JPH07232062A - 吸水性物品 - Google Patents

吸水性物品

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JPH07232062A
JPH07232062A JP6027712A JP2771294A JPH07232062A JP H07232062 A JPH07232062 A JP H07232062A JP 6027712 A JP6027712 A JP 6027712A JP 2771294 A JP2771294 A JP 2771294A JP H07232062 A JPH07232062 A JP H07232062A
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JP
Japan
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water
absorbent resin
absorbent
absorbent article
sheet
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JP6027712A
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Takumi Hatsuda
卓己 初田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄くコンパクトでありながら、従来の吸水性
物品と同等以上の吸水性能を有し、しかも低湿度雰囲気
下でもその性能を損わない吸水性物品を提供することに
ある。 【構成】 吸水性樹脂材料を配した吸液層を、少なくと
も片面側を透水性シートにより形成した袋体の内部に収
納してなる吸水性物品であって、該吸水性樹脂材料が吸
水性樹脂および水からなり、かつ該吸水性物品が水分不
透過性フィルムで密封されていることを特徴とする吸水
性物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な吸水性物品に関
する。さらに詳しくは、薄型にもかかわらず大きい吸水
容量を有し、低湿度雰囲気下でも性能の良好な吸水性物
品に関する。
【0002】
【従来の技術】おむつ、失禁パッド、生理用品等の衛材
製品に組み込まれる吸水性物品が知られており、一般に
これらの吸水性物品は繊維状のマトリックスおよび必要
により吸水性樹脂から成っている。繊維状マトリックス
は木材パルプフラックとして知られているセルロース繊
維あるいはセルロース繊維と合成繊維とから成ってい
る。
【0003】従来の吸水性物品のうち、吸水性樹脂を用
いないものは、必然的に容積が大きいものとなり、取扱
いが極めて不便であった。このような問題は、吸水性樹
脂を吸水性物品に導入することにより木材パルプフラッ
フの使用量を低減することが可能となった。そして吸水
性樹脂を使用することで、小さく薄い吸水性物品を製造
することが可能となった。しかしながら、従来の吸水性
物品は、まだ比較的低い吸水性樹脂量(一般的に約50
重量%以下)からなっており、十分に小さく薄い吸水性
物品を提供しているとはいえない。
【0004】吸水性樹脂は、一般に粉末状、粒子状の形
態であり、吸水性物品の使用前および使用中に吸水性物
品の中を容易に移動し、意図しない偏りが生じ、吸水性
物品に安定した性能を与えることができない。したがっ
て、吸水性樹脂を吸水性物品中の所定の位置に配置する
ためには、何等かの方法で該樹脂を固定化する必要があ
った。一般に、粉末状、粒子状の吸水性樹脂を、紙との
サンドイッチ、あるいはパルプ等の繊維状マトリックス
に混入させてエンボス加工等の圧着処理等を行い、シー
ト状等の形状に変えて固定化が行われている。
【0005】一方、吸水性樹脂を基材に付与して固着化
処理を行う方法が種々提案されている。例えば吸水性樹
脂粉末に少量の水分を与え、基材シートと強固な固着を
実現しようとする方法(例えば、米国特許第39595
69号、特開昭51−40497号、特開昭54−12
3293号、特開昭54−141099号および特開昭
58−36452号)、樹脂バインダーを用いて、吸水
性樹脂粉末と基材シートとの固着を実現しようとする方
法(例えば、特開昭58−101047号、特開平4−
504234号、米国特許第5128082)あるいは
基材シート上で単量体を直接重合することにより吸水性
樹脂の製造とシート化を同時に行う方法(例えば、特開
昭60−149609号、特開昭62−53309号、
特開昭62−62829号および特開昭62−9797
9号)等がある。
【0006】さらに、透水性シート上に複数のセルを設
