JPH07234093A - 集水槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で固定用のボルトの数又は溶接箇所が少
なくて済み、渦防止板を取外すことなく取付け及び取外
しのできる集水槽を提供する。 【構成】 円筒部５の上端に冷却塔等の受水槽の底面に
取付けるための円形のフランジ部２を設け、このフラン
ジ部２にはボルトを通すための多数のボルト穴２ａを設
ける。円筒部５はフランジ部２から下方に延び、この円
筒部５の中心軸は受水槽の底面に対して垂直に取付けら
れる。円筒部５の側面に冷水を返送するためのパイプ６
を取付け、このパイプ６の中心軸を円筒部５の中心軸に
対して直角とする。更に、円筒部５の内部に２枚の渦防
止板８ａ，８ｂを設ける。これらの渦防止板８ａ，８ｂ
は円筒部５の中心軸の方向に所定の幅を有し、円筒部５
の中心軸方向から見た場合互いに直交するように配され
ている。 【効果】 円筒部５を設けるとともに渦防止板を板状と
したことにより、従来の立方体の集水槽に比べてその構
成材料を低減でき、軽量化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、工場の各種設備、ビル
の冷暖房装置等から排出される温水を冷却する冷却塔、
空気を浄化するスクラバー等の、水を散布する機構を有
する装置に使用される集水槽に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、工場の各種設備、ビルの冷暖
房装置等から排出される温水を循環使用するために、冷
却塔が使用されている。また、工場などから発生する有
害成分を含有する排ガスを浄化するために、スクラバー
が使用されている。これらの装置は、水を散布する機構
を有している。即ち、冷却塔では、その上部から温水を
散布し、充填材内部で冷却用の空気を用いて冷却し、冷
却後の水を再び各種設備に供給する。また、スクラバー
では、気体中に含有される有害成分等を水、薬剤水溶液
等の散布により吸収させた後、大気中などに放出する。
なお、本明細書に於ける「水」は、単なる水の他、水に
酸、アルカリその他の薬剤を溶解させたものをも含むも
のである。

【０００３】図５は従来より使用されている冷却塔の概
略構成を示している。同図の冷却塔では、上部の散水箱
２２に供給された温水は充填材２３内を流下し、その間
に側方から供給される冷却用空気と接触することにより
冷却される。また、図６は従来より使用されているスク
ラバーの概略構成を示しており、同図のスクラバーで
は、気体中に含有される有害成分等は、充填材２３内で
水槽２５から供給される水と接触することにより除去さ
れる。これらの装置内で気体と接触した後の水は、一旦
受水槽１０に貯留される。受水槽１０の下部には集水槽
２１が取付けられており、この集水槽２１は受水槽１０
の水を集める機能を果している。

【０００４】図３（ａ）及び（ｂ）はこのような集水槽
２１の平面図及び側面図であり、図３（ｃ）は図３
（ａ）のＰ−Ｐ線矢視断面図である。この集水槽２１
は、図３（ａ）に示すように略直方体であり、矩形の断
面を有している。集水槽２１の一つの側面２４には、図
３（ｂ）及び（ｃ）に示すように、冷水返送用のパイプ
２６が取付けられ、上下方向の中程には渦流防止板２７
が設けられている。渦流防止板２７の断面は、図３
（ｃ）に示すように、受水槽１０からの水の流入に際し
て渦が生じないように、排水パイプ２６に対して凹状を
成している。図４（ａ）及び（ｂ）も従来の他の集水槽
２８の平面図及び側面図を示しているが、この集水槽２
８では多孔板からなる渦流防止板２９が設けられている
点が図３の集水槽２１と異なっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】図３及び図４に示す従
来の集水槽２１及び２８は、前述のように矩形の断面を
有しているため、気液接触後の水を返送するパイプを任
意の方向に向けて取付けることができず、４つの側面に
直角の４つの方向以外にパイプを取付けることができな
い。また、このような形状の集水槽２１及び２８を作製
するには比較的多くの材料を使用しなければならないた
め、材料費が高くなる。また、集水槽の重量が大きくな
るため、取付けに際してこれを支えるには大きな力が必
要となる。

【０００６】また、ボルトで集水槽２１又は２８を固定
する場合には多くの固定用ボルトが必要となり、また、
溶接によって集水槽２１又は２８を固定する場合、溶接
箇所が多くなり、取付け作業が煩雑となるという問題点
がある。更に、上記従来の集水槽では渦防止板２７及び
２９が大きく重いため、取外せる構造にしなければ集水
槽の取付け及び取外しができないという問題点がある。
加えて、このような大きな渦防止板２７及び２９を設け
ると冷水の圧力損失が大きく、また、集水槽内の掃除を
行い難いという問題点がある。

