JPH0723376B2 - ジヒドロリセルグ酸のエステル類 - Google Patents

ジヒドロリセルグ酸のエステル類

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JPH0723376B2
JPH0723376B2 JP61234256A JP23425686A JPH0723376B2 JP H0723376 B2 JPH0723376 B2 JP H0723376B2 JP 61234256 A JP61234256 A JP 61234256A JP 23425686 A JP23425686 A JP 23425686A JP H0723376 B2 JPH0723376 B2 JP H0723376B2
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Description

【発明の詳細な説明】 米国特許第3,580,916号は、以下の構造式: [式中、R′はH、C1−C3アルキル、アリルまたはベン
ジルであり、R2はC2−C8モノヒドロキシアルキル、C2
C8ジヒドロキシアルキルまたは5〜8個の環炭素を有し
ているC5−C11モノヒドロキシシクロアルキルである] で示される、種々の解放鎖状および環式ジオールで生成
された1群のリセルグ酸(I)および9,10−ジヒドロリ
セルグ酸(II)のエステル類を開示している。
本発明は、式(III): [式中、Rは第1または第2C1−C8アルキル、C2−C4
ルケニル−CH2、C3−C8シクロアルキル、またはC3−C6
シクロアルキル置換C1−C5第1または第2アルキルであ
って、Rにおける炭素原子の総数は8以下であり;R1
アリル、HまたはC1−C4直鎖状アルキル、即ち、メチ
ル、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルであり;R2
はC1−C3アルコキシ−C5−C7シクロアルキル;C5−C7
クロアルキルまたはケト置換C5−C7シクロアルキル;第
1または第2炭素を介して酸性基に結合しているC3−C7
ケトアルキル 式中、R9はH、メチルまたはエチルであり、R10はケト
ン部分を含有しているC2−C5アルキル基である);第1
または第2C1−C3アルコキシ−C2−C6−アルキルまたは
ジ(C1−C3アルコキシ)−C2−C6アルキル;または4−
ヒドロキシシクロヘキシルである] で示されるエルゴリン類およびその薬学的に許容し得る
酸付加塩を提供するものである。
R1がH以外である式(III)の化合物は、中枢または末
梢のセロトニン5HT2受容体拮抗薬物である。R1がHで
ある化合物は、主として中間体として有用である。
Rが表わす基は、メチル、エチル、アリル、n−プロピ
ル、イソプロピル、クロチル、メタリル、n−ヘキシ
ル、sec−アミル、sec−オクチル、n−ヘプチル、2,4
−ジメチルペンチル、2−エチルペンチル、シクロプロ
ピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、
2−シクロブチルエチル、シクロヘキシル、イソブチ
ル、sec−ブチル、3−メチル−2−ブチル、イソアミ
ル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メ
チルヘキシル(イソヘキシル)、2−ヘキシル、3−ヘ
キシル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、
4−ヘプチル、n−オクチル、2−オクチル、3−オク
チル、4−オクチル、イソオクチル、2−メチルヘプチ
ル、3−メチル−2−ヘプチル等を包含する。R2が表わ
す基の例には、4−メトキシシクロヘキシル、3−エト
キシシクロヘキシル、3−メトキシシクロペンチル、3
−メトキシシクロヘプチル、3−n−プロポキシシクロ
ヘプチル、3−エトキシシクロペンチル、4−イソプロ
ポキシシクロヘキシル、2−メトキシシクロヘプチル、
2−オキソプロピル、1−メチル−2−オキソプロピ
ル、1−エチル−2−オキソプロピル、1−メチル−2
−オキソブチル、1−エチル−2−オキソブチル、1−
メチル−3−オキソブチル、1−エチル−3−オキソブ
チル、シクロヘキシル、3−ケトシクロヘキシル、シク
ロペンチル、3−ケトシクロヘプチル、シクロヘプチ
ル、3−ケトシクロペンチル、4−ケトシクロヘキシ
ル、2−ケトシクロヘプチル、2−メトキシエチル、3
−メトキシプロピル、2−メトキシ−2−メチルエチ
ル、4−メトキシブチル、5−メトキシペンチル、6−
メトキシヘキシル、5−エトキシ−1−メチルペンチ
ル、2−n−プロポキシ−1−メチルプロピル、2−エ
トキシメチルプロピル、1−エトキシメチル−2−エト
キシエチル、2−エトキシエチル−4−エトキシブチル
等がある。
上の式で示される化合物群は、橋頭水素がトランス
(−)、即ち、5R、10R立体配置で特徴づけられる(天
然の9,10−ジヒドロ麦角アルカロイド類と同じ立体配
置)エルゴリン誘導体として命名される。米国特許第3,
580,916号では別の命名系が使用されており、基本環系
は、6aR,10aR−4,6,6a,7,8,9,10,10a−オクタヒドロイ
ンドロ[4,3−f,g]キノリンと命名されている。この命
名系によると、例えば9,10−ジヒドロリセルグ酸は、6a
R,10aR−7−メチル−4,6,6a,7,8,9,10,10a−オクタヒ
ドロインドロ[4,3−f,g]キノリン−9β−カルボン酸
となる。ジヒドロリセルグ酸についてのその他の同様に
正当な名称は、6−メチル−8β−カルボキシエルゴリ
ンである。本明細書では、R1がメチル以外である化合物
のために上の式(III)に記載した番号づけの系および
6−メチル誘導体のための9,10−ジヒドロリセルグ酸命
名法と共に、通称である「エルゴリン」を使用する。
また、9,10−ジヒドロリセルグ酸におけるC−8カルボ
キシル基はベータ、即ちRである。従って、再びエルゴ
リン命名系を使用すると、9,10−ジヒドロリセルグ酸の
誘導体は、5R,8R,10R(即ち、5β,8β,10α)6−メチ
ルエルゴリン−8β−カルボン酸の誘導体となる。
式(III)における5,8および10位の不整炭素の配置は
(5β,8βおよび10α)で示されるが、通常、アルコキ
シシクロアルキルエステル基(またはヒドロキシシクロ
アルキル基)は更に2個の不整炭素を含有している。例
えば3−メトキシシクロヘキサノールは、各々のラセミ
体が2個のエナンチオマーまたは立体異性体を含んでい
る2個のラセミ体として存在する。しかしながら、アル
コキシシクロアルカノール(またはヒドロキシシクロア
ルキル基)は4−アルコキシシクロヘキサノールにおけ
る様に対称面を有しているので、鏡像を重ねあわせるこ
とができ、この化合物は事実上、2形態のみで存在す
る。これらの形態は便宜上、式(IVa)および(IVb): の様に2次元で表わされるシス形およびトランス形とし
て呼ばれる。1−置換−9,10−ジヒドロリセルグ酸のモ
ノエステルがシスまたはトランス4−アルコキシシクロ
アルカノールとで生成される場合、生成物は単一の幾何
異性体となるであろう。通常、この場合の2個のエステ
ルも便宜上、シスおよびトランス4−アルコキシシクロ
ヘキシル(または4−ヒドロキシシクロアルキル)エス
テルと呼ばれる。
本発明は、末梢のセロトニン拮抗薬として有用な全ての
形態、即ち、各々のジアステレオマーおよび幾何異性体
並びにラセミ体を包含する。
本発明の好ましい化合物には、1またはそれ以上の以下
の特徴を備えた化合物が含まれる: (A)R2はC1−C3アルコキシ−C5−C7シクロアルキルで
ある; (B)R2はC5−C7シクロアルキルまたはケト置換C5−C7
シクロアルキルである; (C)R2はC3−C7ケトアルキルである; (D)R2は第1または第2C1−C3アルコキシ−C2−C6
アルキルまたはジ(C1−C3アルコキシ)−C2−C6アルキ
ルである; (E)R2はメチルである; (F)Rはイソプロピルである; (G)R1がメチルでありRがイソプロピルである時に
は、R2はトランス−4−ヒドロキシシクロヘキシルであ
る。
本発明は式(III)で示される化合物の薬学的に許容し
得る酸付加塩は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素
酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸等のような非毒性無機酸か
ら誘導される塩、および脂肪族モノおよびジカルボン
酸、フェニル置換アルカン酸、アルカン酸およびアルカ
ン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸等の
ような非毒性有機酸から誘導される塩を包含する。従っ
て、そのような薬学的に許容し得る塩には、硫酸塩、ピ
ロ硫酸塩、硫酸水素酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素酸塩、
硝酸塩、リン酸塩、リン酸−水素酸塩、リン酸二水素酸
塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸
塩、ヨウ化水素酸塩、フッ化水素酸塩、酢酸塩、プロピ
オン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ
酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸
塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸
塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデ
ル酸塩、ブチン−1,4−ジカルボン酸塩、ヘキシン−1,6
−ジカルボン酸塩、安息香酸塩、クロル安息香酸塩、メ
トキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベン
ゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロルベン
ゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢
酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエ
ン酸塩、乳酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸
塩、リンゴ酸塩、酒石酒塩、メタンスルホン酸塩、プロ
パンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナ
フタレン−2−スルホン酸塩等がある。
本発明の代表的な化合物には、 1−メチル−6−エチル−8β−(2−メトキシ)シク
ロペンチルオキシカルボニルエルゴリン・塩酸塩、 1−n−プロピル−6−アリル−8β−(3−エトキ
シ)シクロヘプチルオキシカルボニルエルゴリン・硫酸
塩、 1−メチル−9,10−ジヒドロリセルグ酸4−メトキシシ
クロヘキシルエステル・リン酸塩、 1−n−オクチル−9,10−ジヒドロリセルグ酸3−メト
キシシクロヘキシルエステル・マレイン酸塩、 1−イソプロピル−6−n−プロピル−8β−(2−n
−プロポキシ)シクロヘキシルオキシカルボニルエルゴ
リン・臭化水素酸塩、 1−アリル−6−エチル−8β−)4−エトキシ)シク
ロヘプチルオキシカルボニルエルゴリン・コハク酸塩、 1,6−ジエチル−8β−(2−ケト)プロピルオキシカ
ルボニルエルゴリン・コハク酸塩、 1−メチル−6−エチル−8β−(1−メチル−2−ケ
ト)ブチルオキシカルボニルエルゴリン・塩酸塩、 1−メチル−6−エチル−8β−(2−メトキシエチル
オキシカルボニル)エルゴリン・塩酸塩、 1−n−プロピル−6−アリル−8β−(3−エトキシ
プロピルオキシカルボニル)エルゴリン・硫酸塩、 1−メチル−9,10−ジヒドロリセルグ酸4−メトキシブ
チルエステル・リン酸塩、 1−イソプロピル−6−n−プロピル−8β−(2−n
−プロポキシプロピルオキシカルボニル)エルゴリン・
臭化水素酸塩、 1−n−オクチル−9,10−ジヒドロリセルグ酸1−メト
キシエチル−3−メトキシプロピルエステル、 1−アリル−6−エチル−8β−(4−エトキシヘキシ
ルオキシカルボニル)エルゴリン・酒石酸塩、 1,6−ジエチル−8β−シクロヘキシルオキシカルボニ
ルエルゴリン・コハク酸塩、 1−メチル−6−エチル−8β−シクロペンチルオキシ
カルボニルエルゴリン・塩酸塩、 1−n−プロピル−6−アリル−8β−シクロヘプチル
オキシカルボニルエルゴリン・硫酸塩、 1−イソプロピル−6−n−プロピル−8β−(2−オ
キソ)シクロヘプチルオキシカルボニルエルゴリン・臭
化水素酸塩、 1−アリル−6−エチル−8β−(4−オキソ)シクロ
ヘプチルオキシエルゴリン・酒石酸塩、 1−n−プロピル−6−アリル−8β−(1−エチル−
3−ケト)ブチルオキシカルボニルエルゴリン・硫酸
塩、 1−イソプロピル−6−n−プロピル−8β−(1−メ
チル−2−ケト)プロピルオキシカルボニルエルゴリン
・臭化水素酸塩、 1−メチル−9,10−ジヒドロリセルグ酸3−オキソブチ
ルエステル、 1−エチル−9,10−ジヒドロリセルグ酸4−オキソペン
チルエステル、 1−アリル−9,10−ジヒドロリセルグ酸1−メチル−4
−オキソペンチルエステル、 1−アリル−6−エチル−8β−(3−ケト)ブチルオ
キシエルゴリン・酒石酸塩 等がある。
上の式(III)で示される化合物の製造は、米国特許第
3,580,916号の一般法に従って行うことができる。この
方法によれば、例えば塩基とアルキルハライドを加える
等の常法を使用して、まずジヒドロリセルグ酸のインド
ール窒素をアルキル化する。液体アンモニアは、塩基と
してのナトリウムアミド、およびアルキル化試薬として
のヨウ化第1または第2C1−C8アルキル、ヨウ化C3−C8
シクロアルキルまたはC3−C6置換C1−C5第1または第2
アルキル、または塩化あるいは臭化C2−C4アルケニルの
ための好適な溶媒である(このアルキル化法の全般的な
指針および具体例を記載している米国特許第3,183,234
号も参照されたい)。
水酸化アルカリ金属の存在下、アリールスルホン酸エス
テルを使用する別のインドール−N−アルキル化法は、
マーゾニ(Marzoni)の米国特許出願第782,339号に、よ
り詳しく記載されている。この方法によれば、例えば
式:R−O−SO2−フェニル−Y(式中、YはH、4−C
H3、4−Brまたは4−NO2である)で示される構造のア
リールスルホン酸エステルと9,10−ジヒドロリセルグ酸
を好ましくはDMSOの様な非プロトン性溶媒中、水酸化ナ
トリウムまたは水酸化カリウムの存在下で反応させて、
所望の1−N−アルキル化生成物を得ることができる。
適当にインドール窒素が置換されたら、合成法における
次の工程はエステル化である。この方法は、米国特許第
3,580,916号に記載されている様な比較的穏やかな反応
条件を必要とする。また、この反応は、その他の点では
標準的な酸触媒によるエステル化である。上で得た遊離
酸と式:R2OHで示される化合物が反応体であり、エステ
ル化混合物の好ましい処理は水と水非混和性溶媒(例え
ば、二塩化エチレン/H2O)への分配である。
本発明の好ましい方法は、遊離の9,10−ジヒドロリセル
グ酸と式:R2−O−SO2−Z(式中、ZはC1−C3アルキ
ル、フェニルまたは置換フェニルであり、該置換分は低
級アルキル(CH3、C2H5)、ニトロ、ハロゲン(Br、C
l)、アルコキシ(CH3O)等であってよい)で示される
スルホン酸エステルを、過剰量の炭酸カリウム等の塩基
の存在下、非プロトン性溶媒中で反応させる新しい合成
工程を使用することである。トルエンスルホン酸エステ
ルが好ましい。塩基の量は、リセルグ酸のカルボキシル
基と塩を形成するのに十分な量に、スルホン酸副生成物
を捕捉するのに十分過剰な量を加えたものでなければな
らない。この方法は、アルコキシシクロアルキルエステ
ル、シクロアルキルおよびケトシクロアルキルエステ
ル、アルコキシアルキルエステルの製造に使用すること
ができ、実際、通常、C5−C7シクロアルカノールの炭素
環式酸エステルの製造に使用することができる。この様
なエステル類の製造に使用されてきた今までの方法は収
率が低く、ある場合にはエステル化が見られなかった:
ショウ等(Shaw etal.)、ジャーナル・オブ・オーガニ
ック・ケミストリー(J.Org.Chem.)43、1017(197
8)、39、1968(1974);ソウィンスキー等(Sowinski
et al.)、前掲、44、2369(1979)、ペッファー等(Pf
effer et al)、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedr
on Letters)、4063(1972)またはリオッタ等(Liotta
et al.)、前掲、2417(1974)参照。R2がC3−C6ケト
アルキルである式(III)の化合物の別の製造方法は、
N−アルキル化ジヒドロリセルグ酸と、式:R5OH(R5
C3−C6ヒドロキシアルキル基 式中、R9は前記の定義に従い、R12は第2水酸基を含むC
2−C5アルキル基である)である)で示されるアルコー
ルとの酸触媒エステル化である。エステル化生成物の好
ましい処理は、上記と同様に水と水非混和性溶媒への分
配である。
次いで、エステルの第2アルコール基をケトンに酸化
し、R1がメチルである本発明のケトアルキルエステル
(9,10−ジヒドロリセルグ酸のエステル)を得る。アル
カンジオール(R5OH)が対称でない場合、得られるエス
テルは混合物となり得、即ち、ジオールが1−エチル−
2−ヒドロキシプロパノールである場合、1−エチル−
2−ヒドロキシプロピルエステルと1−メチル−2−ヒ
ドロキシブチルエステルの混合物が得られるということ
に注目すべきである。これらのエステルを機械的に分離
するか、または混合物を酸化してケトエステルを分離す
ることができる。しかしながら、この様な異性体エステ
ル2個の間の薬理活性の差は大きくない(1のオーダー
以下である)と予想されるので、混合物をそのまま使用
することができる。しかしながら、ブタン−2,3−ジオ
ールの様な対称なジオールの使用は、この異性体の問題
を回避するものであるから好ましいということは明白で
あろう。しかしながら、ジオールが第1アルコールを含
む場合、例えば第2アルコールは通常、標準的酸触媒エ
ステル化において第1アルコールより反応がずっと遅い
ので、第1アルコール基の反応に有利な反応条件を使用
することができる。
最終工程のための適切な酸化剤は、酢酸無水物/DMSO、
ジシクロヘキシルカルボジイミド、第2クロム酸塩、Ca
(OCl)2およびNaOClの様な陽性ハロゲン剤等を包含す
る。
所望の最終生成物が9,10−ジヒドロリセルグ酸エステル
ではなく(即ち、1−R−6−メチルエルゴリン−8β
−カルボン酸エステルではない)、6−エチル、6−n
−プロピル、6−n−ブチル、6−アリル等の誘導体で
ある場合、最終のエステル化の前に6−メチル基の置換
を行なうことができる。この方法では1−R−9,10−ジ
ヒドロリセルグ酸の低級アルキル(メチルまたはエチ
ル)エステルを使用するのが都合よい。次いで、N−メ
チル基を臭化シアンと反応させてN−シアノ誘導体を生
成させるコーンフェルド(Kornfeld)およびバッハ(Ba
ch)の米国特許第4,166,182号の方法に従い、6−メチ
ル基をエチル、n−プロピル、アリル、n−アミル、n
−ブチル、n−ヘキシル等で置換することができる。シ
アノ基は亜鉛粉および塩酸を使用して接触水素添加する
ことによって除去することができる。また、塩基性加水
分解を使用することもできる。この加水分解は8β−低
