JPH07235907A - 光空間伝送装置 - Google Patents

光空間伝送装置

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JPH07235907A
JPH07235907A JP6119335A JP11933594A JPH07235907A JP H07235907 A JPH07235907 A JP H07235907A JP 6119335 A JP6119335 A JP 6119335A JP 11933594 A JP11933594 A JP 11933594A JP H07235907 A JPH07235907 A JP H07235907A
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JP
Japan
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laser
wavelength
signal
noise
optical space
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Application number
JP6119335A
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English (en)
Inventor
Kanji Mihara
寛司 三原
Akira Hirashima
明 平島
Takashi Otobe
孝 乙部
Yujiro Ito
雄二郎 伊藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/11Arrangements specific to free-space transmission, i.e. transmission through air or vacuum
    • H04B10/112Line-of-sight transmission over an extended range
    • H04B10/1123Bidirectional transmission
    • H04B10/1125Bidirectional transmission using a single common optical path

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 光空間伝送装置は、レーザ発振器113を光
源として用い、双方向で光空間伝送を行うものであり、
空間伝送されたレーザ光の空気の微量成分による吸収に
基づくC/Nの悪化を検出する雑音検出回路120と、
雑音検出回路120で雑音を検出したときに相手装置に
対して送るレーザ波長の変更を要求する信号を発生する
レーザ波長変更要求発生回路304と、相手装置から送
られてきたレーザ波長変更要求信号を検出するレーザ波
長変更要求検出回路301と、雑音検出回路120から
の雑音検出フラグ又はレーザ波長変更要求検出回路30
1からのレーザ波長変更要求検出フラグに応じて、空気
の微量成分による吸収帯域を避けてレーザ光の波長を変
化させるレーザ波長制御回路303とを有する。 【効果】 高品質の光空間伝送を絶えず行うことが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に空間を伝播する光
ビームを媒介して所望の情報信号を伝送対象との間で送
受する光空間伝送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、特に光源にレーザ発振器を用
い、空間を伝播するレーザビームを媒介して所望の情報
信号を伝送対象との間で送受する光空間伝送装置におい
ては、レーザ光を送信信号に応じて変調して外部に出射
すると共に、外部から入射した変調されたレーザ光を受
光して復調することによって、上記所望の情報信号の送
受を行うようにしている。
【0003】すなわち、図15に示すように、一方の光
空間伝送装置81と他方の光空間伝送装置82との間で
のレーザ光による双方向の光空間伝送は、一方の光空間
伝送装置81(又は82)で発生したレーザ光をレンズ
83を介して出射し、他方の光空間伝送装置82(又は
81)が上記一方の装置81(又は82)からのレーザ
光をレンズ83を介して受光することで実現される。
【0004】ここで、例えば光源にレーザダイオードを
用いた光空間伝送装置においては、従来より、レーザ光
の波長として820nmよりも長い波長が用いられてい
る。なお、波長を多重化して光空間伝送するようなもの
では、上記820nmよりも短い波長のレーザ光を用い
るものも存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな光源にレーザ発振器を用いて長距離の信号伝送を行
う光空間伝送においては、伝送媒体である大気によって
信号伝送時のC/N(搬送波/雑音)が影響を受けるこ
とが知られている。この大気による影響は、主に、散乱
などに伴う減衰要因と、空気中の屈折率の揺らぎに伴う
いわゆる陽炎のようなビームダンシングなどに起因する
と考えられてきた。
【0006】しかしながら、本件発明者等は、実際に実
験を行うことにより、上述のような散乱やビームダンシ
ング以外にも、大気若しくは長距離伝送の影響によって
雑音が著しく増加する雑音増加要因があることを明らか
にした。
【0007】上記実験によって明らかにした雑音増加要
因の第一(第一の雑音増加要因)は、大気中の微量分子
による波長吸収スペクトルによるものである。
【0008】例えば、図16に示すように、大気の波長
吸収スペクトルは、光空間伝送におけるレーザ発振波長
としてよく用いられる780nm〜830nm帯におい
ても、かなりの数が見受けられる。なお、図16には、
大気の波長吸収スペクトルのうち770.0nm〜84
1.6nm付近を示している。
【0009】ここで、光源として例えば単一縦モードの
ような単一波長で発振している半導体レーザ発振器を用
い、この半導体レーザ発振器の当該発振波長が、例えば
温度特性などに起因する発振波長シフトによって、図1
6に示す大気の波長吸収スペクトルの吸収波長と一致し
てしまった場合には、当該吸収波長によってレーザパワ
ーが減衰してC/Nが劣化することになるが、実際に長
距離光空間伝送を行うと、上記吸収による光パワーの減
衰によるC/N劣化をはるかに上回る激しい雑音の増大
が再現良く起こることが確認される。さらに、伝送信号
レベルは上記吸収に伴って減少するものであるため、伝
送信号のC/N比は、これらの相乗効果で著しく悪化す
ることになる。
【0010】このような雑音を、ここでは便宜上、波長
吸収雑音と呼ぶことにする。この波長吸収雑音は、通
常、レーザ発振器の温度特性による波長シフトに伴って
生ずるので、通常は何の問題もなく伝送がなされていた
ものが、温度変化に伴ってじわじわと雑音が増えるよう
になり、しばらくこの雑音の多い状態が続いた後、また
ゆっくりと回復するような性格のものである。さらに、
この波長吸収雑音は、大気の吸収によるものであるか
ら、伝送距離が長くなればなるほど、その影響は大きく
なり、伝送距離に対して指数関数的に影響が大きくなる
性格を持つものである。
【0011】上述したような波長吸収雑音が起こる原因
としては、次の2つのことを考えることができる。
【0012】先ず、第一に、レーザの発振波長は、強度
変調などに伴い弱冠の揺らぎを持っており(これを一般
にはチャーピングと呼ぶ)、また、レーザ発振器の経年
変化や温度特性などによってもその波長は僅かに変化す
るものである。このため、例えば図17に示すように、
上記吸収波長の吸収特性の肩特性にレーザの発振波長が
重なった場合には、上記レーザの波長方向の揺らぎが強
度方向の揺らぎに変換されることとなり、受信側の装置
においてそれが強度雑音として観測されるようになる。
【0013】すなわち、光の波長と大気による減衰との
関係が図17の図中Sに示すような特性となっている場
合において、レーザ光の発振波長λが当該Sの肩の部分
(大気の透過率が急激に落ち込む部分)にあるとき、当
該レーザ光の波長λが、揺らぎやレーザ発振器の経年変
化や温度特性などによって例えば図中Δλで示す範囲だ
け変化すると、受信側において上記Δλだけの波長λの
変化が強度方向の雑音に変換されてしまうようになる。
このようなことから、光空間伝送における送受のC/N
が大きく悪化することになる。
【0014】言い換えれば、レーザの発振波長が、上記
透過率の急激に落ち込む部分である大気の吸収波長帯上
に存在していたとしても、当該レーザ光の波長の変化が
無ければ当該波長λのレーザ光の受ける損失やC/Nの
悪化は僅かであるが、当該レーザ光の波長が揺らいだり
レーザ発振器の経年変化などによって当該波長が変化す
ると、上記図17の図中Sの肩部分(傾斜部分)で、上
記レーザ光の波長変動(周波数変動)が振幅変動に変換
されるようになり、これが受信側において強度雑音とし
て現れるようになる。例えば、レーザ光の波長の変動
(Δλ)が僅か0.1オングストロームの範囲内であっ
