JPH07217644A - 複写機等用定着装置用ロ−ル - Google Patents

複写機等用定着装置用ロ−ル

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JPH07217644A
JPH07217644A JP2613194A JP2613194A JPH07217644A JP H07217644 A JPH07217644 A JP H07217644A JP 2613194 A JP2613194 A JP 2613194A JP 2613194 A JP2613194 A JP 2613194A JP H07217644 A JPH07217644 A JP H07217644A
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JP
Japan
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roll
fixing
bearing
sliding
heat insulating
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Application number
JP2613194A
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English (en)
Inventor
Takaaki Saigou
隆晄 西郷
Taku Kobayashi
卓 小林
Eiji Suzuki
英二 鈴木
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SUTAARAITO KOGYO KK
Starlite Co Ltd
Original Assignee
SUTAARAITO KOGYO KK
Starlite Co Ltd
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Publication date
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  • Fixing For Electrophotography (AREA)
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  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 複写機,プリンタ−,ファクシミリなどの定
着装置内機構に装備される,定着ロ−ルの左,右端に設
けられる,耐摩擦,耐摩耗性を有する摺動部の構造に関
する。 【構成】 上記の目的は,定着装置を構成する定着ロ−
ル(熱ロ−ル1及び加圧ロ−ル2)において,〔軸受或
いは断熱ブッシュ〕と接触,摺動する部分の表面に,1
0点平均粗さRzで0.2〜20μmの二次元的に方向
性が無い凹凸を設けることにより,達することが出来
る。ロ−ル材料が,アルミニウム,鉄などである場合に
も適用することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,複写機,プリンタ,フ
ァクシミリなど電子写真法を応用した画像処理機器の定
着装置内の摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機,プリンタ,ファクシミリなどの
定着装置の一般的構造を図1,2に示す。当該定着装置
は主として上ロ−ルと下ロ−ルとで構成されている。定
着方法として加熱定着法の場合は上ロ−ルにはヒ−タ−
などの熱源が配置されており熱ロ−ルとも呼ばれてい
る。圧力定着の場合には熱源は配置されない。下ロ−ル
は加熱定着法或いは圧力定着の何方の場合もバネ等を用
いて上ロ−ルとの接触部に圧力を発生させる機構を有
