JPH07228541A - プラスミノーゲンアクチベーター放出抑制剤 - Google Patents

プラスミノーゲンアクチベーター放出抑制剤

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JPH07228541A
JPH07228541A JP6020181A JP2018194A JPH07228541A JP H07228541 A JPH07228541 A JP H07228541A JP 6020181 A JP6020181 A JP 6020181A JP 2018194 A JP2018194 A JP 2018194A JP H07228541 A JPH07228541 A JP H07228541A
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JP
Japan
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serrapeptase
plasminogen activator
tsp
plasma
suppressant
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JP6020181A
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English (en)
Inventor
Kyohiko Moriya
教彦 守谷
Junji Kakinuma
淳司 垣沼
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱湯,火および紫外線などに起因するやけどの
治療等に有用なプラスミノーゲンアクチベーター放出抑
制剤およびやけど治療剤の提供。 【構成】セラペプターゼを含有してなる、プラスミノー
ゲンアクチベーター放出抑制剤。 【効果】本発明によれば、熱湯,火および紫外線などに
起因するやけどの治療等に有用なプラスミノーゲンアク
チベーター放出抑制剤およびやけど治療剤が提供され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱湯,火および紫外線
などに起因するやけどの治療等に有用なプラスミノーゲ
ンアクチベーター放出抑制剤およびやけど治療剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】バイオケミカルファーマコロジー(Bioc
hemical Pharmacology),31巻,2861〜2866
頁(1982年)には、セラチアプロテアーゼによる、
熱傷受傷ラットにおける線維素溶解活性の抑制について
の報告がある。しかし、プラスミノーゲンアクチベータ
ー放出抑制作用についての記載はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】熱傷や火傷等の受傷患
者においては線溶系の亢進や血管透過性の顕著な亢進が
認められ、このことが患者の生命維持に大きな障害とな
っている。通常、このような患者に対しては、血管透過
性亢進による血中の水成分が漏出して血液粘度が増すた
め、まず輸液の補給を行い血液量の維持をはかり、しか
も抗生物質投与による細菌感染に対する防御的治療が必
要とされる。このようなやけど時に輸液の補給や抗生物
質投与を必要としない薬剤の開発が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ラットの
熱傷受傷モデルを考案して、炎症をきたした動物へのセ
ラペプターゼ〔ダーゼン(商品名)〕投与による出血傾
向について検討したところ、意外にもセラペプターゼ投
与による出血傾向の助長は認められず、逆に出血を抑制
する作用が認められた。この研究を重ねたところ、セラ
ペプターゼの経口投与により、亢進した線溶活性および
血管透過性が有意に抑制される、経口投与されたセラペ
プターゼの一部がプロテアーゼ活性を保持したまま血液
中へ移行する、セラペプターゼの静脈内投与により、亢
進した線溶活性が有意に抑制される、セラペプターゼの
亢進した線溶活性の抑制時には、血管壁からの組織プラ
スミノーゲンアクチベーターの放出が抑制されることを
見いだし、これらの知見に基づきさらに検討した結果、
本発明を完成するに至った。本発明は、(1)セラペプ
ターゼを含有してなる、プラスミノーゲンアクチベータ
ー放出抑制剤、(2)セラペプターゼを1ないし50重
量%の割合で含有してなる第1項記載のプラスミノーゲ
ンアクチベーター放出抑制剤、(3)やけど時に用いる
第1項記載のプラスミノーゲンアクチベーター放出抑制
剤、(4)経口剤である第1項記載のプラスミノーゲン
アクチベーター放出抑制剤、(5)外用剤である第1項
記載のプラスミノーゲンアクチベーター放出抑制剤、お
よび(6)セラペプターゼを含有してなる、やけど治療
剤に関する。
【0005】本発明において、セラペプターゼは、例え
ば特公昭41−10193号公報,米国特許第3,69
1,014号等にセラチア属菌が産生するプロテアーゼ
として記載され、また、特開昭61−215330号公
報に、セラペプターゼとして記載されている。セラペプ
ターゼは、セラチア属に属し、セラペプターゼを生産す
る能力を有する微生物を培地に培養することにより得ら
れる。該セラチア属に属し、セラペプターゼを生産する
能力を有する微生物としては、例えばセラチア・エスピ
ーE15株が挙げられる。該セラチア・エスピーE15
は、ジ・アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクショ
ン(The American Type Culture Collection)(米国)
に西暦1967年5月15日に受託番号ATCC210
