JPH07231497A - オーディオ信号処理装置 - Google Patents

オーディオ信号処理装置

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Publication number
JPH07231497A
JPH07231497A JP6329892A JP32989294A JPH07231497A JP H07231497 A JPH07231497 A JP H07231497A JP 6329892 A JP6329892 A JP 6329892A JP 32989294 A JP32989294 A JP 32989294A JP H07231497 A JPH07231497 A JP H07231497A
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JP
Japan
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harmonic
signal
audio signal
circuit
frequency
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Application number
JP6329892A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Mori
智博 毛利
Yoshiaki Tanaka
美昭 田中
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広い周波数領域にわたり良好な高調波発生を
行って、効果的に音質を改善する。 【構成】 処理対象のオーディオ信号は、入力端子10
から4つの系統の信号路に分配される。第1の信号路で
は、無処理の後ミキシング回路12Bに供給される。第
2の信号路では、BPF14によって800Hz〜3K
Hzの成分が取り出され、高調波発生器20の微分回路
20Aによる微分,検波回路20Bによる検波によって
高調波信号が得られる。第3の信号路では、BPF1
6,高調波発生器22によって3〜6KHzの信号から
高調波が得られる。第4の信号路では、HPF18,高
調波発生器24によって6KHz以上の信号から高調波
が得られる。これらの高調波信号は、ミキシング回路1
2Aでミキシングされ、更にミキシング回路12Bで当
初のオーディオ信号に付加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオーディオ信号処理装置
にかかり、更に具体的には、音楽や音声などのオーディ
オ信号に高調波を付加するオーディオ信号処理装置の改
良に関する。
【0002】
【背景技術】ステレオなどのオーディオ装置においてオ
ーディオ信号を再生するときに、再生信号に高調波を付
加することによって再生音の音質を改善しようとする試
みがある。一般に、自然界の音は、単一の周波数で発す
ることは少なく必ず高調波を伴っており、これが人間に
とって心地よい音であったり、あるいは嫌な音であった
りする。
【0003】他方、ステレオなどのオーディオ装置は、
通常忠実に原音を再生することを目的としており、高調
波はむしろ余計なものと考えられている。このため、再
生音を自然音と比較したとき、場合によっては物足りな
さを感じることがある。そこで、高調波を付加して心地
よい音色を作るという処理手法が行われることになる。
【0004】ところで、このような高調波を付加する背
景技術としては、特開昭52-131701号,特開昭50-99717
号,特表平3-504072号,実開昭58-190698号がある。こ
れらのうち、特開昭52-131701号に開示された「電子的
に音を処理するための装置」を代表して説明すると、入
力信号は2つの信号路に分岐される。一方の信号路では
無処理であるが、他方の信号路では、ダイオードなどに
よるピーククリップによって高調波が発生する。この高
調波は、アッテネータによる振幅調整の後、一方の信号
路の信号に結合される。他の例も、ほぼ同様である。
【0005】更に、近年のオーディオ・ビジュアル分野
