JPH07226601A - 移相器 - Google Patents

移相器

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JPH07226601A
JPH07226601A JP1864594A JP1864594A JPH07226601A JP H07226601 A JPH07226601 A JP H07226601A JP 1864594 A JP1864594 A JP 1864594A JP 1864594 A JP1864594 A JP 1864594A JP H07226601 A JPH07226601 A JP H07226601A
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JP
Japan
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line
connection point
phase shifter
varactor diode
varactor
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JP1864594A
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Inventor
Takeshi Saito
武志 斉藤
Takuya Tsukada
卓也 塚田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Waveguide Switches, Polarizers, And Phase Shifters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】低価格なバラクタダイオードを容量可変素子と
して使用した、簡単な構成で、低価格な移相器を提供す
ること。 【構成】基板の上に、四角形状に互いに接続して配置し
た4個の、1/4波長のストリップ線路(線路)と、バ
ラクタダイオードと、バラクタダイオードに電圧を印加
する電源供給回路を備える。そして、4個の線路のうち
の任意の線路を第1の線路とし、該第1の線路の一方の
接続点(第1の接続点)に、信号入力端子を設け、前記
第1の線路の他方の接続点(第2の接続点)に、信号出
力端子を設け、前記第1の接続点に接続された第2の線
路の接続点(第3の接続点)、および、第2の接続点に
接続された第3の線路の接続点(第4の接続点)の各々
と接地点との間に、マイクロストリップ線路を有して構
成される少なくとも1以上のインピーダンス線路と、該
インピーダンス線路と直列に接続したバラクタダイオー
ドとを設け、また、前記電源供給回路は、各バラクタダ
イオードが有するバラクタ端子に、同一のバイアス電圧
を印加する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に周波数の高い高周
波信号の位相量を電気信号で制御する位相器に関する。
【0002】
【従来の技術】入力された高周波信号の位相量をアナロ
グ電気信号で制御する移相器としては、例えば、「An
alog phase shifter for 8〜
18GHz」(Hopfer、S.著、1979年発行
マイクロウェーブ・ジャーナル誌、22巻、第3号、4
8〜50ページ)に記載されているように、高いQ値を
有する(すなわち、内部損失が少ない)高価なバラクタ
ダイオードを多数使用した、複雑な回路構成のものであ
った。
【0003】したがって、回路規模が大きく、多くの段
数を必要とする高価な移相器であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術で記載し
たように、従来の高周波信号の移相器は、その構成が複
雑であり、回路全体が大きくなってしまう問題がある。
したがって、例えばフェーズドアレイアンナナ等への応
用は、必ずしも容易ではなかった。
【0005】また、使用するバラクタダイオードの数が
非常に多く、移相器が高価なものとなっていた。一方、
バラクタダイオードの代わりに、ピンダイオードを使用
したデジタル方式の従来の移相器では、ピンダイオード
が高価なため、一層高価なものとなっていた。また、デ
ジタル方式のため、移相量を連続的に変化する構成を実
現することも困難でもあった。