け、それぞれのセル中に吸水性樹脂を配置した吸水性物
品が提案されている(例えば、米国特許第503580
5号および英国特許第2251206号等)。
【0007】しかしながら、従来公知の吸水性樹脂を用
い、その樹脂量を高くした吸水性物品をつくったので
は、種々の問題を生じるであろう。吸水性樹脂量を多く
することでコンパクトで薄型の吸水性物品を作成しよう
とすると、従来吸水性樹脂の固定化の役目をしていた繊
維状マトリックスが少ない、あるいはなくなったりす
る。その際、吸水性樹脂が吸液、膨潤というその役目を
果たす時点まで、該樹脂を所定の位置に固定化すること
が困難となったり、あるいは吸水性物品の使用直前まで
はなんとか固定化できても、吸水性樹脂が吸液、膨潤し
てゲル化した時点で、ゲルの移動を防止することができ
なくなったりする。また吸水性樹脂を基材に付与して固
着化処理を行う方法においては、得られる複合体の強度
が不十分で、ゲルの移動を防止することができなかった
り、十分に固着化された場合には、吸水容量が低くなっ
たりした。また、複数のセル中に吸水性樹脂を配置する
方法では、吸水性物品の使用前の樹脂の移動を小さくす
るためにはセルのサイズを小さくする必要があり、その
際には吸水容量が小さくなる。また、多くのセルを形成
する工程は必ずしも生産性が高くない。
【0008】さらにまた、吸水性樹脂の吸水速度は木材
パルプフラッフに比べて一般に小さく、実使用時に吸水
性物品に適用される流体の速度に対応できない。したが
って、木材パルプフラッフのような繊維状マトリックス
が、吸水性物品に適用される流体の一次貯蔵層として機
能しているのが現状である。したがって、吸水性樹脂濃
度を高くするためには、すなわち繊維状マトリックスを
少なくするためには、吸水性樹脂の吸水速度を大きくす
る必要があった。吸水性樹脂の吸水速度を大きくする一
般的な方法は、吸水性樹脂のサイズを小さくすることで
ある。サイズを小さくした吸水性樹脂を濃度高く用いた
吸水性物品は、これを実際に使用する際に、吸液し、膨
潤した吸水性樹脂のゲルが、透水性シートを通過して出
てくるという問題があった。
【0009】本発明者らは、吸水性樹脂に特定量の水分
を与えた吸水性材料が、著しく大きい吸水速度を有する
ことを見出だし、特に吸水性樹脂粒子100重量部を支
持体上に、厚みを約0.3〜5mmに規制して面状に流
展し、この面状を保持しながら、水および/または水蒸
気15〜150重量部を加えて接触させることにより得
られるシート状の吸水性材料が、吸水性樹脂濃度を高く
した薄くコンパクトな吸水性物品を得るための材料とし
て好適であることを見出した(特願平5−1550
号)。
【0010】しかしながら、吸水性樹脂と水とからなる
吸水性材料は、低湿度雰囲気下で容易に水分を失い、そ
の吸水速度も含水率の低下にともない小さくなった。
【0011】一方、吸水性物品、特に使い捨ておむつを
一つづつ包装したものは公知である。例えばドレミ(王
子製紙株式会社製)は、少ない吸水性樹脂と多くの木材
パルプフラッフからなる使い捨ておむつをプラスティッ
クフィルムで覆い、これを減圧することによっておむつ
を圧縮し、見掛けの厚みを小さくしたものであった。こ
のものは、使用時に袋からおむつを取り出しても圧縮さ
れたパルプが元の厚みに復元せず、ゴワゴワして使用感
の悪いものであった。
【0012】
【本発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
の目的は、薄くコンパクトでありながら、従来の吸水性
物品と同等以上の吸水性能(吸水容量および吸水速度)
を有し、しかも低湿度雰囲気下でもその性能を損わない
吸水性物品を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、柔軟性が高く、体に
よくフィットするとともに、使用感に優れた吸水性物品
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記諸目的は、吸水性樹
脂材料を配した吸液層を、少なくとも片面側を透水性シ
ートにより形成した袋体の内部に収納してなる吸水性物
品であって、該吸水性樹脂材料が吸水性樹脂および水か
らなり、かつ該吸水性物品が水分不透過性フィルムで密
封されていることを特徴とする吸水性物品により達成さ
れる。
【0015】本発明はまた、該吸水性樹脂材料が、厚み
が0.3〜5mmのシート状態であって、該シート状態
は吸水性樹脂粒子同士の接着に起因したものである前記
吸水性物品である。本発明はさらに、該吸水性樹脂材料
が1000cm2 の面積当り3〜15個の割合でポイン
ト固定が施されたものである前記吸水性物品である。本
