JPH07229643A - 空調制御装置 - Google Patents

空調制御装置

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Publication number
JPH07229643A
JPH07229643A JP6316314A JP31631494A JPH07229643A JP H07229643 A JPH07229643 A JP H07229643A JP 6316314 A JP6316314 A JP 6316314A JP 31631494 A JP31631494 A JP 31631494A JP H07229643 A JPH07229643 A JP H07229643A
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JP
Japan
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air
clothes
temperature
conditioned
state
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Pending
Application number
JP6316314A
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English (en)
Inventor
Junji Matsushima
潤治 松島
Satoko Nishimura
聡子 西村
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07229643A publication Critical patent/JPH07229643A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着衣状態にある人間の温熱快適性を向上させ
ると共に、省エネルギ性の向上を図る。 【構成】 調和空気を生成して該調和空気を吹出す空調
機(2)を設けている。居住者(12)には、該居住者
(12)の衣服内気候を検出して状態信号を出力する衣服
内気候センサ(5a)を設けている。加えて、衣服内気候
センサ(5a)からの状態信号を受けて居住者(12)の衣
服内気候が所定状態になるように制御信号を出力して空
調機(2)を制御する空調制御回路(3a)を備えてい
る。そして、空調制御回路(3a)は、居住者(12)の衣
服内温度が所定値になるように空調機(2)を制御する
と共に、居住者(12)の衣服内湿度が所定値になるよう
に空調機(2)を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調制御装置に関し、
特に、衣服内気候に基づく空調制御装置に係るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、空調機を制御する空調制御装置
は、代表的なSETやPMVを用いた制御方法が採用
されている。例えば、PMVを採用した空調制御装置に
は、特開平5−231693号公報に開示されているよ
うに、室内温度などの室内の環境物理量と、複数のパラ
メータとの関数である予測温冷感の温冷感指標を演算す
る一方、居住者より真温冷感を申告してもらい、上記パ
ラメータを学習させ、このパラメータと上記室内温度な
どより温冷感指標を演算し、この温冷感指標に基づいて
圧縮機の周波数を制御して、居住者の快適感を満足させ
るようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した空調制御装置
において、従来、居住者の衣服については、“衣服の外
表面と皮膚表面との間の空間には、熱及び水分の蓄積は
ない。”との仮定に立脚し、居住者と居住環境との熱均
衡をパラメータモデル化していた。
【0004】しかしながら、着衣状態にある人間の温熱
快適性は、人間の皮膚感覚に負うところが大きく、上記
空調制御装置においては、着衣状態にある人間の皮膚感
覚、特に、蒸れ感や濡れ感等の湿潤感を充分に評価して
いるとはいえず、上述した着衣状態にある人間の温熱快
適性を充分満足させることができないという問題があっ
た。また、着衣状態にある人間の皮膚感覚を充分に評価
していないことから、必要以上に冷房したり、逆に必要
以上に暖房している場合が生じ、省エネルギ化を図れな
いという問題があった。
【0005】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、着衣状態にある人間の温熱快適性を向上させるとと
共に、省エネルギ性の向上を図ることを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明が講じた手段は、空調対象者の衣服内気候
に基づいて空調制御するようにしたものである。
【0007】具体的に、図1に示すように、請求項1に
係る発明が講じた手段は、先ず、調和空気を生成して該
調和空気を吹出す空調機(2)が設けられている。更
に、空調対象者(12)の衣服内気候に基づく状態信号を
出力する状態出力手段(5a,5b)が設けられている。加
えて、該状態出力手段(5a,5b)からの状態信号を受け
て空調対象者(12)の衣服内気候が所定状態になるよう
に制御信号を出力して上記空調機(2)を制御する空調
制御手段(3a)が設けられた構成としている。
【0008】また、上記請求項1の発明において、請求
項2に係る発明が講じた手段は、状態出力手段(5b)
は、空調対象者(12)の申告に基づいて状態信号を出力
する状態申告手段で構成され、また、請求項3に係る発
明が講じた手段は、状態出力手段(5a)は、空調対象者
(12)に設けられて該空調対象者(12)の衣服内気候を
検出して状態信号を出力する状態検出手段で構成されて
いる。
【0009】また、請求項4に係る発明が講じた手段
は、先ず、調和空気を生成して該調和空気を吹出す空調
