JPH07217954A - 超音波を用いた冷却装置 - Google Patents

超音波を用いた冷却装置

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JPH07217954A
JPH07217954A JP6006417A JP641794A JPH07217954A JP H07217954 A JPH07217954 A JP H07217954A JP 6006417 A JP6006417 A JP 6006417A JP 641794 A JP641794 A JP 641794A JP H07217954 A JPH07217954 A JP H07217954A
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ultrasonic
diaphragm
ultrasonic wave
air
water
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JP6006417A
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Hiroyuki Yamane
宏之 山根
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/70Efficient control or regulation technologies, e.g. for control of refrigerant flow, motor or heating

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構成で高い冷却効率を得る。 【構成】 冷却すべき空気が導入される通路1eと、通
路1e内を流通する空気中に水の粒子を発生させる水粒
子発生手段5と、粒子を含有する空気中に向けて超音波
を放射して粒子を空気中から回収する超音波発生手段1
0とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波を用いた冷房
機、空調機、冷風発生機等の冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の冷却装置としては、フロ
ンガス等の冷媒の気化・凝集時に発生する冷媒の熱変化
を利用した冷房機・空調機や、水の気化熱を利用した冷
風発生機などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の冷却装置には、次のような問題があった。ま
ず、冷媒の気化・凝集を用いた冷房機・空調機では、冷
媒を強制的に凝集させてこれを空気と接触させて気化さ
せる必要があり、コンプレッサー等を備えた凝集器、熱
交換器およびこれらをつなぐ配管等の設備を要して構成
が複雑でかつ高価なものであった。
【0004】また、水の気化熱を利用した冷風発生機
は、水と空気とを強制的に接触させる設備があれば足り
るので簡易な構成で済むが、基本的には乾球・湿球温度
差しか空気の温度を下げることができず、加えて、空気
の湿度によって冷却効率が左右されていた。
【0005】本発明の目的は、簡易な構成で高い冷却効
率を得ることの可能な超音波を用いた冷却装置を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1、図
4および図11に対応付けて説明すると、本発明は、冷
却すべき空気が導入される通路1eと、通路1e内を流
通する空気中に水の粒子を発生させる水粒子発生手段5
と、粒子を含有する空気中に向けて超音波を放射して粒
子を空気中から回収する超音波発生手段10とを備え
た、超音波を用いた冷却装置を構成することにより、上
述の目的を達成している。
【0007】ここで、通路1e内に配置され、自身が固
有周波数で共振した際にその内部に形成される音場も共
振状態となるようにその寸法が定められた円筒形の振動
板12と、振動板12を固有周波数で共振させてこの振
動板12から超音波を放射させる超音波駆動源13を超
音波発生手段10に設けることが好ましい。あるいは、
通路1e内に配置され、自身が固有周波数で共振した際
にその周囲に形成される音場も共振状態となるようにそ
