JPH07231895A - 超音波治療装置 - Google Patents

超音波治療装置

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JPH07231895A
JPH07231895A JP6025235A JP2523594A JPH07231895A JP H07231895 A JPH07231895 A JP H07231895A JP 6025235 A JP6025235 A JP 6025235A JP 2523594 A JP2523594 A JP 2523594A JP H07231895 A JPH07231895 A JP H07231895A
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ultrasonic
ultrasonic wave
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drive
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JP6025235A
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English (en)
Inventor
Yuji Yanagida
祐司 柳田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は焦点の大きさを被治療体に応じ
て変化させることができる超音波治療装置を提供するこ
とである。 【構成】本発明は、超音波を集束させて焦点を形成し、
上記焦点に配置された被治療体を治療する超音波治療装
置において、発生する超音波の周波数を変更できる複数
の超音波発生素子2と、複数の超音波発生素子2から超
音波を発生させるために複数の超音波発生素子2に駆動
信号を供給するパルサ6と、焦点の大きさを変更するた
めにパルサ6の駆動により複数の超音波発生素子2から
発生する超音波の周波数を変更する手段とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波を集束させて、
その焦点にある被治療体を治療する超音波治療装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の超音波治療装置の治療用
アプリケータには、同一の共振周波数を有する複数の圧
電素子が装備されている。図8には、1チャンネルに相
当する1つの圧電素子とそれを駆動するパルスドライバ
が示されている。圧電素子100の共振周波数は材料特
性が一定であれば超音波の放射方向に沿った厚さdに依
存する。そして、電気信号から超音波への変換効率を最
適にするために、パルスドライバ110は共振周波数に
等しい周波数の駆動信号を圧電素子100に供給する。
周知のように、超音波の伝播減衰は、波長の長さ、つま
り周波数に大きく依存する。したがって、治療用アプリ
ケータは、それに装備された圧電素子の厚さdに応じた
一定の大きさで、焦点、つまり一定以上の音圧を示す領
域を形成する。
【0003】一定の大きさの焦点では、大きさや形状が
症例によって異なり、また同症例においても治療の進行
に応じて大きさや形状が変化する被治療体を、効果的に
治療できず、また被治療体周辺の健常部を破壊してしま
う危険性がある。このため、従来では、厚さの異なる圧
電素子が装備された複数種類の治療用アプリケータが被
治療体の大きさに応じて選択的に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、焦点の大きさを被治療体に応
じて変化させることができる超音波治療装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、超音波を集束
させて焦点を形成し、前記焦点に配置された被治療体を
治療する超音波治療装置において、発生する超音波の周
波数を変更できる複数の超音波発生素子と、前記複数の
超音波発生素子から超音波を発生させるために前記複数
の超音波発生素子に駆動信号を供給する駆動手段と、前
記焦点の大きさを変更するために前記駆動手段の駆動に
より前記複数の超音波発生素子から発生する超音波の周
