JPH07224675A - プラズマエンジンおよびこれを有する機械システム - Google Patents

プラズマエンジンおよびこれを有する機械システム

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Publication number
JPH07224675A
JPH07224675A JP6035165A JP3516594A JPH07224675A JP H07224675 A JPH07224675 A JP H07224675A JP 6035165 A JP6035165 A JP 6035165A JP 3516594 A JP3516594 A JP 3516594A JP H07224675 A JPH07224675 A JP H07224675A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
plasma
chamber
working chamber
plasma engine
Prior art date
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Pending
Application number
JP6035165A
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English (en)
Inventor
Takeshi Hatanaka
武史 畑中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ALEX SOGO KENKYUSHO KK
Original Assignee
ALEX SOGO KENKYUSHO KK
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Filing date
Publication date
Application filed by ALEX SOGO KENKYUSHO KK filed Critical ALEX SOGO KENKYUSHO KK
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Publication of JPH07224675A publication Critical patent/JPH07224675A/ja
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Plasma Technology (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 石油系エネルギー等の燃料の使用を不要と
し、運転コストが極めて低く、しかも全く公害物質を排
出しないプラズマエンジンおよびこれを有する機械シス
テムを提供することを目的とする。 【構成】 ハウジング(98)の作動室(98a)に永
久的に使用可能な放電用作動媒体を封入し、放電室(9
8b)に主電極手段(102、103)を配置し、主電
極手段にパルス放電電源からの高電圧を供給することに
より作動媒体をイオン化後放電によるプラズマを発生さ
せ、これによりピストン(100)に駆動力を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンに関し、とくに
次世代エンジンとしてのプラズマエンジンおよびこれを
有する機械システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンにより駆動される車輌、
船舶、航空機等の輸送機関、発電プラントやブルドーザ
ーや油圧ショベル等の建設機械からなる機械システムに
おいてはガソリン、軽油、重油、LPガス等のエネルギ
ーを大量に消費するだけでなく、大量の汚染物質による
公害を排出して地球環境を急速に破壊していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の石油系
エネルギーを不要とし、公害を全く発生しない、地球に
優しいプラズマエンジンおよびプラズマエンジンを有す
る機械システムを提供することを目的とする。
【0004】
【本発明の構成】上記目的は放電用作動媒体を封入した
円弧状部分を有する作動室を有するハウジングと、作動
室に連通する放電室と、作動室に回転可能に収納されて
いて少なくとも1つの受圧面を有するロータリーピスト
ンと、放電室において放電電源からの電力により瞬時的
に作動媒体にプラズマを発生させて膨張させることによ
りロータリーピストンの受圧面に駆動力を与える放電手
段とからなるように構成することによって達成される。
【0005】さらに、上記目的は放電用作動媒体を封入
した円弧状部分を有する作動室と作動室に連通する放電
室とを有するロータハウジングと、作動室に回転可能に
収納されていて複数のブレードを有するタービンロータ
と、放電電源からの電力により瞬時的に放電室の作動媒
体にプラズマを発生させて膨張させることによりタービ
ンロータに駆動力を与える放電手段からなるように構成
することによって達成される。
【0006】さらに、上記目的は放電用ガスからなる作
動流体を封入した作動室を有するハウジングと、作動室
に移動可能に収納されたピストンと、放電室に配置され
ていてパルス放電電源からの高電圧パルスにより作動流
体中で放電によるプラズマを発生させることによりピス
トンに駆動力を与えるための陽極手段および陰極手段と
からなるように構成することによって達成される。
【0007】又、機械に本発明のエンジンを組み合わせ
ることによる新規な機械システムに関しては、機械と、
その機械を駆動するための出力軸を有するプラズマエン
ジンとを備え、プラズマエンジンが放電用ガスの作動媒
体を封入した円弧状部分を有する作動室と作動室と連通
する放電室とを有するハウジングと、作動室に回転可能
に収納されていて少なくとも1つの受圧面を有するロー
タリーピストンと、放電室の作動媒体に放電によるプラ
ズマを発生させて膨張させることによりロータリーピス
トンの受圧面に駆動力を与える放電手段と、放電手段に
電力を供給するための放電電源とからなる構成によって
上記目的は達成される。
【0008】さらに、上記目的は機械と、その機械を駆
動するための出力軸を有するプラズマエンジンとを備
え、プラズマエンジンが放電用の作動媒体を封入すると
ともに放射線源を含む作動室と作動室と連通する放電室
とを有するハウジングと、作動室に移動可能に収納され
たピストンと、放電室の作動媒体に放電によるプラズマ
を発生させて膨張させることによりピストンに駆動力を
与える放電手段と、放電手段に電力を供給するための放
電電源とからなる構成によって上記目的は達成される。
【0009】さらに、上記目的はプラズマエンジンと、
そのエンジンにより駆動される発電機とを備え、プラズ
マエンジンが放電用の作動媒体を封入した円弧状部分を
有する作動室と放電室とを有するハウジングと、作動室
に回転可能に収納されたロータリーピストンと、放電室
の作動媒体に放電によるプラズマを発生させて膨張させ
ることによりロータリーピストンに動力を与える放電手
段と、放電手段に電力を供給する電源とからなる構成に
よって上記目的は達成される。
【0010】
【作用】この発明のプラズマエンジンおよびこれを有す
る機械システムにおいて、放電室の主電極手段に高電圧
を供給すると、放電室および作動室の作動媒体がイオン
化されて放電によるプラズマが発生して作動媒体の膨張
圧力によりピストンに駆動力を与える。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付の図面を参照
して説明する。実施例において、放電方式にはマイクロ
波発振器から供給されるマイクロ波による放電を行わせ
る無電極放電と、有電極放電とがあるが、各実施例にお
いては後者を1例として説明する。図1は本発明による