の寸法が定められた長方形の振動板30と、振動板30
を固有周波数で共振させてこの振動板30から超音波を
放射させる超音波駆動源13とを超音波発生手段10に
設けることが好ましい。
【0008】
【作用】水粒子発生手段5は、通路1e内を流通する空
気中に水の粒子を発生させる。水の粒子は周囲の空気と
の間で熱交換を行い、空気を冷却する。熱交換が終了し
た、または熱交換中の水の粒子は超音波発生手段10か
らの超音波により回収され、通路1eの外に排出される
ことはない。
【0009】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0010】
【実施例】
−第1実施例− 図1は、本発明による超音波を用いた冷却装置の第1実
施例が適用された冷風機を示す部分透視斜視図、図2は
縦断面図、図3は横断面図である。これらの図におい
て、1は外形略箱状の冷風機本体であり、その正面(図
2において右端)中央に吸気口1aが、その上面に送風
口1bが形成されている。冷風機本体1は、その中央に
設けられた箱状の仕切部材2によりその内部が区分さ
れ、仕切部材2の下方が下部チャンバー1c、上方が上
部チャンバー1dとされる。上部チャンバー1dおよび
下部チャンバー1cの間は、上下に延びる一対のダクト
1eにより連通されている。
【0011】仕切部材2内には、吸気口1aに面して送
風ファン3が配置されている。この送風ファン3は、図
2に示すように、吸気口1aから吸入された外気を下部
チャンバー1cに送風する機能を有する。下部チャンバ
ー1cには冷却水4が満たされ、かつ、この下部チャン
バー1cの底面には超音波加湿器5が配置されている。
超音波加湿器5は、図2に示すように板状の超音波振動
子6を備え、この超音波振動子6が励振されることによ
りチャンバー1c内の水を霧化して飽和水蒸気量以上の
水の粒子をチャンバー1c内の空気中に発生させる。
【0012】仕切部材2内には、一対の超音波発生源1
0が配置されている。この超音波発生源10は、図4
(a)に示すように、円筒形の振動板12と、超音波振動
を発生する超音波振動子(ドライバー)13と、この超
音波振動子13からの超音波振動を振動板11に伝達す
るホーン14とを備え、このホーン14の先端は振動板
12の側面にねじ止めされている。各超音波発生源10
は、円筒形振動板12が冷風機本体1の各ダクト1e内
に、超音波振動子13が仕切部材2内に位置し、かつ、
振動板12の軸線が上下方向に延びるように配置されて
いる。
【0013】超音波振動子13およびホーン14は、振
動板12の有する固有周波数(共振周波数)でこの振動
板12を駆動し、振動板12の周方向に曲げ振動が優勢
に起るようにこの振動板12を共振させて固有周波数
(共振周波数)の超音波を放射させる。加えて、振動板
12は、放射された超音波によりこの振動板12内に形
成される音場が共振状態となるようにその寸法、材質、
形状等が定められている。したがって、この観点からホ
ーン14の形状・材質、振動板12の形状・材質および
ホーン14のねじ止め位置等が定められている(詳細は
後述)。なお、本実施例では、振動板12、ホーン14
ともに疲労強度が大きく、損失の少ないアルミニウム合
金(ジュラルミンなど)やチタン合金で形成されてい
る。
【0014】ここで、曲げ振動とは、弾性体の板が伸縮
の生じない面を持ち、かつ、その面が屈曲するように変
形する振動をいい、たわみ振動とも呼ばれる。曲げ振動
は、曲げ波が一定方向に伝播することにより生じ、本実
施例では、この曲げ波が振動板12の周方向に伝播す
る。曲げ波は、棒状や板状などの弾性体に生じる曲げの
変形が伝わる波であり、板状の物体では面と垂直な方向
に変位が生じる横波の一種である。図5に、振動板12
に励起された曲げ振動、曲げ波を模式的に表したものを
示す。
【0015】振動板12の周方向に曲げ振動が優勢に起
るようにこの振動板12を共振させる条件は、次式によ
り与えられる。
【数1】 ここに、 fm:共振周波数 r:振動板の半径 h:振動板の肉厚 m:振動モードの次
数 E:振動板の材質のヤング率 ρ:振動板の材質の
密度 である。
【0016】また、振動板12内に形成される音場が共
振状態となる条件は、本発明者の研究結果によれば、次
式で与えられる。