機(2)が設けられている。そして、空調領域(11)の
環境側条件と空調対象者(12)の人体側条件との条件信
号が入力される条件入力手段(4c)が設けられている。
更に、該条件入力手段(4c)からの条件信号に基づいて
空調対象者(12)の人体表面における熱特性を算出して
熱特性信号を出力する熱特性算出手段(6a)が設けられ
ている。加えて、該熱特性算出手段(6a)の熱特性信号
に基づいて空調対象者(12)における衣服内気候の状態
を導出して状態信号を出力する状態識別手段(6b)が設
けられている。その上、該状態識別手段(6b)からの状
態信号を受けて空調対象者(12)の衣服内気候が所定状
態になるように制御信号を出力して上記空調機(2)を
制御する空調制御手段(3b)が設けられた構成としてい
る。
【0010】また、請求項5に係る発明が講じた手段
は、上記請求項1〜4の何れか1の発明において、空調
制御手段(3a,3b)は、空調対象者(12)の衣服内温度
が所定値になるように温度制御信号を出力して空調機
(2)を制御する温度制御手段(31)を備えた構成とし
ている。
【0011】また、請求項6に係る発明が講じた手段
は、上記請求項1〜5の何れか1の発明において、空調
制御手段(3a,3b)は、空調対象者(12)の衣服内湿度
が所定値になるように湿度制御信号を出力して空調機
(2)を制御する湿度制御手段(32)を備えた構成とし
ている。
【0012】また、請求項7に係る発明が講じた手段
は、上記請求項4の発明において、状態識別手段(6b)
が、熱特性算出手段(6a)の熱特性信号に基づいて空調
対象者(12)における皮膚面状態値を導出して該皮膚面
状態値を補正し、衣服内気候の状態を導出して状態信号
を出力するように構成されたものである。
【0013】また、請求項8に係る発明が講じた手段
は、上記請求項7の発明において、状態識別手段(6b)
が、空調対象者(12)における皮膚面温度及び皮膚面相
対湿度を導出して該皮膚面温度及び皮膚面相対湿度を補
正し、衣服内温度及び衣服内相対湿度を導出するように
構成されたものである。
【0014】
【作用】上記の構成により、請求項1に係る発明では、
先ず、空調機(2)を運転すると、該空調機(2)が冷
風又は温風の調和空気を生成して吹出すことになる。一
方、状態出力手段(5a,5b)は、空調対象者(12)の衣
服内気候に基づく状態信号を出力しており、具体的に、
請求項2に係る発明では、空調対象者(12)の申告によ
って状態信号を出力し、また、請求項3に係る発明で
は、状態検出手段(5a)の検出によって状態信号を出力
する。
【0015】そして、上記状態信号に基づいて衣服内気
候の状態が快適状態になるように空調制御手段(3a)が
空調機(2)を制御する。特に、請求項5に係る発明で
は、衣服内温度が快適状態になるように温度制御手段
(31)が空調機(2)を制御し、また、請求項6に係る
発明では、衣服内湿度が快適状態になるように湿度制御
手段(32)が空調機(2)を制御する。
【0016】また、請求項4に係る発明では、条件入力
手段(4c)より空気温度等の環境側条件と着衣量等の人
体側条件とが入力される。この入力された条件に基づい
て熱特性算出手段(6a)が人体表面の熱特性、例えば、
衣服の熱抵抗と衣服外表面の熱抵抗とを算出して体表面
熱物質伝達率や衣服外表面温度等を算出する。
【0017】そして、状態識別手段(6b)は、上記熱特
性算出手段(6a)の熱特性信号を受けて衣服内気候の状
態を導出し、例えば、衣服内温度を導出し、この衣服内
温度が快適状態になるように空調制御手段(3b)が空調
機(2)を制御する。特に、請求項5に係る発明では、
衣服内温度が快適状態になるように温度制御手段(31)
が空調機(2)を制御し、また、請求項6に係る発明で
は、衣服内湿度が快適状態になるように湿度制御手段
(32)が空調機(2)を制御する。
【0018】また、請求項7に係る発明では、状態識別
手段(6b)が、熱特性算出手段(6a)の熱特性信号を受
けて皮膚面状態値を導出し、例えば、請求項8に係る発
明では、皮膚面温度と皮膚面相対湿度とを導出し、この
皮膚面温度と皮膚面相対湿度とを補正して衣服内気候の
状態を導出する。そして、上記状態識別手段(6b)が、
例えば、請求項8に係る発明では、衣服内温度及び衣服
内相対湿度態を導出し、この衣服内温度及び衣服内相対
湿度態が快適状態になるように空調制御手段(3b)が空
調機(2)を制御する。
【0019】
【発明の効果】従って、請求項1〜8に係る発明によれ
ば、状態出力手段(5a,5b)が出力する衣服内気候の状
態信号に基づいて空調機(2)を制御するようにしたゝ
めに、着衣状態にある人間の皮膚感覚、特に、蒸れ感や
濡れ感等の湿潤感を評価して空調制御することができ
る。この結果、空調対象者(12)の着衣状態に即した空
調制御を行うことができるので、着衣状態にある人間の
温熱快適性を向上させることができる。また、上記着衣
状態にある人間の皮膚感覚を評価していることから、必
要以上の冷房や、逆に必要以上の暖房を防止することが
でき、省エネルギ化を図ることができる。
【0020】また、請求項2に係る発明によれば、衣服
内気候の状態を申告するようにしたゝめに、センサ等の
装着の手間を省略することができる。
【0021】また、請求項3に係る発明によれば、衣服
内気候の状態を検出するようにしたゝめに、衣服内気候
の状態を正確に反映させることができるので、確実に温
熱快適性及び省エネルギ化の向上を図ることができる。
【0022】また、請求項4〜6に係る発明によれば、
人体側条件と環境側条件とによって衣服内気候の状態を
導出して空調機(2)を制御するようにしたゝめに、請
求項1の発明と同様に、居住者の着衣状態に即した空調
制御を行うことができるので、着衣状態にある人間の温
熱快適性を向上させることができると共に、必要以上の
冷房や、逆に必要以上の暖房を防止することができ、省
エネルギ化を図ることができる。
【0023】更に、空調対象者(12)が着衣量等を入力
するのみでもって衣服内気候の状態を導出するようにし