し,加圧ロ−ルとも呼ばれる。又図3に示すように上ロ
−ル(熱ロ−ル)を用いないで,ヒ−タ−,定着フィル
ム及び下ロ−ル(加圧ロ−ル)で構成される定着装置も
ある。上ロ−ル及び下ロ−ルの両端部は直接(図1),
或いは筒状断熱材(以下断熱ブッシュ)を介して(図
2)軸受で回転自在に保持されており,軸受或いは断熱
ブッシュと摺動,接触するロ−ル端部は,これまで切削
工具を用いて切削加工されるか,或いは砥石などを用い
て研磨加工されていた。
【0003】然しこれらの加工方法を用いたロ−ルの表
面は,微細に見ると,二次元的に加工方向に伴なう方向
性を有する表面粗さが形成されていた。〔図面代用の写
真コピ−2,3(比較例)参考〕 これ等は例ヘ鏡面状に精密仕上げされたものであって
も,回転体と共に機械的に研磨するので,方向性が残っ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の定着装置には,
定着画像安定性の他,低消費電力,低騒音,耐久性,防
塵性などが要求される。これ等の要求を満たす為に定着
ロ−ル両端軸受部には,軸受或いは断熱ブッシュの摩耗
が少ないこと,定着ロ−ル両端摺動部の損傷が少ないこ
と,耐熱性があること,摩擦抵抗が低く安定しているこ
と,などが必要となる。定着ロ−ル,特に上ロ−ルは均
熱性,昇温性,軽量性の点から高い熱伝導率,低比重で
あるアルミニウム合金が多用されているが,アルミニウ
ム合金は硬度が低く,又,摩擦発熱或いはヒ−タ−加熱
で温度が上昇すると更に硬度の低下を来す為,定着ロ−
ルなどの摺動部分に使用すると表面損傷を生じ易い性質
も持っている。熱定着の場合上ロ−ル(熱ロ−ル)は,
熱定着に必要な200℃程度の温度まで内部のヒ−タ−
によって加熱されて使用される。従ってロ−ル端も当然
この温度近くなる。又下ロ−ルは内部に熱源を持たない
ものが多いが,熱ロ−ルからの熱伝導,輻射によりロ−
ル端でも150℃程度まで温度上昇すると言われてい
る。下ロ−ルは軽量性からアルミニウム合金が使用され
る場合も多いが,鉄鋼材料も多く使用されている。鉄は
アルミニウムに比べ熱伝導率は低いが,それでも可成り
な高温条件に曝される。
【0005】定着ロ−ルが滑り軸受と直接摺動している
場合(図1),従来から使用されている加工方法を用い
た方向性のある表面粗さを持つ定着ロ−ルでは,相手軸
受材料からの移着膜が形成しにくい為に,相手軸受が大
きな摩耗を示したり,高摩擦或いはロ−ル表面の損傷を
来たしたりすることがある。ロ−ル摺動部表面が損傷す
ると更に摩擦の変動,摩擦の増加或いは相手軸受の摩耗
の増加といった好ましくない現象が連鎖的に併発するこ
とが多く,定着性能に悪影響を及ぼす。定着ロ−ルが断
熱ブッシュを介して玉軸受で受けられている場合(図
2)は定着ロ−ルは断熱ブッシュと共回りするので一見
摩擦,摩耗に関する問題が生じない様に思われるが,定
着ロ−ルと断熱ブッシュは隙間バメ嵌合されているの
で,断熱ブッシュ内径面は円周方向並びに軸方向に定着
ロ−ルとの間で微少な滑りが生じ,断熱ブッシュの摩
耗,定着ロ−ル摺動部の表面損傷などの摩擦,摩耗に伴
う現象が発生する。それ故この場合でも定着ロ−ルの安
定回転性能が得られないといった問題があった。又加熱
ロ−ル(上ロ−ル)を有さない形式のもの(図3)にお
いても,同様の理由で下ロ−ルの端の摺動部は高温下で
の摩耗が問題となる。本出願は,本出願人が先に行った
発明(平成5年12月27日付,願番未定)を,上に記
す構造(図1〜3)を有する定着ロ−ル(上,下ロ−
ル)の摺動部へ具体的に適用することを趣旨としてなさ
れるものである。
【0006】従来は,本発明者の発明に係わる特開昭6
2−10166号に見られる如く,軸受材料側の観点か
らの改善が数多くなされてきたが,使用条件が厳しい場
合は,充分満足出来る状態には至っていないのが現状で
ある。定着ロ−ルの軸受或いは断熱ブッシュとの摺動部
