JPH0723441B2 - 粘着性微細球有機溶剤懸濁液およびその製法 - Google Patents
粘着性微細球有機溶剤懸濁液およびその製法Info
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- JPH0723441B2 JPH0723441B2 JP16976192A JP16976192A JPH0723441B2 JP H0723441 B2 JPH0723441 B2 JP H0723441B2 JP 16976192 A JP16976192 A JP 16976192A JP 16976192 A JP16976192 A JP 16976192A JP H0723441 B2 JPH0723441 B2 JP H0723441B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粘着性微細球有機溶剤懸
濁液およびその製法に関する。さらに詳しくは、溶剤に
膨潤しにくく、かつ粘着性のすぐれた樹脂の微細球と有
機溶剤とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液およびそ
の製法に係るものである。 【0002】 【従来の技術・発明が解決しようとする課題】最近、粘
着性樹脂の微細球を紙の表面に並べて接着し、その並ん
だ微細球の表面を他の被着面に貼着し、しかるのち必要
があれば剥離し、再び被着面に貼着するという動作をく
り返すことのできる技術が見出された。 【0003】これは、粒子径が数ミクロン乃至数百ミク
ロンの粘着性樹脂の微細球のもつ特性を利用したもので
ある。 【0004】すなわち、球状の粘着性樹脂が紙の表面
に、恰も蛸の吸盤のように並んでいるので、その表面に
他の被着面が接触すると、無数の点で接着が行なわれて
両面は接着する。ついで、両面を引き剥がすと点接着の
部分から剥がれるので、粘着性樹脂の微細球はそのまま
露出しており、再び被着体に貼着することができるので
ある。 【0005】このような繰り返し着剥できる紙は、粘着
性樹脂の微細球の懸濁液を紙に塗布することによってえ
られる。 【0006】ところが、粘着性樹脂の溶剤溶液や水性エ
マルジョンを紙に塗布すると、紙の表面に粘着剤のフィ
ルムが形成され、その紙を被着体に貼着すると面接着が
行なわれるので、引き剥がしたとき、界面で剥離せず紙
層間剥離を起こし、再び貼着できなくなる。 【0007】また、懸濁液を用いて塗布しても、粒径が
1000ミクロン(1mm)にもなると、単位面積当りの接点
が少なくなるため接着力が弱くなり、また、貼着部分が
部厚くなるので実用的でない。 【0008】従って、数ミクロン乃至数百ミクロンの粘
着性樹脂の微細球が、紙の表面にびっしり並んでいるこ
とが好ましい。 【0009】また、微細球の形状はできるだけ真球状で
ある方がよい。ラクビーボールのようにつぶれている
と、面接着に近くなって接着力が強くなり、紙層間剥離
(紙むしり)を起こす原因となる。 【0010】また、粒径分布は出来るだけ分布巾が狭い
方がよい。分布巾が広いと大きい粒子だけが選択的に接
着に関与することになるので、接着力が弱くなり実用的
でなくなるからである。 【0011】ところで、従来から知られているこの種の
粘着性樹脂の微細球は、アクリル系単量体を油溶性重合
開始剤を用いて、水中で懸濁重合することにより製造さ
れているが、この粘着性微細球の水性懸濁液は直接紙に
塗布すると、水分のために紙がカールしてしまって商品
価値が著しく低下する。そのため通常、水性懸濁液の溶
媒である水を、トルエン、酢酸エチル、1,1,1−ト
リクロロエタンなどの有用溶媒で置換し、溶剤系の懸濁
液として紙に塗布している。その上溶剤系にすることに
よって水系よりも乾燥速度が大きい、機械安定性がきわ
めてよいという効果も併せ奏せられるという利点があ
る。 【0012】しかし乍ら、従来用いられている樹脂は、
親和性の少ない貧溶媒を選んでも、程度の差こそあれ、
樹脂の膨潤が起こり、粘着性微細球が融着してフィルム
を形成する傾向を示すので、他の被着面と面接着が起こ
り、剥がすと紙層間剥離を起こして再粘着性が劣る欠陥
を有している。 【0013】本発明者は、前記実状に鑑み、溶剤に膨潤
しにくくすると共に、適切な粘着性能を付与する目的
で、粘着性樹脂自体を内部架橋させることを検討した。 【0014】すなわち、重合反応を行なうに際し、2個
の重合性官能基をもつ単量体を適量添加して重合するこ
とを試みた。 【0015】架橋性単量体として、ジビニルベンゼン、
ブタンジオールジアクリレート、エチレンジメタクリレ
ート、ダイアセトンアクリルアミドを用いて重合した
が、いずれも反応性が悪るいため、均一に架橋せず、従
って溶剤で置換したとき、部分的に膨潤や溶解が起こ
り、紙に塗布したときそれが流れてフィルム化し、他の
被着面と接触させると到るところで面接着した。 【0016】溶剤膨潤性を最小限度に押えるために、架
橋性単量体の使用量を増やした場合には、粘着性が減少
し、粘着性能が不充分となる。 【0017】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、さらに検
討を進め、内部架橋性単量体の種類を変えて重合したと
ころ、テトラアリルオキシエタン(TAE)、トリアリ
ルシアヌレート(TAC)およびトリアリルイソシアヌ
レート(TAIC)がきわめて反応性がよく、アクリル
系ポリマーを均一に内部架橋するので、懸濁媒体の水を
溶剤に置換しても、膨潤や溶解することが少なく、粘着
性のすぐれた粒の揃った微細球水性懸濁液がえられ、こ
れを沈降分離して溶剤に分散懸濁させることにより、粘
着性微細球有機溶剤懸濁液がえられることを見出し、本
発明を完成した。 【0018】すなわち、本発明は、(a)メチルアクリ
レートおよび/又はスチレンおよび/又は炭素数1〜5
のアルコールのメタクリレート2〜10重量部、(b)炭
素数2〜12のアルコールのアクリレートおよび/又は炭
素数6〜12のアルコールのメタクリレート98〜90重量
部、(c)無水マレイン酸 0.1〜 2.0重量部、(d)テ
トラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、ト