74として寄託され、該コレクションのカタログ・オブ
・ストレインズ I 第15版1982年(The Americ
an Type Culture Collection Catalogue of Strains I
Fifteenth Edition 1982)に掲載されている。セラペプ
ターゼは、例えば特公昭41−10193号公報,米国
特許第3,691,014号,アグリカルチャー アン
ド バイオロジカル ケミストリー(Agriculture and
Biological Chemistry),34巻,310〜318頁
(1970年)等に記載の方法により製造することがで
きる。
【0006】本発明のプラスミノーゲンアクチベーター
放出抑制剤は、例えばセラペプターゼと医薬として許容
される担体とを混合することにより製造することができ
る。医薬として許容される担体としては、製剤素材とし
て慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固
形製剤において、賦形剤,滑沢剤,結合剤,崩壊剤等
が、液状製剤において、溶剤,溶解補助剤,懸濁化剤,
増粘剤,等張化剤,緩衝剤,無痛化剤等が適宜配合され
る。また、必要に応じて、保存剤,キレート剤、抗酸化
剤,着色剤,甘味剤,着香剤,芳香剤等の製剤添加物を
常法に従って用いてもよい。賦形剤の好適な例として
は、例えば乳糖、白糖、マンニトール、デンプン、結晶
セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤の
好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が
挙げられる。結合剤の好適な例としては、例えば白糖、
マンニトール、マルチトール、デンプン、ゼラチン、ア
ラビアゴム、トラガントガム、結晶セルロース、デキス
トリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アル
ギン酸ナトリウム、キチン、キトサン等が挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキ
シメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカル
シウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメ
チルスターチナトリウム、キチン、キトサン等が挙げら
れる。
【0007】溶剤の好適な例としては、例えば注射用蒸
留水、アルコール(例、エタノール等)、プロピレング
リコール、マクロゴール、グリセリン、オリーブ油、ゴ
マ油、ラッカセイ油、綿実油、ヒマシ油、トウモロコシ
油等が挙げられる。溶解補助剤の好適な例としては、例
えばポリビニルピロリドン、シクロデキストリン、カフ
ェイン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、ト
リスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールア
ミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げら
れる。懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリル
トリエタノールアミン,ラウリル硫酸ナトリウム,ラウ
リルアミノプロピオン酸,レシチン,塩化ベンザルコニ
ウム,塩化ベンゼトニウム,モノステアリン酸グリセリ
ン,ポリソルベート80等の界面活性剤、例えばポリビ
ニルアルコール,ポリビニルピロリドン,カルボキシメ
チルセルロースナトリウム,メチルセルロース,ヒドロ
キシメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,
ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース,アラビアゴム,ゼラチン,アルブミン
等の親水性高分子などが挙げられる。増粘剤の好適な例
としては、例えば卵黄レシチン、ゼラチン、アラビアゴ
ム、トラガントガム、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウ
ム、ペクチン等が挙げられる。等張化剤の好適な例とし
ては、例えばソルビトール,グリセリン,ポリエチレン
グリコール,プロピレングリコール,グルコース,塩化
ナトリウム等が挙げられる。緩衝剤の好適な例として
は、例えばリン酸緩衝剤,ホウ酸緩衝剤,クエン酸緩衝
剤,酒石酸緩衝剤,酢酸緩衝剤等が挙げられる。無痛化
剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコール等が
挙げられる。
【0008】保存剤の好適な例としては、例えばパラオ
キシ安息香酸エステル類、ホウ砂、クロロブタノール、
ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ
酢酸、ソルビン酸またはその塩、パラクロルメタキシノ
ール、クロルクレゾール、チメロサール等が挙げられ
る。キレート剤の好適な例としては、例えばエデト酸ナ
トリウム,クエン酸ナトリウム,縮合リン酸ナトリウム
等が挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、例えば
亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール、シス
テイン等が挙げられる。着色剤の好適な例としては、例
えばタール色素、カンゾウエキス、リボフラビン、酸化
亜鉛等が挙げられる。甘味剤の好適な例としては、例え
ばブドウ糖、ショ糖、果糖、蜂蜜、サッカリン、甘草等
