JPH07222588A - イネ細胞質雄性不稔回復系統の遺伝子診断法 - Google Patents

イネ細胞質雄性不稔回復系統の遺伝子診断法

Info

Publication number
JPH07222588A
JPH07222588A JP1616294A JP1616294A JPH07222588A JP H07222588 A JPH07222588 A JP H07222588A JP 1616294 A JP1616294 A JP 1616294A JP 1616294 A JP1616294 A JP 1616294A JP H07222588 A JPH07222588 A JP H07222588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rice
cytoplasmic male
gene
seq
male sterility
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1616294A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuto Fujimura
達人 藤村
Hiroaki Shimada
浩章 島田
Norio Ichikawa
範夫 市川
Yoko Etsuno
葉子 越野
Atsushi Nakamura
淳 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP1616294A priority Critical patent/JPH07222588A/ja
Publication of JPH07222588A publication Critical patent/JPH07222588A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 イネの細胞質雄性不稔形質の有無を検定す
る簡便な方法を提供する。 【構成】 イネ細胞質雄性不稔回復遺伝子または
非細胞質雄性不稔回復遺伝子に係わる塩基配列の有無を
特定のプライマーを用いてPCRにより増幅し、特定の
配列が増幅されたか否かにより検定する。 【効果】 雄性不稔回復系統および非雄性不稔回復系
統のそれぞれを容易に検定可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イネにおいて雄性不稔
回復遺伝子が存在するか否かを検定する方法に関し、ハ
イブリッド種子を生産するためのイネの検定および改良
に利用される。
【0002】
【従来の技術】細胞質雄性不稔(CMS)は、高等植物
に広く見られる現象で、細胞質と核ゲノムの不適合によ
って正常な花粉の発達が妨げられ、植物が不稔となる現
象である。細胞質雄性不稔を示す植物は、正常な花粉形
成能力を欠如してはいるが雌ずいは正常に発達してお
り、正常な花粉を交配することによって後代を得ること
ができる。また、この現象は細胞質に起因するため、す
べての後代が同じ性質を有することになる。この様な細
胞質雄性不稔の特性は、ハイブリッド種子を生産するた
めには極めて有用であり、ハイブリッド種子の商業生産
に広く利用されている。植物では一般に、雑種(ハイブ
リッド、F1(”エフワン”)=雑種第1代)にすると
多くの形質に関して両親のいずれよりも強壮となり、収
量および品質が向上することが古くから知られている。
この現象を雑種強勢と呼び、イネに応用したものがハイ
ブリッドライスである。
【0003】しかしながら、自家受精作物であるイネに
は、1つの穎花(=籾殻に包まれた花)に雌しべと雄し
べの両方が存在する。したがって、雑種種子を得るため
には、自家受精を避けるために採種予定イネの穎花の開
花直前に穎花内の雄しべをすべて取り除き(除雄)、父
親(花粉親)となる他のイネの穎花における雄しべの花
粉を採種予定イネの穎花の雌しべに受精させる必要があ
る。イネにおける従来の他家受精を行なう方法には、開
花前に1つ1つの穎花の雄しべを除雄し、その後、雑交
を避けるために袋をかぶせ、開花時期に花粉親の花粉と
受粉させ、また袋をかぶせるといった方法であった。し
かしながら、このような手交配を利用した方法は、商業
的規模での大量の雑種種子生産には全く利用できないも
のである。
【0004】そこで、イネのような自家受精作物でも雑
種種子を大量に得るために、雄性不稔を利用した採種体
系の導入が図られた。現在、ハイブリッドライスの生産
に関しては、細胞質雄性不稔系統を主軸とし、それを維
持するための系統、およびF1雑種生産のための稔性回
復系統(それぞれA−line、B−line、および
R−lineと呼ぶ)の3つの系統を用いた「三系法」
が確立されている。ハイブリッドライス作成において
は、その親系統である細胞質雄性不稔系統(Aライン)
と細胞質雄性不稔回復系統(Rライン)の両者について
純化を行なう必要がある。純化されたか否かの検定は従
来法であれば文字どおり種子稔性で調べることになる
が、莫大な労力と時間を要する。また、この操作は気候
や栽培条件に支配され低温日照不足など別の要因で雄性
不稔の現象が現われるなどの問題点がある。さらに、的
確な判断を下すためには検定母数を増やすなどの必要性
があるため、作業現場でのこの作業の効率化と簡略化が
求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はイネの
細胞質雄性不稔形質の有無を検定する簡便な方法を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、イ