リアリルイソシアヌレートから選んだ1種又は2種以上
0.05 〜 1.0重量部を共重合してえた内部架橋された共
重合体からなる粒子径5〜 200ミクロンの微細球と有機
溶剤とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液、および
(a)メチルアクリレートおよび/又はスチレンおよび
/又は炭素数1〜5のアルコールのメタクリレート2〜
10重量部、(b)炭素数2〜12のアルコールのアクリレ
ートおよび/又は炭素数6〜12のアルコールのメタクリ
レート98〜90重量部、(c)無水マレイン酸 0.1〜 2.0
重量部、(d)テトラアリルオキシエタン、トリアリル
シアヌレート、トリアリルイソシアヌレートから選んだ
1種又は2種以上 0.05 〜 1.0重量部を共重合してえた
内部架橋された共重合体からなる粒子径5〜 200ミクロ
ンの微細球の水性懸濁液を凝集させて取り出し、有機溶
剤中に懸濁分散させることを特徴とする粘着性微細球有
機溶剤懸濁液の製法である。 【0019】 【実施例】本発明で使用する(a)項で示されたメチル
アクリレートのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)
は8℃である。スチレンのホモポリマーのTgは 100℃
である。また、炭素数1〜5のアルコールのメタクリレ
ートとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、ペンチルメタクリレートであり、それぞれのホモポ
リマーのTgはそれぞれ、 105℃、66℃、35℃、21℃、
10℃である。すなわち、(a)項で示された単量体は、
いずれもそのホモポリマーのTgが0℃以上 100℃附近
を示すものである。 【0020】(b)項で示された炭素数2〜12のアルコ
ールのアクリレートおよび/又は炭素数6〜12のアルコ
ールのメタクリレートとは、エチルアクリレート(Tg
=−22℃)、ブチルアクリレート(Tg=−52℃)、2
エチルヘキシルアクリレート(Tg=−70℃)、ヘキシ
ルメタクリレート(Tg=−5℃)などであり、いずれ
もそのホモポリマーのTgが0℃未満乃至マイナス数10度
を示すものである。 【0021】(a)項の単量体2〜10重量部と(b)項
の単量体98〜90重量部を使用するのは、えられた樹脂に
本質的に粘着性能を付与するためである。そして、この
範囲外では粘着性樹脂はえられない。 【0022】(c)項の無水マレイン酸は、 0.1〜 2.0
重量部使用するのであるが、これは重合反応をスムーズ
に行ない、安定な懸濁液をうるためである。 【0023】(d)項のテトラアリルオキシエタンは 【0024】 【化1】 【0025】なる構造式で示されるものであり、トリア
リルシアヌレートは 【0026】 【化2】 【0027】なる構造式で示されるものであり、トリア
リルイソシアヌレートは 【0028】 【化3】 【0029】なる構造式で示されるものである。 【0030】通常の内部架橋剤に較べて、重合性官能基
を3個乃至4個所有しており、そのために反応性がすぐ
れているので、均一に内部架橋するものと考えられる。 【0031】これらはそれぞれ単独で用いてもよく、又
は併用してもよい。その使用量は 0.05 〜 1.0重量部が
適当である。 0.05 重量部未満では内部架橋効果が少な
いので、耐溶剤性が不足し、 1.0重量部を超えると架橋
が進みすぎて粘着性能が低下するので好ましくない。 【0032】本発明において、粘着性能を損わない量の
他の単量体、例えばN−メチロールアクリルアミド、ア
クリロニトリル、エチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、
ベオバ(シェル化学社製のビニルエステルの商品名)な
どを10重量部以下の範囲で併用できる。 【0033】本発明の粘着性微細球有機溶剤懸濁液の製
法としては、まず、公知の重合法で粘着性微細球の水性
懸濁液を作る。公知の重合法としては例えば一括仕込に
よる重合法、単量体滴下重合法、乳化単量体滴下重合法
などがある。 【0034】重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、
アゾビスイソブチロニトリル、tert−ブチルパーベ
ンゾエート、クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパー
オキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パー
オキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネ
オデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレー
ト、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオ
キサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジプロピオニ
ルパーオキサイド、ジアセチルパーオキサイドなどのご
とき油溶性開始剤が用いられる。 【0035】懸濁安定剤としては、ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ソー
ダ、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシ変性ポリアクリルアミドなどのごとき水
溶性高分子が用いられる。 【0036】また、アニオン性界面活性剤、非イオン性
界面活性剤を併用することができる。ことにアニオン性
界面活性剤が多い方が好ましい。 【0037】微細球の粒子径は、撹拌条件などでコント
ロールできるが5ミクロン乃至 200ミクロンの範囲内の
ものが適当である。 【0038】微細球の80%が含まれる粒子径分布の巾
は、平均粒子径が5ミクロン近辺では約10ミクロン、 2
00ミクロン近辺では約30ミクロン程度のものが好まし
い。 【0039】えられた粘着性微細球の水性懸濁液を、放
置、遠心分離、あるいはメタノール中に投入などにより
凝集させて取り出し、トルエン、酢酸エチル、1,1,
1,−トリクロロエタンのごとき有機溶剤に懸濁分散さ
