JPH07232535A - 流体圧式サスペンション - Google Patents

流体圧式サスペンション

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JPH07232535A
JPH07232535A JP2847294A JP2847294A JPH07232535A JP H07232535 A JPH07232535 A JP H07232535A JP 2847294 A JP2847294 A JP 2847294A JP 2847294 A JP2847294 A JP 2847294A JP H07232535 A JPH07232535 A JP H07232535A
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JP
Japan
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working fluid
vehicle
gas
state
pressure
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JP2847294A
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Inventor
Yukihide Kimura
雪秀 木村
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は気液ばねが組み込まれた流体圧式サス
ペンションに関し、緊急回避時における車両の急激な姿
勢変化の発生を防止することを目的とする。 【構成】作動流体室9 を有する油圧シリンダ6 と、作動
流体室9 と連通路10を介して連通された気液ばね11と、
油圧シリンダ6 に向け作動流体を供給する圧送ポンプ17
とを有する流体圧式サスペンションにおいて、上記連通
路10に作動流体室9 と気液ばね13との間における作動流
体の流れを制限する流量制限弁20と、車速センサ23, 操
舵角センサ24, 横加速度センサ25等より検出される車両
の走行状態に基づきECU22が車両が緊急回避状態であ
るか否かを判断し、車両が緊急回避状態であると判断さ
れた時には、ECU22が流量制限弁20を制御することに
より作動流体が気液ばね11への流入しないよう構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流体圧式サスペンション
に係り、特に気液ばねが組み込まれた流体圧式サスペン
ションに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、操安性及び乗り心地を共に良好
とするサスペンションとして所謂アクティブサスペンシ
ョンが知られている。
【0003】このアクティブサスペンションは、油圧ポ
ンプ,油圧ポンプで生成された高圧油液(以下、作動流
体という)が圧送される油圧シリンダ,油圧ポンプから
油圧シリンダへ圧送される作動流体量を制御する制御
弁,車両の状態を検出する各種センサ,及び電子制御装
置等により構成されている。そして、各種センサにより
検知される車両の状態に応じて電子制御装置により油圧
シリンダに圧送させる作動流体量を制御弁を制御するこ
とにより調整し、路面から車体に伝わる力を軽減した
り、車体姿勢を路面に対して略平行に保ち、操安性と乗
り心地を共に高い次元で両立させようとするサスペンシ
ョンである。
【0004】また、アクティブサスペンションにおい
て、油圧シリンダに連通するよう気液ばねを配設した構
成のサスペンションも知られている。気液ばねは、チェ
ンバ内にダイヤフラムを配設することにより、窒素ガス
等が充填された上部室と上記の作動流体が装填される下
部室とに画成された構成を有しており、下部室と油圧シ
リンダとは連通路により連通された構成とされている。
【0005】そして、タイヤに接続された油圧シリンダ
に路面状態等により強い外力が印加された場合には、油
圧シリンダ内の作動流体が連通路を介して下部室に進入
し、上部室の気体圧縮動作により干渉力を発生し、これ
により上記の強い外力による振動が車体に伝わらないよ
うに構成されている。よって、気液ばねを配設すること
により、更に高い乗り心地を実現することができる。
【0006】この種のアクティブサスペンションとし
て、例えば特開昭2−182526号公報に開示された