ネ細胞質雄性不稔回復遺伝子または非細胞質雄性不稔回
復遺伝子に係わる塩基配列の有無を特異的に検出するこ
とにより、イネ細胞質雄性不稔形質の有無を遺伝子診断
する方法により達成される。以下、本発明につき、本発
明を見いだした経緯と共に具体的に説明する。
【0007】1990年に報告されたランダム増幅多型
DNA(RAPD)解析法は遺伝的に非常に近い2種の
生物の間の変異を調べるのに効果的である。これは、お
よそ10bpほどの単一のPCR(ポリメラーゼ連鎖増
幅反応)プライマーを用いて、アニーリング温度を下げ
た条件でPCRを行なう。一回のPCRで平均4個程度
のDNA断片が増幅されるが、この増幅のパターンが種
によって特異的であるので、この違いを検出することに
よって多型を調べることが可能である。この目的のため
に約800種以上の合成プライマーが市販されており、
これらをPCRのプライマーとして用いることによって
少なくとも3200の目印をゲノム上につけることがで
きる。
【0008】本発明者はハイブリッドライスのRライン
に存在する雄性不稔回復遺伝子を検出するために、この
RAPD解析法によるRライン特異的な増幅パターンを
調べた。その結果、多数のプライマーの中のただ1種の
プライマーを用いてPCRを行なった場合に、Rライン
に特異的な増幅断片が得られることが明らかとなった。
また、この系統と対立する稔性回復遺伝子を有しない系
統(非稔性回復系統)に特異的な断片を増幅することの
できるプライマーを同様の方法で見いだした。増幅され
たこれらの断片そのものが、雄性不稔回復遺伝子(R遺
伝子)あるいは非雄性不稔回復遺伝子そのものであると
結論することはできないが、調べた品種すべてにおい
て、これらの断片の存在または不存在と雄性不稔回復因
子の存在または不存在が完全に対応するため、これらの
断片を検出することがすなわち雄性不稔回復遺伝子の存
在または不存在の検出につながると考えられる。
【0009】しかしながら、RAPD法による検出法で
は、10mer程度の非常に短いプライマーを用いて低
いアニーリング温度でのPCR反応を行なう。そのた
め、PCRによって多数の不必要な断片の増幅が見られ
るので、増幅された多数の断片の中から稔性回復遺伝子
に対応する特定の断片の増幅があるかどうかの判定によ
って、遺伝子の有無を判定することになる。そのため、
この方法を用いての稔性回復遺伝子の検定を日常業務と
して行なうためには、かなりの熟練性を要し、しかも再
現性にもやや問題があることが指摘されている。そこ
で、これらの問題点を解決するため、反応条件およびプ
ライマーの根本的改良を行った。以下、これについて詳
述する。
【0010】(1)RAPD法による雄性不稔回復系統
および非雄性不稔回復系統にそれぞれ特異的な断片の検
出 細胞質雄性不稔は交配を重ねることによってインディカ
型の細胞質とジャポニカ型の核ゲノムを有するイネに生
じることがわかっている。ジャポニカ型イネである台中
65号とインディカ型イネであるChinsurah
Boro IIの交配により得られた雄性不稔イネT6
5−A系統と、これにインディカ型イネの核ゲノムに含
まれる稔性回復遺伝子Rf遺伝子を導入し、台中65号
による戻し交配を7回重ねることによって得られたT6
5−Aの稔性回復遺伝子を除く形質がほぼ等価な準同質
遺伝子系統T65−R系統がある。
【0011】これらの2つの系統のイネからRoger
sとBendichの方法(Rogers,SO. a
nd Bendich,AJ., Plant Mo
l.Biol. 5:69−76)に従い、ゲノムDN
Aを抽出した。得られたDNAを反応材料として、オペ
ロン社(米国カリフォルニア州アラメダ)によって販売
されているおよそ800種のRAPDプライマーのそれ
ぞれをPCRのプライマーとしてオペロン社の基本的実
験法に従って反応を行なった。T65−AとT65−R
の二つの系統のゲノムDNAは稔性回復遺伝子の周辺の
領域の遺伝子を除いて等価であると考えられる。そのた
め、両者の間で増幅される断片が異なる場合は、その増
幅された断片と稔性回復遺伝子との間で強い関連がある
ことが示唆される。RAPDプライマーを用いたPCR
の反応組成及び反応条件は以下のとおりである。10m
M Tris−HCl(PH8.3),50mM KC
l, 2mM MgCl2, 0.001% gela
tin, それぞれ100μMのdATP,dCTP,
dGTPおよびdTTP, 5ピコモルの10−bas
eからなるプライマーDNA, 25 ngのイネゲノ
ムDNA, 1ユニットのTaq DNA polym
erase(宝酒造あるいは東洋紡より購入)を含み、
合計25μlになるように水で調節した。反応サイクル
は、94℃1分、40℃1分、72℃2分、の繰り返し
を45回行なった後、72℃10分、その後4℃で維持
した。PCR反応はPerkin−Elmer−Cet
usDNA Thermal Cycler 480型
を使用した。反応後、70μlのクロロホルムを加えて
DNAを含む水層を抽出した。得られたDNA溶液のう
ち20μlを用いてアガロースゲル電気泳動を行ない、
増幅された断片の解析を実施した。アガロースゲル電気
泳動はCurrent Protocolsin Mo
lecular Biologyに記載されている方法
に従って0.5μg/mlのエチジウムブロマイドを含
む2.25%アガロースで、TAEバッファー(pH
7.6)中で100Vで約3時間電気泳動を行った。
【0012】大多数のプライマーを用いて増幅された断
片は二つの系統の間で全く差が認められなかった。しか
し、L−06プライマー(5’−GAGGGAAGA