では、従来のステレオ再生から映像に合わせて動的に音
場を制御する方式,いわゆるサラウンド方式へと技術動
向が変化している。これに該当するものとしては、たと
えば米国特許第3746792号特許明細書に示されているド
ルビーサラウンドアクティブマトリクス方式の音場制御
装置や、特開平4-137999号公報に開示されているヘッド
ホン音場受聴装置が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような背景技術では、1系統の高調波発生手段が設けら
れているのみである。高調波発生手段としてはピークの
クリップや微分など各種のものがあるが、その動作は、
入力信号の中の大きな振幅の周波数成分に支配される。
例えば、信号中の低い周波数帯域で振幅が大きい場合
は、低域の信号で高調波発生動作が支配されるようにな
る。他の領域についても同様である。
【0007】ところが、300Hz以下のバスとか太鼓
などの低い音は振幅が大きい。このため、そのような音
をそのまま高調波発生手段に入力して信号を歪ませる
と、却って音が汚くなってしまう。そこで、HPFを用
いて低周波成分をカットする手法が考えられる。しか
し、カットオフ周波数が1KHz程度の場合は、1〜3
KHzの帯域成分に高調波発生動作が支配されるように
なり、例えば6KHz以上の成分をもつバイオリンなど
の音色については、良好な効果を得ることができない。
【0008】更に、上述した音場制御装置では、後方チ
ャンネルの音に対しては高調波を付加するどころか、む
しろ高域を減衰させて後方感を創出するようになってい
る。このため、本来存在する高調波成分が減衰し、心地
よさが感じられなくなってしまうという不都合がある。
【0009】本発明は、これらの点に着目したもので、
その目的は、広い周波数領域にわたり良好な高調波発生
を行って、効果的に音質を改善することができるオーデ
ィオ信号処理装置を提供することである。他の目的は、
自然で心地よさが感じられる音場制御が可能なオーディ
オ信号処理装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段と作用】前記目的を達成す
るため、この発明では、処理対象のオーディオ信号は、
フィルタ手段を用いて、少なくとも2つの連続する周波
数領域に分割される。そして、分割された各領域の信号
からぞれぞれ高調波信号が生成され、レベル調整後当初
のオーディオ信号にミキシングされる。オーディオ信号
に含まれるべき奇数次や偶数次の高調波を付加すること
で、本来的な自然な音を再現したり心地よい音を生じさ
せことができる。
【0011】他の発明によれば、複数,例えば前後左右
のチャンネルのうちの後方チャンネルのオーディオ信号
から取り出された低域成分に対して、上述した帯域分割
毎の高調波信号生成処理が行われ、これがレベル調整後
低域成分に付加される。これにより、高域減衰によって
創出された後方感を損なうことなく、自然で心地よい音
場制御が可能となる。この発明の前記及び他の目的,特
徴,利点は、次の詳細な説明及び添付図面から明瞭にな
ろう。
【0012】
【好ましい実施例の説明】この発明には数多くの実施例
が有り得るが、ここでは適切な数の実施例を示し、詳細
に説明する。
【0013】<実施例1>図1には、実施例1の全体構
成が示されている。同図において、オーディオ信号の入
力端子10は、一方においてミキサ12に直接接続され
ており、他方においてBPF(バンドパスフィルタ)1
4,16,HPF(ハイパスフィルタ)18にそれぞれ
接続されている。これらBPF14,16,HPF18
の出力側は高調波発生器20,22,24にそれぞれ接
続されている。また、高調波発生器20,22,24の
出力側はアッテネータ26,28,30にそれぞれ接続
されており、これらアッテネータの出力側は前記ミキサ
12に接続されている。そして、このミキサ12の出力
側が出力端子32に接続されている。
【0014】これらの各部のうち、BPF14は、図2
にグラフG1で示すように、入力信号中の800Hzか
ら3KHzの周波数帯域成分を出力する特性となってお
り、800Hz以上の成分を通すHPF14Aと、3K