発明はまた、該吸水性樹脂材料が、吸水性樹脂100重
量部および水5〜150重量部の割合でなる前記吸水性
物品である。
【0016】
【作用】本発明に用いられる吸水性樹脂材料は、吸水性
樹脂と水とからなる。吸水性樹脂が水分を含有すること
により、そうでない場合に比べ、著しく吸水速度が向上
するのである。好ましくは、吸水性樹脂100重量部に
対し、水5〜150重量部の割合である。150重量部
をこえる水の量では吸水性樹脂材料中の吸水性樹脂含量
が低くなり、得られる吸水性樹脂材料の吸水量が低くな
るとともに、吸水性樹脂材料の強度が弱くなることがあ
る。一方、5重量部未満の水の量では、吸水速度の向上
が小さくなったりする。より好ましい水の量は15〜1
00重量部の範囲であり、20〜80重量部の範囲がさ
らに好ましい。
【0017】本発明に用いられる吸水性樹脂材料は、吸
水性物品の包装、輸送、保存等の工程において吸水性樹
脂の移動、偏りを防止するためにシート状物であること
が好ましい。シート状物とは、少なくとも一部が連続す
る面を有していればよく、例えば任意の形状の貫通孔を
複数個有しているシートでもよい。またウェーブがかか
っていたり、ヒダ状であってもよい。好ましくは片面
(表面あるいは裏面)が、5cm2 以上、より好ましく
は10cm2 以上、さらに好ましくは15cm2以上の
面積を有するものである。このようなシート状物は、従
来公知のシート状物、例えば吸水性樹脂を複数のシート
層間に定着させたもの、吸水性樹脂とバインダーを布あ
るいは紙等のシートに積層したもの、吸水性樹脂と繊維
をシート状に形成したものであってもよい。好ましく
は、厚みが0.3〜5mmのシート状態であって、該シ
ート状態は吸水性樹脂粒子同士の接着に起因するシート
状物である。このようなシート状の吸水性樹脂材料は、
吸水性樹脂粒子100重量部に対して水15〜150重
量部が配合された吸水性材料であって、該吸水性材料
は、厚みが約0.3〜5mmのシート状態であって、該
シート状態は前記吸水性樹脂粒子同士の接着に起因した
ものである吸水性樹脂材料(特願平5−206420
号)、吸水性樹脂粒子100重量部に対して水15〜1
50重量部、および水不溶性微粒子、界面活性剤および
繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の吸水助剤
0.1〜10重量部が配合された吸水性材料であって、
該吸水性材料は、厚みが約0.3〜5mmのシート状態
であって、該シート状態は前記吸水性樹脂粒子同士の接
着に起因したものである吸水性樹脂材料(特願平5−2
06420号)、前記のいずれかの吸水性樹脂材料の少
なくとも片面に水透過性シートを配してなる積層吸水性
材料(特願平5−206420号)、吸水性樹脂粒子1
00重量部に対して水不溶性微粒子、界面活性剤および
繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の吸水助剤
0.1〜10重量部、水3〜30重量部および多価アル
コール5〜50重量部が配合された吸水性材料で、該吸
水性材料は、厚みが約0.3〜5mmのシート状態であ
って、該シート状態は前記吸水性樹脂粒子同士の接着に
起因したものである吸水性樹脂材料(特願平5−320
196号)等がある。
【0018】また、吸水性樹脂粒子と親水性繊維とから
なる薄型のシート状物も好ましい。例えば、吸水性樹脂
粒子100重量部に対し、多価アルコールを1重量部以
上5重量部未満、水を3〜150重量部および親水性繊
維を1〜30重量部の割合で含有してなり、厚みが約
0.3〜5mmのシート状の吸水性樹脂材料(特願平5
−247931号)、吸水性樹脂粒子100重量部に対
し、多価アルコールを1重量部以上5重量部未満、水不
溶性微粒子を0.1〜10重量部、水を3〜150重量
部および親水性繊維を1〜30重量部の割合で含有して
なり、厚みが約0.3〜5mmのシート状の吸水性樹脂
材料(特願平5−247931号)等がある。
【0019】本発明に用いられる吸水性樹脂材料は、薄
型の吸水性物品を得ることが本発明の目的であり、薄型
であることが好ましい。吸水性樹脂材料は、0.3〜5
mmの厚みであることが好ましく、0.3〜4mmの厚
みであることがより好ましく、0.3〜3mmの厚みで
あることがさらに好ましい。吸水性材料の厚みが0.3
mm未満では、得られる吸水性物品の吸水容量が小さく
なる場合がある。
【0020】上述のようなシート状の吸水性樹脂材料を
用いることにより、吸水性物品の使用前、すなわち包
装、輸送および保存の工程において吸水性樹脂の移動お
よび偏りを防止することができ、さらに単位面積当たり
の吸水性樹脂の使用量を多くすることができるため、従
