JPH0722444Y2 - 地下収納庫 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は地下収納庫に関する。

（従来の技術） 近年、限られた土地空間を有効に活用するため、一般の
家屋でも地下収納庫が設けられるようになってきてお
り、これに応じて工事の容易なユニット式地下収納庫が
種々開発されている。この種の地下収納庫は、予め工場
において生産した箱状体を地中に埋設することにより構
築されるもので、その天井壁に開口部が形成され、この
開口部に対応して家屋の１階床板に開口された出入口が
連通するようになっており、さらに、この開口部には地
下収納庫内に下りるための梯子が任意の壁体に沿うよう
に掛けられている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、この梯子が沿う壁体部分には荷物を収納
することができず、他の壁体への影響を少なくして一定
以上の収納量を確保する必要から、梯子の幅は狭いうえ
に、その勾配も急なものとなっていた。この結果、上が
り下がりに不安があり、片手でステップを把握して昇降
しなければならず、ケースに入った瓶類など重量のある
荷物を出し入れすることは困難であった。

本考案は、このような従来技術の問題に鑑みてなされた
もので、安全確実に上り下りすることのできる階段を備
えた地下収納庫を提供するものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、地中に箱状体を埋設し、この箱状体の天井壁
に開口部を、この開口部に対応して家屋の床面に出入口
をそれぞれ形成し、これらの出入口、開口部を経て箱状
体内に立入り可能とした地下収納庫であって、前記箱状
体には、隣接する一対の壁体の内面に沿ってＬ字状の折
れ階段を設け、さらに、この折れ階段に対応して天井壁
に形成された開口部をＬ字状に形成したことを特徴とす
るものである。

（作用） 床板に設けられた開閉蓋を開放すれば、出入口が開口
し、この出入口から箱状体の天井壁に形成された開口
部、この開口部から連続する階段を経て箱状体の内部に
下りることができる。この際、階段は隣接する一対の壁
体の内面に沿って設けられたＬ字状の折れ階段であり、
また、天井壁に形成された開口部はこの折れ階段に対応
して同様なＬ字状に形成されていることから、階段の勾
配は緩やかとなり、天井壁などに衝突することなく安全
確実に下りることができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図面において、１は地中に埋設された箱状体であって、
基礎２上に締結具３…を介してその上部が地上に突出す
るように固定されている。この箱状体１は、底壁４と、
この底壁４の両側端（第４図の左を左側、右を右側とい
う。）から立設された一対の側壁5L,5Rと、この側壁5L,
5Rに隣接するとともに、底壁４の前、後端（第３図の左
を前、右を後という。）から立設された前壁６、後壁７
と、これら側壁5L,5R、前壁６、後壁７の上端に載置さ
れた天井壁８とより構成されている。そして、この箱状
体１はレジンコンクリートで形成され、その内面隅部は
スミの面取り1aが施されている他、側壁5L,5Rおよび前
壁６、後壁７の外面中央部周囲には補強部1bが形成され
ている。

ところで、この箱状体１の内部には階段９が配設されて
いる。この階段９は、前壁６と、この前壁６に隣接する
一方の側壁5Rに沿って設けられた折れ階段であって、具
体的には、側壁5Lの上端から対向する側壁5Rの途中にか
けて前壁６に沿って傾斜するとともに、その側壁5Rの途
中から後方に向けて底壁４の床面まで側壁5Rに沿って傾
斜して設けられている。したがって、全体として階段９
の上端から下端までの距離を大きくとれることから、階
段９の各段板9a…の踏面が大きくなり、この踏面と蹴上
げで定まる勾配は緩やかとなる。

一方、この折れ階段９に対応して、天井壁８にはＬ字状
の開口部8aが設けられている。すなわち、折れ階段９の
各段板9a…に立った際、天井壁８の内面および開口部8a
の縁部に頭部などが衝突したり、接触しないように形成
されている。そして、この開口部8aに臨んで家屋１階の
床板10には出入口10aが開口され、図示しない開閉扉が
開閉自在に装着されるものである。この床板10の裏面と
前述した天井壁８に形成された開口部8aの周囲には遮蔽
材10bが介在され、害虫などがこの開口部8aより箱状体
１の内部に侵入できないようになっている。

また、前述した折れ階段９の段板9a…下方には、収納棚
11あるいは収納ワゴン12などが配置され、階段９の配置
によって生じるデッドスペースを有効に活用するように
構成されている。その他、前述した内面隅部に形成され
たスミの面取り1aによって生じるデッドスペースに対応
して、後壁７の内面および少なくとも一方の側壁5L,5R
の内面には網状支持体13が設けられ、側壁5Rの内面前部
上方には壁掛け収納体14が設けられている。また、側壁
5Lの内面に沿って複数個の収納棚15が配置されている。

なお、16は箱状体１の内部を換気する換気扇であって、
一方の側壁5Rの後部上方に取り付けられている。

これらのことから、箱状体１内に下りる場合は、図示し
ない開閉扉を開放して出入口10aを開放すれば、この出
入口10aに臨んで開口部8aが連通され、さらに、箱状体
１の底壁４の床面に続く階段９が開口部8aより連続して
いることから、出入口10aから箱状体１の内部に下りる
ことができる。この場合、階段９は折れ階段に構成され
ていることから、大きな踏面を採用してその勾配を緩や
かにすることが可能となり、さらに、この折れ階段９に
対応して天井壁８の開口部8aはＬ字状に形成されている
ことから、階段９の上り下りに際して天井壁８の内面や
開口部8aの縁部に身体の一部が接触したり、衝突するこ
とがなく、全体として安全確実に下りることができる。
しかも、出入口10aを考慮することにより、普通の歩行
姿勢である立ったまま上り下りすることができる。

また、この階段９の段板9a…下方には、荷物の収容部を
形成したことにより、折れ階段９の設置によって生じた
デッドスペースを有効に活用することもできる。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、箱状体の、隣接する一対
の壁体に沿って折れ階段を配設し、この折れ階段に対応
してその天井壁にＬ字状の開口部を形成したことによ
り、箱状体との出入りは勾配の緩やかな階段を採用する
ことができ、しかも、その開口部や天井壁に接触、衝突
することがないことから、安全確実に上り下りすること
が期待できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の地下収納庫の実施例を例示するもので、
第１図は箱状体を一部切除して示す全体斜視図、第２図
はその側面図、第３図はその平面図、第４図はその後面
図、第５図は第２図Ｖ−Ｖ線からの断面図、第６図は第
５図VI−VI線からの断面図である。 １……箱状体、８……天井壁 8a……開口部、９……階段（折れ階段） 10……床材、10a……出入口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】地中に箱状体を埋設し、この箱状体の天井
   壁に開口部を、この開口部に対応して家屋の床面に出入
   口をそれぞれ形成し、これらの出入口、開口部を経て箱
   状体内に立入り可能とした地下収納庫であって、前記箱
   状体には、隣接する一対の壁体の内面に沿ってＬ字状の
   折れ階段を設け、さらに、この折れ階段に対応して天井
   壁に形成された開口部をＬ字状に形成したことを特徴と
   する地下収納庫。