【0006】そこで、本発明では、使用するバラクタダ
イオードの数を少なくし、小型の移相器を提供すること
を目的とする。この際、従来使用している高価なバラク
タダーオードに替えて、民生品として大量生産されてい
る、均質なバラクタダイオードを使用し、低価格化を図
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、以下の手段が考えられる。
【0008】基板と、該基板の上に、四角形状に互いに
接続して配置した4個の、1/4波長のストリップ線路
(線路)と、バラクタダイオードと、バラクタダイオー
ドに電圧を印加するための電源供給回路を備えた構成に
する。
【0009】そして、前記四角形状に互いに接続された
4個の線路のうちの任意の線路を第1の線路とし、該第
1の線路の一方の接続点(第1の接続点)に、信号入力
端子を設け、前記第1の線路の他方の接続点(第2の接
続点)に、信号出力端子を設け、前記第1の接続点に接
続された第2の線路の接続点(第3の接続点)、およ
び、第2の接続点に接続された第3の線路の接続点(第
4の接続点)の各々と接地点との間に、インピーダンス
素子と該インピーダンス素子に直列に接続したバラクタ
ダイオードとを設け、また、前記電源供給回路は、各バ
ラクタダイオードに、同一のバイアス電圧を印加する構
成とする移相器が考えられる。
【0010】なお、前記インピーダンス素子は、マイク
ロストリップ線路を有して構成される、少なくとも1個
以上のインピーダンス線路であるのが好ましい。
【0011】もちろん、かかる移相器を2個以上備え、
ある移相器の信号出力端子と、他の移相器の信号入力端
子とが接続するように従属接続した構成でもよい。
【0012】この場合、前記電源供給回路を一個とし、
全ての、バラクタダイオードが有すには、前記一個の電
源供給回路から同一の電圧が印加されるように、各バラ
クタダイオードと前記電源供給回路を接続することが好
ましい。
【0013】
【作用】入力された信号は、第2のストリップ線を伝搬
し、さらに、第2のストリップ線に接続された前記イン
ピーダンス線路を伝搬して、該インピーダンス線路と直
列に接続した1番目のバラクタダイオードで反射され
る。このとき所定量だけ移相変化をうける。移相変化を
うけた信号は、前記バラクタダイオードで反射された
後、再度、前記第2、第1および第3のストリップ線を
伝搬し、第3のストリップ線に接続された、インピーダ
ンス線路を伝搬して、該インピーダンス線路と直列に接
続した2番目のバラクタダイオードで反射される。この
反射の最には、前述のような移相変化をうける。これに
より移相器が構成される。なお、移相変化は、バラクタ
ダイオードに印加する電圧を変化すれば良い。
【0014】また、樹脂モールド等がされた面実装形の
バラクタダイオードの、不要な、浮遊インダクタンス
分、浮遊静電容量分を、インピーダンス線路が有するイ
ンダクタンス分、キャパシタンス分で、使用周波数帯域
内において、インピーダンス的に相殺する反射型の移相
器を構成するようにする。すなわち、例えば、浮遊イン
ダクタンス分の場合、これに対応するキャパシタンス分
を有するインピーダンス線路を使用し、共振現象を利用
して、浮遊インダクタンス分をキャンセルするように構
成する。これにより、前記浮遊インダクタンス分、浮遊
静電容量分の影響を除去することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0016】図1に、移相器に使用するバラクタダイオ
ードの形状の外観を示す。
【0017】図1において、1は、樹脂パッケージ、2
aは、カソード端子、2bは、アノード端子である。ま
た、図1(a)は、パッケージの平面図、図1(b)
は、側面図である。
【0018】図1(a)に示した、パッケージ形状は、
例えば、1.7(mm)×0.8(mm)程度である。
実装の最には、図1(b)に示す、端子2a、2bを備
える樹脂パッケージ1の、下辺側部分が、基板部分にハ
ンダ付けされる。
【0019】図2は、図1のバラクタダイオードの樹脂
パッケージ1を除いた、内部構造を示した図である。
【0020】図2(a)は側面図である、図2(b)
は、図2(a)の下部から、バラクタダイオード見た平
面図である。図1と同一の構成要素には、同一番号を付
してある。
【0021】ここで、5は、ダイオードチップ、6は、
