JPH07223586A - 水中機器の引揚方法及び該方法の実施に用いる引揚補助装置 - Google Patents

水中機器の引揚方法及び該方法の実施に用いる引揚補助装置

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JPH07223586A
JPH07223586A JP3327194A JP3327194A JPH07223586A JP H07223586 A JPH07223586 A JP H07223586A JP 3327194 A JP3327194 A JP 3327194A JP 3327194 A JP3327194 A JP 3327194A JP H07223586 A JPH07223586 A JP H07223586A
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reel
floating body
lifting
actuator
pulling wire
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JP3327194A
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Tadahiro Iyama
忠弘 井山
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Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重量機器の引き揚げを作業船上での作業のみ
で可能とし、作業を迅速且つ容易にする。 【構成】 重量機器IIに引揚補助装置Iを取り付ける。
引揚補助装置Iには、第1アクチュエータに着脱可能に
保持される浮体2と、第2アクチュエータに着脱可能に
保持されるリール6と、浮体2に一端を接続して他端側
をリール6に巻いた牽引ワイヤ8をくぐらせるようにし
た吊上用アイ9を備える。浮体2を浮上させ、牽引ワイ
ヤ8に引揚ロープ32を接続し、リール6を浮上させて
引揚ロープを吊上用アイ9に通し、引揚ロープを巻き取
って重量機器IIを引き揚げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海底や湖底等に設置した
り、あるいは水中作業に用いる遠隔操縦式の重量機器が
何らかのトラブルで遠隔操縦できなくなったような場合
にこれらを水中から引き揚げて回収する際に用いる水中
機器の引揚方法及び該方法の実施に用いる引揚補助装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、石油掘削のために海底に固定
してある坑口装置の保守点検を行う場合には、水中保守
点検装置を洋上より海底まで降ろし、遠隔操縦にて作業
を行う必要があるが、上記水中保守点検装置が何らかの
トラブルにより通常の方法で回収不能となった場合に
は、別の方法で海底から引き揚げるようにする回収作業
を行う必要がある。
【0003】上記操縦不能となった水中保守点検装置の
如き水中機器としての重量機器を水中から引き揚げる場
合、従来では、図7に一例を示す如く、先ず、作業船b
に搭載されているウインチcにより引揚ロープdを繰り
出して、引き揚げようとする重量機器aの近くまでフッ
クeを沈め、次に、水中に潜っているダイバfが上記重
量機器aに設けてあるアイg等にフックeを引掛け、し
かる後、上記ウインチcにより引揚ロープdを巻き取っ
て重量機器aを引き揚げるようにしている。又、水深が
非常に深いため重量機器aの近くまでダイバfが潜れな
い場合には、遠隔操縦式水中ロボットiを用いてフック
eをアイgに引掛けるやり方がほとんど唯一の方法であ
る。hはロボット操縦用のケーブルを示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
重量機器aの引揚方法の場合、ダイバfによる潜水作業
は苛酷な重労働であり、且つ危険性も高く、その上、時
間と費用がかかるという問題があり、又、遠隔操縦式水
中ロボットiを用いた作業では、ダイバfに及ぼされる
悪影響は解消されるものの、遠隔作業となることからダ
イバfによる作業以上に時間と費用が嵩む問題があり、
加えて、この場合には、ロボット操縦用のケーブルhが
不可欠なため、該ケーブルhと上記引揚ロープdとが絡
まってしまう等の二次的問題も惹起される。
【0005】そこで、本発明は、作業船上での作業だけ