級アルキルエステル基もケン化するので、どちらの方法
も6位の第2アミン基だけではなく、遊離8β−カルボ
ン酸も与える。次に、所望のR2OHアルカノールで再びエ
ステル化し、次いで、塩基の存在下、好ましくはDMF
(ジメチルホルムアミド)中、塩化アリルまたはヨウ化
アルキルを使用してN−6のアルキル化またはアリル化
を行なうことができる。
この方法を以下の反応式1に図示する。
より詳しくは、上の反応式1において、反応性アニオン
を生成するナトリウムアミドの様な強塩基を使用し、ア
ルキル(C1−C8アルキル)ハライド、C2−C4アルケニル
−CH2ハライド、C3−C6シクロアルキルハライドまたはC
3−C6シクロアルキル−C1−C5アルキルハライドで9,10
−ジヒドロリセルグ酸(X)のインドール窒素をアルキ
ル化するか、または好ましくは水酸化カリウムの存在
下、DMSO中でp−トルエンスルホン酸エステルの様なア
リールスルホン酸エステルを使用してアルキル化する。
次いで、このN1生成物(XI)を低級アルカノール:R4OH
(好ましくはC1−C2アルカノール)でエステル化し、1
−Rエステル(XII)を得る。次にこの中間体を常法に
従いCNBrと反応させてメチル基と置換し、6−シアノ誘
導体(XIII)とする。適当な塩基性条件下でシアノ基を
除去すると、1−置換−9,10−ジヒドロ−6−デスメチ
ルリセルグ酸(XIV)が得られる。なぜなら、塩基性条
件はC−8エステル基もケン化するからである。次に、
この1−R−6−デスメチルジヒドロリセルグ酸を式:
R2OHで示される化合物またはそのトルエンスルホン酸エ
ステルで再エステル化し、N6−デスメチルエステル(X
V)を得る。次いで、ピペリジン環室素(N6)を標準的
条件において塩基の存在下、C1−C4アルキルまたはアリ
ルハライドで再びアルキル化して、本発明の化合物(II
I)を得る。
出発物質である9,10−ジヒドロリセルグ酸にN6メチル基
が存在しているので、N6をメチル基で再アルキル化する
ことは余分であるように思えるかもしれない。しかしな
がらこの方法は、代謝の研究に好適な放射標識された
(C14またはH3)メチル基を挿入することを可能にす
る。
R2がC3−C6ケトアルキルである式(III)の化合物の別
の製造方法を以下の反応式2に、より詳細に示す:式
中、R4はC1−C2アルキルであり、R1およびRは前記の定
義に従い、R5は水酸基が第2水酸基であるヒドロキシC3
−C6アルキルである。
反応式2では、反応性アニオンを生成するナトリウムア
ミドの様な強塩基を使用し、「hal」がI、ClまたはBr
の様なハライドであるR−halで9,10−ジヒドロリセル
グ酸(X)のインドール窒素をアルキル化する。また、
R−O−SO2−フェニル−Yで示されるアリールスルホ
ン酸エステルとインドール窒素を水酸化アルカリ金属の
存在下、非プロトン性溶媒中で反応させてもよい。次い
で、このN−アルキルまたはアリル化生成物(XI)を低
級アルカノール:R4OH(好ましくはC1−C2アルカノー
ル)でエステル化して、N−1アルキル化エステル(XI
V)を得る。次にこの化合物を常法に従いCNBrと反応さ
せてN−6メチル基と置換し、N−シアノ誘導体(XV)
を得る。塩基性条件ではC−8エステル基もケン化する
ので、適切な塩基性条件下でシアノ基を除去し、1−R
−9,10−ジヒドロ−6−デスメチルリセルグ酸(XVI)
を得る。次にこの1−R−6−デスメチルジヒドロリセ
ルグ酸(即ち、1−R−8β−カルボキシエルゴリン)
を所望のアルカンジオール(R5OH)で再エステル化し、
N−6−デスメチルエステル(XVII)を得る。側鎖にお
ける第2水酸基をケトン基に酸化し、エルゴリンケトア
ルキルエステル(XVIII)を得る。次に、ピペリジン環
窒素(N−6)を標準的条件下、C1−C4アルキルまたは
アリルハライド、および塩基で再アルキル化し、R2がC3
−C6ケトアルキルである式(III)の化合物を得る。
この方法は、エステル化剤であるアルコール:R5OHが対
称である時、特に有用である。1−アルキルまたはアリ
ル−9,10−ジヒドロリセルグ酸および関連するN−6同
族体のケトアルキルエステルの製造に有用な別法があ
り、この場合は直接、ケトアルコールを使用して式(II
I)で示される化合物を製造する。また、「保護」C3−C
6ケトアルコールを使用してエステルを生成すること、
即ち、エチレングリコールで2−ケトプロパノールのケ
タールを生成することができる。次いで、この第1水酸
基をクロロ(SOCl2を使用)で置換し、このケタールク
ロリドを1−R−9,10−ジヒドロリセルグ酸のナトリウ
ム塩と反応させる。酸で処理してケタール保護基を除去
する。エステル化の間にケタール基が脱落するので、ケ
タールアルカノールについて通常の酸触媒エステル化を
使用することはできず、当分野で利用できる別の方法を
使用しなければならない。また、ケトアルカノールにつ
いて酸触媒反応を避けることが望ましいなら、カルボキ
シ活性化基を使用し、非酸性条件下、即ち、酸クロリド
または酸ブロミドを塩基と一緒に用いてエステルを生成
させることができる。カルボジイミドおよびアゾリドN,
N′−カルボニルイミダゾールの様なカルボキシ活性化
試薬を使用することもできる。
反応式2のエステル化法において、ケタールを生成させ
るなどしてケトン基を保護したケトアルコールを使用
し、式(XVII)で示される化合物に類似のN−6置換分
を有していないエルゴリンエステルを製造することもで
きる。次いで、N−6をアルキル化またはアリル化し
て、式(XIX): [式中、R6はC3−C6保護ケトアルキル: (式中、R9は前記の意義を有し、R11は保護ケト基を含
んでいるC2−C5アルキル、例えば−CH2−C(OC1−C2
ルキル)2−CH3または である)である] で示される、保護ケト基を有するエステルを含有してい
る別の中間体を得る。
次に化合物(XIX)を酸で処理して保護基を除去し、1
−置換−9,10−ジヒドロリセルグ酸、即ち1−置換−6
−アルキル(またはアリル)エルゴリン−8β−カルボ
ン酸のケトアルキルエステルを得る。
第2アルコールをケトンに酸化する前の最終中間体とし
ての1−置換−9,10−ジヒドロリセルグ酸(またはN−
6類似体またはその協同作用物)をエステル化するのに
使用されるC3−C6アルカンジオール(R5OH)は、少なく
とも1個の、不整中心である第2アルコールを担持して
いる炭素を有する。ジオールは、他の水酸基が2級であ
る場合、第2の不整炭素も有する。エステル化する水酸
基が1級である場合、出発物質であるアルコールにおけ
る不整中心が酸化工程によって除かれるので、最終ケト
アルキルエステルは不整中心を有さない。しかしなが
ら、エステル化する水酸基が2級であるなら、最終生成
物はC−6、C−8、C−10およびカルボキシル酸素に
結合している側鎖不整炭素である4つの不整炭素を有す
る。9,10−ジヒドロリセルグ酸、即ちエルゴリン−8β
−カルボン酸の不整炭素は全てRであり、ケトアルキル
基における側鎖炭素はSまたはRであり得る。従って、
親アルコールは4つの異性体、即ち、RR、RS、SRおよび
SSを有する。ブタン−2,3−ジオールにおける様にジオ
ールが対称である場合、対称面が存在し、3つの異性
体、即ちRR、SSおよびRS(SRと同じ)のみが存在する。
しかしながら、エステル化により対称面が除かれるの
で、酸化後に2つのケトエステル(RRR−SおよびRRR−
R)のみが得られるRRR−RR、RRR−SR、RRR−RSおよびR
RR−SSで表わされる更に2つのジアステレオマー(非対
称ジオールと同様)が存在する。
最後に、当業者には、対応する9−10不飽和リセルグ酸
誘導体についてもこの方法を行ない得ることが理解され
るであろう。この場合、通常のPb/C触媒接触水素添加の
最終工程によって本発明の化合物が得られる。
本発明は、式(III)で示される化合物の製造方法であ
って、 A)式(V): [式中、RおよびR1は前記の定義に従う] で示される化合物の8−カルボン酸基をエステル化する
か、または B)式(VI): [式中、R5は前記の定義に従う] で示される化合物を酸化するか、または C)式(III): [式中、RおよびR1の一方のみが水素であり、R2は前記
の定義に従う] で示される化合物をアルキル化するか、または D)式(VIII): で示される化合物を接触水素添加することからなる方法
を提供するものである。
以下に実施例を挙げて、本発明の方法および化合物を説
明する。
実施例1 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸トランス−4−メトキシシクロヘキシルエステルの製
造 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸1g、炭酸
カリウム1.77gおよびDMF15mlから調製した反応混合物を
約70℃に加熱した。トルエンスルホン酸シス−4−メト
キシシクロヘキシルエステル3.28gを加えた。18時間、7
0℃に維持した後にHPLC(逆相、3/1のアセトニトリル/
0.1M酢酸アンモニウム水溶液)した結果、反応は約87%
終了していることがわかった。次いえ、反応混合物を蒸
留水100mlと酢酸エチル100mlに分配した。TLC(クロロ
ホルム/メタノール/酢酸、18/6/1)は、水層の所望の
生成物がないことを示した。有機層を蒸留水50mlずつで
2回抽出し、乾燥した。溶媒を蒸発させて、1−イソプ
ロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸シスおよびトランス
−4−メトキシシクロヘキシルエステルの16:84混合物
1.37gを得た。この残留物をマレイン酸0.37gを含有して
いる無水エタノール15mlに溶解した。ジエチルエーテル
250mlを加えると、結晶性マレイン酸塩が生成し始め