Hz以上の成分をカットするLPF14Bとを組み合わ
せた構成となっている。具体的な回路構成は、例えば図
3に示すようになる。HPF14Aは、コンデンサC
1,C2,抵抗R1,R2,オペアンプA2によって構
成されており、LPF14Bは、コンデンサC3,C
4,抵抗R3,R4,オペアンプA3によって構成され
ている。
【0015】BPF16は、図2にグラフG2で示すよ
うに、入力信号中の3KHzから6KHzの成分を出力
する特性となっており、3KHz以上の成分を通すHP
F16Aと、6KHz以上の成分をカットするLPF1
6Bとを組み合わせた構成となっている。具体的な回路
構成は前記図3と同様であるが、コンデンサC1〜C4
の値が信号の周波数領域に応じた値となっており、この
点で前記BPF14と異なる。
【0016】HPF18は、図2にグラフG3で示すよ
うに、入力信号中の6KHz以上の成分を出力する特性
となっている。具体的な回路構成は、例えば図3に示す
HPF14Aと同様の回路構成となっている。なお、コ
ンデンサC1,C2の値が信号の周波数領域に応じた値
となっている。
【0017】これらのBPF14,16及びHPF18
は、例えば−12dB/oct又はそれ以上の減衰特性
となっている。周波数領域毎に高調波を発生する構成と
した場合、各フィルタの遮断特性をブロードにすると、
各領域で高調波が発生し過剰となってしまうので、一般
的な音楽スペクトラムの分布を考えると、−12dB/
octは必要となる。
【0018】次に、高調波発生器20は、微分回路20
Aと、正方向の信号を検波して増幅処理する検波回路2
0Bとによって構成されている。具体的な回路構成は、
例えば図4に示すようになる。なお、図4にはアッテネ
ータ26も示されている。微分回路20Aは、コンデン
サC5と抵抗R5によって構成されている。検波回路2
0Bは、コンデンサC6,ダイオードD,抵抗R6〜R
9,オペアンプA4によって構成されている。アッテネ
ータ26は、可変抵抗VRによって構成されている。
【0019】高調波発生器22,24,アッテネータ2
8,30についても、同様の構成となっている。しか
し、微分回路20A,22A,24Aのコンデンサの容
量値は順に小さくなっており、時定数が20A≧22A
≧24Aと順に短くなるように微分特性が設定されてい
る。このように、各微分回路の時定数は、その扱う周波
数領域に合せた値となっている(後述する実施例2,3
についても同様)。
【0020】ミキサ12は、高調波成分を加算するミキ
シング回路12Aと、加算された高調波成分を入力信号
に加算するミキシング回路12Bとによって構成されて
おり、例えば図5に示すような回路構成となっている。
ミキシング回路12Aは、コンデンサC7〜C9,抵抗
R10,オペアンプA5によって構成されている。ミキ
シング回路12Bは、抵抗R11〜R13,オペアンプ
A1によって構成されている。
【0021】次に、以上のように構成された実施例の動
作を説明する。処理対象のオーディオ信号は、入力端子
10から4つの系統の信号路に分配される。これらのう
ち、第1の信号路では、オーディオ信号に対して格別な
処理が行われることなく、無処理の後ミキシング回路1
2BのアンプA1(図5参照)に供給される。
【0022】第2の信号路では、アンプA2(図3参
照)を中心とするカットオフ周波数800HzのHPF
14A,アンプA3を中心とするカットオフ周波数3K
HzのLPF14Bによるフィルタリングの結果、オー
ディオ信号中の800Hz〜3KHzの成分が取り出さ
れる。この信号は、高調波発生器20の微分回路20A
によって微分された後検波回路20Bに供給され、ここ
でダイオードD(図4参照)によって検波されて正の部
分が取り出される。検波された信号は、アンプA4によ
って増幅された後出力される。このようにして作られた
高調波信号は、アッテネータ26の可変抵抗VRでレベ
ル調整された後、ミキサ12のミキシング回路12Aの
アンプA5(図5参照)に加えられる。
【0023】第3の信号路では、カットオフ周波数3K
HzのHPF16Aと、カットオフ周波数6KHzのL
PF16Bとによって、第2の信号路と同様にオーディ
オ信号がフィルタリング処理される。取り出された3〜