G)を用いたときにはT65−R系統特異的な1.1k
bの大きさを有する断片が(図1)、AJ−08プライ
マー(5’−GTGCTCCCTC)を用いたときには
T65−A系統特異的に増幅される0.6kbの大きさ
を有する断片が(図2)、いくつかの共通に増幅される
断片の中に交じってそれぞれが特異的に増幅されること
がわかった。
【0013】(2)雄性不稔回復系統に特異的な断片の
単離と構造解析 前項において記載したT65−RにおいてL−06プラ
イマーを用いて増幅される1.1kbの特異的断片はア
ガロースゲル電気泳動を行なって単離し、末端をポリヌ
クレオチドキナーゼを用いてリン酸化したあと、プラス
ミドpUC19のHincII部位にクローニングし
た。得られたプラスミドpL06Rについて制限酵素切
断地図を作成した。さらにダイデオキシ法によって塩基
配列を決定した。これによって得られた塩基配列を配列
番号1に示す。この配列を、GenBank DNAデ
ータベースを用いて相同性を有する配列を検索したが、
該当する配列は存在しなかった。このことはこれまでに
報告のない新規な塩基配列であることを示す。
【0014】(3)稔性回復系統特異的断片増幅用プラ
イマーの作成と稔性回復系統の検定法の改良 L−06プライマーを用いる検定法では非特異的に増幅
される断片が多数存在する。それゆえL−06プライマ
ーの改良により不要な断片の増幅を抑えることを試み
た。特異的断片の塩基配列をもとにL−06プライマー
配列を改良することを試みた。そこ結果、11塩基から
なるL06AA(5’−GAGGGAAGAGG(配列
番号3))およびL06AB(5’−GAGGGAAG
AGC(配列番号4))のプライマーの組合せでPCR
を行なった場合に、最も効率よく稔性回復系統に特異的
な断片が増幅された。このPCRの場合、反応条件は9
4℃1分、45℃ 1分、72℃ 2分のサイクルを4
5回繰り返した後、72℃で10分間保持した。このP
CRによる検定では、稔性回復遺伝子系統に特異的な断
片の他にいくつかの非特異的な断片の増幅が見られた
が、目的とする1.1kbの特異的断片が最も強く増幅
された。さらに、さまざまなインディカ種のイネ(稔性
回復遺伝子を有する)から調製したゲノムDNAを用い
て同様のPCRを行なったところ、この1.1kb断片
に対応するバンドが増幅されることが確認された。一
方、ジャポニカ品種(稔性回復遺伝子を有しない)ゲノ
ムDNAを用いてPCRを行なった場合には全く断片の
増幅が見られなかった。さらに、このプライマーを用い
たPCRを行なった場合には、前述のL−06プライマ
ー(10mer)を用いた方法と比較して、非特異的増
幅バンドの数がきわめて少ないため、稔性回復系統の判
断が非常に容易になった。
【0015】さらに、稔性回復系統に特異的に増幅され
る1.1kb断片の塩基配列をもとに、20merから
なるプライマー7種類を合成した。これらのプライマー
を様々に組み合わせてPCRを行なった。PCRの反応
組成は変えずに、反応サイクルを、94℃1分、55℃
2分、72℃3分、合計30サイクルに変更した。その
結果、10組の組合せのうちL06RAおよびL06R
Rの2種のプライマー(塩基配列:5’−TTGACG
CCTTCGTCCTCTAC(配列番号5)および
5’−AGACGTAACAAGATGATCGA(配
列番号6))を組み合わせて反応を行なった場合に稔性
回復系統に特異的な0.6kbバンドのみが増幅された
(図3)。さらに、さまざまなインディカ種のイネ(稔
性回復遺伝子を有する)から調製したゲノムDNAを用
いて同様のPCRを行なったところ、この0.6kb断
片に対応するバンドが増幅されることが確認された。一
方、ジャポニカ(稔性回復遺伝子を有しない)ゲノムD
NAを用いてPCRを行なった場合には全く断片の増幅
が見られなかった。さらに、このプライマーを用いたP
CRを行なった場合には、前述のL−06プライマー
(10mer)を用いた方法と比較して、非特異的増幅
バンドが全く生じないため、判断が非常に容易になっ
た。
【0016】このPCRによって増幅された断片は前項
で述べたのと同様に単離を行ない、プラスミド pUC
19にクローニングし、塩基配列を決定した(配列番号
9)。得られた塩基配列はpL06Rに含まれる1.1
kbの断片の一部に対応していた。この断片は前述の
1.1kb断片の一部であり、この0.6kb断片を検
出することで稔性回復遺伝子を持つかどうかの検定が可
能である。さらにこのL06RAおよびL06RRの2
つのプライマーを組み合わせたPCRによる検定を行な
った場合には、イネ品種に稔性回復遺伝子があるかどう
かの検定をきわめて簡便に行なうことができた。
【0017】(4)非雄性不稔回復系統に特異的な断片
の単離と構造解析 第(1)項において記載したT65−AにおいてAJ−
08プライマーを用いて増幅される0.6kbの特異的
断片をアガロースゲル電気泳動を行なって単離し、末端
をポリヌクレオチドキナーゼを用いてリン酸化した後、
プラスミドpUC19のHincII部位にクローニン
グした。得られたプラスミドpAJ08Aについて制限
酵素切断地図を作成した。さらにダイデオキシ法によっ
て塩基配列を決定した。これによって得られた塩基配列
を配列番号2に示す。この配列を、GenBank D
NAデータベースを用いて相同性を有する配列を検索し
たが、該当する配列は存在しなかった。このことはこれ
までに報告のない新規な塩基配列であることを示す。
【0018】(5)非稔性回復系統特異的断片増幅用プ
ライマーの合成と非稔性回復系統検定法の改良 非稔性回復系統で特異的に増幅される断片の塩基配列を