せることにより、粘着性微細球有機溶剤懸濁液がえられ
る。 【0040】つぎに繰返し使用できる感圧性接着シート
を製造するには、紙、布、不織布、フィルムなどの表面
に、バーコーター、ロールコーター、スプレーなどによ
り、固形分で約2g/m2 〜30g/m2 塗布すればよ
い。 【0041】必要に応じ、AC剤(アンカーコート剤)
を塗布した上に微細球層を設けることもできる。 【0042】本発明の粘着性微細球有機溶剤懸濁液は、
微細球同士が融着しにくいので、機械安定性がきわめて
よい。 【0043】又、溶剤に懸濁しているタイプのため乾燥
が早く、紙に塗工した場合、粘性や塗工性がすぐれてい
るので作業性がきわめてよく、またカールすることも全
くないという効果を奏する。 【0044】又、本発明の粘着性微細球有機溶剤懸濁液
を用いて製造した感圧性接着シートは、カールすること
がなく、粒子径の揃った粘着性の良い微細球が並んでい
るため粘着力も強く、しかも被着面をむしり取ることな
く剥離でき、回数多く繰返し使用できるという効果を奏
する。 【0045】次に実施例と比較例をあげて本発明を説明
する。 【0046】実施例1 メチルメタクリレート 20重量部
(4.7 %) 2エチルヘキシルアクリレート 400重量部
(94.1%) テトラアリルオキシエタン 1.0重量部
(0.24%) 無水マレイン酸 4.0重量部
(0.94%) を共重合してえた内部架橋された共重合体からなる、80
%が粒子径80〜 100ミクロンの微細球と、表1に示した
各種有機溶剤とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液お
よびこれを上質紙(55K)に塗布し、上質紙上に粘着性
微細球を配列した感圧性接着シート。 【0047】これらは、次のようにして製造した。 【0048】 (成分) (重量部) メチルメタクリレート 20 2エチルヘキシルアクリレート 400 テトラアリルオキシエタン 1.0 無水マレイン酸 4.0 ポリアクリル酸ソーダ 16 (重合度3000〜7000) 水 600 過酸化ベンゾイル 2.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 20 以上の成分を用いて、重合反応を行ない、80%が粒子径
80〜 100ミクロンの粘着性微細球の水性懸濁液を製造
し、ついで、これをメタノール中に添加して凝集させ、
洗浄したのち塊状樹脂を取り出し、表1に示した各種有
機溶剤中に再分散させて、濃度約25%の溶剤性懸濁液を
調製し、粘着性微細球有機溶剤懸濁液をえた。 【0049】ついで、上質紙(55K)(A)にアンカー
コート剤として、コーポニール4081(日本合成化学工業
製のアクリル/酢酸ビニル共重合樹脂の50%メタノール
溶液)を約 1.5g/m2 塗布して乾燥した基材(B)を
調製し、その上に、上記の溶剤性懸濁液を固形分で約20
g/m2 塗布し、40℃×30分間熱風乾燥して全くカール
のない感圧性接着シートをえた。 【0050】実施例2 スチレン 12重量部
(2.9 %) ブチルアクリレート 390重量部
(95.6%) トリアリルイソシアヌレート 1.0重量部
(0.25%) 無水マレイン酸 5重量部
(1.2 %) を共重合してえた内部架橋された共重合体からなる、80
%が粒子径15〜50ミクロンの微細球と、表1に示した各
種有機溶剤とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液、お
よびこれを上質紙(55K)に塗布し、上質紙上に粘着性
微細球を配列した感圧性接着シート。 【0051】これらは、次のようにして製造した。 【0052】 (成分) (重量部) スチレン 12 ブチルアクリレート 390 トリアリルイソシアヌレート 1.0 無水マレイン酸 5 ヒドロキシエチルセルロース 20 水 600 過酸化ベンゾイル 2.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 20 以上の成分を用いて重合反応を行ない、80%が粒子径15
〜50ミクロンの粘着性微細球の水性懸濁液を製造し、つ
いで、これをメタノール中に添加して凝集させ、洗浄し
たのち塊状樹脂を取り出し、表1に示した各種有機溶剤
中に再分散させて、濃度約25%の溶剤性懸濁液を調製
し、粘着性微細球有機溶剤懸濁液をえた。 【0053】ついで、上質紙(55K)(A)の上に、上
記溶剤性懸濁液を、固形分で5g/m2 塗布し、40℃×
30分間熱風乾燥して全くカールのない感圧性接着シート
をえた。 【0054】実施例3 メチルメタクリレート 32重量部
(7.3 %) イソノニルアクリレート 400重量部
(91.5%) トリアリルシアヌレート 3.7重量部
(0.85%) 無水マレイン酸 1.5重量部
(0.34%) を共重合してえた内部架橋された共重合体からなる、80
%が粒子径45〜70ミクロンの微細球と、表1に示した各
種有機溶剤とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液、お
よびこれを上質紙(55K)に塗布し、上質紙上に粘着性
微細球を配列した感圧性接着シート。 【0055】これらは、次のようにして製造した。 【0056】 (成分) (重量部) メチルメタクリレート 32 イソノニルアクリレート 400 トリアリルシアヌレート 3.7 無水マレイン酸 1.5 ポリビニルアルコール 15 水 600 過酸化ベンゾイル 2.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 20 以上の成分を用いて重合反応を行ない、80%が粒子径45
〜70ミクロンの粘着性微細球の水性懸濁液を製造し、つ
いで、これをメタノール中に添加して洗浄したのち、塊
状樹脂を取り出し、表1に示した各種有機溶剤中に再分
散させて、濃度約25%の溶剤性懸濁液を調製し、粘着性
微細球有機溶剤懸濁液をえた。 【0057】ついで、実施例1と同様の方法で調製した
基材(B)の上に、上記溶剤性懸濁液を固形分で10g/
m2 塗布し、40℃×30分間熱風乾燥して全くカールのな
い感圧性接着シートをえた。 【0058】実施例4 メチルメタクリレート 32重量部