が挙げられる。着香剤の好適な例としては、例えばバニ
リン、メントール、ローズ油等が挙げられる。芳香剤の
好適な例としては、例えばウイキョウ油、ボルネオー
ル、メントール等が挙げられる。上記した以外にも、医
薬として許容される担体としては、例えば寒天、カゼイ
ン、コラーゲン等が挙げられる。
【0009】さらに具体的には、経口剤としては、例え
ば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形製剤や乳
剤、シロップ剤、懸濁剤等の液状製剤が挙げられる。こ
れらの製剤は、製剤工程において通常一般に用いられる
自体公知の方法により製造することができる。例えば錠
剤は、セラペプターゼに前記した賦形剤、崩壊剤、結合
剤または滑沢剤などを適宜添加して、圧縮成形すること
により製造される。この際、所望により、圧縮成形に続
いて、前記した甘味剤,着香剤,芳香剤等をさらに添加
してもよいし、腸溶性あるいは持続性を目的として自体
公知の方法によりコーティングを行ってもよい。コーテ
ィングの際に使用するコーティング剤としては、例えば
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースアセテートサクシネート、エチル
セルロース等が用いられる。懸濁剤は、例えばセラペプ
ターゼを前記した溶剤中に懸濁させることにより製造す
ることができる。この際、所望により、前記した懸濁化
剤等を適宜用いてもよい。
【0010】非経口投与用の製剤としては、例えば注射
剤、点滴剤、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤な
ど)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤)などが挙げられ
る。これらの製剤は、製剤工程において通常一般に用い
られる自体公知の方法により製造することができる。注
射剤は、例えばセラペプターゼを分散剤(例、ツイーン
(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国),HCO
60(日光ケミカルズ製)、ポリエチレングリコー
ル、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウ
ムなど)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラ
ベン、ベンジルアルコールなど)、等張化剤(例、塩化
ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖な
ど)などと共に水性注射剤として、あるいはオリーブ
油、ゴマ油、綿実油、コーン油などの植物油、プロピレ
ングリコールなどに溶解、懸濁あるいは乳化することに
より油性注射剤として製造することができる。外用剤
は、固状、半固状または液状のいずれであってもよい。
例えば固状の外用剤は、セラペプターゼをそのまま、あ
るいは賦形剤(例、グリコール、マンニトール、デンプ
ン、微結晶セルロースなど)、増粘剤(例、天然ガム
類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体など)などを
添加、混合することにより、粉状の組成物として製造す
ることができる。液状の外用剤は、注射剤の場合とほと
んど同様で、油性あるいは水性懸濁剤として製造するこ
とができる。半固状の外用剤は、水性または油性のゲル
剤、あるいは軟骨状のものがよい。また、これらはいず
れもpH調節剤(例、炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、
水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息
香酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベンザルコニ
ウムなど)などを含んでいてもよい。坐剤は、固状、半
固状または液状のいずれであってもよく、また、油性ま
たは水性のいずれであってもよい。坐剤を製造する際の
油性基剤としては、例えば高級脂肪酸のグリセリド
〔例、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベ
ル社製)など〕、中級脂肪酸〔例、ミグリオール類(ダ
イナマイトノーベル社製)など〕、あるいは植物油
(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが挙げられ
る。また、水性基剤としては、たとえばポリエチレング
リコール類、プロピレングリコール、水性ゲル基剤とし
ては、たとえば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニー
ル重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
【0011】本発明のプラスミノーゲンアクチベーター
放出抑制剤は、経口剤または外用剤として用いることが
好ましい。本発明のプラスミノーゲンアクチベーター放
出抑制剤は、セラペプターゼを1ないし50重量%の割
合で含有していることが好ましい。プラスミノーゲンア
クチベーター放出抑制剤およびやけど治療剤は、セラペ
プターゼを1ないし30重量%の割合で含有しているこ
とがさらに好ましい。
【0012】本発明のプラスミノーゲンアクチベーター
放出抑制剤は、毒性も低く、哺乳動物(例、ヒト,ウサ
ギ,イヌ,ネコ,ウシ,ウマ,サル等)に対し、経口的
もしくは非経口的に、安全に投与することができる。本
発明のプラスミノーゲンアクチベーター放出抑制剤は、
例えば熱湯,火および紫外線などに起因するやけど、
癌、敗血症および白血病等により引き起こされる、血管
壁から血液中へのプラスミノーゲンアクチベーター放出