たとしても、上記C/Nは例えば10dB以上変化する
ようになってしまう。
【0015】しかも、レーザの波長の上記揺らぎの周波
数は非常に速いので、このとき発生する雑音も例えば0
〜400MHz若しくは500MHzまでの白色雑音の
ような広帯域の特性を持つものとして観測されるように
なる。
【0016】上述のようなことから、長距離の光空間伝
送時に雑音レベルが上がるのではないかと推測される。
【0017】また、上記波長吸収雑音の発生原因として
仮定される2番目は、モード分配雑音が考えられる。こ
こでいうモード分配雑音とは、一般には次のようなもの
である。
【0018】例えば、半導体レーザ発振器が疑似単一モ
ード発振している場合において、当該半導体レーザの出
力パワーは、トータルで同じに保たれていたとしても、
例えば図18のAに示すように、ある時は波長λ0 の主
発振モードに対してより多くのパワーが分配されたり、
或いは図18のBに示すように、ある時は副発振モード
の方に比較的多くのパワーが分配されたりする。この図
18のAの状態と図18のBの状態は激しく移り変わる
ことがある。ただし、このようなことが起こっても、例
えば光ファイバ通信や近距離の光空間伝送のように、送
信側のレーザから出射される光パワーの全てが受信側の
受光素子に入る場合には、全く雑音成分にはならない。
【0019】しかし、ある特定のモードのみ(例えば主
発振モードのみ)が受光素子に到達しているような場合
には、上述したように当該モードに対して分配される光
パワーは常に揺らいでいるため、当該モードの光のみを
受光して得た信号もレベルが常に変動する雑音の多いも
のとなってしまう。またここで、前記波長吸収雑音につ
いて考えてみると、大気による吸収によって主発振モー
ドだけが著しく減衰した場合には、副発振モードのみが
受光されるようになり、光空間伝送装置の受光系が波長
フィルタとして動作してしまうようになる。
【0020】このように、波長吸収雑音の発生原因の第
2番目としては、主発振モードと副発振モードに分配さ
れる光パワーの揺らぎが、大気による吸収と相まってそ
のまま雑音成分となって現れるのではないかと推測され
る。
【0021】上述したような波長吸収雑音の発生メカニ
ズムは、上記吸収波長の吸収特性の肩特性にレーザ発振
波長が重なった場合の雑音と、大気による吸収及びレー
ザ発振波長の揺らぎに伴うモード分配雑音のいずれであ
るか特定できていないが、これらによって発生すると考
えられる非定常的な雑音を上記波長吸収雑音と呼ぶこと
にして、この後に述べる第二の雑音増加要因とは区別す
る。
【0022】なお、空気中の微量分子による吸収スペク
トルの存在は既に知られている。この吸収スペクトルに
ついては例えば文献「赤外線光と明白な減衰」(CCIR,R
ep.833,"Attenuation of Visible and Infrared Radiat
ion":1982)に記載されている。但し、この吸収の大きさ
については、例えば、約1オングストロームの分解能の
分光器で測定したときに、秋の晴れた日に約10Kmの
大気を通過後も最大3dB程度なので、1Km〜2Km
程度の伝送を行う地上用の光空間伝送装置においては、
上記吸収スペクトルの存在についてさほど重要視されて
いなかった。また、実際問題として、光空間伝送におい
て使用している光の波長が、上記吸収帯域上になる確率
はそれほど高くないので、当該光空間伝送のシステムと
しても、上記吸収スペクトルの存在は等閑視されてき
た。すなわち、上記レーザ光の波長帯域が上記吸収スペ
クトルと同じ波長帯に属する波長であったとしても、上
記吸収スペクトルとレーザ光の波長帯とでは僅かに違っ
ているため、上記レーザ光に対して上記吸収スペクトル
が悪影響を及ぼすとは考えられていなかった。
【0023】次に、第二の雑音増加要因として、長距離
の光空間伝送において上述したような複数モードで発振
するレーザ発振器を用いた場合には、定常的に発生する
雑音があることを本件発明者等は確認している。この定
常的に発生する雑音の発生原因も、前述したレーザ発振
器の発振モード分配にあると考えられる。
【0024】すなわち、長距離の光空間伝送において
は、図19のように受け手側の装置の受光レンズ(前記
レンズ83)の大きさに対して、相手方の装置に到達す
る光ビームBDの径は一般に拡がるようになり、しか
も、その光ビームBDの内部の光軸に直交する同一平面
上では大気中の屈折率の揺らぎなどによって波動の強度
が空間的に変化し、いわゆる干渉縞のような光強度の異
なる部分が形成されるようになる。したがって、受け手
側の装置は、上記干渉縞のような光強度の異なる部分の
うちの例えば明部bp(干渉縞の明るい部分に相当す
る)のみを受光素子で受光するというようなことが増え
る。言い換えれば、長距離伝送後の受けて側の装置は、
干渉縞の一部(明部bp)のみしか受光しないことにな
り、結果的に波長フィルタとして働いている。なお、図
19の図中斜線で示す部分dpは干渉縞の暗部に相当す
るものである。
【0025】ところが、干渉縞は一般に波長の関数で形
成されるので、上記光ビームBDのうちの上記受け手側
の装置の受光素子で受光している部分が、レーザの主発
振モードにとっては干渉縞の明部bpに対応していたと
しても、主発振モードとは波長が異なる副発振モードに
とっては干渉縞の暗部dpに対応してしまうこともあり
得る。このような場合に、著しい雑音が定常的に観測さ
れ、受光される信号のC/Nが非常に悪くなる。
【0026】ここではこのような雑音を定常的なモード
分配雑音と呼び、この定常的に発生するモード分配雑音
を第二の雑音増加要因として、先に述べた波長吸収雑音
の原因ではないかと考えられるレーザ発振波長のゆらぎ
に伴うモード分配雑音とは区別している。この定常的に
発生するモード分配雑音は、レーザ発振器が完全に単一
モードで安定して発振している場合や、完全にマルチモ
ード発振している場合には観測されないが、その中間の
疑似単一モード発振している場合に顕著に観測されるも
のである。
【0027】なお、半導体レーザ発振器は、構造的に利
得導波型レーザと屈折率導波型レーザとに分けられる
が、上記利得導波型レーザは疑似単一モード発振するた
め、上述のような定常的に発生するモード分配雑音を生
じ易い。また、通常は単一モードで発振する屈折率導波
型レーザも、低出力で動作させた場合や、モード競合
(出力モードが次のモードに移り変わろうとするときに
生ずる過渡的な不安定状態)などによりモード分配雑音
を生ずる場合がある。
【0028】次に、第三の雑音増加要因としては、上記
第一の雑音増加要因又は第二の雑音増加要因による雑音
が戻り光により誘起されることを挙げることができる。
【0029】すなわち、光空間伝送においては、常に相
手装置に到達するビームは揺らいでいるから、当該相手
装置のレンズ面若しくは受光素子面などによって反射し
て戻ってくる戻り光の強度も常に大きく変動している。
例えば、半導体レーザ発振器は、一般的に、戻り光の存
在によって、発振する縦モードが飛んだり、複数モード
発振することがよく起こる。
【0030】したがって、光空間伝送のように常に戻り
光の状態が変わるようなときには、戻り光に弱い半導体
レーザ発振器は安定した単一モード発振を保てず、頻繁
にモード競合やモードホッピングを繰り返すことにな
る。例えば、モード競合が発生した場合には前述したよ
うなモード分配雑音の原因ともなるし、また、競合して
いるモードのいずれかが大気の吸収波長と一致している
場合には先に述べたような波長吸収雑音の原因となる。
この戻り光による誘起雑音は、突然のモードホッピング
により波長吸収雑音を生じたりするので、現象としては
突然雑音が生じ、また突然回復するといった不安定状態
として観測される。
【0031】本件の発明者は、以上述べたような各雑音
増加要因が長距離光空間伝送時に致命的な問題となり得
るほどの雑音増加につながることを、実際に実験を行う
ことによって確認している。
【0032】上述したように、従来の光空間伝送装置に
おいては、上記雑音増加要因によって高品質の光空間伝
送ができなくなる場合が発生し、したがって、高品質の
光空間伝送を絶えず行えることが望まれる。すなわち、
上述のような雑音増加要因による雑音の発生を避ける必
要がある。
【0033】そこで、本発明は、上述したようなことに
鑑み、光空間伝送の際に雑音の発生を避けることがで
き、高品質の光空間伝送を絶えず行うことができる光空
間伝送装置を提供することを目的とするものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明の光空間伝送装置
は、上述の目的を達成するために提案されたものであ
り、レーザ発振器を光源として用い送信信号に応じて当
該レーザ光を変調して外部に出射することにより送信を
行う送信手段と、外部から入射した変調されたレーザ光
を受光すると共に当該レーザ光の受光信号を復調して受
信信号を得る受信手段とを有し、レーザ光を用いた光空
間伝送を行う光空間伝送装置であり、空間伝送されたレ
ーザ光の空気の微量成分による吸収に基づく信号対雑音
比の劣化を検出する信号対雑音比劣化検出手段と、上記