【数2】 但し、fmsは共振周波数、βmsはベッセル(Bessel)関
数を用いた漸化式の根、cは音速である。加えて、音場
共振条件を満足するための振動板の全長は別の式により
与えられる。
【0017】したがって、共振周波数fm=fmsを定めれ
ば、(1)、(2)式および振動板の全長を規定する別式を
用いて、内部に形成される音場が共振状態となる振動板
12の寸法(半径r、肉厚h、全長)が定められる。
【0018】本発明者による数値計算の結果、これら3
つの式をともに満足する振動板12の寸法は、一例とし
て図6に示すような組合せである。本発明者は、図6に
示す寸法の振動板12について超音波放射実験を行った
ところ、従来の超音波源では得られなかった160[dB]以
上の音圧を発生できることを確認した。また、上述の
(1)式のみを満足する寸法の振動子12について超音波
放射実験を行ったところ、高々140[dB]程度の音圧しか
発生できないことも確認している。参考までに、音圧レ
ベルと粒子速度の実効値との関係を図7に示す。
【0019】なお、本実施例ではホーン14が仕切部材
2を貫通して設けられているが、この貫通点は、ホーン
14からの振動エネルギーと振動板12からの振動エネ
ルギーとがちょうど釣り合う点とされており、互いに振
動を打ち消し合うことによりホーン14からの振動が仕
切部材2に伝達されないように構成されている。
【0020】図4に戻って、15は超音波振動子13を
駆動するジェネレータであり、振動板12が予め定めら
れた共振周波数で振動するように超音波振動子13を駆
動する。外乱要因によりホーン14、振動板12が加熱
され膨張し、形状変化が生じて超音波の周波数変動を招
いた場合、ジェネレータ15はホーン14から振動周波
数をフィードバックしてこれを一定範囲内に収める周波
数制御機能を備えている。
【0021】すなわち、図4(b)に示すように、ホーン
14には振動センサ21が設けられ、この振動センサ2
1からはホーン14の振動周波数に比例する電圧信号が
出力される。センサ21からの信号と、ジェネレータ1
5内に設けられた基準電圧発生器22からの基準電圧と
の偏差は偏差器25aで求められる。この偏差電圧は、
減算器25bで駆動電圧発生器23からの駆動電圧から
減算され、この減算された駆動電圧により電圧制御発振
器24が駆動されて超音波振動子13駆動用の信号が出
力される。このように、ホーン14の振動周波数がフィ
ードバックされ、この振動周波数と基準電圧発生器22
から出力される基準電圧に対応する周波数との差分が小
さくなるように電圧制御発振器24が発振されて振動周
波数が一定範囲内に収められる。
【0022】なお、本実施例では、振動板12から放射
される超音波の周波数は20[kHz]±500[Hz]とした。16
はアンプであり、ジェネレータ15からの駆動信号を増
幅する。アンプ16の出力は振動板12の大きさとの関
係で定まり、本実施例ではおよそ500[W]〜1000[W]程度
の出力である。
【0023】以上のような構成の冷風機を作動させるに
は、まず、送風ファン3を作動させて外気を下部チャン
バー1c内に導入し、かつ、超音波加湿器5により飽和
蒸気量以上の水の粒子を発生させる。水の粒子のうち飽
和水蒸気量を越える量の水の粒子は空気中に水蒸気とし
て存在することはできず、水の粒子そのままで空中に浮
遊することになる。これにより、水の粒子が浮遊する外
気が下部チャンバー1cからダクト1eを経て上部チャ
ンバー1dに向かう気流が形成される。水の粒子は外気
との間で熱交換を行い、冷却水4と外気との温度差に応
じて外気の温度を低下させる。
【0024】空中に浮遊する水の粒子が多ければ多いほ
ど外気との熱交換は効率よく行われる。水粒子の発生量
は外気温、水温等を考慮して定められるが、相対湿度に
換算して200%、300%といった水粒子を発生させ
ることが好ましい。
【0025】これとともに、超音波発生源10のジェネ
レータ15、アンプ16を介して超音波振動子13を駆
動すると、振動子13で発生された超音波振動がホーン
14を介して振動板12に伝達され、振動板12の周方
向に曲げ振動が優勢に起るようにこの振動板12が共振
し、振動板12近傍の気体がこの振動板12により加速
されて超音波が放射される。加えて、振動板12から放
射された超音波によりこの振動板12内に形成される音
