JPH07233362A - 摩擦材組成物 - Google Patents

摩擦材組成物

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JPH07233362A
JPH07233362A JP2522494A JP2522494A JPH07233362A JP H07233362 A JPH07233362 A JP H07233362A JP 2522494 A JP2522494 A JP 2522494A JP 2522494 A JP2522494 A JP 2522494A JP H07233362 A JPH07233362 A JP H07233362A
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JP
Japan
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sulfur
friction material
material composition
microencapsulated
composition according
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2522494A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Furubayashi
修 古林
Yukinori Yamashita
幸典 山下
Hiroyuki Fujikawa
裕之 藤川
Tomoyuki Wakamatsu
智之 若松
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱成型時に悪臭が出ず、かつ安定した品質を
与える摩擦材組成物を提供すること。 【構成】 本発明に係る摩擦材組成物は、固体潤滑剤と
して、ポリビニールアルコール2でマイクロカプセル化
したイオウ1を含む。イオウ1をポリビニールアルコー
ル2でマイクロカプセル化しているので、熱成型中に悪
臭が出ず、また、イオウの融点に達しても、イオウ1が
マイクロカプセル2により漏れ出すことがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般に摩擦材組成物
に関するものであり、より特定的には自動車などのブレ
ーキ、クラッチ等に使用される摩擦材の組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車の制動装置として、従来よりディ
スクブレーキが使用されている。ディスクブレーキの摩
擦材としては、ディスクブレーキパッドが用いられてい
る。従来、このようなディスクブレーキパッドには、摩
耗やブレーキフィーリングを良くするために、PbSや
Sb23 等の固体潤滑材が用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような固体潤滑材には、有害なものも多く、使用が制限
されてきている。また、固体潤滑材にイオウ粉を用いる
ことも提案されているが、イオウ粉を用いると、熱成型
時に悪臭が発生するという問題点があった。また、イオ
ウの融点(119℃)が低いために、プレス時にイオウ
が流れ出し、加えた量に定量性がなくなり、ひいては製
品の品質がばらつくという問題点があった。
【0004】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、熱成型時に悪臭が発生せず、
かつ製品の品質がばらつかない、摩擦材組成物を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の局面に
従う摩擦材組成物は、固体潤滑材として、マイクロカプ
セル化したイオウを用いている。
【0006】マイクロカプセル用樹脂として、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂を問わず使用できるが、水溶性の樹
脂または液状の熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂
は50℃以下で硬化するものが好ましい。
【0007】マイクロカプセルの大きさとしては、小さ
すぎると粉塵が発生し、大きすぎると、混合時に偏析
し、均一なものが得られないため、10μm〜3mm程
度の大きさが好ましい。
【0008】マイクロカプセルの膜材とイオウの割合
は、できるだけ膜材が少ない方が、摩擦性能に悪影響を
与えないようにするためには好ましい。好ましくは、2
0%以下が良い。
【0009】マイクロカプセル化したイオウの配合量
は、多すぎると摩擦係数の低下を招き、また、少なすぎ
ると、潤滑効果が得られないため、2〜20体積%程度
が好ましい。
【0010】この発明の第2の局面に従う摩擦材組成物
は、固体潤滑材として、マイクロカプセル化した有機含
イオウ化合物を含む。