で水中にある重量機器に引揚ロープを掛け渡すことがで
きるようにして、水中からの重量機器の引き揚げ作業を
迅速且つ容易に行うことができるようにしようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、水中で使用する重量機器に、予め、所要
長さとした牽引ワイヤの一端を固定した浮体と上記牽引
ワイヤの他端側を巻き取らせたリールとを着脱可能に保
持させておくと共に、上記浮体とリールとの間に位置す
る牽引ワイヤをくぐらせるようにした吊上用アイを固設
しておき、水中で上記浮体の保持を解除させることによ
り上記リールから牽引ワイヤを繰り出させつつ浮体を水
面上に浮上させ、次に、浮上した浮体を作業船上に引き
込んで浮体を取り外してから牽引ワイヤの一端に引揚ロ
ープの一端を接続し、一方、上記浮体の保持を解除させ
てから所要時間経過後に、上記リールの保持を解除し、
上記引揚ロープを水中に降ろしながらリールを浮上させ
るようにして、牽引ワイヤで引揚ロープを牽引すること
により引揚ロープを吊上用アイをくぐらせてから作業船
上に引き込み、しかる後、引揚ロープを巻上げることに
よって上記吊上用アイを介して重量機器を引き揚げるよ
うにすることを特徴とする水中機器の引揚方法とする。
【0007】又、水中で使用する重量機器に取り付ける
ようにした引揚装置本体フレームに、浮体を着脱可能に
保持する第1アクチュエータと、浮力を有するリールを
着脱可能に保持する第2アクチュエータとを装備させる
と共に、上記浮体に一端を固定した所要長さの牽引ワイ
ヤの他端側を上記リールに巻き付け、且つ上記浮体とリ
ールとの間に牽引ワイヤをくぐらすように吊上用アイを
取り付け、更に、上記第1アクチュエータと第2アクチ
ュエータの作動を制御する制御装置を備えた構成とす
る。
【0008】更に、リールに浮力を与える手段として、
カバー内に浮体を備えてなる浮上体を用い、該浮上体の
カバーにリールを支持させた構成としてもよい。
【0009】更に又、浮体に代えて、浮上体に支持させ
たリールを第1アクチュエータに着脱可能に保持させた
構成とすることができる。
【0010】又、制御装置により作動が制御される第1
アクチュエータ及び第2アクチュエータに代えて、取手
付きの着脱用ピンを用いた構成としてもよい。
【0011】
【作用】故障等により遠隔操作できなくなった重量機器
を引き揚げる場合、先ず、第1アクチュエータの作動に
より浮体が浮上させられる。この際、浮体は牽引ワイヤ
の一端を引き上げてくるので、作業船上でこの牽引ワイ
ヤの端に引揚ロープを接続する。一方、浮体の浮上と前
後して第2アクチュエータの作動によりリールの保持が
解除されるので、引揚ロープを下降させることによりリ
ールが浮上させられ、この際、引揚ロープが吊上用アイ
をくぐらされる。浮上したリールを作業船上に引込んだ
後、引揚ロープを巻き上げることで重量機器が引き揚げ
られる。
【0012】上記において、第1アクチュエータと第2
アクチュエータにリールを保持させた場合、両方のリー
ルを同時に浮上させることができて、作業時間の短縮化
が図られる。
【0013】又、第1アクチュエータ及び第2アクチュ
エータに代えて、取手付きの着脱用ピンを用いて浮体や
リールの位置を保持させた場合、手でピンを引き抜くだ
けで浮体やリールを浮上させることができるようにな
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0015】図1の(イ)(ロ)及び図2は本発明の一
実施例を示すもので、少なくとも上面部を開放した引揚
装置本体フレーム1内の上部に浮体2を配置して、該浮
体2を、上記本体フレーム1の上側部に設置した第1ア
クチュエータとしてのソレノイド装置3に着脱可能に保
持させると共に、上記本体フレーム1の底部側に、一対
の軸受4,5間に支持されるようにしてそれ自身が浮力
を有するリール6を配置して、該リール6を、一方の軸
受4の部分に設置した第2アクチュエータとしてのソレ
ノイド装置7に着脱可能に保持させ、又、上記浮体2の
尾部2aに、釣糸やピアノ線の如き細くて軽く丈夫な牽
引ワイヤ8の一端を接続し、該牽引ワイヤ8の他端側を
上記リール6に所要量巻き取らせ、且つ上記本体フレー
ム1内のソレノイド装置3とリール6との間の位置に、
吊上用アイ9を取り付けて、該吊上用アイ9の中を上記
牽引ワイヤ8がくぐるようにし、更に、上記各ソレノイ
ド装置3,7の作動を制御する制御装置10を備えて、
引揚補助装置Iを構成し、該引揚補助装置Iを、水中で