ボンディングワイヤである。
【0022】図3は、図2に示したバラクタダイオード
の等価回路の説明図である。
【0023】7はダイオード、8は、可変容量、9は、
パッケージ容量、10は、直列抵抗、11は、ボンディ
ングワイヤの等価インダクタンス、12は、前記端子2
a、2b等価インダクタンス、13は、カソード端子、
14は、アノード端子である。
【0024】バラクタダイオードは、カソード端子1
3、アノード端子14間に印加する電圧を変化させるこ
とによって、バラクタダイオードが有する、可変容量8
の容量値を変化させることが可能なダイオードである。
【0025】次に、図4に、3dB方向性結合器を使用
して構成した反射型移相器の構成図例を示す。
【0026】図4において、140は、3dB方向性結
合器、15、16は、バラクタダイオード、17は、バ
イアス供給回路、18は、高周波信号入力端子、19
は、高周波信号出力端子、20は、バイアス供給端子、
21は、接地である。
【0027】ここで、マイクロストリップ回路で構成し
た、3dB方向性結合器140の詳細な構成図を図16
に示す。
【0028】図16において、85、86は、特性イン
ピーダンスZ1で、1/4波長の線路、87、88は、
特性インピーダンスZ2で、1/4波長の線路、89
は、高周波信号信号入力端子、90は、抵抗終端端子、
91、92は、高周波信号信号出力端子である。
【0029】信号入力端子89を介して入力された高周
波信号は、信号出力端子91、92に等分割されて出力
されるように、線路の特性インピーダンスZ1、Z2お
よびそれぞれの線路長、終端端子90に付加する抵抗値
が調整される。
【0030】このような機能を有する(信号出力端子9
1、92から同じ大きさのパワーの信号が出力される機
能)3dB方向性結合器を使用することを考える。
【0031】図4の高周波信号入力端子18に、図16
の高周波信号入力端子89を対応させ、図4の抵抗終端
端子19に、図16の高周波信号出力端子90を対応さ
せ、図16の高周波信号出力端子91、92に、それぞ
れ図4に示したバラクタダイオード15、16のカソー
ドを対応させて、3dB方向性結合器140として使用
する。
【0032】入力端子18を介して入力された信号は、
3dB方向性結合器140を介して、バラクタダイオー
ドのカソードの接続点で反射されると、反射信号は信号
出力端子19に、その大部分が出力される。
【0033】このとき、バラクタダイオードの容量を変
化させる。二つのバラクタダイオード15、16で反射
された信号は、バラクタダイオードの容量値に応じて、
位相が変化し、出力端子から位相が変化し合成された信
号が出力されることになる。
【0034】この時の位相変化量θは、次のようにして
表すことができる。
【0035】バラクタダイオード15、16は、容量の
みを有し、接地されているとすると、バラクタダイオー
ド15、16のカソードから接地方向を見たバラクタダ
イオードのインピーダンスはその容量値をCとすると
「−j/(ωC)」(jは、虚数単位、ωは角周波数)
となり、3dB方向性結合器140に接続されたバラク
タダイオードのカソード側からみたインピーダンスをZ
とし、Zで正規化して表すと、反射係数は、式1のよう
になる。
【0036】
【数1】
【0037】式1から、位相角は、反射係数Γの複素平
面上での実数分と虚数分の成す角度で表される。
【0038】すなわち、位相変化量θは、次式2のよう
に表させる。
【0039】
【数2】
【0040】位相変化量θは、図5に示した計算結果の
ように、バラクタダイオードの容量値によって、位相量
の変化の仕方が異なる。図に示すように、3(pF)以
下の範囲内で、容量値を変化させることができれば、比
較的大きな位相量の変化が得られる。例えば、2.3〜
2.6GHz程度の狭い帯域では、同一の容量値に対し
て、周波数による位相変化(位相変化のバラツキ)は比
較的少ないが、2〜3GHzの広帯域の移相器を実現す
ることを考慮したとき、同一の容量値に対しても、周波
数による位相変化(位相変化のバラツキ)は比較的大き
なため、広範囲の周波数に対する移相器には適さないこ
とが分かる。
【0041】なお、2つのバラクタダイオード15、1
6には、同一極(アノード極、あるいは、カソード極)
に、同一の直流バイアス電圧が印加されるように構成さ
れ、容量素子として動作するように、いわゆる逆バイア
スした構成とする。
