JPH07224123A - オレフィンポリマー物質の連続的グラフト化方法及びそれから得られるグラフト化ポリマー - Google Patents
オレフィンポリマー物質の連続的グラフト化方法及びそれから得られるグラフト化ポリマーInfo
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Abstract
化する方法を提供する。 【構成】 第1段階が、粒子状オレフィンポリマー物質
を (i)フリーラジカル重合開始剤と処理する; (ii) ビ
ニルモノマーと処理する;(iii) 未反応モノマーを除去
し、未反応開始剤を分解し、残留フリーラジカルを失活
させることを含み、第2グラフト重合段階が、生成した
グラフト化オレフィンポリマー物質を (i)フリーラジカ
ル重合開始剤と処理する; (ii) ビニルモノマーと処理
する;(iii) 未反応モノマーを除去し、未反応開始剤を
分解し、残留フリーラジカルを失活させることを含む方
法。
Description
質をグラフト化する方法に関する。特に、本発明は、オ
レフィンポリマー物質を連続的にグラフト化する方法に
関する。
は、(ホモ重合又は複数のモノマーの共重合により製造
された)グラフト化ポリマー並びにオレフィンポリマー
主鎖の幾つかの特性を有することができるので、しばら
くの間、興味の対象となってきた。例えば、これらグラ
フトコポリマーのあるものを普通では非混和性であるポ
リマー系の混和剤として用いることが示唆されている。
主ポリマー鎖又は主鎖に活性部位を設けて、これら部位
において重合性モノマーのグラフト重合を開始させるこ
とによるグラフトコポリマーの製法は、周知である。ポ
リマー鎖中にかかる活性部位を導入するのに用いられて
きた操作には、フリーラジカルを生ずることができる有
機化合物での処理及び照射が含まれる。この化学的方法
においては、過酸化物又はアゾ化合物の如きフリーラジ
カルを生ずることができる有機化合物が、主鎖ポリマー
の存在下で分解してフリーラジカルを生成し、そのポリ
マー上に活性グラフト化部位を形成し、そしてこれら部
位においてモノマーの重合を開始するのである。
リオレフィンのグラフトコポリマーを製造するために用
いられてきた種々の技術のうち、バルク法は、ポリマー
粒子を液体懸濁媒質又は溶媒の介在なしに開始剤及びモ
ノマーと直接接触させる方法であるが、簡単に行える点
及び一定の溶媒又は水の如き懸濁媒質の存在によって起
こる副反応が回避できる点で有利である。しかしなが
ら、グラフト化されるポリマーの物理的状態に拘らず、
このグラフト化法は、おそらく望ましくない高溶融流量
を有するグラフトコポリマーをもたらすであろうポリオ
レフィンの分解、及びポリオレフィングラフトコポリマ
ーの生成を犠牲にしてグラフト用モノマーのホモポリマ
ーを過剰に生成するといった問題を生じる。
ピレン主鎖上に3〜100重量%、好ましくは3〜30
重量%のメタクリル酸アルキル部分をグラフト化したグ
ラフトコポリマーを開示している。このグラフトコポリ
マーは、ポリプロピレン積層物における接着剤として有
用であるが、ポリプロピレンの軟化点未満の温度で、フ
リーラジカル生成触媒の存在下、ポリプロピレンとメタ
クリレートモノマー間の無溶媒反応により、報告によれ
ば、気相で製造される。好ましい開始剤は、135℃で
15分間の半減期を有すると記述されている過安息香酸
tert−ブチルであり、135℃及び140℃の反応器温
度が開示されている。用いられる反応条件によるポリプ
ロピレン鎖の分解が報告されている。ポリプロピレンに
この過酸化物を添加した直後に、この過酸化物開始剤の
半減期(即ち、1〜2半減期)によって定められる時間
をかけてモノマーを添加する。換言すれば、米国特許第
4,595,726号の技術によると、所与の開始剤半減期
について、添加すべきモノマーの総量が増加するにつれ
て、モノマーをより高い速度で添加することが必要にな
る。
溶液をさらさらした粒子のベースポリマー、特にポリ塩
化ビニルに添加することによる“グラフト型”コポリマ
ーの製造が米国特許第3,240,843号に記載されてい
る。この“グラフト型”生成物は、ポリマー主鎖に結合
したモノマー性の分枝を有するものと記載されており、
ポリマー性のものに対立するものである。モノマーのホ
モ重合も挙げられている。粒子の凝集を避けるために、
添加するモノマーの量をポリマー粒子による吸収が可能
な最大量を超えてはならない。スチレン、ブタジエン、
アクリロニトリル、及び過酸化ベンゾイルを含有する溶
液と一緒にポリプロピレンを反応器に仕込む場合は、添
加するモノマーの総量は、仕込むポリプロピレンの量の
僅か9%であるに過ぎない。米国特許第5,140,074
号は、粒子状オレフィンポリマーを過酸化物の如きフリ
ーラジカル重合開始剤と接触させることによりオレフィ
ンポリマーグラフトコポリマーを製造する方法を開示し
ている。この方法によると、オレフィンポリマーは、少
なくとも1種又は2種以上のモノマーとたったの1段階
でグラフト化される。2種又は3種以上のモノマーをグ
ラフト化するときは、それらをポリマー主鎖上に共重合
させて2種の個々のポリマーの代わりにコポリマーを生
成させる。
リマー物質を連続的にグラフト化する方法であって、ま
ず、粒子状オレフィンポリマー物質を、約60〜125
℃の温度で、フリーラジカル重合開始剤でありかつ用い
られる温度で約1〜240分間の分解半減期を有する約
0.1〜6.0pph(重量部/100重量部オレフィンポ
リマー物質)の有機化合物で処理することにより、フリ
ーラジカル部位をそのポリマー物質中に生成させる方法
を提供する。開始剤処理の時間と同時か又はそれに続け
て、重複させるか又は重複させることなく、そのポリマ
ー物質を、フリーラジカルによって重合できる約5〜1
45pphのグラフト用モノマーで処理する。モノマー
処理のあらゆる時間内に用いられる温度は、開始剤処理
に関して上に示した通りである。ポリマー物質へのグラ
フト用モノマーの添加は、約5pphから145pph
までの全ての添加レベルにおいて、添加速度が約4.5p