を抑制することができる。したがって、該プラスミノー
ゲンアクチベーター放出抑制剤は、哺乳動物に対し、や
けど,癌,敗血症および白血病等の治療および予防を目
的として用いられる。本発明のプラスミノーゲンアクチ
ベーター放出抑制剤は、とりわけ、やけど時に用いるこ
とが好ましい。本発明のプラスミノーゲンアクチベータ
ー放出抑制剤を、例えば人に用いる場合の投与量は、対
象疾患,投与経路,治療する患者の個々の年齢及び疾患
の程度等によって異なるが、例えば成人には、一日あた
り通常10ないし5000μg/kg体重程度、好ましく
は100ないし1000μg/kg体重程度である。
【0013】本発明のやけど治療剤は、上記したプラス
ミノーゲンアクチベーター放出抑制剤と同様にして製造
し、使用することができる。本発明のやけど治療剤は、
例えば哺乳動物(例、ヒト,ウサギ,イヌ,ネコ,ウ
シ,ウマ,サル等)に対し、熱湯,火および紫外線など
に起因するやけどの治療および予防を目的として用いら
れる。本発明のやけど治療剤を、例えば人に用いる場合
の投与量は、対象疾患,投与経路,治療する患者の個々
の年齢及び疾患の程度等によって異なるが、例えば成人
には、一日あたり通常10ないし5000μg/kg体重
程度、好ましくは100ないし1000μg/kg体重程
度である。
【0014】
【実施例】次に本発明を実施例を挙げてより具体的に説
明するが、これらにより本発明の範囲が限定されるもの
ではない。なお、実施例中の%は、特記しない限り重量
%を示す。 実施例1 以下の配合処方により、1錠あたり、セラペプターゼ5
mgを含有する錠剤を製造した。 (配合処方) セラペプターゼ 5mg 乳糖 90mg コーンスターチ 38.5mg ゼラチン 1mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg ───────────────────────── 1錠あたり 135mg
【0015】実施例2 以下の配合処方により、1錠あたり、セラペプターゼ1
0mgを含有する錠剤を製造した。 (配合処方) セラペプターゼ 10mg 乳糖 94mg コーンスターチ 23mg ゼラチン 1mg 結晶セルロース 6.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg ───────────────────────── 1錠あたり 135mg
【0016】実施例3 セラペプターゼ52gと乳糖48gとを混合粉砕し、セ
ラペプターゼ52%を含有する粉末を得た。
【0017】試験例1 セラペプターゼ(経口投与)の
血管透過性亢進に対する抑制作用 ラット(Jcl/SD,日本クレア社)に、セラペプター
ゼを150mg/kgとなるように経口投与し、30分後に
背部を剪毛し、背部皮膚に60℃の熱水が還流している
ガラス製円筒(直径2cm)を1分間当てて受傷させた。
受傷30分後にエバンスブルー(和光純薬社,10mg/
mlとなるように生理食塩水に溶解して用いた)を30mg
/kgとなるように静脈内投与し、30分後に受傷背部
の皮膚を剥離した。受傷局所の皮膚を細かく切り、10
mlのアセトン−硫酸ナトリウム混液(アセトンと0.5
%硫酸ナトリウム水溶液との7対3容の混合液)に1夜
浸漬してエバンスブルーを抽出し、抽出液の色素量を分
光光度計(日立製作所社)により620nmの吸光度を
測定して血管透過性の指標にした。結果を〔表1〕に示
す。
【表1】 〔表1〕から明らかなように、受傷局所に漏出した色素
量が、熱傷により血管透過性が亢進した対照群では0.
18±0.06であったのに対し、セラペプターゼ投与
群では0.10±0.05で、色素量が有意(P<0.0
1)(Pは危険率を示す。以下同様)に減少した。その
結果、セラペプターゼは熱傷による血管透過性の亢進を
抑制する作用のあることが明らかになった。
【0018】試験例2 セラペプターゼ(経口投与)の
線溶活性亢進に対する抑制作用 ラット(Jcl/SD,日本クレア社)をエーテル麻酔
し、体表面積の約30%に相当する背部を55℃の熱水
中に1分間浸漬して受傷させた。受傷3分後に、実施例
3で得られた粉末を経口投与し、さらに57分後に尾静
脈から0.5ml採血して、得られた血液の0.36mlを
トロンボエラストグラフ(ヘリゲ社,ドイツ)に供し
た。トロンボエラストグラフにより得られたトロンボエ
ラストグラムから次式により線溶率(%)を求め、線溶
活性として表示した。
【数1】 得られた結果を〔表2〕に示す。
【表2】 〔表2〕から明らかなように、セラペプターゼは、投与
量に依存して亢進した線溶活性を抑制した。対照群の線
溶率が50.3±12.5%であったのに対し、セラペプ
ターゼ150mg/kg投与群の線溶率は、24.7±21.
1%と有意(P<0.05)な抑制作用を示した。しか
し、加熱処理(65℃で1時間処理した)により失活さ
せたセラペプターゼには線溶抑制作用は全く認められ
ず、線溶抑制作用の発現には酵素活性が必須であること
が分かった。
【0019】試験例3 セラペプターゼ(静脈内投与)
の線溶活性亢進に対する抑制作用 ラット(Jcl/SD,日本クレア社)を試験例2と同様
にして受傷させた。受傷3分後にセラペプターゼの精製
標品(4820ペプチダーゼ単位/mg)を静脈内投与
し、さらに57分後に尾静脈から0.5ml採血し、得ら
れた血液の0.36mlをトロンボエラストグラフに供し
た。試験例2と同様に線溶抑制作用を線溶率で示した。
結果を〔表3〕に示す。
【表3】 〔表3〕から明らかなように、セラペプターゼの線溶抑
制作用は0.2μg/kg投与が最も強い抑制作用を示し
た。すなわち、熱傷受傷の対照群の線溶率が57.7±
8.5%であったのに対し、セラペプターゼ0.2μg/k
g投与群の線溶率は、14.0±5.6%と有意(P<0.
