JPH07236479A - 抗菌性化合物結合リゾチーム - Google Patents

抗菌性化合物結合リゾチーム

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JPH07236479A
JPH07236479A JP6053231A JP5323194A JPH07236479A JP H07236479 A JPH07236479 A JP H07236479A JP 6053231 A JP6053231 A JP 6053231A JP 5323194 A JP5323194 A JP 5323194A JP H07236479 A JPH07236479 A JP H07236479A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、抗菌性化合物をリゾチーム
に結合させることにより、リゾチームが本来有する抗菌
活性を増強および抗菌スペクトルを拡大させたリゾチー
ムを提供することにある。 【構成】 ペリルアルデヒド、シンナムアルデヒド、サ
リチルアルデヒド、アニスアルデヒド、ベンゾアルデヒ
ド、バニリンより選ばれる1種または2種以上の植物由
来の抗菌性化合物、抗生物質または合成抗菌剤を結合さ
せることを特徴とするリゾチーム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌性化合物をリゾチー
ムに結合させることにより、リゾチームが本来有する抗
菌活性を増強および抗菌スペクトルを拡大させたリゾチ
ームに関するものであり、本発明の抗菌性化合物は医
薬、化粧品、食品、飼料分野等で抗炎症剤、抗菌剤等と
して利用される。
【0002】
【従来の技術】リゾチームはムラミダーゼまたはムコペ
プチドヒドロラーゼとも呼ばれ、細菌細胞壁のペプチド
グリカン層等に存在するNーアセチルムラミン酸とNー
アセチルグルコサミン間のβー1,4結合を加水分解す
る酵素蛋白質である。リゾチームは、その酵素作用によ
り細菌の細胞壁を切断し、細菌を溶菌する作用を有する
ことより抗菌活性を有する。
【0003】リゾチームは動植物界に広く分布し、現
在、哺乳動物の涙、唾液、尿、乳、鳥類の卵白、魚類の
体表粘液、微生物、バクテリオファージT4由来のリゾ
チーム等が知られ、特に鶏卵卵白由来のリゾチームは大
量製造が可能で、その抗菌活性が医薬、化粧品、食品、
飼料分野において、抗炎症剤、防腐剤、鮮度保持剤、抗
菌剤、殺菌剤等として利用されている。
【0004】リゾチームの抗菌活性は、特にグラム陽性
菌に対して強い活性を示し、グラム陰性菌に対しては、
ほとんど抗菌活性がないことが知られている。グラム陽
性菌はグラム染色により、紫色に染色される細菌で、球
菌(ミクロコッカス属、スタフィロコッカス属、ストレ
プトコッカス属等)、胞子形成桿菌(バチルス属、クロ
ストリジウム属等)、乳酸菌(ラクトバチルス属等)、
コリネフォーム細菌(コリネバクテリウム属、ノカルデ
ィア属等)、放線菌(ストレプトマイセス属等)、およ
び酵母等が知られている。その細胞壁は20〜80nm
の厚いペプチドグリカン層より構成され、リゾチームに
対する感受性が高い。即ち、リゾチームは容易にペプチ
ドグリカン層を加水分解し、グラム陽性菌を溶菌させる
作用を示す。
【0005】一方、グラム陰性菌はグラム染色で染色さ
れない細菌で、光合成細菌(ロドシュードモナス属
等)、シュードモナス属細菌、腸内細菌群(エシェリシ
ア属、サルモネラ属等)、化学無機栄養細菌(ニトロバ
クター属、チオバチルス属等)、メタン生成細菌、およ
び一部の球菌(ニセリア属等)等が知られている。その
細胞の表層は細胞膜(内膜)の外側に2〜3nm程度の
薄いペプチドグリカン層があり、さらにその外側にリポ
多糖を含む外膜を有する。このためリゾチームは、容易
にペプチドグリカン層を切断することができず、エチレ
ンジアミン四酢酸等で外膜に損傷を与えない限りリゾチ
ーム感受性にはならない。
【0006】リゾチームの有する抗菌活性を、グラム陽
性菌のみならずグラム陰性菌にも、作用するようにする
試み、即ちリゾチームの抗菌スペクトルを拡大する試み
がいくつか報告されている。たとえば、メイラード反応
を利用しデキストラン等の多糖類を結合させたリゾチー
ムが、50℃の加熱温度でグラム陰性菌に対する抗菌活
性を持つことが開示されている(Agric. Biol. Chem.,