信号対雑音比劣化検出手段での検出により得られる信号
対雑音比劣化検出信号に基づいて、上記空気の微量成分
による吸収帯域を避けるように上記レーザ光の波長を変
化させる制御を行うレーザ光波長制御手段とを設けるこ
とを特徴とするものである。
【0035】ここで、本発明の光空間伝送装置では、送
信手段からは自己の信号対雑音比劣化検出手段により検
出した信号対雑音比劣化検出信号を相手方に送信し、受
信手段では相手方が送信した信号対雑音比劣化検出信号
を受信し、自己のレーザ光波長制御手段は上記相手方か
ら伝送されてきた信号対雑音比劣化検出信号に基づいて
上記レーザ光の波長を変化させる制御を行うようにして
いる。また、上記信号対雑音比劣化検出手段は、空間伝
送されたレーザ光の受信信号の周波数帯域のうち、送信
信号及び受信信号の搬送周波数を除く周波数帯域を用い
て、上記信号対雑音比の劣化を検出するようにしてい
る。
【0036】また、本発明の光空間伝送装置には、上記
レーザ発振器の駆動電流に対するバイアス電流を発生す
るバイアス電流発生手段を設け、上記レーザ光波長制御
手段は、上記信号対雑音比劣化検出信号に応じて上記バ
イアス電流発生手段を制御することによって上記レーザ
光の波長を変化させる制御を行う。さらに、本発明の光
空間伝送装置には、上記レーザ発振器の温度を変化させ
るレーザ発振器温度調整手段を設け、上記レーザ光波長
制御手段は、上記信号対雑音比劣化検出信号に応じて上
記レーザ発振器温度調整手段を制御することによって上
記レーザ光の波長を変化させる制御を行う。またさら
に、本発明の光空間伝送装置には、上記レーザ発振器温
度調整手段と上記バイアス電流発生手段とを共に設け、
上記レーザ光波長制御手段は、上記信号対雑音比劣化検
出信号に基づいて、上記レーザ発振器温度調整手段を制
御することにより上記レーザ光の波長を大きく変化させ
る制御を行い、上記バイアス電流発生手段を制御するこ
とにより上記レーザ光の波長を微小に変化させる制御を
行う。ここで、上記レーザ発振器として半導体レーザ発
振器を用いた場合、上記レーザ発振器温度調整手段は、
当該半導体レーザ発振器の周辺温度の経時変化を監視
し、この周辺温度の経時変化の情報に基づいて、上記半
導体レーザ発振器の温度を上昇させるか若しくは下降さ
せるかの判断を行うようにする。
【0037】
【作用】本発明の光空間伝送装置によれば、空間伝送さ
れたレーザ光の空気の微量成分による吸収に基づく信号
対雑音比の劣化を検出し、その信号対雑音比劣化検出信
号に応じて空気の微量成分による吸収帯域を避けるよう
にレーザ光の波長を変化させることで、レーザ光が空気
の微量成分によって吸収されることを防ぐようにしてい
る。
【0038】また本発明によれば、自己方のレーザ光波
長制御手段は、相手方から送られてきた信号対雑音比劣
化検出信号に基づいて自己の発するレーザ光の波長を制
御することで、実際の伝送時の空気の微量成分による吸
収に対応している。
【0039】また、本発明によれば、信号対雑音比の劣
化を検出する周波数帯域を、送信信号及び受信信号の搬
送周波数を除く周波数帯域とすることで、送信信号及び
受信信号の影響を除去している。
【0040】さらに、本発明では、信号対雑音比劣化検
出信号に応じてレーザ発振器の温度を変化させること、
及び/又は、信号対雑音比劣化検出信号に応じてレーザ
発振器の駆動電流に対するバイアス電流を制御すること
によって、レーザ光の波長を変化させるようにしてお
り、レーザ発振器の温度を変化させることでレーザ光の
波長を大きく変化させ、バイアス電流を制御することで
レーザ光の波長を微小に変化させるようにしている。
【0041】またさらに、本発明の光空間伝送装置によ
れば、半導体レーザ発振器の周辺温度の経時変化を監視
することで、半導体レーザ発振器の発振波長の経時変化
を推定することが可能となる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0043】先ず、本発明実施例の光空間伝送装置は、
前述した図15に示したような双方向の光空間伝送装置
に適用される。
【0044】本発明実施例の光空間伝送装置の主要構成
要素は図1に示すようになっている。この図1には、双
方向の光空間伝送を行う一方の内部構成のみを示してい
るが、他方の光空間伝送装置の内部構成も同様である。
【0045】この図1において、送信信号は送信信号処
理回路111によって形成され、この送信信号がドライ
バ112に送られる。当該ドライバ112は、上記送信
信号に応じてレーザ発振器113を駆動することによ
り、当該レーザ発振器113から上記送信信号に応じて
変調されたレーザ光を出射させる。
【0046】当該レーザ発振器113から出射されたレ
ーザ光は、レンズ115Aによって平行光線になされ、
さらに偏光ビームスプリッタ116を透過した所定偏光
面のレーザ光がレンズ115B及び115Cを介するこ
とにより、略平行の所定のビーム形状となされて空間に
出射される。この空間に出射された光が、送信側の光空
間伝送装置から出射される送信光ビームL1となる。な
お、上記レンズ115Cが図15のレンズ83と対応し
ている。
【0047】これに対し、受信側の光空間伝送装置で
は、送信側の光空間伝送装置から到来する送信光ビーム
を、当該受信側の光空間伝送装置のレンズ115C及び
115Bを介して取り込んで、偏光ビームスプリッタ1
16に導く。
【0048】ここで、上記送信側と受信側の光空間伝送
装置においてそれぞれ送受する光ビーム、すなわち一方
の光空間伝送装置が送信する光ビームと他方の光空間伝
送装置が送信する光ビームとでは、上記偏光面が互いに
直交するようになされている。したがって、受信側の光
空間伝送装置にて受信された受信光ビームL2は、上記
偏光ビームスプリッタ116の反射面にて反射されて、
レンズ115Dに導かれる。
【0049】当該レンズ115Dは、上記受信光ビーム
L2をフォトダイオードからなる受光素子117の受光
面上に集光する。上記受光素子117では、上記集光さ
れた受信光ビームL2を受光して電気信号に変換(O/
E変換)する。この受光素子117からの電気信号は、
プリアンプ125によって増幅され、AGC(Automati
c Gain Control)回路118に送られる。このAGC回
路118で所定のレベルに利得が自動調整された信号
は、受信信号処理回路119によって復調されて受信信
号として取り出される。
【0050】ここで、本発明実施例の光空間伝送装置で
は、前述した雑音増加要因による雑音の発生を避けるた
めに、以下の構成を有している。
【0051】すなわち本発明実施例の光空間伝送装置
は、前述した雑音増加要因による雑音の発生を避けるた
めに、図1に示すように、空間伝送されたレーザ光の空
気の微量成分による吸収に基づく信号対雑音比(S/
N)の劣化を検出する信号対雑音比劣化検出手段として
の雑音検出回路120と、上記雑音検出回路120から
の雑音検出フラグに基づいて、上記空気の微量成分によ
る吸収帯域を避けるように上記レーザ光の波長を変化さ
せるレーザ光波長制御手段としてのレーザ波長制御回路
303とを有してなるものである。
【0052】以下、本実施例の光空間伝送装置に設けら
れた上記雑音増加要因による雑音の発生を避けるための
各構成とその役割について順に説明する。
【0053】本発明は、従来技術の問題点で述べたよう
に、長距離伝送時に発生する雑音の回避が目的であるか
ら、先ず、受信した信号に本来のレベル以上の雑音が発
生するかどうかを監視するようにして、この雑音がある
一定レベル以上になったならば上記雑音増加要因によっ
て雑音が発生増加したと考え、レーザ発振波長を変更し
てその動作条件を変えることにより、当該雑音の増加を
回避しようというのが根幹にある発想である。
【0054】ここで、前述したような雑音増加要因によ
る雑音スペクトルは、図2のBに示すような0〜400
MHz若しくは500MHz程度までの帯域を持つ雑音
である。したがって、例えば100MHz近辺で、搬送
波(例えばそれぞれ周波数の異なる伝送チャンネルch
1〜ch4の搬送波)の無い周波数域を選び、この選ん
だ帯域(すなわち雑音検出領域)における雑音の増加を
検出することで、前記雑音増加要因による雑音の増加を
知ることができることになる。本発明実施例では上記雑
音検出領域の雑音の増加を検出する周波数として例えば
80MHz近辺を使用するようにしている。なお、図2
のAには、比較のために上記雑音増加要因に起因する雑
音のない通常の伝送時の雑音レベルNL1及び、伝送チ
ャンネルch1〜ch4の搬送波のレベルCLと雑音の
レベルNL1との比(C/N)を示している。この図2
のAに対して、上記通常伝送時の雑音レベルNL1より
も大きい雑音が発生すると、図2のBに示すように、0
〜400MHz若しくは500MHz程度までの帯域に
おいて図中矢印NUに示すように雑音レベルが増加(雑
音レベルNL2となる)し、このためC/Nが悪化する
ようになる。このように、光空間伝送における送受のC
/Nが大きく悪化することは、すなわち結果的にS/N
が劣化することに他ならない。
【0055】本発明実施例の光空間伝送装置において
は、上述のような吸収スペクトルの悪影響によるC/N