もとに、稔性回復系統の検定で実施したのと同様にプラ
イマーの改良を試みた。AJ−08プライマーを用いる
検定法では非特異的に増幅される断片が多数存在する。
それゆえAJ−08プライマーの改良により不要な断片
の増幅を抑えることを試みた。
【0019】特異的断片の塩基配列をもとにAJ−08
のプライマー配列を改良することを試みた。そこ結果、
11塩基からなるAJ08AA(5’−GTGCTCC
CTCC(配列番号7))およびAJ08AB(5’−
GTGCTCCCTCT(配列番号8))のプライマー
の組合せでPCRを行なった場合に、最も効率よく非稔
性回復系統に特異的な断片が増幅された。このPCRの
場合、反応条件は94℃ 1分、45℃ 1分、72℃
2分のサイクルを45回繰り返した後、72℃で10
分間保持した。このPCRによる検定では、非稔性回復
遺伝子系統に特異的な断片の他にいくつかの非特異的な
断片の増幅が見られたが、目的とする0.6kbの特異
的断片が最も強く増幅された(図4)。さらに、さまざ
まなジャポニカ種のイネ(稔性回復遺伝子を有しない)
から調製したゲノムDNAを用いて同様のPCRを行な
ったところ、この0.6kb断片に対応するバンドが増
幅されることが確認された。一方、インディカ品種(稔
性回復遺伝子を有する)ゲノムDNAを用いてPCRを
行なった場合には全く断片の増幅が見られなかった。さ
らに、このプライマーを用いたPCRを行なった場合に
は、前述のL−06プライマー(10mer)を用いた
方法と比較して、非特異的増幅バンドの数がきわめて少
ないため、非稔性回復系統の判断が非常に容易になっ
た。
【0020】このPCRによって増幅された断片は前項
で述べたのと同様に単離を行ない、プラスミド pUC
19にクローニングし、塩基配列を決定した(配列番号
10)。得られた塩基配列はpAJ08Aに含まれる
0.6kbの断片に対応していた。すなわち、これらの
プライマーによって増幅された断片は前述の非稔性遺伝
子系統に特異的な0.6kb断片と同一のものであり、
この0.6kb断片を検出することで稔性回復遺伝子を
持たないどうかの検定が可能である。さらにこのAJ−
08AAおよびAJ−08ABの2つのプライマーを組
み合わせたPCRによる検定を行なった場合には、イネ
品種に稔性回復遺伝子がないかどうかの検定をきわめて
簡便に行なうことができた。また、ハイブリッドライス
の母親として用いることができる雄性不稔系統(稔性回
復遺伝子を持たない)のイネよりゲノムDNAを抽出
し、これらのプライマーを用いたPCRを行なったとこ
ろ、すべての雄性不稔系統において、再現性よく特異的
にこの0.6kbの断片が増幅されることを確認した。
【0021】(6)稔性回復系統検定法の簡便化 多数のイネの品種の検定を行なう場合、イネゲノムDN
Aの抽出操作がかなり煩わしいものとなる。そこで、D
NAの抽出法の簡便化を検討した。Thompsonら
の方法(Nucl Acids Res. 19:13
49, 1991)を参考にした。まず、5mm四方ぐ
らいの大きさのイネの葉を、エッペンドルフチューブの
蓋に挟んで打ち抜き、これに400μlの200mM
Tris−HCl−250mM NaCl−25mM
EDTA−0.5% SDSを加え、プラスチックの棒
を用いてイネの葉を押しつぶした。この結果、イネの葉
が潰れ、葉から汁がでてくる。これを15,000 r
pmで1分間遠心分離して上清にきた可溶性画分を単離
した。
【0022】これをPCR用のサンプルとし、このうち
1μlをPCRに用いた。PCR反応では微量の試料を
扱うため、まとめて量り取れるように検定法を改良し
た。反応溶液の組成は一般のPCRとほぼ同じである
(10mM Tris−HCl(pH 8.3)、50
mM KCl、2mM MgCl2、0.001% g
elatin、100μM dNTP (dATP,d
TTP,dGTP,dCTP mixture)、5
pM each primer、25 ng temp
late DNA、1 unit Ampli−Taq
DNA polymerase)。反応溶液はこれら
のうちプライマー、テンプレートDNAおよび酵素を除
くものを予めまとめて反応混合液として調製し、凍結保
存した。反応混合液2500μlが100サンプル分に
相当する。反応条件は稔性回復系統特異的断片を検出す
る場合には、L06RA(5’−TTGACGCCTT
CGTCCTCTAC(配列番号5))およびL06R
R(5’−AGACGTAACAAGATGATCGA
(配列番号6))の2つのプライマーを用い、94℃1
分、55℃ 1分、72℃ 2分のサイクルを30回繰
り返した後、72℃10分で保持した。非稔性回復系統
特異的断片を検出する場合には、AJ08AA(5’−
GTGCTCCCTCC(配列番号7))およびAJ0
8AB(5’−GTGCTCCCTCT(配列番号
8))の2つのプライマーを用い、94℃ 1分、45
℃ 1分、72℃ 2分のサイクルを45回繰り返した
後、72℃で10分保持した。得られた反応生成物のう
ちそれぞれ15μlを用いて1.5%のアガロースゲル
電気泳動により増幅された断片を検定した。
【0023】その結果、これらのプライマーによって効
率よく、しかも稔性回復系統および非稔性回復系統に特
異的に断片の増幅が見られた。すなわち、改良した検定
法によって、再現性よく特異的に稔性回復系統あるいは
非稔性回復系統を調べることが可能であることが明らか
となった。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の方法により稔性回復系統と
