JPH0722616U - 刈刃及び受刃の異物除去構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンバイン等の穀稈切断機構において、切断
時に刈刃と受刃との隙間に入ってしまう泥や藁屑等の異
物を除去し、刈刃の浮き上がりを防止して、良好な切断
を保持できるようにすることを目的とする。 【構成】 刈刃１及び受刃２の肉厚部分に開口部１ａ・
２ａを穿設し、該開口部１ａ・２ａ同士が刈刃摺動中に
重合するように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンバインやバインダー等の穀稈等を切断する機構における異物除 去構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、コンバインやバインダー等の刈取部には往復動型の切断刃が進行方向に 対して直角方向に横設され、該切断刃はノコギリ状の受刃と刈刃からなり、該受 刃の上部にて刈刃を左右方向に往復摺動させ、両刃を擦り合わせて穀稈を切断す る切断機構は公知となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の穀稈切断機構においては、受刃と刈刃との隙間に泥や藁屑等が 挟まることがあり、その間に挟まるとなかなか排出されず、それによって刈刃が 浮き上がり、良好な切断ができなくなるばかりでなく、刈刃の破損にも繋がって いた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。即 ち、コンバイン等における往復動刃の受刃の上部にて刈刃を摺動させて穀稈等を 切断する切断機構において、刈刃及び受刃の肉厚部分に開口部を穿設し、刈刃摺 動時に該開口部同士が重合するように構成する。

【０００５】

【作用】

刈刃摺動中において、刈刃の開口部と受刃の開口部が重合する毎に、刈刃と受 刃との間に挟まっていた泥や藁屑が、該開口部を通過して下方に落ち、刈刃がこ れら異物によって浮き上がり長時間切断不良を起こすことがない。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例について、図面により説明する。図１はコンバインの全体側面 図、図２は穀稈切断機構の平面図、図３は同じく側面断面図、図４は刈刃１の平 面図、図５は受刃２の平面図である。

【０００７】 コンバインにおける穀稈切断機構について説明する。図１の如く、コンバイン は、刈取部Ａより穀稈を切断して取込み、脱穀部Ｂに搬送し、選別部Ｃにて籾を 選んでグレンタンク部Ｄに収納するものであり、穀稈の切断機構Ｘは、刈取部Ａ の前方下部、即ち、穀稈の根元部分を切断する位置に配設されている。

【０００８】 穀稈切断機構について説明する。受刃台４が、前端部に分草板１２・１２を付 設する刈取フレーム１１の左右延設部分間に横状に固設されており、該受刃台４ の上部前方に受刃２・２・・・が締止されている。該受刃台４の上部後方には、 摩擦板５が貼設されており、該摩擦板５の上部に取付板６が固設されていて、該 取付板６より、側面視アーチ状の刈刃クリップ７・７が前方に延設されている。 一方、刈刃１・１・・・が刈刃バー３に一体状に締止されており、該刈刃１・１ ・・・における該刈刃バー３への締止部分より前部の下面が、該受刃２・２・・ ・の上面に当接し、該刈刃１・１・・・の後端下面が該摩擦板５に当接し、刈刃 バー３は、該刈刃クリップ７・７のアーチ部分の下方に位置している。このよう に受刃２・２・・・の上面にて、刈刃１・１・・・が左右摺動可能となっており 、刈刃クリップ７・７が、刈刃バー３及び刈刃１・１・・の浮き上がりを抑えて いる。

【０００９】 刈刃バー３の一部にＬ字状の支持部材８が固設され、該支持部材８の後部に長 孔部材９が固設されている。そして、刈取部Ａにおける各搬送機構等の駆動系に 伝動されて回転するカム板１０に突設されるカム１０ａが該長孔部材９の長孔９ ａに嵌入されており、該カム板１０の回転に伴うカム１０ａの左右移動に追随し て、刈刃バー３及び刈刃１・１・・・が左右摺動する駆動構成となっている。こ うして、刈刃１・１・・・が受刃２・２・・・の上面にて左右摺動することによ り、刈刃１と受刃２とが擦り合って、穀稈を切断する。

【００１０】 刈刃１及び受刃２の形状について図４及び図５にて説明する。刈刃１は、平面 視において、前部が、前端部を頂点とする三角形状となっており、その両辺が刃 部１ｂ・１ｂとなっている。後部には、左右にボルト孔１ｃ・１ｃを穿設してお り、刈刃バー３にボルトにて締止される。そして、左右刃部１ｂ・１ｂ間の三角 形状部分には、平面視図４の如くに開口部１ａが穿設されている。一方、受刃２ も、前部が、前端部を頂点とする三角形状となっており、その両辺が刃部２ｂ・ ２ｂとなっていて、後部には、受刃台４にボルト締止されるように、左右にボル ト孔２ｃ・２ｃが穿設され、そして、左右刃部２ｂ・２ｂ間の三角形状部分に、 平面視図５の如く、開口部２ａが穿設されている。両開口部１ａ及び２ａの形状 は三角形としているが限定はせず、また、刈刃１・１・・・の左右摺動中に重な った位置で開口部１ａと開口部２ａが一致するようにしている。

【００１１】 刈刃１・１・・・が受刃２・２・・・の上面にて左右摺動して穀稈を切断する 途中に、刈刃１と受刃２との隙間には、泥や藁屑が挟まりやすい。しかし、該刈 刃１・１・・・の左右摺動中に、両開口部１ａ及び２ａが重合する時に、両刃の 隙間に挟まれていた泥や藁屑が、該開口部１ａ・２ａに入り込み、該開口部を通 過して下方に落ちる。従って、刈刃１・１・・・が、泥や藁屑等によって受刃２ ・２・・・の上面より浮き上がることがなく、該受刃２・２・・の上面への当接 が維持されるので、良好な穀稈の切断が長時間保持されるのである。

【００１２】 なお、開口部を設けることによって、刈刃１及び受刃２の強度が低下するので 、両刃の厚みをそれぞれ従来より厚くする、または大きくする必要がある。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は、以上のように構成したので、次のような効果を奏する。従来、穀稈 切断中に、刈刃が受刃の上面を左右摺動するうちに、両刃の隙間に泥や藁屑等の 異物が挟み込まれ、刈刃が浮き上がって、両刃の隙間が広がり、良好な切断がで きなくなり、悪くすると、刈刃の破損を引き起こしていたが、本考案のように刈 刃及び受刃に、開口部を、左右摺動中に重合するように穿設したので、該開口部 を通過して、これらの異物が流れ落ち、刈刃が浮き上がらずに受刃の上面に当接 されており、良好な切断を長時間保持するのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインの全体側面図である。

【図２】穀稈切断機構の平面図である。

【図３】同じく側面断面図である。

【図４】刈刃１の平面図である。

【図５】受刃２の平面図である。

【符号の説明】

１ 刈刃 １ａ 開口部 １ｂ 刃部 ２ 受刃 ２ａ 開口部 ２ｂ 刃部 ３ 刈刃バー ４ 受刃台 ５ 摩擦板 ７ 刈刃クリップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンバイン等における往復動刃の受刃の
   上部にて刈刃を摺動させて穀稈等を切断する切断機構に
   おいて、刈刃及び受刃の肉厚部分に開口部を穿設し、刈
   刃摺動時に該開口部同士が重合するように構成したこと
   を特徴とする刈刃及び受刃の異物除去構造。