たゝめに、人体側条件の検知センサを不要とすることが
できるので、簡易な操作でもって温熱快適性を向上させ
ることができる。
【0024】また、請求項7及び8に係る発明によれ
ば、人体側条件と環境側条件とによって皮膚面状態値を
導出して補正し、衣服内気候の状態を導出するようにし
たゝめに、衣服内気候の状態を高精度で導出することが
できる。具体的に、請求項8に係る発明によれば、衣服
内温度及び衣服内相対湿度を高精度で導出することがで
きるので、制御精度の向上を図ることができると共に、
より快適性の向上を図ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0026】−第1の実施例の構成− 図2に示すように、(1)は、本発明が適用される空調
システムであって、空調領域である閉空間の部屋(11)
に空調機(2)が設置されて構成されている。該空調機
(2)は、室内熱交換器及び室内ファンを備えた壁掛け
式の室内ユニット(21)と、圧縮機、室外熱交換器及び
電動膨張弁等を備えたに室外ユニット(22)が冷媒配管
(23)を介して接続されて冷暖房運転可能に構成され、
上記室内ユニット(21)が調和空気を生成して空調対象
者である居住者(12)の快適感を満足させるように室内
を空調している。
【0027】図3は、上記空調機(2)の制御ブロック
を示しており、空調制御手段である空調制御回路(3a)
が上記室内ユニット(21)に設けられて空調機(2)に
制御信号を出力し、該空調機(2)を制御するように構
成されている。そして、該空調機(2)の運転状態信
号、例えば、圧縮機の運転周波数信号は、空調制御回路
(3a)にフィードバックされている。
【0028】また、上記空調領域の環境側条件である部
屋(11)の環境側条件は、環境センサ(4a)で検知され
ている。該環境センサ(4a)は、部屋(11)の室内空気
温度Taと室内相対湿度RHと気流速度Vaと輻射温度Trとを
検知しており、この室内空気温度Taとしては、例えば、
室内ユニット(21)の吸込空気温度或いはリモコンの周
囲温度を適用し、室内相対湿度RHa は、例えば、室内ユ
ニット(21)の吸込空気湿度或いはリモコンの周囲湿度
を適用し、気流速度Vaは、例えば、室内ユニット(21)
の吹出空気温度と吹出風量と吹出角度とより類推する
か、或いはリモコンの周囲風速を適用し、輻射温度Tr
は、例えば、リモコン付近の輻射温度を適用するか、或
いはサーモパイルによる検知量から演算するようにして
いる。そして、上記環境センサ(4a)が検知して出力す
る環境信号は、空調制御回路(3a)に入力されている。
【0029】更に、上記空調制御回路(3a)には、本発
明の特徴として、衣服内気候センサ(5a)の検知信号が
入力されている。該衣服内気候センサ(5a)は、居住者
(12)の衣服内気候に基づく状態信号を出力する状態出
力手段であって、図2に示すように、居住者(12)に直
接装着されて衣服内の温度及び湿度を検出して状態信号
を出力する状態検出手段を構成し、状態信号をワイヤレ
スで空調制御回路(3a)に送信するように構成されてい
る。
【0030】また、上記空調制御回路(3a)は、室内ユ
ニット(21)に設けられており、衣服内気候センサ(5
a)からの状態信号と環境センサ(4a)からの環境信号
とを受けて居住者(12)の衣服内気候が所定状態になる
ように空調機(2)に制御信号を出力する空調制御手段
を構成しており、温度制御手段(31)及び湿度制御手段
(32)を備えている。尚、この衣服内気候とは、居住者
(12)の衣服内温度と衣服内湿度とをいゝ、上記空調制
御回路(3a)は、この衣服内温度等を制御している。
【0031】そして、上記温度制御手段(31)は、居住
者(12)の衣服内温度が所定値になるように温度制御信
号を出力して空調機(2)を制御し、また、上記湿度制
御手段(32)は、温度制御手段(31)によって衣服内温
度が所定値になると、上記居住者(12)の衣服内湿度が
所定値になるように湿度制御信号を出力して空調機
(2)を制御している。
【0032】具体的に、上記温度制御手段(31)は、衣
服内温度が所定温度になるように圧縮機の運転周波数及
び室内ファンの風量を制御し、また、上記湿度制御手段
(32)は、衣服内湿度が所定湿度になるように圧縮機の
運転周波数及び室内ファンの風量を制御するように構成
されている。尚、実用上、上記温度制御手段(31)は、
湿度制御手段(32)の制御に優先して温度制御を実行す
るように構成されている。
【0033】そこで、上記衣服内気候に基づいて空調機
(2)を制御するようにした基本的理由について説明す
る。
【0034】従来のSETやPMVによる制御では、
“居住者の衣服の外表面と皮膚表面との間の空間には、
熱及び水分の蓄積はない。”ことを前提にしていたが、
人間の皮膚感覚を評価するためには、衣服と皮膚との間
の微小空間における温度状態及び湿度状態である“衣服
内気候”の他に、上記衣服により皮膚が受ける圧迫力で
ある“衣服圧”と、衣服と皮膚との接触である“肌触
り”とに着目する必要がある。特に、空調制御における
温熱快適性の観点においては、上記衣服内気候が重要な
要素となる。
【0035】この衣服内気候と快適性との関連について
は、図4に示すような関係があり、この図4における衣
服内温度と衣服内湿度との関係において、“快適領域”
と“やゝ快適領域”と“やゝ不快領域”と“不快領域”
と“全く不快領域”とが存し、更に、高温度で且つ高湿
度で“発汗領域”が存する。従って、居住者(12)の快
適性は、衣服内温度と衣服内湿度との関連において変化
することになる。例えば、図3において、衣服内湿度が
約68%RH以上では、衣服内温度をいくら制御しても快
適感は得られないことになる。そこで、本発明において
は、衣服(13)を着た着衣状態にある居住者(12)の温冷
感及び湿潤感に基づいて空調制御するようにしている。
【0036】−第1の実施例の空調動作− 次に、上記空調システム(1)における空調制御につい
て説明する。
【0037】先ず、空調機(2)を運転すると、室内ユ