た。この混合物を約0℃で一夜冷却し、濾過した。濾過
ケーキをエーテルで洗浄し、乾燥した。分析の結果、ト
ランスエステル91.4%およびシスエステル8.6%;重量
=0.86gであった。この残留物を無水エタノール35mlに
溶解し、エーテル400mlを加えた。この時の結晶性生成
物は、シス8.4%およびトランス93.6%;重量=0.74gで
あった。この残留物を酢酸エチル/トルエンから再結晶
し、シスエステル5.6%およびトランスエステル94.4%
を含有している残留物を得た。残留物を無水エタノール
27mlに溶解し、エーテル300mlを加えた。この様にして
得た結晶は0.48gであり、3.6%のシスエステルおよび9
6.4%のトランスエステルを含有していた。無水エタノ
ール21mlおよびエーテル250mlを使用して、再びこの方
法を行なった。1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセ
ルグ酸4−メトキシシクロヘキシルエステル・マレイン
酸塩0.38gを得、この塩は2%のシスエステルおよび98
%のトランスエステルを含有していた;mp=172−173
℃;分子イオン(遊離塩基)=424。
元素分析 計算値 66.65、 7.46、 5.18、 実測値 66.50、 7.56、 5.08。
実施例2 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸シス−4−メトキシシクロヘキシルエステルの製造 4−メトキシシクロヘキサノール(27.9g)と1−イソ
プロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸(6.24g)および
p−トルエンスルホン酸(3.8g)を室温で3日間反応さ
せた。次いで、約90℃で3時間加熱した。この時点での
HPLC分析は19%の未反応リセルグ酸、70%の4−メトキ
シシクロヘキシルエステルおよび4%のデスメチル化合
物(4−ヒドロキシシクロヘキシルエステル)を示し
た。この反応混合物を(CH2Cl)2に溶解し、この有機溶液
を希水酸化アンモニウム(pH10)で洗浄した。有機溶
媒を蒸発させて粗生成物を単離した。この生成物を過剰
量のマレイン酸で処理し、生成したマレイン酸塩をメタ
ノール/エーテルから結晶化した。結晶を沸騰メタノー
ルに溶解し、この熱溶液を脱色炭で処理し、濾過した。
濾液にエーテルを加えて、結晶性1−イソプロピル−9,
10−ジヒドロリセルグ酸シス−4−メトキシシクロヘキ
シルエステル・マレイン酸塩(90%純度)1.2gを得た。
2番晶2.26gは、HPLCにより86%純度であることがわか
った。合したフラクションをプレパラティブHPLC〔C−
18、50/50CH3CN/NH4OAc(1)〕で精製した。再びマレ
イン酸塩を生成させた。メタノール/エーテルから再結
晶して、99%純度のシス異性体1.27gを得た;分子イオ
ン=424。
元素分析 計算値 66.65、 7.46、 5.18、 実測値 66.38、 7.74、 5.37。
以下に出発物質の製造法を示す。
製造例1トルエンスルホン酸シス−4−メトキシシクロ
ヘキシルエステル 4−メトキシシクロヘキサノール65.45gをピリジン81ml
に溶解して溶液を調製した。溶液を約10℃に冷却した。
p−トルエンスルホニルクロリド105.4gを15分間で滴下
した。反応混合物を10−20℃の範囲で1時間、次いで25
−30℃で4時間攪拌し、この時点で12N塩酸100mlを含有
している氷/水混合物500mlに加えた。生成した沈殿を
濾過して分離し、濾過ケーキを水で洗浄した。湿った濾
過ケーキを無水エタノール300mlでスラリー化した。ス
ラリーをスチームバス上で温め、次いで、約0℃に冷却
した。冷却したスラリーを濾過し、濾過ケーキを冷無水
エタノールで洗浄した;収量=106.9g;HPLC(C−18;60
/40メタノール/H2O)により82.4%シスエステル。石油
エーテルから再結晶して、93.6%シスエステル81.62gを
得た。無水エタノールから2回目の再結晶を行ない、98
%トルエンスルホン酸シス4−メトキシシクロヘキシル
エステル72.04gを得た;融点85−7℃。
元素分析 計算値 59.13、 7.09、 11.28、 実測値 59.32、 7.20、 11.49。
製造例2シス−4−メトキシシクロヘキサノールの製造 ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Or
g.Chem.)、281923(1963)の方法に従い、AlCl313.35g
およびエーテル125mlをN2雰囲気下で攪拌した。この溶
液に1MのLiAlH4エーテル溶液25mlを注射器で加えた。次
いで、攪拌したこの混合物に4−メトキシシクロヘキサ
ノール13gのエーテル50ml溶液を30分間で加えた。混合
物を放置した。上清を除去した。残留固形物をエーテル
25、50および50mlで、3回洗浄した。固形沈殿を濾過
し、濾過ケーキをエーテルで十分、洗浄した。(濾過お
よび洗液はトランス−4−メトキシシクロヘキサノール
を含有していた。)乾燥した沈殿(19.17g)をエーテル
10mlにスラリー化した。10%硫酸100mlを徐々に加えた
(30分間)。AlCl2錯体の分解物から得られたシス異性
体はエーテル層に含まれており、この層を分離した。分
離した層を水100ml、飽和重炭酸ナトリウム水溶液50ml
および食塩水50mlで順次、洗浄した。このエーテル溶液
を乾燥し、エーテルを蒸発させて、シス−4−メトキシ
シクロヘキサノール1.7gを得た。水層から更に4gを得
た。
実施例3 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸2−メトキシエチルエステルの製造 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸2g、p−
トルエンスルホン酸2gおよびエチレングリコールモノメ
チルエーテル(2−メトキシエタノール)20mlから調製
した反応混合物を70−80℃で一夜、加熱した。TLC(SiO
2、CHCl3/MeOH/HOAc、18/6/1)は、反応が終了している
ことを示した。水50mlを加え、次いで、28%水酸化アン
モニウム水溶液を加えて、pH10にした。水層を酢酸エ
チル50mlずつで2回、抽出した。TLCにより所望の生成
物が水層に含まれていないことが判明したので、これを
捨てた。有機抽出物を乾燥し、溶媒を蒸発させた;この
様にして得られた1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリ
セルグ酸2−メトキシエチルエステルの遊離塩基の収量
=2.59g。
この塩基をマレイン酸0.86gのメタノール15ml溶液に溶
解して、遊離塩基をマレイン酸塩に変換した。エーテル
200mlを加えた。結晶が生成し始め、この結晶化混合物
を一夜、冷却した。濾過して結晶を分離した;マレイン
酸塩の収量=2.08g。この結晶性塩をメタノールに溶解
し、溶液を脱色し、エーテルを加えて結晶化を誘導し
た;収量=HPLCにより94.2%純度の結晶1.47g。次いで
結晶を熱トルエン150mlで処理し、トルエン溶液を濾過
した。冷後、濾液中で結晶が生成した;収量=HPLC分析
により96.3%純度の結晶1.32g。熱トルエンから2回目
の再結晶を行ない、HPLCにより96.5%純度の1−イソプ
ロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸2−メトキシエチル
エステル1.21gを得た。
元素分析 計算値 64.18、 7.04、 5.76、 実測値 64.00、 6.96、 5.62。
実施例4 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸3−メトキシプロピルエステルの製造 実施例3の方法に従い、3−メトキシプロパノールと1
−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸をp−トル
エンスルホン酸の存在下で反応させた。反応混合物を後
処理し、得られたエステルを実施例3の方法に従って単
離した;収量=2.46g.実施例3と同様にマレイン酸塩を
製造した。この溶液にエーテルを加えて、ゴム状物質と
結晶の混合物を得た。結晶を含んでいる上清を濾過し、
残留しているゴム状物質は結晶性物質を更に得ることが
できなくなった後、最後に捨てた。プレパラティブHPLC
(C−18、1/1アセトニトリル/0.1M酢酸アンモニウム水
溶液、150ml/分)によって、濾過ケーキを精製した。9
−16画分からのアセトリトリル層を合し、揮発性成分を
減圧留去した。得られた水層を(CH2Cl)2で抽出し、有機
抽出物を蒸発乾固して、遊離塩基1.09g(出発物質であ
る酸2.0gから、HPLCはマレイン酸塩を元の遊離塩基に変
換した)を得た。メタノール中で再びマレイン酸塩を製
造し、エーテルを加えて結晶化した。この様にして得ら
れた1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸3−
メトキシプロピルエステル・マレイン酸塩の収量は1.08
gであった;99.8%純度;分子イオン=384。
元素分析 計算値 64.78、 7.25、 5.60、 実測値 64.59、 7.00、 5.79。
実施例5 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸3−エトキシプロピルエステルの製造 実施例3の方法に従い、1−イソプロピル−9,10−ジヒ
ドロリセルグ酸2gをp−トルエンスルホン酸の存在下、
3−エトキシプロパノールでエステル化した。この様に
して得た遊離塩基を上の実施例の方法を使用してマレイ
ン酸塩に変換した。このマレイン酸塩溶液にエーテルを
加えて結晶を得、これを濾過により分離した;収量=1.