(7.3 %) イソノニルアクリレート 400重量部
(91.8%) テトラアリルオキシエタン 2重量部
(0.46%) 無水マレイン酸 1.5重量部
(0.34%) を共重合してえた内部架橋された共重合体からなる、80
%が粒子径35〜60ミクロンの微細球と、表1に示した各
種有機溶剤とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液、お
よびこれを上質紙(55K)に塗布し、上質紙上に粘着性微
細球を配列した感圧性接着シート。 【0059】これらは、次のようにして製造した。 【0060】 (成分) (重量部) メチルメタクリレート 32 イソノニルアクリレート 400 テトラアリルオキシエタン 2 無水マレイン酸 1.5 ポリビニルアルコール 15 水 600 過酸化ベンゾイル 2.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 20 以上の成分を用いて重合反応を行ない、80%が粒子径35
〜60ミクロンの粘着性微細球の水性懸濁液を製造し、つ
いで、これをメタノール中に添加して凝集させ、洗浄し
たのち塊状樹脂を取り出し、表1に示した各種有機溶剤
中に再分散させて、濃度約25%の溶剤性懸濁液を調製
し、粘着性微細球有機溶剤懸濁液をえた。 【0061】ついで、実施例1と同様の方法で調製した
基材(B)の上に、上記溶剤性懸濁液を固形分で15g/
m2 塗布し、40℃×30分間熱風乾燥して全くカールのな
い感圧性接着シートをえた。 【0062】比較例1 実施例1において、テトラアリルオキシエタンを使用せ
ずに共重合してえた共重合体からなる、80%が粒子径80
〜 100ミクロンの微細球と、表1に示した各種有機溶剤
とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液、およびこれを
上質紙(55K)に塗布し、上質紙上に粘着性微細球を配
列したシート。 【0063】製法は実施例1に準じた。 【0064】比較例2 実施例1において、テトラアリルオキシエタンを 6.5重
量部(全単量体に対して 1.5重量%)に変えて共重合し
てえた内部架橋された共重合体からなる、80%が粒子径
80〜 100ミクロンの微細球と、表1に示した各種有機溶
剤とからなる微細球有機溶剤懸濁液、およびこれを上質
紙(55K)に塗布し、上質紙上に微細球を配列したシー
ト。 【0065】製法は実施例1に準じた。 【0066】比較例3 実施例2において、トリアリルイソシアヌレート 1.0重
量部の代りに、ジビニルベンゼン 2.0重量部を用いて共
重合してえた内部架橋された共重合体からなる、80%が
粒子径15〜50ミクロンの微細球と、表1に示した各種有
機溶剤とからなる微細球有機溶剤懸濁液、および、これ
を上質紙(55K)に塗布し、上質紙上に微細球を配列し
たシート。 【0067】製法は実施例2に準じた。 【0068】比較例4 実施例3において、トリアリルシアヌレートを6重量部
(全単量体に対して 1.4重量%)に変えて共重合してえ
た内部架橋された共重合体からなる、80%が粒子径45〜
70ミクロンの微細球と、表1に示した各種有機溶剤とか
らなる微細球有機溶剤懸濁液、および、これを上質紙
(55K)に塗布し、上質紙上に微細球を配列したシー
ト。 【0069】製法は実施例3に準じた。 【0070】比較例5 実施例4の製造において、無水マレイン酸を使用しなか
った以外は、実施例4と同様にして重合したところ、反
応中に凝集物が多量に生成して目的物はえられなかっ
た。 【0071】比較試験1 実施例1〜4および比較例1〜4の微細球有機溶剤懸濁
液について、粒子の膨潤度を調べた。 【0072】その結果は表1の通りであった。 【0073】(試験方法) 粒子の膨潤度(変化率) 厚さ38ミクロンのポリエステルフィルムに、上記の微細
球の溶剤性懸濁液を約30g/m2 塗布し、塗布直後およ
び常温30分後の粒子径の変化率を求め粒子の膨潤度とし
た。 【0074】 【数1】 【0075】但し、粒子径は顕微鏡写真で測定した。 【0076】比較試験2 実施例1〜4および比較例1〜4でえた感圧性接着シー
トについて、繰返し接着/剥離回数を調べた。 【0077】その結果は表1の通りであった。 【0078】(試験方法) 繰返し接着/剥離回数 新聞紙活字面で接着/剥離を繰返し、接着しなくなるま
での回数を求めた。 【0079】又、印刷のハガレ(紙むしり現象)もチェ
ックした。 【0080】 【表1】 【0081】 【発明の効果】本発明の粘着性微細球有機溶剤懸濁液は
本発明の製法によりうることができ、この微細球有機溶
剤懸濁液を用いて感圧性接着シートを製造すると、良好
な繰り返し着剥性を有する感圧性接着シートをうること
ができる。
濁液およびその製法に関する。さらに詳しくは、溶剤に
膨潤しにくく、かつ粘着性のすぐれた樹脂の微細球と有
機溶剤とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液およびそ
の製法に係るものである。 【0002】 【従来の技術・発明が解決しようとする課題】最近、粘
着性樹脂の微細球を紙の表面に並べて接着し、その並ん
だ微細球の表面を他の被着面に貼着し、しかるのち必要
があれば剥離し、再び被着面に貼着するという動作をく
り返すことのできる技術が見出された。 【0003】これは、粒子径が数ミクロン乃至数百ミク
ロンの粘着性樹脂の微細球のもつ特性を利用したもので
ある。 【0004】すなわち、球状の粘着性樹脂が紙の表面
に、恰も蛸の吸盤のように並んでいるので、その表面に
他の被着面が接触すると、無数の点で接着が行なわれて
両面は接着する。ついで、両面を引き剥がすと点接着の
部分から剥がれるので、粘着性樹脂の微細球はそのまま
露出しており、再び被着体に貼着することができるので
ある。 【0005】このような繰り返し着剥できる紙は、粘着
性樹脂の微細球の懸濁液を紙に塗布することによってえ
られる。 【0006】ところが、粘着性樹脂の溶剤溶液や水性エ
マルジョンを紙に塗布すると、紙の表面に粘着剤のフィ
ルムが形成され、その紙を被着体に貼着すると面接着が
行なわれるので、引き剥がしたとき、界面で剥離せず紙
層間剥離を起こし、再び貼着できなくなる。 【0007】また、懸濁液を用いて塗布しても、粒径が