ニット(21)は室内ファンによって室内空気を吸込み、
室内熱交換器と熱交換して冷風又は温風の調和空気を生
成し、室内に吹出すことになる。
【0038】一方、本発明の特徴として、衣服内気候セ
ンサ(5a)は、居住者(12)の衣服内温度及び衣服内湿
度を検知して状態信号を空調制御回路(3a)に送信する
と共に、環境センサ(4a)は、室内空気温度Ta等を検出
して環境信号を空調制御回路(3a)に出力している。
【0039】そして、上記衣服内気候センサ(5a)の状
態信号に基づいて温度制御手段(31)及び湿度制御手段
(32)は、圧縮機の運転周波数及び室内ファンの風量を
制御する。その際、実用上、上記温度制御手段(31)
は、湿度制御手段(32)の制御に優先して温度制御を実
行する。
【0040】そこで、具体的な空調制御について図5〜
図7に基づいて説明する。図5は、冷房運転時における
衣服内温度の制御を示しており、先ず、衣服内温度の快
適領域が、30.8℃から33.0℃の範囲に設定さ
れ、やゝ快適領域が、30.2℃から33.7℃の範囲
に設定されている。
【0041】そこで、上記温度制御手段(31)は、次の
ように圧縮機の運転周波数と室内ファンとを制御する。
例えば、衣服内温度が33.7℃より高温の初期状態で
は、圧縮機周波数を67Hzで、室内ファンを定格風量で
運転し、衣服内温度がやゝ快適領域の33.7℃以下に
なると、圧縮機周波数を35Hzで、室内ファンを微風で
運転し(A1参照)、衣服内温度が快適領域の33.0℃
以下になると、圧縮機周波数を25Hzで、室内ファンを
超微風で運転する(B1参照)。
【0042】その後、衣服内温度が快適領域の下限値で
ある30.8℃になると、圧縮機及び室内ファンを停止
(C1参照)して5分間そのまゝ待機し、5分が経過する
と、圧縮機周波数を25Hzで、室内ファンを超微風で運
転する(D1参照)。そして、再度、衣服内温度が快適領
域の下限値である30.8℃になると、圧縮機及び室内
ファンを停止(E1参照)して5分間そのまゝ待機し、こ
の5分が経過した際、衣服内温度が快適領域の33.0
℃より高温であると、圧縮機周波数を35Hzで、室内フ
ァンを微風で運転する(F1参照)。
【0043】続いて、衣服内温度が快適領域の33.0
℃以下になると、圧縮機周波数を25Hzで、室内ファン
を超微風で運転する(G1参照)。更に、衣服内温度が快
適領域の下限値である30.8℃になると、上述したよ
うに圧縮機及び室内ファンを停止(H1参照)して5分間
そのまゝ待機し、上記動作を繰返し、衣服内温度が快適
領域及びやゝ快適領域に収まるように冷房運転を制御す
ることになる。
【0044】また、暖房運転時においては、図6に示す
ように制御することになる。先ず、冷房運転時と同様
に、衣服内温度の快適領域が、30.8℃から33.0
℃の範囲に設定され、やゝ快適領域が、30.2℃から
33.7℃の範囲に設定されている。
【0045】そこで、上記温度制御手段(31)は、次の
ように圧縮機の運転周波数と室内ファンとを制御する。
例えば、衣服内温度が30.2℃より低温の初期状態で
は、圧縮機周波数を85Hzで、室内ファンを定格風量で
運転し、衣服内温度がやゝ快適領域の30.2℃以上に
なると、圧縮機周波数を45Hzで、室内ファンを微風で
運転し(A2参照)、衣服内温度が快適領域の30.8℃
以上になると、圧縮機周波数を35Hzで、室内ファンを
超微風で運転する(B2参照)。
【0046】その後、衣服内温度が快適領域の上限値で
ある33.0℃になると、圧縮機及び室内ファンを停止
(C2参照)して5分間そのまゝ待機し、5分が経過する
と、圧縮機周波数を35Hzで、室内ファンを超微風で運
転する(D2参照)。そして、再度、衣服内温度が快適領
域の上限値である33.0℃になると、圧縮機及び室内
ファンを停止(E2参照)して5分間そのまゝ待機し、こ
の5分が経過した際、衣服内温度が快適領域の30.8
℃より低温であると、圧縮機周波数を45Hzで、室内フ
ァンを微風で運転する(F2参照)。
【0047】続いて、衣服内温度が快適領域の30.8
℃以上になると、圧縮機周波数を35Hzで、室内ファンを
超微風で運転する(G2参照)。更に、衣服内温度が快適
領域の上限値である33.0℃になると、上述したよう
に圧縮機及び室内ファンを停止(H2参照)して5分間そ
のまゝ待機し、上記動作を繰返し、衣服内温度が快適領
域及びやゝ快適領域に収まるように暖房運転を制御する
ことになる。
【0048】一方、図7は、冷房運転時及び暖房運転時
における衣服内湿度の制御を示しており、上記温度制御
手段(31)によって衣服内温度が快適領域或いはやゝ快
適領域に収まっている状態において、湿度制御手段(3
2)が衣服内湿度を制御することになる。そして、衣服
内湿度の快適領域が、40%から60%の範囲に設定さ
れ、やゝ快適領域が、20%から67%の範囲に設定さ
れている。
【0049】そこで、上記湿度制御手段(32)は、次の
ように圧縮機の運転周波数と室内ファンとを制御する。
例えば、衣服内湿度が67%より高湿の初期状態では、
圧縮機周波数を65Hzで、室内ファンを定格風量で運転
し、衣服内湿度がやゝ快適領域の67%以下になると、
圧縮機周波数を35Hzで、室内ファンを微風で運転し
(A3参照)、衣服内湿度が快適領域の60%以下になる
と、圧縮機周波数を25Hzで、室内ファンを超微風で運
転する(B2参照)。
【0050】その後、衣服内湿度が快適領域の下限値で
ある40%になると、圧縮機及び室内ファンを停止(C3
参照)して5分間そのまゝ待機し、5分が経過すると、
圧縮機周波数を25Hzで、室内ファンを超微風で運転す
る(D3参照)。そして、再度、衣服内湿度が快適領域の
下限値である40%になると、圧縮機及び室内ファンを
停止(E3参照)して5分間そのまゝ待機し、この5分が
経過した際、衣服内湿度が快適領域の60%より高い
と、圧縮機周波数を35Hzで、室内ファンを微風で運転
する(F3参照)。
【0051】続いて、衣服内湿度が快適領域の60%以