001)に抑制した。しかし、さらに投与量を上げてい
くと線溶率が増加し、セラペプターゼ20μg/kg投与
群では、線溶率が46.8±31.1%となり、対照群の
線溶率と余り変わらなくなった。インビトロでセラペプ
ターゼがフィブリンを強く分解することから、セラペプ
ターゼを血中へ必要以上に投与すると、投与されたセラ
ペプターゼ自身によって線溶率が上昇するためにこのよ
うな現象が起こったものと考えられる。0.2μg/kgの
セラペプターゼ精製標品を静脈内投与したときの血中濃
度は約4ng/mlに相当する。なお、セラペプターゼの精
製標品はセラペプターゼ原末を宮田らの方法〔アグリカ
ルチャー アンド バイオロジカル ケミストリー(Ag
ricultura andBiological Chemistry),34巻,31
0〜318頁(1970年)参照〕に従って純度99%
以上に精製したものを用いた。(以下同様)
【0020】試験例4 EIA(酵素免疫測定法)およ
びプロテアーゼアッセイにより得られたセラペプターゼ
濃度間の相関性 1)血漿標本の調製 実施例3で得られた粉末を、セラペプターゼ(以下、T
SPと略することもある)の濃度が50mg/mlとなるよ
うに生理食塩水に溶解し、得られた溶液を24時間絶食
させたラット(Jcl/SD,9週齢,雄,日本クレア
社)に経口投与(100mg/kg)した。セラペプターゼ
投与前および投与後1,2,4,18時間経過後に、ラ
ットの尾静脈から採血(それぞれ1ml)し、得られた血
液9容と、3.8%クエン酸ナトリウム水溶液1容とを
混合後、3,000rpmで10分間遠心し、血漿を得
た。該血漿に60%(v/v)アセトンを添加し、4℃
で16ないし20時間静置した。得られる沈殿物を遠心
分離により収集し、0.02Mリン酸緩衝液(pH7.
0)に溶解して当初の血漿量を含む溶液を得た。該溶液
を10,000rpmで10分間遠心分離し、不溶物を
除去した後、上清を血漿標本として得た。 2)精製抗TSPウサギIgGの調製 セラペプターゼ精製標品を用いて調製したTSP溶液
(生理食塩水中、5mg/ml)を、等量のフロインド完全
アジュバンドを用いて乳化し、得られる懸濁液1mlを、
ウサギの背部数箇所に2週間の間隔をおいて3回皮下投
与した。最終免疫処置の1週間後に、ウサギから採血
し、硫酸アンモニウム塩析法により調製した血清IgG
画分を、TSPを固定化したセファローズ4B(ファル
マシア−LKBバイオプロダクツ、日本)を用いて、ア
フィニティクロマトグラフィーに付した。カラムを0.
1M酢酸緩衝液(pH4.5)を用いて洗浄した後、
0.2Mグリシン−塩酸緩衝液(pH2.0)を用い
て、抗TSPウサギIgGを溶出させ、精製抗TSPウ
サギIgGを得た。 3)HRP標識抗TSPウサギFab’の調製 精製抗TSPウサギIgGよりFab’画分を調製し、
今川らの方法〔ジャーナル オブ アプライド バイオ
ケミストリー(Journal of Applied Biolochemistr
y),4巻,41〜57頁(1982年)参照〕を少し
改変した方法〔守谷ら,ジャーナル オブ イムノアッ
セイ(Journal of Immunoassay),8巻,131〜14
3頁(1987年)参照〕により、ホースラディッシュ
ペルオキシダーゼ(ベーリンガーマンハイムGmbH,
マンハイム,ドイツ)(以下、HRPと略する)と結合
させ、HRP標識抗TSPウサギFab’を得た。
【0021】4)EIAによるTSPの測定 精製抗TSPウサギIgG(20μg/ml)を、イムノ
プレート(商品名,A/SNunc,Roskilde,デンマーク)
の各ウェルに100μlずつ分注し、4℃で16ないし
20時間静置した。抗体溶液を除去し、各ウェルを0.
145M塩化ナトリウム含有リン酸緩衝液(pH7.