1000ミクロン(1mm)にもなると、単位面積当りの接点
が少なくなるため接着力が弱くなり、また、貼着部分が
部厚くなるので実用的でない。 【0008】従って、数ミクロン乃至数百ミクロンの粘
着性樹脂の微細球が、紙の表面にびっしり並んでいるこ
とが好ましい。 【0009】また、微細球の形状はできるだけ真球状で
ある方がよい。ラクビーボールのようにつぶれている
と、面接着に近くなって接着力が強くなり、紙層間剥離
(紙むしり)を起こす原因となる。 【0010】また、粒径分布は出来るだけ分布巾が狭い
方がよい。分布巾が広いと大きい粒子だけが選択的に接
着に関与することになるので、接着力が弱くなり実用的
でなくなるからである。 【0011】ところで、従来から知られているこの種の
粘着性樹脂の微細球は、アクリル系単量体を油溶性重合
開始剤を用いて、水中で懸濁重合することにより製造さ
れているが、この粘着性微細球の水性懸濁液は直接紙に
塗布すると、水分のために紙がカールしてしまって商品
価値が著しく低下する。そのため通常、水性懸濁液の溶
媒である水を、トルエン、酢酸エチル、1,1,1−ト
リクロロエタンなどの有用溶媒で置換し、溶剤系の懸濁
液として紙に塗布している。その上溶剤系にすることに
よって水系よりも乾燥速度が大きい、機械安定性がきわ
めてよいという効果も併せ奏せられるという利点があ
る。 【0012】しかし乍ら、従来用いられている樹脂は、
親和性の少ない貧溶媒を選んでも、程度の差こそあれ、
樹脂の膨潤が起こり、粘着性微細球が融着してフィルム
を形成する傾向を示すので、他の被着面と面接着が起こ
り、剥がすと紙層間剥離を起こして再粘着性が劣る欠陥
を有している。 【0013】本発明者は、前記実状に鑑み、溶剤に膨潤
しにくくすると共に、適切な粘着性能を付与する目的
で、粘着性樹脂自体を内部架橋させることを検討した。 【0014】すなわち、重合反応を行なうに際し、2個
の重合性官能基をもつ単量体を適量添加して重合するこ
とを試みた。 【0015】架橋性単量体として、ジビニルベンゼン、
ブタンジオールジアクリレート、エチレンジメタクリレ
ート、ダイアセトンアクリルアミドを用いて重合した
が、いずれも反応性が悪るいため、均一に架橋せず、従
って溶剤で置換したとき、部分的に膨潤や溶解が起こ
り、紙に塗布したときそれが流れてフィルム化し、他の
被着面と接触させると到るところで面接着した。 【0016】溶剤膨潤性を最小限度に押えるために、架
橋性単量体の使用量を増やした場合には、粘着性が減少
し、粘着性能が不充分となる。 【0017】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、さらに検
討を進め、内部架橋性単量体の種類を変えて重合したと
ころ、テトラアリルオキシエタン(TAE)、トリアリ
ルシアヌレート(TAC)およびトリアリルイソシアヌ
レート(TAIC)がきわめて反応性がよく、アクリル
系ポリマーを均一に内部架橋するので、懸濁媒体の水を
溶剤に置換しても、膨潤や溶解することが少なく、粘着
性のすぐれた粒の揃った微細球水性懸濁液がえられ、こ
れを沈降分離して溶剤に分散懸濁させることにより、粘
着性微細球有機溶剤懸濁液がえられることを見出し、本
発明を完成した。 【0018】すなわち、本発明は、(a)メチルアクリ
レートおよび/又はスチレンおよび/又は炭素数1〜5
のアルコールのメタクリレート2〜10重量部、(b)炭
素数2〜12のアルコールのアクリレートおよび/又は炭
素数6〜12のアルコールのメタクリレート98〜90重量
部、(c)無水マレイン酸 0.1〜 2.0重量部、(d)テ
トラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、ト
リアリルイソシアヌレートから選んだ1種又は2種以上
0.05 〜 1.0重量部を共重合してえた内部架橋された共
重合体からなる粒子径5〜 200ミクロンの微細球と有機
溶剤とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液、および
(a)メチルアクリレートおよび/又はスチレンおよび
/又は炭素数1〜5のアルコールのメタクリレート2〜
10重量部、(b)炭素数2〜12のアルコールのアクリレ
ートおよび/又は炭素数6〜12のアルコールのメタクリ
レート98〜90重量部、(c)無水マレイン酸 0.1〜 2.0
重量部、(d)テトラアリルオキシエタン、トリアリル
シアヌレート、トリアリルイソシアヌレートから選んだ
1種又は2種以上 0.05 〜 1.0重量部を共重合してえた
内部架橋された共重合体からなる粒子径5〜 200ミクロ
ンの微細球の水性懸濁液を凝集させて取り出し、有機溶
剤中に懸濁分散させることを特徴とする粘着性微細球有
機溶剤懸濁液の製法である。 【0019】 【実施例】本発明で使用する(a)項で示されたメチル
アクリレートのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)
は8℃である。スチレンのホモポリマーのTgは 100℃
である。また、炭素数1〜5のアルコールのメタクリレ
ートとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、ペンチルメタクリレートであり、それぞれのホモポ
リマーのTgはそれぞれ、 105℃、66℃、35℃、21℃、
10℃である。すなわち、(a)項で示された単量体は、
いずれもそのホモポリマーのTgが0℃以上 100℃附近
を示すものである。 【0020】(b)項で示された炭素数2〜12のアルコ
ールのアクリレートおよび/又は炭素数6〜12のアルコ
ールのメタクリレートとは、エチルアクリレート(Tg
=−22℃)、ブチルアクリレート(Tg=−52℃)、2
エチルヘキシルアクリレート(Tg=−70℃)、ヘキシ
ルメタクリレート(Tg=−5℃)などであり、いずれ
もそのホモポリマーのTgが0℃未満乃至マイナス数10度
を示すものである。 【0021】(a)項の単量体2〜10重量部と(b)項
の単量体98〜90重量部を使用するのは、えられた樹脂に
本質的に粘着性能を付与するためである。そして、この
範囲外では粘着性樹脂はえられない。 【0022】(c)項の無水マレイン酸は、 0.1〜 2.0