下になると、圧縮機周波数を25Hzで、室内ファンを超
微風で運転する(G3参照)。更に、衣服内湿度が快適領
域の下限値である40%になると、上述したように圧縮
機及び室内ファンを停止(H3参照)して5分間そのまゝ
待機し、上記動作を繰返し、衣服内温度が快適領域及び
やゝ快適領域に収まっている状態で、なおかつ衣服内湿
度が快適領域及びやゝ快適領域に収まるように空調運転
を制御することになる。
【0052】−第1の実施例の特有の効果− 以上のように、本実施例によれば、衣服内気候センサ
(5a)が検知した衣服内温度等に基づいて空調機(2)
を制御するようにしたゝめに、着衣状態にある人間の皮
膚感覚、特に、蒸れ感や濡れ感等の湿潤感を評価して空
調制御することができる。この結果、居住者(12)の着
衣状態に即した空調制御を行うことができるので、着衣
状態にある人間の温熱快適性を向上させることができ
る。
【0053】また、上記着衣状態にある人間の皮膚感覚
を評価していることから、必要以上の冷房や、逆に必要
以上の暖房を防止することができ、省エネルギ化を図る
ことができる。
【0054】また、上記衣服内気候センサ(5a)によっ
て衣服内気候の状態を検出するようにしたゝめに、衣服
内気候の状態を正確に反映させることができるので、確
実に温熱快適性及び省エネルギ化の向上を図ることがで
きる。
【0055】尚、本実施例においては、衣服内気候の状
態を衣服内気候センサ(5a)によって検出するようにし
たが、図2の破線で示すように、状態出力手段である状
態申告手段(5b)を設け、衣服内気候の状態を居住者
(12)が申告するようにしてもよく、例えば、温冷感に
ついて、“暑い”、“寒い”等を入力するようにし、ま
た、湿潤感について、“じっとりしている”、“さらっ
としている”等を入力するようにしてもよい。従って、
この実施例によれば、居住者(12)が衣服内気候の状態
を申告するので、センサ等の装着の手間を省略すること
ができる。
【0056】−第2の実施例の構成− 図8は、請求項4に係る発明の第2の実施例を示してお
り、先ず、居住者(12)の人体側条件を入力する人体側
入力手段(4b)が設けられている。該人体側入力手段
(4b)は、居住者(12)のエネルギ代謝量及び着衣量を
情報を入力するように構成され、例えば、休み状態であ
るか、或いは事務等の軽作業状態であるかのエネルギ代
謝量の他、背広或いはセータ等の着衣量の各情報を居住
者(12)の申告によって入力するように構成されてい
る。そして、上記人体側入力手段(4b)と、前実施例と
同様な室内空気温度Ta等を検知する環境センサ(4a)と
によって条件入力手段(4c)が構成されている。
【0057】また、上記人体側入力手段(4b)より入力
された人体側条件の情報信号は、熱特性算出手段(6a)
に入力される。該熱特性算出手段(6a)は、上記人体側
入力手段(4b)と環境センサ(4a)とからの条件信号に
基づいて人体表面の熱特性である熱物質伝達率等を算出
して熱特性信号を出力するように構成されている。つま
り、衣服外表面の熱抵抗Raと、衣服(13)の熱抵抗Rcl
とを求めて体表面熱物質伝達率を算出している。
【0058】上記熱特性算出手段(6a)の熱特性信号
は、状態識別手段(6b)に入力されており、該状態識別
手段(6b)は、この熱特性信号に基づいて居住者(12)
における衣服内気候の状態を導出して状態信号を出力す
るように構成されている。
【0059】更に、上記状態識別手段(6b)の状態信号
は、空調制御回路(3b)に入力され、該空調制御回路
(3b)は、この状態信号を受けて居住者(12)の衣服内
気候が所定状態になるように制御信号を出力して上記空
調機(2)を制御する空調制御手段を構成しており、前
実施例と同様に温度制御手段(31)と湿度制御手段(3
2)とを備えている。
【0060】そこで、具体的な衣服内温度等の導出過程
について説明する。図9に示すように、居住者(12)が
肌着と中着と上着とを着ている場合において、皮膚面と
肌着との間、肌着と中着との間及び中着と上着との間に
は空気層が存し、皮膚面温度Tsと衣服外表面温度Tcl と
の間では、衣服(13)の熱抵抗Rcl によって温度降下が
生じることになる。更に、上記衣服外表面温度Tcl と室
内空気温度Taとの間では、衣服外表面の熱抵抗Raによっ
て温度降下が生じることになる。
【0061】この衣服(13)の熱抵抗Rcl[m2 ℃/W]
は、 Rcl=l/λe ……(1) l:皮膚表面から衣服外面までの厚さ [m] λe :皮膚表面から衣服外面の間の見掛けの熱伝達 [W
/m℃] で表され、また、この衣服(13)の熱抵抗Rcl は、 Iclo=Rcl /0.155 ……(2) Iclo:クロ値 [−] で表される。
【0062】また、上記衣服外表面の熱抵抗Ra [m2
/W] は、空気温度Taと平均輻射温度Trとが等しいとき
に、 Ra=1/(hc+hr) ……(3) hc:対流熱伝達率 [W/m2 ℃] hr:輻射熱伝達率 [W/m2 ℃] で表される。
【0063】そこで、上記居住者(12)の着衣状態にお
ける熱状態を、例えば、図10のようにモデル化する。
ここで、居住者(12)の皮膚表面と衣服外面の間の衣服
(13)の熱抵抗Rcl については、空気層が7割寄与し、
衣服繊維層が3割寄与していると仮定する。
【0064】このことから、上記(2) 式に基づきクロ値
Icloから衣服(13)の熱抵抗Rclが算出され、この熱抵
抗Rcl の寄与率から皮膚面温度Tsと仮想衣服内面温度Tc
liとの間の温度降下が導出されると共に、仮想衣服内面
温度Tcliと衣服外表面温度Tcl との間の温度降下が導出
される。そして、上記皮膚面温度Tsと仮想衣服内面温度
Tcliとから衣服内温度Tin が導出される(Tin ={Ts+
Tcli}/2)。
【0065】また、上記対流熱伝達率hcは気流速度Vaか
ら、上記輻射熱伝達率hrは輻射温度Tr及び衣服外表面温
度Tcl(初期値は室内空気温度Ta)から求めて上記(3) 式
に基づき衣服外表面の熱抵抗Raが算出され、衣服外表面
