JPH0722271Y2 - 使い捨て衛生用腔洗浄器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業状の利用分野］ この考案は、膣内の膣壁に付着した経血などの分泌物、
雑菌、汚れなどを洗浄するための使い捨て衛生用膣洗浄
器に関する。更に詳しくは、膣の自浄作用や機能低下、
膣炎、子宮ガンを防ぐために膣道内に挿入し、使用中に
衣類や手を汚すことなく使用できる使い捨て衛生用膣洗
浄器に関する。

［従来技術］ 従来の衛生用膣洗浄器は、洗浄液を収容した容器本体と
膣道に挿入する挿入部に別体に作られていて、使用時に
挿入部を容器本体に取り付ける衛生用膣内洗浄器は、多
種類のものが知られている。例えば、洗浄液の入ってい
る容器本体がジャバラ状になったもの（例えば、意匠登
録第680,085号）、スポイド形をしたもの、膣内に挿入
する挿入部と容器本体との間に挿入しすぎないためにか
さが付いているもの（例えば、意匠登録第514,694
号）、水道の蛇口に取り付けるタイプなどが知られてい
る。しかし、ほとんどのものが、容器本体と洗浄水を噴
出する膣内挿入部とが別体に作られているものであっ
た。

［考案が解決しようとする課題］ 前記のような膣内洗浄器は、ノズル付挿入部と容器本体
とが別々である。このため、使用時には、組み立てて使
う必要がある。また、挿入部と容器本体との接合部分の
長さが短いため曲がりにくい。自分のもっとも挿入しや
すい角度に挿入部がとれないので、使用者に無理な姿勢
を強いることになりがちで、膣口や膣内部を傷つけるこ
とがあった。

更に、挿入部を挿入した状態では、位置的に容器本体は
膣道入口に位置しているため、使用済の洗浄液が膣内か
ら排出されるとき手や衣類を汚してしまうことがある。
これらの容器は、使い捨てでないため再度使用すると、
ばい菌などの付着する危険性がある。また、部品点数が
多くかさばるため持ち運び用には困難であった。

この考案の目的は、使い捨て衛生用膣洗浄器を提供する
ことにある。

この考案の他の目的は、収納時にコンパクトにできる使
い捨て衛生用膣洗浄器を提供することにある。

この考案の更に他の目的は、自然な姿勢で使用できる使
い捨て衛生用膣洗浄器を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 前記の課題を解決するための次のような手段を採る。

a.洗浄液が充填される楕円体からなる容器本体（１）
と、 b.この容器本体（１）の長軸方向の一端に設けられた注
入口（２）と、 c.この注入口（２）を密封するための栓体（３）と、 d.前記容器本体（１）の前記長軸方向の他端に設けら
れ、この容器本体（１）と連通する蛇腹状の折曲部
（４）と、 e.この折曲部（４）の延長線上に設けられて前記折曲部
（４）と連通し、かつ先端から前記折曲部（４）に連な
る根元部にかけて径が漸減する挿入部（５）と、 f.この挿入部（５）の先端に設けられ、この挿入部
（５）と連通するノズル（６）と、 g.このノズル（６）に披着され、その先端孔を封止する
封止手段（10）とからなり、 h.前記容器本体（１）、折曲部（４）、挿入部（５）お
よびノズル（６）が一体成形され、 i.前記折曲部（４）は、この折曲部（４）を最大限屈曲
させたとき前記容器本体（１）の長軸と前記挿入部
（５）の軸線とがほぼ平行となるような長さを有してい
ることを特徴とする使い捨て衛生用膣洗浄器である。

ノズル部分は、精製水が噴出するとき拡散するように噴
出孔にスリットまたは噴出方向に傾斜した噴出孔に形成
したほうが良い。

［作用］ 使い捨て衛生用膣洗浄器は、ジャバラ折曲部を曲げて容
器、袋に収納する。使用するときは、ノズル部分のキャ
ップを取り、使用するときは、ノズル部分のキャップを
取り、挿入部を膣内に挿入して、折曲部を曲げて容器本
体を手の平で押してノズルから洗浄水を押し出す。