重量部使用するのであるが、これは重合反応をスムーズ
に行ない、安定な懸濁液をうるためである。 【0023】(d)項のテトラアリルオキシエタンは 【0024】 【化1】 【0025】なる構造式で示されるものであり、トリア
リルシアヌレートは 【0026】 【化2】 【0027】なる構造式で示されるものであり、トリア
リルイソシアヌレートは 【0028】 【化3】 【0029】なる構造式で示されるものである。 【0030】通常の内部架橋剤に較べて、重合性官能基
を3個乃至4個所有しており、そのために反応性がすぐ
れているので、均一に内部架橋するものと考えられる。 【0031】これらはそれぞれ単独で用いてもよく、又
は併用してもよい。その使用量は 0.05 〜 1.0重量部が
適当である。 0.05 重量部未満では内部架橋効果が少な
いので、耐溶剤性が不足し、 1.0重量部を超えると架橋
が進みすぎて粘着性能が低下するので好ましくない。 【0032】本発明において、粘着性能を損わない量の
他の単量体、例えばN−メチロールアクリルアミド、ア
クリロニトリル、エチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、
ベオバ(シェル化学社製のビニルエステルの商品名)な
どを10重量部以下の範囲で併用できる。 【0033】本発明の粘着性微細球有機溶剤懸濁液の製
法としては、まず、公知の重合法で粘着性微細球の水性
懸濁液を作る。公知の重合法としては例えば一括仕込に
よる重合法、単量体滴下重合法、乳化単量体滴下重合法
などがある。 【0034】重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、
アゾビスイソブチロニトリル、tert−ブチルパーベ
ンゾエート、クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパー
オキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パー
オキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネ
オデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレー
ト、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオ
キサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジプロピオニ
ルパーオキサイド、ジアセチルパーオキサイドなどのご
とき油溶性開始剤が用いられる。 【0035】懸濁安定剤としては、ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ソー
ダ、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシ変性ポリアクリルアミドなどのごとき水
溶性高分子が用いられる。 【0036】また、アニオン性界面活性剤、非イオン性
界面活性剤を併用することができる。ことにアニオン性
界面活性剤が多い方が好ましい。 【0037】微細球の粒子径は、撹拌条件などでコント
ロールできるが5ミクロン乃至 200ミクロンの範囲内の
ものが適当である。 【0038】微細球の80%が含まれる粒子径分布の巾
は、平均粒子径が5ミクロン近辺では約10ミクロン、 2
00ミクロン近辺では約30ミクロン程度のものが好まし
い。 【0039】えられた粘着性微細球の水性懸濁液を、放
置、遠心分離、あるいはメタノール中に投入などにより
凝集させて取り出し、トルエン、酢酸エチル、1,1,
1,−トリクロロエタンのごとき有機溶剤に懸濁分散さ
せることにより、粘着性微細球有機溶剤懸濁液がえられ
る。 【0040】つぎに繰返し使用できる感圧性接着シート
を製造するには、紙、布、不織布、フィルムなどの表面
に、バーコーター、ロールコーター、スプレーなどによ
り、固形分で約2g/m2 〜30g/m2 塗布すればよ
い。 【0041】必要に応じ、AC剤(アンカーコート剤)
を塗布した上に微細球層を設けることもできる。 【0042】本発明の粘着性微細球有機溶剤懸濁液は、
微細球同士が融着しにくいので、機械安定性がきわめて
よい。 【0043】又、溶剤に懸濁しているタイプのため乾燥
が早く、紙に塗工した場合、粘性や塗工性がすぐれてい
るので作業性がきわめてよく、またカールすることも全
くないという効果を奏する。 【0044】又、本発明の粘着性微細球有機溶剤懸濁液
を用いて製造した感圧性接着シートは、カールすること
がなく、粒子径の揃った粘着性の良い微細球が並んでい
るため粘着力も強く、しかも被着面をむしり取ることな
く剥離でき、回数多く繰返し使用できるという効果を奏
する。 【0045】次に実施例と比較例をあげて本発明を説明
する。 【0046】実施例1 メチルメタクリレート 20重量部
(4.7 %) 2エチルヘキシルアクリレート 400重量部
(94.1%) テトラアリルオキシエタン 1.0重量部
(0.24%) 無水マレイン酸 4.0重量部
(0.94%) を共重合してえた内部架橋された共重合体からなる、80
%が粒子径80〜 100ミクロンの微細球と、表1に示した
各種有機溶剤とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液お
よびこれを上質紙(55K)に塗布し、上質紙上に粘着性
微細球を配列した感圧性接着シート。 【0047】これらは、次のようにして製造した。 【0048】 (成分) (重量部) メチルメタクリレート 20 2エチルヘキシルアクリレート 400 テトラアリルオキシエタン 1.0 無水マレイン酸 4.0 ポリアクリル酸ソーダ 16 (重合度3000〜7000) 水 600 過酸化ベンゾイル 2.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 20 以上の成分を用いて、重合反応を行ない、80%が粒子径
80〜 100ミクロンの粘着性微細球の水性懸濁液を製造
し、ついで、これをメタノール中に添加して凝集させ、
洗浄したのち塊状樹脂を取り出し、表1に示した各種有