波数を変更する手段とを具備することを特徴とする超音
波治療装置である。
【0006】
【作用】本発明によれば、超音波発生素子から放射され
る超音波の周波数を変化させることができる。したがっ
て、超音波の周波数が変化すると、これに応じて焦点の
大きさが変化される。周波数の変化に伴って焦点の大き
さが変化することは、日刊工業新聞社発行の超音波技術
便覧にも掲載されている。つまり、曲率半径A、開口径
aの球殻振動子において形成される焦点面音場で、音圧
が所定値(例えば0)以下になる点の音軸からの距離d
は、超音波の波長をλとして、αを定数とすると、 d=α・λ・A/a …(1) で表される。
【0007】また波長λは周波数f及び音速Cに対し
て、 λ=C/f …(2) で表されるので、(2)式を(1)式に代入すると、 d=α・C・A/f・a …(3) の関係が導かれる。したがって、超音波の周波数が高く
なると、これに反比例して焦点が小さくなり、また超音
波の周波数が低くなると、これに反比例して焦点が大き
くなる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1には以下順次説明する全実施例に共通する超
音波治療装置の基本構成を示すブロック図である。治療
用アプリケータ1には、複数の超音波発生素子2が傘状
に配置されている。複数の超音波発生素子2から放射さ
れた超音波は、傘の曲率にしたがって集束し、焦点Fが
形成される。焦点Fに配置された被治療体が治療され
る。ここでいう焦点Fとは、点ではなく、一定以上の音
圧を示す領域のことをいう。
【0009】治療用アプリケータ1の中央部は切り抜か
れ、そこに治療の際の位置確認のためのBモード用プロ
ーブ3が挿入される。Bモード用プローブ3は焦点付近
の断面を超音波ビームで電子的に走査する。患者体内で
反射された反射波はBモード用プローブ3で受信され
る。この受信信号は超音波診断装置4に取り込まれる。
超音波診断装置4は受信信号を用いて断層像を生成す
る。この断層像は、モニタ5に表示される。
【0010】複数の超音波発生素子2には個々にパルサ
6が接続される。パルサ6には、DC電源としての低電
圧源7と高電圧源8がスイッチ9を介して選択的に接続
される。パルサ6は、低電圧源7または高電圧源8の電
圧をコンデンサで充電し、この充電電荷をスイッチング
素子を介して放電し、超音波発生素子2のインダクタン
ス成分を有する共振回路を介して駆動電圧を複数の超音
波発生素子2に一斉に印加する。
【0011】患者体内で反射された反射波は複数の超音
波発生素子2で受信される。これらの受信信号は受信回
路10に取り込まれ、そこで加算される。この加算信号
は、表示用出力回路12に送られ、モニタに表示され
る。また、受信回路10からの加算信号は、エコーレベ
ル判定回路11にも供給される。エコーレベル判定回路
11では、加算信号はその強度(エコーレベル)が、閾
値設定回路13で設定された閾値と比較される。エコー
レベル判定回路11は、エコーレベルが閾値に達したと
きに、スイッチ9を低電圧源7側から高電圧源8側に切
り換える。2種の低電圧源7と高電圧源8を設けた理由
は次の通りである。一般に、被治療体は、心臓の拍動や
呼吸態動の影響を受けるので同じ位置に停止していない
で、周期的に焦点Fからずれる。被治療体が焦点Fに一
致したタイミングで、エネルギーレベルの高い超音波
(治療波)を発生させたい。一般に、被治療体からの反
射波は、他の部分からの反射波より強度が高い。この性
質を利用して、低電圧源7による低エネルギーの超音波
で、焦点Fと被治療体との位置関係を監視し、この強度
が一定の閾値に達したタイミング、つまり焦点Fに被治
療体が一致したタイミングで高電圧源8により高エネル
ギーの超音波を放射させる。
【0012】図2には第1実施例による超音波治療装置
の主要部、つまり1チャンネルを構成する所定数(ここ
では1つ)の超音波発生素子2およびパルサ6と、その
周辺部分の構成とが示されている。超音波発生素子2
は、超音波が放射される振動方向(厚さ方向)に沿っ
て、同じ厚さd又は異なる厚さの複数、ここでは4つの
圧電素子21〜24が積層され、各圧電素子21〜24
の背面には正電極層25〜28が装着されてなる。ま