54, 3057-3059, 1990年)。また、パルミチン酸(J. Ag
ric. Food Chem., 39, 2077-2082, 1991年)、ステアリ
ン酸、ミリスチン酸(J. Agric. Food Chem., 41, 1164
-1168, 1993年)等の脂肪酸を結合させたリゾチーム
や、遺伝子操作技術によりリゾチームのC末端に疎水性
ペプタイドを導入し得られたリゾチーム(Biosci. Biot
ech. Biochem., 56, 1361ー1363, 1992年)が、グラム陰
性菌に対する強い抗菌活性を持つことが開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】リゾチームは、特にグ
ラム陽性菌に対して強い抗菌活性を示し、グラム陰性菌
に対しては、ほとんど抗菌活性がない。したがって、そ
の用途はグラム陽性菌の増殖抑制を目的とした食品の日
持ち向上剤、化粧品の防腐剤、抗炎症医薬品等に限定さ
れている。しかし、これらの用途においては、グラム陽
性菌より人や動物の生活や健康により悪影響を及ぼす大
腸菌、サルモネラ菌などのグラム陰性菌の増殖を抑制す
ることがより大切であると言われている。
【0008】このような状況において、上述の様にリゾ
チームの抗菌活性を、グラム陰性菌にも作用する様に拡
大する試みがいくつか報告されているが、これら従来法
は、グラム陰性菌に対して、有効な抗菌性を示すために
は、50℃以上の加熱を必要とする、脂肪酸の結合によ
りリゾチームの溶解性が著しく悪くなる、非常に煩雑な
遺伝子操作技術を必要とする等の問題点があり、実用的
なものではなかった。従って、本発明が解決しようとす
る課題は、以上の問題点を解消し、グラム陰性菌に対し
ても抗菌活性を有する実用的なリゾチームを提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、グラム陰性
菌に対しても抗菌活性を有するリゾチームについて、鋭
意検討した結果、抗菌性化合物を結合させたリゾチーム
が、そのグラム陽性菌に対する抗菌活性を著しく増強さ
せること、さらにグラム陰性菌に対しても強い抗菌活性
を示すことを見いだし、本発明を完成した。即ち、本発
明は、抗菌性化合物を結合させることを特徴とするリゾ
チームに関する。
【0010】本発明のリゾチームとは、N−アセチルム
ラミン酸とN−アセチルグルコサミン間のβー1,4 結合
を、加水分解する酵素蛋白質を言い、その起源は人由
来、卵白由来、魚類の体表粘液由来、微生物由来、バク
テリオファージ由来およびそれらのリゾチーム遺伝子を
利用し、遺伝子操作技術により調製されたリゾチームで
あっても良い。特に好ましくは、容易に大量調製が可能
な鶏卵卵白由来のリゾチームの使用が望ましい。
【0011】本発明の抗菌性化合物とは、細菌に対して
殺菌活性あるいは増殖抑制活性を示す化合物を意味し、
例えば植物由来の化合物、合成抗菌剤、抗生物質があげ
られる。植物由来の抗菌性化合物としては、オイゲノー
ル、チモール、クレゾール、カルバクロール、バニリ
ン、サリチルアルデヒド、ペリルアルデヒド、シンナム
アルデヒド、アニスアルデヒド、ベンゾアルデヒド、ア
セトアルデヒド、ピネン、リモネン、カテキン、エピカ
テキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、エピカテキ
ンガレート、エピガロカテキンガレート等があげられ
る。これらの中では、リゾチームに対する結合性の高
い、分子内にアルデヒド基を有する化合物、即ち、バニ
リン、サリチルアルデヒド、ペリルアルデヒド、シンナ
ムアルデヒド、アニスアルデヒド、ベンゾアルデヒド、
アセトアルデヒドの使用が望ましく、さらに、抗菌活性
の観点よりバニリン、サリチルアルデヒド、ペリルアル
デヒド、シンナムアルデヒドが望ましい。
【0012】合成抗菌剤としては、オキソリン酸、サル
ファー剤等があげられる。これらの中ではスルファジメ
トキシン、スルファモノメトキシン、スルファメトキサ
ゾール等のサルファー剤の使用が望ましい。抗生物質と
しては、ペニシリン類やセファロスポリン類のβ−ラク
タム系抗生物質、アミノ配糖体抗生物質、クロラムフェ
ニコール、テトラサイクリン系抗生物質、マクロライド
系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質、ペプチド系抗
生物質、アンサマクロライド系抗生物質、デプシペプチ