ph/分、好ましくは約4.0pph/分、最も好ましく
は約3.0pph/分を越えないように制御する。
ノマーとの処理時間、及びそれに続く反応条件でのあら
ゆる保持時間が経過した後、あらゆる未反応モノマーを
生成グラフト化粒子状オレフィンポリマー物質から除去
し、そしてあらゆる未反応開始剤の分解及びあらゆる残
留フリーラジカルの失活を、例えば、温度上昇によって
促進させる。第1段階の方法に従って製造されたグラフ
ト化オレフィンポリマーの存在下で、反応器の温度を6
0〜125℃の所期の重合温度に調節し、そしてその反
応器を窒素パージする。次いで、第2グラフト用モノマ
ーと開始剤の添加を始める。この添加で、グラフト化オ
レフィンポリマー物質は、フリーラジカルにより重合で
きる約5〜145pphのグラフト用モノマーで処理さ
れる。モノマー添加、反応保持、及びポリマー乾燥は、
第1グラフト重合反応とそっくりそのままに繰り返す。
グラフト用モノマーの総量は150pphを越えない。
全ての段階における全グラフト重合プロセスの間、ポリ
マー物質を実質的に非酸化性の環境下に維持する。ここ
で用いる場合“連続的にグラフト化する又はグラフト化
した”という表現は、オレフィンポリマー物質主鎖が少
なくとも1種のモノマーでグラフト化されて、更に少な
くとも1種のモノマーでグラフト化される方法を規定す
る。
フトコポリマーが高い転化率(モノマー消費率)で得ら
れるだけでなく高いグラフト効率でも得られるのを一緒
になって可能にする複数工程の組み合わせを包含する。
更には、主鎖オレフィンポリマー物質の分解が最小限に
なり、それによって出発主鎖オレフィンポリマーよりも
相当に高い溶融流量を有するグラフトコポリマーの生成
が避けられる。高い溶融流量は、このグラフトコポリマ
ーの加工挙動に悪い影響を与え得る。本法においては、
モノマー供給速度は低いのが望ましく、最小速度は利用
可能な装置の能力及び経済的考慮によって決まる。少な
くとも約0.1〜0.2pph/分の速度を用いることがで
きるが、好ましい最小速度は約0.3pph/分である。
如何なる個々の場合においても、好ましい速度は、モノ
マー供給レベル、開始剤/モノマー添加方式、及び使用
する個々のモノマーの反応性の如き要因に依存する。約
0.1〜4.5pph/分、好ましくは0.3〜4.0pph/
分の速度でのモノマーの添加が、広い範囲のモノマー供
給レベルにわたって高いモノマー転化率をもたらす。上
記のモノマー添加速度は、上記の好ましい最大速度を含
めて、低モノマー供給レベル、例えば、約40pphま
でのレベルで適している。また、モノマー供給レベルが
約40pphを越えないことを条件として、約4.0pp
h/分の最大モノマー添加速度も好ましい。
リマー粒子をグラフト用モノマーで処理する時間は、そ
の粒子を開始剤で処理する時間の後である。この場合
(分離添加方式)では、まず開始剤をその粒子に添加し
て、好ましくは用いる温度に加熱する。そうすれば、そ
のオレフィンポリマー物質中にフリーラジカル部位の生
成が始まる。モノマーの添加は、開始剤の添加が完了し
た直後に始めても、開始剤添加の完了後に猶予時間又は
保持時間を設けてから始めてもよい。分離添加は、添加
回数が漸増しそして開始剤/モノマー添加順序を繰り返
す多段階式であっもよい。もう1つの態様においては、
開始剤とモノマーを、加熱したポリマー粒子に、例え
ば、開始剤(ニート又はその溶液)とモノマー(ニート
又はその溶液)を、開始剤の認められる程の分解が起こ
らない温度で混合することによって同時に添加する(同
時添加方式)。別々の開始剤流とモノマー流の同時添加
を用いても、モノマー添加時間を開始剤添加時間に重複
して続ける分離添加と同時添加の組み合わせを用いても
よい。開始剤とモノマーを同時に添加しようとモノマー
添加を開始剤添加の後にしようと、開始剤とモノマーの
いずれか又は両方は、連続的にも断続的にも添加するこ
とができる。本発明の方法は、半バッチ式、半連続式、
又は連続式方法として行うことができる。
ンポリマー物質を開始剤及びグラフト用モノマーで処理
する温度は、約60〜約125℃、好ましくは約80〜
約120℃の温度である。約60℃未満の温度を用いて
もよいが、かかる温度では多くのフリーラジカル開始剤
の分解半減期が実施できないほど長くなり、また約60
℃未満で十分に短い半減期を有する開始剤は取り扱いが
難しいことが多い。125℃を越えると、多くの開始剤
で起こる分解半減期の急激な減少によってモノマー転化
率の低下が特に分離添加方式において起こる。更に、1
25℃を越える温度でより長い半減期を有する開始剤
は、オレフィンポリマー及び/又は生成グラフトコポリ
マーに逆作用をもたらす傾向がある。オレフィンポリマ
ー物質を開始剤及びモノマーと上記の温度で処理する
と、約1〜240分間の半減期となる。モノマーの添加
後、こうして処理されたポリマー物質を選択された温度
で少なくとも約3分間、好ましくは少なくとも約10分
間維持してもよい。この保持時間は、特に低い温度では
数時間に延長してもよい。好ましくは、開始剤及び温度
は、約2〜10開始剤半減期内にいずれかの段階でグラ
フト化が完了できるように選択される。
の有効利用を確保するために、少なくとも1分間、好ま
しくは2分間、選択した温度での開始剤半減期が、開始
剤転化時間の開始とモノマー除去工程の終わりの間もつ
べきである。モノマー添加の開始からグラフト化時間の
終わりまでの時間は、用いるモノマーの量とその添加速
度に依存し、温度が低くモノマー供給レベルが高い場合
は長い時間を用いる。本法において用いられるモノマー
添加速度では、モノマー添加完了後に保持時間を設ける
とすれば、それは一般には上述の通りであり、温度が低
くモノマー供給レベルが高い場合は、モノマー添加後に
長い保持時間が好ましく用いられる。分離添加方式で
は、好ましくは約2.5開始剤半減期以下の間隔で、開始
剤添加時間とモノマー添加時間を分離して、モノマーの
添加が始まれば必要とされるフリーラジカルの利用性を
確保すべきである。
を製造する本発明の連続的グラフト化方法の実施に有用