ものがある。同公報に開示されたサスペンションは圧力
制御式のアクティブサスペンションであって、危険回避
のスラローム時等においてアクチュエータ(油圧シリン
ダ)の内圧が非常に高くなった時には、アクチュエータ
への作動流体の給排を禁止することにより車体の姿勢が
急激に変化するのを防止するよう構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記のよう
に油圧シリンダに気液ばねを連接した構成では、緊急回
避時等において車輪に加わる荷重が大きい場合には、油
圧シリンダへの作動流体の給排を禁止しても、油圧シリ
ンダから連通路を介して作動流体が気液ばねに流入して
しまう。
【0008】前記したように、気液ばねは窒素ガス等が
充填された上部室と作動流体が装填される下部室とに画
成された構成を有しており、下部室が油圧シリンダと連
通路により連通された構成となっている。従って、油圧
シリンダへの作動流体の給排が禁止されても油圧シリン
ダと気液ばねとは連通された状態を維持しており、よっ
て油圧シリンダに大きな荷重が印加されピストンがシリ
ンダ内の作動流体を圧縮すると、この圧縮された作動流
体は気液ばねに流入する。
【0009】また、気液ばねはその上部室にダイヤフラ
ム等を隔壁として窒素ガス等の気体が充填されているた
め、この気体の圧縮可能な容量に対応した作動流体が気
液ばね内に流入してしまう。
【0010】よって、上記した従来構成のアクティブサ
スペンションでは、危険回避のスラローム時等において
油圧シリンダへの作動流体の給排を禁止しても、油圧シ
リンダから連通路を介して作動流体が気液ばねに流入す
る分だけ油圧シリンダは収縮動作を行ってしまい車両の
急激な姿勢変化が発生してしまうという問題点があっ
た。
【0011】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、油圧シリンダと気液ばねとを連通する連通路に作
動流体の流れを制限する流量制限手段を設け、車両が緊
急回避状態となった場合に油圧シリンダから気液ばねへ
作動流体が流入するのを阻止する構成とすることによ
り、緊急回避時における車両の急激な姿勢変化の発生を
防止する流体圧式サスペンションを提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図で
ある。
【0013】上記課題を解決するために本発明では、同
図に示されるように、各車輪に対応して設けられた作動
流体室(A1)を有するシリンダ(A2)と、このシリンダ(A2)
の作動流体室(A1)と連通された気液ばね(A3)と、上記シ
リンダ(A2)に向け作動流体を供給する作動流体供給手段
(A4)とを有する流体圧式サスペンションにおいて、上記
作動流体室(A1)と気液ばね(A3)とを連通する部位に設け
られ、この作動流体室(A1)と気液ばね(A3)との間におけ
る作動流体の流れを制限する流量制限手段(A5)と、車両
の走行状態を検出する車両状態検出手段(A6)の検出結果
に基づき車両が緊急回避状態であるか否かを判断する緊
急回避状態検出手段(A7)と、この緊急回避状態検出手段
(A7)により車両が緊急回避状態であると判断された時、
上記流量制限手段(A5)を制御することにより作動流体の
上記気液ばね(A3)への流入を制限する作動流体制御手段
(A8)とを設けたことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】流体圧式サスペンションを上記構成とすること
により、緊急回避状態検出手段(A7)により車両が緊急回
避状態であると判断された時、作動流体制御手段(A8)は
作動流体室(A1)から気液ばね(A3)への作動流体の流入量
を制限する。このため、緊急回避状態においてシリンダ
(A2)に大きな荷重が印加され作動流体室(A1)内の作動流
体圧が高くなったとしても、作動流体は気液ばね(A3)へ
の流入量が制限されるため、シリンダ(A2)が直ちに収縮
動作を行うようなことはなく、車両の急激な姿勢変化の
発生を防止することができる。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。図2は本発明の一実施例である流体圧式サスペン
ションの要部構成図である。尚、図2は1車輪に対する
サスペンション構造しか示していないが、車両に配設さ
れる4輪全てに対して同図に示す流体圧式サスペンショ
ンが設けられている。