6KHzの信号は、同様に高調波発生器22の微分回路
22Aによって微分され、更に検波回路22Bによって
検波される。なお、上述したように、微分回路22Aの
時定数は第2の信号路の微分回路20Aの時定数と等し
いか又は短く設定されている。このようにして作られた
高調波信号は、アッテネータ28によるレベル調整の
後、ミキシング回路12AのアンプA5に加えられる。
【0024】第4の信号路では、カットオフ周波数6K
HzのHPF18によって6KHz以上の成分が取り出
され、この信号は高調波発生器24の微分回路24Aに
よって微分され、更に検波回路24Bによって検波され
る。なお、上述したように、微分回路24Aの時定数は
第3の信号路の微分回路22Aの時定数と等しいか又は
短く設定されている。このようにして作られた高調波信
号は、アッテネータ30によるレベル調整の後、ミキシ
ング回路12AのアンプA5に加えられる。
【0025】ミキシング回路12AのアンプA5では、
第2〜第4の信号路からそれぞれ供給された各領域毎の
高調波信号がミキシングされる。更に、ミキシング後の
高調波信号はミキシング回路12BのアンプA1に供給
され、ここで第1の信号路から供給された無処理のオー
ディオ信号とミキシングされる。
【0026】次に、このような本実施例の作用について
説明する。例えば、入力端子10に入力されるオーディ
オ信号が、図6(A)に示すように、f1=800Hz,
f2=2KHz,f3=5KHzの周波数成分を有するも
のとする。このオーディオ信号に対して従来の手法を適
用し、例えば800HzのHPFを通して高調波を得る
ものとする。すると、図6(B)に示すように800H
zの成分が支配的となり、f1=800Hzの基本波に
対して、f12=1.6KHzの2次高調波,f13=2.
4KHzの3次高調波が生じる。しかし、2KHzと5
KHz基本波成分からは、高調波は生じにくい。このた
め、高調波による音質改善の効果は、前記f12,f13に
依存することになる。
【0027】これに対し本実施例では、入力オーディオ
信号を上述したように3つの帯域に分割しており、各領
域毎に微分時定数を設定しているので、f1〜f3の各基
本波についてそれぞれ高調波が発生する。すなわち、図
6(C)に示すように、f1=800Hzの基本波に対し
て、f12=1.6KHzの2次高調波,f13=2.4K
Hzの3次高調波が生じる。また、f2=2KHzの基
本波に対して、f22=4KHzの2次高調波,f23=6
KHzの3次高調波が生じる。更に、f3=5KHzの
基本波に対して、f32=10KHzの2次高調波,f33
=15KHzの3次高調波が生じる。
【0028】このように、本実施例によれば多数の高調
波が生成されるので、広い領域にわたって多様で豊かな
音質改善が可能となる。例えば、BPFを1〜3KHz
の帯域について高調波を生成すると、1〜3KHz程度
の周波数成分が大きな振幅成分となって、張りのある明
るい感じの音となる。また、前記実施例のHPF18の
ように、6KHz以上の領域について高調波を生成する
と、透明感のある音質となる。HPFのカットオフ周波
数を更に高い10KHz以上とすれば、コンパクトディ
スクで再生できない20KHz以上の音を生成すること
ができる。このような周波数の高い成分の音を聴くと、
心理的にリフレッシュするといわれている。
【0029】<実施例2>次に、図7には実施例2の構
成が示されている。この実施例2は、複数チャンネルの
オーディオ信号に対して前記実施例1を適用したもので
ある。処理対象となるオーディオ信号が複数チャンネ
ル,例えばL,Rの2チャンネルとなっている場合は、
高調波成分の付加によって各チャンネル間のバランスが
崩れないように工夫しなければならない。
【0030】そこで本実施例では、図7に示すように、
L,Rの各チャンネル毎に図1に示した高調波発生用の
信号路が設けられている。同図のLチャンネルの回路に
は符号Lを付し、Rチャンネルの回路には符号Rが付さ
れている。
【0031】更に本実施例では、例えばBPF14L,
14Rの特性を変更する場合、例えば図8のように低域
側カットオフ周波数を1.5KHzに変更する場合は、