非稔性回復系統の検定を行った実施例を示す。 実施例1 さまざまなジャポニカ種のイネ品種(稔性回復遺伝子を
有しない)、インディカ種のイネ品種(稔性回復遺伝子
を有する)、ハイブリッドライスの母親系統である雄性
不稔イネ系統(稔性回復遺伝子を有しない)、同父親系
統である稔性回復系統から調製したゲノムDNAを用い
て、L−06RAとL−06RRの組合せで、あるいは
AJ−08AAとAJ−08ABの組合せで、稔性回復
系統および非稔性回復系統の検定のPCRを行なったと
ころ、稔性回復遺伝子が存在すること、あるいは存在し
ないことに、それぞれ一対一対応した(表1)[表
1]。
【0025】
【表1】 表1.イネ品種(系統)におけるPCRによる稔性回復系統あるいは非稔性回 復 系統の検定と稔性回復遺伝子の存在との関連性の調査 ───────────────────────────── 品種(系統)名 Rf遺伝子 特異的断片増幅の有無 の有無 L-06-XY AJ-08-XY ───────────────────────────── T65-A なし − + T65-R あり + − IR24 あり + − IR36 あり + − IR8 あり + − IR9761 あり + − Chinsurah Boro II あり + − 密陽23号 あり + − 南京11号 あり + − ササニシキ なし − + コシヒカリ なし − + キヌヒカリ なし − + つがるおとめ なし − + ミヤマニシキ なし − + コガネモチ なし − + ───────────────────────────── これらの結果から、イネ品種に稔性回復遺伝子の有無を
2種類のPCRを組み合わせることによって、これらの
系統の検定をきわめて簡便に行なうことができることが
明らかとなった。
【0026】実施例2 F2分析による特異的断片と稔性回復遺伝子との遺伝的
関連性の検定 前述のPCRプライマーによって断片が特異的に増幅さ
れることと、稔性回復遺伝子の有無の間での遺伝的連鎖
をF2分析によって調べた。稔性回復遺伝子を有しない
ジャポニカ優性不稔品種(T65−A)を母本とし、こ
れに稔性回復遺伝子を有するインディカ品種(MTC4
2R)の花粉を交配した。その結果得られた種子を栽培
し、248粒のF2種子を得た。これらのF2種子を播
種し、温室内で栽培した。F2植物からDNAを抽出
し、稔性回復系統および非稔性回復系統の検定を行なっ
たところ、およそ3:1の割合で、稔性回復遺伝子を有
する系統と有しない系統に分離した。両者ともに増幅が
見られる系統あるいは両者ともに増幅のない系統は現わ
れず、2つの遺伝子領域は一致する、あるいは非常に近
接していることが示唆された。また、F2世代における
分離の割合から、これらの特異的断片の有無が優性に遺
伝することを明らかになった。これらの系統をのイネが
稔性を持っているかどうかを、種子稔性検定によって調
べた。その結果、稔性回復系統に特異的な増幅が見られ
た系統ではすべて種子稔性が見られた。このことは、こ
れらの系統に稔性回復遺伝子が遺伝していることを示
す。一方、非稔性回復系統に特異的な増幅が見られた系
統からは種子が得られなかった。すなわち、これらの系
統には稔性回復遺伝子が存在しないことを意味する。言
い換えれば、稔性回復遺伝子の存在の有無と、これらの
特異的な増幅が完全に連鎖していることになる。すなわ
ち、今回開発したPCRによる稔性回復系統および非稔
性回復系統検定法によって、稔性回復遺伝子の有無を簡
便にかつ確実に検定することが可能であることが明らか
になった。
【0027】
【発明の効果】本発明では、雄性不稔回復系統および非
雄性不稔回復系統にそれぞれ特異的な断片の塩基配列を
決定し、これらを特異的に増幅するPCRプライマーを
作成し、これによる特異的断片の検出方法を開発し、発
明の完成に到ったものである。したがって、本発明のプ
ライマーを用いてPCRを行なうことにより雄性不稔回
復系統および非雄性不稔回復系統のそれぞれを非常に容
易に検定することが可能となった。さらに、この方法に
よる検定はハイブリッドライスの親系統の品質検査と品
質保証に使用することが可能である。
【0028】
【配列表】
【0029】配列番号 :1 配列の長さ:1137 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源: 生物名:オリザ サティバ(Oryza sativa) 組織の種類:緑葉 配列 GAGGGAAGAG GAGGAAGAAG AAGAGGAAGA AGCTGGTGAC GGTGAAGCTG AGCGACGAGC 60 TGATGGGATA CCTGCGGACC AAGGAGGTGA TGCCCTACCT CGCGCGCGAG ACGCCTCGCC 120 CGCTCCCGAT CGATCCCAGC ATCGCGCACA CATGTTCATT GGCCAAGAAC TCAGGCAGGA 180 AATCGCCGCC CAAGTTCACG AGAACAGAGA ATTTGACGCC TTCGTCCTCT ACCAGTACCG 240 CACCAAGGGC TACGCCGAGA TCCAGCAGGA GGTCACCGAC GACGACGACG ACGACGGCTA 300 GAATCTGTAT GGTATGTTTG GGCAGGGATC GATAATGGTT TGGGGTTGGT GGTATGGAGG 360 AGTAATGCTT ATCTAAATAT TTACTAGGGT GGCTCTGCTG CTCATTATTT AGGATATAAT 420 TACCATGGAC AATGGTGTTA