【0016】以下、流体圧式サスペンションの構成につ
いて図2を用いて詳述する。
【0017】タイヤ1はアーム2に取り付けられてお
り、このアーム2は車両のシャーシ3に接続されてい
る。このアーム2とシャーシ3との接続位置には軸受4
が配設されており、よってアーム2はこの軸受け4を中
心としてシャーシ3に対して図中矢印A方向に回動可能
な構成とされている。
【0018】また、アーム2のタイヤ1が取り付けられ
る位置と軸受4と接続される位置との間には、補助ばね
5及び油圧シリンダ6が配設されている。補助ばね5は
その下端をアーム2に接続されると共に、上端部をシャ
ーシ3に接続されている。よって、路面の凹凸によりタ
イヤ1が矢印A方向に上下動し、アーム2が軸受4を中
心として回動変位すると、補助ばね5はこれに伴い弾性
力を持って収縮及び伸長動作を行いシャーシ3に振動が
伝達されるのを防止する。
【0019】また、油圧シリンダ6は大略するとシリン
ダ部7とピストン部8とにより構成されており、シリン
ダ部7とピストン部8の上端部との間には後述する作動
流体が導入される作動流体室9が形成されている。ピス
トン部8はシリンダ部7内において図中上下方向に液密
に摺動可能な構成とされており、またその下端部がアー
ム2に接続されている。
【0020】シリンダ部7の上端部には連通路10が接
続されており、連通路10の他端部には気液ばね11が
接続されている。気液ばね11は、例えば球体状のチャ
ンバ12内に上下方向に変位可能な構成とされたダイヤ
フラム13を配設した構成とされている。このダイヤフ
ラム13により、チャンバ12は上部室14と下部室1
5とに画成される。また、上部室14内には例えば不活
性ガスである窒素ガスが所定の圧力で充填されており、
また下部室14には後述するように作動流体が導入され
る。
【0021】上記した連通路10は、気液ばね11の下
部室15に接続されている。従って、油圧シリンダ6に
形成された作動流体室9は連通路10を介して気液ばね
11の下部室15と連通された構成となる。
【0022】また、連通路10の途中位置には作動流体
導入配管16が接続されている。この作動流体導入配管
16は前記した動流体供給手段(A4)に相当する圧送ポン
プ17に接続されており、作動流体(例えばオイル)は
この圧送ポンプ17で昇圧されて作動流体導入配管16
に圧送される。また、作動流体導入配管16には圧送ポ
ンプ17側より制御弁18,作動流体圧センサ19が順
次配設されている。
【0023】制御弁18は、例えば電磁的手段により作
動流体導入配管16内を流れる作動流体の流量を制御す
る流量制御弁であり、また作動流体圧力センサ19は作
動流体導入配管16の制御弁配設位置よりも下流側の圧
力を検出しこれを電気信号(以下、圧力信号という)と
して出力するものである。この作動流体圧力センサ19
は、上記した車両状態検出手段(A6)の一つとして機能す
るものである。
【0024】更に、連通路10には本発明の要部を構成
する流量制限手段(A5)となる流量制限弁20が配設され
ている。この流量制限弁20は電磁弁であり、本実施例
においては連通路10を閉鎖,開放す開閉弁構造とされ
ている。また、流量制限弁20の配設位置は、作動流体
導入配管16が連通路10と接続する位置よりも気液ば
ね11に近い位置に選定されいる 尚、連通路10の流
量制限弁20よりも気液ばね11に近い位置にはオリフ
ィス21が配設されており、流量制限弁20が開弁した
状態において気液ばね11に流入する作動流体の流量を
所定量に制限する構成とされている。
【0025】上記構成において、制御弁18,作動流体
圧力センサ19,流量制限弁20は電子制御装置(以
下、ECUという)22に接続されている。また、EC
U22には、作動流体圧力センサ19と共に車両状態検
出手段(A6)を構成する車速センサ23,操舵角センサ2
4,横加速度センサ25が接続されている。
【0026】ECU22の構成を図3を用いて説明す
る。ECU22はマイクロコンピュータにより構成され
ており、中央処理装置(CPU)26、リードオンリメ
モリ(ROM)27、ランダムアクセスメモリ(RA
M)28、波形整形回路29、入力インターフェイス3
0、出力インターフェイス31等から構成されており、
各回路26〜31は双方向のバスライン32により接続
されている。
【0027】また波形整形回路45には、作動流体圧セ
ンサ19から作動流体圧力信号が、車速センサ23から