第一実施例のプラズマエンジン10の概略図を示す。エ
ンジン10は円弧状作動室12aを有するハウジング1
2と、作動室12aに同心的に回転可能に収納されてい
て出力軸10aに支持されたロータリーピストン14を
備える。ハウジング12は放電用媒体の初期イオン化を
促進して電流密度またはイオン密度を高めることにより
放電用ガスの温度と圧力をより高めてエンジン効率を上
げるためのトリチウムまたはポロニウムからなる放射線
源ライナー12bを有する。放電用媒体の電流密度また
はイオン密度が増大すると、作動室内の放電時の温度と
圧力が増加してエンジン効率が上昇する。ライナー12
bの代わりに他の方法を用いても良い。すなわち、放射
線源は半減期が10年を越え、放射能量が100Bq〜
1000Bqでかつエネルギーが0.7MeV以下のβ
線のみを放射する放射線源から構成しても良い。この放
射線源は数ミリメートルのセラミックまたは石英球を、
Si系のアルコキシド−アルコール溶液、すなわちゾル
ゲル溶液に単体粉末のテクネシウム99を混合した溶液
に浸し、引き上げて乾燥したのち、600℃において窒
素中で1時間過熱すると、テクネシウム99が球面にむ
らなく分布する。次にテクネシウム99を混合しないS
i系ゾルゲル溶液に球を浸し、同様な方法でテクネシウ
ム99を含まない石英薄膜を施し、これを真空中で10
00℃において1時間過熱することによって密封放射線
源が得られる。この密封放射線源をロータリーピストン
14に干渉しないようにハウジング12の側壁に形成し
た孔部(図示せず)に埋め込むと安定した瞬時放電特性
が得られる。この放射線源をハウジング12にコーティ
ングしてライナー12bとして利用しても良い。図1、
2の構造において、作動室12aに隣接してハウジング
12の側壁の凹部には4つの放電室15a、15bが形
成され、これら放電室15a、15bは軸方向において
対向するとともに作動室12aに連通している。ハウジ
ング12は冷却フィン(図示せず)とウォータジャケッ
ト(図示せず)とを備えても良く、ウォータージャケッ
トは外部の冷却装置に接続してハウジング12の冷却効
果を上げてもよい。ロータリーピストンは円弧状作動室
12aに近接またはスライドベーン等を介して係合する
複数のピストン部14aを有する。作動室12aの両側
の放電室15a、15bのそれぞれに主電極手段16
a、16bが対向するように配置されていて、主電極手
段は放電手段として作用する。これら主電極手段16
a、16b間にロータリーピストン14が挟まれるよう
に配置されている。放電室を環状に形成して、この中に
環状の主電極手段を配置して高電圧大電流のパルスを印
加するとレールガンに似た大きな回転出力が得られる。
作動室12aには排気真空後に放電用の作動媒体11が
封入される。作動媒体11として水銀蒸気およびナトリ
ウム蒸気のうちのいずれか1つの金属蒸気と始動用ガス
からなる放電用ガスが用いられる。第1例として、始動
用ガスは1〜50気圧のキセノンと、0.066〜2気
圧のヘリウムからなり、総封入圧に対するヘリウムの封
入圧は50%以下であるのが望ましい。第2例として、
始動用ガスは1〜50気圧のキセノンと、0.066〜
2気圧のアルゴンからなり、総封入圧に対するアルゴン
の封入圧は50%以下であるのが望ましい。第1、第2
例によれば、放電用ガスの始動電圧を低下させるだけで
なく、瞬時に高速で安定した作動流体の放電を行わせる
ことができる。第3例において、放電用ガスはα線、β
線、γ線、χ線等の放射線源またはクリプトン85から
なる放射線源を含んでも良い。クリプトン(Kr)85
は作動流体に放射線による電子励起を生じさせて、始動
特性、瞬時放電特性を改善してエンジンの効率を改善す
る。クリプトン85の封入量は安全性の面から作動室内
容積1cm3当り0.2〜50マイクロキュリーの範囲
が望ましい。第4例として放電用ガスは放電時の異常な
温度上昇を防ぐために望ましくは体積比でヘリウム36
%、ネオン26%、アルゴン17%、クリプトン13%
およびキセノン8%の希混合ガスからなり、約1〜10
気圧で、好ましくは、1気圧±5%以内となるように封
入しても良い。第5例として、放電用ガスは体積比で4
0〜60%のアルゴンと、30〜40%のキセノンと、
6〜8%のネオンとその他の希ガスから形成しても良
い。第6例として、放電用ガスは所定量の水銀と希ガス
および水素ガスから構成される。水銀の蒸発による膨張
圧力を推進するためには定電力制御するので、放電電圧
が上昇すると放電電流が低下する。このとき、パルス放
電電源が小型化でき、エンジン寿命も長くなる。封入す
る水素量が水銀と希ガスとの封入モル比で5×10-4
では放電電圧が急激に上昇し、水素量をこれ以上増加し
ても放電電圧の上昇はわずかである。つまり、水素量が
5×10-4で放電電圧は臨界的に変化する水素ガスはキ
セノンガスとともに作動室に直接封入しても良い。第7
例として、放電用ガスは重水素あるいは水素ガスから選
ばれた少なくとも一種にヘリウム、ネオンの中から選ば
れた少なくとも一種の希ガスとの混合物から形成しても
良い。この放電用ガス中にヘリウムあるいはネオンが混
入されていると、二個の自由水素原子あるいは重水素原
子とヘリウムあるいはネオン原子との間の三体衝突によ
って再結合が起こるので、重水素分子の密度が低下せ
ず、高効率が得られる。作動媒体として、単体でまたは
上記の希ガスから選ばれた少なくとも一種のガスに炭素
原子が60〜200の炭素格子構造体で、望ましくはC
60とC70との混合物を利用しても良い。C60のイオン化
電位は7.5eVで、Xe(12.1eV)のそれより
も大幅に低いため、1回のパルス放電当りのエネルギー
コストが大幅に低くなるメリットがある。
【0012】陽極手段16aおよび陰極手段16bは作
動媒体に電子励起を生じさせてイオン化を促進させるた
めのトリウム含有タングステンからなる。他の例とし
て、陰極手段16bはタングステン材料の粉末と酸化バ
リウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウムの中から
選ばれた少なくとも一種のアルカリ土類酸化物と、酸化
ジルコニウム、酸化スカンジウムの中から選ばれた少な
くとも一種の混合物を含む熱電子放射物質との混合物の
焼結電極体から形成されても良い。酸化ジルコニウム、
酸化スカンジウムは陰極手段16bが高温になったとき
陰極手段16bの電気伝導率上昇の割合が良くなる。ゆ
えに放電が安定する。陰極がタングステン材料を含む場
合、作動流体にはさらに臭素、よう素、塩素などの有機
ハロゲン化物を微量混入してもよい。このハロゲンは高
温の作動室12aに付着したタングステン分子と結合し
て、蒸発しやすいハロゲン化タングステンになる。この
とき作動室12aの温度がある程度高いと、ハロゲン化
タングステンは作動室より蒸発して陰極16b近くに移
動し、その高温によりハロゲンとタングステンに分解す
る。このタングステン分子は陰極16bに付着して陰極
16bの長寿命化が図れる。第2例として陰極手段16
bは、例えばニッケルからなる基体金属粉末にアルカリ
土類金属系、例えば酸化バリウム、酸化ストロンチウ
ム、酸化カルシウムの熱電子放射物質からなるエミッタ
ーを混合して焼成した焼結電極体から構成しても良い。
このとき、重量比で基体金属粉末100に対してエミッ
ター10の混合比が選ばれる。この焼結電極体は丈部で
エミッター含有量が多く、しかも、振動や衝撃に対して
強くなるため、自動車、船舶、航空機、ブルドーザー等
にエンジンが採用された場合に実用的である。第3例と
して、陰極手段16bは延性に富んだ材料であるタンタ
ルチップをリボン型熱陰極に加工した穴に埋め込むこと
により、イオン衝撃に対してタングステンなどの脆性材
料に比較して表面の欠落量が小さい電極体が形成され
る。リボン型熱陰極に電流を流して2000〜2500
°Kになった時点である一定方向に電位差を付加する