場が共振状態となる。
【0026】この際、本実施例では振動板2が円筒形に
形成されているので、この振動板12による超音波音場
は、振動板2の軸線に直交する平面上において図8(a)
に示すようなものになり、振動板2の内部では中心に集
中する音場が形成される。
【0027】また、振動板12の軸線に沿った平面上に
おける超音波音場は図9に示すようなものになり、軸線
Aに沿った部分では図9に示すように振動板12から図
中左右に広がる超音波振幅分布および音圧分布が得られ
る。したがって、振動板12の内部にある外気は軸線A
に沿って左右に加速され、超音波風が生じる。この超音
波風は、音圧160[dB]時において約7[m/sec]程度の風速
である。特に、ダクト1e内には送風ファン3により下
方から上方に向かう気流が形成されているので、超音波
風はこの気流に沿った方向にのみ流れる。
【0028】したがって、振動板12から放射される超
音波によりダクト1e内を流通する水の粒子が励振さ
れ、超音波の振動方向に沿って振動する。この際、超音
波の音速はダクト1e内の気体の流速に比較して圧倒的
に速いため、振動板12近傍の水の粒子は、気体の流速
に影響されることなく音速に近い速度で振動されるもの
と考えられる。そして、熱交換中、または熱交換が終了
した水の粒子が超音波の音速に近い速度で振動し、これ
ら粒子どうしが互いに衝突、凝集して水滴を形成し、こ
の水滴が重力により落下して下部チャンバー1cに回収
される。水粒子が回収されて温度が低下した外気は、上
部チャンバー1dを介して送風口1bから外部へ送風さ
れる。
【0029】このようにして、本実施例の冷風機では、
送風ファン3により下部チャンバー1c内に導入した外
気内に、超音波加湿器5によって飽和水蒸気量以上の水
の粒子を発生させ、空中を浮遊する水の粒子と外気との
間で熱交換を行って外気の温度を低下させている。特
に、超音波加湿器5により発生された水の粒子の粒子径
は小さいため、同一の水量に対する水の粒子の表面積を
大きくすることができ、熱交換の効率を高めることがで
きる。加えて、水の粒子の粒子径が小さければ自重に対
する空気抵抗が大きく、水の粒子がいつまでも消えずに
外気中に漂って熱交換の効率がさらに高まる。
【0030】そして、熱交換中または熱交換が終了した
水の粒子は、超音波振動子12から放射される超音波に
より励振され、互いに衝突、凝集して水滴を形成し、自
重により落下して下部チャンバー1c内に回収され、再
利用される。本実施例では、外気中を浮遊する水の粒子
の粒子径が小さく軽いため、超音波の放射により水の粒
子が激しく運動して衝突、凝集し、水滴形成および回収
が速やかに行われる。特に、本実施例の超音波発生源1
0は、今までに実現されたことのない、たとえば160[d
B]以上の音圧を実現できるため、水粒子の凝集、水滴形
成がさらに強力にかつ速やかに行われる。本発明者の実
験結果によれば、超音波振動板2から放射される超音波
の音圧が160[dB]以上であれば、超音波発生源10の下
方において水滴形成、回収がほとんど行われ、送風口1
bから送風される空気中には水粒子はほとんど含まれて
いなかった。したがって、超音波加湿器5により過剰の
水粒子を発生させてもこの水粒子が送風口1bから排出
されることがなく、逆に超音波加湿器5により大量の水
粒子を発生させて冷却効率を十分に高めることができ
る。
【0031】よって、本実施例では、送風ファン3、冷
却水4、超音波加湿器5および超音波発生源10から構
成される冷風機により外気を冷却しており、簡易な構成
で冷却効果を得ることができる。また、飽和水蒸気量以
上の水粒子と外気との熱交換により冷却効果を得ている
ので、水の気化熱を利用した冷風機等と異なり、外気の
湿度に左右されずに高い冷却効率を得ることができる。
この冷却効率は、冷却水4を冷却することによっても高
めることができる。
【0032】加えて、本実施例では水の粒子により熱交
換を行っているので、熱交換が無駄なくかつ短時間に行
え、冷却に必要なエネルギーの節約にもなる。本発明者
の実験結果によれば、通常のヒートポンプタイプのパッ
ケージエアコンに比較して、使用電気量を約1/10程
度に節約することができる。
【0033】なお、本実施例の冷風機では、水の粒子と
外気との熱交換により外気の温度が低下し、結果として