は車速信号が、操舵角センサ24からは操舵角信号が、
更に横加速度センサ25からは横加速度信号が夫々入力
され、波形整形された各信号は入力インターフェイス3
0を介してCPU26に取り込まれる。更に、CPU2
6は出力インターフェイス31を介して制御弁18及び
流量制御弁20に対し駆動信号を供給し、各弁装置1
8,20の開閉制御を行う構成とされている。
【0028】上記の車速センサ23は、例えばスピード
メータケーブルやトランスミッションのギヤの回転を検
出することにより車両の車速を検知し車速信号を出力す
る構成とされている。また、操舵角センサ24は、ステ
アリングシャフトに配設されており、ステアリングシャ
フトの回転方向及び回転量を操舵角信号として出力する
構成とされている。更に、横加速度センサ25は、例え
ば車両の中央位置に配設されており、例えば車両の横加
速度に対応して変位する金属薄膜ゲージの変位量を検出
することにより車両の横加速度を出力する構成とされて
いる。
【0029】前記した緊急回避状態検出手段(A7)及び作
動流体制御手段(A8)は、ECU41が実行するソフトウ
ェアプログラムとして構成される。以下、ECU41が
実行する緊急回避処理について説明する。図4は、EC
U41が実行する緊急回避処理を示すフローチャートで
ある。同図に示す緊急回避処理は、所定時間(例えば4
ms)毎に実行されるルーチン処理である。
【0030】同図に示す処理が起動すると、CPU26
は先ずステップ10(図ではステップをSと略称する)
において、車両が緊急回避状態に入ったか否かを判断す
る。この緊急回避状態に入ったか否かは次のように判断
する。
【0031】先ず、車速センサ23で検出される車速と
操舵角センサ24で検出され操舵角とより横加速度を演
算し、この演算された横加速度を推定横加速度とする。
【0032】具体的には、この推定横加速度は次のよう
に求めることができる。操舵角が操舵角センサ24によ
り検出されることにより、現在車両が旋回している旋回
半径rを求めることができる。また、車両の速度vは車
速センサ23により検出されており、また車両の質量m
も予測することができる(例えば、標準体重の人が定員
数乗車している場合の車両質量とする)。この場合、車
両が等速円運動をしていると想定すると、推定横加速度
Gは求心力として求めることができ、下式により求める
ことができる。
【0033】G=(m×v2 )/r 上記のように推定横加速度Gが演算されると、続いて横
加速度センサ25から出力される実際の横加速度の値
(この加速度を実横加速度G0 という)とを比較し、推
定横加速度Gに対して実横加速度G0 がある閾値を越え
て大きい場合(G≪G0 )には、CPU26は車両が緊
急回避状態に入ったことを判定する第1判定条件が成立
したと判断する。
【0034】また、図2には車両の1輪しか図示しない
が、実際には車両の4輪全てに配設されたサスペンショ
ンに配設された各作動流体圧センサ19からの作動流体
圧信号に基づき、外輪(旋回軌跡に対して外側の車輪)
に配設された作動流体圧センサ19が出力する作動流体
圧信号(以下、外輪シリンダ圧信号という)から外輪シ
リンダ圧PINを求めると共に、内輪(旋回軌跡に対して
内側の車輪)に配設された作動流体圧センサ19が出力
する作動流体圧信号(以下、内輪シリンダ圧信号とい
う)から内輪シリンダ圧POUT を求める。
【0035】続いて、求められた外輪シリンダ圧PIN
圧力変化速度(以下、外輪圧力変化速度VPOUTという)
と、内輪シリンダ圧POUT の圧力変化速度(以下、内輪
圧力変化速度VPIN という)を夫々求め、求められた外
輪圧力変化速度VPOUTが所定値VP1より大きく(VPOUT
≧VP1)、かつ求められた内輪圧力変化速度VPIN が所
定値VP2より大きい(VPOUT≧VP2)場合に、CPU2
6は車両が緊急回避状態に入ったことを判定する第2判
定条件が成立したと判断する。
【0036】そして、上記の第1判定条件及び第2の判
定条件が共に成立した場合、CPU26は車両が緊急回
避状態に入ったと判断する。ステップ10では、上記し
た判定処理を行い、車両が緊急回避状態に入っていない
と判断した場合にはステップ14以降の緊急回避処理は
行わず通常のサスペンション制御処理を行う構成とし
た。
【0037】通常のサスペンション制御処理時において
は、CPU26は流量制限弁20を開弁すると共に、作
動流体圧センサ19からの信号に基づき作動流体導入配