の悪化(すなわちS/Nの劣化)を、図1の雑音検出回
路120によって検出するようにしている。
【0056】図1及び図3を用いて、上記雑音検出回路
120の具体的な構成について説明する。この図1及び
図3において、送信側からの送信光ビームを受光するフ
ォトダイオードからなる受光素子117からの電気信号
は、プリアンプ125によって増幅され、さらにAGC
回路118を介して、雑音検出回路120の端子71に
供給される。
【0057】図3に示すように、端子71に供給された
信号は、バンドパスフィルタ130に送られる。当該バ
ンドパスフィルタ130は、上記電気信号から、光空間
伝送での信号送受信に用いる図2の各伝送チャンネルc
h1〜ch4の搬送周波数を除く周波数として、図2の
Bに示すような雑音検出領域のうちの例えば80MHz
近辺の周波帯域のみを通過する。なお、このバンドパス
フィルタ130は、雑音検出領域として50MHz〜1
50MHzを通過帯域とするものを用いることもでき
る。
【0058】上記バンドパスフィルタ130の出力は、
ダイオードD10において安定にダイオード検波できる
レベルまでアンプ131によって増幅される。なお、こ
のアンプ131では例えば20dB程度の増幅を行う。
なお、このアンプ131では60dB程度の増幅を行う
ものを用いることもできる。当該アンプ131によって
十分に増幅された信号成分は、上記ダイオードD10の
アノード端子に送られる。当該ダイオードD10は、カ
ソード側に接続されたそれぞれ一端が接地された抵抗R
10及びコンデンサC10とでAM整流検波器を構成し
ている。
【0059】当該AM整流検波器の出力は、端子76か
らの基準電圧Vrが一方の入力端子に供給されているコ
ンパレータ132の他方の入力端子に送られるようにな
っている。上記基準電圧Vrは、前記図2のBの図中N
Uで示す背景雑音の上昇分を検出するための比較電圧で
ある。すなわち、当該基準電圧Vrは、上記80MHz
帯域(或いは50MHz〜150MHz帯域)のレベル
が、例えば前記通常伝送の雑音レベルNL1を越えた場
合に、その旨を検出するための比較電圧である。なお、
この基準電圧Vrは、前記通常伝送時の雑音レベルNL
1より大きくかつ各伝送チャンネルch1〜ch4の搬
送波レベルCLより低い値であれば、必要とするC/N
悪化の検出感度に応じて任意に設定できる。
【0060】上記コンパレータ132の出力が雑音検出
フラグとして出力端子78から取り出され、図1のレー
ザ波長制御回路303に送られるようになる。
【0061】なお、上記C/N悪化検出のための雑音検
出領域の周波数帯域として例えば80MHz帯域を用い
ると、光空間伝送での各伝送チャンネルch1〜ch4
の信号送受信に用いる上記搬送周波数帯域による影響を
除去すると共に、例えばテレビジョン電波の影響をも除
去することができる。
【0062】次に、上記雑音検出回路120からの雑音
検出フラグを受けたレーザ波長制御回路303は、以下
のようなことを考慮して、レーザ発振器113の発振波
長を、予め定めた大きさ及び方向となるように制御す
る。
【0063】ここで、上記レーザ発振波長を制御するた
めに用いる上記大きさ及び方向の情報は、以下のように
して予め求めている。
【0064】先ず、図4に示すように、連続スペクトル
を持つ黒体輻射を行っている太陽63からの光を大気を
通して観測することにより、実際の大気での吸収の様子
を調べておく。すなわち、上記レーザ光の波長を制御す
るためのデータを得るために、連続スペクトルを持つ例
えば太陽63のような光源の光を太陽儀62によって受
光し、この太陽儀62の出力を分光器60によって分光
することで、この分光器60の表示部61において図5
に示すような吸収スペクトルのデータを得ることができ
る。
【0065】このとき、吸収スペクトルとして、大気中
の光空間伝送に大きな影響をもつのは、空気中の微量成
分のうちの例えば二酸化炭素と水蒸気であり、例えば約
830nmの波長のレーザ光を発生するレーザ発振器の
当該発振波長に関係するのは、特に上記水蒸気による吸
収である。
【0066】すなわち、当該水蒸気の基本吸収スペクト
ルは、K=1300(1/cm)〜1900(1/c
m)にあり、これらの8倍周波数の吸収が100000
00/(8*K) (nm)で表され、これらがそれぞ
れ962nm〜658nmの波長に相当する。図5に
は、この962nm〜658nmのうち、上記レーザ発
振波長の830nm近辺として821.6nm〜84
1.6nm付近のみ示している。
【0067】なお、この水蒸気の吸収スペクトルのうち
の830.12nmの吸収によるレーザ光への妨害は、
例えば図6及び図7に示すようになる。この図6及び図
7では、送受信号としてビデオ信号を用い、図6には実
際の測定周波数を、図7には信号スペクトルと上記吸収
スペクトルによる妨害の状態を示している。また、7の
(a)はビデオ信号のS/Nが約50dBの場合を、図
7の(b)はビデオ信号のS/Nが約55dBの場合
を、図7の(c)はビデオ信号のS/Nが約63dBの
場合を示している。
【0068】図1の本発明実施例の光空間伝送装置で
は、上述のようにして予め測定した空気中の微量成分に
よる吸収スペクトルの情報を、上記レーザ波長制御回路
303に内蔵される後述するCPU(中央処理ユニッ
ト)の内部記憶メモリが保持している。
【0069】したがって、当該レーザ波長制御回路30
3は、上記雑音検出回路120からの雑音検出フラグを
受けると、上記予め測定した吸収スペクトルを避けるよ
うな発振波長のレーザ光を発生させるように上記レーザ
発振器113を制御する。これにより、レーザ発振器1
13からのレーザ光は、上記吸収スペクトルによる悪影
響を避けることができるようになる。
【0070】なお、上述の例では水蒸気について述べて
いるが、二酸化炭素や他の空気中の微量成分における吸
収スペクトルを測定すれば、上述同様にこれらの吸収ス
ペクトルによる悪影響を避けることができる。
【0071】次に、本実施例では、上記レーザ発振器1
13の発振波長制御を以下のようにして実現している。
【0072】先ず、上記レーザ発振器113として、例
えば半導体レーザ発振器(レーザダイオード)を用いた
場合のレーザ光波長制御を実現する具体的構成につい
て、図8を用いて説明する。なお、この図8には、レー
ザ波長制御回路303の要部の構成と共に、前記図1の
レーザ発振器113の内部構成及びドライバ112の一
部の構成も同時に示している。
【0073】この図8において、当該レーザダイオード
は、レーザパッケージ52内に半導体レーザ素子LD
と、レーザパワーモニタ用のフォトダイオードPDとを
内蔵するものである。また、ドライバ112は、図1の
送信信号処理回路111からの送信信号が供給される端
子40と、送信信号通過用のコンデンサC1と、このコ
ンデンサC1を介した端子40からの送信信号がベース
端子に供給されると共にエミッタ端子が抵抗R1を介し
た定電圧源(−Vcボルト)と接続されたNPN型トラ
ンジスタTrとを有するものである。上記トランジスタ
Trのコレクタ端子が半導体レーザ素子LDと接続され
ることにより、当該半導体レーザ素子LDは上記送信信
号に応じて変調駆動されるようになる。
【0074】上記レーザパッケージ52内のフォトダイ
オードPDは、カソード端子が接地されている。また、
フォトダイオードPDのアノード端子は、レーザ波長制
御回路303の分圧抵抗R4,R5によって分圧され更
に抵抗R3を介した電圧値が供給されるコンパレータ4
6の一方の入力端子と接続されている。当該コンパレー
タ46の他方の入力端子には、端子47からの後述する
基準電圧Vrpが供給されるようになっている。
【0075】当該コンパレータ46の出力は、帰還抵抗
R2を設けた反転増幅器45に送られ、この反転増幅器
45の出力が上記トランジスタTrのベース端子へのバ
イアス電流となっている。
【0076】ところで、レーザ発振器としてレーザダイ
オードを用いた場合において、そのレーザ波長とトラン
ジスタTrの駆動電流値との関係は、例えば、電流値が
60mAのとき波長が829.4nm、電流値が65m
Aのとき波長が829.5nm、電流値が70mAのと
き波長が829.5nm、以下同様に電流値が80mA
のとき波長が829.6nm、電流値が88mAのとき
波長が832.2nm、電流値が90mAのとき波長が
832.3nmのように変化するものとなっている。す
なわち、当該レーザダイオードは、トランジスタTrの
駆動電流値によって波長が変化することになる。したが
って、トランジスタTrへの駆動電流に対するバイアス
電流を調整すれば、レーザ波長を変更することが可能と
なる。
【0077】本実施例の光空間伝送装置では、このよう
にレーザダイオードを駆動するトランジスタTrへのバ
イアス電流を調整することで、レーザ光の波長を変更す
るようにしており、このバイアス電流が、上記レーザ波
長制御回路303からのレーザ波長制御のための制御信
号WCIとなっている。ここで、上記バイアス電流を調
整するための基準電圧Vrpは、例えば、当該レーザ波
長制御回路303に内蔵されるCPUが前記内部記憶メ