64g;90.3%純度。結晶をメタノールに溶解し、メタノー
ル溶液を脱色した。トルエンおよび酢酸エチルから再結
晶したが、純度は高まらなかった。実施例4に従い、プ
レパラティブHPLCを行なって遊離塩基0.81gを得、これ
を再びマレイン酸塩に変換した。エーテルを添加しても
結晶は得られなかった。溶媒を除去し、酢酸エチル/エ
ーテルからマレイン酸塩を再結晶した;1−イソプロピル
−9,10−ジヒドロリセルグ酸3−エトキシプロピルエス
テル・マレイン酸塩の収量=0.81g;97.1%純度;分子イ
オン=398。
元素分析 計算値 65.35、 7.44、 5.44、 実測値 65.35、 7.21、 5.28。
実施例6 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸2−メトキシ−1−メチルエチルエステルの製造 実施例3の方法に従い、1−イソプロピル−9,10−ジヒ
ドロリセルグ酸2.0gと過剰量の2−メトキシ−1−メチ
ルエタノールをp−トルエンスルホン酸の存在下で反応
させた。生成した遊離塩基を実施例3の方法に従って回
収し、次いで、メタノール中でマレイン酸塩に変換し
た。エーテルを添加してマレイン酸塩の結晶を生成させ
た。溶液を一夜冷却し、濾過した。マレイン酸塩1.50g
を回収した。有機層から回収したこの固形残留物は約80
%純度であり、これを実施例4および5に従ってプレパ
ラティブHPLCに付した。遊離塩基0.64gを回収し、前と
同様にマレイン酸塩に変換した。この様にして精製した
1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸3−メト
キシ−1−メチルエステル・マレイン酸塩0.66gを得
た;純度97.3%、分子イオン=384。
元素分析 計算値 64.78、 7.25、 5.60、 実測値 64.57、 7.25、 5.37。
実施例7 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸2−エトキシエチルエステルの製造 実施例3の方法に従い、1−イソプロピル−9,10−ジヒ
ドロリセルグ酸2.0gをp−トルエンスルホン酸の存在
下、過剰量の2−エトキシエタノールでエステル化し
た。得られた遊離塩基を実施例3の方法に従って単離
し、実施例3と同様にメタノール中でマレイン酸塩に変
換した。この塩のメタノール溶液にエーテルを徐々に加
えて結晶を生成した、これを濾過して分離した;重量=
2.2g.濾過ケーキをメタノールに溶解し、メタノール溶
液を脱色した。濾過した脱色溶液にエーテルを加え、9
7.8%純度の1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセル
グ酸2−エトキシエチルエステル・マレイン酸塩1.73g
を得た。酢酸エチル/エーテルから2回、結晶化してマ
レイン酸塩1.45gを得、これを実施例3に従ってプレパ
ラティブHPLCに付した。HPLCからのアセトニトリル溶液
を一部、蒸発させ、(CH2Cl)2で抽出した。抽出液を乾燥
し、溶媒を蒸発させた。この様にして得た残留物1.18g
を前と同様にマレイン酸塩に変換した;重量=1.12g;9
9.2%純度;分子イオン=384。
元素分析 計算値 64.78、 7.25、 5.60、 実測値 64.55、 6.96、 5.61。
実施例8 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸1−エトキシメチル−2−エトキシエチルエステルの
製造 実施例3の方法に従い、1−イソプロピル−9,10−ジヒ
ドロリセルグ酸2gと過剰量の1,3−ジエトキシ−2−プ
ロパノール(1−エトキシメチル−2−エトキシエタノ
ール)をp−トルエンスルホン酸の存在下で反応させ
た。反応混合物を加熱し、エステル化反応で生成し、実
施例3の方法に従って単離した1−イソプロピル−9,10
−ジヒドロリセルグ酸1−エトキシメチル−2−エトキ
シエチルエステルの遊離塩基を酢酸エチル中でマレイン
酸塩に変換した。エーテルを加えてゴム状物質を得、こ
れを一夜冷却すると結晶が見られた。この生成物を実施
例4に従い、プレパラティブHPLCによって更に精製し
た。この様にして得た遊離塩基(重量=0.9g)をメタノ
ール中でマレイン酸塩に変換した。エーテルを加えてマ
レイン酸塩の結晶を生成させ、濾過して集めた;重量=
0.92;HPLC分析により99.2%純度;MP=123−7℃;分子
イオン=442。
元素分析 計算値 64.50、 7.58、 5.01、 実測値 64.28、 7.75、 4.86。
実施例9R−1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸1−メチル−2−オキソプロピルエステルの製造 R.R−1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸−
1−メチル−2−ヒドロキシプロピルエステル・マレイ
ン酸塩2/3グラムを二塩化エチレン50mlと飽和重炭酸ナ
トリウム水溶液50mlに分配した。TLC(クロロホルム/
メタノール/酢酸、18/6/1)によって1スポットの物質
であることが判明した有機層を乾燥し、溶媒を減圧留去
した。結晶性残留物(0.38g)をDMSO(ジメチルスルホ
キシド)1mlおよび酢酸無水物7mlと混合した。反応混合
物を室温で一夜攪拌した。HPLCは出発物質が存在してい
ないことを示した。エタノール10mlを加え、混合物を更
に1時間攪拌した。この酸化混合物を二塩化エチレン75
mlと飽和重炭酸ナトリウム水溶液75mlに分配した。二塩
化エチレン層を分離し、乾燥した。C−18逆相シリカゲ
ル上プレパラティブHPLC(アセトニトリル/水/トリエ
チルアミン65/35/0.02;100ml/分;200mlフラクション)
を使用して残留物を精製した。この酸化で生成したR−
1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸1−メチ
ル−2−オキソプロピルエステルを含有しているフラク
ション9−20を合し、一部、蒸発させ、二塩化エチレン
200mlずつで2回抽出し、乾燥した。合した抽出物から
溶媒を蒸発させて、エステル0.38gを得た。この遊離塩
基0.38gを酢酸エチル10mlに溶解し、このエステルを対
応するマレイン酸塩に変換した。溶液にマレイン酸0.13
gを加えた。結晶性の塩が沈殿し始めた。エーテル100ml
を加え、結晶化混合物を(約0℃で)一夜、冷却した。
濾過して結晶を分離し、濾過ケーキをエーテルで洗浄
し、乾燥した。酢酸エチルから再結晶して、R−1−イ
ソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸1−メチル−2
−オキソプロピルエステル・マレイン酸塩150mgを得
た。
元素分析 計算値 65.04、 6.87、 5.62、 実測値 64.83、 7.10、 5.43。
この方法をS,S−1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリ
セルグ酸1−メチル−2−ヒドロキシプロピルエステル
について行なった。このアルコールのマレイン酸塩0.54
gを遊離塩基に変換し、遊離塩基を酢酸無水物−DMSO試
薬で酸化して、S−1−イソプロピル−9,10−ジヒドロ
リセルグ酸1−メチル−2−オキソプロピルエステル0.
36gを得、この遊離塩基を上の実施例の方法に従ってマ
レイン酸塩に変換した;マレイン酸塩の収量=170mg;マ
ススペクトルによる(遊離塩基の)分子イオン=382。
元素分析 計算値 65.04、 6.87、 5.62、 実測値 64.80、 7.11、 5.32。
HPLCの結果、生成物は88.1%のS異性体および6.7%の
R異性体を含有していることが判明した。
上の実施例に記載の本発明の化合物の製造に有用な出発
物質は、以下の様にして合成する。
製造例3 2R,3R1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセ
ルグ酸1−メチル−2−ヒドロキシプロピルエステル 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸4g、p−
トルエンスルホン酸・一水和物4.05gおよび2R,3R−
(−)−ブタンジオール(市販品として入手可能)40g
から調製した反応混合物を約60℃で約18時間加熱した。
この時点で全ての固形物を溶解してTLC(CHCl3/MeOH/酢
酸、9/3/0.5)を行なった結果、出発物質が存在してい
ないことがわかった。反応混合物を冷却し、精製水160m
lを加えた。この溶液のpHを28%水酸化アンモニウム水
溶液で約80に調節した。このアルカリ性混合物を攪拌
し、次いで濾過した。濾過ケーキを水で洗浄した。この
反応で生成した2R,3R1−イソプロピル−9,10−ジヒドロ
リセルグ酸1−メチル−2−ヒドロキシプロピルエステ
ルを含有している濾過ケーキは3.96g(80.5%粗収率)
であった;MP=193−200℃;分子イオン=384。
元素分析 計算値 71.84、 8.39、 7.29、 実測値 71.58、 8.50、 7.02。
少モル過剰量のマレイン酸を使用し、メタノール92ml中
でマレイン酸塩を製造した。この冷却した溶液に、沈殿
が生成し始めるまでエーテル(540ml)を加えた。沈殿
したマレイン酸塩の結晶を濾過して集めた。濾過ケーキ
を乾燥した;重量=3.54g;MP=182−183.5℃: ▲〔α〕25 d▼=−58.5° 元素分析 計算値 64.78、 7.25、 5.60、 実測値 64.68、 7.33、 5.76。
濾液から更にマレイン酸塩1.03gを回収した。
製造例4 2S,3S1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセ
ルグ酸1−メチル−2−ヒドロキシプロピルエステルの
製造 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸1.00g、
p−トルエンスルホン酸1.0g、2S,3S−O−イソプロピ
リデンL−ブタンジオール〔プラトナー(Platner)お
よびラパポート(Rapaport)、J.A.C.S.931756(197