の損傷が問題となる場合は,アルマイト処理,或いは硬
質材への材質変更などのロ−ル材質面での改善もなされ
てきたが,こういった改善は,効果はあるが費用が高く
つく,或いはロ−ル材質の選定範囲が大幅に制約を受け
るなどの欠点があった。この発明は,従来の定着ロ−ル
の持つこれ等の問題点を解決し,高温下,乾式摺動と言
う厳しい条件においても良好なロ−ル回転性能を維持出
来,かつ耐久性の高い定着ロ−ルを提供する目的で行わ
れ,これを完成したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述したように,従来は
軸受材料,断熱ブッシュ材料からの改善検討,或いは定
着ロ−ル材質面からの改善検討が主として実施されてき
たが,本発明では,定着ロ−ルの軸受或いは断熱ブッシ
ュとの摺動部表面形態に着目して鋭意検討を重ねた結
果,摺動部表面に特定の凹凸を設けることによって,優
れた効果が発現することを見出したものである。即ち,
ブラスト処理などの方法を用いて二次元的に方向性の無
い表面粗さを定着ロ−ル摺動部表面に形成させることに
より,効果的な移着膜を定着ロ−ル摺動部表面に形成さ
せることが出来,相手軸受材などの摩耗の減少或いは定
着ロ−ル摺動部表面の損傷などのトラブルを解決し,安
定した低摩擦,低摩耗特性が発現出来ることを明らかに
した。
【0008】又,二次元的に方向性の無い粗さが,10
点平均粗さRzで0.2μm〜20μmの範囲内,望ま
しくは1〜10μmの範囲内において摩耗の減少,摩擦
の低減,定着ロ−ル摺動部表面の損傷防止に極めて効果
的であることを見出した。表面粗さがRzで0.2μm
を下回る軸では,有効な移着膜が形成されない為効果を
発揮出来ない。又,表面粗さがRzて20μmを超える
と摺動部表面の損傷防止には効果があるが,軸受側の摩
耗の増加或いは摩擦の増加を来して実用的ではない。
【0009】ここに,二次元的に方向性のない粗さと
は,10点平均粗さ表示法(JIS・BO601・3−
5項608頁の定義による)で0.2〜20μmの範囲
内,望ましくは1〜10μmの範囲内に表面の凹凸が管
理され,且つその凹凸が一定の方向性を有しないランダ
ム状態にあることを謂う。このような状態にある表面を
形成する方法としては,先ず予め通常の機械的加工手段
により,寸法的に整えた後,その表面をサンドブラスト
法(硬い砂状の粒子を空気と共に表面に吹き付ける方
法),ショットブラスト法(硬い球状の粒子を空気と共
に表面に吹き付ける方法),エッチング法(化学薬剤に
よる腐蝕作用による方法,又は電解的に表面を荒らす方
法)などによって,方向性の無い,深さのコントロ−ル
された凹凸を設けることが出来る。
【0010】
【作用】本発明者らは,定着ロ−ル摺動部表面形状につ
いて種々の検討を加えた結果,二次元的に方向性の無い
凹凸を摺動部表面に設けることによって,優れた摺動特
性が得られることを見出した。この効果は以下の理由に
よるものとも解釈され得るが,本発明はこの解釈に拘束
されない。
【0011】即ち,摺動部表面に移着膜が形成されるこ
とによって,良好な摺動特性が得られることは,(株)
テクノシステム 1992.10.16発行の書籍「摩
耗機構の解析と対策」P144,P145に書かれてい
るように一般に知られている。定着ロ−ル摺動部表面と
移着膜の結合力が強い場合に,この効果が良好に発揮さ
れるものと考えられる。。仮に,定着ロ−ル摺動部表面
と移着膜の結合力が弱い場合は,移着膜が引き続く摺動
の繰り返しによって剥がし取られ,摩耗粉として摺動界
面から排出されることによって,見かけ上,移着膜が殆
ど無い状態で摺動することになる。このような移着膜形
式の不充分な状態では,移着膜による定着ロ−ル摺動部
表面の保護作用や移着膜による低摩耗状態(一般に定常
摩耗状態と呼ばれる)への移行作用が余り期待出来ない
ことになる。定着ロ−ル摺動部表面と移着膜との結合力
は原子間力,化学的結合力,機械的結合力などによるも