管16内の圧力が所定の圧力値を維持するよう制御弁1
8を開閉制御する。よって、路面の凹凸によりタイヤ
1,アーム2を介してピストン部8が上下動すると、こ
の上下動に伴い作動流体室9の容積変化が生じ、作動流
体室9の容積が減少する場合には作動流体室9内の作動
流体が連通路10,流量制限弁20を介して気液ばね1
1の下部室15に流入する。また、作動流体室9の容積
が増大する場合には、逆に気液ばね11の下部室15内
の作動流体が作動流体室9に流入する。
【0038】更に、気液ばね11のダイヤフラム13を
介して下部室15の上部に配設された上部室14には窒
素ガス等の気体が装填されているため、この窒素ガスの
発生する弾性力によりピストン8の上下動は緩衝され
る。これにより、路面の凹凸によりタイヤ1に発生する
アーム2の回動変位は抑制され、振動がシャーシ3(車
体)に伝達されるのを防止することができる。また、補
助バネ5が発生する弾性力によってもアーム2の回動変
位は抑制され、振動がシャーシ3(車体)に伝達される
のを防止することができる。
【0039】一方、ステップ10において肯定判断がさ
れた場合、即ち車両が緊急回避状態に入ったと判断され
た場合には、処理はステップ12に進む。ステップ12
では車両状態がロール過渡状態か否かが判断される。こ
の車両状態がロール過渡状態か否かの判断は次のように
行う。
【0040】先ず、ステップ10で求められた外輪圧力
変化速度VPOUT及び内輪圧力変化速度VPIN に基づき、
この外輪圧力変化速度VPOUTと内輪圧力変化速度VPIN
との差(以下、シリンダ圧上昇速度差VDIという。VDI
=VPOUT−VPIN )を求める。そして、このシリンダ圧
上昇速度差VDIが正の値(VDI≧0)であり、かつその
値が所定速度Vbo1 を越えており(VDI≧Vbo)、か
つ、外輪シリンダ圧PINと内輪シリンダ圧POUT との差
(以下、シリンダ圧力差PDIという。PDI=PPO UT−P
PIN )が所定値P1 以上である場合(PDI≧P1 )に、
CPU26は車両状態がロール過渡状態であると判断す
る。
【0041】上記一連の処理により、車両状態がロール
過渡状態ではないと判断された場合には、CPU26は
車両が緊急回避状態ではあるもののロール過渡状態では
ないと判断し、ステップ14以降の緊急回避処理は行わ
ず上記した通常のサスペンション制御処理を行う構成と
した。
【0042】一方、ステップ10及びステップ12で共
に肯定判断がされた場合には、処理はステップ14に進
み、制御弁18と共に流量制御弁20を閉弁する。
【0043】ステップ10及びステップ12で共に肯定
判断がされた状態は、車両が急旋回し外輪に対して非常
に強い旋回力が働いている状態(この旋回力は、外輪の
作動流体室9を収縮させる力として作用する)であり、
この車両状態下において車両状態を安定化させるために
は、外輪側のサスペンションが収縮しないよう構成する
ことが重要である。この緊急回避状態でかつロール過渡
状態において通常のサスペンション制御処理を行うと、
制御弁18を閉弁し油圧シリンダ6への作動流体の給排
を禁止しても、油圧シリンダ6から連通路10を介して
作動流体が気液ばね11に流入する分だけ油圧シリンダ
6は収縮動作を行ってしまい車両の急激な姿勢変化が発
生し、車両安定性が大きく悪化してしまう。
【0044】しかるに、ステップ14において制御弁1
8に加えて流量制御弁20を閉弁することにより、作動
流体室9から気液ばね11の下部室15への作動流体の
流入が規制されるため、緊急回避状態でかつロール過渡
状態におい油圧シリンダ6に大きな荷重が印加され作動
流体室9内の作動流体圧が高くなったとしても、連通路
10は流量制限弁20により閉塞され作動流体の気液ば
ね11への流入が制限されるため、油圧シリンダ6が直
ちに収縮動作を行うようなことはなく、車両の急激な姿
勢変化の発生を防止することができる。
【0045】続くステップ16では、車両状態が緊急回
避時のロール飽和状態となったか否かが判断される。こ
こで、ロール飽和状態とはシリンダ圧上昇速度差VDI
所定速度Vbo2 以下となった状態(VDI≦Vbo2 )をい
う。このステップ16で肯定判断がされる車両状態は、
車両状態がロール過渡状態を過ぎて作動流体室9内の圧
力が均衡或いは低下してきた状態である。
【0046】CPU26は、車両状態がこの緊急回避時
のロール飽和状態となったと判断した場合には、処理を
ステップ18に進め流量制限弁20を開弁する。これに