［実施例］ 以下、図面に沿って説明する。第１図は、この考案の実
施例を示すものである。容器本体１は、楕円体の形をし
ていて内部に精製水が詰めてある。容器本体１は、楕円
体をしているので、手の平に乗せて使用する時に握りや
すい。容器本体１の下面には、円筒状の注入部２が突出
するように一体に形成してある。注入部２は、精製水を
注入するためのものである。注入部２の内周面には、キ
ャップ３が挿入してある。キャップ３は、容器本体１に
精製水を充填後、内部の精製水が漏れないように封印す
るものである。

容器本体１の上端には、折曲部４が形成してある。折曲
部４は、ジャバラに形成してある。この折曲部４は、こ
れを最大限屈曲させたとき容器本体１の長軸と挿入部の
軸線とが平行になるような長さを有している。このた
め、伸縮、曲げが自在にできるものである。このジャバ
ラは、後述するように使用時に便利であり、また容器、
袋11などに収納時にコンパクトになる（第４図参照）。
折曲部４には、連続して、挿入部５が形成してある。挿
入部５は、膣内に挿入する部分である。挿入部５は、先
端の直径が大きく根元部に行くにしたがってゆるやかに
直径が小さくなる、いわゆるテーパになっている。

これは、挿入部５を膣内に挿入後、挿入部５の先端のノ
ズル６から精製水が噴出するときの反作用と、膣内から
の洗浄後の戻り水による圧力、膣筋力による挿入部５を
排出しようとする圧力から挿入部５が膣外に排出されな
いようにするためである。挿入部５の先端には、ノズル
６が一体に連続して成形してある。ノズル６は、挿入部
５より小径であり、中心には噴出孔７が形成してある。
ノズル６は、キャップ10により蓋がしてある。キャップ
10の内周の中心には、噴出孔７と同じ径の栓11が挿入し
てある。このため、容器本体１に満たした精製水が漏れ
ないようになっている。注入部２、容器本体１、折曲部
４、挿入部５、ノズル６はブロー成形された一体のもの
である。

使用法 以下、前記した使い捨て衛生用洗浄器の使用方法を説明
する。未使用の状態では、折曲部４は曲げてあり容器本
体１と挿入部５が密着して袋11に収納してある（第４図
参照）。使用する時は、折曲部４のジャバラを伸ばす。
ノズル６のキャップ10を取り外し、トイレ、浴室などで
立てひざ、かた足を立てるなど使用者のもっとも挿入し
やすい状態で、容器本体１を片手の手の平に持ち、ノズ
ル６を膣道に除々に挿入していき、ノズルの付いた挿入
部５の全体を挿入する（浅いと洗浄が中途半端にな
る）。

挿入部５は、突起のない円柱なので無理なく挿入がで
き、膣道に苦痛を感じることなく挿入ができる。挿入が
完了したら後、容器本体１は楕円体なので比較的握りや
すいが、もっとも圧力のかけやすい握り方をして、折曲
部４を曲げて、適当な圧力を除々に加えていく（第５図
参照）。必要以上に圧力をかけると、洗浄液の勢いで膣
内を傷つける可能性がある。使用者は、容器本体１の洗
浄液がなくなるまで繰り返して容器本体１を押して洗浄
する。洗浄液は洗浄と同時に自然に体外に流れ出るが、
折曲部４を上方に曲げているので容器本体１を握ってい
る手や、衣類がぬれたりしない。

［その他の実施例］ 第６図（ａ）、（ｂ）は、挿入部の先端に設けられたノ
ズル６の部分の他の実施例を示す。ノズルの外周に断面
が半円20を４個設け、半円の軸線を噴出方向から傾けて
設けたものである。ノズル６から出る精製水は、拡大す
るように噴出する。このため膣壁に精製水が拡散して当
たり膣壁についた汚れを有効に流すことができる。