TTATGGCCAT ATCTTTGCTA CTCTCTCCGT TCCATAATAT 480 AAGATACAAC TATTTTTTAG GGGGACCACC TATACATTTG CCGATAAATT TTCTTCTGAA 540 AATTTGACAG ATGTAATTAT AGTACAATCG TAGTGTAATT ACACTGTAAC TTATATATAA 600 CTAGTAATAT GCCCGTGCTA AACGCTACGG GGTAATTATG TTTGTCTTTA ATAACATTTA 660 AAATTTCATG TTAGCAATTT TTTTTCTGTT AGCATAAGGT CGTCAATATA AACTCAAATA 720 ACAGTATGAT ATGATATAGA TATCTTAATA ATAGTTTCAC CATGTTAAAC AAGATAACAA 780 TTGTCGATCA TCTTGTTACG TCTTCTTTCA AGATATACAT GGAACAACTA CTAAAATTTG 840 CCAATGGCAA CAGTAAATAT TTAGTGAGAC ACAAGTGTTA ATATATAGTC ATGTTATCAG 900 TCCAGTGCAA ATTGACGCAT CTAGAACACG ATGGTATGGA GAAGATAATC TCACAATATT 960 ACACCTGAGT AGTGATGACG TGCTGTACAA AAACAAGAGG AAGTTGGTGA GTAACATTCC 1020 GATTAACAAT TTACTACCTT CTAAAATATA TTTTCGAATT AATTTTGATC ATGCGAACCT 1080 ACCTTTGCTC ACCAGTCAAG AACGTCTTTA TACACGTATT TCTGGTGCTC TTCCCTC 1137
【0030】配列番号 :2 配列の長さ:623 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源: 生物名:オリザ サティバ(Oryza sativa) 組織の種類:緑葉 配列: GTGCTCCCTC CAATGTAATG CTTATGTGCT AGTATATATA TTACTAGTTT TCTATTTAGT 60 CGGTGATGCA GTCGTGCATC ATGCAAACTC ATCTCCAACC ATCTATTATG TATTTCCTTT 120 TGTTCCACTT TTTATAAGAG CCATCAGTTT ATTTTGACTT TTGAGCTAGC TTCTCCAGAA 180 AAATCCAATA ATCTTTTTTC CCTGATCTAA ATATGGGGCC CCTGCATTTT TTCTGATATA 240 AACAACATCC TAGTTACTGA AACTGTCGGT GCGTAGTGGA TGTGCTTTCT TCATGTACAC 300 TTAGCTTAAT CAGGCCACTA ATTAATTGAC TGAACACCTT TGACTACTAT ACAACACAGT 360 CTCTCTCTCA CACACACACT GTACTTGCTT CATCCACAAA CAAGAGATAT ATTCTATAGG 420 TGTGCACAGT CGTATATAGA ATCATATAAA AATCATACGT GTAGAGATTT GTCTCTCGAG 480 GAATCATTTA AAATGACAGT AGCACAATGC AAATTAGTAG GTCTAAACAG TACAAGAATT 540 TTGGTTAATG CCAGCTGTTG GGAGATGTAT ATATAACCTA ATCAAATTTG GGCTAATCAT 600 TTACTTATTG TGAGAGGGAG CAC 623
【0031】配列番号 :3 配列の長さ:11 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GAGGGAAGAGG
【0032】配列番号 :4 配列の長さ:11 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GAGGGAAGAGC
【0033】配列番号 :5 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TTGACGCCTTCGTCCTCTAC
【0034】配列番号 :6 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 AGACGTAACAAGATGATCGA
【0035】配列番号 :7 配列の長さ:11 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTGCTCCCTCC
【0036】配列番号 :8 配列の長さ:11 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTGCTCCCTCT
【0037】配列番号 :9 配列の長さ:591 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源: 生物名:オリザ サティバ(Oryza sativa) 組織の種類:緑葉 配列 TTGACGCCTT CGTCCTCTAC CAGTACCGCA CCAAGGGCTA CGCCGAGATC CAGCAGGAGG 60 TCACCGACGA CGACGACGAC GACGGCTAGA ATCTGTATGG TATGTTTGGG CAGGGATCGA 120 TAATGGTTTG GGGTTGGTGG TATGGAGGAG TAATGCTTAT CTAAATATTT ACTAGGGTGG 180 CTCTGCTGCT CATTATTTAG GATATAATTA CCATGGACAA TGGTGTTATT ATGGCCATAT 240 CTTTGCTACT CTCTCCGTTC CATAATATAA GATACAACTA TTTTTTAGGG GGACCACCTA 300 TACATTTGCC GATAAATTTT CTTCTGAAAA TTTGACAGAT GTAATTATAG TACAATCGTA 360 GTGTAATTAC ACTGTAACTT ATATATAACT AGTAATATGC CCGTGCTAAA CGCTACGGGG 420 TAATTATGTT TGTCTTTAAT AACATTTAAA ATTTCATGTT AGCAATTTTT TTTCTGTTAG 480 CATAAGGTCG TCAATATAAA CTCAAATAAC AGTATGATAT GATATAGATA TCTTAATAAT 540 AGTTTCACCA TGTTAAACAA GATAACAATT GTCGATCATC TTGTTACGTC T 591
【0038】配列番号 :10 配列の長さ:623 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源: 生物名:オリザ サティバ(Oryza sativa) 組織の種類:緑葉 配列: GTGCTCCCTC CAATGTAATG CTTATGTGCT AGTATATATA TTACTAGTTT TCTATTTAGT 60 CGGTGATGCA GTCGTGCATC ATGCAAACTC ATCTCCAACC ATCTATTATG TATTTCCTTT 120 TGTTCCACTT TTTATAAGAG CCATCAGTTT ATTTTGACTT TTGAGCTAGC TTCTCCAGAA 180 AAATCCAATA ATCTTTTTTC CCTGATCTAA ATATGGGGCC CCTGCATTTT TTCTGATATA 240 AACAACATCC TAGTTACTGA AACTGTCGGT GCGTAGTGGA TGTGCTTTCT TCATGTACAC 300 TTAGCTTAAT CAGGCCACTA ATTAATTGAC TGAACACCTT TGACTACTAT ACAACACAGT 360 CTCTCTCTCA CACACACACT GTACTTGCTT CATCCACAAA CAAGAGATAT ATTCTATAGG 420 TGTGCACAGT CGTATATAGA ATCATATAAA AATCATACGT GTAGAGATTT GTCTCTCGAG 480 GAATCATTTA AAATGACAGT AGCACAATGC AAATTAGTAG GTCTAAACAG TACAAGAATT 540 TTGGTTAATG CCAGCTGTTG GGAGATGTAT ATATAACCTA ATCAAATTTG GGCTAATCAT 600 TTACTTATTG TGAGAGGGAG CAC 623
【図面の簡単な説明】
【図1】イネゲノムDNAをL−06プライマーを用い
てPCRを行なった結果を表す電気泳動写真である。図
において、Rは稔性回復系統のイネから抽出したDNA
の結果を、Aは非稔性回復系統のイネから抽出したDN
Aの結果を示す。
【図2】イネゲノムDNAをAJ−08プライマーを用
いてPCRを行なった結果を表す電気泳動写真である。
図において、Rは稔性回復系統のイネから抽出したDN
Aの結果を、Aは非稔性回復系統のイネから抽出したD
NAの結果を示す。
【図3】イネゲノムDNAをL06RAプライマーおよ
びL06RRプライマーを用いてPCRを行なった結果
を表す電気泳動写真である。図において、Rは稔性回復
系統のイネから抽出したDNAの結果を、Aは非稔性回
復系統のイネから抽出したDNAの結果を示す。
【図4】イネゲノムDNAをAJ08AAプライマーお
よびAJ08ABプライマーを用いてPCRを行なった
結果を表す電気泳動写真である。図において、Rは稔性
回復系統のイネから抽出したDNAの結果を、Aは非稔
性回復系統のイネから抽出したDNAの結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越野 葉子 東京都練馬区東大泉7−14−6 (72)発明者 中村 淳 千葉県茂原市東郷1144番地 三井東圧化学 株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イネ細胞質雄性不稔回復遺伝子または非
    細胞質雄性不稔回復遺伝子に係わる塩基配列の有無を特
    異的に検出することにより、イネ細胞質雄性不稔形質の
    有無を遺伝子診断する方法。
  2. 【請求項2】 配列番号3と4の塩基配列のプライマー
    を用いてPCRによりイネゲノムDNAの遺伝子断片の
    増幅を行い、イネ細胞質雄性不稔回復遺伝子に係わる約
    1.1Kbの塩基配列の増幅がなされたか否かにより、
    イネ細胞性雄性不稔形質を遺伝子診断する方法。
  3. 【請求項3】 イネ細胞質雄性不稔回復遺伝子に係わる
    約1.1Kbの塩基配列が配列番号1の塩基配列である
    請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 配列番号5と6の塩基配列のプライマー
    を用いてPCRによりイネゲノムDNAの遺伝子断片の
    増幅を行い、イネ細胞質雄性不稔遺伝子に係わる約0.