【０００７】本発明は、このような従来の集水槽の問題
点を解決するものであり、本発明の目的は、軽量で固定
用のボルトの数又は溶接箇所が少なくて済む集水槽を提
供することであり、本発明の他の目的は、軽量で取外す
必要のない渦防止板を有する集水槽を提供することであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の集水槽は、水を
散布する機構を有する装置の受水槽に取付けて使用され
該受水槽の水を集めるための集水槽であって、該集水槽
は前記受水槽の底面から下方に延びる円筒部と、該円筒
部の側面に接続された排水パイプとを有することを特徴
とする。

【０００９】また、前記円筒部の内部には、該円筒部の
中心軸方向に所定の幅を有する渦防止板が設けられてい
る構成を付加してもよい。

【００１０】更に、上記構成に於いて、前記渦防止板を
複数備えた構成としてもよい。

【００１１】本発明の集水槽は、特に冷却塔又はスクラ
バーに好適に使用されるものである。

【００１２】

【作用】本発明の集水槽は、水を散布する機構を有する
装置の受水槽に取付けて使用されるものであり、受水槽
に受けた水を集めるために使用されるものである。本発
明の集水槽は円筒部を有し、この円筒部の中心軸、即ち
円筒部の回転対象の中心軸は、受水槽の底面から下方に
延びている。そして、この円筒部の側面には排水パイプ
が接続されている。この構成により、集水槽を構成する
材料を低減することができ、従って、集水槽の軽量化を
図ることができる。しかも、固定用のボルトの数又は溶
接箇所が少なくて済む。また、冷水返送用のパイプを任
意の方向に取付けることが可能となる。

【００１３】また、本発明の冷却塔の集水槽は、この円
筒部の中心軸方向に所定の幅を有する渦防止板を円筒部
の内部に有している。この構成により、渦防止板の重量
を低減することができ、集水槽の取付け及び取外しに際
して渦防止板を取外す必要がなくなる。また、このよう
な渦防止板を複数設けることにより、簡易な構成であり
ながら渦防止効果が大きく、且つ、冷水の圧力損失が小
さい集水槽を提供することができる。

【００１４】

【実施例】本発明の一実施例に係る集水槽について、図
面を参照しながら説明する。図１は本実施例の集水槽１
の斜視図であり、図２はその平面図である。本実施例の
集水槽１は、前述の図５に示す冷却塔や図６に示すスク
ラバー等の受水槽１０に取付けて使用されるものであ
る。

【００１５】図２に示すように、本実施例の集水槽１は
冷却塔等の受水槽１０（図５及び図６）の底面に取付け
るための円形のフランジ部２を有し、このフランジ部２
にはボルトを通すためのボルト穴２ａが多数設けられて
いる。また、本実施例の集水槽１は、図１に示すよう
に、フランジ部２から下方に延びる円筒部５を有し、こ
の円筒部５は、その中心軸が受水槽１０（図５及び図
６）の底面に対して垂直に取付けられる。円筒部５の材
質は溶融亜鉛メッキされたＳＳ４００である。円筒部５
の側面には、冷水を返送するためのパイプ６が取付けら
れている。このパイプ６の中心軸は、本実施例では前述
の円筒部５の中心軸に対して直角である。なお、このパ
イプ６の中心軸と円筒部５の中心軸との成す角度は、必
要に応じて適切な角度に設定することができる。円筒部
５のパイプ６が取付けられた部分とは反対側には、冷水
の流れをパイプ６に導くための切欠面７が設けられてい
る。切欠面７はパイプ６の中心軸及び円筒部５の中心軸
に対して約４５゜の角度を成している。

【００１６】更に、本実施例では、円筒部５の内部に円
筒部５の中心軸の方向に所定の幅を有する２枚の渦防止
板８ａ，８ｂが、該中心軸に直角に設けられており、こ
れらの渦防止板８ａ，８ｂは、円筒部５の中心軸方向か
ら見た場合、互いに直交するように、換言すれば渦防止
板８ａ，８ｂの形状が図２に示すように十字となるよう
に配されている。また、渦防止板８ａ，８ｂの円筒部５
の中心軸の方向に於ける幅ｄは、好ましくは５０〜１０
０ｍｍである。本実施例では７５ｍｍとした。

【００１７】本実施例の集水槽１の円筒部５の直径及び
深さは、冷却塔の処理水量に応じて適宜決められるが、
例えば処理水量が５００〜１０００ｍ³ ／ｈの場合に
は、直径９００ｍｍ、深さ５００〜１５００ｍｍ程度が
好ましい。