ド系抗生物質、フシジン酸、ノボビオシン、ホスホマイ
シン、ポリエン系抗生物質、グリセオフルビン、アクチ
ノマイシン類、マイトマイシン類、アンスラサイクリン
類、オーレオリン酸誘導体、ブレオマイシン類等があげ
られる。これらの中では、ペニシリン等の細胞壁作用性
の抗生物質の利用が望ましい。
【0013】本発明において抗菌性化合物とリゾチーム
の結合は、抗菌性化合物中の官能基とリゾチームの構成
アミノ酸中の官能基を化学的、酵素的に結合させるもの
であれば、特に限定されるものではない。官能基として
は、例えば、抗菌性化合物中のカルボニル基、水酸基、
アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、アルデ
ヒド基等があげられる。また、リゾチームを構成するア
ミノ酸残基の官能基としては、たとえばグルタミン酸や
アスパラギン酸のカルボキシル基、リジンではη(イー
タ)位のアミノ基、チロシンではフェノール性水酸基、
ヒスチジンのイミダゾール基、アルギニンのグアニジル
基、バリンやロイシンのアルキル基、システインのスル
フヒドリル基等があげらる。本発明の抗菌性化合物結合
リゾチームの調製では、これらの官能基を利用し化学的
にまたは酵素的に結合させればよい。
【0014】本発明における結合とは、特に限定するも
のではないが、共有結合、イオン結合、配位結合、水素
結合等が考えられ、好ましくは結合力の高い共有結合が
よい。即ち、その結合方法としては、抗菌性化合物の有
する官能基の種類とリゾチームの構成アミノ酸の官能基
の種類の組み合わせにより以下のような結合法を用いる
ことができる。アルデヒド基やケトン基を有する抗菌性
化合物の場合は、リゾチームと抗菌性化合物を混合し、
リゾチームの構成アミノ酸中の第一級アミン、例えばリ
ジン残基のη(イータ)位のアミノ基と抗菌性化合物中
のアルデヒド基あるいはケトン基を脱水縮合させること
により生じるシッフベース(シッフ塩基)を、水素、ヨ
ウ化水素、硫化水素、水酸化アルミニウムリチウム、水
素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で還元し結合させる。
この場合、1モルのリゾチームに対して通常1〜200
モル、好ましくは10〜100 モルの抗菌性化合物を混合す
ればよい。シッフベースを形成させる条件やそれを還元
する条件は、リゾチームの酵素活性をなるべく失活させ
ないような条件を用いることが好ましく、通常、0〜70
℃の温度、pH2〜9、5〜120 分の反応時間で、さらに
好ましくは0〜20℃、pH5〜8、5〜60分の反応時間を
用いることが望ましい。
【0015】糖類が結合した抗菌性化合物の場合は、そ
の化合物に対して過剰量、例えば、モル濃度で10〜100
倍量の過ヨウ素酸を添加し、糖類の炭素原子に結合した
隣接するヒドロキシル基あるいはアミノ基を、0〜30℃
の反応温度で、pH4〜9の条件で、選択的に酸化(過ヨ
ウ素酸酸化)させることにより生じるアルデヒド基と、
リゾチームの構成アミノ酸中の第一級アミン、例えばリ
ジン残基のη(イータ)位のアミノ基を反応させシッフ
ベース(シッフ塩基)を形成させた後、それを、上記の
ように、水素、ヨウ化水素、硫化水素、水酸化アルミニ
ウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で還
元する結合方法を用いることができる。還元糖、例えば
グルコース、マルトース、ラクトース等が結合した抗菌
性化合物の場合は、それとリゾチームの混合水溶液を加
熱処理し、還元糖のカルボニル基とリゾチームの構成ア
ミノ酸中のアミノ基で生ずるアミノカルボニル反応を利
用する結合方法を用いることができる。この場合、加熱
条件についてはリゾチームの失活が少ない温度とpHおよ
び処理時間を選択する必要があり、たとえば70℃以下の
温度で、pH4〜pH10で、30分〜2時間の条件で行うこと
ができる。アミノ基やカルボキシル基を有する抗菌性化
合物の場合は、それとリゾチームの混合水溶液にカルバ
ミン酸ニトリル等のカルボジイミド試薬を加え、たとえ
ば、それぞれに含まれるアミノ基とカルボキシル基を縮
合させる結合方法を利用することができる。
【0016】その他、カルボキシル基を酸アジド誘導体
としてアミノ基に結合させる方法やエステル交換反応、
グルタルアルデヒド法などの公知の化学結合反応を適宜