より、作動流体室9と気液ばね11の下部室15は連通
され、作動流体室9内の作動流体が気液ばね11の下部
室15に流入するのが許容される。このように、ステッ
プ10で判定される緊急回避状態が解除される前に、シ
リンダ圧上昇速度差V DIが所定速度Vbo2 以下となった
時点で流量制限弁20を開弁するのは次の理由による。
【0047】即ち、シリンダ圧上昇速度差VDIが所定速
度Vbo2 以下となった状態は、油圧シリンダ6がある程
度の伸縮動作を行っても車両の安定性は担保されている
状態であり、流量制限弁20を開弁しても車両安定性は
確保され得る状態である。また、ステップ14で流量制
限弁20を閉弁したことにより、ステップ16で肯定判
断されるまでに気液ばね11の下部室15内の圧力と作
動流体室9内の圧力との間には圧力差が生じている。前
記した通常のサスペンション処理を行うには、下部室1
5内の圧力と作動流体室9内の圧力とを等しくしておく
必要がある。
【0048】そこで、作動流体室9内の作動流体圧がま
だ高圧となっている状態下において流量制限弁20を開
弁することにより、作動流体室9内の作動流体は早い時
点で下部室15内に流入し、作動流体室9と下部室15
との圧力は等しくなる。これにより、通常のサスペンシ
ョン処理に移った場合において即時にサスペンション機
能が作用し、緊急回避処理から通常のサスペンション処
理に移る時における車両の操安性及び安定性を確保する
ことができる。
【0049】尚、下部室15内の圧力と作動流体室9内
の圧力とを等しくする方法として、圧送ポンプ17から
下部室15に向けて作動流体を圧送する方法も考えられ
るが、この構成では圧送ポンプ17の出力を向上させる
必要があり、圧送ポンプ17が大型化してしまう。しか
るに、上記構成とすることにより緊急回避処理から通常
のサスペンション処理に移る際に、圧送ポンプ17から
気液ばね11に向け多量の作動流体を導入する必要はな
く、圧送ポンプ17の出力の小型化を図ることもでき
る。
【0050】尚、ステップ16において否定判断がされ
た場合には、CPU26は車両が緊急回避時のロール飽
和状態にはなっていないと判断し、処理をステップ14
に戻して流量制限弁20を閉弁して状態を維持させる構
成とした。
【0051】続くステップ20では、車両状態が緊急回
避時のロール収束状態となったか否かが判断される。こ
こでロール収束状態の判断は、外輪シリンダ圧PINと内
輪シリンダ圧POUT との差であるシリンダ圧力差P
DI(PDI=PPOUT−PPIN )を求め、このシリンダ圧力
差PDIが所定値P2 以下である場合(PDI≦P2 )には
車両がロール収束状態であると判断する。ステップ20
で車両がロール収束状態であると判断された状態は、車
両が緊急回避状態から抜け出た状態である。よって、ス
テップ20において肯定判断がされた場合には、CPU
26は処理をステップ22に進め、制御弁18の閉弁を
解除し通常の制御状態に切り換え、図4に示されるルー
チン処理を終了する。これにより、図2に示される流体
圧式サスペンションは緊急回避処理が停止され通常のサ
スペンション処理が実行される。しかるに、ステップ2
0において否定判断がされた場合には、処理はステップ
16に戻り、車両がロール収束状態となるまでステップ
16〜ステップ20の処理が繰り返し実行される。
【0052】尚、上記した実施例においては、ステップ
10及びステップ12において肯定判断がされた場合に
は、ステップ14において流量制限弁20を完全に閉弁
する構成とした。しかるに、流量制限弁20を開閉弁で
はなく流量制御弁とすることにより、緊急回避時のロー
ル過渡状態において、作動流体室9に印加される圧力を
シリンダ内圧力センサ(作動流体圧センサ19を用いる
ことも可)により検出し、作動流体室9から下部室15
に若干の作動流体の流れを許容する構成としてもよい。
この構成とすることにより、ステップ16でロール飽和
された状態において作動流体室9と下部室15との圧力
を均衡させる際、短時間で作動流体室9と下部室15と
の圧力を等しくすることができ、緊急回避処理から通常
のサスペンション処理に移る時における車両の操安性及
び安定性を即座に確保することができる。
【0053】図5は前記した実施例の変形例である流体
圧式サスペンションを示している。尚、同図において図
2に示した流体圧式サスペンションと同一構成部分につ
いては同一符号を付してその説明を省略する。