【００１８】本実施例の集水槽１では円筒部５を設けた
ので、図３及び４に示す従来の集水槽に比べて材料を低
減でき、集水槽の軽量化を図ることができる。具体的に
は、本実施例の集水槽１は、従来の集水槽に比較して約
１８％の軽量化が図られている。このような軽量化によ
り、受水槽１０へのこの集水槽１の取付けが容易とな
る。また、集水槽１のフランジ部２も円形なので、受水
槽１０にこの集水槽１を取付けるのに必要なボルトの数
を低減することができ、更に集水槽１の取付けが容易と
なる。

【００１９】また、円筒部５を設けたことにより、冷水
返送用のパイプ６を円筒部５の中心軸に対して垂直な面
内で自由な方向に取付けることができるので、冷却塔の
設置に際して配管の自由度が増し、配管の距離を低減す
るなどの利点が得られる。

【００２０】また、本実施例では円筒部５の内部に、円
筒部５の中心軸方向に幅を有する渦防止板８ａ，８ｂを
設けたので、軽量でありながら渦の発生を防止すること
ができる。従って、集水槽１の取付け及び取外しに際し
て渦防止板を８ａ，８ｂを取外す必要がない。また、本
実施例では２枚の渦防止板８ａ，８ｂを設け、円筒部５
の中心軸方向から見た場合に互いに直交するように配し
たので、軽量でかつ簡易な構成でありながら、非常に渦
防止効果の大きい集水槽１が得られる。

【００２１】なお、本実施例では２枚の渦防止板８ａ，
８ｂを設けた場合について説明したが、軽量化を図るた
めに渦防止板を１枚としてもよく、また、渦防止を高め
るために３枚以上の渦防止板を備えた構成とすることも
可能である。また、本実施例では渦防止板８ａ，８ｂが
直交している場合について説明したが、交差する角度は
任意に設定することができ、更に、図７に示すように、
複数の渦防止板８ｃを平行に配することもできる。更
に、１又は複数の渦防止板を円筒部５の中心軸方向の異
なる位置のそれぞれに取付けて、渦防止板を多段にする
ことも可能である。

【００２２】本実施例では、水の流れと気流とが直交す
るタイプの装置について説明したが、本発明は、これ以
外の例えば向流式の装置にも使用することができる。ま
た、本実施例ではフランジ部２の形状を円形とした場合
について説明したが、矩形とし、ボルト穴をその周縁部
に矩形に配することもできる。このようなフランジ部形
状及びボルト穴の配置により、図３及び図４に示す従来
の集水槽が取付けられていた受水槽に変更を加えること
なく、本発明の集水槽を取付けることができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の冷却塔の集水槽は、受水槽の底
面に取付けられる円筒部を有し、この円筒部の側面には
排水パイプが接続されているので、集水槽を構成する材
料を低減することができ、しかも、ボルトで固定する場
合にはボルトの数を低減することができ、溶接により固
定する場合には溶接箇所が少なくて済む。また、冷水返
送用のパイプを任意の方向に取付けることが可能とな
り、冷却塔を設置する場合の配管の制約が緩和される。

【００２４】また、本発明の冷却塔の集水槽は、円筒部
の中心軸の方向に所定の幅を有する渦防止板を有してい
るので、渦防止効果が大きく、従って渦防止板の重量を
低減することができる。また、渦防止板を付けたまま集
水槽の取付け及び取外すことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る集水槽の斜視図であ
る。

【図２】図１の実施例の集水槽の平面図である。

【図３】（ａ）は従来の他の集水槽の平面図、（ｂ）は
側面図である。

【図４】（ａ）は従来の他の集水槽の平面図、（ｂ）は
側面図である。

【図５】冷却塔の概略構成図である。

【図６】スクラバーの概略構成図である。

【図７】本発明の他の実施例に係る集水槽の平面図であ
る。

【符号の説明】

１…集水槽 ２…フランジ部 ２ａ…ボルト穴 ５…円筒部 ６…パイプ ７…切欠面 ８ａ，８ｂ，８ｃ…渦防止板

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水を散布する機構を有する装置の受水槽
   に取付けて使用され該受水槽の水を集めるための集水槽
   であって、 該集水槽は前記受水槽の底面から下方に延びる円筒部
   と、該円筒部の側面に接続された排水パイプとを有する
   ことを特徴とする集水槽。
2. 【請求項２】 前記円筒部の内部には、該円筒部の中心
   軸の方向に所定の幅を有する渦防止板が設けられている
   ことを特徴とする請求項１記載の集水槽。
3. 【請求項３】 前記渦防止板を複数備えたことを特徴と
   する請求項２記載の集水槽。
4. 【請求項４】 前記装置が冷却塔であることを特徴とす
   る請求項１乃至３記載の集水槽。
5. 【請求項５】 前記装置がスクラバーであることを特徴
   とする請求項１乃至３記載の集水槽。