セレクト信号によってBPF14L,14Rで同時にそ
の変更が行われる。他の回路についても同様である。こ
のため、高調波を付加しても、各チャンネル間のバラン
スは良好に保持されるようになる。
【0032】<実施例3>次に、図9及び図10を参照
しながら実施例3について説明する。この実施例は、音
場制御における後方音に高調波を付加するようにしたも
のである。図9において、前方音及び後方音を含むオー
ディオ信号L*,R*が入力されるマトリクス51の後方
オーディオ信号Sの出力側は遅延回路53を介してLP
F54に接続されており、このLPF54の出力側はB
PF56,HPF58,ミキサ60にそれぞれ接続され
ている。BPF56,HPF58の出力側は高調波発生
器62,64にそれぞれ接続されており、高調波発生器
62,64の出力側はアッテネータ66,68にそれぞ
れ接続されている。これらアッテネータ66,68の出
力側も、ミキサ60の加算入力側に接続されている。
【0033】マトリクス51の前方オーディオ信号L,
Rの出力側及びミキサ60の出力側は、いずれもマスタ
レベル制御部70の入力側に接続されている。このマス
タレベル制御部70の前方オーディオ信号L,Rの出力
側は、前方のスピーカ72,74にそれぞれ接続されて
いる。また、後方オーディオ信号Sの出力側は直接後方
のスピーカ76に接続されており、更に、反転アンプ7
8を介して他の後方のスピーカ80に接続されている。
【0034】次に、以上のように構成された実施例3の
動作を説明する。マトリクス51では、前方音及び後方
音を含むオーディオ信号L*,R*が、前方オーディオ信
号L,R及び後方オーディオ信号Sに分離される。これ
らのうち、前方オーディオ信号L,Rは、そのままマス
タレベル制御部70に供給される。これに対し、後方オ
ーディオ信号Sは、遅延回路53による遅延処理の後L
PF54に供給され、ここで低周波成分が取り出され
る。例えば、図10(A)にグラフG5で示すように、
200Hz〜7kHzの帯域(あるいは点線のように0
〜7kHz)が取り出される。
【0035】なお、遅延回路53による遅延処理は、前
方及び後方の音のクロストークを改善するためである。
ドルビーサラウンドシステムでは、前後の音声がマトリ
クス処理されている。そして、復号時にL,Rチャンネ
ルからL−Rの差分で後方サラウンド音が生成される。
しかし、前後の音のセパレーションは、必ずしも完全と
いうわけではない。このため、遅延回路53により、後
方音を前方音に対して例えば20msec程度遅くして
いる。このようにすると、先行音効果により先に到着し
た音によって遅れた音がマスクされ、人間には聞き取り
にくくなる。これにより、前後の音のクロストークが改
善されるようになる。
【0036】これらの低域成分は、BPF56,HPF
58にそれぞれ供給される。BPF56は、例えば同図
(B)にグラフG6で示すように、200〜3kHzの
帯域(あるいは点線のように0〜3kHz)を取り出す
ような特性となっている。また、HPF58は、グラフ
G7で示すように、3kHz以上の帯域を取り出すよう
な特性となっている。このようなグラフG6,G7の特
性のフィルタに、グラフG5の帯域の信号が供給され
る。従って、BPF56の出力は同図(C)にグラフG
8で示すようになり、HPF58の出力はグラフG9で
示すようになる。
【0037】高調波発生器62,64では、これらの各
分割帯域毎に高調波が生成され、更に各高調波毎にアッ
テネータ66,68でレベル調整が行われる。調整後の
各分割帯域の高調波信号はミキサ60に供給され、ここ
でLPF54から出力された後方オーディオ信号の低域
成分とミキシングされる。これによって、後方オーディ
オ信号Sから失われた高調波成分が蘇生されることにな
る。
【0038】蘇生後の後方オーディオ信号Sは、マトリ
クス51から出力された前方オーディオ信号L,Rとと
もにマスタレベル制御部70に供給され、ここで最終的
な出力レベルが調整される。調整後の前方オーディオ信
号L,Rは、前方スピーカ72,74にそれぞれ供給さ
れ、音声に変換される。調整後の後方オーディオ信号S
は、一方において後方スピーカ76に直接供給され、音
