JPH0246785Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、衛生洗浄器のハンドノズルに係
り、特に簡単な操作で、２つの異なつた形態の噴
射洗浄を行なうことができるようにした衛生洗浄
器のハンドノズルに関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

最近、痔疾患者や病気療養者の衛生確保あるい
は女性の生理中、妊娠中の衛生確保等のために衛
生洗浄器が普及しつつある。このような衛生洗浄
器は、設置形態から分類して、洗浄ノズルを便座
に固定する固定タイプのものと、洗浄ノズルを手
に持つて操作するハンドタイプのものとがある。

ところで、ハンドタイプのもののハンドノズル
は、通常、握り部と、上記握り部から延びる案内
管部と、上記握り部と上記案内管部との境界に設
けられた鍔部とを有し、洗浄液供給源から供給さ
れた洗浄液を上記握り部内および上記案内管部内
を経由させて上記案内管部の先端部から被洗浄部
位に向けて噴射させるように構成されている。そ
して、一般に、案内管部の先端に、単に１条の噴
流だけを噴射させる噴射口を設けたものとなつて
いる。

しかしながら、このように構成された従来の衛
生洗浄器のハンドノズルにあつては次のような問
題があつた。すなわち、この種の衛生洗浄器は、
主として下半身の洗浄に供されるが、被洗浄部位
によつては、単に１条だけの噴流より複数条の噴
流の方が洗浄といつた面からみるとより好ましい
場合がある。しかし、従来のハンドノズルでは、
単に１条の噴流しか噴射できないため、被洗浄部
位に応じた好ましい形態の洗浄ができない欠点が
あつた。

そこで、このような不具合を解消するために、
被洗浄部位に応じて、最も好ましい形態の洗浄が
行なえるノズルに交換することが考えられる。し
かし、このようにすると、交換作業を伴うので、
使い難くなるのを免れ得ない。

〔考案の目的〕

この考案は、このような事情に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、極めて簡単、
かつ衛生的な操作だけで、所望の形態の噴流を噴
射させることができ、使い易い衛生洗浄器のハン
ドノズルを提供することにある。

〔考案の概要〕

この考案は、握り部と、上記握り部から延びる
案内管部と、上記握り部と上記案内管部との境界
に設けられた鍔部とを有し、洗浄液供給源から供
給された洗浄液を上記握り部内および上記案内管
部内を経由させて上記案内管部の先端部から被洗
浄部位に向けて噴射させるようにした衛生洗浄器
のハンドノズルにおいて、前記案内管部を実質的
に、前記握り部に固定されて上記握り部内に連通
するとともに１条の噴流を噴射させる第１の噴射
口と複数条の噴流を噴射させる第２の噴射口とを
先端部周壁に離間して設けてなる内管と、この内
管の外側にスライド可能に装着されるとともに上
記スライドに伴なつて前記第１の噴射口および第
２の噴射口を選択的に解放する弁孔を先端部周壁
に有し、かつ前記握り部側に位置する部分にスラ
イド操作用の突起を有してなる外管とで構成して
なることを特徴としている。

〔考案の効果〕

この考案によれば、操作用突起を操作して外管
をスライドさせ、この外管に設けられている弁孔
を第１の噴射口あるいは第２の噴射口に合せるだ
けで、１条または複数条の噴流を噴射させること
ができる。したがつて、噴流形態を切替えるため
の操作を極めて簡単に、しかも衛生的に行なうこ
とができるので、使用範囲の拡大化ならびに使い
易さの向上化を図ることができる。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。

第１図は、この考案の一実施例に係るハンドノ
ズルの外観を示すものである。すなわち、このハ
ンドノズルは、大きく別けて、比較的大径に形成
された握り部１と、この握り部１から真直ぐ同軸
的に延びるように設けられるとともに上記握り部
１より小径に形成された案内管部２と、この案内
管部２と握り部１との境界に設けられた鍔部３と
で構成されている。

握り部１には、内部に洗浄液流路１１（第３図
参照。）が形成されており、この洗浄液流路１１
の一端側は接続管１２およびフレキシブルなチユ
ーブ１３を介して図示しない洗浄液供給源に接続
されている。また、上記洗浄液流路１１の途中位
置には、この流路を選択的に断続させる弁機構
（図示せず。）が設けてあり、この弁機構の操作釦
１４は外部に突出するように設けられている。