た、最も前方の圧電素子21の表面には、接地された負
電極層29が装着される。この負電極層29の表面に
は、図示しない音響整合層がコーティングされている。
なお、これら4つの圧電素子21〜24を1つの圧電素
子として見た場合に、4つの圧電素子21〜24は、厚
さ方向に同じ向きに背面側で4つに分極された1つの圧
電素子であると換言される。
【0013】パルサ6は、圧電素子数、換言すると分極
数分(ここでは4つ)のパルスドライバ31〜34を有
する。パルスドライバ31〜34は、各々異なる正電極
層25〜28に接続され、またセレクタ35を介してス
イッチ9の固定端子に択一的に接続される。つまり、セ
レクタ35によりパルスドライバ31〜34が択一的に
起動され、起動されたパルスドライバに応じて超音波発
生素子2の厚さが実質的に変化する。
【0014】ところで(4)式のように、超音波発生素
子2(圧電素子)の共振周波数fは、厚さdに対して反
比例の関係にある。 f=α×(1/d)、ただし、αは定数 …(4) ここで、圧電素子21〜24それぞれの厚さを、d21、
d22、d23、d24とする。パルスドライバ31が起動さ
れた場合、超音波発生素子2の厚さdは、圧電素子21
の厚さd21に同じであり、またこのときの共振周波数は
f21になる。パルスドライバ32が起動された場合、超
音波発生素子2の厚さdは、圧電素子21と圧電素子2
2との厚さの合計d21+d22に変化し、これに応じて共
振周波数もf22に変化する。パルスドライバ33が起動
された場合、超音波発生素子2の厚さdは、圧電素子2
1,22,23の厚さの合計d21+d22+d23に変化
し、これに応じて共振周波数もf23に変化する。パルス
ドライバ34が起動された場合、超音波発生素子2の厚
さdは、圧電素子21,22,23,24の厚さの合計
d21+d22+d23+d24に変化し、これに応じて共振周
波数もf24に変化する。
【0015】このように、セレクタ35により選択され
るパルスドライバに応じて超音波発生素子2(圧電素
子)の共振周波数fがf21,f22,f23,f24で段階的
に変化する。パルスドライバ31〜34の各駆動周波数
は、各々対応する共振周波数f21,f22,f23,f24に
一致するように決定される。
【0016】また正電極層25〜28各々は、セレクタ
36を介して受信回路10に択一的に接続される。セレ
クタ35とセレクタ36は、焦点サイズを選択するため
の図示しない焦点サイズ選択入力手段の動きに連動して
いる。オペレータによる焦点サイズ選択入力手段の操作
により、所望する焦点サイズが選択される。焦点の大き
さは、超音波の周波数、つまり共振周波数fに依存す
る。圧電素子21〜24それぞれの厚さd21、d22、d
23、d24は、好ましい複数種類、ここでは4種類の焦点
の大きさにしたがって、個々に設定される。
【0017】次に本実施例の動作について説明する。焦
点サイズ選択入力手段のオペレータによる操作により所
望の焦点サイズが選択され、これにセレクタ35が従動
する。これによりパルスドライバ31〜34が択一的
に、スイッチ9を介して低電圧源7又は高電圧源8に接
続される。例えばパルスドライバ33が選択されたとす
ると、パルスドライバ33は、低電圧源7または高電圧
源8の電圧をコンデンサで充電し、この充電電荷をスイ
ッチング素子を介して放電し、超音波発生素子2のイン
ダクタンス成分を有する共振回路を介してd21+d22+
d23の厚さに応じた共振周波数f23に一致する駆動周波
数の駆動信号で正電極層27を印加する。
【0018】この動作は全てのチャンネルに共通であ
り、全ての超音波発生素子2に一斉に駆動信号が印加さ
れ、全ての超音波発生素子2から一斉に共振周波数f23
に応じた周波数の超音波が放射され、この周波数に応じ
た大きさの焦点が形成される。
【0019】以上説明したように本実施例では、1つの
超音波アプリケータで異なる大きさの焦点を選択的に形
成することができる。図3には第2実施例による超音波
治療装置の主要部、つまり1チャンネルを構成する所定
数(ここでは1つ)の超音波発生素子2およびパルサ6
と、その周辺部分の構成とが示されている。図2と同じ
部分には同符号を付して説明は省略する。パルスドライ
バ41および受信回路10はセレクタ40を介して正電