【0042】また、図3に示した直列抵抗10の値が、
電圧とともに変化し、電圧の低い領域で、その値が大き
くなることにより、直列抵抗10による損失が大きくな
る。
【0043】これは、次に説明する、図6、図7に示し
た、バラクタダイオードの特性例からも明らかである。
【0044】図6に、バラクタダイオードへの印加電圧
と、直列抵抗の値との関係を示す特性例を示す。また、
図7に、バラクタダイオードの印加電圧と、アノードお
よびカソードの端子間容量Cの関係を示す特性例を示
す。
【0045】さて、内部損失を少なくするには、図6を
参照して分かるように、直列抵抗の値の小さな領域、つ
まり、印加電圧の大きな領域で使用すれば良いことが判
る。
【0046】図5に示された位相変化量と併せて考える
と、バラクタダイオードの容量を2pF程度以下の領域
で使用し、必要な移相量に応じて、図4に示した位相器
の接続段数を増減して、所望の位相変化を得られるよう
な移相器を構成すればよい。
【0047】図1から図3に示したバラクタダイオード
の場合、図3の等価回路に示したように、取付リード線
のインダクタンス分を含んでおり、バラクタダイオード
の有する容量とで、いわゆる自己共振現象を起こし、バ
ラクタダイオードの有する容量値が、所望の位相変化を
得るのに十分な容量値、あるいは、容量変化分でなくな
ってしまう。
【0048】そこで、図8に示すように、バラクタダイ
オードと3dB方向性結合器を、複数のインピーダンス
素子を介して接続する構成とした。これにより、バラク
タダイオード自身の自己共振によって、所望の容量値を
得られなくなる現象の発生を防止することが可能とな
る。
【0049】図8において、26は、3dB方向性結合
器との接続点、23は、第1のインピーダンス素子、2
2は、バラクタダイオード、24は、第2のインピーダ
ンス素子、25は、接地点である。この実施例では、第
1および第2のインピーダンス素子の、2つのインピー
ダンス素子を設けた構成にしたが、1個以上のインピー
ダンス素子を設けた構成であれば良く、特に、2個に限
定されない。
【0050】なお、第1、第2のインピーダンス素子と
しては、インピーダンスの機能を有するデバイスであれ
ばいかなるものでも良い。例えば、抵抗、コイル、コン
デンサ、ストリップ線路等、各種の素子が考えられる。
【0051】次に、図9に、図8のインピーダンス素子
として、マイクロストリップ線路を使用した実施例を示
す。図8と同一の構成要素には、同一の番号を付してい
る。
【0052】27、28、29、30は、マイクロスト
リップ線路である。なお、マイクロストリップ線路27
とマイクロストリップ線路28とは、直接接続されてい
るが、その幅が異なり、異なる特性インピーダンスを有
している。このようにして全体として、ある所望の値を
有するインピーダンス素子を構成すれば良い。このこと
は、29と30についても、同様なことが言える。
【0053】本実施例は、バラクタダイオードの有する
誘導性インピーダンスを、共振現象を利用して相殺する
ために、容量性のマイクロストリップ線路27を、使用
したものである。なお、マイクロストリップ線路28お
よび29の一部は、バラクタダイオード22を接続する
ための、取付ランドの機能も兼ね備えている。
【0054】また、マイクロストリップ線路30は、接
地を兼ねた線路で、スルーホール等により、誘電体基板
を介して、裏面の接地導体と(全体的な構成としては、
例えば、接地導体である金属板の上に、誘電体基板が設
けられ、さらに該誘電体基板の上に、マイクロストリッ
プ線路30等が配置されている)接続する構成にすれば
良い。
【0055】図10は、図4におけるバラクタダイオー
ド15、16を、図9の実施例で示した、構成で置き換
えたものであり、図4および図9と同一の構成要素に
は、同一の番号を付している。このような構成により、
例えば、バラクタダイオードが不要なインダクタンス分
を有する場合、これに対応するキャパシタンス分を有す
るインピーダンス線路を使用し、共振現象を利用して、
インダクタンス分をキャンセルする。これにより、不要
なインダクタンス分、容量分の影響を除去することがで
きる。したがって、バラクタ電圧を印加することによ
り、所望の容量を得ることが可能となる。
【0056】図11は、図4のバイアス供給回路17お
よびバイアス供給端子20を除いた回路部分を、1つの