選択し利用すれば良い。また、トランスグルタミナーゼ
の酵素反応を利用する結合方法であってもよい。リゾチ
ームを蛋白質として分離精製する一般的な方法、たとえ
ばゲル濾過、陽イオン交換クロマトグラフィーあるいは
塩析法等で行うことができる。この中では、塩析法を用
いる方法が簡単で、リゾチームを塩析物として分離する
ためには、通常、硫酸ナトリウムあるいは硫酸アンモニ
ウムを50%飽和度以上になるように添加すればよい。こ
れらの結合方法の中では、以下の実施例にも示すように
抗菌性化合物のアルデヒド基と、リゾチームのリジン残
基のη(イータ)位のアミノ基間で起こる脱水縮合反応
を利用し形成されるシッフベース(シッフ塩基)を水
素、ヨウ化水素、硫化水素、水酸化アルミニウムリチウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で還元する方法
が操作性等の面で望ましい。また、この反応によって抗
菌性化合物が結合したリゾチームと、未反応の抗菌性化
合物を分離する方法は特に限定される物ではなく、リゾ
チームを蛋白質として分離精製する一般的な方法、たと
えばゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィーあるいは
塩析法等で行うことができる。ゲル濾過ではリゾチーム
の分子量が約14,000に対して本発明で用いる抗菌性化合
物が分子量1,000以下のものであるため、例えば、セフ
ァデックスG15やG25を用い、リゾチームの酵素活性に影
響を与えない中性付近のpH4〜8の溶液で行うことがで
きる。イオン交換クロマトグラフィーでは、リゾチーム
の等電点が11付近にあり、これを考慮して陽イオン交換
体をもちいて、抗菌性化合物結合リゾチームを吸着さ
せ、未反応の抗菌性化合物を分離することが可能であ
る。また、塩析法では通常、反応後の溶液に硫酸ナトリ
ウムあるいは硫酸アンモニウムを50%飽和度以上になる
ように添加すれば抗菌性化合物結合リゾチームを塩析物
として得ることができ、その後、遠心分離等の一般的な
方法でそれと未反応の抗菌性化合物を分離することが可
能である。これらの中では、塩析法が最も簡単であるた
め、その利用が好ましい。
【0017】
【実施例】
実施例1 ペリルアルデヒド結合リゾチームの調製 シソの抗菌性化合物であるペリルアルデヒドと鶏卵卵白
由来のリゾチームの結合物を以下のように調製した。10
0mlの2.5M NaClを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.4)にリ
ゾチームを1.5g溶解した。また、20mlのヘキサンにモル
比でリゾチームの50倍量のペリルアルデヒドを溶解し
た。リゾチーム溶液とペリルアルデヒド溶液を混合し、
氷冷下で10分間攪拌してシッフベースを形成させた。
その後、1mg/mlの濃度で水素化ホウ素ナトリウムを溶
解した120mlの0.3Mリン酸緩衝液(pH7.0、0.3MNaCl含
む)を加え、氷冷下で30分間攪拌することによりシッ
フベースの還元を行った。水素化ホウ素ナトリウム添加
による還元反応は合計3回繰り返した。反応液に飽和硫
酸ナトリウム液を66%飽和度となるように加え、37
℃で1時間放置後、遠心分離により塩析沈殿物を回収し
た。塩析沈殿物を300mlの蒸留水に溶解し、蒸留水に対
して充分透析した後、凍結乾燥でペリルアルデヒド結合
リゾチーム1.35gを得た。得られたペリルアルデヒド結
合リゾチームと未処理リゾチームのリジン残基数を、2,
4,6ートリニトロベンゼンスルフォン酸(TNBS)試薬を用
い、344nmの吸光度を測定し比較した結果、ペリルアル
デヒド結合リゾチームは1モルのリゾチームに対して、
4モルのペリルアルデヒドが結合したものであった。
【0018】実施例2 シンナムアルデヒド結合リゾチ
ームの調製 シナモンの抗菌性化合物であるシンナムアルデヒドと鶏
卵卵白由来のリゾチームの結合物を以下のように調製し
た。1.5gのリゾチームに対してモル濃度で50倍量のシ
ンナムアルデヒドを、実施例1と同様の操作法で反応さ
せ、凍結乾燥により1.28gのシンナムアルデヒド結合リ
ゾチームを得た。得られたシンナムアルデヒド結合リゾ
チームと未処理リゾチームのリジン残基数をTNBS試薬を
用い、344nmの吸光度を測定し比較した結果、シンナム
アルデヒド結合リゾチームは1モルのリゾチームに対し
て、4モルのシンナムアルデヒドが結合したものであっ
た。