極層25〜28と択一的に接続される。
【0020】パルスドライバ41としては、超音波発生
素子2が取り得る共振周波数f21,f22,f23,f24を
全て含む広い周波数帯域の駆動波形(駆動信号)を出力
するものが採用される。これにより超音波発生素子2の
共振周波数がf21,f22,f23とf24のいずれに選択さ
れても、パルスドライバ41からの駆動信号に共振して
超音波を発生することができる。焦点サイズ選択入力手
段のオペレータによる操作により所望の焦点サイズが選
択され、これにしたがって、パルスドライバ41がセレ
クタ40を介して正電極層25〜28のいずれかと択一
的に接続される。
【0021】パルスドライバ41は、低電圧源7または
高電圧源8の電圧をコンデンサで充電し、この充電電荷
をスイッチング素子を介して放電しさらに共振回路を介
して、周波数帯域の広い駆動信号で正電極層27を印加
する。この動作は全てのチャンネルに共通であり、全て
の超音波発生素子2に一斉に駆動信号が印加され、全て
の超音波発生素子2から一斉に、超音波発生素子2の実
質的な厚さに応じた共振周波数の超音波が放射され、こ
の周波数に応じた大きさの焦点が形成される。
【0022】以上説明したように本実施例では第1実施
例と同様に、1つの超音波アプリケータで異なる大きさ
の焦点を選択的に形成することができる。本実施例は、
1チャンネルにつき1つのパルスドライバで実現するこ
とができる。
【0023】図4には第3実施例による超音波治療装置
の主要部、つまり1チャンネルを構成する所定数(ここ
では1つ)の超音波発生素子2およびパルサ6と、その
周辺部分の構成とが示されている。図2と同じ部分には
同符号を付して説明は省略する。
【0024】本実施例では、超音波発生素子2として共
振帯域が広い圧電素子50が採用される。共振帯域が広
い圧電素子50は、圧電素子50の超音波発生側に装着
されている圧電素子50と生体間の音響特性を本来的に
整合するための音響整合層を、意図的に圧電素子50と
生体間の音響特性を非整合にする音響特性の材料で形成
することにより得られる。
【0025】圧電素子50の表面には接地された負電極
層52と、図示しない音響整合層が順番にコーティング
されている。圧電素子50の背面には正電極層51が装
着されている。正電極層51には、異なる駆動周波数を
有する複数、ここでは4つのパルスドライバ31〜34
が共通接続されている。パルスドライバ31〜34はセ
レクタ35を介して、低電圧源7又は高電圧源8と択一
的に接続される。
【0026】パルスドライバ31〜34のいずれかで駆
動された圧電素子50からは、パルスドライバ31〜3
4のいずれかの駆動周波数に一致する周波数の超音波を
放射する。
【0027】したがって本実施例でも先の第1実施例と
同様の効果を、単層の圧電素子50という簡単な構造で
奏することができる。図5には第4実施例による超音波
治療装置の主要部、つまり1チャンネルを構成する所定
数(ここでは1つ)の超音波発生素子2およびパルサ6
と、その周辺部分の構成とが示されている。
【0028】超音波発生素子2は、超音波が放射される
振動方向(厚さ方向)に沿って、同じ厚さd又は異なる
厚さの複数、ここでは2つの圧電素子60,61が正電
極層62を挟んで積層されている、なお、これら2つの
圧電素子60,61を1つの圧電素子として見た場合
に、2つの圧電素子60,61は、厚さ方向に逆向きに
それぞれ表面、背面で2つに分極された1つの圧電素子
であると換言される。前側の圧電素子60の表面には接
地された負電極層63が装着される。この負電極層60
の表面には、図示しない音響整合層がコーティングされ
ている。また、後側の圧電素子61の背面には、開閉ス
イッチ65を介して接地された負電極層64が装着され
る。
【0029】パルサ6は、圧電素子数、換言すると分極
数分(ここでは2つ)のパルスドライバ66,67を有
する。パルスドライバ66,67は、正電極層62に共
通接続され、またセレクタ68を介してスイッチ9の固
定端子に択一的に接続される。つまり、セレクタ68に
よりパルスドライバ66,67は選択的に、低電圧源7
又は高電圧源8に接続される。パルスドライバ66は、
圧電素子60の厚さに応じた共振周波数に一致する駆動
周波数を有する。パルスドライバ67は、圧電素子60