1)の方法に従って製造したもの〕0.5g、水0.16gおよび
アセトニトリル15mlから反応混合物を調製した。反応混
合物を還流温度で約48時間、加熱した。反応混合物を冷
却し、沈殿した固形物を濾過して分離した。濾過ケーキ
を捨てた。濾液を蒸発乾固し、残留物を(CH2Cl)250mlと
水50mlに分配した。28%水酸化アンモニウム水溶液で水
層のpHを約9.0に調節した。2層を十分混合した。層を
分離した。有機層を乳化し、食塩水50mlで洗浄した。有
機層を乾燥し、溶媒を蒸発させた。残留物(0.9g)をC
−18カラムHPLC(溶離剤=CH3CN/H2O65/35に微量のEt3
Nを加えたもの)によって精製した。
この様にして精製した2S,3S1−イソプロピル−9,10−ジ
ヒドロリセルグ酸1−メチル−2−ヒドロキシプロピル
エステルを前の方法に従ってマレイン酸に変換した。塩
基1.3gにマレイン酸0.43gを加え、塩1.2gを得た;MP=19
4−195.5℃(分解);塩基の分子イオン=384;▲〔α〕
25 d▼=−43.37°。
元素分析 計算値 64.78、 7.25、 5.60、 実測値 64.67、 7.16、 5.42。
実施例10 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸シクロヘキシルエステル(1−イソプロピル−6−メ
チル−8β−シクロヘキシルオキシカルボニルエルゴリ
ン)の製造 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸〔ガーブ
レッチ(Garbrecht)およびリン(Lin)、米国特許第3,
183,234号から〕12.5g、シクロヘキサノール50mlおよび
p−トルエンスルホン酸7.6gから調製した反応混合物を
約90℃で24時間、加熱した。反応混合物を冷却し、この
冷混合物を(CH2Cl)2と希水酸化アンモニウム水溶液(pH
=10)に分配した。有機層を分離し、分離した層を洗浄
し、乾燥した。溶媒を減圧留去し、この反応で生成した
1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸シクロヘ
キシルエステルを含有する残留物を得た。この遊離塩基
をメタノールに溶解し、モル当量のマレイン酸を加え
た。エーテルを加えて結晶性マレイン酸塩を得、この塩
を濾過により分離した。メタノール/エーテル溶媒混液
から2回、再結晶し、1−イソプロピル−9,10−ジヒド
ロリセルグ酸シクロヘキシルエステル・マレイン酸塩を
得た;融点203−5℃;▲〔α〕25 D▼=−51.7°(1%
メタノール);収量=7.1g(2回分);マススペクト
ル、m/e=394(遊離塩基)。
元素分析 計算値 68.21、 7.50、 5.49、 実測値 67.96、 7.71、 5.29。
実施例11 1−イソプロピル−6−エチル−8β−シク
ロヘキシルオキシカルボニルエルゴリンの製造 実施例10の方法に従い、1−イソプロピルエルゴリン−
8β−カルボン酸1.5gをp−トルエンスルホン酸1.5gの
存在下、シクロヘキサノール15gでエステル化し、1−
イソプロピル−8β−(シクロヘキシルオキシカルボニ
ル)エルゴリンを得た。生成物である油状物1.91gを6:1
エーテル/酢酸エチル溶媒混液中でマレイン酸塩に変換
した。溶媒を蒸発させて塩を単離し、次いでエーテル/
メタノールから再結晶した;1−イソプロピル−8β−
(シクロヘキシルオキシカルボニル)エルゴリンシクロ
ヘキシルエステル・マレイン酸塩(HPLCにより96.77%
純度)の収量=0.93g;分子イオン=380;▲〔α〕D 25
=−40.64°。
元素分析 計算値 67.72、 7.31、 5.64、 実測値 67.95、 7.54、 5.36。
1−イソプロピル−8β−シクロヘキシルオキシカルボ
ニルエルゴリン・マレイン酸塩2gを(CH2Cl)2100mlと飽
和重炭酸ナトリウム水溶液100mlに分配することによっ
て遊離塩基に変換した。この遊離塩基は有機層に移っ
た。有機層を分離し、溶媒を蒸発させた。得られた残留
物をDMF15mlに溶解し、この溶液に炭酸カリウム0.67gお
よびヨウ化エチル0.75gを加えた。この反応混合物を周
囲温度で約3日間、攪拌し、この時点でHPLCした結果、
出発物質は存在していないことがわかった。反応混合物
を酢酸エチル50mlと水50mlに分配した。有機層を分離
し、分離した層を水50mlずつで2回、抽出した。有機層
を乾燥し、溶媒を留去した。この反応で生成した1−イ
ソプロピル−6−エチル−8β−シクロヘキシルオキシ
カルボニルエルゴリンシクロヘキシルエステルを含有し
ている得られた残留物(重量=1.67g)を酢酸エチル溶
液中、気体HClで対応する塩酸塩に変換した。2回分の
結晶性塩を濾過により回収した;収量=1.42g;HPLCに純
度>99.2%。結晶性フラクションをTHF/エーテル溶媒混
液中でスラリー化し、スラリーを濾過した。この様にし
て得た1−イソプロピル−6−エチル−8β−シクロヘ
キシルオキシカルボニルエルゴリン・塩酸塩は、220℃
以上で融解した;収量=1.33g;分子イオン=408。
元素分析(乾燥塊) 計算値 70.17、 8.38、 6.29、 実測値 70.02、 8.50、 6.47。
この反応順序に従って得られた1−イソプロピル−8β
−シクロヘキシルオキシカルボニルエルゴリンシクロヘ
キシルエステルのその他の6−アルキル誘導体には、 1−イソプロピル−6−n−プロピル−8β−シクロヘ
キシルオキシエルゴリン・塩酸塩;収量=1.14g(出発
物質2.0gから);mp>220℃;純度>98.6%;分子イオン
=422; 元素分析(乾燥塊) 計算値 70.64、 8.56、 6.10、 実測値 70.41、 8.51、 6.36。
1−イソプロピル−6−n−ブチル−8β−シクロヘキ
シルオキシカルボニルエルゴリン・塩酸塩;収量=1.45
g(純度>99.1%);mp>220℃;分子イオン=436; 元素分析(乾燥塊) 計算値 71.09、 8.74、 5.92、 実測値 70.85、 8.62、 5.66、 がある。
実施例12 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸4−オキソシクロヘキシルエステルの製造 実施例10の方法に従い、トリエチルアミン4mlおよびCH2
Cl210ml中、メチル 2−クロロピリジニウムクロリド
3.83gの存在下、1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリ
セルグ酸3.12g4−オキソシクロヘキサノール1.2gでエス
テル化した。反応混合物を3時間還流し、室温で一夜攪
拌した。水および(CH2Cl)2を加えた。有機層を分離して
溶媒を蒸発させると、この反応で生成した1−イソプロ
ピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸4−オキソシクロヘキ
シルエステル遊離塩基を含有している茶色の油状物が残
留した。この遊離塩基を実施例11に従ってマレイン酸塩
に変換した。アセトン/エーテル、次いでメタノール/
エーテルから塩を再結晶し、結晶性物質である塩0.05g
を得た;95.5%純度の遊離塩基0.03gも回収した;分子イ
オン=408。
この反応に有用な出発物質は以下の様にして製造する。
製造例5 4−ヒドロキシシクロヘキサノンの製造 4−メトキシシクロヘキサン−3−エン−1−オール4g
をCHCl350mlに溶解した。p−トルエンスルホン酸約0.0
1gを加え、この反応混合物を室温で約1時間攪拌した。
反応混合物を水50mlで洗浄した。CHCl3層を分離し、乾
燥し、揮発性成分を減圧留去した。反応の生成物である
4−オキソシクロヘキサノールをこれ以上精製せずに使
用した。
製造例6 1−イソプロピルエルゴリン−8β−カルボ
ン酸の製造 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸(米国特
許第3,103,234号、3欄の方法に従って調製したもの)5
0gとメタノール500mlの混合物に18M硫酸11.6mlを加えて
反応混合物を調製した。エステル化混合物を室温で一夜
攪拌した。TLC(18/6/1CHCl3/MeOH/酢酸)の結果、エス
テル化は終了していることがわかった。約1/3量のMeOH
を留去した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液600mlを加え
た(pH=8−9)。このアルカリ性混合物を濾過し、濾
過ケーキを乾燥した;1−イソプロピル−9,10−ジヒドロ
リセルグ酸メチルエステルの収量は40.1gであった(LC
により98%純度)。
1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸メチルエ
ステル39.9g、CNBr14.8gおよびCH2Cl2400mlから反応混
合物を調製した。反応混合物を室温で一夜攪拌し、この
時点でTLC(上と同じ溶媒系)を行なった結果、出発物
質は存在していないことがわかった。揮発性成分を蒸発
させて、この反応で生成した1−イソプロピル−6−シ
アノエルゴリン−8β−カルボン酸メチルエステルを含
有している固形残留物(重量=46.7g)を得た。残留物
を還流MeOH460mlに溶解し、この熱溶液を濾過した。濾
液中で結晶が生成し、これを一夜冷却した。結晶を濾過
し、濾過ケーキをMeOHで洗浄した。この様にして得られ
た1−イソプロピル−6−シアノエルゴリンメチルエス
テルは、1スポットの物質であった;収量=35.3g。NMR
によって構造を確認した。
1−イソプロピル−6−シアノエルゴリン−8β−カル
ボン酸メチルエステル25g、NaOHペレット8.89gおよびエ
チレングリコール250mlを合して、反応混合物を調製し
た。反応混合物を130−40℃の範囲で約3時間加熱し
た。水750mlを加えた。得られた溶液のpHを氷酢酸(30m
ls)で約5に調節した。結晶が生成し始め、溶液を一夜
冷却した。結晶を濾過して分離し、濾過ケーキを水で洗
浄した;収量(乾燥後)=1−イソプロピルエルゴリン
−8β−カルボン酸(HPLCにより97.3%純度)19.6g。