【0019】実施例3 サリチルアルデヒド結合リゾチ
ームの調製 サリチルアルデヒドと鶏卵卵白由来のリゾチームの結合
物を以下のように調製した。1.5gのリゾチームに対して
モル濃度で、50倍量のサリチルアルデヒドを実施例1
と同様の操作法で反応させ、凍結乾燥により1.31gのサ
リチルアルデヒド結合リゾチームを得た。得られたサリ
チルアルデヒド結合リゾチームと未処理リゾチームのリ
ジン残基数をTNBS試薬を用い、344nmの吸光度を測
定し比較した結果、サリチルアルデヒド結合リゾチーム
は1モルのリゾチームに対して、4モルのサリチルアル
デヒドが結合したものであった。
【0020】実施例4 バニリン結合リゾチームの調製 バニリンと鶏卵卵白由来のリゾチームの結合物を以下の
ように調製した。1.5gのリゾチームに対してモル濃度で
50倍量のバニリンを実施例1と同様の操作法で反応さ
せ、凍結乾燥により1.31gのバニリン結合リゾチームを
得た。得られたバニリン結合リゾチームと未処理リゾチ
ームのリジン残基数をTNBS試薬を用い、344nmの吸
光度を測定し比較した結果、バニリン結合リゾチームは
1モルのリゾチームに対して、4モルのバニリンが結合
したものであった。
【0021】比較例1 脂肪酸結合リゾチームの調製 実施例1、2、3、4の比較例として、脂肪酸結合リゾ
チームを調製した。その調製方法はJ. Agric. Food Che
m., 39, 2077ー2082 (1991年)に記載の方法に準じた。
すなわち、脂肪酸としてパルミチン酸を用い、これをN-
ヒドロキシコハク酸アミドでエステル化し、鶏卵卵白由
来のリゾチームに、エステル交換反応で結合させた。1
モルのリゾチームに対して4モルのパルミチン酸が結合
した脂肪酸結合リゾチームを得た。
【0022】比較例2 抗菌性化合物とリゾチームの混
合物の調製 実施例1、2、3、4の比較例として、それぞれの実施
例で用いた抗菌性化合物と鶏卵卵白由来のリゾチームを
単に混合した混合物を調製した。調製法は1.5gのリゾチ
ームに対してペリルアルデヒド、シンナムアルデヒド、
サリチルアルデヒド、またはバニリンを、それぞれモル
濃度でリゾチームの4倍量となるようにを実施例1と同
様の操作法で混合した後、ただちに凍結乾燥し、ペリル
アルデヒド混合リゾチーム、シンナムアルデヒド混合リ
ゾチーム、サリチルアルデヒド混合リゾチーム、およ
び、バニリン混合リゾチームのそれぞれを得た。
【0023】試験例1 抗菌性化合物結合リゾチームの
溶解性 実施例1、2、3、4で得られたそれぞれの抗菌性化合
物結合リゾチームと比較例1の脂肪酸結合リゾチームお
よび未処理リゾチームの溶解性の比較を行った。それぞ
れのリゾチームを0.1%濃度となるように50mMのリン酸緩
衝液(pH7.0)に溶解した。その後、それぞれのリゾチ
ーム溶液をポアーサイズ0.45ミクロンのフィルターで加
圧濾過して得られた濾過液の蛋白質濃度を測定した。結
果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】未処理リゾチームの濾過液の蛋白質濃度を
100%とした場合、ペリルアルデヒド結合リゾチームの濾
過液は91%、シンナムアルデヒド結合リゾチームの濾過
液は88%、サリチルアルデヒド結合リゾチームの濾過液
は93%、バニリン結合リゾチームの濾過液は88%であっ
た。一方、比較例1の脂肪酸結合リゾチームの溶解性は
43%であった。これにより抗菌性化合物結合リゾチーム
の溶解性は未処理リゾチームの溶解性と比較して約10%
程低下したが、従来の脂肪酸結合リゾチームとの比較で
は、非常に高い溶解性を有する物であった。
【0026】試験例2 抗菌性化合物結合リゾチームの
酵素活性 実施例1、2、3、4で得られたそれぞれの抗菌性化合
物結合リゾチームと比較例1の脂肪酸結合リゾチームお
よび未処理リゾチームの酵素活性の比較を行った。リゾ
チームの酵素活性はミクロコッカス・リゾデイクティカ
ス(M. lysodeikticus)菌体に体する溶菌活性で比較し
た。それぞれのリゾチームを最終濃度 1μg/mlとなる
ように50mMのリン酸緩衝液(pH6.2)に懸濁した菌体液
(初期濁度A600nm=0.75〜0.80)に添加し、25℃でそ
の濁度変化を測定した。結果を表1に示す。未処理リゾ
チームの濁度変化量を100%とした場合、ペリルアルデヒ
ド結合リゾチームのそれは81%、シンナムアルデヒド結