使用する水中機器としての重量機器IIの上面に据え付け
て使用させるようにする。
【0016】詳述すると、上記第1アクチュエータとし
てのソレノイド装置3は、ソレノイドケース3aと、該
ソレノイドケース3a内に収納したソレノイドコイル3
bと、該ソレノイドコイル3bの励磁、消磁によってソ
レノイドケース3aの一端から出入するようにしたピン
(ソレノイド鉄芯)3cとからなり、ソレノイドケース
3aの一端に取り付けた押え部材11との間に浮体2の
尾部2aを挿入配置するための隙間を形成して、浮体2
の尾部2aに穿設された孔に上記ピン3cを抜き差し可
能に挿入して、浮体2を着脱可能に保持し、ピン3cを
浮体2の尾部2aから抜いて浮体2の位置保持を解除す
ることにより、浮体2がリール6から牽引ワイヤ8を引
き出しながら浮上させられるようにしてある。なお、上
記浮体2が持つ浮力は、牽引ワイヤ8の全長分の水中重
量を浮かし得るに十分なものとしてある。たとえば、シ
ンタクティックフォームをその材料とする場合、比重を
0.5とすると、浮体直径を15cm、長さを20cmとす
れば、海中にて約1.9kgの浮力を得ることができる。
【0017】又、上記第2アクチュエータとしてのソレ
ノイド装置7は、上記ソレノイド装置3の場合と同様
に、ソレノイドケース7aとソレノイドコイル7bとピ
ン7cとからなり、リール6の一方の軸端を、ピン7c
の出入によって着脱可能に保持するようにしてある。す
なわち、リール6は、一方の軸端を軸受4上に載せて押
え部材12で押えるようにし、他方の軸端を軸受5に設
けた穴に着脱自在に差し込むようにしてあり、上記押え
部材12に穿設された孔にソレノイド装置7のピン7c
を抜き差し可能に挿入して、リール6を軸受4,5に対
し着脱可能に保持し、ピン7cを押え部材12から抜い
て押え部材12を離脱させることでリール6の位置保持
を解除することにより、リール6が牽引ワイヤ8を繰り
出しながら浮上させられるようにしてある。なお、上記
リール6に巻いてある牽引ワイヤ8の全長は、重量機器
IIが水中作業を行っている場所での水底から水面までの
水深よりも多少長目に設定してある。
【0018】更に、牽引ワイヤ8を通すようにした吊上
用アイ9は、その幅端位置がソレノイド装置3に対して
適宜オフセットする(オフセット量をEで示す)ように
本体フレーム1の底部上に取り付けてあり、且つ牽引ワ
イヤ8が接する受け部9aには、牽引ワイヤ8との摩擦
力が小さくなるように、たとえば、フッ素樹脂などがラ
イニングしてある。
【0019】上記ソレノイド装置3,7の作動を制御す
る制御装置10は図2に詳細を示す如く、アンビリカル
13を経由して繰り出された2系統の駆動電源ライン1
4,15に、それぞれ電線16,17を介してソレノイ
ド18,19を接続し、且つ電池20、スイッチ21、
信号線22に接続してあるタイマ23、スイッチ24,
25を有する直列回路26における上記スイッチ24,
25の接点に、上記各ソレノイド18,19をばね2
7,28を介して連結し、アンビリカル13が正常なと
きはソレノイド18,19がばね27,28に抗し引き
込まれてスイッチ24,25の接点が開かれているよう
にし、更に、上記直列回路26に、電線29を介してソ
レノイド装置3のソレノイドコイル3bを接続すると共
に、上記直列回路26に、タイマ30を組み込んだ電線
31を介してソレノイド装置7のソレノイドコイル7b
を、上記ソレノイド装置3のソレノイドコイル3bと並
列となるように接続し、直列回路26が通電状態になっ
たときにソレノイド装置3,7のソレノイドコイル3
b,7bが励磁されてピン3c,7cがソレノイドケー
ス3a,7a内に引き込まれるようにしてある。又、上
記タイマ23及び30は、電池20からの給電が開始さ
れた瞬間にリセットされると共にカウントを開始し、設
定時間が経過すると接点を閉とするa接点方式のタイマ
であり、更に、タイマ23は、その作動中であっても信
号線22からリセット信号が入ったときには、いつでも
直ちにリセットされるような構造をしており、一方、タ
イマ30は、タイマ23の接点が閉となっているときだ
け、電池20から給電され作動するように回路が組まれ
ている。
【0020】なお、重量機器IIの駆動電源が3系統以上
の場合には、各電源ごとに、ソレノイド19、ばね28
及びスイッチ25を増設し、並列に接続すればよい。
【0021】重量機器IIを水中で使用する場合には、重
量機器IIの上面に、上記構成とした引揚補助装置Iを強