来の吸水性物品と同等以上の吸水性能を有しながら、薄
くコンパクトな吸水性物品をつくることが可能になる。
本発明の吸水性材料は、通常1g/m2 〜2000g/
2 、好ましくは100g/m2 〜1500g/m2
より好ましくは300g/m2 〜1000g/m2 の吸
水性樹脂を含有するものである。
【0021】本発明に用いる吸水性樹脂は、水を吸収し
て体積膨脹を起こすものであれば特に制限はないが、紙
や木材パルプフラッフに比べ単位重量当たりの吸水容量
の大きいものが好ましい。例えば、生理食塩水の吸水倍
率が15g/g以上、好ましくは20g/g以上、特に
30〜60g/gである。このような吸水性樹脂は、一
般に水溶性不飽和単量体を重合させることにより得られ
る。これらの水溶性不飽和単量体の例としては、(メ
タ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロ
トン酸、イタコン酸、2−(メタ)アクリロイルエタン
スルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホ
ン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、等のアニオン性単量体やその塩;(メタ)アクリル
アミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、等のノニオン性親水性基含有単
量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、等のアミノ基含有不飽和単量体やそれらの
4級化物等を具体的に挙げることができる。また得られ
る含水ゲル状重合体の親水性を極度に阻害しない程度の
量で、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等
のアクリル酸エステル類や酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等の疎水性単量体を使用してもよい。単量体成分と
してはこれらのうちから1種または2種以上を選択して
用いることができるが、最終的に得られる吸水性樹脂の
吸水諸特性を考えると(メタ)アクリル酸(塩)、2−
(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸(塩)、2−
(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸(塩)、(メタ)アクリルアミド、メトキシポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレートまたはその4級化
物からなる群から選ばれる1種以上のものが好ましく、
さらに(メタ)アクリル酸(塩)を必須成分として含む
ものがさらに好ましい。この場合(メタ)アクリル酸の
30〜90モル%が塩基性物質で中和されているものが
最も好ましい。
【0022】本発明に用いる吸水性樹脂は、架橋剤を使
用せずに得られる自己架橋型のものでも、重合性不飽和
基および/または反応性官能基を有する架橋剤を得られ
る吸水性樹脂粒子の諸特性が所望の基準に達する範囲で
用いて得られるものでもよい。
【0023】これらの架橋剤の例としては、例えばN,
N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)
エチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセリン
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリアリルアミン、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、(ポリ)グリセリン、プロ
ピレングリコール、ジエタノールアミン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、(ポリ)エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロー
ルポリグリシジルエーテル、エピクロルヒドリン、エチ
レンジアミン、ポリエチレンイミン、(ポリ)塩化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、硫酸マ
グネシウム等を具体的に挙げることができ、これらのう
ち反応性を考慮して、1種または2種以上を用いること
ができる。
【0024】また吸水性樹脂を得るにあたっては、デン
プン、セルロース、ポリビニルアルコール等の親水性高