温度Tcl と室内空気温度Taとの間の温度降下が導出され
る。
【0066】以上のことから室内空気温度Ta等に基づき
皮膚面温度Tsと衣服内温度Tin と衣服外表面温度Tcl と
を導出している。
【0067】また、上記居住者(12)の皮膚面相対湿度
RHs 、衣服内相対湿度RHin及び衣服外表面相対湿度RHcl
は、下記の理論に基づいて導出するようにしている。先
ず、図10に示すように、上述の如く導出した皮膚面温度
Tsから皮膚面飽和水蒸気圧Pss[キロパスカル:kPa]を、
上記仮想衣服内面温度Tcliから仮想衣服内面飽和水蒸気
圧Pscli[kPa]を、上記衣服外表面温度Tcl から衣服外表
面飽和水蒸気圧Pscl[kPa] をそれぞれ導出し、また、上
記室内空気温度Ta及び室内相対湿度RHa から室内水蒸気
分圧Pa[kPa] を導出する。
【0068】更に、上記皮膚面飽和水蒸気圧Pss から次
式に基づいて皮膚面水蒸気分圧Ps[kPa] 及び皮膚面相対
湿度RHs[%] を算出する。 Ps=w×Pss +(1−w)×Pa ……(4) RHs =(Ps/Pss)×100 ……(5) Ps:皮膚面水蒸気分圧 Pss:皮膚面飽和水蒸気圧 Pa:室内水蒸気分圧 RHs:皮膚面相対湿度 w:濡れ面積率 また、上記仮想衣服内面飽和水蒸気圧Pscli から次式に
基づいて仮想衣服内面水蒸気分圧Pcli[kPa] 及び仮想衣
服内面相対湿度RHcli[%] を算出する。 Pcli=w×Pscli +(1−w)×Pa ……(6) RHcli =(Pcli/Pscli)×100 ……(7) Pcli:仮想衣服内面水蒸気分圧 Pscli:仮想衣服内面飽和水蒸気圧 Pa:室内水蒸気分圧 RHcli:仮想衣服内面相対湿度 w:濡れ面積率 また、上記衣服外表面飽和水蒸気圧Psclから次式に基づ
いて衣服外表面水蒸気分圧Pcl[kPa]及び衣服外表面相対
湿度RHcl [%] を算出する。 Pcl =w×Pscl+(1−w)×Pa ……(8) RHcl=(Pcl /Pscl) ×100 ……(9) Pcl:衣服外表面水蒸気分圧 Pscl:衣服外表面飽和水蒸気圧 Pa:室内水蒸気分圧 RHcl:衣服外表面相対湿度 w:濡れ面積率 一方、上記(4), (6)式から求めた皮膚面水蒸気分圧Ps及
び仮想衣服内面水蒸気分圧Pcliを用い、次式に基づき衣
服内飽和水蒸気圧Psin[kPa] 、衣服内水蒸気分圧Pin[kP
a]及び衣服内相対湿度RHin [%] を算出する。 Psin=(Pss+Pscli)/2 ……(10) Pin = (Ps+Pcli) /2 ……(11) RHin=(Pin/Psin) ×100 ……(12) 以上のことから皮膚面温度Ts等に基づき皮膚面相対湿度
RHs と衣服内相対湿度RHinと衣服外表面相対湿度RHclと
を導出している。
【0069】−第2の実施例の空調動作− 次に、空調制御動作について図11の制御フローに基づ
いて説明する。先ず、空調動作を開始すると、ステップ
ST1において、計算条件を入力する。つまり、環境セン
サ(4a)が部屋(11)の室内空気温度Taと室内相対湿度
RHaと気流速度Vaと輻射温度Trとを検知しており、この
検知した室内空気温度Ta等の環境信号が入力されると共
に、居住者(12)から自己申告でもって直接に人体側入
力手段(4b)からエネルギ代謝量と着衣量の条件信号が
入力される。
【0070】続いて、上記ステップST1からステップST
2に移り、人体生理状態の初期値が設定されている。こ
れは、暑くもなく寒くもない中立状態における人体の皮
膚温、深部温及び血流量等を予め設定したものである。
【0071】その後、上記ステップST2からステップST
3に移り、熱特性算出手段(6a)が上記気流速度Vaや着
衣量の情報から体表面熱物質伝達率を算出する。具体的
に、上記(2)式に基づきクロ値Icloから衣服(13)の
熱抵抗Rcl を算出し、また、対流熱伝達率hcを気流速度
Vaから、輻射熱伝達率hrを輻射温度Tr及び衣服外表面温
度Tcl(初期値は室内空気温度Ta)から求めて上記(3) 式
に基づき衣服外表面の熱抵抗Raを算出する。
【0072】次いで、上記ステップST3からステップST
4に移り、体内熱産生と皮膚表面熱交換との熱平衡状態
を計算し、つまり、居住者(12)の体温調節機能に基づ
き、予め算出した居住者(12)の放熱量(熱流)の他、
上記熱抵抗Rcl,Ra及び室内空気温度Taなどから皮膚表面
温度Ts等の人体生理状態を算出する。そして、上述した
手法によりを衣服外表面温度Tcl を算出する。
【0073】その後、上記ステップST4からステップST
5に移り、衣服表面の温度である衣服外表面温度Tcl が
定常状態であるか否かを判定し、この今回の衣服外表面
温度Tcl と前回算出した衣服外表面温度Tcl との差温が
0.01℃以下になるまで上記ステップST3に戻って該ステ
ップST3からステップST5までの動作を繰返すことにな
る。このステップST3からステップST5で上記熱特性算
出手段(6a)が構成されている。
【0074】そして、この今回の衣服外表面温度Tcl と
前回の衣服外表面温度Tcl との差温が0.01℃以下になる
と、上記ステップST5の判定がYESとなってステップ
ST6に移り、上記状態識別手段(6b)が衣服内温度Tin
等を出力し、衣服内気候の状態判別動作を終了し、この
ステップST6で状態識別手段(6b)が構成されている。
【0075】続いて、上述した衣服内温度Tin 及び衣服
内相対湿度RHinが快適状態になるように圧縮機の運転周
波数及び室内ファンの風量を空調制御回路(3b)の温度
制御手段(31)及び湿度制御手段(32)が制御する。
【0076】具体的に、図12は、熱特性算出手段(6
a)及び状態識別手段(6b)による温度の算出結果を示
しており、また、図13は、熱特性算出手段(6a)及び
状態識別手段(6b)による湿度の算出結果を示してい
る。この各算出条件は、次の通りである。 気流速度:0.2m/s 湿度:50% 着衣量:1.0clo 活動量:1.1met 仕事量:0.0met そして、上記図12において、例えば、室内空気温度Ta