移相器ブロックとして、このブロックを3段接続して構
成した移相器である。
【0057】図11において、31、32、33は、移
相器ブロック、34は、バイアス供給回路、37は、バ
イアス供給端子、35は、信号入力端子、36は、信号
出力端子である。バイアス供給回路は、電圧を出力する
手段であり、例えば、トランジスタ、抵抗等の電子デバ
イスにて実現される。また、基板上にIC化して構成す
るのが好ましい。
【0058】各移相器ブロック31、32、33のバラ
クタダイオード(図示せず)の同一極には、バイアス供
給回路34を介して、バイアス供給端子37から同一単
種類の電圧が供給され、それぞれのバラクタダイオード
は、容量素子として動作するように逆バイアスされる。
このように移相器を複数個接続しても、1つのバイアス
供給回路34で、必要なバラクタ電圧を得ることが可能
になる。
【0059】可変位相器ブロックを、3段接続した構成
にすることで、0〜360度の位相量の変化が得られる
様にしたものである。また、バラクタダイオードの最大
容量値を少なくすることで、一段当たりの挿入損失を少
なくすることができるので、3段接続した構成でも、挿
入損失は少なく抑えることが可能である。
【0060】図12は、2段の移相器ブロックで構成し
た、2.3〜2.6GHz帯移相器の実施例である。
【0061】導電性の金属板の上に、例えば、1.6
(mm)の厚さのガラス布補強テフロン基板を配置し、
さらに、該基板の上に、マイクロストリップ線路を配置
して構成したものである。
【0062】図において、38は、テフロン基板、3
9、40は、3dB方向性結合器、41、42、43、
44は、バラクタダイオード、45は、バイアス供給回
路、46、47、48は、直流阻止コンデンサ、49
は、抵抗、50、51、52、53、54は、スルーホ
ール、55は、信号入力端子、56は、信号出力端子、
57は、バイアス供給端子、58、59、60、61
は、テーパ型線路(インピーダンス整合のためテーパ型
の形状を有する線路である)、62、63、64、65
は、インピーダンス線路である。
【0063】55から入力された高周波信号は、テーパ
型線路58でインピーダンス整合を取りつつ、3dB方
向性結合器39を有して構成される、第1段目の移相器
に入力される。さらに、高周波信号は、第1段目の移相
器を介して、2段目の移相器を構成する3dB方向性結
合器40へと、テーパ型線路59、60でインピーダン
ス整合を取りながら伝送し、さらに、テーパ型線路61
を介して、インピーダンス整合を取りつつ、出力端子5
6から出力される。
【0064】各移相器において、各バラクタダイオード
のカソード端子は、インピーダンス線路62、63、6
4、65に接続され、各バラクタダイオードのアノード
端子は、スルーホール50、51、52、53を介し
て、接地用の金属板に接続される。
【0065】また、バイアス供給端子57から出力され
る、正極の制御電圧が、抵抗49および1/4波長線路
で構成される、バイアス供給回路45、さらに、1/4
波長線路100、58、59、62、63、60、6
1、64、65等(これらは、全て導電性を有する)を
介して、各バラクタダイオードのカソード端子に供給さ
れることにより、各バラクタダイオード容量を変化させ
る。
【0066】バラクタダイオードの極性を、予め揃えて
配置しておけば、移相器の構成段数が増えても、バラク
タに印可する電圧としては、単一極の電圧を一種類だけ
用意しておけば良いので、バイアス供給回路の構成が簡
単になり、回路の小型化が図れる。
【0067】前述のように、インピーダンス線路62、
63、64、65により、バラクタダイオードの取付端
子等による浮遊インダクタンス分(図3、12等)を、
共振現象を利用して相殺し、所望周波数帯域内での、挿
入損失や位相変化分の周波数による偏差を少なくしてい
る。
【0068】この2段構成の移相器の特性の一例を、図
13に示す。
【0069】図13(a)は、挿入損失の実測値で、バ
ラクタ印加電圧が10V付近から損失が増えていること
が分かる。図13(b)は、位相の変化を示した図で、
0〜360度の位相変化を得るには、バラクタ印加電圧
を、25(V)から、0(V)まで変化させなければな
らないことが分かる。
【0070】したがって、挿入損失および位相変化の両
方の特性を確保するには、さらに段数を増やした構成に