と圧電素子61の合計厚に応じた共振周波数に一致する
駆動周波数を有する。開閉スイッチ65とセレクタ68
は、図示しない焦点サイズ選択手段の操作にしたがって
連動する。開閉スイッチ65が開状態(オン)のとき、
セレクタ68はパルスドライバ66を低電圧源7又は高
電圧源8に接続する。開閉スイッチ65が閉状態(オ
フ)のとき、セレクタ68はパルスドライバ67を低電
圧源7又は高電圧源8に接続する。
【0030】開閉スイッチ65が開状態で、パルスドラ
イバ66が低電圧源7又は高電圧源8に接続されたと
き、圧電素子60のみ振動し、圧電素子60の厚さ応じ
た共振周波数でλ/2(λは波長)の超音波が放射され
る。開閉スイッチ65が閉状態で、パルスドライバ67
が低電圧源7又は高電圧源8に接続されたとき、圧電素
子60および圧電素子61が振動し、圧電素子60と圧
電素子61との合計厚に応じた共振周波数でλ/4(λ
は波長)の超音波が放射される。つまり、超音波発生素
子2の厚さが実質的に変化され、それに伴って超音波の
周波数も変化し、結果的に焦点の大きさも変化する。
【0031】圧電素子60の厚さがd1 、圧電素子61
の厚さがd1 の奇数倍d2 に設定することにより、超音
波発生素子2の共振周波数fをf1 と、f1 /2のいず
れかに設定できる。
【0032】周波数の変化に伴って焦点の大きさが変化
することは、日刊工業新聞社発行の超音波技術便覧にも
掲載されている。つまり、曲率半径A、開口径aの球殻
振動子において形成される焦点面音場で、音圧が所定値
(例えば0)以下になる点の音軸からの距離dは、超音
波の波長をλとして、αを定数とすると、 d=α・λ・A/a …(5) で表される。
【0033】また波長λは周波数f及び音速Cに対し
て、 λ=C/f …(6) で表されるので、(6)式を(5)式に代入すると、 d=α・C・A/f・a …(7) の関係が導かれる。したがって、超音波の周波数が高く
なると、これに反比例して焦点が小さくなり、超音波の
周波数が低くなると、これに反比例して焦点が大きくな
る。
【0034】したがって焦点の大きさも2種類のうちの
いずれかに選択することができる。このように本実施例
でも先の第1実施例と同様の効果を奏することができ
る。図6には第5実施例による超音波治療装置の治療用
アプリケータを焦点側から見た構造、および1チャンネ
ル分のパルサ6とその周辺部分の構成とが示されてい
る。
【0035】本実施例では、治療用アプリケータには、
例えば厚さの相違により共振周波数が相違する単層の複
数種類、ここでは2種類の圧電素子70と斜線で示す圧
電素子71とがそれぞれ同数ずつ均等に配置される。な
お、圧電素子70の共振周波数をf1 とし、圧電素子7
1の共振周波数をf2 として説明する。治療用アプリケ
ータの中心Oに関して、同心円状に同じ表面積の圧電素
子70と圧電素子71とが交互に配列され、さらにその
外側にやはり同心円状に同じ表面積の圧電素子70と圧
電素子71とが交互に配列されている。つまり、圧電素
子70だけを駆動して形成される焦点と同じ位置に、圧
電素子71だけの駆動による焦点が形成されるように、
圧電素子70と圧電素子71とが交互に配列されてい
る。
【0036】圧電素子70各々には圧電素子70の共振
周波数f1 に等しい駆動周波数に設定されたパルスドラ
イバ72が接続されている。圧電素子71各々には圧電
素子71の共振周波数f2 に等しい駆動周波数に設定い
されたパルスドライバ73が接続されている。パルスド
ライバ72とパルスドライバ73の一方が、セレクタ7
4を介して、低電圧源7又は高電圧源8に選択的に接続
される。また、圧電素子70,71の一方が、セレクタ
75を介して、受信回路10に選択的に接続される。セ
レクタ74はセレクタ75は連動して動作し、超音波を
放射した圧電素子70又は圧電素子71を受信回路10
に接続する。セレクタ74,75は、図示しない焦点サ
イズ選択手段のオペレータによる操作に従動して接続関
係を切り換える。
【0037】焦点サイズ選択手段の操作により、第1の
焦点サイズが選択されたとき、セレクタ74によりパル
スドライバ72が低電圧源7又は高電圧源8に接続され
る。パルスドライバ72は共振周波数f1 に一致する駆
動周波数で圧電素子70を駆動する。他のチャンネルの