合リゾチームのそれは82%、サリチルアルデヒド結合リ
ゾチームのそれは75%、バニリン結合リゾチームのそれ
は76%であった。一方、比較例1の脂肪酸結合リゾチー
ムのそれは58%であった。これにより抗菌性化合物結合
リゾチームの酵素活性は未処理リゾチームのそれと比較
して約20%程低下したが、従来の脂肪酸結合リゾチーム
の酵素活性との比較では、非常に高い酵素活性を有する
物であった。
【0027】試験例3 グラム陰性菌に対する抗菌性化
合物結合リゾチームの抗菌活性 実施例1、2、3、4で得られたそれぞれの抗菌性化合
物結合リゾチーム、試験例2で得られた抗菌性化合物混
合リゾチームおよび未処理リゾチームのグラム陰性菌に
対する抗菌活性を比較した。グラム陰性菌としては大腸
菌(Escherichia coli Kー12 株)を用いた。対数増殖期
の大腸菌を1×106 細胞/mlとなるように10mMリン酸
緩衝液(pH7.0 )に懸濁した。大腸菌懸濁液にそれぞれ
のリゾチームを最終濃度 100μg/mlとなるように添加し
て37℃で1時間インキュベートした後、懸濁液の一定量
をマッコンキー寒天培地に植菌し、35℃で24時間培
養後のそれぞれの生菌数を測定した。その結果を表1に
示す。なお、大腸菌懸濁液に対する0.2%ジメチルフォル
ムアミド(DMF)の添加は、大腸菌の成育に全く影響は
なっかた。未処理リゾチームの生菌数を100%として、そ
れぞれの生菌数を比較した結果、ペリルアルデヒド結合
リゾチームそれは20%、シンナムアルデヒド結合リゾチ
ームのそれは15%、サリチルアルデヒド結合リゾチーム
のそれは16%、バニリン結合リゾチームのそれは12%で
あった。また、リゾチームと抗菌生化合物のそれぞれの
単なる混合物の場合では、いずれの混合物でも生菌数は
100%以上であり、それらの抗菌活性の増強及び抗菌
スペクトルの拡大は見られなかった。これにより抗菌性
化合物結合リゾチームはグラム陰性菌の大腸菌に対して
抗菌性を示すことが明らかであり、その抗菌性は未処理
リゾチームのそれと比較して約5〜10倍であった。ま
た、リゾチームと抗菌生化合物のそれぞれの単なる混合
物には抗菌性がないのに対し、本発明の大腸菌に対する
抗菌活性はリゾチームと抗菌生化合物が化学的結合する
ことにより生ずるものである。
【0028】試験例4 グラム陽性菌に対する抗菌性化
合物結合リゾチームの抗菌活性 実施例1、2、3、4で得られたそれぞれの抗菌性化合
物結合リゾチーム、試験例2で得られた抗菌性化合物混
合リゾチームおよび未処理リゾチームのグラム陽性菌に
対する抗菌活性を比較した。グラム陽性菌としては黄色
ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus IFO14462株)を
用いた。対数増殖期の細菌を1×106細胞/mlとなる
ように10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した。細菌懸
濁液にそれぞれのリゾチームを最終濃度100μg/mlとな
るように添加して37℃で1時間インキュベートした後、
懸濁液の一定量をマッコンキー寒天培地に植菌し、35
℃で24時間培養後のそれぞれの生菌数を測定した。そ
の結果を表1に示す。なお、細菌懸濁液に対する0.2%DM
Fの添加は、細菌の成育に全く影響はなかった。未処理
リゾチームの生菌数を100%として、それぞれの生菌数を
比較した結果、ペリルアルデヒド結合リゾチームのそれ
は9%、シンナムアルデヒド結合リゾチームのそれは11
%、サリチルアルデヒド結合リゾチームのそれは5%、バ
ニリン結合リゾチームのそれは5%であった。また、リゾ
チームと抗菌生化合物のそれぞれの単なる混合物の場合
では、いずれの混合物でも生菌数は100%以上であ
り、それらの抗菌活性の増強および抗菌スペクトルの拡
大は見られなかった。これにより抗菌性化合物結合リゾ
チームはグラム陽性菌に対する抗菌性についても未処理
リゾチームのそれと比較して約5〜10倍増強できた。ま
た、リゾチームと抗菌生化合物のそれぞれの単なる混合
物には抗菌性増強効果はなく、本発明のグラム陽性菌に
対する抗菌活性増強効果はリゾチームと抗菌生化合物が
化学的結合することにより生ずるものであることが示さ
れた。
【0029】本発明の実施態様としては以下のようなこ
とが考えられる。 (1)抗菌性化合物を結合させることを特徴とするリゾ
チーム (2)抗菌性化合物が植物由来である前記(1)記載の