する必要がある。なお、スルーホールは、当該スルーホ
ールを介して、バラクタダイオードの端子を接地点に接
続するものであるが、バラクタダイオードの端子を直接
接地点に接続する構成にしても良い。
【0071】図14は、3段構成の移相器の構成例であ
る。
【0072】図14において、66は、アルミナセラミ
ック基板、67、68、69は、3dB方向性結合器、
70、71、72、73、74、75は、バラクタダイ
オード、76、77、78、79、80、81は、接地
のためのスルーホール、82は、(高周波)信号の入力
端子、83は、(高周波)信号の出力端子である。
【0073】移相器の接続段数が増えてくると、実装面
積が増加してくるため、図14に示した実施例のよう
に、高誘電率基板(例えば、アルミナセラミック基板)
を使用して、回路の小型化を図ってもよい。
【0074】図14において、アルミナセラミック基板
66を、等価な誘電率を有する銅張り樹脂基板で置き換
えて構成した、3段構成の移相器の実装特性を、図15
に示す。図15において、(a)は、(高周波信号)の
入力端子82における、VSWR(定在波比)の周波数
特性、(b)は、挿入損失の周波数特性、(c)は、位
相の周波数特性を、それぞれバラクタダイオードの印可
電圧をパラメータにして、測定した結果を示したもので
ある。
【0075】挿入損失が、バラクタダイオードの印可電
圧の低い領域で、3dB程度と若干悪い値を示している
が、バラクタダイオードの印可電圧を、3〜25Vとす
ると、位相を0〜360度まで変化させることができ、
例えば、周波数2.2〜2.5GHzの周波数帯域で、
良好な移相器の特性が得られている。
【0076】なお、挿入損失は、バラクタダイオードの
直列抵抗分と高誘電率基板の誘電損失およびtanδに
よるところが大きく(樹脂基板で、0.005、アルミ
ナセラミック基板で0.0005程度である)、tan
δの良好な、アルミナセラミック基板を導入することで
挿入損失の改善は可能である。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、安価な多量生産可能な
バラクタダイオードを使用して、小型かつ安価な移相器
を実現できる。特に、アンテナ素子数を多く必要とする
位相合成アンテナ等への応用の場合に、好適な移相器を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッケージ封入型バラクタダイオードの外観図
である。
【図2】パッケージ封入型バラクタダイオードの内部配
線状態を示す説明図である。
【図3】バラクタダイオードの等価回路の説明図であ
る。
【図4】移相器の構成図である。
【図5】バラクタダイオードの容量と位相の関係の一例
の説明図である。
【図6】バラクタダイオードの印可電圧と、直列抵抗の
関係の一例の説明図である。
【図7】バラクタダイオードの印可電圧と端子間容量の
関係の一例の説明図である。
【図8】本発明にかかる構成例の説明図である。
【図9】本発明にかかる構成例の説明図である。
【図10】本発明にかかる構成例の説明図である。
【図11】移相器を3段構成にした構成例を示すブロッ
ク図である。
【図12】マイクロストリップ線路を使用した、2段構
成の移相器の一例の構成図である。
【図13】本発明にかかる移相器の特性の一例の説明図
である。
【図14】高誘電率基版上に、マイクロストリップ線路
を配置した、3段構成の移相器の一例の構成図である。
【図15】高誘電率樹脂基板上に、マイクロストリップ
線路を配置した、3段構成の移相器の特性例の説明図で
ある。
【図16】3dB方向性結合器の構成図である。
【符号の説明】 1…樹脂パッケージ、2a…端子、2b…端子、5…ダ
イオードチップ、6…ボンディングワイヤ、8…可変容
量、9…パッケージ容量、11…ボンディングワイヤイ
ンダクタンス、12…端子インダクタンス、14…3d
B方向性結合器、15…バラクタダイオード、16…バ
ラクタダイオード、17…バイアス供給回路、22…バ
ラクタダイオード、23…インピーダンス素子、24…
インピーダンス素子、27…マイクロストリップ線路、
28…マイクロストリップ線路、29…マイクロストリ
ップ線路、30…マイクロストリップ線路、31…移相
器ブロック、32…移相器ブロック、33…移相器ブロ
ック、34…バイアス供給回路、38…基板、39…3
dB方向性結合器、40…3dB方向性結合器、46…