声に変換される。また、他方において、反転アンプ78
による反転の後に後方スピーカ80に供給され、音声に
変換される。
【0039】上述した実施例1,2では、生成された高
調波が当初のオーディオ信号に対して付加される。しか
し、この実施例3では、後方オーディオ信号から7KH
z以下の帯域が取り出され、これがフィルタ手段によっ
て2つの周波数領域に連続的に分割される。そして、こ
れらの各帯域の信号に基づいてそれぞれ高調波信号が生
成され、レベル調整の後、低帯域信号にミキシングされ
る。
【0040】このように、本実施例によれば、後方音の
低域成分から高調波成分を生成し、これが後方音に付加
されて、後方音から失われた高調波成分が蘇生される。
このため、高域減衰によって創出された後方感を損なう
ことなく、高域の減衰によって失われた自然な心地よさ
も感じられるようになる。
【0041】<他の実施例>この発明は、以上の開示に
基づいて多様に改変することが可能であり、例えば次の
ようなものがある。
【0042】(1)フィルタ,高調波発生器,アッテネ
ータ,ミキサなど各部の回路は、前記実施例に示したも
のの他種々のものが知られており、適宜のものを用いて
よい。例えば、高調波発生器としてクランプ回路,スラ
イス回路などを用いる,複数の高調波信号と当初のオー
ディオ信号を加算するミキサを1つのアンプで構成す
る,入出力側にアンプを設ける,入出力両端子10,3
2に直列にコンデンサを接続する,駆動用の電源回路を
設けるなどである。BPFも、全体として所定帯域の信
号を取り出すことができれば、LPFとHPFの順序な
ど適宜設定してよい。また、マニュアルで各回路の特性
を変更できるようにしてよい。例えば、図3の回路で抵
抗又はコンデンサの容量を可変とすれば、カットオフ周
波数を変更できる。
【0043】(2)前記実施例では、入力オーディオ信
号を3つの周波数領域に分割し、これら各領域毎に高調
波発生を行ったが、必要に応じて更に多数の領域に分割
してもよい。 (3)前記実施例では、オーディオ信号がL,Rの2チ
ャンネル場合を示したが、例えばスタジオ用のシステム
のように多数のチャンネルとなっているときは、それぞ
れのチャンネル毎に特性が連動する高調波発生手段を設
けるようにすればよい。 (4)また、図11に示すように、高調波成分付加のO
N,OFFを行ってもよい。同図(A)に示すように、
ミキシング回路12Aと12Bとの間にスイッチ50を
直列に設けてOFFすることで高調波成分の出力を遮断
するか、あるいはスイッチ52を並列に設けてONする
ことで高調波成分をアースに落とすようにする。
【0044】なお、直流分が存在するような場合は、同
図(B)に示すように、スイッチ52にコンデンサC5
2を直列に接続するとともに、高い抵抗値の抵抗R52
を並列に接続する。この例では、スイッチ52がONと
なると高調波成分がコンデンサC52で吸収される。こ
のとき、コンデンサC52が全く充電されていないと、
直流分によって大きな充電電流が流れるようになり、回
路的にショックが大きいので、これを防止するため、抵
抗R52によってコンデンサC52を充電しておくよう
にする。これにより、スイッチ52の切換えによるショ
ックを防止することができる。 (5)アッテネータによる調整は、ユーザが自由に行っ
てもよいが、例えば半固定の抵抗を用いて組立時に好適
な値にセットするようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、次のような効果がある。 (1)オーディオ信号を連続する複数の周波数領域に分
割し、各領域の信号から高調波信号を生成することとし
たので、広い周波数領域にわたって良好な高調波発生を
行って、効果的に音質を改善することができる。例え
ば、高調波を生成する周波数領域に応じて、張りのある
明るい感じの音,透明感のある音,心理的にリフレッシ
ュする音などが再生できる。
【0046】(2)オーディオ信号が複数のチャンネル
の場合、各チャンネル間のバランスをくずすことなく、
当初のオーディオ信号に高調波信号を付加することがで
きる。 (3)後方チャンネルのオーディオ信号から取り出した
低域成分から高調波を生成し、これをその低域成分に付