前記案内管部２は、第３図に示すように、一端
部が前記洗浄液流路１１に通じるように前記握り
部１に液密に接続され、他端部が半球状の封止体
で封止されてなる内管２１と、この内管２１の外
側に軸方向にスライド自在に嵌合装着された外管
２２とで構成されている。内管２１の先端部外周
面で、かつ一部分には外周面の曲率をなくした平
坦面２３が形成されており、この平坦面２３が位
置する部分の周壁には細い透孔を１個だけ有した
第１の噴射口２４と、細い透孔を３個隣接させた
第２の噴射口２５とが軸方向に離間して設けられ
ている。前記外管２２は、前記内管２１より若干
短い長さに形成されており、その先端部内周面
で、上記内管２１に設けられた平坦面２３に対向
する位置には、この部分の曲率をなくした平坦面
２６が形成されている。そして、上記平坦面２６
と前記平坦面２３との間には、耐腐蝕性に富んだ
パツキング材２７が上記平坦面２６に接着材で固
定されて介挿されている。また、外管２の先端部
で前記パツキング材２７の固定されている部分に
は、上記パツキング材２７を一体的に貫通すると
ともに平坦面２３に近付くに従つて小径となるテ
ーパー状の弁孔２８が形成されている。なお、弁
孔２８は、外管２２を軸方向にスライドさせたと
き前述した第１の噴射口２４および第２の噴射口
２５をそれぞれ独立に解放し得る口径に設定され
ている。

一方、前記鍔部３は、その大部分が前記握り部
１と一体的に形成されており、残りの部分が外管
２２の握り部１側に位置する端部に突設されたス
ライド操作用の突起２９によつて形成されてい
る。なお、第３図中、３０は内管２１の外面に突
設されたガイド突起を示し、また３１は外管２２
に設けられ上記ガイド突起３１と嵌合して外管２
２の軸方向へのスライド量を規制する長孔を示し
ている。

このような構成であると、握り部１を握つた状
態で、たとえば親指で第１図中実線矢印Ｐで示す
方向に操作用突起２９を操作して外管２２を軸方
向にスライドさせることによつて第２図ａに示す
ように弁孔２８が第２の噴射口２５を解放した状
態と、同図ｂに示すように弁孔２８が第１の噴射
口２４を解放した状態とに自由に設定することが
できる。したがつて、上記のように設定した状態
で、操作釦１４を押圧操作すれば、第２図ａの状
態に設定されているときには３条の噴流が噴射さ
れることになり、また第２図ｂの状態に設定され
ているときには１条の噴流が噴射されることにな
り、被洗浄部位に応じた洗浄が行なえることにな
る。

そして、この場合には、単に外管２２をスライ
ド操作するだけと言つた、極めて簡単な操作で切
替えることができる。また、操作用突起２９を洗
浄液の掛かり難い握り部１側に設けているので手
を濡らすことなく、衛生的に切替えることができ
るので、結局、前述した効果が得られることにな
る。

なお、この考案は上述した実施例に限定される
ものではない。すなわち、上述した実施例では、
外管２２を軸方向にスライドすることによつて、
第１、第２の噴射口２４，２５を選択的に解放さ
せているが、外管を軸回りにスライドさせること
によつて選択的に解放させるように構成してもよ
い。このようにすると、外管の先端部を閉塞する
ことが可能となり、汚れのつき難い、つまり凹凸
の少ない外面形状とすることができるので、好ま
しいものとなる。また、外管に設けられる操作用
突起そのもので鍔部全部を構成するようにしても
よい。さらに、外管は完全な筒状でなくてもよ
く、内管との嵌合形態を保持できるものであれば
よい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る衛生洗浄器
のハンドノズルの外観図、第２図ａ，ｂは同ハン
ドノズル使用形態をそれぞれ説明するための図、
第３図は同ハンドノズルの要部縦断面図である。 １……握り部、２……案内管部、３……鍔部、
２１……内管、２２……外管、２４……第１の噴
射口、２５……第２の噴射口、２８……弁孔、２
９……操作用突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 握り部と、上記握り部から延びる案内管部
   と、上記握り部と上記案内管部との境界に設け
   られた鍔部とを有し、洗浄液供給源から供給さ
   れた洗浄液を上記握り部内および上記案内管部
   内を経由させて上記案内管部の先端部から被洗
   浄部位に向けて噴射させるようにした衛生洗浄
   器のハンドノズルにおいて、前記案内管部は実
   質的に、前記握り部に固定されて上記握り部内
   に連通するとともに１条の噴流を噴射させる第
   １の噴射口と複数条の噴流を噴射させる第２の
   噴射口とを先端部周壁に離間して設けてなる内
   管と、この内管の外側にスライド可能に装着さ
   れるとともに上記スライドに伴なつて前記第１
   の噴射口および第２の噴射口を選択的に解放す
   る弁孔を先端部周壁に有し、かつ前記握り部側
   に位置する部分にスライド操作用の突起を有し
   てなる外管とで構成されてなることを特徴とす
   る衛生洗浄器のハンドノズル。 (2) 前記外管の突起は、前記鍔部の全部もしくは
   一部と兼用されたものであることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の衛生洗浄
   器のハンドノズル。