固に取り付けた状態において、重量機器IIを水中に投入
する前に、スイッチ21を閉にしておく。この際、アン
ビリカル13が継がっている正常運転時では、駆動電源
ライン14、15から電線16、17を通してソレノイ
ド18、19に給電されており、ソレノイド18、19
は励磁されることでスイッチ24、25の接点が開かれ
ているため、電池20からタイマ23へは給電されず、
タイマ23はカウントを行わない状態にある。したがっ
て、ソレノイド装置3,7は消磁されており、ピン3
c、7cは突出状態にあるので、浮体2及びリール6の
位置は本体フレーム1内に保持されている。又、正常運
転時には、タイマ23の設定時間が経過する前に、信号
線22にて必ずリセット信号を入れるようにすること
で、ソレノイド装置3,7の誤作動は完全に防止され
る。
【0022】上記重量機器IIが水中で作業を行っている
状態において、故障等が発生し、重量機器IIを引き揚げ
る必要が生じた場合には、先ず、重量機器IIが沈没して
いる水底までの水深の2倍より充分長い長さの引揚ロー
プ32を巻き取らせてあるウインチ33を搭載した作業
船34を準備する(図3参照)。
【0023】上記において、故障等によりアンビリカル
13が全断すると、駆動電源ライン14,15に通電さ
れなくなるので、制御装置10内のソレノイド18,1
9が消磁され、ばね27,28の作用によって直列回路
26のスイッチ24,25が閉じられる(ONにされ
る)。又、この場合、アンビリカル13が全断される
と、信号線22も通電されなくなるが、上記スイッチ2
4,25が閉じられることによりタイマ23は電池20
から給電されてカウントを開始することになる。この
際、タイマ23にはリセット信号が入らないので、タイ
マ23は設定時間経過した後に接点が閉となる。これに
より、ソレノイド装置3のピン3cが浮体2の尾部2a
から引き抜かれるため、図3の(イ)に示す如く、浮体
2は位置保持が解除されることになって浮上を開始する
ことになり、これに伴ってリール6から牽引ワイヤ8が
繰り出されることになる。なお、上記牽引ワイヤ8は浮
体2の浮上により繰り出されるとき、吊上用アイ9をく
ぐり抜けて行くが、吊上用アイ9をソレノイド装置3に
対しオフセットして取り付けてあるため、牽引ワイヤ8
がソレノイド装置3に引掛かってしまうようなことはな
い。
【0024】上記浮体2が水面近くまで浮上してくる
頃、制御装置10によりソレノイド装置7が作動させら
れ、ピン7cが押え部材12から引き抜かれることによ
り、リール6が浮上を開始する。すなわち、上記ソレノ
イド装置3が電池20から給電されて励磁されるとき、
タイマ30もリセットされてカウントを開始するので、
タイマ30の設定時間が経過すると、タイマ30の接点
が閉となることによりソレノイド装置7が励磁される。
この際、タイマ30の設定時間は、上記浮体2が水面ま
で浮上するのに要する時間としてある。
【0025】作業船34では、水面まで浮上してきた浮
体2を回収すると共に、浮体2を牽引ワイヤ8から取り
外し、牽引ワイヤ8の端に引揚ロープ32と結びつけ
る。この際、牽引ワイヤ8と引揚ロープ32との結び目
は、上記吊上用アイ9を円滑に通過できるように滑らか
に形成することが肝要である。なお、この段階では、牽
引ワイヤ8の全長が水深よりも多少長目としてあるの
で、図3の(ロ)に示す如く、リール6は重量機器IIか
ら少し浮上した状態を保っている。
【0026】続いて、図3の(ハ)に示す如く、上記ウ
インチ33から引揚ロープ32を繰り出すと、引揚ロー
プ32はその自重によって水中へと下降していき、逆に
リール6は、自身が持つ浮力によって引揚ロープ32が
沈んだ分だけ浮上させられる。
【0027】なお、この過程では下降する引揚ロープ3
2とリール6に導かれて浮上する牽引ワイヤ8とが接近
しすぎると、お互いが絡まる虞があるので、引き揚げ作
業時の波や潮流の状態に合わせ、作業船34の位置を適
当に調節する。
【0028】上記により、リール6が水面上まで浮上し
てくると、作業船34上にリール6を回収し、更に牽引
ワイヤ8を引き上げ続けることによって、図3の(ニ)
に示す如く、引揚ロープ32の先端を作業船34上に引
き上げる。すなわち、この場合、引揚ロープ32の全長
が水深の2倍より充分に長くしてあり、しかも引揚ロー
プ32は、牽引ワイヤ8に牽引されることによって上記
吊上用アイ9をくぐり抜けることができるので、重量機
器IIと作業船34との間に、引揚補助装置Iの吊上用ア