のと考えられるが,本発明による二次元的に方向性の無
い凹凸が形成された定着ロ−ル摺動部表面は機械的結合
力(アンカ−効果)が著しく増加するものと考えられ,
この結果,耐久性のある良好な移着膜の形成が容易に可
能になり,摩耗の低減,定着ロ−ル摺動部表面の保護な
どに著しい効果を発揮するものと考えられる。
【0012】本発明による加工方法は従来の加工方法
(旋盤切削加工,研磨加工等)と組み合わせて使用され
ても充分効果を発揮するものであり,当然本発明による
表面凹凸の加工がなされる前の表面は,部品を所定寸法
に仕上げる為に,従来の加工方法(旋盤切削加工,研磨
加工等)が事前に施されて居り,二次元的に方向性のあ
る凹凸形式されている。これを更に本願では,方向性の
無いものに仕上げ加工する。従って本願発明は従来加工
方法との併用を妨げるものでは無い。尚,本発明方法に
従ってロ−ル端の摺動部の表面凹凸加工をした部分以外
のところは,可及的平滑な精密仕上げの状態であること
が望ましいことは謂うまでもない。又この凹凸加工を施
した部分に更にアルマイト加工や表面窒化処理による表
面処理を加えることも,その凹凸の粗さが所定の範囲に
ある限り,妨げるものでない。
【0013】
【実施例】以下,本発明に係わる摺動部材について,そ
の実施例に基づいて構成及び効果を比較例と対照して説
明する。 (1)実験群〔1〕 アルミニウム合金ロ−ル1と滑り軸受4の組合せの場合
を想定した実験 (イ)供試材の調整方法 表1に示す実施例1〜6及び比較例1〜8はアルミニウ
ム合金A5056からなるφ20×250Lの棒状軸材
をテストロ−ルに用いて評価を実施した。実施例1〜6
及び比較例1〜2については当軸材の摺動部分の表面を
10点平均粗さで0.1μm以下に一旦鏡面研磨した
後,粒径の異なる溶融アルミナ粉砕品を用いサンドブラ
スト装置で二次元的に方向性の無い所定の粗さに凹凸を
設けて試験に供した。又,比較例3〜8については,従
来加工方法(切削加工,研磨加工)を用いて二次元的に
方向性の有る所定の粗さに試験表面を加工して試験に供
した。
【0014】(ロ)試験条件 実施例1〜6及び比較例1〜8の相手軸受材及び試験条
件は下記の通りである。尚,下記相手軸受材(A)は特
開昭62−10166の比較例1に示す構成の合成樹脂
ベ−ス軸受材料であり,φ20×φ23×15のブッシ
ュ状に成形して供試した。ブッシュの製作方法,構成材
料詳細は特開昭62−10166に示す通りである。 ・相手軸受材(A) PPS/芳香族ポリアミド繊維/PTEF/PbO=55
/15/22/8体積比 ・試験条件 試験機──ラジアルジャ−ナル型軸受試験機 速度───8.4m/min 面圧───6kgf/cm2 温度───200℃ 潤滑───無潤滑
【0015】(2)実験群〔2〕 鉄鋼材ロ−ル2と滑り軸受7の組合せの場合を想定した
実験 (イ)供試材の調整方法 表2に示す実施例7〜8及び比較例9〜12は鉄鋼材料
SUS303からなるφ20×250Lの棒状軸材をテ
ストロ−ルに用いて評価を実施した。実施例7〜8につ
いては当軸材の試験表面を10点平均粗さで0.1μm
以下に鏡面研磨した後,粒径の異なる溶融アルミナ粉砕
品を用いサンドブラスト装置で二次元的に方向性の無い
所定の粗さに凹凸を設けて試験に供した。又,比較例9
〜12については従来加工方法(切削加工,研磨加工)
を用いて二次元的に方向性のある所定の粗さに試験表面
を加工して試験に供した。
【0016】(ロ)試験条件 実施例7〜8及び比較例9〜12の,相手軸受材及び試
験条件は下記の通りである。 ・相手軸受材(B) PPS/PTFE=80/20体積比 (PPS樹脂及びPTFE粉末をミキサ−で混合し,混
練押出機でペレット化し,射出成形機でφ20×φ23
×15のブッシュ状に成形した。) ・試験条件 試験機───ラジアルジャ−ナル型軸受試験機 速度────2m/min 面圧────10kgf/cm2 温度────150℃ 潤滑────無潤滑