0)(以下、PBSと略する)300μlで3回洗浄し
た後、各ウェルに、0.5%牛血清アルブミンを添加し
た25%ブロックエース(商品名,雪印乳業(株),日
本)溶液200μlを添加した。ついで、上記プレート
を4℃で16ないし20時間静置し、PBS(300μ
l)で5回洗浄した。このようにして得た精製抗TSP
ウサギIgG被覆プレートの各ウェルに血漿標本(10
0μl)を添加し、4℃で16ないし20時間インキュ
ベートした。各ウェルをPBSで洗浄した後、HRP標
識抗TSPウサギFab’(1.2μg/ml)100μl
を添加し、得られる混合物を室温で4時間インキュベー
トした。ついで、各ウェルをPBS(300μl)で5
回洗浄した後、基質溶液〔0.001%チメロサールお
よび0.066%過酸化水素を含有する0.1Mクエン
酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)に溶解した40mM
o−フェニレンジアミン〕(100μl)を添加し
た。室温,暗所で20ないし40分間反応を行い、2M
硫酸(100μl)を添加して、反応を終了させ、タイ
ターテック マルチスカン MC(Titertek Multiskan
MC)(商品名,フローラボラトリーズ,米国)を用い
て、波長492nmにおける吸光度を測定した。様々な
濃度のTSPをラット血漿と室温で1時間反応させた。
ついで、宮田らの方法〔アナリティカル バイオケミス
トリー(Analytical Biolochemistry),101巻,3
32〜338頁(1980年)参照〕により、アセトン
を用いて、沈殿を生じさせ、沈殿物中に回収されるTS
Pを測定した。この方法によれば、ラット血漿中のTS
Pは、50pg/mlの濃度から検出された。(図1)TS
P検出感度(50pg/ml)は、0と99%の信頼限界内
で区別され得る最少量であった。 5)経口投与後のEIAによるラット血漿中TSP濃度
の測定 ラットにTSPを経口投与(100mg/kg)し、図2に
示す間隔をおいて、クエン酸処理した血漿を調製した。
血漿中のTSP濃度を、アセトン処理後に前記と同様に
して、EIAにより測定した。(図2)TSPのピーク
濃度(1.68ないし1.75ng/ml)は、TSPの経
口投与後30分ないし2時間後に観察され、この濃度は
時間とともに低下した。投与後18時間経過後において
もTSP(0.77±0.17ng/ml,平均値±標準偏
差値)は検出可能であった。
【0022】6)プロテアーゼアッセイによるTSPの
測定 TSPのプロテアーゼ活性は、ジマーマン(Zimmerma
n)らの方法〔アナリティカル バイオケミストリー(A
nalytical Biolochemistry),70巻,258〜262
頁(1976年)参照〕により、Boc-Glu(OBzl)-Ala-Ar
g-4-メチルクマリル-7-アミド(ペプチドインスティチ
ュート(株)、日本)〔ペプチド基質に対するTSPの
Km値:1.64×10-6M(pH7.0,37℃)〕
を基質として用い、加水分解により生ずる7-アミノ-4-
メチルクマリン(AMC)を蛍光光度計により測定し
た。すなわち、精製抗TSPウサギIgG(20μg/m
l)をイムノプレート(商品名,A/S Nunc,Roskilde,
デンマーク)の各ウェルに200μlずつ分注し、4℃
で16ないし20時間静置した。抗体溶液を除去し、各
ウェルをPBS(300μl)で3回洗浄した後、各ウ
ェルに、前述の25%ブロックエース(商品名,雪印乳
業(株),日本)溶液300μlを添加した。ついで、
上記プレートを4℃で16ないし20時間静置し、PB
S(300μl)で5回洗浄した。このようにして得た
精製抗TSPウサギIgG被覆プレートの各ウェルに血
漿標本(200μl)を添加し、4℃で24ないし48
時間インキュベートした。各ウェルをPBSで洗浄した
後、基質溶液〔20μM Boc-Glu(OBzl)-Ala-Arg-4-メ
チルクマリル-7-アミドを含有する0.05Mリン酸緩
衝液(pH7.0)〕200μlを添加し、得られる混
合物を37℃で4時間インキュベートした。1M酢酸緩
衝液(pH4.0)50μlを添加して、反応を終了さ
せ、コロナ蛍光光度計MTP−32(コロナ電気
(株),日本)を用いて、波長450nmにおける吸光
度を波長365nmで励起して測定した。この方法によ
り、ラット血漿中のTSPは、1ng/mlから検出され
た。(図3)TSP検出感度(1mg/ml)は、0と99
%の信頼限界内で区別され得る最少量であった。
【0023】7)EIAおよびプロテアーゼアッセイに
より求めたTSP濃度間の相関性 EIAおよびプロテアーゼアッセイにより求めたラット
血漿中のTSP濃度間の相関性を調べるために、ラット