なオレフィンポリマー物質は、(a) 直鎖状又は分枝状C
2-8α−オレフィンのホモポリマー;(b) 直鎖状又は分
枝状C2-8 α−オレフィンの、C2 〜C101−オレフィ
ンからなる群から選ばれる異なるオレフィンとのランダ
ムコポリマー(但し、このランダムコポリマーがプロピ
レンのコポリマーであって異なるオレフィンがエチレン
であるときは、最大重合エチレン含有量は約10重量
%、好ましくは約4重量%であり;このランダムコポリ
マーがプロピレンのコポリマーであって異なるオレフィ
ンがC4 〜C101−オレフィンであるときは、その最大
重合含有量は約20重量%、好ましくは約16重量%で
あり;そしてこのランダムコポリマーがプロピレンのコ
ポリマーであって異なるオレフィンがエチレンとC4-10
α−オレフィンであるときは、それらの最大重合含有量
は約10重量%、好ましくは約5重量%である);(c)
直鎖状又は分枝状C3-8 α−オレフィンと、エチレン及
びC4 〜C8 1−オレフィンからなる群から選ばれる2
種の異なるオレフィンとのランダムターポリマー(但
し、最大重合C4 〜C81−オレフィン含有量は約20
重量%、好ましくは約16重量%であり、そしてエチレ
ンがこれらオレフィンのうちの1種であるときは、最大
重合エチレン含有量は約5重量%、好ましくは約4重量
%である);又は (d) 反応器内で又は物理的ブレンド
によってエチレン−プロピレンモノマーゴムで耐衝撃改
良処理されたプロピレンの (a)のホモポリマー又はラン
ダムコポリマー(b) である。この改良処理されたポリマ
ーのエチレン−プロピレンモノマーゴム含有量は約5〜
30重量%であり、このゴムのエチレン含有量は約7〜
70重量%、好ましくは約10〜40重量%である。
いることができるC2-101−オレフィンには、例えば、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3
−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテ
ン、3−メチル−1−ヘキセン等が含まれる。オレフィ
ンポリマーがエチレンホモポリマーであるときは、それ
は0.91g/cm3 又はそれより大きい密度を有し、オ
レフィンポリマーがC3-10α−オレフィンとのエチレン
コポリマーであるときは、それは0.91g/cm3 又は
それより大きい密度を有する。適するエチレンコポリマ
ーには、エチレン/ブテン−1、エチレン/ヘキセン−
1、及びエチレン/4−メチル−1−ペンテンが含まれ
る。エチレンコポリマーはHDPE又はLDPEであっ
てもよい。典型的には、LLDPE及びLDPEは0.9
1g/cm3 又はそれより大きい密度を有し、HDPE
は0.95g/cm3 又はそれより大きい密度を有する。
ホモポリマー、ランダムコポリマー、ランダムターポリ
マー、及びプロピレンの耐衝撃改良処理ホモポリマー及
びコポリマーが、本発明の方法に用いるのに好ましいオ
レフィンポリマー物質であり、ここでは個別的に又は集
合的にプロピレンポリマー物質ということにする。
の適する形状には、粉末状、フレーク状、顆粒状、球
状、立方体状等が含まれる。球状粒子形が好ましい。気
孔容積分は約0.4と低くてもよいが、少なくとも0.07
の気孔容積分を有するオレフィンポリマー粒子上にグラ
フト化がなされるのが好ましい。最も好ましくは、本発
明で用いるオレフィンポリマーは、少なくとも約0.1
2、最も好ましくは少なくとも約0.20の気孔容積を有
し、40%超、好ましくは50%超、最も好ましくは9
0%超の気孔が1ミクロンより大きい直径を有し、少な
くとも0.1m2 /gの表面積と約0.4〜7mmの重量平
均直径を有する。好ましいポリマーでは、グラフト化
は、粒子状物質の内部において並びにその外部表面上で
起こり、そのオレフィンポリマー粒子全体にわたって実
質的に均一なグラフトポリマーの分布が得られる。
ポリマー物質を、フリーラジカル発生重合開始剤であり
かつ用いられる温度で約1〜240分間、好ましくは約
5〜100分間、最も好ましくは約10〜40分間の分
解半減期を有する有機化合物で処理することによって、
フリーラジカル又は活性部位がそのポリマー物質中に生
成する。有機過酸化物、特にアルコキシラジカルを発生
するものが、好ましいクラスの開始剤を構成する。これ
らには、過酸化ベンゾイル及び過酸化ジベンゾイルの如
き過酸化アシル;過酸化ジ−tert−ブチル、過酸化ジク
ミル、過酸化クミルブチル、1,1−ジ−tert−ブチルペ
ルオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルペルオキシヘキサ
ン、及びビス(α−tert−ブチルペルオキシイソプロピ
ルベンゼン)の如き過酸化ジアルキル及び過酸化アラル
キル;過ピバル酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチ
ル、2,5−ジメチル−ヘキシル−2,5−ジ(ペルベンゾ
アート)、tert−ブチルジ(ペルフタレート)、ヘキサ
ン酸tert−ブチルペルオキシ−2−エチル、及びヘキサ
ン酸1,1−ジメチル−3−ヒドロキシブチルペルオキシ
−2−エチルの如きペルオキシエステル;及びジ(2−
エチルヘキシル)ペルオキシカーボネート、ジ(n−プ
ロピル)ペルオキシカーボネート、及びジ(4−tert−
ブチル−シクロヘキシル)ペルオキシカーボネートの如
きペルオキシカーボネートが含まれる。アゾビスイソブ
チロニトリルの如きアゾ化合物も用いることができる。
同じか又は異なる半減期を有する2種又は3種以上の開
始剤を用いてもよい。
ト又は溶液で用いてもよい。用いる分解温度で固体なら
ば、適当な液体溶媒に溶かしてもよい。溶液中の開始剤
の濃度は、典型的には、約5〜98重量%であるべきで
ある。過酸化物開始剤は、約12.5〜75重量%の濃度
の炭化水素溶液で入手できる。ニートであろうと溶液で
あろうと、開始剤自体の活性濃度は、オレフィンポリマ
ー物質上及びオレフィンポリマー物質内での十分な数の
フリーラジカル部位の発生を確保するため、約0.1〜6.