イ9を介在させて引揚ロープ32を架け渡すことができ
る。なお、この過程における牽引ワイヤ8と引揚ロープ
32の一連のやりとりでは、たとえば、船首から牽引ワ
イヤ8を手繰り、船尾から引揚ロープ32を降ろすなど
して、牽引ワイヤ8や引揚ロープ32が絡まるのを防止
させるようにする。
【0029】しかる後、図3の(ニ)に示す如く、引揚
ロープ32の両端をウインチ33に継ぎ替えて巻き上げ
ると、重量機器IIを作業船34上に引き揚げることがで
きる。
【0030】次に、図4は本発明の他の実施例を示すも
ので、上記実施例におけるリール6に浮力を与える手段
として、カバー37と該カバー37内に備えた浮体38
とからなる浮上体36を用い、カバー37にリール6を
支持させるようにして、カバー37に取り付けた補助部
材35を介してソレノイド装置7に着脱可能に保持させ
たものである。
【0031】図4の実施例の場合も上記実施例と同様な
作用効果が奏し得られる。なお、上記浮上体36は重心
を充分下方に位置させるようにし、且つカバー37の上
端側の形状を流線形とするなどして、安定した姿勢で浮
上できるようにしてある。又、リール6に巻く牽引ワイ
ヤ8の長さは、上記実施例の場合と同様に水深よりも多
少長くしてある。
【0032】図4の実施例の場合にも、ソレノイド装置
7の作動で浮上体36の位置保持を解除できるので、上
記実施例の場合と同様な作用効果が奏し得られる。
【0033】次いで、図5は本発明の更に他の実施例を
示すもので、図4に示す実施例と同様な構成において、
ソレノイド装置3に着脱可能に保持される浮体2に代え
て、浮上体36に支持させたリール6を用いたものであ
る。なお、牽引ワイヤ8は2個のリール6にそれぞれ同
じ長さ分だけ巻き取らせ、全体の長さとしては水深の2
倍以上としてある。
【0034】図5の実施例の場合には、2個の浮上体3
6を浮上させると、牽引ワイヤ8が吊上用アイ9をくぐ
った状態でその両端を作業船34上に回収でき、その一
端に引揚ロープ32を結び、他端を引き上げ続けると、
重量機器IIと作業船34との間に引揚ロープ32を架け
渡すことができる。なお、上記制御装置10に内蔵され
ているタイマ30の設定時間により、2個の浮上体36
を同時に浮上させることも、別々に浮上させることもで
きる。この場合、2個同時に浮上させると、重量機器II
の引き揚げ作業時間を短縮することができる。
【0035】図6は本発明の更に別の実施例を示すもの
で、上記図1及び図2の実施例におけるアクチュエータ
3及び7のピン3c,7cを抜き差しして浮体2及びリ
ール6を着脱させる方式に代えて、取手付きの着脱用ピ
ン39及び40を用いたものである。
【0036】図6の実施例の場合には、浮体2とリール
6を浮上させるために取手付きの着脱用ピン39及び4
0を引き抜く作業は手動となるが、取手付きの着脱用ピ
ン39、40を順次引き抜くだけで浮体2とリール6を
浮上させることができるので、ダイバ或いは遠隔操縦式
水中ロボットが行う水中作業は、従来の如きフックをア
イに引掛けるという作業に比べ、大幅に簡略化され、大
いに容易なものとなり、特に、水深の浅い場合に適して
いる。
【0037】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、たとえば、図1乃至図5の実施例で
は、第1、第2アクチュエータとして直接電気的に駆動
されるソレノイド装置3,7を用いた場合を示したが、
ソレノイドバルブで油圧ラインを切り替え、油圧でピン
3c及び7cを出入させる方式としてもよいこと、ある
いは、作業船からの音響信号を受けてピン3c,7cを
動かす装置としてもよく、音響信号で作動するアクチュ
エータを用いた場合には、アクチュエータを作動させる
タイミングが任意となり、特に、図5の実施例で示した
浮上体36を2個使用する場合に威力を発揮すること、
又、長期間海水中に本装置を設置するような場合、浮体
2等の作動と連動して解放されるようなカバーを上部及
び側面を覆うように装備しておけば、汚染などから本装
置を守ることができること、その他本発明の要旨を逸脱
しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論で
ある。
【0038】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明によれば、予期
せぬ故障等により水底に沈没した水中機器としての重量
機器を、ダイバや遠隔操縦式水中ロボットによらず、主