モリに保持している空気中の微量成分による吸収スペク
トルの情報に基づいて、生成されるものである。
【0078】上述のように、本発明実施例の光空間伝送
装置において、レーザ発振器に図8のようなレーザダイ
オードを用いた場合には、レーザ波長制御回路303の
CPUが保持している空気中の微量成分による吸収スペ
クトルの情報に基づいて生成された基準電圧Vrpと、
上記フォトダイオードPDの検出電圧とをコンパレータ
46で比較した比較結果に応じて、上記トランジスタT
rのバイアス電流を調整することによって、大気の吸収
スペクトルによる悪影響を避けるようなレーザ発振波長
制御を実現している。
【0079】また、一般に、レーザダイオードの光出力
が一定に保たれている場合において、当該レーザダイオ
ードのレーザパッケージ52或いはレーザパッケージ5
2の回りの温度と当該レーザ発振波長との関係は、例え
ば図9に示すようなヒステリシスループHtをとること
が実験によって確認されている。すなわち、レーザダイ
オードには、温度が上がれば上がるほど発振波長も上昇
し、逆に下がれば発振波長も下降するという傾向があ
り、温度上昇方向と下降方向でモードホッピングにヒス
テリシスがある。この図9の例では、温度が10°Cか
ら60°Cまで変化するうちに、レーザダイオードのレ
ーザ波長は約818nmから約830nmまで変化す
る。
【0080】したがって、このレーザダイオードの周辺
温度を調整すれば、レーザ発振波長を変更することが可
能となる。本実施例の光空間伝送装置では、このように
レーザダイオードの温度を調整することで、レーザ光発
振波長を変更するようにもしている。
【0081】このような温度調整によるレーザ発振波長
制御を実現するため、本実施例の光空間伝送装置のレー
ザダイオードのレーザパッケージ52には、電流の方向
に応じて発熱/吸熱すると共に電流値に応じて発熱量と
吸熱量が変化するいわゆるペルチェ素子51と、当該レ
ーザパッケージ52の温度を検出する温度センサ49と
が設けられている。また、これに対応してレーザ波長制
御回路303には、上記ペルチェ素子51の発熱と吸熱
を制御するための構成も設けられている。
【0082】上記温度センサ49からの当該レーザパッ
ケージ52の温度検出電圧は、レーザ波長制御回路30
3内のコンパレータ48の一方の入力端子に供給される
ようになっている。このコンパレータ48の他方の入力
端子には、上記レーザ波長制御回路303のCPUが保
持している空気中の微量成分による吸収スペクトルの情
報に基づいて生成された基準電圧Vrtが、端子50を
介して供給されるようになっており、当該コンパレータ
48の出力が上記ペルチェ素子51の発熱と吸熱の制御
信号WCTとなっている。すなわち、上記レーザ波長制
御回路303において、上記基準電圧Vrtの値を制御
することで、上記ペルチェ素子51での発熱/吸熱を制
御し、これにより当該レーザパッケージ52の温度を変
更して、レーザ発振波長を変えるようにしている。
【0083】このように、本実施例の光空間伝送装置に
おいては、温度センサ49からのレーザパッケージ52
の温度の検出電圧と、上記レーザ波長制御回路303の
CPUが保持している空気中の微量成分による吸収スペ
クトルの情報に基づいて生成された基準電圧Vrtとを
コンパレータ48で比較し、このコンパレータ48の出
力に応じて上記ペルチェ素子51の発熱と吸熱を制御す
ることによっても、大気の吸収スペクトルによる悪影響
を避けるようなレーザ発振波長制御を実現している。
【0084】上述したようなことから、本発明実施例の
光空間伝送装置においては、レーザダイオードの周辺温
度を調整することによってレーザ波長を大きく変更する
ことができ、上記バイアス電流値を調整することによっ
てレーザ波長を微小に調整できることになる。
【0085】また、本実施例の光空間伝送装置におい
て、上述のようにしてレーザ波長を変更する際には、上
記温度センサ49によって検出したレーザダイオードの
周辺の温度の経時変化をも監視するようにしており、こ
の温度経時変化の情報を元にして、現在のレーザの発振
波長が上昇傾向にあるか或いは下降傾向にあるかを判断
し、その上で上述のようにレーザ波長を変更するように
している。すなわち、レーザ波長制御回路303のCP
Uは、温度センサ49からの温度経時変化の情報に基づ
いて、レーザ波長を上げれば吸収波長から確実に逃げら
れるのか、或いはレーザ波長を下げたほうが良いのかを
判断するようにしている。
【0086】ここで、例えば、温度が上昇傾向にあり、
したがってレーザ波長も上昇傾向にあると仮定したとき
に、前記図17と同様に示す図10のように当該レーザ
波長が大気の透過率が急激に落ち込む部分(吸収スペク
トル)に次第に近づいているような場合は、図10の図
中矢印adで示す方向にレーザ発振波長を下げることに
よって、確実に吸収スペクトラムの波長から逃れるよう
にする。また、レーザ発振波長を変更することで吸収ス
ペクトルの波長を避けるようにする際には、図10の図
中矢印auで示す方向に、当該吸収スペクトルの波長を
一気に飛び越えるようにレーザ発振波長を上げるか或い
はモードを飛ばす方が確実である場合もある。これらの
ことを前記レーザダイオードの温度調整やバイアス電流
制御によって実現することで、システムは確実に動作す
ることになる。なお、図10には、温度上昇でレーザ発
振波長が吸収スペクトルに近づく例を示したが、温度下
降でレーザ発振波長が吸収スペクトルに近づくようにな
る場合もあり、この場合は、逆に温度が下降傾向にある
ときには、レーザ発振波長を上げて吸収スペクトラムか
ら逃れるようにするか、或いは一気にレーザ発振波長を
下げるか或いはモードを下げるようにする。
【0087】本発明実施例の光空間伝送装置において
は、レーザ発振波長の制御の際に、これらのいずれを選
ぶ方が適当であるかは、使用しているレーザダイオード
のモードの飛びやすさや、波長シフトの傾斜に依存して
決定するようにしている。
【0088】また、本発明実施例の光空間伝送装置で
は、図1のレーザ発振器113として、例えば色素レー
ザ発振器を用いることもできる。この色素レーザ発振器
を用いた場合のレーザ光波長制御を実現する具体的構成
について図11を用いて説明する。
【0089】この図11において、色素レーザ発振器で
は、色素セル31が励起用電源30及びコイル35によ
って励起され、この色素セル31から放出された光か
ら、ミラー32及び33からなる光学的共振器によって
所定の波長帯のみが選択されて増幅されると共に、この
波長選択がなされて増幅された光が例えば半透鏡である
ミラー33から外部にレーザ光として出力される。
【0090】ここで、当該色素レーザ発振器を用いた光
空間伝送装置においては、上記ミラー32及び33から
なる光学的共振器内にプリズム34を設け、このプリズ
ム34の例えば角度を調整することで、当該色素レーザ
発振器のレーザ波長制御を実現するようにしている。こ
のレーザ波長制御のためのプリズム34の角度調整は、
角度制御器36によってなされ、当該角度制御器36が
端子37を介して供給される前記レーザ波長制御回路3
03からのレーザ波長制御のための制御信号に基づいて
動作するようになっている。また、当該プリズム34の
角度調整を行う際のレーザ波長制御回路303からの制
御信号は、当該レーザ波長制御回路303のCPUが保
持している空気中の微量成分による吸収スペクトルの情
報に基づいて生成されるものである。
【0091】このように、本実施例の光空間伝送装置
は、レーザ発振器113として図11の色素レーザ発振
器を用いた場合でも、前記レーザ波長制御回路303に
よる波長制御が実現される。
【0092】ところで、上述の例では、各光空間伝送装
置が自らC/N悪化を検出してその旨を示す雑音検出フ
ラグに基づいて自己のレーザ発振器の発振波長を制御す
る構成について説明したが、当該C/Nの悪化を検出し
た旨を示す信号を双方向通信し、互いに相手方から送信
されていたC/Nの悪化を検出した旨を示す信号を用い
て自己のレーザ発振器の発振波長を制御することも可能
である。このときの双方向通信するC/Nの悪化を検出
した旨を示す信号は、相手方に対してレーザ発振波長の
変更を要求する信号に他ならないため、以下この信号を
レーザ波長変更要求信号と呼ぶ。
【0093】すなわち、本発明の光空間伝送装置は、自
己の雑音検出回路120により検出した雑音検出フラグ
に基づいて上記レーザ波長変更要求信号を生成し、この
レーザ波長変更要求信号を相手方の光空間伝送装置に対
して送信し、また、相手方の光空間伝送装置が送信した
レーザ波長変更要求信号を受信し、自己側で上記相手方
から伝送されてきたレーザ波長変更要求信号に応じて、
当該自己の装置から出射するレーザ光の波長を変化させ
ることも可能となっている。
【0094】上記レーザ波長変更要求信号を双方向通信
するため、本発明実施例の光空間伝送装置は、図1に示
すように、前記雑音検出回路120からの雑音検出フラ
グに基づいて、レーザ波長変更要求発生回路304にて
上記レーザ波長変更要求信号を生成し、このレーザ波長
変更要求信号をドライバ112に送ることにより、送信