実施例13 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸4−ヒドロキシシクロヘキシルエステルの製造 1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸9.36g、
シクロヘキサン−1,4−ジオール20gおよびp−トルエン
スルホン酸5.7gから反応混合物を調製した。反応混合物
を約90℃で一夜加熱し、次いで冷却した。反応混合物を
二塩化エチレン400mlと水250mlに分配し、濃水酸化アン
モニウムでpHを約11に調節した。有機層を10%塩酸200m
l、次いで水200mlで洗浄した。有機層を分離し、減圧下
で蒸発乾固し、この反応および処理で生成した1−イソ
プロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸4−ヒドロキシシ
クロヘキシルエステル・塩酸塩を残留物として得た。塩
酸塩が結晶化し、この結晶性塩を濾過して分離した;収
量=約2.3g(17%);nmrにより、シスおよびトランス異
性体の混合物であることが判明した;遊離塩基の分子イ
オン=410。
この方法に従い、1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリ
セルグ酸3.12g、精製トランス−シクロヘキサン−1,4−
ジオール4.64gおよびp−トルエンスルホン酸1.9gを一
緒に110℃で一夜加熱した。反応混合物を冷却し、冷却
した混合物をpH=約10で二塩化エチレンと水に分配し
た。有機層を分離し、分離した層を10%塩酸250mlで洗
浄した。濾過して塩酸塩を回収したが、メタノール/エ
ーテル溶媒混液から、かろうじて結晶化した。この有機
濾液を濃縮し、残留物を二塩化エチレンに溶解した。塩
酸塩のフラクションを水性溶液に合し、これを希水酸化
アンモニウムと接触させて、塩酸塩を遊離塩基に変換し
た。遊離塩基を(CH2Cl)2に抽出し、精製した。次いで、
遊離塩基を1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ
酸トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシルエステルの
マレイン酸塩に変換し、エタノール/エーテル溶媒混液
から再結晶した;分子イオン=410;収量=0.43g。
元素分析 計算値 66.14、 7.27、 5.23、 実測値 65.98、 7.06、 5.17。
この方法に従い、1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリ
セルグ酸3.12gとシス−シクロヘキサン−1,4−ジオール
5.5gをp−トルエンスルホン酸1.9gの存在下、約90℃で
18時間加熱することによって反応させた。反応混合物を
上と同様に処理し、溶媒を蒸発させて乾固し、1−イソ
プロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸シス−(±)−4
−ヒドロキシシクロヘキシルエステルの遊離塩基を得
た。遊離塩基をマレイン酸塩に変換し、マレイン酸塩を
メタノールとエーテルの混液から結晶化し、黄褐色の固
形物を得た。更に2回の再結晶、次いで脱色炭による脱
色を行ない、1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセル
グ酸シス−4−ヒドロキシシクロヘキシルエステル・マ
レイン酸塩1.3gを得た;収量=1.3g;分子イオン=410。
中間体であるシスおよびトランス−シクロヘキサン−1,
4−ジオールは以下の様にして製造した。
製造例7 シクロヘキサン−1,4−ジオール(シスおよびトランス
異性体の50/50混合物であると推測される)23.2gおよび
n−ブチルボロン酸20.4gを含有する反応混合物をトル
エン300ml中で調製した。ディーン−スターク(Dean−S
tark)トラップを使用し、反応混合物を還流温度で一夜
加熱した。反応混合物を減圧濃縮し、ボロン酸エステル
であるシス異性体と未反応のトランス異性体の混合物を
得た。2つのシクロヘキサン−1,4−ジオールの内、シ
ス配置のみがn−ブチルボロン酸とのジエステルを生成
するであろう。トランス異性体は5員環を形成するには
生成するジエステルが曲折しすぎているので、反応しな
いであろう。このn−ブチルボロン酸エステルは0.1tor
r、65−74℃で留出した。残留物にエチレングリコール1
0mlを加え、約80℃で1時間加熱し、シス−シクロヘキ
サン−1,4−ジオールからボロン酸エステル基を置換し
た。3−8torr、35−80℃で蒸留してn−ブチルボロン
酸エチレングリコールエステルを除去した。シス−シク
ロヘキサン−1,4−ジオールを含有する残留物を酢酸エ
チルから再結晶した。収量=1.44g。
360MHznmrによって構造を確認した。
ボロンエステルシス異性体の蒸留後に残留している残留
物にエチレングリコール10mlを加え、トランス異性体を
製造した。混合物を1時間放置し、この時点で約35℃、
3torrで蒸留してエチレングリコールのボロンエステル
を除去した。トランス−シクロヘキサン−1,4−ジオー
ルからなる熱残留物を酢酸エチルから再結晶した;収量
=5.2g。再び360MHznmrによってトランス構造を確認し
た。
本発明はまた、5HT2受容体を遮断する新規な方法を提供
するものである。この方法は、循環血中のセロトニンが
過剰であることが主要な原因である疾病の治療に有用と
なり得る。これらの疾病には、高血圧症、神経性食欲不
良、抑うつ症、躁病、カルシノイド(類癌腫)症候群、
片頭痛、血管痙縮がある。式(III)で示される化合物
は、その他の受容体であるα1、α2、β、ヒスタミン、
カルバコール等に対して比較的弱い親和力を示し、従っ
て、その作用において非常に選択的である。本発明はま
た、本発明の化合物が活性成分である製剤を提供するも
のである。
式(III)で示される化合物が5HT2受容体に対して非常
に高い親和力を有することを証明するために、以下のプ
ロトコールに従い、5HT2受容体に対する親和力の指標と
して負の対数で表わされる見かけの解離定数(KB)を求
めた。
雄性ウィスター系ラット(150−300g体重)を殺し、そ
の外頚静脈および胸部大動脈を結合している組織から切
り離し、そのままで挿管し、適切な組織浴中の改良クレ
ブス重炭酸衝撃液に入れた。2本のL形30ゲージステン
レス鋼製皮下注射針を各カニューレに挿入し、切開した
血管を穏やかに注射針に押しつけた。1本の針を固定し
たガラス棒に、他方をトランスデューサーに糸で結びつ
けた。[使用した方法は、フッカー(Hooker)、カルキ
ンス(Calkins)およびフリーシュ(Fleisch)によっ
て、ブラッド・ベッセル(Blood Vessels)、14、1、
(1977)に環状平滑筋標本に関する使用のために記載さ
れている方法である。] 改良クレブス重炭酸緩衝液は、以下の組成を有していた
(ミリモル濃度):塩化ナトリウム118.2;塩化カリウム
4.6;塩化カルシウム・2水和物1.6;リン酸二水素カルウ
ム1.2;硫酸マグネシウム1.2;デキストロース10.0;重炭
酸ナトリウム24.8;に適量の水を加えて1000gとする。組
織浴を37℃に維持し、95%酸素−5%CO2を通気した。
頚静脈および大動脈に各々、1および4gの初期最適安静
力をかけた。スタッタム(Statham)UC−3変換器およ
び微量用付属装置を備えたベックマン・ダイノグラフ
(Beckman Dynograph)を使用し、等尺性攣縮を力の変
化(g)で記録した。薬物にさらす1〜2時間前に組織
を平衡化させた。頚静脈におけるセロトニンに対する対
照応答および大動脈におけるノルエピネフリンに対する
対照応答を得た。次いで、これらの血管を適当な濃度の
アンタゴニストと共に1時間、インキュベートした。次
に、アンタゴニストの存在下におけるセロトニンに対す
る、またはノルエピネフリンに対する応答を再び求め
た。頚静脈はアルファ受容体の非存在下でセロトニンに
対して著しい応答を呈示するので、この組織を用いてセ
ロトニンに対する攣縮を評価した。コーエン(Cohen)
およびウィリー(Wiley)のジャーナル・オブ・ファー
マコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピュー
ティクス(J.Pharm.Exp.Ther.)、205、400(1978)参
照。アルファ受容体のアンタゴニスト活性は、大動脈
(α1)またはモルモット回腸(α2)において評価し
た。
それぞれのアンタゴニスト濃度に対する見かけのアンタ
ゴニスト解離定数を以下の式に従って求めた: [式中、[B]はアンタゴニストの濃度であり、用量比
はアンタゴニスト存在下のアゴニストのED50値を対照ED
50値で割った値である]。
次にこれらの結果をKBの負の対数で表わす。本発明の化
合物について得られた−logKB値を以下の表1に示す。
R2が4−ヒドロキシシクロヘキシルである式(III)の
化合物にはアルファ遮断活性がないことを、以下の試験
によって証明した。α1−受容体については上記のイン
・ビトロにおけるラット大動脈標本を使用し、α2−受
容体についてはモルモット回腸を使用した。被験化合物
10-5モル用量の存在下でノルエピネフリンに対するED50
値(有効用量の中央値)を求め、このED50値を対照のED
50値と比較した。得られた解離定数を以下の表2に示
す。
これらの化合物は10-6M用量ではどれもアルファ受容体
に有意に拮抗しなかった。
本発明の化合物はまた、標準的な方法を用いて調べたと
ころ、モルモットの気管におけるヒスタミンまたはカル
バミルコリン(ムスカリン様物質)収縮に対する明白な
作用をも有していない。
ラットの皮膜において、前記式(III)で示される化合
物が5HT1受容体に比較して5HT2受容体に特異的であるこ
とを表4に示す。使用した方法は、他の組織のためにコ
ーエン(Cohen)、コルバート(Colbert)およびウィッ
テンナウエル(Wittenauer)によって上記引用文献(Io
c.cit.)に記載されている方法である。
高血圧自然発症ラットでは5HT2受容体ではなくアルファ
受容体の遮断が血圧を低下するが、1−イソプロピル
−9,10−ジヒドロリセルグ酸4−ヒドロキシシクロヘキ
シルエステルを10mg/kg用量で経口投与しても、血圧ま