0pph、好ましくは約0.2〜3.0pphであるべきで
ある。
は、フリーラジカルによって重合できるあらゆるモノマ
ー性ビニル化合物であって、ビニル基、つまりH2C=C
R−(Rは水素又はメチルである)が、直鎖状若しくは
分枝状の脂肪族鎖、又は単環又は多環化合物中の置換若
しくは未置換の芳香族環、複素環又は脂肪族環に結合し
ているビニル化合物であり得る。典型的な置換基は、ア
ルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、及びハロであ
ってもよい。このビニルモノマーは、次のクラスのうち
の1クラスのメンバーになろう:(1) スチレン、ビニル
ナフタレン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニ
ルカルバゾール、及びそれらの同族体を含むビニル置換
芳香族、複素環式又は脂環式化合物、例えば、α−及び
p−メチルスチレン、メチルクロロスチレン、p−tert
−ブチルスチレン、メチルビニルスチレン及びエチルビ
ニルスチレン;(2) ギ酸ビニル、酢酸ビニル、クロル酢
酸ビニルを含む芳香族及び飽和脂肪族カルボン酸のビニ
ルエステル;及び (3)アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル
酸、アクリル酸エステル(例えば、メチル、エチル、ヒ
ドロキシエチル、2−エチルヘキシル及びブチルのアク
リル酸エステル)、メタクリル酸、エタクリル酸、及び
メタクリル酸エステル(例えば、メチル、エチル、ブチ
ル、ベンジル、フェニルエチル、フェノキシエチル、エ
ポキシプロピル及びヒドロキシプロピルのメタクリル酸
エステル)、無水マレイン酸、及びN−フェニルマレイ
ミド。
ならば、ニートで又は粒子状ポリマー物質に関して不活
性である溶媒又は希釈剤と組み合わせて用いることがで
き、フリーラジカルによって重合可能なものである。室
温で固体であるならば、グラフト用モノマーは、上述の
ように不活性である溶媒中の溶液で用いることができ
る。ニートモノマー、希釈剤モノマー、及び/又は溶解
したモノマーの混合物を用いてもよい。全ての場合にお
いて、溶媒又は希釈剤が存在してもしなくても、上に示
したグラフト用モノマーの量は、100重量部のオレフ
ィンポリマー物質当たり約5〜240重量部であり、実
際のモノマー含有量を基準とする。
マーの重量を基準として約70重量%未満、好ましくは
50重量%未満、最も好ましくは25重量%未満であ
り、希釈剤はグラフトレベルが過剰に低下するのを避け
るために用いられる。モノマーを溶解するのに要求され
る量の過剰の溶媒を用いることは、同じ理由で避けるべ
きである。用いられる溶媒又は希釈剤は、上記のように
不活性でありかつ約1×10-3未満の連鎖移動定数を有
する物質である。適する溶媒又は希釈剤には、アセトン
の如きケトン類;メタノールの如きアルコール類;ベン
ゼン及びキシレンの如き芳香族炭化水素;及びシクロヘ
キサンの如き環状脂肪族炭化水素が含まれる。
している間は、粒子状オレフィンポリマー物質は実質的
に非酸化性雰囲気下、例えば、不活性ガス気流下に維持
される。フリーラジカルを形成する間もオレフィンポリ
マー物質はそのような雰囲気下に維持される。この理由
は、空気の如き酸化性雰囲気下に曝すと、フリーラジカ
ルがペルオキシラジカルに転化されて、ポリマー物質を
粘度低下させ又は分解し、それによって分子量の相当な
低下が起こって溶融流量が増加するからである。更に、
本質的に全てのモノマーで、モノマーとの処理の間に大
量の空気が存在すると、グラフト重合自体が妨害され
る。従って、ポリマーと開始剤との及びグラフト用モノ
マーとの処理は、実質的に非酸化性雰囲気下で行われ、
この方法のあとの工程でも同じである。
は雰囲気を説明するためにここで用いられる“実質的に
非酸化性”という表現は、活性酸素濃度、即ち、ポリマ
ー物質中のフリーラジカルと反応する形にある酸素の濃
度が、15容量%未満、好ましくは5容量%未満、最も
好ましくは1容量%未満であることを意味する。活性酸
素の好ましい濃度は、0.004容量%又はそれ以下であ
る。これら限度内であれば、非酸化性雰囲気は、オレフ
ィンポリマー物質中のフリーラジカルに対して酸化的に
不活性な如何なるガス乃至ガスの混合物、例えば、窒
素、アルゴン、ヘリウム及び二酸化炭素であってもよ
い。オレフィンポリマー物質をモノマーと選択した時間
だけ接触させた後、依然として実質的に非酸化性環境下
に維持しながら、好ましくは加熱することによって処理
して、未反応開始剤が存在する場合にはあらゆる未反応
開始剤を分解し、そこに残留する実質的に全てのフリー
ラジカルを失活させる。一般に、少なくとも110℃で
少なくとも5分間、好ましくは少なくとも120℃で約
20分間加熱する。
したグラフト化オレフィンポリマーの存在下で、反応器
の温度を60〜125℃に調節して窒素でパージしてか
ら、第2グラフト用モノマー及び開始剤の添加を始め
る。モノマー添加、反応保持、及びポリマー乾燥は、第
1グラフト重合反応とそっくりそのままのものを繰り返
す。あらゆる未反応開始剤を分解しあらゆる残留フリー
ラジカルを失活させる前又はさせた後のいずれか又は後
者の工程と同時に、あらゆる未反応グラフト化モノマー
をグラフトコポリマーから除去する。最終の分解及び/
又は失活の前又は最中にこの除去を行う場合は、実質的
に非酸化性の環境を維持する。好ましくは、あらゆる未
反応開始剤を分解しあらゆる残留フリーラジカルを失活
させた後に又はこの分解/失活の最中に、あらゆる未反
応グラフト用モノマーを除去する。
あって、本発明の方法の種々の態様を記載するものであ
る。他に断らない限り、全ての部及びパーセンテージは
重量基準であり、全ての開始剤の量は活性なものだけを
基準としたものである。表に示した物性は次の方法で測
定した: 曲げ弾性率 ASTM D−790及び