と平均輻射温度Trとが等しい環境において、室内空気温
度Taが5℃であるときには、皮膚面温度Tsが約27℃
で、衣服内温度Tin が約22℃で、衣服外表面温度Tcl
が約14℃である。また、上記室内空気温度Taが20℃
であるときには、皮膚面温度Tsが約33℃で、衣服内温
度Tin が約31℃で、衣服外表面温度Tcl が約25℃で
ある。従って、上記衣服内温度Tin が快適温度領域X1
或いはやゝ快適温度領域Y2に収まるように空調機
(2)を制御することになる。
【0077】一方、上記図13において、例えば、室内
空気温度Taと平均輻射温度Trとが等しい環境において、
室内空気温度Taが5℃であるときには、皮膚面相対湿度
RHs が約17%で、衣服内相対湿度RHinが約18%で、
衣服外表面相対湿度RHclが約30%である。また、上記
室内空気温度Taが30℃であるときには、皮膚面相対湿
度RHs が約45%で、衣服内相対湿度RHinが約47%
で、衣服外表面相対湿度RHclが約67%である。従っ
て、上記衣服内相対湿度RHinが快適湿度領域X2或いは
やゝ快適温度領域Y2に収まるように空調機(2)を制
御することになる。
【0078】−第2の実施例の特有の効果− 以上のように、本実施例によれば、人体側条件と環境側
条件とによって衣服内気候の状態を導出して空調機
(2)を制御するようにしたゝめに、前実施例と同様
に、居住者(12)の着衣状態に即した空調制御を行うこ
とができるので、着衣状態にある人間の温熱快適性を向
上させることができると共に、必要以上の冷房や、逆に
必要以上の暖房を防止することができる一方、省エネル
ギ化を図ることができる。
【0079】更に、居住者(12)が着衣量等を入力する
のみでもって衣服内気候の状態を導出するようにしたゝ
めに、人体側条件の検知センサを不要とすることができ
るので、簡易な操作でもって温熱快適性を向上させるこ
とができる。
【0080】−第3の実施例の構成− 図14〜図16は、第3の実施例を示しており、この第
3の実施例は、上記第2の実施例における皮膚面温度Ts
と皮膚面相対湿度RHs とを補正して衣服内温度Tin と衣
服内相対湿度RHinとを導出するようにしたものである。
【0081】つまり、第2の実施例においては、皮膚面
温度Tsと仮想衣服内面温度Tcliとから衣服内温度Tin を
導出し(Tin ={Ts+Tcli}/2)、また、皮膚面水蒸
気分圧Ps及び仮想衣服内面水蒸気分圧Pcliから衣服内相
対湿度RHinを導出していた(式(10)〜(12)参照)。
【0082】一方、本願発明者は、実際に衣服内温度Ti
n と衣服内相対湿度RHinとを測定した。先ず、この測定
条件は、夏期と冬期とに区分して表1の通りである。
【表1】
【0083】そして、図14に示すように、居住者(1
2)に対し、温冷感や湿潤感の寄与度が大きい胸と腹
と背中上部と背中下部との各部位の衣服内温度Ti
n と衣服内相対湿度RHinとなどを測定した。その結果、
夏季については、表2に示す通りであった。尚、夏期に
ついては上記4部位を対象とした。
【表2】
【0084】また、冬期については、表3に示す通りで
あった。尚、冬期については胸と腹との中間部、及
び背中上部と背中下部との中間部の2部位を対象と
した。
【表3】
【0085】上記表2及び表3に示すように、皮膚面温
度Tsと皮膚面相対湿度RHs とについて、上記第2の実施
例に説明した通りに理論値として算出した。このことか
ら、理論値の皮膚面温度Ts及び皮膚面相対湿度RHs と、
実測値の衣服内温度Tin 及び衣服内相対湿度RHinとの間
には、先ず、夏期に関しては、次式に示す関係があるこ
とが判明した。 Ts=Ts+0.2 ……(13) RHin=RHs +0.3 ……(14) また、冬期に関しては、次式に示す関係があることが判
明した。 Ts=Ts+0.8 ……(15) RHin=RHs +1.0 ……(16) 更にまた、上記式(13)〜(16)から、理論値の皮膚面温度
Ts及び皮膚面相対湿度RHs と、実測値の衣服内温度Tin
及び衣服内相対湿度RHinとの間の補正量は、微小であ
り、理論値の皮膚面温度Ts及び皮膚面相対湿度RHs と、
実測値の衣服内温度Tin 及び衣服内相対湿度RHinとは、
ほゞ同じと見做してもよいことが判明した。
【0086】以上のことから、本実施例における状態識
別手段(6b)は、熱特性算出手段(6a)の熱特性信号に
基づいて空調対象者(12)における皮膚面状態値を導出
し、具体的に、皮膚面温度Ts及び皮膚面相対湿度RHs を
算出し、該皮膚面温度Ts及び皮膚面相対湿度RHs を上記
式(13)〜(16)に基づいて補正し、衣服内気候の状態、つ
まり、衣服内温度Tin 及び衣服内相対湿度RHinを導出し
て状態信号を出力するように構成されている。
【0087】例えば、前実施例の図12に対応した図1
5に示すように、衣服内温度Tinは、前実施例で算出さ
れた皮膚面温度Tsを式(15)の通り補正して導出し、この
衣服内温度Tin が快適温度領域X1或いはやゝ快適温度
領域Y1に収まるように空調機(2)を制御することに
なる。
【0088】また、前実施例の図13に対応した図16
に示すように、衣服内相対湿度RHinは、前実施例で算出
された皮膚面相対湿度RHs を式(16)の通り補正して導出
し、この衣服内相対湿度RHinが快適湿度領域X2或いは
やゝ快適温度領域Y2に収まるように空調機(2)を制
御することになる。
【0089】−第3の実施例の特有の効果− 以上のように、本実施例によれば、人体側条件と環境側
条件とによって皮膚面状態値を導出して補正し、衣服内
気候の状態を導出するようにしたゝめに、衣服内気候の
状態を高精度で導出することができる。具体的に、衣服
内温度及び衣服内相対湿度を高精度で導出することがで
きるので、制御精度の向上を図ることができると共に、
より快適性の向上を図ることができる。
【0090】つまり、前実施例の如く、衣服内温度Tin