と、電位の低い方向に向かってタンタルケップから熱電
子が放出する。
【0013】図2の原理図に示すように主電極手段16
a、16bには20〜60KVで数MHz〜数+MH
z、好ましくは約13MHzの電流パルスを数μ(マイ
クロ)〜数+μ秒の短時間で供給するためのパルス放電
電源18が接続されている。1回の放電当り40KVの
3パルスを供給すると1回の放電で十分なプラズマが発
生してガス圧の膨張による回転力を生ずるため、1回の
放電時間は数μ秒の短時間で良く、入力エネルギーも非
常に小さくて済む。そのため、作動流体の温度も異常に
上昇はしない。陰極16bのそれぞれには始動抵抗を介
して始動電極(図示せず)が接続されても良い。始動電
極は隣接する主電極手段16bとの間に局部放電を起こ
し、放出された多数の電子が始動用ガスとして封入され
ているアルゴンまたはその他の不活性ガスの原子に衝突
して電離を起こし、作動室12a内の導電性が良くなっ
て主電極間16a、16bの主放電によるプラズマに移
行する。
【0014】ハウジング12およびロータリーピストン
14はいずれもセラミック等の絶縁材料か金属から構成
される。また、ハウジング12がアルミ等の金属からな
る場合は電極手段16a、16bとハウジング12の放
電室15a、15bとの間で絶縁部材13a、13bを
配置しても良い。ピストン部14aはリーディング面1
4aaとトレーリング面14abを有し、少なくともト
レーリング面14abには主電極手段16a、16b間
の放電距離を短縮して主放電によるプラズマの発生を容
易にするための導電性層が形成される。またピストン部
はアルミ等の導体から構成しても良い。
【0015】図2において、パルス放電電源18から高
電圧パルスが供給されると、主電極間16a、16bと
の間の始動用ガスに放電が起き、ついで水銀蒸気が発生
して主電極間で主放電によるプラズマ26が発生する。
このとき、放電室15a、15bおよびピストン部14
aで区画された作動室12aの作動流体が急激に膨張し
てピストン部に右方向の回転力を与える。しかも、放電
室15a、15bおよび作動室12a間で発生したプラ
ズマ26中を流れる電流28と、これに伴う磁界30に
よるローレンツ力32によってピストン部14aに回転
力が与えられる。このようにピストン部14aには作動
流体の膨張圧力とローレンツ力とによる回転力が同時に
与えられる。ロータリーピストン14の回転速度は1回
転当りのパルスの周波数および出力電流によって定ま
る。図2において、電流による磁界30は閉回路の内側
に発生し、これによる電磁力は閉回路の外側に向かって
作用する。すなわち、電流路は自分で発生した磁界と相
互作用してできるだけ外側(図において右側方向)に拡
がろうとする。この時、ピストン部14aは複数の放電
室15a、15bの主電極手段16a、16bによって
大きな運動エネルギーで時計方向の回転力を受ける。放
電用ガスとしてヘリウムガスを含む作動流体中でプラズ
マが発生すると、ヘリウムは例えば100,000,0
00°F(約50,000,000℃)の温度になって
作動流体の圧力は急激に上昇するが数μ秒の極めて短時
間であるため、温度の異常上昇が防止される。パルス放
電電源がOFFになると、作動流体の圧力は急降下す
る。このようにパルス放電電源のON/OFFによっ
て、作動流体の圧力を周期的に上昇させるとともにロー
タリーピストン14にローレンツ力を与えて回転させ
る。
【0016】図3、4は本実施例によるプラズマエンジ
ンを示し、図1、2と類似の部品にはシングル・アポス
トロフィ(’)を符号に付ける。図3、4の実施例にお
いて、プラズマエンジン10’の円筒状ハウジング1
2’の作動室12aにはロータリーピストン14’が回
転可能に配置してある。この実施例において放電室は作
動室12a’と一体となっている。ロータリーピストン
14’は第1、第2ロータエレメント14’−1、1
4’−2と中央部の仕切円板14’−3とを有する第
1、第2ロータエレメント14’−1、14’−2はそ
れぞれ回転方向にカーブしている曲面14’−1aと受
圧面14’−1bおよび曲面14’−2aと受圧面1
4’−2bとを有し、第1、第2ロータエレメント1
4’−1、14’−2は互いに対して90°位相が外れ
るように配置されている。仕切円板14’−3は作動室
12a’を第1、第2放電室12a’−1、12a’−
2に区画する役目を有し、仕切円板14’−3の外形は
作動室12a’の内径より0.02〜0.1mmの隙間
を有する値に選定される。第1放電室12a’−1には
回転軸を中心に対照的に配置された陽極16a’−1と
陽極16a’−1に対して90°の位相角で配置された
陰極16b’−1とを有する。第2放電室12a’−2
の主電極16a’−2は主電極16a’−1に対して望
ましくは45°位相がずれた位置に配置される。電極手
段16a’−1、16b’−1および16a’−2はパ
ルス放電電源に接続される。
【0017】図3、4の構成において、電極手段16
a’−1、16b’−1に高電圧パルスが供給される
と、放電室12a’−1の放電用ガス11’が放電して
プラズマが生じ、作動流体が急激に膨張して受圧面1
4’−1bに時計方向の回転力を与える。次に放電室1
2a’−2の電極手段に高電圧パルスが供給されると、
放電室12a’−2の作動流体が膨張して受圧面14’
−2aに時計方向の回転力を与える。このように第1、
第2放電室12a’−1、12a’−2の電極手段に順
次高電圧パルスが与えられ、ロータリーピストン14’
はバランサがなくても滑らかに回転される。放電室12
a’−1、12a’−2の電極手段は同時にON、OF
Fされても良い。
【0018】図5は図3、4の変形例を示し、図3、4
と類似部品については符号にダブル・アポストロフ
ィ(”)を付す。図5に置いて、ロータリーピストン1
4”は図3の構造と同様に第1、第2ロータエレメント
14”−1と仕切円板14”−3とを有し、ロータエレ
メントの各々はうず巻状または扇形の形状を有する。第
1作動室12a”−1および第2作動室(図示せず)に
はそれぞれ可動シャッター部材19が配置されて第1、
第2放電室を形成している。可動シャッター部材19は
ロータリーピストン14”の最大外径部14”−1aが
通過する直前にはハウジング12”のリセス12a”−
3に収納され、ロータリーピストン14”の最大外径部
14”−1aが可動シャッター部材19を通過した直後
に図示しないバネ手段等によりシャッター部材19は図
5の位置となる。仕切円板14”−3の反対側にはロー
タエレメントがロータエレメント14”−1と180°
位相がずれるように配置されており、さらに、第2作動
室の可動シャッター部材も第1作動室12a”−1のシ
ャッター部材19と対称的な位置に配置される。
【0019】図5の構成において、電極手段16a”−
1、16b”−1に高電圧パルスが供給されると、受圧
面14”−1bとシャッター部材19との間の作動流体
にプラズマが生じて膨張し、その圧力が受圧面14”−
1bに作用してロータリーピストン14”は反時計方向
の回転力を受ける。このとき、仕切円板14”−3の反
対側にも受圧面を有するロータエレメント(図示せず)
と可動シャッター部材(図示せず)とが配置され、可動
シャッター部材の位置に電極手段が配置してあるので、
第1、第2ロータエレメントは同時に回転力を受ける。
したがって、バランサを設けることなくロータリーピス
トン14”の円滑な回転が得られる。図5において、ロ
ータエレメントは1個の受圧面を有するものとして示さ
れているが、図3、4に示すごとく、ロータエレメント
の受圧面は複数個設けても良く、その場合、シャッター
部材は第1、第2作動室において、受圧面に対応して複
数個配置される。しかも、電極手段はシャッター部材に
対応して設けられる。
【0020】図6、7は本発明による第4実施例のプラ
ズマエンジン40を示す。プラズマエンジン40は放電
用ガスを封入した円弧状作動室42aを有するハウジン