にTSP(100mg/kg)を経口投与し、投与後1時間
経過後に血液標本を腹部大動脈から採取するという実験
を行った。クエン酸処理した血漿をアセトンで処理し、
TSP濃度をEIAおよびプロテアーゼアッセイにより
測定した。得られた結果(図4)から、EIAにより求
めたTSP濃度(Y)とプロテアーゼアッセイにより求
めたTSP濃度(X)との間には、式:Y=0.951
X(相関係数:R2=0.968)で表される優れた相
関性のあることが分かった。したがって、EIAにより
求めたTSP濃度は、プロテアーゼ活性と十分関連して
いることが分かった。これらの結果により、経口投与さ
れたTSPのごく微量が、腸管から血流中へ、酵素的に
活性な形で吸収されることが分かった。
【0024】試験例5 セラペプターゼ(経口投与)の
血管壁プラスミノーゲンアクチベーターの減少および血
漿プラスミノーゲンアクチベーターの増加に対する抑制
作用 ラット(Jcl/SD,日本クレア社)をエーテル麻酔
し、体表面積の約30%に相当する背部を55℃の熱水
中に1分間浸漬して受傷させた。受傷3分後に、実施例
3で得られた粉末を経口投与し、57分後に、下記測定
法AおよびBに従って血管および血漿中のプラスミノー
ゲンアクチベーター活性を測定した。結果を〔表4〕に
示す。
【表4】 〔表4〕から明らかなように、セラペプターゼは、血管
壁プラスミノーゲンアクチベーターの減少および血漿プ
ラスミノーゲンアクチベーターの増加を共に用量依存性
に抑制した。血管壁プラスミノーゲンアクチベーターの
減少に対し、セラペプターゼの50および150mg/kg
投与は、それぞれP<0.05およびP<0.01で有意
に抑制した。また、血漿プラスミノーゲンアクチベータ
ーの増加に対し、セラペプターゼの25,50および1
50mg/kg投与は、それぞれP<0.05,P<0.00
1およびP<0.001で有意に抑制した。しかし、正
常ラットへのセラペプターゼの150mg/kg投与は、血
管壁および血漿プラスミノーゲンアクチベーター量には
何ら影響を与えなかった。
【0025】(測定法A)血管壁プラスミノーゲンアク
チベーターの測定 血管壁プラスミノーゲンアクチベーター活性は、熊田ら
の方法〔トロンボシスアンド ヘモスタシス(Thrombos
is and Haemostasis),36巻,451〜464頁(1
976年)参照〕を少し改変して次のように実施した。
ラット(Jcl/SD,日本クレア社)をエーテル麻酔
し、腹部大動脈から全採血したのち、ただちに生理食塩
水を10ml後大静脈から注入して血管内を洗浄した。腹
大動脈,後大静脈,総腸骨動脈および静脈,腸腰動脈お
よび静脈の血管をそれぞれ摘出して、冷蔵庫(−20
℃)に保存した。測定時にこれらの血管をハサミで細片
にし、血管重量に対して3倍量の2M塩化カリウム溶液
を加え、氷冷しながらガラス製ホモゲナイザーでホモゲ
ナイズし、これを超音波発生装置(久保田社,インソネ
ーター モデル200M)により30秒間処理した。こ
の操作を3回繰り返し、プラスミノーゲンアクチベータ
ーを抽出した。得られた抽出液を、超遠心分離機(ベッ
クマン社,L8−55,米国)を用いて、105,00
0×gで1時間遠心分離し、上清を血管壁プラスミノー
ゲンアクチベーター溶液として用いた。また、活性測定
用のフィブリン寒天平板を次のようにして作成した。粉
末寒天(和光純薬社)1.4gを0.85%塩化ナトリ
ウム含有0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.4)5
0mlに懸濁して加温溶解したのち、45℃にまで冷やし
た。一方でプラスミノーゲン非含有ウシ・フィブリノー
ゲン(カビ社,スウェーデン)0.14gを同緩衝液5
0mlに溶解したのち、45℃にまで加温した。次に、こ
れら両溶液を混合してペトリシャーレ(テルモ社,90
×15mm)に10mlずつ手早く分注し、各々のシャーレ
にウシ・トロンビン溶液(持田製薬社,50単位/ml)
0.1mlを加え、素早く混合して室温に1時間放置し、
フィブリン寒天平板を作成した。得られたフィブリン寒
天平板に直径5mmの穴を開け、この中へラット・プラス
ミノーゲン溶液(1mg/ml)5μlを加え、次いで、こ
の中へ先に調製した血管壁プラスミノーゲンアクチベー
ター溶液20μlを加え、37℃で18時間反応させた
のちに得られるフィブリン寒天平板の溶解円の直径を計
測して、プラスミノーゲンアクチベーター活性とした。
活性は、プラスミノーゲンアクチベーターの替りに種々
濃度のウロキナーゼ(ミドリ十字社)を用いて得られた
溶解円の大きさの検量線から求めたウロキナーゼ単位で
表示した。
【0026】(測定法B)血漿プラスミノーゲンアクチ
ベーターの測定 血漿プラスミノーゲンアクチベーターの測定は、ラドク