として作業船上での作業のみで引き揚げることができる
ので、苛酷な重労働であり且つ危険を伴うことが多いダ
イバによる潜水作業を、全廃、あるいは、減少させるこ
とができ、ダイバや遠隔操縦式水中ロボットに要する費
用を大幅に削減でき、又、引き揚げ現場へのダイバ、遠
隔操縦式水中ロボットの到着や準備を待つ必要がないこ
とから、重量機器の迅速な引き揚げが可能となる、等の
優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水中機器の引揚補助装置の一実施例を
示すもので、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)のA−A
矢視方向に見た側面図である。
【図2】制御装置の回路図である。
【図3】水中からの重量機器の引き揚げ方法を示すもの
で、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)は具体的な作業手順を示
す概要図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す浮上体の概略図であ
る。
【図5】本発明の更に他の実施例を示す概略図である。
【図6】本発明の更に別の実施例を示す概要図である。
【図7】従来の水中からの重量機器の引揚方法を示す概
要図である。
【符号の説明】
I 引揚補助装置 II 重量機器 1 引揚補助装置本体フレーム 2 浮体 3 ソレノイド装置(第1アクチュエータ) 6 リール 7 ソレノイド装置(第2アクチュエータ) 8 牽引ワイヤ 9 吊上用アイ 10 制御装置 32 引揚ロープ 36 浮上体 37 カバー 38 浮体 39,40 着脱用ピン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中で使用する重量機器に、予め、所要
    長さとした牽引ワイヤの一端を固定した浮体と上記牽引
    ワイヤの他端側を巻き取らせたリールとを着脱可能に保
    持させておくと共に、上記浮体とリールとの間に位置す
    る牽引ワイヤをくぐらせるようにした吊上用アイを固設
    しておき、水中で上記浮体の保持を解除させることによ
    り上記リールから牽引ワイヤを繰り出させつつ浮体を水
    面上に浮上させ、次に、浮上した浮体を作業船上に引き
    込んで浮体を取り外してから牽引ワイヤの一端に引揚ロ
    ープの一端を接続し、一方、上記浮体の保持を解除させ
    てから所要時間経過後に、上記リールの保持を解除し、
    上記引揚ロープを水中に降ろしながらリールを浮上させ
    るようにして、牽引ワイヤで引揚ロープを牽引すること
    により引揚ロープを吊上用アイをくぐらせてから作業船
    上に引き込み、しかる後、引揚ロープを巻上げることに
    よって上記吊上用アイを介して重量機器を引き揚げるよ
    うにすることを特徴とする水中機器の引揚方法。
  2. 【請求項2】 水中で使用する重量機器に取り付けるよ
    うにした引揚装置本体フレームに、浮体を着脱可能に保
    持する第1アクチュエータと、浮力を有するリールを着
    脱可能に保持する第2アクチュエータとを装備させると
    共に、上記浮体に一端を固定した所要長さの牽引ワイヤ
    の他端側を上記リールに巻き付け、且つ上記浮体とリー
    ルとの間に牽引ワイヤをくぐらすように吊上用アイを取
    り付け、更に、上記第1アクチュエータと第2アクチュ
    エータの作動を制御する制御装置を備えた構成を有する
    ことを特徴とする水中機器の引揚補助装置。
  3. 【請求項3】 リールに浮力を与える手段として、カバ
    ー内に浮体を備えてなる浮上体を用い、該浮上体のカバ
    ーにリールを支持させた請求項2記載の水中機器の引揚
    補助装置。
  4. 【請求項4】 浮体に代えて、浮上体に支持させたリー
    ルを第1アクチュエータに着脱可能に保持させた請求項
    3記載の水中機器の引揚補助装置。
  5. 【請求項5】 制御装置により作動が制御される第1ア
    クチュエータ及び第2アクチュエータに代えて、取手付
    きの着脱用ピンを用いた請求項2記載の水中機器の引揚
    補助装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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