グ42と、作動室42a内に回転可能に収納された偏心
ロータリーピストン44を備える。また、放電用ガスは
水銀蒸気またはナトリウム蒸気とからなる金属蒸気とア
ルゴンまたはネオン−アルゴン混合ガスから構成しても
良い。ロータリーピストン44は出力軸44bに支持さ
れたロータ44aを有する。ロータ44aは複数の放射
状に延びるラジアル部44cとラジアル部44c内にそ
れぞれ摺動可能に配置されていて円弧状作動室42aと
係合するベーンからなる可動部材44dとを有する。ラ
ジアル部44cには主電極間の放電によるプラズマの発
生を容易にするための導電層44c’が設けられてい
て、それぞれ受圧面を有する。ラジアル部44c内には
スプリング部材を配置して可動部材44dを半径方向に
押圧させても良い。作動室42aは複数の可変容量のセ
グメント室42a−1〜42a−6を有し、その内の1
つのセグメント室42a−2は放電室として機能する。
放電室42a−2には作動流体中で周期的に放電による
プラズマを発生させるためのトリウム含有タングステン
からなる主電極手段48a、48bが配置されている。
陽極48aはハウジング42の側壁に設けられる。陰極
48bはハウジング42の側壁の円弧状溝42b内にセ
ラミック封入材で固定されたり、その表面には熱電子放
射物質が塗られても良い。なお、陰極48bはタングス
テン粉末と熱電子放射物質とからなる焼結電極体から構
成しても良い。陰極48bは導線48b’を介して高周
波パルス放電電源(図示せず)に接続されている。膨張
室42a−2にはさらにタングステンコイルからなる予
備陰極50が配置されており、主陰極48bの寿命がな
くなったときに導線50’を介して高周波パルス放電電
源に接続されるため、エンジンの長寿命化が図れる。予
備陰極50は主陰極48bのように円弧状に形成しても
良い。各々のセグメント室には放電用ガスからなる作動
流体が前述した圧力で封入されており、図6の位置から
ロータリーピストン44が時計方向に約30°回転した
ときにはセグメント室42a−1の作動流体の放電によ
るプラズマが発生して複数の可動部材44dに回転力が
与えられる。
【0021】図6の構成において、隣接したベーン44
dに囲まれた空間が主電極48a、48bに来るたびに
主電極48a、48bに高電圧パルスが供給され、ロー
タリーピストン44は1回転中6回の駆動力を受ける。
このとき、陰極48bが過熱されると、電極より熱電子
がたくさん放出される。主電極間は一様な電界になって
いて、これで熱電子は加速・移動し、途中で膨張室46
内の水銀やアルゴンの気体原子に衝突する。この衝突に
よって気体原子から電子が飛びだし電離が起こり、電子
の数がますます増えて放電によるプラズマが発生する。
このとき、放電室46内の水銀蒸気およびガス圧が高く
なって、ベーン44dに時計方向の回転力を与える。な
お、主電極間48a、48b間で生じたプラズマ中を流
れる電流による磁束でベーン44dにローレンツ力が作
用して回転力が増大する。電極手段48a、48bおよ
び予備電極50はハウジングの側面ではなく、外周に配
置しても良い。ベーン部材はローラ部材に代えても良
い。
【0022】図8、9は本発明による第5実施例のプラ
ズマエンジン60を示す。プラズマエンジン60はバン
ケル型ロータリーエンジンからなる。ロータリーエンジ
ンは作動流体を封入した中央部が少し狭くなった楕円形
のトロコイド曲線の作動室62aを有するセラミック等
の絶縁材料からなるハウジング62と、作動室62aに
係合しながら偏心的に回転する各辺が膨らみを持った三
角形のピストン64とを備える。ハウジング62はウォ
ータージャケット(図示せず)を備えても良いし、この
ウォータージャケットは各部の冷却手段に接続して冷却
効率を上げても良い。ハウジング62には作動室の上死
点TDC近辺に放電室72、72’が形成され、放電室
72にはトリウム含有タングステンからなる一対の1次
側リーディング主電極手段65、67と、トリウム含有
タングステンからなる一対の1次側トレーリング主電極
手段66、68がそれぞれ上死点TDCの回転方向前側
と後側とに配置してある。主電極65、66はそれぞれ
陽極を構成し、一方、主電極67、68は陰極を構成す
る。図8、9に図示されていないが、2次側リーディン
グおよび2次側トレーリング主電極手段が回転軸に対し
て対照的な位置においてハウジング62に配置されてい
る。電極手段65、66、67、68はそれぞれリード
線65a、66a、67a、68aを介して図示されな
い高周波パルス放電電源に接続されている。陰極67、
68はニッケル等の基体金属粉末と熱電子放射物質との
焼結電極体から構成しても良い。また、陰極67、68
はトリウム含有タングステン棒とこれに隣接する始動電
極により構成しても良い。ロータリーピストン64の形
状は公知のペリトロコイド内包絡線の形状となってお
り、ロータリセス64aとアペックスシール64bとを
備えていて、偏心の回転運動をする。ロータリセス64
aには導電層64a’が形成されていて主電極間66、
68間の放電が容易となっている。ロータリーピストン
64は上死点において放電室72が最小容積となる。作
動室62aの作動流体は1気圧±5%の水銀またはナト
リウム蒸気とアルゴンまたはネオン−アルゴン混合ガス
から構成しても良い。これら作動流体にクリプトン、ヘ
リウムまたはキノセンあるいは微量の水素または重水素
を混入しても良い。
【0023】図10〜15は図8、9の実施例のロータ
リーエンジンの作動を示すダイヤグラムを示す。図10
は辺ABの中央が1次側主電極手段65、67、66、
68付近にきた状態を示し、このとき、これら電極手段
がONされるため、放電室72の作動流体が膨張してそ
の圧力とローレンツ力とが辺ABに作用し、時計方向の
回転力をロータリーピストン64に与える。図11にお
いて、辺ACが2次側主電極手段65’、67’、6
6’、68’付近にくるとこれら電極手段がONされ
る。このとき、放電室72’の作動流体が膨張してその
圧力とローレンツ力とが辺ACに作用して時計方向の回
転力をロータリーピストン64に与える。図12におい
て、辺BCが1次側電極手段65、67、66、68付
近にくると、1次側電極手段がONとなり、辺BCに前
述したように回転力が与えられる。図13〜15に示す
ように、辺AB、ACおよびBCがそれぞれ2次側電極
手段、1次側電極手段および2次側電極手段の付近にく
ると、これら電極手段が交互にONされて、これら各辺
に順次回転力が与えられる。このように、ハウジング6
2の1次側および2次側上死点TDC、TDC’にそれ
ぞれ1次側および2次側主電極手段65、67、66、
68および65’、67’、66’、68’を設けて、
これら1次側および2次側上死点にロータリーピストン
64の各辺がきたときに1次側および2次側主電極手段
を交互にONするようにしたことにより、ロータリーピ
ストン64の1回転中に6回の回転力が与えられる。こ
の結果、ロータリーピストンは慣性力の変動がないた
め、円滑な回転が得られ、振動もなく最高回転数も相当
大きくなる。
【0024】図16〜18は本発明による第6実施例の
プラズマエンジン80を示す。プラズマエンジン80は
前述したような作動流体81を封入した円弧状作動室8
2aを有するハウジング82と、作動室82aに同心的
に回転可能に収納されたロータリーピストン84とを備
える。ハウジング82は図示されないウォータージャケ
ットを備えても良い。ロータリーピストン84はロータ
84aと半径方向に延びて円弧状作動室82aと係合ま
たは隣接する一対のピストン部84bとを備える。作動
室82aにはハウジング82の側壁に形成したガイド溝
82bを介して周期的に作動室82a内に出入りして放
電室85を形成する二又の可動シャッター部材86が配
置される。可動シャッター部材86は円弧状作動室82
aに近接または係合する外縁86aとロータ84aに近