露点温度が低下するため、超音波による凝集時に余分な
水分までが除去され、結果として除湿作用が果たされ
る。また、本実施例の冷風機は、いわば十分な水量によ
り外気を水洗していることに等しく、空気中の粉塵、匂
い粒子などが水の粒子中に捕捉されて下部チャンバー1
cに回収され、結果として集塵、匂い除去作用が果たさ
れる。あるいは、外気中に粉塵等が浮遊していても、超
音波により粉塵相互、あるいは粉塵と水粒子とが衝突し
て凝集し、粉塵等の回収が行える。
【0034】なお、ダクト1eを円筒状に形成すると、
この振動板12による超音波音場は、振動板12の軸線
に直交する平面上において図8(b)に示すようなものに
なり、振動板12とダクト1eとの間では均一音圧、振
動板12内方では中心に集中する音場が形成される。
【0035】−第2実施例− 本実施例では、図10(a)に示すように、ホーン14の
軸線B(これは超音波の伝播方向に等しい)と、ホーン
14のねじ止め位置を通る振動板12の直径方向の線C
とが角度θをなすように、ホーン14を振動板12に対
して固定してある。ホーン14を振動板12に対して斜
めに固定すると、振動板12から放射される超音波ビー
ムUBの方向は、振動板12の軸線Aに直交する平面に
おいて図10(b)に示すようなものになり、その放射方
向が振動板12の軸線Aを逸れる方向に延びる。この結
果、振動板12の励振により自発的に図中矢印Tに示す
ような方向の渦巻流(超音波風)が形成され、ダクト1
e内に気流が発生される。
【0036】超音波発生源10により渦巻流を形成する
と超音波による励振に加えて渦巻流によっても水の粒子
が相互に衝突、凝集し、水の回収効率がさらに高まる。
しかも、振動板12を励振すれば自発的に渦巻状の超音
波風が発生し、送風装置がなくとも自然にダクト1e内
に気流が発生する。いわば超音波発生源10が送風装置
としての機能も果たすので、集塵装置に加えて送風装置
等を付設する必要がなく、経済効率に優れている。
【0037】角度θは、0゜<θ<90゜の範囲内で使用
可能であるが、本発明者の実験結果によれば、θが1〜
2゜程度であっても超音波風の回転方向が一定になり、
渦巻流が形成されることが確認されている。
【0038】−第3実施例− 図11は、本発明による超音波を用いた冷却装置の第2
実施例が適用された例風機を示す断面図である。本実施
例と上述の第1実施例との相違点は、振動板の形状にあ
る。すなわち、本実施例では、振動板30が長方形状に
形成され、長手方向の中心線がダクト1eの上下方向に
延びるようにこのダクト1e内に配置されている。
【0039】また、本実施例においては、超音波振動子
13およびホーン14は、振動板30の有する固有周波
数(共振周波数)でこの振動板30を駆動し、振動板3
0の長手方向に曲げ振動が優勢に起るようにこの振動板
30を共振させて固有周波数(共振周波数)の超音波を
放射させる。加えて、振動板30は、放射された超音波
によりダクト1e内に形成される音場が共振状態となる
ようにその寸法、材質、形状等が定められている。した
がって、この観点からホーン14の形状・材質、振動板
30の形状・材質およびホーン14のねじ止め位置等が
定められている。振動板30の振動モードと変位分布の
一例を図12に、振動板30の寸法の一例を図13に示
す。従って、本実施例によっても、上述の一実施例と同
様の作用効果を得ることができる。
【0040】以上説明した実施例と請求の範囲との対応
において、超音波加湿器5は水粒子発生手段を、超音波
発生源10は超音波発生手段を、超音波振動子3は超音
波駆動源をそれぞれ構成している。
【0041】なお、本発明の超音波を用いた冷却装置
は、その細部が上述の各実施例に限定されず、種々の変
形例が可能である。一例として、上述の各実施例では超
音波加湿器を用いて水粒子を発生させていたが、スプレ
ー等の周知の水粒子発生手段を用いることもできる。ま
た、本発明の冷却装置は、上述の実施例のごとく冷風機
に用いられるのみならず、ラジエータなど空気との間で
熱交換を行う構成にも用いることができる。さらに、上
述の各実施例では例えば音圧160[dB]以上の超音波を発
生することが可能な強力超音波発生源を用いていたが、
冷房効率は若干劣るものの一般の超音波発生源を用いて