を算出するために仮想衣服内面温度Tcliを導出する必要
がなく、また、衣服内相対湿度RHinを算出するために仮
想衣服内面水蒸気分圧Pcli等(上記式(6) 等参照)を導
出する必要がなく、衣服内温度Tin 及び衣服内相対湿度
RHinを算出するための変動値が少なくすることができ
る。この結果、上記衣服内温度及び衣服内相対湿度の精
度を向上させることができる。
【0091】−その他の変形例− 尚、本実施例においては、衣服内気候の状態に基づいて
圧縮機の運転周波数と室内ファンの風量とを制御するよ
うにしたが、室内ファンの風向等を制御するようにして
もよい。
【0092】また、空調機(2)は、実施例に限られる
ものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】空調システムを示す概略図である。
【図3】空調機の制御ブロック図である。
【図4】衣服内気候と快適感との特性図である。
【図5】冷房運転時における温度制御の制御タイミング
図である。
【図6】暖房運転時における温度制御の制御タイミング
図である。
【図7】冷房運転時における湿度制御の制御タイミング
図である。
【図8】第2の実施例を示す空調機の制御ブロック図で
ある。
【図9】着衣状態における熱移動の特性図である。
【図10】着衣状態における熱移動のモデル図である。
【図11】衣服内気候の状態を導出する制御フロー図で
ある。
【図12】室内空気温度に対する衣服内温度の特性図で
ある。
【図13】室内空気温度に対する衣服内湿度の特性図で
ある。
【図14】第3の実施例を示す居住者の測定箇所の概略
図である。
【図15】室内空気温度に対する衣服内温度及び皮膚面
温度の特性図である。
【図16】室内空気温度に対する衣服内湿度及び皮膚面
湿度の特性図である。
【符号の説明】 1 空調システム 12 空調対象者(空調対象者) 13 衣服 2 空調機 3a,3b 空調制御回路(空調制御手段) 31 温度制御手段 32 湿度制御手段 4a 環境センサ 4b 人体側入力手段 4c 条件入力手段 5a 衣服内気候センサ(状態検出手段) 5b 状態申告手段 6a 熱特性算出手段 6b 状態識別手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】調和空気を生成して該調和空気を吹出す空
    調機(2)と、 空調対象者(12)の衣服内気候に基づく状態信号を出力
    する状態出力手段(5a,5b)と、 該状態出力手段(5a,5b)からの状態信号を受けて空調
    対象者(12)の衣服内気候が所定状態になるように制御
    信号を出力して上記空調機(2)を制御する空調制御手
    段(3a)とを備えていることを特徴とする空調制御装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の空調制御装置において、 状態出力手段(5b)は、空調対象者(12)の申告に基づ
    いて状態信号を出力する状態申告手段であることを特徴
    とする空調制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の空調制御装置において、 状態出力手段(5a)は、空調対象者(12)に設けられて
    該空調対象者(12)の衣服内気候を検出して状態信号を
    出力する状態検出手段であることを特徴とする空調制御
    装置。
  4. 【請求項4】調和空気を生成して該調和空気を吹出す空
    調機(2)と、 空調領域(11)の環境側条件と空調対象者(12)の人体
    側条件との条件信号が入力される条件入力手段(4c)
    と、 該条件入力手段(4c)からの条件信号に基づいて空調対
    象者(12)の人体表面における熱特性を算出して熱特性
    信号を出力する熱特性算出手段(6a)と、 該熱特性算出手段(6a)の熱特性信号に基づいて空調対
    象者(12)における衣服内気候の状態を導出して状態信
    号を出力する状態識別手段(6b)と、 該状態識別手段(6b)からの状態信号を受けて空調対象
    者(12)の衣服内気候が所定状態になるように制御信号
    を出力して上記空調機(2)を制御する空調制御手段
    (3b)とを備えていることを特徴とする空調制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の何れか1記載の空調制御装
    置において、 空調制御手段(3a,3b)は、空調対象者(12)の衣服内
    温度が所定値になるように温度制御信号を出力して空調
    機(2)を制御する温度制御手段(31)を備えているこ
    とを特徴とする空調制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れか1記載の空調制御装
    置において、 空調制御手段(3a,3b)は、空調対象者(12)の衣服内
    湿度が所定値になるように湿度制御信号を出力して空調
    機(2)を制御する湿度制御手段(32)を備えているこ
    とを特徴とする空調制御装置。
  7. 【請求項7】請求項4記載の空調制御装置において、 状態識別手段(6b)は、熱特性算出手段(6a)の熱特性
    信号に基づいて空調対象者(12)における皮膚面状態値
    を導出して該皮膚面状態値を補正し、衣服内気候の状態
    を導出して状態信号を出力するように構成されているこ
    とを特徴とする空調制御装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の空調制御装置において、 状態識別手段(6b)は、空調対象者(12)における皮膚
    面温度及び皮膚面相対湿度を導出して該皮膚面温度及び
    皮膚面相対湿度を補正し、衣服内温度及び衣服内相対湿
    度を導出するように構成されていることを特徴とする空
    調制御装置。
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