    6Kbの塩基配列の増幅がなされたか否かにより、イネ
    細胞質雄性不稔形質を遺伝子診断する方法。
  5. 【請求項5】 イネ細胞質雄性不稔回復遺伝子に係わる
    約0.6Kbの塩基配列が配列番号9の塩基配列である
    請求項5の方法。
  6. 【請求項6】 配列番号7と8の塩基配列のプライマー
    を用いてPCRによりイネゲノムDNAの遺伝子断片の
    増幅を行い、イネ非細胞質雄性不稔回復遺伝子に係わる
    約0.6Kbの塩基配列の増幅がなされたか否かによ
    り、イネ非細胞質雄性不稔形質を遺伝子診断する方法。
  7. 【請求項7】 イネ非細胞性雄性不稔回復遺伝子に係わ
    る約0.6Kbの塩基配列が配列番号2の塩基配列であ
    る請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 配列番号1に示す、イネの細胞質雄性不
    稔回復系統における細胞質雄性不稔回復遺伝子に係わる
    細胞質雄性不稔回復系統特異的塩基配列。
  9. 【請求項9】 配列番号9に示す、イネの細胞質雄性不
    稔回復系統における細胞質雄性不稔回復遺伝子に係わる
    細胞質雄性不稔回復系統特異的塩基配列。
  10. 【請求項10】 配列番号2に示す、イネの非細胞質雄
    性不稔回復系統における非細胞質雄性不稔回復遺伝子に
    係わる非細胞質雄性不稔回復系統特異的塩基配列。
  11. 【請求項11】 イネゲノムDNAがイネの葉より得ら
    れる汁を遠心分離して上清にきた可溶画分に含まれるも
    のである請求項2〜7の何れか1項の方法。
JP1616294A 1994-02-10 1994-02-10 イネ細胞質雄性不稔回復系統の遺伝子診断法 Pending JPH07222588A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1616294A JPH07222588A (ja) 1994-02-10 1994-02-10 イネ細胞質雄性不稔回復系統の遺伝子診断法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1616294A JPH07222588A (ja) 1994-02-10 1994-02-10 イネ細胞質雄性不稔回復系統の遺伝子診断法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07222588A true JPH07222588A (ja) 1995-08-22

Family

ID=11908822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1616294A Pending JPH07222588A (ja) 1994-02-10 1994-02-10 イネ細胞質雄性不稔回復系統の遺伝子診断法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07222588A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002014506A1 (fr) * 2000-08-17 2002-02-21 Japan Tobacco Inc. Procede d'estimation du genotype du locus de recuperation de fertilite affectant le cytoplasme de fertilite male de type bt du riz
KR100435152B1 (ko) * 2001-06-25 2004-06-14 대한민국 Pcr-rflp를 이용한 양파세포질 웅성불임인자 판별방법
US7544856B2 (en) 2002-07-05 2009-06-09 Japan Tobacco Inc. Rice restorer gene to the rice BT type cytoplasmic male sterility
CN102577929A (zh) * 2012-02-27 2012-07-18 福建省三明市农业科学研究所 水稻三系不育系低发芽率的一种改良方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002014506A1 (fr) * 2000-08-17 2002-02-21 Japan Tobacco Inc. Procede d'estimation du genotype du locus de recuperation de fertilite affectant le cytoplasme de fertilite male de type bt du riz
KR100435152B1 (ko) * 2001-06-25 2004-06-14 대한민국 Pcr-rflp를 이용한 양파세포질 웅성불임인자 판별방법
US7544856B2 (en) 2002-07-05 2009-06-09 Japan Tobacco Inc. Rice restorer gene to the rice BT type cytoplasmic male sterility
CN102577929A (zh) * 2012-02-27 2012-07-18 福建省三明市农业科学研究所 水稻三系不育系低发芽率的一种改良方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Verdoodt et al. Use of the multi-allelic self-incompatibility gene in apple to assess homozygocity in shoots obtained through haploid induction
Havey Identification of cytoplasms using the polymerase chain reaction to aid in the extraction of maintainer lines from open-pollinated populations of onion
WO2018094027A1 (en) Maize plants with improved disease resistance
CN107988420B (zh) 玉米雄性核不育基因ms39的分子标记及其应用
US20220304266A1 (en) Maize plants with improved disease resistance
Vláčilová et al. Development of flow cytogenetics and physical genome mapping in chickpea (Cicer arietinum L.)
CN107190094B (zh) 辣椒分子标记及其多态性在鉴定辣椒花粉育性中的应用
Devi et al. FISH and GISH: Modern cytogenetic techniques
US20220192119A1 (en) Disease resistant plant methods and compositions
KR101151239B1 (ko) 배추의 유전자적 다중대립인자 웅성불임 유전자 Ms의 마커 및 이의 용도
US9161501B2 (en) Genetic markers for Orobanche resistance in sunflower
Wang et al. Development of a genetic marker linked to a new thermo-sensitive male sterile gene in rice (Oryza sativa L.)
CA2522653A1 (en) Methods of identifying spike morphology and fusarium head blight resistance, and the use of these methods for improving barley and related triticeae plants
Taketa et al. Molecular and physical mapping of a barley gene on chromosome arm 1HL that causes sterility in hybrids with wheat
JPH07222588A (ja) イネ細胞質雄性不稔回復系統の遺伝子診断法
CA2882160C (en) Molecular markers and phenotypic screening for metribuzin tolerance in soybean
KR101242434B1 (ko) 토마토 웅성불임에 대한 dna 마커 및 이의 용도
KR100264743B1 (ko) Rapdmarker를이용한벼의유묘내냉성에관여하는양적형질유전자지도(qtl)와저온저항성벼품종선발방법
JP4101493B2 (ja) オオムギ染色体由来の核酸マーカーを、コムギの背景で検出するための新規なプライマーセット、およびその利用
Wang et al. Identification of an AFLP marker and conversion to a SCAR marker to identify cytoplasmic male-sterile or normal cytoplasm in Welsh onion (Allium fistulosum L.)
Lachyan et al. SSR Polymorphism Survey between CRMS31A and Aruna (MO8) for Marker Assisted Backcross Breeding in Rice
WO2014027502A1 (ja) イネrt型細胞質雄性不稔性原因遺伝子およびその利用
Murakami et al. AFLP‐based STS markers closely linked to a fertility restoration locus (Rfm1) for cytoplasmic male sterility in barley
CZ424098A3 (cs) Glyceraldehyd-3-fosfátdehydrogenáza a nukleární rekonstrukce cytoplazmatické samčí sterility
Jamali et al. Improvement of field crops through biotechnology methods