【0017】(3)実験群〔3〕 アルミニウム合金ロ−ル1と断熱ブッシュ5を組み合わ
せた場合を想定した実験 (イ)供試材の調整方法 表3に示す実施例9及び比較例13はアルミニウム合金
A5056からなるφ20×250Lの棒状軸材をテス
トロ−ルに用いて評価を実施した。実験には図4に示す
装置を用いた。この装置では,玉軸受を使用して居り,
この玉軸受6とテストロ−ル15の間には,ロ−ル(高
温)の熱による玉軸受の昇温を可及的に防ぐ目的で断熱
ブッシュ5が挿入されているが,このブッシュ5とテス
トロ−ル15表面との間にも若干の摺動現象が起こる。
実施例9については,当軸材の試験表面を10点平均粗
さで0.1μm以下に鏡面研磨した後,溶融アルミナ粉
砕品を用いサンドブラスト装置で二次元的に方向性の無
い所定の粗さに凹凸を設けて試験に供した。又,比較例
13については従来加工方法(切削加工)を用いて二次
元的に方向性のある所定の粗さに試験表面を加工して試
験に供した。
【0018】(ロ)試験条件 実施例9及び比較例13の相手断熱ブッシュ材料及び試
験条件は下記の通りである。 ・相手断熱ブッシュ材(C) フェノ−ル樹脂/硝子繊維=70/30体積比 (フェノ−ル樹脂及び硝子繊維チョップドストランドを
ミキサ−で混合し,混練押出機でペレット化し,射出成
形機でφ20×φ25×12の鍔付きブッシュ状に成形
した) ・試験条件 試験機──断熱ブッシュ試験機(図4参照) 速度────20m/min 荷重────30kgf 温度────200℃ 潤滑────無潤滑 試験時間──200時間
【0019】(4)評価結果 実験群〔1〕〜〔3〕の結果をそれぞれ表1〜3に示
す。尚,表中〔比摩耗量〕,〔摩擦係数〕及び〔断熱ブ
ッシュの摩耗〕の算出方法は,下記により,又「表面粗
さRz」の測定は前記のJIS規格に示すところによっ
た。 相手軸受の比摩耗量 相手軸受の摩耗深さを変位計により計測して計算により
摩耗体積に換算し,当摩耗体積を摺動距離と加えた荷重
の積で除すことによって比摩耗量を求めた。(小さい方
が良い)。 摩擦係数 摺動により発生した摩擦力を荷重変換器により計測し,
計測した摩擦力を加えた荷重で除すことにより摩擦係数
を求めた。(小さい方が良い)。 断熱ブッシュの摩耗 試験前後の断熱ブッシュの肉厚寸法をマイクロメ−タ−
で計測し,その寸法差を摩耗とした。(小さい方が良
い)。又,〔ロ−ルの損傷〕欄は一連の実験終了後,供
試したテストロ−ルを取り外した際の外見を目視観察し
た所見で, ○印はロ−ルの耐久性良好を,×印は耐久性不良と判定
されたものである。
【0020】(5)実験結果からの知見 (イ)第1群実験は,アルミニウム合金製定着ロ−ルの
摺動部表面粗さと,相手軸受材の摩耗,定着ロ−ルの耐
久性及び摩擦との影響を見たものである。サンドブラス
ト法で本発明の粗度に制御された実施例群は,従来法に
より表面加工された比較例群に比べ耐摩耗,摩擦係数,
ロ−ルの耐久性の点で格段の効果があった。〔表1〕 (ロ)第2群実験は,鉄鋼材料製定着ロ−ルの摺動部表
面粗さと,相手軸受材の摩耗,定着ロ−ルの耐久性及び
摩擦との影響を見たものである。サンドブラスト法で本
発明の粗度に制御された実施例群は,従来法により表面
加工された比較例群に比べ耐摩耗,摩擦係数の点で格段
の効果があった。〔表2〕 (ハ)第3群実験は,アルミニウム合金製定着ロ−ルの
摺動部表面粗さと,相手断熱ブッシュ材の摩耗及び定着
ロ−ルの耐久性との影響を見たものである。サンドブラ
スト法で本発明の粗度に制御された実施例は,従来法に
より表面加工された比較例に比べ耐摩耗ロ−ルの耐久性
の点で格段の効果があった。〔表3〕
【0021】
【発明の効果】本発明による定着ロ−ルは,実施例に示
すように150〜200℃,無潤滑という苛酷な条件下
においても,アルミニウム合金製定着ロ−ル摺動部表面