パルスドライバ72も一斉に圧電素子70を駆動する。
これにより、全圧電素子70から放射された共振周波数
f1 の超音波が集束し、共振周波数f1 に応じた大きさ
の第1の焦点が形成される。
【0038】また、焦点サイズ選択手段の操作により、
第2の焦点サイズが選択されたとき、セレクタ74によ
りパルスドライバ73が低電圧源7又は高電圧源8に接
続される。パルスドライバ73は共振周波数f2 に一致
する駆動周波数で圧電素子71を駆動する。他のチャン
ネルのパルスドライバ73も一斉に圧電素子71を駆動
する。これにより、全圧電素子71から放射された共振
周波数f2 の超音波が集束し、共振周波数f2 に応じた
第1の焦点と異なる大きさの第2の焦点が形成される。
【0039】以上説明したように本実施例では第1実施
例と同様の効果を、共振周波数の異なる2種類の単層の
圧電素子を配列するという簡単な構造で奏することがで
きる。ただし、一斉駆動する圧電素子数、つまり表面積
が第1実施例の場合に比べて約1/2に減少するので、
第1実施例と同じ治療効果を期待するためには、電圧源
の出力レベルを高め、パルスドライバの耐圧性を向上さ
せる必要がある。
【0040】図7は本発明の第6実施例である。本実施
例は、焦点サイズ選択手段で選択された焦点の画像が断
層像に合成されて表示されることを特徴としたものであ
り、上述した全ての実施例に適用される。ここでは第1
実施例に適用した場合を例に説明する。
【0041】超音波診断装置4に接続されたメモリ80
には、選択可能な全ての大きさの焦点各々の焦点画像、
つまり描画する焦点の大きさが相違する複数種類の焦点
画像が保持されている。超音波診断装置4からのアドレ
ス信号にしたがってメモリ80から選択的に読み出され
た1枚の焦点画像は、超音波診断装置4で生成された断
層像に超音波診断装置4で合成され、モニタ5に表示さ
れる。したがって、オペレータは、被治療体に対する焦
点の大きさをモニタ5上で確認しながら、被治療体を治
療するのに最適な大きさの焦点を焦点サイズ選択手段の
操作により選択できる。
【0042】なお、超音波診断装置4は、セレクタ35
から入力するセレクト情報、つまりパルスドライバ31
〜34の中のいずれが低電圧源7又は高電圧源8に接続
され起動されたかという情報に基づいてアドレス信号を
生成する。勿論、アドレス信号は選択された焦点サイズ
を特定できる他の情報、例えば焦点サイズ選択手段の入
力情報にしたがって生成されてもよい。
【0043】本発明は上述した実施例に限定されず、種
々変形して実施可能である。例えば上述の説明では、結
石破砕装置を想定して記載したためパルス信号を出力す
るパルスドライバを構成要素としていたが、連続波やバ
ースト波を治療波とする超音波温熱治療装置であれば、
上述のパルスドライバが連続信号やバースト信号を出力
するドライバに置換されることになる。
【0044】
【発明の効果】本発明は、超音波を集束させて焦点を形
成し、上記焦点に配置された被治療体を治療する超音波
治療装置において、発生する超音波の周波数を変更でき
る複数の超音波発生素子と、上記複数の超音波発生素子
から超音波を発生させるために上記複数の超音波発生素
子に駆動信号を供給する駆動手段と、上記焦点の大きさ
を変更するために上記駆動手段の駆動により上記複数の
超音波発生素子から発生する超音波の周波数を変更する
手段とを具備することを特徴とする超音波治療装置であ
り、このような特徴により超音波発生素子から放射され
る超音波の周波数を変化させ、これにより焦点の大きさ
を変化させることができる。したがって、治療用アプリ
ケータを取り替えることなく焦点の大きさを被治療体に
応じて変化させて最適な治療効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波治療装置の基本構成図。
【図2】本発明に係る第1実施例の主要部の構成図。
【図3】本発明に係る第2実施例の主要部の構成図。
【図4】本発明に係る第3実施例の主要部の構成図。
【図5】本発明に係る第4実施例の主要部の構成図。
【図6】本発明に係る第5実施例の主要部の構成図。
【図7】本発明に係る第6実施例の主要部の構成図。
【図8】従来の超音波治療装置の主要部の構成図。
【符号の説明】