分子の存在下で上記単量体成分を重合させることによっ
て、重合と同時にグラフト結合やコンプレックスを形成
させてもよい。
【0025】これらの単量体成分を重合させるにあた
り、重合開始剤として、過硫酸アンモニウム、過硫酸カ
リウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、2,2´−アゾビス−アミジノプロパン二塩酸塩等
のラジカル重合開始剤を用いればよい。
【0026】これらの吸水性樹脂は、単独または2種あ
るいはそれ以上の混合物の形で使用される。
【0027】本発明に用いられる吸水性樹脂は、本発明
の目的が達成できる程度の粒子状であることが好まし
く、その大きさは特に限定されない。一般に粒子サイズ
がある程度小さい方が得られる吸水性物品の吸水速度は
大きくなる傾向がみられるが、取扱い性の点および吸液
ゲル化した後の通液性の点であまり細かい粒子は好まし
くない。一方、1000μmをこえる粒子の量が限度を
こえて多くなると、吸水性物品の吸水速度が小さくな
る。したがって、吸水性樹脂粒子は、1000μmより
も大きな粒子を実質的に含まず、かつ30μm以下の粒
子が10%以下である粒度分布を有することが好まし
く、850μmよりも大きな粒子を実質的に含まず、か
つ30μm以下の粒子が5%以下である粒度分布を有す
ることがより好ましい。
【0028】本発明において袋体を形成する材料として
は種々のものが使用できる。例えば、透水性シートとし
ては不織布、紙、織物、編物、綿等の繊維質シート等が
ある。不織布としてはポリアミド、ポリエステル、レー
ヨン、アクリル等の合成繊維より作られたもの、織布、
編布には上記のような合成繊維、コットン、ウール、
麻、ジュート、毛等が用いられる。吸水性物品を密封す
る水分不透過性のフィルムとしては、例えばナイロン−
6、ナイロン6,6、ナイロン−12等のポリアミド;
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン等のポリエチレン;ポリプロピレン;ポリスチ
レン;ポリ塩化ビニリデン;ポリ塩化ビニル;セロハ
ン;フッ素系プラスチック等を挙げることができる。中
でも、水蒸気の透過速度の小さいものが好ましい。その
厚みは0.001〜1mm、好ましくは0.005〜
0.5mmである。
【0029】このような袋体は、いずれをも周縁部をヒ
ートシール、超音波シール、接着等によりシールするこ
とにより得られる。
【0030】本発明において、吸水性樹脂材料がシート
状物である場合はポイント固定することが望ましい。ポ
イント固定とは、シート状物を収納した袋体を構成する
シート間を直接あるいはいくらかの介在物を隔てて、全
面固着、広面積にわたる連続固着面を形成させることな
く、比較的狭い面積で固着を行うことを意味する。例え
ば点状接着、線状接着、幅の狭い面状接着等がこれに相
当する。好ましくは点状接着である。このポイント固定
は、該シート状物1000cm2 の面積当たり3〜15
個の割合でポイント固定を施すことが好ましい。1個当
たりの該接着面積は、ポイント固定の位置および数によ
って異なるが、通常3cm2 以下、好ましくは0.05
〜2cm2 、より好ましくは0.1〜1.5cm2 であ
る。ポイント固定の位置の吸水性樹脂はあらかじめ除い
てあるか、除いてない場合でもポイント固定の位置では
膨潤できない。またポイント固定の形状はとくに制限さ
れない。
【0031】本発明の目的である使用時に型崩れしない
吸水性物品を得るためのポイント固定の数は、ポイント
固定の配置の仕方、吸水性材料の大きさ、袋体の大き
さ、袋体の形状によって異なる。一般に、ポイント固定
の数を多くすることによって、使用時に吸水性樹脂が吸
液し膨潤したゲルの移動を小さくすることができ、型崩
れしにくくできるが、吸水性物品の吸水容量が小さくな
ってしまう。驚くべきことに、使い捨ておむつのような
比較的サイズの大きい吸水性物品に本発明を適用する場
合においても、比較的少ないポイント固定の数で、本発
明の目的、すなわち大きい吸水容量を有し、使用時にゲ
ルの移動を防止することができ、型崩れしない吸水性物
品を得ることができた。すなわちポイント固定の数は、
シート状物1000cm2 の面積あたり3〜15個の割
合であり、4〜12個の割合が好ましく、4〜10個の
割合がより好ましい。
【0032】上述のように、ポイント固定の数を多くす
ることによって、ゲルの移動を小さくすることができ、
型崩れしにくくできるが、吸水性物品の吸水容量が小さ
くなってしまう。袋体が吸水できる最大容量(Vml)
とポイント固定の数(n)の比の値(V/n)が、10
0〜1000、特に150〜800の範囲であることが