第７図は、更にノズル６の他の実施例を示す前面図であ
る。ノズル部分が哺乳びんの吸口のように十字状にスリ
ット25が入っている。このスリット25は、圧力をかけな
い限り万一ノズル６から洗浄液が流れることはない。こ
のスリット25を設けることで圧力のかけ方によりノズル
からの洗浄時の噴流をやわらげまた排出物、汚水が容器
本体１の洗浄液の中へ逆流入するのを防ぐ。

第８図は、挿入部の下端に下向きに広がったカサ状30の
ものをつけた図である。これは、膣内を傷つける原因で
ある挿入しすぎで膣口を傷つけたり、折曲部で膣道や膣
入口などを傷つけないようにするものである。

［考案の効果］ 以上、詳記したように、この考案は、ノズル、容器本体
を射出成形により一体化したことで、洗浄液を充填しや
すくなり、また、折曲部を曲げることにより手や衣類を
ぬらすことなしに使用しやすくなる。また、容器、袋に
収納するとき折曲部が、容器本体の長軸と挿入部の軸線
とが平行になるまで曲がるのでコンパクトになる。使い
捨てなので雑菌がつくという心配もない。またブロー成
形で同時に容器部分とノズル部が成形できるので生産性
が高い。

また精製水（洗浄液）の注入口には、これを密封する栓
体が設けられ、かつノズルに封止手段が設けられている
ので、常に衛生状態が保たれた精製水を有する使い捨て
洗浄器を供給できる。

また、容器本体は楕円体からなるので、使用時にこれを
手のひらに載せて握りやすく、従って容易に圧力を発生
させることができる。

さらに、挿入部はその先端から根元部にかけて径が漸減
する形状をしているので、挿入部の先端が膣壁に掛止
し、精製水の噴出時の反作用や、挿入後の戻り水の圧力
などによって挿入部が膣外に簡単に抜け出すことがな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、使い捨て衛生用膣洗浄器の概観図、第２図は
ノズルの断面図、第３図は注入口の断面図、第４図は使
い捨て衛生用膣洗浄器を袋に収納した状態をを示す図、
第５図は使い捨て衛生用膣洗浄器の使用状態を示す図、
第６図（ａ）、（ｂ）はノズルの他の実施例、第７図
（ａ）、（ｂ）はノズルの更に他の実施例を示す図、第
８図は使い捨て衛生用膣洗浄器の更に他の実施例を示す
図である。 １……容器本体、２……注入口、４……折曲部、５……
挿入部、６……ノズル、10……キャップ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭47−35198（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−26242（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭38−491（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭52−14635（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭51−16959（ＪＰ，Ｙ２) 登録実用新案24856（ＪＰ，Ｚ１) 登録実用新案16544（ＪＰ，Ｚ１)

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】a.洗浄液が充填される楕円体からなる容器
   本体（１）と、 b.この容器本体（１）の長軸方向の一端に設けられた注
   入口（２）と、 c.この注入口（２）を密封するための栓体（３）と、 d.前記容器本体（１）の前記長軸方向の他端に設けら
   れ、この容器本体（１）と連通する蛇腹状の折曲部
   （４）と、 e.この折曲部（４）の延長線上に設けられて前記折曲部
   （４）と連通し、かつ先端から前記折曲部（４）に連な
   る根元部にかけて径が漸減する挿入部（５）と、 f.この挿入部（５）の先端に設けられ、この挿入部
   （５）と連通するノズル（６）と、 g.このノズル（６）に被着され、その先端孔を封止する
   封止手段（10）とからなり、 h.前記容器本体（１）、折曲部（４）、挿入部（５）お
   よびノズル（６）が一体成形され、 i.前記折曲部（４）は、この折曲部（４）を最大限屈曲
   させたとき前記容器本体（１）の長軸と前記挿入部
   （５）の軸線とがほぼ平行となるような長さを有してい
   ることを特徴とする使い捨て衛生用腟洗浄器。
2. 【請求項２】請求項１において、前記ノズル（６）が前
   記容器本体（１）の精製水を噴出するときに、噴出水が
   拡散または抑制されるように働くノズルである使い捨て
   衛生用腟洗浄器。