リフェの方法〔アチーブ オブ バイオケミストリー
アンド バイオフィジクス(Archives of Biochemistry
and Biophysics),189巻,185〜194頁(1
978年)参照〕を少し改変して次のように実施した。
すなわち、試料血漿3mlを1mMエチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム(同仁化学社)および1mMベンザミジ
ンを含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)9ml
で希釈したのち、該緩衝液で平衡化したリジン・セファ
ローズ4Bカラム(容積2ml)にかけた。前記緩衝液1
0mlで洗浄したのち、0.5Mチオシアン酸アンモニウ
ムを含む前記緩衝液でプラスミノーゲンアクチベーター
をカラムから溶出した。次いで、測定法Aと同様にして
プラスミノーゲンアクチベーター活性を測定した。
【0027】試験例6 セラペプターゼ(静脈内投与)
の血管壁プラスミノーゲンアクチベーターの減少および
血漿プラスミノーゲンアクチベーターの増加に対する抑
制作用 セラペプターゼを経口投与する替りにセラペプターゼ精
製標品(4820ペプチダーゼ単位/mg)を静脈内投与
する以外は試験例5と同様にして、プラスミノーゲンア
クチベーター活性を測定した。結果を〔表5〕に示す。
【表5】 〔表5〕から明らかなように、セラペプターゼの静脈内
投与は、血管壁プラスミノーゲンアクチベーターの減少
および血漿プラスミノーゲンアクチベーターの増加を用
量依存性に抑制した。また、セラペプターゼは、0.2
μg/kg以上の投与量で両プラスミノーゲンアクチベー
ターの変動を有意に抑制した。この用量は熱傷による線
溶活性亢進を抑制したときの投与量と良く一致した。ま
た、加熱処理により酵素活性を失活させたセラペプター
ゼでは抑制作用は全く認められず、作用の発現にはセラ
ペプターゼの酵素活性が必須であることが分かった。以
上の結果から、試験例2および3で認められた熱傷受傷
ラットの亢進した線溶活性に対するセラペプターゼの抑
制作用の1つには血管壁からのプラスミノーゲンアクチ
ベーターの血中への遊離を抑制することにより作用を発
揮していることが示唆された。
【0028】上記した試験例から、熱傷により受傷させ
たラットでは線溶系および血管透過性の顕著な亢進が認
められるが、セラペプターゼの経口投与により、亢進
した線溶活性および血管透過性が有意に抑制される。
経口投与されたセラペプターゼの一部がプロテアーゼ活
性を保持したまま血液中へ移行する。セラペプターゼ
の静脈内投与により、亢進した線溶活性が有意に抑制さ
れる。セラペプターゼの亢進した線溶活性の抑制時に
は、血管壁からの組織プラスミノーゲンアクチベーター
の放出が抑制されることが明らかとなった。
【0029】
【発明の効果】本発明のプラスミノーゲンアクチベータ
ー放出抑制剤は、例えば熱湯,火および紫外線などに起
因するやけど、癌、敗血症および白血病等の治療および
予防を目的として用いられる。また、本発明のやけど治
療剤は、熱湯,火および紫外線などに起因するやけどの
治療および予防を目的として用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例4に記載のEIAにより得られたTSP
の検量線を示す。
【図2】試験例4に記載のEIAにより求めたラット血
漿中のTSP濃度と投与後経過時間との関係を示す。図
は、10検体の平均値±標準偏差値で示す。図中、**
は、P<0.01であることを示す。
【図3】試験例4に記載のプロテアーゼアッセイにより
得られたTSPの検量線を示す。
【図4】試験例4に記載のEIAおよびプロテアーゼア
ッセイにより求めたTSP濃度間の相関性を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラペプターゼを含有してなる、プラスミ
    ノーゲンアクチベーター放出抑制剤。
  2. 【請求項2】セラペプターゼを1ないし50重量%の割
    合で含有してなる請求項1記載のプラスミノーゲンアク
    チベーター放出抑制剤。
  3. 【請求項3】やけど時に用いる請求項1記載のプラスミ
    ノーゲンアクチベーター放出抑制剤。
  4. 【請求項4】経口剤である請求項1記載のプラスミノー
    ゲンアクチベーター放出抑制剤。
  5. 【請求項5】外用剤である請求項1記載のプラスミノー
    ゲンアクチベーター放出抑制剤。
  6. 【請求項6】セラペプターゼを含有してなる、やけど治
    療剤。
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