加することとしたので、高域減衰によって創出された後
方感を損なうことなく、自然で心地よい音場制御が可能
となる。 (4)高調波発生手段の微分回路の時定数を該当する周
波数領域に対応して設定したので、各領域毎に良好に高
調波を発生できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示すブロック図である。
【図2】前記実施例のフィルタ部分の特性を示すグラフ
である。
【図3】前記実施例のBPFの具体的な回路例を示す回
路図である。
【図4】前記実施例の高調波発生器の具体的な回路例を
示す回路図である。
【図5】前記実施例のミキサの具体的な回路例を示す回
路図である。
【図6】オーディオ信号の周波数分割と高調波の関係を
示すグラフである。
【図7】本発明の実施例2を示すブロック図である。
【図8】前記実施例におけるフィルタ特性の変更の様子
を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例3を示すブロック図である。
【図10】実施例3の作用を示すグラフである。
【図11】本発明の他の実施例を示す回路図である。
【符号の説明】
10,10L,10R…入力端子 12,12L,12R,60…ミキサ 12A,12B…ミキシング回路 14,14L,14R,16,16L,16R,56…
BPF 18,18L,18R,14A,16A,58…HPF 20,20L,20R,22,22L,22R,24,
24L,24R,62,64…高調波発生器 26,26L,26R,28,28L,28R,30,
30L,30R,,66,68…アッテネータ 32,32L,32R…出力端子 50,52…スイッチ 51…マトリクス 53…遅延回路 54…LPF 70…マスタレベル制御部 72,74…前方スピーカ 76,80…後方スピーカ 78…反転アンプ f1,f2,f3…基本波 f12,f13,f22,f23,f32,f33…高調波

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BPFとHPFを用いて、処理対象のオ
    ーディオ信号を少なくとも2つの周波数領域に連続的に
    分割するフィルタ手段;これらによって取り出された各
    領域の信号に基づいてそれぞれの領域毎に高調波信号を
    生成する高調波生成手段;生成された各高調波信号のレ
    ベル調整をそれぞれ行うレベル調整手段;レベル調整後
    の各高調波信号を当初のオーディオ信号にミキシングす
    るミキシング手段;を備えたオーディオ信号処理装置。
  2. 【請求項2】 処理対象のオーディオ信号が複数チャン
    ネルの場合に、各チャンネル毎に請求項1記載の各手段
    を設けるとともに、各手段の特性変更を各チャンネルで
    共通に行う特性変更手段を設けたことを特徴とするオー
    ディオ信号処理装置。
  3. 【請求項3】 複数チャンネルを含むオーディオ信号の
    うち、後方チャンネルのオーディオ信号から低周波帯域
    を取り出す低域フィルタ手段;BPFとHPFを用い
    て、前記低域フィルタ手段から取り出された低域のオー
    ディオ信号を少なくとも2つの周波数領域に連続的に分
    割するフィルタ手段;これらによって取り出された各領
    域の信号に基づいてそれぞれの領域毎に高調波信号を生
    成する高調波生成手段;生成された各高調波のレベル調
    整をそれぞれ行うレベル調整手段;レベル調整後の各高
    調波信号を低域フィルタ手段から取り出されたオーディ
    オ信号にミキシングするミキシング手段;を備えたオー
    ディオ信号処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2,又は3記載のオーディオ
    信号処理装置において、前記高調波生成手段は微分回路
    をそれぞれ備えており、これら微分回路の時定数は、扱
    う周波数領域に応じて設定されたことを特徴とするオー
    ディオ信号処理装置。
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