D−618,操作A(0.5インチ/分クロスヘッド速度
及び成形Tバーの中心部分) ノッチ付きアイゾッド ASTM D−256−8
7 溶融流量(MFR) ASTM D−1238,
条件L 破断点伸び ASTM D−638 降伏点伸び ASTM D−638 溶接線強さ ASTM D−638,(デ
ュアル・ゲート(dual-gate) 成形Tバーにより生じるバ
ーの中心に位置する溶接線)
る、9dg/分のMFRを有する球状粒子の形状の50
0gの7025XOS多孔質プロピレンホモポリマー
を、加熱ジャケットと螺旋羽根を備えた2リッターガラ
ス反応器内に入れた。この反応器を室温で約15分間窒
素で(0.004容量%未満の活性酸素含有量まで)パー
ジしてから、熱オイルを反応器ジャケットに循環させて
100℃に加熱し、そして窒素パージと180〜200
rpmでの攪拌を続けながらその温度に平衡にした。そ
のあと、パージを止めて反応器圧を大気圧に調節し、既
に5〜10℃で窒素でパージした、0.56pphのルペ
ルゾル (Lupersol) PMSヘキサン酸tert−ブチルペル
オキシ−2−エチルを含有する5.62gの無酸素ミネラ
ルスピリット溶液と150gのスチレンとの混合液を、
反応器の中に1.00pph(重量部/100重量部ポリ
プロピレン)/分の速度で噴霧した。総添加時間は30
分間であった。全てのスチレンを添加した後、反応器を
100℃に維持して30分間攪拌を継続した。
窒素でパージし、次いで加熱窒素でパージすることによ
って反応器の内容物を120℃に加熱した。反応器温度
を120℃に30分間維持し、その間、あらゆる未反応
スチレンモノマーを窒素流で反応器から追い出した。こ
の生成物、つまりポリプロピレン−g−ポリスチレンコ
ポリマーの分析により、スチレンの87%がポリスチレ
ンに転化され、このグラフトコポリマーのMFRは5.8
dg/分であることが示された。上で調製した550g
のグラフトコポリマーを含有する反応器を、室温で窒素
で(0.004容量%未満の活性酸素含有量まで)パージ
してから、熱オイルを反応器ジャケットに循環させて8
0℃に加熱し、そして窒素パージと攪拌を続けながらそ
の温度に平衡にした。パージを止めて反応器圧を調節
し、そして0.28pphのルペルゾル11過ピバル酸te
rt−ブチルを含有する1.39gの無酸素ミネラルスピリ
ット溶液をこの熱ポリマー上に噴霧した。既に5〜10
℃で窒素でパージした148.4gのアクリル酸ブチル
(BA)を反応器中に1.00pph/分の速度で噴霧し
た。総添加時間は35分間であった。
を窒素でパージし、次いで加熱窒素でパージすることに
よって反応器の内容物を120℃に加熱した。反応器温
度を120℃に30分間維持し、その間、あらゆる未反
応アクリル酸ブチルモノマーを窒素流で反応器から追い
出した。窒素シール下で冷却した後、反応器内に残った
さらさらした固体生成物、つまり(ポリプロピレン−g
−ポリスチレン)−g−ポリアクリル酸ブチルコポリマ
ーを反応器から出して乾燥及び計量した。本発明の個々
のグラフトコポリマーの調製のための相対作業条件及び
物性を以下の表1A及び1Bに示す。
ポリマーの量が450gであり、用いたペルオキシ化合
物の量が9.09gであり、用いたスチレンの量が243
gであり、スチレン供給速度が1.00pph/分であ
り、転化率が94%でMFRが2.5dg/分であるこ
と、及び第2グラフト重合段階において、130.5gの
アクリル酸ブチルを用い、1.39gのルペルゾル11過
ピバル酸tert−ブチルを用いた以外は、実施例1の操作
及び成分を用いた。得られたのは(ポリプロピレン−g
−ポリスチレン)−g−ポリアクリル酸ブチルグラフト
コポリマーであった。本発明の個々のグラフトコポリマ
ーの調製のための相対作業条件及び物性を以下の表1A
及び1Bに示す。
マーを用い、第2グラフト重合段階において、142g
のメタクリル酸メチルモノマーをアクリル酸ブチルの代
わりに用い、そして分離連続添加の代わりに過酸化物と
モノマーを予め混合した以外は、実施例1の操作及び成
分を用いた。得られたのは(ポリプロピレン−g−ポリ
スチレン)−g−ポリメタクリル酸メチルグラフトコポ
リマーであった。本発明の個々のグラフトコポリマーの
調製のための相対作業条件及び物性を以下の表2A及び
2Bに示す。
メチルモノマーを用い、第2グラフト重合段階において
142gのスチレンモノマーを用いた以外は、実施例3
の操作及び成分を用いた。得られたのは(ポリプロピレ
ン−g−ポリメタクリル酸メチル)−g−ポリスチレン
グラフトコポリマーであった。本発明の個々のグラフト
コポリマーの調製のための相対作業条件及び物性を以下
の表2A及び2Bに示す。
た125gのスチレンモノマーと120gのメタクリル
酸メチルモノマーを共重合し、第2グラフト重合段階に
おいて、代わりに過酸化物と予め混合した41gのメタ
クリル酸メチルモノマーを用いた以外は、実施例3の操
作及び成分を用いた。(ポリプロピレン−g−ポリスチ
レン−co−メタクリル酸メチル)−g−ポリメタクリ
ル酸メチルグラフトコポリマーが得られた。本発明の個
々のグラフトコポリマーの調製のための相対作業条件及
び物性を以下の表2A及び2Bに示す。
混合した41gのメタクリル酸メチルモノマーを用い、
第2グラフト重合段階において、ルペルゾル11過酸化
物と予め混合した125gのスチレンモノマーと120
gのメタクリル酸メチルモノマーを共重合した以外は、
実施例3の操作及び成分を用いた。(ポリプロピレン−
g−ポリメタクリル酸メチル)−g−ポリ(スチレン−
co−メタクリル酸メチル)グラフトコポリマーが得ら
れた。本発明の個々のグラフトコポリマーの調製のため
の相対作業条件及び物性を以下の表2A及び2Bに示
す。
ーと56gのメタクリル酸メチルモノマーを共重合し、
第2グラフト重合段階において58gのスチレンモノマ
ーと84gのメタクリル酸メチル(MMA)モノマーを