リゾチーム (3)抗菌性化合物がペリルアルデヒドである前記
(1)記載のリゾチーム (4)抗菌性化合物がシンナムアルデヒドである前記
(1)記載のリゾチーム (5)抗菌性化合物がサリチルアルデヒドである前記
(1)記載のリゾチーム (6)抗菌性化合物がアニスアルデヒドである前記
(1)記載のリゾチーム (7)抗菌性化合物がベンゾアルデヒドである前記
(1)記載のリゾチーム (8)抗菌性化合物がアセトアルデヒドである前記
(1)記載のリゾチーム (9)抗菌性化合物がバニリンである前記(1)記載の
リゾチーム (10)抗菌性化合物が抗生物質である前記(1)記載
のリゾチーム (12)抗生物質がペニシリンである前記(10)記載
のリゾチーム (13)抗生物質がセファロスポリンである前記(1
0)記載のリゾチーム (14)抗生物質がアミノ配糖体である前記(10)記
載のリゾチーム (15)抗生物質がテトラサイクリンである前記(1
0)記載のリゾチーム (16)抗生物質がマクロライドである前記(10)記
載のリゾチーム (17)抗生物質がアクチノマイシンである前記(1
0)記載のリゾチーム (18)抗生物質がマイトマイシンである前記(10)
記載のリゾチーム (19)抗生物質がブレオマイシンである前記(10)
記載のリゾチーム (20)抗菌性化合物が合成抗菌剤である前記(1)記
載のリゾチーム (21)合成抗菌剤がオキソリン酸である前記(20)
記載のリゾチーム (22)合成抗菌剤がスルファジメトキシンである前記
(20)記載のリゾチーム (23)合成抗菌剤がスルファモノメトキシンである前
記(20)記載のリゾチーム (24)合成抗菌剤がスルファメトキサゾールである前
記(20)記載のリゾチーム (25)合成抗菌剤がクロラムフェニコールである前記
(20)記載のリゾチーム
【0030】(26)リゾチームと抗菌性化合物を混合
し、リゾチームの構成アミノ酸中のリジン残基のη(イ
ータ)位のアミノ基と抗菌性化合物中のアルデヒド基
を、脱水縮合させることにより生じるシッフベース(シ
ッフ塩基)を、水素、ヨウ化水素、硫化水素、水酸化ア
ルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム等の還元
剤で還元することにより調製された抗菌性化合物結合リ
ゾチーム (27)リゾチームと抗菌性化合物を混合し、リゾチー
ムの構成アミノ酸中のリジン残基のη(イータ)位のア
ミノ基と、抗菌性化合物中のケトン基を、脱水縮合させ
ることにより生じるシッフベース(シッフ塩基)を、水
素、ヨウ化水素、硫化水素、水酸化アルミニウムリチウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で、還元するこ
とにより得られる抗菌性化合物結合リゾチーム (28)糖類を有する抗菌性化合物に対して過ヨウ素酸
を添加し、糖類の炭素原子に結合し隣接するヒドロキシ
ル基あるいはアミノ基を、選択的に酸化(過ヨウ素酸酸
化)させることにより生じるアルデヒド基と、リゾチー
ムの構成アミノ酸中のリジン残基のη(イータ)位のア
ミノ基を、反応させシッフベースを形成させ、次いで、
水素、ヨウ化水素、硫化水素、水酸化アルミニウムリチ
ウム、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で還元するこ
とにより得られる抗菌性化合物結合リゾチーム (29)還元糖を有する抗菌性化合物とリゾチームの混
合水溶液を加熱処理し、還元糖のカルボニル基とリゾチ
ームの構成アミノ酸中のアミノ基により起こるアミノカ
ルボニル反応を利用し得られる抗菌性化合物結合リゾチ
ーム
【0031】(30)アミノ基を有する抗菌性化合物と
リゾチームの混合水溶液にカルボジイミド試薬を加え抗
菌性化合物のアミノ基とリゾチームの構成アミノ酸中の
カルボキシル基を縮合させることにより得られる抗菌性
化合物結合リゾチーム (31)カルボキシル基を有する抗菌性化合物とリゾチ
ームの混合水溶液にカルボジイミド試薬を加え抗菌性化
合物のカルボキシル基とリゾチームの構成アミノ酸中の
アミノ基を縮合させることにより得られる抗菌性化合物