接または係合する内縁86bとを有する。
【0025】図17に示すように、可動シャッター部材
86は出力軸88上で軸方向に摺動可能なボス部86c
を備え、シャッター駆動手段87により駆動されえる。
シャッター駆動手段87はボス部86cに設けられたカ
ムピン86dを有する。駆動手段87はさらに出力軸8
8に形成された予め定められた形状のカム溝88aを備
え、このカム溝88aにカムピン86dが係合してい
る。出力軸88の回転につれてシャッター部材86は後
述の如く軸方向に往復動する。ハウジング82にはシャ
ッターカバー92が連結されており、この中に真空排気
後アルゴン等の不活性ガスが封入されていて外部への不
活性ガスの漏れが防止される。カバー92とシャッター
部材86との間にバネ部材90が設置されていて、シャ
ッター部材86を軸方向に押圧している。
【0026】放電室85を挟むようにハウジング82は
それぞれトリウム含有タングステンからなる陽極94と
陰極96とを備える。陽極94と陰極96は高周波パル
ス放電電源(図示せず)に接続されている。主電極9
4、96はハウジングの側壁ではなくて外周部に収納孔
を形成してその中にピストン部84bに干渉しないよう
に配置しても良い。ロータリーピストンが絶縁材料から
なる場合はピストン部84bの放電室側の導電層84
b’をコーティングしてロータリーピストンの上死点に
おける放電を容易にすることができる。
【0027】図18は図17のシャッター部86のタイ
ミング(シャッター開閉時期)を表わすダイヤグタムで
ある。図18において、シャッター部材86は完全に閉
じた状態にあり、ピストン84bは上死点(=TDC)
に位置している。このとき、電極手段に高電圧パルスが
供給されて、放電室85の作動流体に放電が生じてプラ
ズマが発生し、放電室85の圧力が上昇してロータリー
ピストン84は時計方向に回転する。ピストン部84b
が上死点から55°の回転角まで移動してきたときにシ
ャッター部材86は開き始め、105°の回転角まで完
全に開度状態となる。そのため、ピストン部86bはシ
ャッター部材86を通過した後、10°移相する間にシ
ャッター部材86が瞬時に閉じる。ピストン部86bが
さらに20°移送する間に放電室85の気圧は他の作業
室82aよりも低くなって放電が起きやすい状態となっ
ている。このとき、電極手段に高電圧パルスが供給され
て放電によるプラズマで放電室85の作動流体が膨張し
てロータリーピストン84に回転力を与える。このよう
に、ロータリーピストン84は1回転中に2回の膨張圧
力とローレンツ力との影響を受ける。図17の出力軸8
8のカム溝88aはシャッター部86を図18のタイミ
ングで駆動する形状に加工される。シャッター部材86
の駆動手段はその他のリンク機構を利用して回転を直進
運動に変更しても良い。
【0028】図19、20は本発明による第7実施例の
プラズマエンジン97を示す。プラズマエンジン97は
円弧状部分を有する作動室98aおよび作動室98aと
連通する円弧状放電室98bとを有するロータハウジン
グ98と、作動室98aに回転可能に配置されていて出
力軸99に支持されたタービンロータからなるロータリ
ーピストン100とを備えたタービンアッセムブリから
なる。ロータハウジング98はロータリーピストン10
0の外周に近接していて低圧部(ガス収縮部)または無
放電部を構成するセグメント部98cを備え、セグメン
ト部98cによって放電室98bが区画されている。変
形例において、セグメント部98cをとって隣接した放
電室98bを連通させて環状にしても良い。ハウジング
98は図において一体として示されているが、焼結金
属、鋳造、アルミダイカストまたは機械加工により、サ
イドハウジングとセンタハウジングとから構成しても良
い。ロータリーピストン100は接線Lに対して鋭角の
ほぼ45°の角度で傾斜するように外周方向に一定の間
隔で形成されたキャビティを有する複数のタービンブレ
ード100aを有する。このように、タービンブレード
100aの各々はロータリーピストンの回転軸を通る半
径線に対して予め定められた角度を有する受圧面を有す
る。ロータリーピストン100は焼結金属、アルミダイ
カストまたは機械加工により形成される。ロータリーピ
ストン100とハウジング98との間にはサイドシール
101が配置してある。放電室98bは作動室98aよ
り径大となっていて、ガス膨張部または昇圧部として機
能する。さらに、放電室98bの軸方向両端にはロータ
リーピストン100bの端部から所定のギャップを有す
るように陽極102および陰極103がハウジングの側
壁に配置されている。符号104、105はセラミック
封止材料等の絶縁剤を示す。ハウジング98はロータリ
ーピストンの環状凹部100cに突入しているボス部9
8dを備え、出力軸99はボス部98dのベアリング1
06、107により回転可能に支持される。この構成に
より、エンジン97はうすくて極めてコンパクトな構造
となる。作動室98aおよび放電室98bには第1実施
例において述べた作動媒体108が望ましくは1気圧±
5%で封入されている。電極手段102、103はトリ
ウム含有タングステンまたは耐熱製材料と熱電子放射材
料から構成しても良い。
【0029】複数の対の電極手段102、103は高電
圧パルス放電電源(図示せず)に接続され、周期的に数
μ〜数+μ秒の20〜40KVの高電圧パルスが供給さ
れる。そのとき、電極手段102、103とタービンロ
ータ100の側壁100bとの間で局部放電が起き、つ
いで、電極102、103間の主放電によるプラズマが
発生する。その結果、セグメント部98cにより区画さ
れた放電室98bの作動媒体108が急激に膨張し、そ
の膨張圧力が図20で矢印で示すごとくタービンロータ
100のキャビティに流入して反時計方向にタービンロ
ータ100に駆動力を与える。キャビティに流入した作
動媒体108が電極手段102、103から外れてハウ
ジングのセグメント部98c近辺にくると、作動媒体は
収縮する。作動媒体108は周期的に膨張と収縮が繰り
返される。放電室98bは第1、第2の円弧状膨張室か
らなっていてタービンロータ100の外周の大部分にま
たがっているため放電室108の作動媒体108がプラ
ズマにより膨張したときタービンロータ100には第
1、第2の膨張室から強力な駆動力を与えるため大きな
トルクが得られる。放電室98bおよび作動室98aの
空間の体積はタービンロータ100が回転しても増加し
ないため放電室および作動室の圧力はタービンロータが
回転してもあまり低下せず、タービンロータ100には
常に大きな押圧力が作用して大きな出力がとれる。上記
実施例において述べた方式でタービンロータを第1、第
2のロータエレメントと中間の仕切板とにより構成し、
第1、第2のタービンブレードの角度を反対方向に配置
し、仕切板で区画された第1、第2放電室にそれぞれ電
極手段を配置することにより、正逆可能なエンジンが得
られる。
【0030】図21は本発明による第8実施例の放射線
源を含む放電用ガスからなる作動流体を利用したプラズ
マエンジンを示す。図21において、プラズマエンジン
110はセラミック等の絶縁材料からなり、ウォーター
ジャケット(図示せず)を有し、円筒状シリンダからな
るハウジング112と、ピストン114と、シリンダに
固定されてシリンダ上部を密閉して円筒状作動室115
を形成するボロンナイトライド材料からなる絶縁剤から
なるシリンダヘッド116とを備える。シリンダ112
は放電室118aを有する放電部118とピストン可動
部120とを有する。放電部118はシリンダ112内
において、作動室115を囲むように配置されたトリウ
ム含有タングステンからなる円筒陽極からなる電極手段
122と、シリンダヘッド116に支持されていて円筒
陽極122と同軸上のトリウム含有タングステンからな
る円柱陰極からなる電極手段124とを備える。電極1
22、124はパルス放電電源125に接続されてい
て、スイッチ手段127により断続的に高電圧パルスが