機溶剤中に再分散させて、濃度約25%の溶剤性懸濁液を
調製し、粘着性微細球有機溶剤懸濁液をえた。 【0049】ついで、上質紙(55K)(A)にアンカー
コート剤として、コーポニール4081(日本合成化学工業
製のアクリル/酢酸ビニル共重合樹脂の50%メタノール
溶液)を約 1.5g/m2 塗布して乾燥した基材(B)を
調製し、その上に、上記の溶剤性懸濁液を固形分で約20
g/m2 塗布し、40℃×30分間熱風乾燥して全くカール
のない感圧性接着シートをえた。 【0050】実施例2 スチレン 12重量部
(2.9 %) ブチルアクリレート 390重量部
(95.6%) トリアリルイソシアヌレート 1.0重量部
(0.25%) 無水マレイン酸 5重量部
(1.2 %) を共重合してえた内部架橋された共重合体からなる、80
%が粒子径15〜50ミクロンの微細球と、表1に示した各
種有機溶剤とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液、お
よびこれを上質紙(55K)に塗布し、上質紙上に粘着性
微細球を配列した感圧性接着シート。 【0051】これらは、次のようにして製造した。 【0052】 (成分) (重量部) スチレン 12 ブチルアクリレート 390 トリアリルイソシアヌレート 1.0 無水マレイン酸 5 ヒドロキシエチルセルロース 20 水 600 過酸化ベンゾイル 2.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 20 以上の成分を用いて重合反応を行ない、80%が粒子径15
〜50ミクロンの粘着性微細球の水性懸濁液を製造し、つ
いで、これをメタノール中に添加して凝集させ、洗浄し
たのち塊状樹脂を取り出し、表1に示した各種有機溶剤
中に再分散させて、濃度約25%の溶剤性懸濁液を調製
し、粘着性微細球有機溶剤懸濁液をえた。 【0053】ついで、上質紙(55K)(A)の上に、上
記溶剤性懸濁液を、固形分で5g/m2 塗布し、40℃×
30分間熱風乾燥して全くカールのない感圧性接着シート
をえた。 【0054】実施例3 メチルメタクリレート 32重量部
(7.3 %) イソノニルアクリレート 400重量部
(91.5%) トリアリルシアヌレート 3.7重量部
(0.85%) 無水マレイン酸 1.5重量部
(0.34%) を共重合してえた内部架橋された共重合体からなる、80
%が粒子径45〜70ミクロンの微細球と、表1に示した各
種有機溶剤とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液、お
よびこれを上質紙(55K)に塗布し、上質紙上に粘着性
微細球を配列した感圧性接着シート。 【0055】これらは、次のようにして製造した。 【0056】 (成分) (重量部) メチルメタクリレート 32 イソノニルアクリレート 400 トリアリルシアヌレート 3.7 無水マレイン酸 1.5 ポリビニルアルコール 15 水 600 過酸化ベンゾイル 2.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 20 以上の成分を用いて重合反応を行ない、80%が粒子径45
〜70ミクロンの粘着性微細球の水性懸濁液を製造し、つ
いで、これをメタノール中に添加して洗浄したのち、塊
状樹脂を取り出し、表1に示した各種有機溶剤中に再分
散させて、濃度約25%の溶剤性懸濁液を調製し、粘着性
微細球有機溶剤懸濁液をえた。 【0057】ついで、実施例1と同様の方法で調製した
基材(B)の上に、上記溶剤性懸濁液を固形分で10g/
m2 塗布し、40℃×30分間熱風乾燥して全くカールのな
い感圧性接着シートをえた。 【0058】実施例4 メチルメタクリレート 32重量部
(7.3 %) イソノニルアクリレート 400重量部
(91.8%) テトラアリルオキシエタン 2重量部
(0.46%) 無水マレイン酸 1.5重量部
(0.34%) を共重合してえた内部架橋された共重合体からなる、80
%が粒子径35〜60ミクロンの微細球と、表1に示した各
種有機溶剤とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液、お
よびこれを上質紙(55K)に塗布し、上質紙上に粘着性微
細球を配列した感圧性接着シート。 【0059】これらは、次のようにして製造した。 【0060】 (成分) (重量部) メチルメタクリレート 32 イソノニルアクリレート 400 テトラアリルオキシエタン 2 無水マレイン酸 1.5 ポリビニルアルコール 15 水 600 過酸化ベンゾイル 2.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 20 以上の成分を用いて重合反応を行ない、80%が粒子径35
〜60ミクロンの粘着性微細球の水性懸濁液を製造し、つ
いで、これをメタノール中に添加して凝集させ、洗浄し
たのち塊状樹脂を取り出し、表1に示した各種有機溶剤
中に再分散させて、濃度約25%の溶剤性懸濁液を調製
し、粘着性微細球有機溶剤懸濁液をえた。 【0061】ついで、実施例1と同様の方法で調製した
基材(B)の上に、上記溶剤性懸濁液を固形分で15g/
m2 塗布し、40℃×30分間熱風乾燥して全くカールのな
い感圧性接着シートをえた。 【0062】比較例1 実施例1において、テトラアリルオキシエタンを使用せ
ずに共重合してえた共重合体からなる、80%が粒子径80
〜 100ミクロンの微細球と、表1に示した各種有機溶剤
とからなる粘着性微細球有機溶剤懸濁液、およびこれを
上質紙(55K)に塗布し、上質紙上に粘着性微細球を配
列したシート。 【0063】製法は実施例1に準じた。 【0064】比較例2 実施例1において、テトラアリルオキシエタンを 6.5重
量部(全単量体に対して 1.5重量%)に変えて共重合し
てえた内部架橋された共重合体からなる、80%が粒子径
80〜 100ミクロンの微細球と、表1に示した各種有機溶
剤とからなる微細球有機溶剤懸濁液、およびこれを上質
紙(55K)に塗布し、上質紙上に微細球を配列したシー
ト。 【0065】製法は実施例1に準じた。 【0066】比較例3 実施例2において、トリアリルイソシアヌレート 1.0重