たは心搏数に影響がなかった。
5HT2およびアルファ受容体に対する1−イソプロピル
−9,10−ジヒドロリセルグ酸4−ヒドロキシシクロヘキ
シルエステルのシスおよびトランス異性体、およびシス
−トランス異性体混合物の相対活性および選択性を、以
下のプロトコールに従い、脳脊髄穿刺したSHRにおいて
イン・ビボで証明した。
SHRをハロタンで麻酔し、大腿部動脈および静脈カテー
テルを前と同様に差し込み、気管に挿管した。右の眼窩
から脊柱の全長に鋼製の棒を通して各ラットを脳脊髄穿
刺した。試験期間中、鋼製の棒をその場所に維持した。
脳脊髄穿刺した直後にラットを室内の空気で呼吸させ
た。対照の値の測定および薬物または賦形薬の経口投与
の前に、15分の平衡化時間、観察した。アゴニストを経
口投与した1または6時間後、漸増投与量のセロトニン
またはアルファアゴニスト、クロニジンを静脈内注射
した。応答を記録し、セロトニン投与後、血圧を対照レ
ベルに回復させた。クロニジンに対する累積投与量−応
答曲線を求めた。被験薬物溶液は毎日新たに調製した。
表5および6に、0.1mg/kgの用量レベルでのこれらの測
定結果を示す。
1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸シス−4
−ヒドロキシシクロヘキシルエステル0.3mg/kg用量を経
口投与した時、動脈血圧の平均値を50mmHg高めるのに必
要な5HTの用量は1800であり、曲線シフトは6.7であっ
た。1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセルグ酸トラ
ンス−4−ヒドロキシシクロヘキシルエステル0.03mg/k
g用量を経口投与した時、動脈血圧の平均値を50mmHg変
化させるのに必要な5HT用量は静脈内投与で200μg/kgで
あり、外挿法で求めるとトランス異性体はシス異性体の
3倍の活性を有していることがわかった。
経口投与した時の1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリ
セルグ酸4−ヒドロキシシクロヘキシルエステルのシス
異性体とトランス異性体の間の活性におけるこの差は、
上の表1のイン・ビトロデータを考慮すると予想外であ
った。
脳脊髄穿刺したSHRにおいて、異性体混合物および各異
性体について100mg/kg経口投与量レベルで調べたアルフ
アンタゴニスト活性は異性体混合物についてはわず
かであり、個々の異性体は、表1−2に記載のイン・ビ
トロデータより大きい特異性(5HT2対アルファ)を示
した。
哺乳動物における高血圧症は5HT2受容体を通して媒介さ
れているらしい。従って、式(III)で示される化合物
は、他の5HT2遮断剤であるケタンセリンと同様である
が、ケタンセリンンのアルファドレナリン様受容体遮断
に起因する副作用を伴わずにヒトの血圧を低下すると予
想される。
本発明の新規な治療方法を実施する場合、循環血中のセ
ロトニンが過剰である哺乳動物に、上で製造した式(II
I)で示される薬物と非毒性酸の薬学的に許容し得る塩
を経口または非経口投与して5HT2受容体を遮断し、高血
圧症および片頭痛の様なセロトニンレベルが過剰である
ことに起因する症状を軽減するのが望ましい。非経口投
与のためには、本発明の薬物の水溶性塩を等張塩溶液に
溶解し、静脈内投与する。経口投与のためには、本発明
の薬物の薬学的に許容し得る塩をデンプンの様な通常の
医薬賦形剤と混合し、各々が活性薬物を0.1〜100mg含有
する様にカプセルに充填するか、または錠剤とする。0.
1〜10mg/kgの用量レベルは5HT2受容体を遮断するのに有
効であることがわかった。従って、約0.003〜約10.0mg/
kg/日の範囲の1日当たり投与量となる様な経口投与量
を1日に2〜4回投与する。
その他の経口投与剤型、即ち、懸濁剤、エリキシル剤お
よび錠剤を使用してもよく、これらは常法に従って調製
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 782342 (32)優先日 1985年10月1日 (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 キャロル・ジョン・パーリ アメリカ合衆国インディアナ46226、イン ディアナポリス、グレンケアーン・レーン 3860番 (72)発明者 キャサリーン・ローズ・ホイッテン アメリカ合衆国インディアナ46077、ザイ オンズビレ、サウス180、イースト9302番 (72)発明者 マーレン・ルイス・コーヘン アメリカ合衆国インディアナ46260、イン ディアナポリス、オークウッド・ドライブ 521番 (72)発明者 レイ・ワード・フラー アメリカ合衆国インディアナ46227、イン ディアナポリス、シングルトン・ドライブ 7844番

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(III): [式中、Rは第1または第2C1−C8アルキル、C2−C4
    ルケニル−CH2、C3−C8シクロアルキル、またはC3−C6
    シクロアルキル置換C1−C5第1または第2アルキルであ
    って、Rにおける炭素原子の総数は8以下であり;R1
    アリル、HまたはC1−C4直鎖状アルキルであり;R2はC1
    −C3アルコキシ−C5−C7シクロアルキル;第1または第
    2C1−C3アルコキシ−C2−C6−アルキルまたはジ(C1
    C3アルコキシ)−C2−C6アルキル;C3−C7ケトアルキ
    ル;C5−C7シクロアルキルまたはケト置換C5−C7シクロ
    アルキル;または4−ヒドロキシシクロヘキシルであ
    る] で示される化合物またはその薬学的に許容し得る酸付加
    塩。
  2. 【請求項2】R2がC1−C3アルコキシ−C5−C7シクロアル
    キルである第1項に記載の化合物。
  3. 【請求項3】R2が第1または第2C1−C3アルコキシ−C2
    −C6アルキルまたはジ(C1−C3アルコキシ)−C2−C6
    ルキルである第1項に記載の化合物。
  4. 【請求項4】R2がC3−C7ケトアルキルである第1項に記
    載の化合物。
  5. 【請求項5】R2がC5−C7シクロアルキルまたはケト置換
    C5−C7シクロアルキルである第1項に記載の化合物。
  6. 【請求項6】Rがイソプロピルである第1項〜第5項の
    いずれかに記載の化合物。
  7. 【請求項7】R1がメチルである第1項〜第6項のいずれ
    かに記載の化合物。
  8. 【請求項8】R2がトランス4−メトキシシクロヘキシル
    である第1、2、6および7項のいずれかに記載の化合
    物。
  9. 【請求項9】1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセル
    グ酸トランス−4−メトキシシクロヘキシルエステルま
    たはその薬学的に許容し得る酸付加塩である第1項に記
    載の化合物。
  10. 【請求項10】1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセ
    ルグ酸トランス−4−メトキシシクロヘキシルエステル
    ・マレイン酸塩である第1項に記載の酸付加塩。
  11. 【請求項11】1−イソプロピル−9,10−ジヒドロリセ
    ルグ酸トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシルエステ
    ルまたはその薬学的に許容し得る酸付加塩である第1項
    に記載の化合物。
  12. 【請求項12】式(III): [式中、Rは第1または第2C1−C8アルキル、C2−C4
    ルケニル−CH2、C3−C8シクロアルキル、またはC3−C6
    シクロアルキル置換C1−C5第1または第2アルキルであ
    って、Rにおける炭素原子の総数は8以下であり;R1
    アリル、HまたはC1−C4直鎖状アルキルであり;R2はC1
    −C3アルコキシ−C5−C7シクロアルキル;第1または第
    2C1−C3アルコキシ−C2−C6−アルキルまたはジ(C1
    C3アルコキシ)−C2−C6アルキル;C3−C7ケトアルキ
    ル;C5−C7シクロアルキルまたはケト置換C5−C7シクロ
    アルキル;または4−ヒドロキシシクロヘキシルであ
    る] で示される化合物またはその薬学的に許容し得る酸付加
    塩の製造方法であって、式(V): [式中、RおよびR1は前記と同意義] で示される化合物の8−カルボン酸基をエステル化し、
    所望により得られた生成物を塩に変換することからなる
    方法。
  13. 【請求項13】式(V)で示される化合物と式: R2−O−SO2−Z [式中、ZはC1−C3アルキル、フェニル、またはC1−C3
    アルキル、ニトロ、ハロゲンまたはC1−C3アルコキシで
    置換されているフェニルであり、R2は前記と同意義] で示される化合物を塩基の存在下で反応させることから
    なる第12項に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】式(III): [式中、Rは第1または第2C1−C8アルキル、C2−C4
    ルケニル−CH2、C3−C8シクロアルキル、またはC3−C6
    シクロアルキル置換C1−C5第1または第2アルキルであ
    って、Rにおける炭素原子の総数は8以下であり;R1
    アリル、HまたはC1−C4直鎖状アルキルであり;R2はC1
    −C3アルコキシ−C5−C7シクロアルキル;第1または第
    2C1−C3アルコキシ−C2−C6−アルキルまたはジ(C1
    C3アルコキシ)−C2−C6アルキル;C3−C7ケトアルキ
    ル;C5−C7シクロアルキルまたはケト置換C5−C7シクロ
    アルキル;または4−ヒドロキシシクロヘキシルであ
    る] で示される化合物またはその薬学的に許容し得る酸付加
    塩を活性成分とし、1またはそれ以上の薬学的に許容し
    得る担体を共に含有してなるセロトニン拮抗剤。
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