1…治療用アプリケータ、2…超音波発生素子、3…B
モード用プローブ、4…超音波診断装置、5…モニタ、
6…パルサ、7…低電圧源、8…高電圧源、9…スイッ
チ、10…受信回路、11…エコーレベル判定回路、1
2…表示用出力回路、13…閾値設定回路。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波を集束させて焦点を形成し、前記
    焦点に配置された被治療体を治療する超音波治療装置に
    おいて、 発生する超音波の周波数を変更できる複数の超音波発生
    素子と、 前記複数の超音波発生素子から超音波を発生させるため
    に前記複数の超音波発生素子に駆動信号を供給する駆動
    手段と、 前記焦点の大きさを変更するために前記駆動手段の駆動
    により前記複数の超音波発生素子から発生する超音波の
    周波数を変更する手段とを具備することを特徴とする超
    音波治療装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の超音波発生素子は圧電素子か
    らなり、発生する超音波の周波数を変更可能なように超
    音波の放射方向に沿った厚さが実質的に変化するもので
    あることを特徴とする請求項1記載の超音波治療装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の超音波発生素子は超音波の放
    射側から順番に第1〜第n(nは2以上の整数)の圧電
    素子が超音波の放射方向に沿って積層されてなり、前記
    第1〜第nの圧電素子各々の一面には正電極層が形成さ
    れ、前記第1の圧電素子の他面には接地された負電極層
    が形成されてなり、前記駆動手段は前記第1〜第nの圧
    電素子の正電極層各々に接続された第1〜第nの駆動要
    素を有し、第m(1以上、n以下の整数)の駆動要素は
    前記第1〜第mの圧電素子の合計厚さに応じた共振周波
    数に一致する駆動周波数の駆動信号を出力し、前記設定
    手段は前記第1〜第nの駆動要素を択一的に起動させる
    ことを特徴とする請求項2記載の超音波治療装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の超音波発生素子は超音波の放
    射側から順番に第1〜第n(nは2以上の整数)の圧電
    素子が超音波の放射方向に沿って積層されてなり、前記
    第1〜第nの圧電素子各々の一面には正電極層が形成さ
    れ、前記第1の圧電素子の他面には接地された負電極層
    が形成されてなり、前記駆動手段は前記第1〜第m(1
    以上、n以下の整数)の圧電素子の合計厚さに応じた共
    振周波数の全てを含む広い周波数帯域の駆動信号を出力
    し、前記設定手段は前記駆動手段から出力される駆動信
    号を前記第mの圧電素子の正電極層に供給させることを
    特徴とする請求項2記載の超音波治療装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の超音波発生素子は共振帯域の
    広い圧電素子であって、前記圧電素子の一面には接地さ
    れた負電極層が形成され、前記圧電素子の他面には正電
    極層が形成されてなり、前記駆動手段は前記圧電素子の
    正電極層に接続された第1〜第n(nは2以上の整数)
    の駆動要素を有し、前記第1〜第nの駆動要素は前記圧
    電素子の共振帯域内にあり且つ異なる駆動周波数の駆動
    信号を出力し、前記設定手段は前記駆動要素を選択的に
    起動することを特徴とする請求項1記載の超音波治療装
    置。
  6. 【請求項6】 前記複数の超音波発生素子は第1の圧電
    素子と第2の圧電素子とが正電極層を挟んで超音波の放
    射方向に沿って積層されてなり、前記第1の圧電素子の
    表面には接地された第1の負電極層が形成されてなり、
    前記第2の圧電素子の表面には開閉スイッチを介して接
    地された第2の負電極層が形成されてなり、前記駆動手
    段は前記正電極層に選択的に接続される第1の駆動要素
    と第2の駆動要素を有し、前記第1の駆動要素は前記第