結合リゾチーム (32)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とするシャンプー (33)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とするリンス (34)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とする洗口液 (35)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とする歯磨き剤 (36)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とする蒲鉾 (37)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とするカスタード
クリーム (38)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とする漬物 (39)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とするソーセージ (40)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とするハム (41)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とする炊飯米 (42)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とする鶏卵化工品 (43)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とする飼料添加剤 (44)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とする動物医薬品 (45)上記(1)〜(31)で得られる抗菌性化合物
結合リゾチームを配合することを特徴とする医薬品
【0032】
【発明の効果】従来、リゾチームの抗菌活性はグラム陽
性菌に対するものとして限定され、その用途目的が限定
されていた。また、従来の抗菌性化合物はその種類によ
りグラム陽性菌またはグラム陰性菌、あるいはその両者
に抗菌活性を示すものが知られていたが、それらの有す
る味、臭い、毒性等によりその用途と使用量が限定され
ていた。本発明の抗菌性化合物結合リゾチームは、従来
のリゾチームが有するグラム陽性菌に対する抗菌活性を
増強する効果を有する。また、従来のリゾチームの抗菌
スペクトルはグラム陽性菌に限定されていたが、本発明
の抗菌性化合物結合リゾチームはその抗菌スペクトルを
拡大する効果をを有し、グラム陰性菌に対しても抗菌活
性を示す。さらには抗菌性化合物の単独使用では抗菌活
性を示さない濃度であっても、それがリゾチームに結合
した本発明の抗菌性化合物結合リゾチームでは、リゾチ
ームとの共同作用により、すぐれた抗菌活性を示す。即
ち、本発明の抗菌性化合物結合リゾチームは、従来の抗
菌性化合物の有効使用濃度を低下させる効果を有する。
本発明の抗菌性化合物結合リゾチームは、上記の効果を
有し、抗炎症や抗菌を目的とした医薬品として、ふけの
原因菌や虫歯の原因菌の抑制を目的としたシャンプーや
リンス等の化粧品あるいは洗口液や歯磨き剤等の医薬部
外品として、腐敗防止や殺菌を目的とした蒲鉾、カスタ
ードクリーム、漬物、ソーセージ、ハム、炊飯米、鶏卵
化工品等食品の日持ち向上剤として、家畜や水産動物の
疾病予防を目的とした飼料添加剤や動物医薬品としての
利用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/46 ABE (72)発明者 金 武祚 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌性化合物を結合させることを特徴と
    するリゾチーム。
  2. 【請求項2】 抗菌性化合物がペリルアルデヒド、シン
    ナムアルデヒド、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒ
    ド、ベンゾアルデヒド、バニリンより選ばれる1種また
    は2種以上の化合物である請求項1記載のリゾチーム。
  3. 【請求項3】 抗菌性化合物が抗生物質及び/または合
    成抗菌剤である請求項1記載のリゾチーム。
  4. 【請求項4】 結合が脱水縮合反応により形成されるこ
    とを特徴とする請求項1〜3記載のリゾチーム。
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