【0011】有機含イオウ化合物は、加熱成型時または
摩擦時に分解し、イオウ分を放出するものは、いずれの
ものも使用できる。特に、テトラメチルチウラムジスル
フィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタ
メチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系有機
含イオウ化合物が好ましい。
【0012】マイクロカプセル化した有機含イオウ化合
物の含有量およびマイクロカプセルの膜材は、上述した
とおりである。
【0013】
【作用】この発明の第1の局面に従う摩擦材組成物によ
れば、固体潤滑材であるイオウをマイクロカプセル化し
ているので、熱成型中に悪臭が発生しない。また、熱成
型時に、イオウの融点に達しても、イオウは、マイクロ
カプセルから漏れ出すことがなく、ひいては品質が安定
する。また、イオウはマイクロカプセル化されているた
め、摩擦材中に均一に分散する。さらに、マイクロカプ
セル中のイオウにより、摩擦係数(μ)が安定し、フィ
ーリングもよくなる。
【0014】この発明の第2の局面に従う摩擦材組成物
によれば、有機含イオウ化合物をマイクロカプセル化し
ているので、熱成型中に悪臭が発生しない。また、有機
含イオウ化合物の分解温度に対しても、イオウはマイク
ロカプセルより漏れ出すことがない。さらに、有機含イ
オウ化合物から放出されたイオウにより、摩擦係数が安
定する。
【0015】
【実施例】イオウまたは有機含イオウ化合物のマイクロカプセル化 図1は、膜材であるポリビニールアルコールでマイクロ
カプセル化されたイオウの断面図である。図中、1はイ
オウ、2はポリビニールアルコールを表わしている。
【0016】図2は、エポキシ樹脂でマイクロカプセル
化されたイオウの断面図である。図中、1はイオウ、3
はエポキシ樹脂を表わしている。
【0017】マイクロカプセルの製造例として、次の3
つの方法が好ましく採用される。第1の製造方法におい
てはは、まず高分子の水溶液(たとえば、ポリビニール
アルコールの水溶液)中にイオウ粉末を投入し、分散さ
せる。次に、飽和食塩水を注ぎ、コアセルベート滴を生
成させ、これを沈降分離させる。濾過し、乾燥すると、
図1に示すマイクロカプセルが得られる。
【0018】マイクロカプセルの第2の製造方法におい
ては、まず、液状高分子(たとえば、エポキシ樹脂)中
にイオウ粉末を投入し、高速ミキサーで混合する。混合
後、室温で放置し、硬化させた後、軽く粉砕して、図2
に示すマイクロカプセルを得る。この際、液状高分子の
粘度が高い場合、有機溶剤等で希釈することも可能であ
る。
【0019】マイクロカプセルの第3の製造方法とし
て、光硬化性樹脂を液状高分子に用い、これにイオウ粉
末を投入し、高速ミキサーで混合する。その後、紫外線
を照射して硬化させた後、軽く粉砕して、マイクロカプ
セルを得る。紫外線硬化性樹脂としては、ポリエーテル
系、ポリエステル系、エポキシ系樹脂が好ましく用いら
れる。
【0020】摩擦材の製造例 配合組成例を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1中、マイクロカプセル1と表わしたも
のは、イオウのマイクロカプセル(膜材:PVA)を用
いた場合である。マイクロカプセル2は、TMTD(テ
トラメチルチウラムジスルフィド)のマイクロカプセル
(膜材:PVA)を用いた場合である。マイクロカプセ
ル3はイオウのマイクロカプセル(膜材:エポキシ)を
用いた場合である。混合は、高速ミキサー(アイリッ
ヒ)で10分間行なった。予備成型は、室温で圧力40
0kg/cm2 で行なった。本成型は、温度150℃、
圧力300kg/cm2 で、10分間行なった。後硬化
は、180℃で5時間行なった。
【0023】摩擦材の評価 製造された摩擦材の評価結果を表2に示す。表2中、銅
繊維は金属繊維の一例であり、アラミド繊維は有機繊維
の一例であり、ガラス繊維は無機繊維の一例であり、セ
ラミック酸化物は結合剤の一例である。
【0024】
【表2】
【0025】悪臭の評価については、プレス後のにおい
(人の感覚)により判定した。○は通常と差がないとい
う評価であり、×はひどいイオウ臭がするとの評価であ
る。
【0026】成型後のばらつきの評価は、成型後のイオ
ウ含有量、比重、物性(硬度など)のばらつきより判断
した。○は、ばらつきがないという評価、×はひどいば
らつきがあるという評価である。
【0027】ブレーキフィーリングの評価は、実車試験
による官能的判断(市街地を約100km走行し、判
断)により評価した。○は良好であり、×は不良を表わ
している。
【0028】摩擦係数(μ)の安定性は、ダイナモメー
タによる評価で行なった。スケジュールは社団法人日本
自動車技術会規定JASOC−406号に従う。その中
の効力試験における制動中または制動間のμの最大、最
小(μの変動幅)で判定した。○は安定性良好であるこ
とを表わし、×は安定性が不良であることを表わしてい