共重合した以外は、実施例6の操作及び成分を用いた。
(ポリプロピレン−g−ポリ(スチレン−co−メタク
リル酸メチル))−g−ポリ(スチレン−co−メタク
リル酸メチル)グラフトコポリマーが得られた。本発明
の個々のグラフトコポリマーの調製のための相対作業条
件及び物性を以下の表2A及び2Bに示す。
いた。但し、プロピレンホモポリマーを、コモノマー、
即ち、スチレン及びメタクリル酸メチルとグラフト重合
してポリプロピレン−g−ポリ(スチレン−co−メタ
クリル酸メチル)を得た。その物性を以下の表2Cに示
す。
及びポリプロピレン−g−ポリメタクリル酸メチルグラ
フトコポリマーを均一混合物が得られるまで従来手段に
より約1分間機械的にブレンドして成形した。この2種
のグラフトコポリマーの機械ブレンド物の物性を以下の
表2Cに示す。
の実施例3及び4のグラフトコポリマーは、比較例1と
比較して、曲げ弾性率、耐衝撃性及び溶接線強さを保持
していることが分かる。本発明のグラフトコポリマーを
機械ブレンド物と比較すると、比較例2に示されるよう
に、曲げ弾性率、耐衝撃性及び引張特性は似ているが、
比較例2の機械ブレンド物に比較して本発明のグラフト
コポリマーが溶接線強さ及び強度残留性においてかなり
改善されていることが分かる。
ンを含有するスチレンでグラフト化したポリプロピレン
の527.5gのグラフトコポリマーを反応器内に導入し
た。この反応器を室温で窒素で(0.004容量%未満の
活性酸素含有量まで)パージしてから、熱オイルを反応
器ジャケットに循環させて80℃に加熱し、そして窒素
パージと攪拌を続けながらその温度に平衡にした。パー
ジを止めて反応器圧を調節し、0.24pphのルペルゾ
ル11過ピバル酸tert−ブチルを含有する1.3gの無酸
素ミネラルスピリット溶液を熱ポリマー上に噴霧した。
既に5〜10℃で窒素でパージした121.2gのアクリ
ル酸ブチルを反応器の中に5.9ml/分の速度で噴霧し
た。総添加時間は30分間であった。この反応器を窒素
でパージし、次いで加熱窒素でパージすることによって
反応器の内容物を120℃に加熱した。反応器温度を1
20℃に30分間維持し、その間、あらゆる未反応アク
リル酸ブチルモノマーを窒素流で反応器から追い出し
た。窒素シール下で冷却した後、反応器内に残ったさら
さらした固体の(ポリプロピレン−g−ポリスチレン)
−g−ポリアクリル酸ブチルグラフトコポリマーを反応
器から出して乾燥及び計量した。本発明の個々のグラフ
トコポリマーの調製のための相対作業条件及び物性を以
下の表3A及び3Bに示す。
フト重合したポリプロピレンのグラフトコポリマーを用
いたこと及びこのグラフトコポリマー、アクリル酸ブチ
ル及び用いたペルオキシ化合物の量を変化させたこと以
外は、実施例8の操作及び成分を用いて(ポリプロピレ
ン−g−ポリスチレン)−g−ポリアクリル酸ブチルグ
ラフトコポリマーを得た。本発明の個々のグラフトコポ
リマーの調製のための相対作業条件及び物性を以下の表
3A及び3Bに示す。
フト重合したポリプロピレンのグラフトコポリマーを用
いたこと及びこのグラフトコポリマー、アクリル酸ブチ
ル及び用いたペルオキシ化合物の量を変化させたこと以
外は、実施例8の操作及び成分を用いて(ポリプロピレ
ン−g−ポリスチレン)−g−ポリアクリル酸ブチルグ
ラフトコポリマーを得た。本発明の個々のグラフトコポ
リマーの調製のための相対作業条件及び物性を以下の表
3A及び3Bに示す。
レンでグラフト重合したポリプロピレンのグラフトコポ
リマーを、実施例1の第1グラフト重合法において上記
した過酸化物及びモノマーの予備混合添加により調製し
た。50pphのグラフト重合アクリル酸ブチル含有量
を含む、アクリル酸ブチルモノマーでグラフト重合した
ポリプロピレンのグラフトコポリマーを、実施例1の第
2グラフト重合法において上記した過酸化物及びモノマ
ーの分離連続添加により調製した。上記のようにして調
製したスチレンモノマーでグラフト重合したポリプロピ
レンのグラフトコポリマーと、上記のようにして調製し
たアクリル酸ブチルでグラフト重合したポリプロピレン
のグラフトコポリマーを、均一混合物が得られるまで従
来手段により機械的にブレンドして成形した。その物性
を以下の表3Bに示す。
マーと比較例3の機械ブレンド物は、類似の曲げ弾性率
及び耐衝撃性を有している。しかしながら、本発明のグ
ラフトコポリマーは、比較例3の機械ブレンド物よりも
大いに高い溶接線強さ及び強度残留性を有していること
が分かる。
た7.26kg(16 lb)のスチレンモノマーと2.45
kg(5.4 lb)のアクリロニトリル(AN)モノマー
を共重合し、第2グラフト重合段階において、過酸化物
と予め混合した121.6gのアクリル酸ブチルモノマー
を用いた以外は、実施例3の操作を用いて(ポリプロピ
レン−g−ポリスチレン−co−アクリロニトリル)−
g−ポリアクリル酸ブチルグラフトコポリマーを得た。
本発明の個々のグラフトコポリマーの調製のための相対
作業条件及び物性を以下の表4A及び4Bに示す。
た0.59kg(1.3 lb)のスチレンモノマー、0.19
kg(0.42 lb)のメタクリル酸メチル(MMA)モ
ノマー及び0.43kg(0.95 lb)のアクリロニトリ
ルモノマーを共重合し、第2グラフト重合段階におい
て、過酸化物と予め混合した181gのアクリル酸ブチ
ルモノマーを用いた以外は、実施例12の操作を用いて
(ポリプロピレン−g−ポリスチレン−co−メタクリ
ル酸メチル−co−アクリロニトリル)−g−ポリアク
リル酸ブチルグラフトコポリマーを得た。本発明の個々
のグラフトコポリマーの調製のための相対作業条件及び
物性を以下の表4A及び4Bに示す。
た152gのスチレンモノマーと61gの無水マレイン
酸(MA)モノマーを共重合し、第2グラフト重合段階
において、過酸化物と予め混合した124.6gのアクリ
ル酸ブチル(BA)モノマーを用いた以外は、実施例3
の操作を用いて(ポリプロピレン−g−ポリスチレン−