供給される。他の例として、陰極124はタングステン
材料からなり、その表面にはトリウム、バリウム、スト
ロンチウムおよびカルシウムのうちの少なくとも1つを
主体とする酸化物からなる熱電子放射物質が塗られても
良い。
【0031】作動室115には排気真空後に水銀蒸気お
よびナトリウム蒸気のうちの1つの金属蒸気と、アルゴ
ンまたはネオン−アルゴン混合ガスの不活性ガスとクリ
プトン85の放射線源からなる作動流体が封入される。
金属蒸気は主放電を発生しやすくするものであり、希ガ
スからなる不活性ガスは始動用ガスとして作用する。こ
れら作動流体にクリプトン85を混入すると始動電圧が
低下するとともに安定した瞬時放電によるプラズマ発生
が可能となる。
【0032】パルス放電電源125は20〜40KVの
高電圧パルスを数μ秒の短時間で供給するように構成す
ると良い。1回の主放電で充分な作動流体の圧力上昇が
あるため、放電時間は短時間で良く、入力エネルギーも
非常に小さくて済む。そのため、作動流体の温度も異常
には上昇しない。
【0033】図21に戻って、シリンダヘッド116の
内側には両電極間で放電を容易にするために半径方向に
延びる環状トリガ電極116aを備える。トリガ電極1
16aと陽極122または陰極124のいずれかのギャ
ップは0.1〜2mmに設定されていて放電がしやすく
なっている。円柱陰極124は導電性のパイプからな
る。シリンダヘッド116は不活性ガスを封入するため
の充填用パイプ128を有し、充填用チューブ128は
バルブ130を備えていて、排気真空後に予め定められ
た気圧(望ましくは1気圧±5%)で金属蒸気と不活性
ガスの混合物からなる作動流体を作動室115に充填す
る。
【0034】ピストン114はアルミ等の導電動性材料
からなり、ピストン114の上死点において、ピストン
の上面は陽極122と陰極124とに近接して両電極間
の主放電がしやすくなるようなトリガ電極として作用す
る。ピストン114がセラミックからなるときは、その
上面にトリガ電極が形成されても良い。
【0035】上記構成において、スイッチ手段127が
閉じられると、電極手段122、124には高電圧パル
スが供給される。このとき、主放電が生じて矢印Aで示
す如く、放射状に電流Aが流れて、このとき生ずる電磁
力Bによってピストン114は駆動される。電極手段1
22、124間で生ずる主放電により不活性ガスは膨張
するため、ピストンにはこの圧力が加えられて加速され
る。放電室118a内の金属蒸気が主放電により膨張し
て圧力が増加してピストン114の駆動力を増大する。
【0036】図22は本発明の他の望ましい実施例を示
す。図22の実施例では主電極手段が作動室を囲むよう
にシリンダ112の内壁に配置され、互いに離された半
円状のトリウム含有タングステンからなる主電極13
2、134を備える。主電極134に隣接して始動電極
136が配置される。始動電極136は主電極134と
の間でグロー放電を生じさせ、主放電を容易にする役目
を有する。他の例として、主電極134はタングステン
電極からなり、タングステン電極の内側には前述した熱
電子放射物質を塗っても良い。
【0037】図23は本発明の望ましい実施例によるプ
ラズマエンジン付機械システム140のブロック図を示
す。プラズマエンジン付機械システム140は図1〜図
2で示されたプラズマエンジン142と、連結手段14
4と、機械146とを備える。機械146は自動車、ト
ラック、バス、列車、電車、ブルドーザー、二輪車、自
転車、船舶、航空機等の乗り物、ファン、ポンプ、ブロ
ワー、コンプレッサー等の流体機械、冷凍機あるいはエ
アコンディショナー、油圧ショベル等の建設機械、プラ
スチック加工機械、ゴム加工機械、マテリアルハンドリ
ング機械、プレス機、木工機械、工作機械、金属加工機
械、エレベーター、エスカレーター、巻上装置・クレー
ン・ウインチ・コンベヤー等の搬送機械、コンバイン・
トマト収穫機等の収穫調整用機械、トラクター・耕運機
等の農業用機械、操網機等の漁業用機械、さく岩機等の
鉱山機械、精紛機・肉ひき機等の食料加工機械、紡績機
・織機等の繊維機械、ろ過機・撹拌機等の化学機械、印
刷機械、製本機械その他産業用機械からなる。
【0038】図24は機械システムが発電システム14
0’からなるものとして示されている。発電システム1
40’はプラズマエンジン142と、エンジン142に
より駆動されて負荷182を駆動するための発電機18
0と、発電機180に接続されて発電機180の出力の
一部により充電されるバッテリー184と、バッテリー
184に接続されていてバッテリー電圧を変換してエン
ジン142に高電圧パルスを供給する高電圧パルス放電
電源186とを備える。発電機180は連結器144を
介してプラズマエンジン142により駆動されて、発電
する。その出力は負荷182に供給される。発電出力の
一部はバッテリー184に供給されてバッテリーを連続
的に充電する。バッテリー184の出力電圧はパルス放
電電源186により高電圧パルスに変換されてエンジン
142に供給されてエンジンを駆動する。
【0039】図25は図24の発電システムの変形例を
示す。図25において、発電システム140’は交流電
源188に接続されるAC/DC変換器190を備え、
変換器190の直流電圧がパルス放電電源186に供給
される。パルス放電電源186は直流電圧を変換して高
電圧パルスをエンジン142に供給してこれを駆動す
る。
【0040】以上の実施例において、放電室は作動室内
に形成されたものとして説明したが、共通の放電室を作
動室から独立させ、放電室の膨張圧力を作動室に伝達さ
せるように構成しても良い。
【0041】
【発明の効果】本発明では密閉したハウジング内の作動
室に排気真空後1気圧±5%で放電ガスからなる作動流
体を封入し、この中に受圧面を有するピストンを配置し
て放電室に設けた電極手段に高電圧パルスを供給して作
動流体中で放電によるプラズマを発生させ、このとき生
ずる膨張圧力およびローレンツ力によりピストンに駆動
力を与えるようにしたので、石油類エネルギーを不要に
して長寿命のプラズマエンジンを提供することができ
る。とくにロータリーエンジンからなるプラズマエンジ
ンは小型で高出力が得られ、構造が簡単で部品点数が少
なく、軽量で騒音の発生も少なく、1回転毎に複数のト
ルクが発生するので振動が少なく、製造コストとメンテ
コストが著しく低い。しかも、作動流体は永久的に使用
可能なためハウジング内に作動流体を一旦封じ込めると
外部から全く追加燃料を供給せずにエンジンを長時間駆
動することができる。さらに、電極手段には予備電極手
段を設けることによりエンジンの寿命を20,000〜
40,000時間にわたって長期に運転することができ
る。エンジンからは排ガス等の公害が全くないため、地
球環境破壊を完全に防止でき、実用上の効果が極めて大
きい。なお、本発明のプラズマエンジンによれば自動
車、船舶、航空機等の輸送機関や発電システム、流体機
械、エレベーター、エスカレーター、コンベアー、工作
機械、建設機械等の新規な機械システムが提供でき、産
業上ならびに経済上の効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例によるプラズマエンジ
ンの概略図である。
【図2】 図1の構造の原理図である。
【図3】 本発明の第2実施例のプラズマエンジンの
概略図である。
【図4】 図3の4−4線の断面図である。
【図5】 図3の実施例の変形例を示す概略断面図で
ある。
【図6】 本発明の第3実施例のプラズマエンジンの
概略断面図である。
【図7】 図6の概略断面図である。
【図8】 本発明の第4実施例を示す概略断面図であ
る。
【図9】 図8の概略平面図である。
【図10】 図8の実施例のエンジンにおける主電極
手段とロータリーピストンとの第1の位置関係を示すダ
イヤグラムを示す。
【図11】 図8の実施例のエンジンにおける主電極