る。
【0029】表2より明らかなように、実施例1,2,
3の場合には、悪臭がなく、成型後のばらつきもなく、
ブレーキフィーリングの良好な、さらに摩擦係数(μ)
の安定性の良好な摩擦材が得られた。
【0030】なお、実施例1,2,3に係る摩擦材組成
物の場合、制動時、高温になると、銅とイオウが反応し
て、硫化第一銅(Cu2 S)になり、外部に悪臭が漏れ
ず、かつ潤滑性が向上する。
【0031】特に、有機含イオウ化合物を用いた場合
は、放出したイオウが活性であり、Cu2 Sを作りやす
く、フィーリングがさらに向上するという効果を奏す
る。
【0032】なお上記実施例では、マイクロカプセルの
膜材として、水溶性樹脂のポリビニルアルコールを例示
したが、この発明はこれに限られるものでなく、フェノ
ール樹脂、澱粉等の水溶性樹脂も好ましく用いられる。
【0033】また、マイクロカプセルの膜材として、エ
ポキシ樹脂を用いる場合を例示したが、この発明はこれ
に限られるものでなく、フェノール樹脂、ポリウレタ
ン、シリコン等の熱硬化性樹脂も好ましく用いられる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明によれ
ば、固体潤滑材として、イオウまたは有機含イオウ化合
物をマイクロカプセル化したものを用いているので、熱
成型中に悪臭が出ず、また、安定した品質の摩擦材が得
られるという効果を奏する。さらに、イオウの作用によ
り、ブレーキフィーリングが良くなり、摩擦係数が安定
するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリビニールアルコールでマイクロカプセル化
したイオウの断面図である。
【図2】エポキシ樹脂でマイクロカプセル化したイオウ
の断面図である。
【符号の説明】
1 イオウ 2 ポリビニールアルコール 3 エポキシ樹脂
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 103:00 Z 105:72 107:22 107:32) C10N 20:06 A 30:00 G 40:04 40:08 50:08 (72)発明者 若松 智之 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロカプセル化したイオウを含む摩
    擦材組成物。
  2. 【請求項2】 前記マイクロカプセル化したイオウは、
    1〜20容量%含まれる、請求項1に記載の摩擦材組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記マイクロカプセルの膜材は、水溶性
    高分子、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂からなる群よ
    り選ばれる、請求項1に記載の摩擦材組成物。
  4. 【請求項4】 マイクロカプセル化した有機含イオウ化
    合物を含む摩擦材組成物。
  5. 【請求項5】 前記マイクロカプセル化した有機含イオ
    ウ化合物は、1〜20容量%含まれる、請求項4に記載
    の摩擦材組成物。
  6. 【請求項6】 前記有機含イオウ化合物はチウラム系化
    合物を含む、請求項4に記載の摩擦材組成物。
  7. 【請求項7】 前記チウラム系化合物はテトラメチルチ
    ウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィ
    ドおよびジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドか
    らなる群より選ばれる、請求項5に記載の摩擦材組成
    物。
  8. 【請求項8】 前記マイクロカプセルの膜材は、水溶性
    高分子、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂からなる群よ
    り選ばれる、請求項4に記載の摩擦材組成物。
JP2522494A 1994-02-23 1994-02-23 摩擦材組成物 Withdrawn JPH07233362A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3158214B1 (en) 2014-06-18 2019-12-11 Robert Bosch GmbH Copper free friction material composition

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3158214B1 (en) 2014-06-18 2019-12-11 Robert Bosch GmbH Copper free friction material composition

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