直流阻止コンデンサ、47…直流阻止コンデンサ、48
…直流阻止コンデンサ、49…抵抗、41…バラクタダ
イオード、42…バラクタダイオード、43…バラクタ
ダイオード、44…バラクタダイオード、62…インピ
ーダンス線路、63…インピーダンス線路、64…イン
ピーダンス線路、65…インピーダンス線路、50…ス
ルーホール、51…スルーホール、52…スルーホー
ル、53…スルーホール、66…高誘電率基板、67…
3dB方向性結合器、68…3dB方向性結合器、69
…3dB方向性結合器、70…バラクタダイオード、7
1…バラクタダイオード、72…バラクタダイオード、
73…バラクタダイオード、74…バラクタダイオー
ド、75…バラクタダイオード

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力された信号に移相変化を与え、移相変
    化を受けた信号を出力する移相器において、 基板と、該基板の上に、四角形状に互いに接続して配置
    した4個の、1/4波長のストリップ線路(線路)と、
    バラクタダイオードと、バラクタダイオードに電圧を印
    加するための電源供給回路を備え、 前記四角形状に互いに接続された4個の線路のうちの任
    意の線路を第1の線路とし、該第1の線路の一方の接続
    点(第1の接続点)に、信号入力端子を設け、前記第1
    の線路の他方の接続点(第2の接続点)に、信号出力端
    子を設け、 前記第1の接続点に接続された第2の線路の接続点(第
    3の接続点)、および、第2の接続点に接続された第3
    の線路の接続点(第4の接続点)の各々と接地点との間
    に、インピーダンス素子と該インピーダンス素子に直列
    に接続したバラクタダイオードとを設け、また、前記電
    源供給回路は、各バラクタダイオードに、同一のバイア
    ス電圧を印加することを特徴とする移相器。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記インピーダンス素
    子は、マイクロストリップ線路を有して構成される少な
    くとも1以上のインピーダンス線路であることを特徴と
    する移相器。
  3. 【請求項3】請求項1および請求項2いずれか記載の移
    相器を2個以上備え、ある移相器の信号出力端子と、他
    の移相器の信号入力端子とが接続するように従属接続し
    て構成した移相器。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記電源供給回路を一
    個とし、全ての、バラクタダイオードには、前記一個の
    電源供給回路から同一の電圧が印加されるように、各バ
    ラクタダイオードと前記電源供給回路を接続したことを
    特徴とする移相器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999039401A1 (en) * 1998-01-30 1999-08-05 Honeywell Inc. Time-delay device
US6400237B1 (en) 1998-11-26 2002-06-04 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Phase compensation circuit, frequency converter device and active phased array antenna

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999039401A1 (en) * 1998-01-30 1999-08-05 Honeywell Inc. Time-delay device
US6400237B1 (en) 1998-11-26 2002-06-04 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Phase compensation circuit, frequency converter device and active phased array antenna

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