    1の圧電素子の厚さに応じた共振周波数に一致する駆動
    周波数の駆動信号を出力し、前記第2の駆動要素は前記
    第1の圧電素子と前記第2の圧電素子との合計厚さに応
    じた共振周波数に一致する駆動周波数の駆動信号を出力
    し、前記設定手段は前記第1の駆動要素と前記第2の駆
    動要素とを選択的に前記正電極層に接続すると共に前記
    第1の駆動要素が前記正電極層に接続されているときは
    前記開閉スイッチを開放して前記第2の負電極層を非接
    地状態にして前記第1の圧電素子だけを振動させ、前記
    第1の駆動要素が前記正電極層に接続されているときは
    前記開閉スイッチを閉じて前記第2の負電極層を接地状
    態にして前記第1の圧電素子と前記第2の圧電素子を共
    に振動させることを特徴とする請求項2記載の超音波治
    療装置。
  7. 【請求項7】 異なる大きさの焦点の焦点画像を保持す
    る手段と、前記焦点付近の組織像を生成して表示すると
    共に、前記変更手段で変更された超音波の周波数に対応
    する焦点画像を選択的に読み出し前記組織像に合成して
    表示する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1
    記載の超音波治療装置。
  8. 【請求項8】 超音波を集束させて焦点を形成し、前記
    焦点に配置された被治療体を治療する超音波治療装置に
    おいて、 第1の周波数の超音波を発生する複数の第1の超音波発
    生素子と、第1の周波数と異なる第2の周波数の超音波
    を発生する複数の第2の超音波発生素子とが、前記第1
    の超音波発生素子だけから放射される超音波により形成
    される焦点と同じ位置に前記第2の超音波発生素子だけ
    から放射される超音波により焦点が形成されるように配
    置され、 前記第1の周波数に一致する駆動周波数の駆動信号を前
    記第1の超音波発生素子に供給する第1の駆動手段と、
    前記第2の周波数に一致する駆動周波数の駆動信号を前
    記第2の超音波発生素子に供給する第2の駆動手段と、
    前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段を選択的に起
    動する手段とが備えられたことを特徴とする超音波治療
    装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の超音波発生素子と前記第2の
    超音波発生素子とは同じ表面積を有し、同心円状に交互
    に配置されたことを特徴とする請求項8記載の超音波治
    療装置。
  10. 【請求項10】 異なる大きさの焦点の焦点画像を保持
    する手段と、前記焦点付近の組織像を生成して表示する
    と共に、前記変更手段で変更された共振周波数に対応す
    る焦点画像を選択的に読み出し前記組織像に合成して表
    示する手段をさらに備えることを特徴とする請求項8記
    載の超音波治療装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009516558A (ja) * 2005-11-23 2009-04-23 インサイテック・リミテッド 階層スイッチング式超高密度超音波アレイ
US8932237B2 (en) 2010-04-28 2015-01-13 Insightec, Ltd. Efficient ultrasound focusing
US9177543B2 (en) 2009-08-26 2015-11-03 Insightec Ltd. Asymmetric ultrasound phased-array transducer for dynamic beam steering to ablate tissues in MRI
US9852727B2 (en) 2010-04-28 2017-12-26 Insightec, Ltd. Multi-segment ultrasound transducers

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