信号と共に上記レーザ波長変更要求信号を送信するよう
にしている。また、本実施例の光空間伝送装置は、相手
側装置から送られてきた受信信号よりレーザ波長変更要
求信号を取り出すためのレーザ波長変更要求検出回路3
01をも有している。
【0095】以下、上記レーザ波長変更要求信号を双方
向通信する際の、本実施例光空間伝送装置の具体的構成
について説明する。
【0096】先ず、図12には、上記レーザ発振器11
3に前記レーザダイオードを用いた場合の、上記レーザ
波長変更要求信号を双方向通信する本実施例光空間伝送
装置の具体的構成を示す。なお、この図12において、
図1と対応する構成要素には同じ指示符号を付している
が、一部の構成要素については説明を簡略化するために
図示を省略している。また、この図12の例は、伝送信
号の搬送波が図2で示したように300MHz以上に配
列されている場合に対応しており、それ以下の周波数の
搬送波は使用されていない場合の例を示している。した
がって、図2とは異なる周波数配列の搬送波を使用して
いるシステムの場合は、当該搬送波のない領域のみを取
り出して雑音検出を行うことになる。さらに、本発明の
光空間伝送装置は、レーザ波長変更要求信号を双方向通
信する場合であっても、自己が検出した雑音検出フラグ
に基づいて自らがレーザ発振波長制御を行うことができ
ることは言うまでもない。
【0097】図12において、図1で説明したように受
光素子としてのフォトディテクタ117でO/E変換さ
れた信号は、前記AGC回路118で一定のレベルに保
たれて受信信号処理回路119に送られるが、その一部
は、所定インダクタンスのインダクタ(コイル)202
を介して上記雑音検出回路120に送られる。ここで、
インダクタ202を介する理由は、前記AGC回路11
8の出力信号の低周波数帯域(0〜200MHz程度)
のよみを分離し、それ以上の前記チャンネルch1〜c
h4の搬送波が配置されている周波数帯については主信
号系に減衰やインピーダンス不整合などの悪影響を及ぼ
さないようにするためである。
【0098】上記分離された低周波数帯域の信号成分
は、雑音検出回路120のバンドパスフィルタ130に
よって搬送波の無い雑音周波数成分のみが取り出され
る。なお、当該雑音検出回路120は、基本的には前述
した図2の構成と同じものであるが、この図12の例の
ように構成することも可能である。上記バンドパスフィ
ルタ130によって取り出された雑音周波数成分は、次
のアンプ133に送られる。当該アンプ133では、供
給された雑音周波数成分の信号を例えば20dB増幅
し、次段のローパスフィルタ134に送る。当該ローパ
スフィルタ134では例えば150MHzの低域通過が
行われ、その後、次段のアンプ135で再び増幅され
る。なお、上記アンプ133,135は、AM整流検波
器136の前記ダイオードD10において安定にダイオ
ード検波できるレベルまで信号を増幅するために設けら
れており、合計で例えば60dB程度の増幅を行う。
【0099】このように十分に増幅された雑音周波数成
分は、前記図3と同様にダイオードD10とコンデンサ
C10及び抵抗R10からなるAM整流検波器136に
よって整流検波され、コンパレータ132に送られる。
当該コンパレータ132では、上記整流検波された雑音
周波数成分のレベルと、可変抵抗137により設定され
る所定のしきい値RV1のレベルとを比較することによ
り、雑音が異常に増加したかどうか、すなわちC/Nが
悪化したか否か(さらに言い換えれば結果的にS/Nが
劣化するようになるかどうか)を判断する。なお、可変
抵抗137のしきい値RV1(すなわち抵抗値)を可変
することで、当該C/N悪化検出の検出精度を変更する
ことができる。
【0100】当該コンパレータ132の出力は、雑音を
検出したかどうかを示す雑音検出フラグであり、この雑
音検出フラグはアンプ138によって、例えば100倍
に増幅されて出力される。
【0101】なお、上述したように雑音検出回路120
において上記AGC回路118を通った後の信号を雑音
検波に使用する理由は、AGC回路118通過後の信号
レベルは一定に保たれており、その雑音レベルは雑音の
絶対量ではなく、伝送品質に最も影響するC/Nと対応
しているからである。
【0102】ここで、上記雑音検出回路120において
雑音検出フラグが立った場合、これは何らかの原因で雑
音が異常に増加してC/Nが悪化していることを示すの
で、相手側のレーザダイオード21の発振波長を変更さ
せて動作条件を変えさせ、雑音の多い状況から脱出する
ように要求を返さなければならない。これは、レーザダ
イオード21の発振波長を変更して欲しいという情報を
相手装置に伝えればよいわけだから、その実現方法は色
々考えられる。
【0103】本実施例の光空間伝送装置においては、相
手装置に対してレーザダイオード21の発振波長の変更
を要求する情報を発生する構成として、レーザ波長変更
要求発生回路304を設けている。このレーザ波長変更
要求発生回路304としては、図12に示すようなVC
O(Voltage Controlled Oscillator )151とアナロ
グスイッチ152とを組み合わせてなるものが最も構成
が容易である。
【0104】VCO151の発振周波数は、当該光空間
伝送装置間で送受する例えば映像信号などの主信号に重
畳しても信号品質に影響を及ぼさない周波数で、かつ上
記雑音検出回路120によっても検波されない周波数を
選択すれば十分であり、本実施例では例えば12.8M
Hzを用いるようにしている。なお、本実施例の光空間
伝送装置では、当該装置の動作に用いる基準クロックが
12.8MHzであるので、これを流用している。
【0105】このVCO151からの発振キャリアを、
上記雑音検出回路120からの雑音検出フラグの有無に
より、アナログスイッチ152で切り換える。アナログ
スイッチ152は、例えば雑音検出フラグが立っている
場合のみVCO151からキャリアを出力する。
【0106】上記雑音検出フラグに応じて当該レーザ波
長変更要求発生回路304から出力された上記VCO1
51の発振キャリアは、レーザ波長変更要求信号として
ドライバ112に送られる。当該ドライバ112は、送
信信号処理回路111からの主信号に対して上記レーザ
波長変更要求信号を重畳し、このドライバ112からの
出力がレーザダイオード21に送られる。これにより、
本実施例の光空間伝送装置では、上記雑音検出回路12
0で雑音増加を検出して雑音検出フラグが立った場合
に、レーザダイオード21の発振波長を変更して欲しい
という情報(すなわちレーザ波長変更要求信号)を相手
装置に伝えることができることになる。
【0107】なお、本実施例では、送信信号処理回路1
11からの例えば映像信号などの主信号に対して新たに
レーザ波長変更要求を示すキャリア成分を追加する構成
を示したが、これ以外にも、例えば、オーディオ信号や
連絡用内部通信回線であるいわゆるインターカム(inte
rcom : intercommunication systemの略)などにおい
て、可聴周波数より高い例えば30kHz程度のキャリ
アを追加することにより、上記レーザ波長変更要求の情
報を伝えることは可能であり、またその構成方法も多数
考えられる。
【0108】上述のようなレーザダイオード21の発振
波長を変更して欲しいという情報であるレーザ波長変更
要求信号を双方向通信する場合、当該双方の装置におい
ては、このレーザ発振波長の変更要求が来たことを検出
するためのレーザ波長変更要求検出回路301が必要と
なる。また、このように双方向でレーザ波長変更要求信
号を送受する場合、前記レーザ波長制御回路303は、
上記レーザ波長変更要求検出回路301によって検出し
たレーザ波長変更要求信号を用いて、前述した自己の雑
音検出フラグに基づくレーザ発振波長の制御と同様のこ
とを行う。
【0109】上記レーザ波長変更要求検出回路301
は、上記レーザ波長変更要求信号がどのような方法で伝
送されたかによって異なるわけであるが、例えば上述し
たように、VCO151で発生したキャリアを主信号に
重畳する方法を採用している場合には図12に示すよう
に構成される。
【0110】当該レーザ波長変更要求検出回路301
は、先ず、前記AGC回路118を通った後の信号を、
アンプ140で増幅した後、中心周波数が上記VCO1
51の周波数(上記例では12.8MHz)と一致する
Qの高い(狭帯域な)バンドパスフィルタ141によっ
て選別する。
【0111】このバンドパスフィルタ141によって取
り出された周波数成分は、次のアンプ142によって増
幅された後に、AM整流検波器143で整流検波され
る。なお、上記アンプ142は、AM整流検波器143
のダイオードにおいて安定にダイオード検波できるレベ
ルまで信号を増幅するために設けられおり、ここでも例
えば60dB程度の増幅を行う。
【0112】上記AM整流検波器143の出力は、コン
パレータ145に送られる。当該コンパレータ145で
は、上記整流検波された周波数成分のレベルと、可変抵
抗147により設定される所定のしきい値RV2のレベ
ルとを比較することにより、レーザ波長変更要求信号が
送信されてきたか否かを判断する。当該コンパレータ1