好ましい。この比の値が100未満であると得られる吸
水性物品の吸水容量が小さくなり過ぎ、1000を越え
る値であると吸液したゲルの移動を十分に防止できない
ことがある。
【0033】本発明において、ポイント固定の位置はと
くに制限されないが、ポイント固定の数、吸水性材料の
大きさ、袋体の大きさ、袋体の形状によって適する配置
が異なる。袋体の平面図において、各々のポイント固定
を中心とし、各々のポイント固定から吸水性材料の周辺
までの最短距離を半径とする円を描いたときに、その円
の面積の合計(円が重なりあうときは、重なった部分の
面積は重複してカウントしない)と吸水性材料の平面図
における面積との差が小さくなるようにポイント固定を
配置することが好ましい場合がある。
【0034】本発明において、ポイント固定の方法はと
くに限定されず、従来公知の方法を用いることができ
る。例えば、袋体を直接、熱あるいは超音波によって溶
融して接着させる方法、接着剤を用いる方法および熱可
塑性樹脂を介在せしめ、該樹脂の軟化点以上の温度で熱
圧し樹脂の溶融によって固着せしめる方法等が挙げられ
る。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】参考例1 吸水性樹脂粒子(A)の合成例 内容積10リットル、シグマ型羽根を2本有するジャケ
ット付きステンレス製ニーダーに、アクリル酸ナトリウ
ム75モル%とアクリル酸25モル%とからなる単量体
の水溶液5500g(モノマー濃度38%)と、架橋剤
としてのトリメチロールプロパントリアクリレート3.
5g(対単量体0.05モル%)とを投入し、窒素ガス
を吹き込み反応系内を窒素置換した。ジャケットに35
℃の温水を通じて加温し、シグマ型羽根を40rpmで
回転攪拌させながら、重合開始剤として過硫酸ナトリウ
ム2.8gとL−アスコルビン酸0.1gを添加し、重
合を開始させた。重合反応は1時間行った。反応終了
後、細分化された含水ゲル状重合体を目開き0.3mm
の金網上に広げ、160℃で1時間乾燥した。得られた
乾燥物(ppA)をハンマーミルで粉砕し、850μm
を通過する吸水性樹脂粒子(pA)を得た。吸水性樹脂
粒子(pA)100重量部を、グリセリン1重量部、水
2重量部およびイソプロパノール1重量部からなる水性
混合液と混合した。得られた混合物を、オイルバス(1
95℃)に漬けられたボウルに投入し、攪拌下で45分
間熱処理し、850μmを通過する吸水性樹脂粒子
(A)を得た。
【0037】吸水性樹脂粒子(A)15gと水不溶性の
微粒子状シリカ(アエロジル200、日本アエロジル株
式会社製)0.15gとを混合し、得られた混合物を1
50×300mmのヒートロンペーパーGS22(南国
パルプ工業株式会社製)上に均一に広げた。この時、吸
水性樹脂粒子(A)および微粒子状シリカの混合物は約
0.5mmの厚みで平面状に流展された状態であった。
このものを45℃、相対湿度80%の恒温恒湿器に放置
した。150分後に6.1gの水分が吸水性樹脂粒子
(A)に与えられ、シート状の吸水性樹脂がヒートロン
ペーパーに載った吸水性樹脂材料が得られた。得られた
吸水性樹脂材料のうえに150×300mmの紙(目付
け15g/m2 )を載せ、手で軽く押さえた。このよう
にしてシート状の吸水性樹脂がヒートロンペーパと紙に
挟持された吸水性樹脂材料(1)が得られた。
【0038】実施例1 市販の使い捨ておむつピンポンパンツLサイズ(株式会
社 資生堂)のポリエチレンフィルムからなる防水材シ
ートの中央を縦方向に切断し、吸水性樹脂、綿状パルプ
および吸水紙からなる吸収体を取り除いた。このように
して得られた使い捨ておむつのシャシーに、吸水性樹脂
材料(1)の紙側がシャシーの表面材(ポリプロピレン
不織布)側にくるように組み込み、防水材シートの切れ
目を粘着テープで塞いだ。この際、吸水性樹脂材料
(1)の先端はシャシーが形成する袋体の端から50m
mの位置に固定した。得られたおむつをポリエチレンフ
ィルムで密封し、吸水性物品(1)を得た。得られた吸
水性物品(1)を下記の方法で評価し、結果を表1に示
した。
【0039】吸水性物品評価方法 吸水性物品(1)を25℃−相対湿度40%の雰囲気下
に24時間放置した。一方、体重10kgの幼児をもと
にした、排尿管を備えたベビーモデルを作成した。低湿
度条件下に放置した吸水性物品(1)からおむつを取出
し上記ベビーモデルに装着し、人工尿を50ml/10
secの速度で排出させた。人工尿の組成は、KCl
2.0g/リットル; Na2 SO4 2.0g/リッ
トル;(NH4 )H2 PO4 0.85g/リットル;
(NH4 2 HPO4 0.15g/リットル; C
aCl2 0.19g/リットル; MgCl2 0.