【0054】同図に示す流体圧式サスペンションは、連
通路10と作動流体導入配管16とを接続するバイパス
通路33を設け、このバイパス通路33に流量制限弁2
0を配設したことを特徴とするものである。また、バイ
パス通路33の流量制限弁20よりも下流側にはオリフ
ィス34が配設されている。
【0055】上記構成とすることにより、流量制限弁2
0が閉弁された状態においても作動流体室9と下部室1
5とは連通路10を介して接続された状態を維持してお
り、オリフィス21により制限される流量については流
量制限弁20が閉弁されても作動流体室9から下部室1
5に流入可能な構成となっている。
【0056】このように、流量制限弁20が閉弁された
状態においても作動流体室9から下部室15にある程度
の作動流体が流入可能な構成としておくことによって
も、ステップ16でロール飽和された状態において作動
流体室9と下部室15との圧力を均衡させる際、短時間
で作動流体室9と下部室15との圧力を等しくすること
ができ、緊急回避処理から通常のサスペンション処理に
移る時における車両の操安性及び安定性を即座に確保す
ることができる。
【0057】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、緊急回避状
態においてシリンダに大きな荷重が印加され作動流体室
内の作動流体圧が高くなったとしても、作動流体制御手
段により閉弁動作される流量制限手段により、作動流体
の気液ばねへの流入量が制限される。このため、シリン
ダが直ちに収縮動作を行うようなことはなく、車両の急
激な姿勢変化の発生を防止することができ、操安性の向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の一実施例である流体圧式サスペンショ
ンの要部構成図である。
【図3】ECUの構成を説明するための図である。
【図4】ECUが実行する緊急回避処理を示すフローチ
ャートである。
【図5】図2に示す流体圧式サスペンションの変形例を
示す要部構成図である。
【符号の説明】
1 タイヤ 2 アーム 5 補助ばね 6 油圧シリンダ 7 シリンダ部 8 ピストン部 9 作動流体室 10 連通路 11 気液ばね 13 ダイヤフラム 14 上部室 15 下部室 16 作動流体導入配管 17 圧送ポンプ 18 制御弁 19 作動流体圧センサ 20 流量制限弁 21,34 オリフィス 22 ECU 23 車速センサ 24 操舵角センサ 25 横加速度センサ 33 バイパス通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪に対応して設けられた作動流体室
    を有するシリンダと、該シリンダの作動流体室と連通さ
    れた気液ばねと、該シリンダに向け作動流体を供給する
    作動流体供給手段とを有する流体圧式サスペンションに
    おいて、 該作動流体室と気液ばねとを連通する部位に設けられ、
    該作動流体室と気液ばねとの間における作動流体の流れ
    を制限する流量制限手段と、 車両の走行状態を検出する車両状態検出手段の検出結果
    に基づき該車両が緊急回避状態であるか否かを判断する
    緊急回避状態検出手段と、 該緊急回避状態検出手段により該車両が緊急回避状態で
    あると判断された時、該流量制限手段を制御することに
    より、該作動流体の該気液ばねへの流入量を制限する作
    動流体制御手段とを設けてなることを特徴とする流体圧
    式サスペンション。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100844995B1 (ko) * 2005-02-23 2008-07-09 할덱스 브레이크 코포레이션 유체 제어 시스템, 차량을 위한 제어 시스템에서 공기 손실을 최소화시키는 방법 및 차량을 위한 공기 현가 제어 시스템

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100844995B1 (ko) * 2005-02-23 2008-07-09 할덱스 브레이크 코포레이션 유체 제어 시스템, 차량을 위한 제어 시스템에서 공기 손실을 최소화시키는 방법 및 차량을 위한 공기 현가 제어 시스템

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