量部の代りに、ジビニルベンゼン 2.0重量部を用いて共
重合してえた内部架橋された共重合体からなる、80%が
粒子径15〜50ミクロンの微細球と、表1に示した各種有
機溶剤とからなる微細球有機溶剤懸濁液、および、これ
を上質紙(55K)に塗布し、上質紙上に微細球を配列し
たシート。 【0067】製法は実施例2に準じた。 【0068】比較例4 実施例3において、トリアリルシアヌレートを6重量部
(全単量体に対して 1.4重量%)に変えて共重合してえ
た内部架橋された共重合体からなる、80%が粒子径45〜
70ミクロンの微細球と、表1に示した各種有機溶剤とか
らなる微細球有機溶剤懸濁液、および、これを上質紙
(55K)に塗布し、上質紙上に微細球を配列したシー
ト。 【0069】製法は実施例3に準じた。 【0070】比較例5 実施例4の製造において、無水マレイン酸を使用しなか
った以外は、実施例4と同様にして重合したところ、反
応中に凝集物が多量に生成して目的物はえられなかっ
た。 【0071】比較試験1 実施例1〜4および比較例1〜4の微細球有機溶剤懸濁
液について、粒子の膨潤度を調べた。 【0072】その結果は表1の通りであった。 【0073】(試験方法) 粒子の膨潤度(変化率) 厚さ38ミクロンのポリエステルフィルムに、上記の微細
球の溶剤性懸濁液を約30g/m2 塗布し、塗布直後およ
び常温30分後の粒子径の変化率を求め粒子の膨潤度とし
た。 【0074】 【数1】 【0075】但し、粒子径は顕微鏡写真で測定した。 【0076】比較試験2 実施例1〜4および比較例1〜4でえた感圧性接着シー
トについて、繰返し接着/剥離回数を調べた。 【0077】その結果は表1の通りであった。 【0078】(試験方法) 繰返し接着/剥離回数 新聞紙活字面で接着/剥離を繰返し、接着しなくなるま
での回数を求めた。 【0079】又、印刷のハガレ(紙むしり現象)もチェ
ックした。 【0080】 【表1】 【0081】 【発明の効果】本発明の粘着性微細球有機溶剤懸濁液は
本発明の製法によりうることができ、この微細球有機溶
剤懸濁液を用いて感圧性接着シートを製造すると、良好
な繰り返し着剥性を有する感圧性接着シートをうること
ができる。
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
C09J 7/02 JJW
133/08 JDE
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】1 (a)メチルアクリレートおよ
び/又はスチレンおよび/又は炭素数1〜5のアルコー
ルのメタクリレート 2〜10 重量部 (b)炭素数2〜12のアルコールのアクリレートおよび
/又は炭素数6〜12のアルコールのメタクリレート
98〜90 重量部 (c)無水マレイン酸 0.1
〜 2.0重量部 (d)テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルイソシアヌレートから選んだ1種又は
2種以上 0.05 〜 1.0重量部 を共重合してえた内部架橋された共重合体からなる粒子
径5〜 200ミクロンの微細球と有機溶剤とからなる粘着
性微細球有機溶剤懸濁液。 2 (a)メチルアクリレートおよび/又はスチレンお
よび/又は炭素数1〜5のアルコールのメタクリレート
2〜10 重量部 (b)炭素数2〜12のアルコールのアクリレートおよび
/又は炭素数6〜12のアルコールのメタクリレート
98〜90 重量部 (c)無水マレイン酸 0.1
〜 2.0重量部 (d)テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルイソシアヌレートから選んだ1種又は
2種以上 0.05 〜 1.0重量部 を共重合してえた内部架橋された共重合体からなる粒子
径5〜 200ミクロンの微細球の水性懸濁液を凝集させて
微細球を取り出し、有機溶剤中に懸濁分散させることを
特徴とする粘着性微細球有機溶剤懸濁液の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16976192A JPH0723441B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 粘着性微細球有機溶剤懸濁液およびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16976192A JPH0723441B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 粘着性微細球有機溶剤懸濁液およびその製法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27130684A Division JPS61148279A (ja) | 1984-12-22 | 1984-12-22 | 感圧性接着シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05186754A JPH05186754A (ja) | 1993-07-27 |
JPH0723441B2 true JPH0723441B2 (ja) | 1995-03-15 |
Family
ID=15892365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16976192A Expired - Lifetime JPH0723441B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 粘着性微細球有機溶剤懸濁液およびその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0723441B2 (ja) |
-
1992
- 1992-06-29 JP JP16976192A patent/JPH0723441B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05186754A (ja) | 1993-07-27 |
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