っていることで、被溶接物の形状が複雑な場
合や、例えばシリーズスポット溶接のように電極間の距
離が長い場合でも被溶接物を変色させることなく溶接を
行うことができる。しかも、被溶接物をガスシールドや
真空にするなどの方法は行わず、液中で溶接を行ってい
ることで、溶接装置を簡素化でき、コストダウンが図れ
ると共に、現場でも容易に溶接作業を行うことができる
ものである。更には、液体は、何回も溶接を行い、所定
の導電率にまで上昇するまで使用することができるの
で、ランニングコストを非常に下げることができる。
【図1】本発明の実施例の抵抗溶接装置の構成図であ
る。
る。
【図2】本発明の実施例の被溶接物の他の例を示す図で
ある。
ある。
【図3】本発明の実施例の被溶接物の更に他の例を示す
図である。
図である。
1 液槽 2 液体 3 被溶接物 11 セット治具 21 抵抗溶接機 22 ヘッド 24 電極 25 電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23K 9/00 107 A 8315−4E
Claims (4)
- 【請求項1】 内部に液体(2)を入れた液槽(1)
と、被溶接物(3)を挟持して該被溶接物(3)に加
圧,通電を行う電極(24)(25)を備えたヘッド
(22)を有する抵抗溶接機(21)とを設け、上記液
槽(1)もしくは抵抗溶接機(21)のヘッド(22)
のいずれかを上下動させて上記被溶接物(3)を液体
(2)内で溶接を行うようにしたことを特徴とする抵抗
溶接装置。 - 【請求項2】 内部に液体(2)を入れた液槽(1)
と、この液槽(1)内に配設されて被溶接物(3)のセ
ット時には浮上し溶接時には液体(2)内に埋没する上
下動自在なセット治具(11)と、上記被溶接物(3)
の溶接時に液体(2)内の被溶接物(3)に加圧,通電
を行う電極(24)(25)を備え上下動自在なヘッド
(22)を有する抵抗溶接機(21)とを備えたことを
特徴とする抵抗溶接装置。 - 【請求項3】 抵抗溶接機(21)のヘッド(22)の
電極(24)(25)にて被溶接物(3)を挟持し、そ
の後、内部に液体(2)を入れた液槽(1)もしくは上
記抵抗溶接機(21)のヘッド(22)のいずれかを上
下動させて上記被溶接物(3)を液体(2)内に埋没さ
せ、上記ヘッド(22)の電極(24)(25)で上記
被溶接物(3)を加圧,通電を行うことにより液体
(2)内で溶接を行うようにしたことを特徴とする抵抗
溶接方法。 - 【請求項4】 液槽(1)内に配設され液体(2)より
浮上している上下動自在なセット治具(11)に被溶接
物(3)をセットし、上記セット治具(11)を下動さ
せて上記被溶接物(3)を液体(2)内に埋没させ、抵
抗溶接機(21)の上下動自在なヘッド(22)を液体
(2)内に埋没させて該ヘッド(22)の電極(24)
(25)で上記被溶接物(3)を挟持して加圧,通電を
行うことにより液体(2)内で溶接を行うようにしたこ
とを特徴とする抵抗溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6056666A JP2640423B2 (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | 抵抗溶接装置及び抵抗溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6056666A JP2640423B2 (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | 抵抗溶接装置及び抵抗溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07236979A true JPH07236979A (ja) | 1995-09-12 |
JP2640423B2 JP2640423B2 (ja) | 1997-08-13 |
Family
ID=13033736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6056666A Expired - Lifetime JP2640423B2 (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | 抵抗溶接装置及び抵抗溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2640423B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019098418A (ja) * | 2017-11-28 | 2019-06-24 | トヨタ自動車株式会社 | 結合部材ヘッド |
JP2020073289A (ja) * | 2016-10-12 | 2020-05-14 | 株式会社ジーテクト | 接合方法 |
US11090756B2 (en) | 2018-10-24 | 2021-08-17 | G-Tekt Corporation | Joining method |
CN115070185A (zh) * | 2022-07-06 | 2022-09-20 | 湖北超卓航空科技股份有限公司 | 一种小直径焊点点焊电极冷却装置及点焊方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5736374U (ja) * | 1980-08-11 | 1982-02-25 | ||
JPH0250832A (ja) * | 1988-08-12 | 1990-02-20 | Matsushita Electric Works Ltd | 積層板 |
-
1994
- 1994-03-01 JP JP6056666A patent/JP2640423B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5736374U (ja) * | 1980-08-11 | 1982-02-25 | ||
JPH0250832A (ja) * | 1988-08-12 | 1990-02-20 | Matsushita Electric Works Ltd | 積層板 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020073289A (ja) * | 2016-10-12 | 2020-05-14 | 株式会社ジーテクト | 接合方法 |
JP2019098418A (ja) * | 2017-11-28 | 2019-06-24 | トヨタ自動車株式会社 | 結合部材ヘッド |
US10919120B2 (en) | 2017-11-28 | 2021-02-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Coupling member head |
US11090756B2 (en) | 2018-10-24 | 2021-08-17 | G-Tekt Corporation | Joining method |
CN115070185A (zh) * | 2022-07-06 | 2022-09-20 | 湖北超卓航空科技股份有限公司 | 一种小直径焊点点焊电极冷却装置及点焊方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2640423B2 (ja) | 1997-08-13 |
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