手段とロータリーピストンとの第2の位置関係を示すダ
イヤグラムを示す。
【図12】 図8の実施例のエンジンにおける主電極
手段とロータリーピストンとの第3の位置関係を示すダ
イヤグラムを示す。
【図13】 図8の実施例のエンジンにおける主電極
手段とロータリーピストンとの第4の位置関係を示すダ
イヤグラムを示す。
【図14】 図8の実施例のエンジンにおける主電極
手段とロータリーピストンとの第5の位置関係を示すダ
イヤグラムを示す。
【図15】 図8の実施例のエンジンにおける主電極
手段とロータリーピストンとの第6の位置関係を示すダ
イヤグラムを示す。
【図16】 本発明の第5実施例のプラズマエンジン
の概略図である。
【図17】 図16の17−17線図の概略断面図で
ある。
【図18】 図16のシャッター部材とロータリーピ
ストンとのタイミングを示すダイヤグラムを示す。
【図19】 本発明の第7実施例のプラズマエンジン
の一部断面図である。
【図20】 図19の20−20線の断面図である。
【図21】 本発明の第8実施例を示す概略断面図で
ある。
【図22】 図21のエンジンの変形例を示す。
【図23】 プラズマエンジンを組み込んだ機械シス
テムのブロック図である。
【図24】 図23の1例である発電システムのブロ
ック図を示す。
【図25】 図24の他の例の発電システムのブロッ
ク図を示す。
【符号の説明】
12 ハウジング 12a 作動室 14 ロータリーピストン 14’−1 第1ロータエレメント 14’−2 第2ロータエレメント 14’−3 仕切板 14”−1 第1ロータエレメント 14”−3 仕切板 16a、16b 主電極手段 18 パルス放電電源 19 シャッター部材 24 始動抵抗 42 ハウジング 42a 作動室 44 ロータリーピストン 46 膨張室 48a、48b 主電極手段 50 予備電極手段 62 ケーシング 62a 作動室 64 ロータリーピストン 66、68 電極手段 72 膨張室 82 ケーシング 82a 作動室 84 ロータリーピストン 86 シャッター部材 87 シャッター駆動手段 88 出力軸 98 ハウジング 98a 作動室 98b 放電室 99 出力軸 100 タービンロータ 102 陽極 103 陰極 108 作動媒体 112 シリンダー 114 ピストン 122 円筒電極 124 円柱電極 125 パルス放電電源 132、136 半円状電極 140 機械システム 142 プラズマエンジン 146 機械 180 発電機 184 バッテリー 186 パルス放電電源 188 交流電源 190 AC/DC変換機

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電用作動媒体を封入した円弧状部分を
    有する作動室を有するハウジングと、作動室に連通する
    放電室と、作動室に回転可能に収納されていて少なくと
    も1つの受圧面を有するロータリーピストンと、放電室
    において放電電源からの電力により瞬時的に放電室の作
    動媒体にプラズマを発生させて膨張させることによりロ
    ータリーピストンの受圧面に駆動力を与える放電手段と
    からなるプラズマエンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1において、ロータリーピストン
    が作動室に同心的に配置されているプラズマエンジン。
  3. 【請求項3】 請求項1において、ロータリーピストン
    が作動室に偏心的に配置されているプラズマエンジン。
  4. 【請求項4】 請求項1において、作動媒体がヘリウ
    ム、アルゴン、ネオン、キセノンおよびクリプトンのう
    ち少なくとも1種の希ガスからなる放電用ガスを含むプ
    ラズマエンジン。
  5. 【請求項5】 請求項4において、放電用ガスが重水素
    と水素ガスから選ばれた少なくとも一種のガスと希ガス
    の中から選ばれた少なくとも一種のガスとの混合物から
    なるプラズマエンジン。
  6. 【請求項6】 請求項4において、希ガスが1〜50気
    圧のキセノンと、0.066〜2気圧のヘリウムまたは
    アルゴンからなり、総封入圧に対するヘリウムまたはア
    ルゴンの封入圧が50%以下であるプラズマエンジン。
  7. 【請求項7】 請求項4において、放電用ガスが水銀蒸
    気およびナトリウム蒸気のうちのいずれか1つの金属蒸
    気を含むプラズマエンジン。
  8. 【請求項8】 請求項1において、作動媒体が炭素原子
    が60〜200の炭素格子構造体を含むプラズマエンジ
    ン。
  9. 【請求項9】 請求項1において、作動室が放射線によ
    る電子励起を行わせることにより作動媒体の瞬時放電を
    行わせるための放射線源を含むプラズマエンジン。
  10. 【請求項10】 請求項9において、放射線源が作動室
    の内容積1cm3当り0.2〜50マイクロキューリー
    のクリプトン(Kr)85からなるプラズマエンジン。
  11. 【請求項11】 請求項9において、放射線源が半減期
    が10年を越え、放射能量が100Bq〜1000Bq
    でかつエネルギーが0.7MeV以下のβ線のみを放射
    するβ線核種からなるプラズマエンジン。
  12. 【請求項12】 請求項9において、ハウジングがライ
    ナーを備え、ライナーが放射線源からなるプラズマエン
    ジン。
  13. 【請求項13】 請求項1において、放電手段が基体金
    属粉末にアルカリ土類金属系の熱電子放射材料を混合し
    て成形された焼結電極体を含む陰極と陽極からなるプラ
    ズマエンジン。
  14. 【請求項14】 請求項1において、放電手段がトリウ
    ム含有タングステンからなる電極を有するプラズマエン
    ジン。
  15. 【請求項15】 請求項1において、放電手段がタング
    ステン、モリブデン、クロームのうちの少なくとも1種
    の耐熱性金属と熱電子放射物質からなる陰極と陽極を有
    するプラズマエンジン。
  16. 【請求項16】 請求項15において、さらに予備電極
    手段を備えているプラズマエンジン。
  17. 【請求項17】 請求項15において、さらに局部放電
    を起こすための始動電極を備えているプラズマエンジ
    ン。
  18. 【請求項18】 請求項2において、放電室が作動室に
    隣接してハウジングの側壁の凹部に形成されており、放
    電手段が放電室に配置された複数の主電極からなり、作
    動媒体のプラズマが発生したとき、ロータリーピストン
    が作動媒体の膨張圧力とローレンツ力とによる回転力を
    受けるプラズマエンジン。
  19. 【請求項19】 請求項2において、ロータリーピスト
    ンが少なくとも1つのロータエレメントからなり、ロー
    タエレメントが少なくとも1つの受圧面を有するプラズ
    マエンジン。
  20. 【請求項20】 請求項2において、ロータエレメント
    が複数の受圧面を有し、放電手段がハウジングの予め定
    められた位置に配置されていて放電室の作動媒体を放電
    によるプラズマ膨張させて複数の受圧面に駆動力を与え
    るプラズマエンジン。
  21. 【請求項21】 請求項2において、作動室が円筒状作
    動室からなり、ロータリーピストンが互いに予め定めら
    れた位相角で配置された第1、第2のロータエレメント
    とこれらロータエレメント間に形成された仕切円板から
    なり、仕切円板により作動室が第1、第2放電室に区画
    され、第1、第2放電室にそれぞれ主電極手段が配置さ
    れているプラズマエンジン。
  22. 【請求項22】 請求項2において、ハウジングがロー
    タリーピストンの受圧面に近接して作動室内に周期的に