45の出力は、レーザ発振波長を変更するかどうかを示
すフラグとして用いるので、以下レーザ波長変更要求検
出フラグと呼ぶことにする。なお、このレーザ波長変更
要求検出回路301においても、可変抵抗147のしき
い値RV2すなわち抵抗値を可変することで、その検出
精度を変更することができる。
【0113】なお、本実施例では、レーザ波長変更要求
検出回路301において、レーザ波長変更要求信号の検
出をダイオード検波回路によって実現する例を示した
が、このレーザ波長変更要求信号の検出を同期検波回路
により実現することも容易にできる。
【0114】次に、このレーザ波長変更要求検出フラグ
が立った場合、当該フラグは、レーザ波長制御回路30
3に送られる。このレーザ波長制御回路303は、前述
した自己の雑音検出フラグに基づいてレーザダイオード
の発振波長を制御するものと同じものであるが、当該レ
ーザ波長変更要求信号を双方向通信する場合には、上記
レーザ波長変更要求検出回路301から供給されるレー
ザ波長変更要求検出フラグに基づいてレーザダイオード
の発振波長を制御する。
【0115】このときのレーザ波長制御回路303は、
具体的には前記図8に示したレーザ波長制御回路303
の主要構成要素と同じ構成の波長制御回路165と、上
記レーザ波長変更要求検出フラグが供給されると内部記
憶メモリに保持している空気中の微量成分による吸収ス
ペクトルの情報に基づいて前記基準電圧Vrp,Vrt
を生成して上記波長制御回路165に送るためのCPU
161とで、容易に実現されるものである。
【0116】すなわち、上記レーザ波長制御回路303
は、図12に示すように、レーザ波長変更要求検出フラ
グをCPU161が取り込むと、当該CPU161はレ
ーザダイオード21の現在の発振波長と前記内部記憶メ
モリに保持している吸収スペクトルの情報とに基づい
て、前記ドライバ112のトランジスタTrに対するバ
イアス電流の制御信号WCIや、ペルチェ素子51に対
する発熱と吸熱の制御信号WCTを調整するための前記
基準電圧Vrp,Vrtを生成して、波長制御回路16
5内の前記端子47,50に供給する。
【0117】これにより、レーザ発振器としてレーザダ
イオード21を用いた場合で、かつレーザ波長変更要求
信号を双方向通信する場合の構成におけるレーザ発振波
長制御が実現できるようになる。
【0118】次に、上述した図12は、レーザ発振器と
して前記図8同様にレーザダイオードを用いた場合の構
成を示したが、レーザ発振器として前記図11同様の色
素レーザ発振器を用いた場合の構成は、図13のように
なる。なお、この図13において、前述した図12と同
じ構成要素には同一の指示符号を付している。
【0119】この図13において、図12と異なる所
は、レーザ発振器として色素レーザ発振器22を用いた
ことと、レーザ波長制御回路303が前記図11で説明
したのと同様にしてレーザ発振波長を制御することであ
る。
【0120】次に、上述したような本実施例の光空間伝
送装置間でレーザ波長変更要求信号の双方向通信し、送
信されてきたレーザ波長変更要求信号に応じてレーザ波
長を変更制御する処理について、図14のフローチャー
トを用いて説明する。なお、このフローチャートでは、
C/N悪化の検出を例えば前記図15の光空間伝送装置
81で行い、この光空間伝送装置81からのレーザ波長
変更要求信号を受けた光空間伝送装置82側でレーザ波
長の変更を行う場合について述べている。
【0121】この図14において、ステップS1では、
例えば光空間伝送装置81によって光空間伝送装置82
からの送信信号を観察する。
【0122】ステップS2では、当該光空間伝送装置8
1において中心周波数80MHzのバンドパスフィルタ
130の出力をAM整流検波器136によってAM検波
し、次のステップS3では、当該検波出力レベルとコン
パレータ132での前記レベル比較を行う。当該ステッ
プS3において、検波出力レベルがコンパレータ132
での基準電圧よりも小さいと判断した場合には、このス
テップS3での判断を繰り返し、大きいと判断した場合
にはステップS4に進む。なお、ステップS3で小さい
と判断した場合はステップS1に戻ることもできる。
【0123】ステップS4では、前記レーザ波長変更要
求発生回路304のアナログスイッチ152をオンする
ことにより、12.8MHzの搬送波回路をオンすなわ
ちVCO151からの発振キャリアを出力し、次のステ
ップS5では、光空間伝送装置82に対して、C/Nが
劣化したのでそれを逃れるためにレーザ波長の変更を要
求するレーザ波長変更要求信号を送る。
【0124】ステップS6では、光空間伝送装置82に
おいて、光空間伝送装置81からの送信光ビームを光−
電気変換器(すなわちフォトダイオード)によって電気
信号に変換し、レーザ波長変更要求検出回路301にお
いて当該電気信号を中心周波数12.8MHzのバンド
パスフィルタ140に通す。
【0125】ステップS7では、前記AM整流検波器1
45によってAM検波を行い、次のステップS8におい
て当該検波出力の有無を判断する。当該ステップS8に
おいて検波出力が無いと判断した場合にはこの判断を繰
り返し、検波出力が有ると判断した場合にはステップS
9に進む。なお、上記ステップS8において検波出力が
無いと判断した場合にはステップS6に戻るようにする
こともできる。
【0126】ステップS9において、ステップS8での
判断で光空間伝送装置81から12.8MHz成分すな
わちレーザ波長変更要求信号が送信されてきていると判
断したときには、光空間伝送装置82のレーザ発振器か
らの光信号のノイズ成分が規定レベルよりも大きくなっ
たことを、当該光空間伝送装置82は理解する。
【0127】次のステップS10では、光空間伝送装置
82において、光空間伝送時のサーボがかかり、正常な
伝送状態であることを確認後、レーザ発振器の発振波長
を変えるようにする。なお、このステップS10におい
て、レーザ発振器として前記レーザダイオードを用いた
場合には前記トランジスタTrに対するバイアス電流値
を変えたり温度を調整したりすることによるレーザ波長
の制御を行い、前記色素レーザ発振器を用いた場合には
前記プリズム34の角度を調整することによるレーザ波
長の制御を行う。
【0128】上述したように、本発明実施例の光空間伝
送装置においては、空間伝送されたレーザ光の水蒸気や
二酸化炭素等の空気の微量成分による吸収に基づくC/
N悪化を検出し、この検出による空気の微量成分による
吸収帯域を避けるようにレーザ光の波長を変化させてい
るため、レーザ光が空気の微量成分によって吸収される
ことを防止可能となる。
【0129】また、本発明実施例では、例えば、受信側
で空気の微量成分による吸収に基づくC/N悪化を検出
し、送信側すなわち自己方は、受信側すなわち相手方か
ら送られてきたレーザ波長変更要求信号に基づいて、自
己の発するレーザ光の波長を制御することで、実際の伝
送の際のC/N悪化すなわちS/N劣化に対応した波長
制御が可能となる。
【0130】また、本発明実施例では、C/Nの悪化を
検出する周波数帯域を、送信信号及び受信信号の搬送周
波数を除く周波数帯域として80MHz帯を使用するこ
とで、送信信号及び受信信号の影響と共に例えばテレビ
ジョン放送信号のような他の信号による影響を除去可能
としている。
【0131】さらに、本発明実施例では、レーザ発振器
がレーザダイオードである場合において、雑音検出フラ
グ及びレーザ波長変更要求フラグに応じてレーザダイオ
ードの温度を変化させること、及び/又は、ドライバ1
12のトランジスタTrのバイアス電流値を制御するこ
とによって、レーザ光の波長を変化させるようにしてお
り、レーザダイオードの温度を変化させることでレーザ
光の波長を大きく変化させ、またバイアス電流を制御す
ることでレーザ光の波長を微小に変化させるようにして
いることで、レーザ波長制御の大きな変更や微小な調整
を可能としている。
【0132】また、本発明実施例では、レーザ発振器が
色素レーザである場合においても、C/Nの悪化検出に
応じてプリズム34の角度を調整することによってレー
ザ光の波長を変化させるようにしている。
【0133】またさらに、本実施例の光空間伝送装置に
おいては、温度センサ49によって検出したレーザダイ
オードの周辺の温度の経時変化をCPUが監視すること
で、容易な構成にも関わらず、レーザ発振波長の経時変
化を推定することができ、したがって、より効率的に、
長距離伝送時の雑音の回避が可能となっている。
【0134】すなわち、上述したようなことから、本発
明実施例の光空間伝送装置においては、レーザ光の波長
に依存した雑音が原理的に避けられるようになるため、
安定かつ高品質の光空間伝送が可能となる。
【0135】
【発明の効果】上述したように、本発明の光空間伝送装
置においては、空間伝送されたレーザ光の空気の微量成
分による吸収に基づく信号対雑音比の劣化を検出し、こ
の検出に基づいて空気の微量成分による吸収帯域を避け
るようにレーザ光の波長を変化させる制御を行うこと
で、長距離の光空間伝送時に生じる雑音増加要因に起因
する雑音、或いはそれ以外のレーザの動作条件に起因す