co−無水マレイン酸)−g−ポリアクリル酸ブチルグ
ラフトコポリマーを得た。本発明の個々のグラフトコポ
リマーの調製のための相対作業条件及び物性を以下の表
4A及び4Bに示す。
用いた。但し、プロピレンホモポリマーをスチレンモノ
マー及びメタクリル酸メチルモノマー及びアクリロニト
リルモノマーとグラフト重合して、ポリプロピレン−g
−ポリ(スチレン−co−メタクリル酸メチル−co−
アクリロニトリル)グラフトコポリマーを得た。アクリ
ル酸ブチルとグラフト重合したポリプロピレンのグラフ
トコポリマーを実施例13の第2重合段階に従って調製
して、ポリプロピレン−g−アクリル酸ブチルを得た。
上で調製したグラフトターポリマーとグラフトコポリマ
ーとを機械的にブレンドして成形した。その物性を以下
の表4Bに示す。
ニトリル)のグラフトコポリマーを、実施例12の第1
グラフト重合法において上記した過酸化物及びモノマー
の予備混合添加により調製した。ポリプロピレン−g−
ポリアクリル酸ブチルのグラフトコポリマーを、実施例
12の第2グラフト重合法において上記した過酸化物及
びモノマーの分離連続添加により調製した。上記のよう
にして調製したポリプロピレン−g−ポリ(スチレン−
co−アクリロニトリル)のグラフトコポリマーと、上
記のようにして調製したポリプロピレン−g−ポリアク
リル酸ブチルのグラフトコポリマーを機械的にブレンド
して成形した。その物性を以下の表4Bに示す。
ト化物は、やはり、比較例4及び5のものと類似の曲げ
弾性率と耐衝撃性を示すが、溶接線強さ及び強度残留性
が大いにより良いことが分かる。本発明のグラフトコポ
リマーと従来のグラフト化法によって及び2種のグラフ
トコポリマーを機械ブレンドすることによって調製され
たグラフトコポリマーとの差を更に明らかにするため
に、これら物質の更なる特徴付け、つまり透過式電子顕
微鏡検査(TEM)、及び動的機械的熱分析(DMT
A)を行い、並びにこれら物質の物性を明らかにした。
その結果を以下に述べる。
真は、2種のグラフトコポリマーの機械ブレンド物(図
1及び2)、本発明のグラフトコポリマー(図3及び
4)、及び従来のグラフト化法により調製されたグラフ
トコポリマー(図5及び6)の形態学的研究のために撮
影したものである。図1及び2の機械ブレンド物は、ポ
リプロピレン−g−ポリアクリル酸ブチルとブレンドし
たポリプロピレン−g−ポリスチレンからなる。その写
真には3つの相、つまり灰色の指紋様パターンにより特
定されるポリプロピレンマトリックス、黒色に着色した
領域により特定されるポリスチレン及び薄い灰色に着色
した領域により特定されるポリアクリル酸ブチルが見ら
れる。この写真からこれら相が機械ブレンド物中に存在
することが明らかであると共に、ポリプロピレン、ポリ
スチレン及びポリアクリル酸ブチル領域の鮮明かつ明確
な分離が明示されている。
明の(ポリプロピレン−g−ポリスチレン)−g−ポリ
アクリル酸ブチルである。機械ブレンド物のように、3
つの相、つまり灰色の指紋様パターンにより特定される
ポリプロピレンマトリックス、黒色に着色した領域によ
り特定されるポリスチレン及び薄い灰色に着色した領域
により特定されるポリアクリル酸ブチルが見られる。し
かしながら、分離しているものの、ポリスチレン及びポ
リアクリル酸ブチル領域は、ポリプロピレンマトリック
ス全体にわたって明らかに混ざっている。換言すると、
ポリスチレン及びポリアクリル酸ブチルの領域は、これ
ら2つの領域の網状結合を形成して共に連結しているの
である。この形態は、如何なる網状結合又は如何なる領
域の連結もなく、一方が他方と完全に分離しているもの
として3種のポリマーを示す機械ブレンド物の形態とは
明確に区別できるものである。
特許第5,140,074号のグラフト化方法により調製し
たポリプロピレン−g−ポリ(スチレン−co−アクリ
ル酸ブチル)グラフトコポリマーである。これでは、ポ
リプロピレンがスチレンとアクリル酸ブチルのグラフト
化工程の間に共重合したコポリマーとグラフト化してい
る。機械ブレンド物及び本発明のグラフトコポリマーと
は異なり、2つの明確に異なる相、つまり灰色の指紋様
パターンと濃い灰色/黒色領域によりそれぞれ特定され
るポリプロピレンマトリックスとポリ(スチレン−co
−アクリル酸ブチル)が見られる。そこには、機械ブレ
ンド物及び本発明のグラフトコポリマーの写真に見られ
るような分離したポリスチレン領域及びアクリル酸ブチ
ル領域はない。2つのタイプのポリマー及び領域、つま
りポリプロピレンとポリ(スチレン−co−アクリル酸
ブチル)だけが見られる。動的機械的熱分析(DMT
A)は、ポリマーの特徴を明らかにするための普通の実
験室的技術である。次の分析は、射出成形したTバーの
3mm×12.5mm×32mm中心部分を用いるポリマ
ー実験室用動的機械的熱分析装置で行った。この分析装
置は、温度を3℃/分の速度で−100℃から170℃
に上昇させながら、サンプルを1Hzの周期で屈曲させ
ることによりポリマーサンプルの曲げ弾性率及び機械的
損失を測定するものである。
の本発明のグラフトコポリマー及び図5及び6のグラフ
トコポリマーの動的機械的熱分析(DMTA)を評価し
てそれぞれの物質の弾性率及び機械的損失を決定した。
図1及び2のポリプロピレン−g−ポリスチレンとポリ
プロピレン−g−ポリアクリル酸ブチルとの機械ブレン
ド物のDMTAでは、機械的損失vs温度のグラフ中に
3本のピークが見られる。これらピークは、ブレンド物
中の3つの分離ポリマー相の各々についてのガラス転移
点を表し、−33℃がポリアクリル酸ブチルピークであ
り、14.5℃がポリプロピレンピークであり、そして1
10℃がポリスチレンピークである。これは、この形態
がTEM写真によって示される3相であることを実証し
ている。
のDMTAも3本のピークを示し、3つの分離ポリマー
相の各々についてのガラス転移点を示している。−31.