    出入りするシャッター部材を備え、放電室がシャッター
    部材により区画されているプラズマエンジン。
  23. 【請求項23】 請求項22において、ロータリーピス
    トンがそれぞれ少なくとも1つの受圧面を有する第1、
    第2のロータエレメントと中間の仕切板からなり、作動
    室が仕切板により第1、第2放電室に区画されているプ
    ラズマエンジン。
  24. 【請求項24】 請求項3において、ロータリーピスト
    ンが作動室と係合する可動部材を有するプラズマエンジ
    ン。
  25. 【請求項25】 請求項24において、作動室が複数の
    可変容量のセグメント室を有し、放電室がセグメント室
    の比較的小容量のセグメント室に形成されているプラズ
    マエンジン。
  26. 【請求項26】 請求項15において、ロータリーピス
    トンが電極手段間の放電距離を短縮して主電極手段によ
    る放電を容易にするための導電部を有するプラズマエン
    ジン。
  27. 【請求項27】 請求項1において、作動室と放電室と
    が一体となっているプラズマエンジン。
  28. 【請求項28】 請求項27において、作動室が1次側
    および2次側上死点を含むトロコイド曲線を有し、ロー
    タリーピストンがペリトロコイド内包絡線を有するプラ
    ズマエンジン。
  29. 【請求項29】 請求項28において、放電室が作動室
    において1次側および2次側上死点にそれぞれ形成さ
    れ、放電手段が放電室に設けられた1次側主電極および
    2次側主電極からなり、ロータリーピストンの各辺が1
    次側および2次側上死点にきたときに1次側および2次
    側主電極が交互にONされるプラズマエンジン。
  30. 【請求項30】 請求項2において、ロータリーピスト
    ンが少なくとも1つの半径方向に延びるピストン部を有
    し、さらに、作動室内に周期的に出入りする可動シャッ
    ター部材と、可動シャッター部材を周期的に駆動する駆
    動手段とを有するプラズマエンジン。
  31. 【請求項31】 請求項30において、シャッター部材
    とピストン部との間に放電室が形成され、放電手段が放
    電室に面してハウジングに配置されているプラズマエン
    ジン。
  32. 【請求項32】 放電用作動媒体を封入した円弧状部分
    を有する作動室と作動室に連通する放電室とを有するロ
    ータハウジングと、作動室に回転可能に収納されていて
    複数の受圧面を有するタービンロータと、放電電源から
    の電力により瞬時的に放電室の作動媒体にプラズマを発
    生させて膨張させることによりタービンロータの受圧面
    に駆動力を与える放電手段からなるプラズマエンジン。
  33. 【請求項33】 請求項32において、ロータハウジン
    グがタービンロータの外周に近接していて低圧部を形成
    するセグメント部を有し、放電室が昇圧部として作用
    し、放電室の作動媒体が膨張したときに作動媒体を昇圧
    部から低圧部に指向させることによりタービンロータの
    受圧面に駆動力を与えるプラズマエンジン。
  34. 【請求項34】 放電用ガスからなる作動流体を封入し
    た作動室を有するハウジングと、作動室に移動可能に収
    納されたピストンと、放電室に配置されていてパルス放
    電電源からの高電圧パルスにより作動流体中で放電によ
    るプラズマを発生させることによりピストンに駆動力を
    与えるための陽極手段および陰極手段とからなるプラズ
    マエンジン。
  35. 【請求項35】 請求項34において、ハウジングがシ
    リンダおよびシリンダヘッドからなり、陽極手段がシリ
    ンダ内壁に配置されたトリウム含有タングステンからな
    る円筒陽極からなり、陰極手段がシリンダヘッドに支持
    されたトリウム含有タングステンからなる円柱陰極から
    なるプラズマエンジン。
  36. 【請求項36】 請求項34において、円柱陰極が熱電
    子放射物質を含む次世代エンジン。
  37. 【請求項37】 請求項34において、陽極手段および
    陰極手段が作動室の内壁に配置された一対のトリウム含
    有タングステンの半円状電極からなるプラズマエンジ
    ン。
  38. 【請求項38】 請求項34において、半円状電極の1
    つに隣接して1つの始動電極を含むプラズマエンジン。
  39. 【請求項39】 請求項34において、ピストンの上部
    が上死点においてトリガ電極として作用するプラズマエ
    ンジン。
  40. 【請求項40】 請求項34において、放電用ガスがヘ
    リウム、アルゴン、ネオン、キノセンおよびクリプトン
    のうちの少なくとも1種の不活性ガスからなり、さらに
    放射線による電子励起を行わせることにより放電用ガス
    に瞬時放電を行わせる放射線源を含むプラズマエンジ
    ン。
  41. 【請求項41】 機械と、その機械を駆動するための出
    力軸を有するプラズマエンジンとを備え、プラズマエン
    ジンが放電用ガスの作動媒体を封入した円弧状部分を有
    する作動室と作動室と連通する放電室とを有するハウジ
    ングと、作動室に回転可能に収納されていて少なくとも
    1つの受圧面を有するロータリーピストンと、放電室の
    作動媒体に放電によるプラズマを発生させて膨張させる
    ことによりロータリーピストンの受圧面に駆動力を与え
    る放電手段と、放電手段に放電用電力を供給するための
    放電電源とからなる機械システム。
  42. 【請求項42】 機械と、その機械を駆動するための出
    力軸を有するプラズマエンジンとを備え、プラズマエン
    ジンが放電用の作動媒体を封入するとともに放射線源を
    含む作動室と作動室と連通する放電室とを有するハウジ
    ングと、作動室に移動可能に収納されたピストンと、放
    電室の作動媒体に放電によるプラズマを発生させて膨張
    させることによりピストンに駆動力を与える主電極手段
    と、主電極手段に高電圧パルスを供給するためのパルス
    放電電源とからなる機械システム。
  43. 【請求項43】 プラズマエンジンと、そのエンジンに
    より駆動される発電機とを備え、プラズマエンジンが放
    電用の作動媒体を封入した円弧状部分を有する作動室と
    作動室と連通している放電室とを有するハウジングと、
    作動室に回転可能に収納されたロータリーピストンと、
    放電室の作動媒体に放電によるプラズマを発生させて膨
    張させることによりロータリーピストンに動力を与える
    放電手段と、放電手段に電力を供給する放電電源とから
    なる発電システム。
  44. 【請求項44】 請求項43において、発電機により充
    電されるバッテリーをさらに備え、電源がバッテリーの
    出力電圧を変換して高電圧パルスを主電極手段に供給す
    るパルス放電電源を有する発電システム。
  45. 【請求項45】 請求項43において、交流電源に接続
    されるAC/DC変換手段をさらに備え、電源がAC/
    DC変換手段の出力電圧を変換して高電圧パルスを主電
    極手段に供給するパルス放電電源を有する発電システ
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11353008B2 (en) * 2020-04-24 2022-06-07 Spar Energy Llc Non-neutral plasma energy storage and reconverter system

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