23g/リットルである。50分後に同様の排尿操作を
行い、人工尿が吸水性物品から漏れ出るまでに吸収され
た人工尿の量により尿漏れを評価した。
【0040】比較例1 実施例1において、ポリエチレンフィルムで密封する操
作を行わない以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し
た。得られた比較吸水性物品(1a)を実施例1と同様
の方法で評価し、結果を表1に示した。
【0041】実施例2 参考例1で得られた吸水性樹脂材料(1)を長辺方向に
二等分する線分上で、該線分を4等分する点、3点を中
心にして、それぞれ直径15mmの円形をくりぬき、吸
水性樹脂材料(2)を得た。以後の操作は実施例1と同
様の操作を繰り返し、前述の吸水性樹脂材料(2)をシ
ャシーに組み込んだ。さらに、吸水性樹脂材料(2)の
くりぬき部分に対応する位置にある防水材シート上に、
接着剤を直径10mmに塗布し、表面材と防水材シート
を直接固着した。防水材シートの切れ目を粘着テープで
塞ぎ、得られたおむつをポリプロピレンフィルムで密封
し、吸水性物品(2)を得た。得られた吸水性物品
(2)を実施例1と同様の方法で評価し、結果を表1に
示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明による吸水性物品は、前記のごと
き構成を有しているので、薄くコンパクトでありなが
ら、従来の吸水性物品と同等以上の吸水性能(吸水容量
および吸水速度)を有し、しかも低湿度雰囲気下でもそ
の性能を損わず、さらに柔軟性が高く、体によくフィッ
トするとともに、使用感に優れている。したがって、使
い捨ておむつ、失禁パッド、生理用品等に好適である。
【0044】本発明の吸水性物品は、尿、経血のような
体液をはじめ、肉、魚あるいは果物、野菜等食品の汁等
の多くの流体を吸収するのに好適であり、おむつ、失禁
用品、ベッドパットのような製品、生理用ナプキンのよ
うな生理用品およびタオル、包帯、食品用鮮度保持シー
トのような製品に適用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 20/26 D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性樹脂材料を配した吸液層を、少な
    くとも片面側を透水性シートにより形成した袋体の内部
    に収納してなる吸水性物品であって、該吸水性樹脂材料
    が吸水性樹脂および水からなり、かつ該吸水性物品が水
    分不透過性フィルムで密封されていることを特徴とする
    吸水性物品。
  2. 【請求項2】 該吸水性樹脂材料が、厚みが0.3〜5
    mmのシート状態であって、該シート状態は吸水性樹脂
    粒子同士の接着に起因したものである請求項1に記載の
    吸水性物品。
  3. 【請求項3】 該吸水性樹脂材料が1000cm2 の面
    積当り3〜15個の割合でポイント固定が施されたもの
    である請求項1または2に記載の吸水性物品。
  4. 【請求項4】 該吸水性樹脂材料が、吸水性樹脂100
    重量部および水5〜150重量部の割合でなる請求項1
    〜3のいずれかに記載の吸水性物品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009113678A1 (ja) * 2008-03-13 2009-09-17 株式会社日本触媒 吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤の製造方法

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