水粒子の回収を図ってもよい。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、水粒子発生手段および超音波発生手段といった簡
易な構成により外気を冷却することができ、冷媒を使用
した冷房機に比較して簡易な構成で冷却効果を得ること
ができる。また、水粒子と外気との熱交換により冷却効
果を得ているので、水の気化熱を利用した冷風機等と異
なり、外気の湿度に左右されずに高い冷却効率を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である冷風機を示す一部透
視斜視図である。
【図2】第1実施例の冷風機の縦断面図である。
【図3】第1実施例の冷風機の横断面図である。
【図4】第1実施例に用いられる超音波発生源を示す断
面図である。
【図5】第1実施例の振動板の振動モードと変位分布を
示す図である。
【図6】第1実施例の振動板の寸法の一例を示す図であ
る。
【図7】音圧と粒子速度の実効値との関係を示す図であ
る。
【図8】第1実施例の振動板による超音波音場を示す側
面図である。
【図9】第1実施例の振動板による超音波振幅分布およ
び音圧分布を示す図である。
【図10】本発明の第2実施例における超音波発生源お
よび超音波ビームの放射方向を示す側面図である。
【図11】本発明の第3実施例である冷風機の断面図で
ある。
【図12】第3実施例の振動板の振動モードと変位分布
を示す図である。
【図13】第3実施例の振動板の寸法の一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 冷風機本体 1a 吸気口 1b 送風口 1c 下部チャンバー 1d 上部チャンバー 1e ダクト 3 送風ファン 4 冷却水 5 超音波加湿器 10 超音波発生源 12、30 振動板 13 超音波振動子 14 ホーン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却すべき空気が導入される通路と、 前記通路内を流通する空気中に水の粒子を発生させる水
    粒子発生手段と、 前記粒子を含有する前記空気中に向けて超音波を放射し
    て前記粒子を前記空気中から回収する超音波発生手段と
    を備えたことを特徴とする超音波を用いた冷却装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の冷却装置において、 前記超音波発生手段は、 前記通路内に配置され、自身が固有周波数で共振した際
    にその内部に形成される音場も共振状態となるようにそ
    の寸法が定められた円筒形の振動板と、 前記振動板を前記固有周波数で共振させてこの振動板か
    ら超音波を放射させる超音波駆動源とを備えたことを特
    徴とする超音波を用いた冷却装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の冷却装置において、 前記超音波発生手段は、 前記通路内に配置され、自身が固有周波数で共振した際
    にその周囲に形成される音場も共振状態となるようにそ
    の寸法が定められた長方形の振動板と、 前記振動板を前記固有周波数で共振させてこの振動板か
    ら超音波を放射させる超音波駆動源とを備えたことを特
    徴とする超音波を用いた冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2847968A1 (fr) * 2002-11-29 2004-06-04 Jean Louis Bouillet Dispositif de maitrise du degre hygrometrique d'un local notamment un chai abritant des barriques d'elevage du vin
KR100468840B1 (ko) * 2000-12-01 2005-01-29 삼성전자주식회사 냉각장치
JP2010065919A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Mitsubishi Electric Corp 加湿器

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