5℃がポリアクリル酸ブチルピークであり、16.5℃が
ポリプロピレンピークであり、そして107.5℃がポリ
スチレンピークである。図5及び6のグラフトコポリマ
ーのDMTAでは、機械的損失vs温度のグラフ中に2
本のピークしか存在しない。一方の14.5℃のピークは
ポリプロピレンのものであり、他方の65.5℃のピーク
はポリ(スチレン−co−アクリル酸ブチル)のもので
ある。このDMTAは、このグラフトコポリマーの2相
性を明らかに証明している。65.5℃のガラス転移点が
その純粋な成分から構成されるポリマーのガラス転移
点、つまり純粋なポリアクリル酸ブチルの−35℃と純
粋なポリスチレンの110℃の間になっているというこ
とが、同じポリマー鎖を形成しているスチレンとアクリ
ル酸ブチルの化学的性質が組み合わさっていることを証
明している。
−g−ポリ(スチレン−co−アクリロニトリル−co
−メタクリル酸メチル))−g−ポリアクリル酸ブチル
についてDMTAを測定した。本発明のグラフトコポリ
マーで証明れるように、3つの相が見られる。この物質
の3相性は、機械的損失vs温度のグラフ中に3本のピ
ークが現れていることによって証明される。ポリアクリ
ル酸ブチルについて−30.5℃のピーク、ポリプロピレ
ンについて17.5℃のピーク、及びポリ(スチレン−c
o−アクリロニトリル−co−メタクリル酸メチル)に
ついて110℃のピークが存在する。以下の表5に、機
械ブレンド物(図1)、本発明のグラフトコポリマー
(図3)、及びグラフトコポリマー(図5)の物質の物
性を示す。本発明のグラフトコポリマー(図3)が、機
械ブレンド物(図1)に比較して向上した溶接線強さと
曲げ弾性率を有すること、及び図5のグラフトコポリマ
ーに比較して向上した耐衝撃性を有することが分かる。
ここに開示した本発明の他の特徴、効果及び態様を容易
に理解できるであろう。これに関して、本発明の具体的
な態様をかなり詳細に記載したが、これら態様を変更及
び修飾することは、発明の詳細な説明及び特許請求の範
囲に記載した本発明の精神及び範囲から逸れることなく
行うことができる。
ピレンとスチレンでグラフト化されたポリプロピレンの
機械ブレンド物の倍率9.7kにおける透過式電子顕微鏡
写真である。
ンド物の透過式電子顕微鏡写真である。
ン)−g−ポリアクリル酸ブチルの連続的グラフト化コ
ポリマーの倍率9.7kにおける透過式電子顕微鏡写真で
ある。
ラフト化コポリマーの透過式電子顕微鏡写真である。
アクリル酸ブチル)の非連続的グラフトコポリマーの倍
率9.6kにおける透過式電子顕微鏡写真である。
コポリマーの透過式電子顕微鏡写真である。
Claims (14)
- 【請求項1】 少なくとも2段階を有するグラフト共重
合法を含むオレフィンポリマー物質のグラフトコポリマ
ーを製造する方法であって、 (A)その第1段階が次の工程 (i)〜 (iii) : (i) 粒子状オレフィンポリマー物質を、60〜125℃
の温度で、フリーラジカル重合開始剤でありかつ用いら
れる温度で約1〜240分間の分解半減期を有する0.1
〜6.0pphの有機化合物で処理し; (ii) 前記オレフィンポリマー物質を前記温度で、(i)
と同時か又はそれに続けて、重複させるか又は重複させ
ることなく、フリーラジカルによって重合できる約5〜
145pphの少なくとも1種のビニルモノマーで処理
し、この際、前記モノマーは、前記オレフィンポリマー
物質に、添加速度があらゆる添加レベルにおいて約4.5
pph/分未満となるように5分間から3〜4時間をか
けて添加されるものとし; (iii) あらゆる未反応グラフト用モノマーを生成グラフ
ト化粒子状オレフィンポリマー物質から除去し、前記物
質中のあらゆる未反応開始剤を分解しかつあらゆる残留
フリーラジカルを失活させる;を含み、 (B)その第2グラフト重合段階が次の工程 (i)〜(ii
i) : (i) 第1グラフト重合段階(A)から生成したグラフト
化オレフィンポリマー物質を、60〜125℃の温度
で、フリーラジカル重合開始剤でありかつ用いられる温
度で約1〜240分間の分解半減期を有する0.1〜6.0
pphの有機化合物で処理し; (ii) 前記グラフト化オレフィンポリマー物質を前記温
度で、(i) と同時か又はそれに続けて、重複させるか又
は重複させることなく、フリーラジカルによって重合で
きる約5〜145pphの少なくとも1種のビニルモノ
マーで処理し、この際、前記モノマーは、前記オレフィ
ンポリマー物質に、添加速度があらゆる添加レベルにお
いて約4.5pph/分未満となるように5分間から3〜
4時間をかけて添加されるものとし; (iii) あらゆる未反応グラフト用モノマーを生成グラフ
ト化粒子状オレフィンポリマー物質から除去し、前記物
質中のあらゆる未反応開始剤を分解しかつあらゆる残留
フリーラジカルを失活させる;を含む方法。 - 【請求項2】 前記オレフィンポリマー物質が、(a) 直
鎖状又は分枝状C2-8 α−オレフィンのホモポリマー、
(b) 直鎖状又は分枝状C2-8 α−オレフィンの、エチレ
ン及びC4 〜C101−オレフィンからなる群から選ばれ
る異なるオレフィンとのランダムコポリマー、(c) 直鎖
状又は分枝状C3-8 α−オレフィンと、エチレン及びC
4 〜C8 1−オレフィンからなる群から選ばれる2種の
異なるオレフィンとのランダムターポリマー、及び (d)
エチレン−プロピレンモノマーゴムで耐衝撃改良処理
されたプロピレンの (a)のホモポリマー又はランダムコ
ポリマー(b) 、からなる群から選ばれる、請求項1記載
の方法。 - 【請求項3】 前記ビニルモノマーが、ビニル置換され
た芳香族、複素環式、及び脂環式化合物、不飽和脂肪族
カルボン酸及びその誘導体、不飽和脂肪族ニトリル、芳
香族及び飽和脂肪族カルボン酸のビニルエステル及びそ
れらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1記載の
方法。 - 【請求項4】 前記有機化合物がペルオキシ化合物であ
る、請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 第1グラフト重合段階において、グラフ
ト用モノマーを、前記オレフィンポリマー物質に、ペル
オキシ化合物を添加するのにかかる時間に続く時間をか
けて添加する、請求項4記載の方法。 - 【請求項6】 第2グラフト重合段階において、グラフ
ト用モノマーを、前記グラフト化オレフィンポリマー物
質に、前記ペルオキシ化合物を添加するのにかかる時間
と同時の時間をかけて添加する、請求項5記載の方法。 - 【請求項7】 第1グラフト重合段階において、グラフ
ト用モノマーを、前記オレフィンポリマー物質に、前記
ペルオキシ化合物を添加するのにかかる時間と同時の時
間をかけて添加する、請求項4記載の方法。 - 【請求項8】 第2グラフト重合段階において、グラフ
ト用モノマーを、前記グラフト化オレフィンポリマー物
質に、前記ペルオキシ化合物を添加するのにかかる時間
に続く時間をかけて添加する、請求項7記載の方法。 - 【請求項9】 請求項1記載の方法によって製造される
オレフィンポリマー物質のグラフトコポリマー。 - 【請求項10】 請求項2記載の方法によって製造され
るオレフィンポリマー物質のグラフトコポリマー。 - 【請求項11】 請求項3記載の方法によって製造され
るオレフィンポリマー物質のグラフトコポリマー。 - 【請求項12】 グラフト重合した前記オレフィンポリ
マー物質が、プロピレンホモポリマーであり、かつ
(A)(ii) のビニルモノマーがスチレンである、請求項
9記載のグラフトコポリマー。 - 【請求項13】 (B)(ii) の前記ビニルモノマーがア
クリル酸ブチルである、請求項10記載のグラフトコポ
リマー。 - 【請求項14】 (B)(ii) の前記ビニルモノマーがメ
タクリル酸メチルである、請求項10記載のグラフトコ
ポリマー。
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