るあらゆる雑音に対して、致命的な伝送品質劣化を回避
することが可能となる。
【0136】また、本発明においては、例えば、受信側
で空気の微量成分による吸収に基づく信号対雑音比の劣
化を検出し、送信側すなわち自己方は、受信側すなわち
相手方から送られてきた信号対雑音比劣化検出信号に基
づいて、自己の発するレーザ光の波長を制御するため、
実際の伝送に応じたレーザ波長制御が可能となる。
【0137】また、本発明においては、信号対雑音比劣
化を検出する周波数帯域を、送信信号及び受信信号の搬
送周波数を除く周波数帯域とすることで、送信信号及び
受信信号の影響を除去可能である。
【0138】さらに、本発明においては、信号対雑音比
劣化検出信号に応じてレーザ発振器の温度を変化させる
こと、及び/又は、信号対雑音比劣化検出信号に応じて
レーザ発振器の駆動電流に対するバイアス電流を制御す
ることによって、レーザ光の波長を変化させるようにし
ており、レーザ発振器の温度を変化させることでレーザ
光の波長を大きく変化させ、バイアス電流を制御するこ
とでレーザ光の波長を微小に変化させるようにしている
ことで、レーザ波長制御の大きな変更や微小な調整が可
能となる。
【0139】またさらに、本発明の光空間伝送装置にお
いては、半導体レーザ発振器の周辺の温度の経時変化を
監視することで、容易な構成にも関わらず、波長の経時
変化が推定でき、より効率的に、長距離伝送時の雑音の
回避が可能となる。
【0140】すなわち、上述したようなことから、本発
明の光空間伝送装置においては、特にレーザ光の波長に
依存した雑音が原理的に避けられるようになるため、安
定かつ高品質の光空間伝送が絶えず可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の光空間伝送装置の概略構成を示
すブロック回路図である。
【図2】長距離の光空間伝送後に雑音が増大したときの
状態について説明するための図である。
【図3】雑音検出回路の基本構成を説明するための回路
図である。
【図4】吸収スペクトルを測定するための構成を示す図
である。
【図5】測定された吸収スペクトルの一部を示す図であ
る。
【図6】測定した吸収スペクトルの実際の測定周波数を
示す図である。
【図7】吸収スペクトルによる妨害の状態を示す図であ
る。
【図8】レーザ波長を調整可能なレーザ発振器の一具体
例としてのレーザダイオードの概略構成を示す図であ
る。
【図9】レーザダイオードのレーザ発振波長と温度との
関係を示す図である。
【図10】大気の吸収スペクトラムを避ける方法につい
て説明するための図である。
【図11】レーザ波長を調整可能なレーザ発振器の他の
具体例としての色素レーザ発振器の概略構成を示す図で
ある。
【図12】レーザ発振器としてレーザダイオードを用
い、レーザ波長変更要求信号を双方向通信する場合の光
空間伝送装置の詳細な構成を示すブロック回路図であ
る。
【図13】レーザ発振器として色素レーザ発振器を用
い、レーザ波長変更要求信号を双方向通信する場合の光
空間伝送装置の詳細な構成を示すブロック回路図であ
る。
【図14】本実施例の光空間伝送装置間におけるレーザ
波長変更要求信号の双方向通信と相手方から送信されて
きたレーザ波長変更要求信号に応じた自己側でのレーザ
光波長制御の様子を説明するためのフローチャートであ
る。
【図15】光空間伝送装置間での光空間伝送の状態を説
明するための図である。
【図16】大気による太陽光の吸収波長スペクトラムを
示す図である。
【図17】大気の吸収波長スペクトラムにより雑音が増
大するメカニズムについて説明するための図である。
【図18】半導体レーザ発振器におけるモード分配雑音
の発生の原因を説明するための図である。
【図19】長距離の光空間伝送時の装置による波長フィ
ルタリング効果について説明するための図である。
【符号の説明】
21 レーザダイオード 22 色素レーザ発振器 31 色素セル 32,33 ミラー 34 プリズム 36 角度制御器 45 反転増幅器 48,46,132,145 コンパレータ 49 温度センサ 51 ペルチェ素子 52 レーザパッケージ 60 分光器 61 表示部 62 太陽儀 111 送信信号処理回路 112 ドライバ 113 レーザ発振器 115A〜115D レンズ 116 偏光ビームスプリッタ 117 フォトダイオード 118 AGC回路 119 受信信号処理回路 120 雑音検出回路 125 プリアンプ 130,141 バンドパスフィルタ 131,133,135,138,140,142,1
46 アンプ 136,143 AM整流検波器 137,147 可変抵抗 151 VCO 152 アナログスイッチ 161 CPU 165 波長制御回路 301 レーザ波長変更要求検出回路 303 レーザ波長制御回路 304 レーザ波長変更要求発生回路 D10 ダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/02 10/18 10/14 10/06 10/04 9372−5K H04B 9/00 S (72)発明者 伊藤 雄二郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ発振器を光源として用い送信信号
    に応じて当該レーザ光を変調して外部に出射することに
    より送信を行う送信手段と、外部から入射した変調され
    たレーザ光を受光すると共に当該レーザ光の受光信号を
    復調して受信信号を得る受信手段とを有し、レーザ光を
    用いた光空間伝送を行う光空間伝送装置において、 空間伝送されたレーザ光の空気の微量成分による吸収に
    基づく信号対雑音比の劣化を検出する信号対雑音比劣化
    検出手段と、 上記信号対雑音比劣化検出手段での検出により得られる
    信号対雑音比劣化検出信号に基づいて、上記空気の微量
    成分による吸収帯域を避けて、上記レーザ光の波長を変
    化させる制御を行うレーザ光波長制御手段とを有するこ
    とを特徴とする光空間伝送装置。
  2. 【請求項2】 上記送信手段からは、自己の信号対雑音
    比劣化検出手段により検出した信号対雑音比劣化検出信
    号を相手方に送信し、 上記受信手段では、相手方が送信した信号対雑音比劣化
    検出信号を受信し、 自己のレーザ光波長制御手段では上記相手方から伝送さ
    れてきた信号対雑音比劣化検出信号に基づいて上記レー
    ザ光の波長を変化させる制御を行うことを特徴とする請
    求項1記載の光空間伝送装置。
  3. 【請求項3】 上記信号対雑音比劣化検出手段は、空間
    伝送されたレーザ光の受信信号の周波数帯域のうち、送
    信信号及び受信信号の搬送周波数を除く周波数帯域を用
    いて、上記信号対雑音比の劣化を検出することを特徴と
    する請求項2記載の光空間伝送装置。
  4. 【請求項4】 上記レーザ発振器の駆動電流に対するバ
    イアス電流を発生するバイアス電流発生手段を設け、 上記レーザ光波長制御手段は、上記信号対雑音比劣化検
    出信号に基づいて上記バイアス電流発生手段を制御する
    ことにより、上記レーザ光の波長を変化させる制御を行
    うことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいず
    れか1項に記載の光空間伝送装置。
  5. 【請求項5】 上記レーザ発振器の温度を変化させるレ
    ーザ発振器温度調整手段を設け、 上記レーザ光波長制御手段は、上記信号対雑音比劣化検
    出信号に基づいて上記レーザ発振器温度調整手段を制御
    することにより、上記レーザ光の波長を変化させる制御
    を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの
    いずれか1項に記載の光空間伝送装置。
  6. 【請求項6】 上記レーザ発振器の温度を変化させるレ
    ーザ発振器温度調整手段と、 上記レーザ発振器の駆動電流に対するバイアス電流を発
    生するバイアス電流発生手段とを設け、 上記レーザ光波長制御手段は、上記信号対雑音比劣化検
    出信号に基づいて、上記レーザ発振器温度調整手段を制
    御することにより上記レーザ光の波長を大きく変化させ
    る制御を行い、上記バイアス電流発生手段を制御するこ
    とにより上記レーザ光の波長を微小に変化させる制御を
    行うことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのい
    ずれか1項に記載の光空間伝送装置。
  7. 【請求項7】 上記レーザ発振器には半導体レーザ発振
    器を用い、 上記レーザ発振器温度調整手段は、上記半導体レーザ発
    振器の周辺温度の経時変化を監視し、当該周辺温度の経
    時変化の情報に基づいて、上記半導体レーザ発振器の温
    度を上昇させるか若しくは下降させるかの判断を行うこ
    とを特徴とする請求項5又は6記載の光空間伝送装置。
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