の損傷を来すこと無く,且つ,低摩擦係数,相手軸受の
低摩耗率化を示す優れた効果を有している。又,鉄鋼材
料で表面が損傷しにくいSUS303ステンレス鋼製定
着ロ−ルの場合でも,低摩耗係数を発現すると共に相手
軸受の耐摩耗性を格段に向上させる極めて優れた効果を
有している。本発明による定着ロ−ルを使用することに
よって,より厳しい条件下でロ−ルの安定した回転性能
が得られ,高性能の定着装置の開発が可能になる。
【0022】
【表1】 試験結果一覧 (実験群1)
【0023】
【表2】 試験結果一覧 (実験群2)
【0024】
【表3】 試験結果一覧 (実験群3)
【図面の簡単な説明】
【図1】軸受部を有する定着装置用定着ロ−ルの構成を
示す図で,(イ)は側断面図を(ロ)はX面における横
断面図を示す。
【図2】筒状断熱材(ブッシュ)を有する定着装置用定
着ロ−ルの構成を示す図で,(ハ)は側断面図を,
(ニ)はY面における横断面図を示す。
【図3】上ロ−ル(熱ロ−ル)の代わりにヒ−タ−を有
する構成の定着装置用ロ−ルの横断面図を示す。
【図4】断熱ブッシュ及び玉軸受を有する構成の定着装
置の摺動性能を試験する装置の断面図。
【符号の説明】
1 上ロ−ル(ヒ−タ−内蔵) 2 下ロ−ル 3 シリコ−ンゴム 4 滑り軸受 5 筒状断熱材(断熱ブッシュ) 6 玉軸受(ボ−ルベアリング) 7 滑り軸受又は玉軸受 8 歯車 9 ヒ−タ− 10 フレ−ム 11 バネ(押付け用) 12 記録紙 13 定着フィルム 14 定着フィルム駆動ロ−ル 15 テストロ−ル(ヒ−タ−内蔵) 16 ハウジング 17 荷重 X・Y 断面位置指示
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月27日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】然しこれらの加工方法を用いたロールの表
面は,微細に見ると,二次元的に加工方向に伴う方向性
を有する表面粗さが形成されていた。〔図6,7(比較
例図参考)〕 これ等は例へ鏡面状に精密仕上げされたものであって
も,回転体と共に機械的に研磨するので,方向性が残っ
ている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】定着ロールが滑り軸受と直接摺動している
場合(図1),従来から使用されている加工方法を用い
た方向性のある表面粗さを持つ定着ロールでは,相手軸
受材料からの移着膜が形成しにくい為に,相手軸受が大
きな摩耗を示したり,高摩擦或いはロール表面の損傷を
来たしたりすることがある。ロール摺動部表面が損傷す
ると更に摩擦の変動,摩擦増加或いは相手軸受の摩耗の
増加といった好ましくない現象が連鎖的に併発すること
が多く,定着性能に悪影響を及ぼす。定着ロールが断熱
ブッシュを介して玉軸受で受けられている場合(図2)
は定着ロールは断熱ブッシュと共回りするので一見摩
擦,摩耗に関する問題が生じない様に思われるが,定着
ロールと断熱ブッシュは隙間バメ嵌合されているので,
断熱ブッシュ内径面は円周方向並びに軸方向に定着ロー
ルとの間で微少な滑りが生じ,断熱ブッシュの摩耗,定
着ロール摺動部の表面損傷などの摩擦,摩耗に伴う現象
が発生する。それ故この場合でも定着ロールの安定回転
性能が得られないといった問題があった。又加熱ロール
(上ロール)を有さない型式のもの(図3)において
も,同様の理由で下ロールの端の摺動部は高温下での摩
耗が問題となる。本出願は,本出願人が先に行った発明
平成5年12月27日付,(特願平5−352808
号)を,上に記す構造(図1〜3)を有する定着ロール
(上,下ロール)の摺動部へ具体的に適用することを趣
旨としてなされるものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】ここに,二次元的に方向性のない粗さと
は,10点平均粗さ表示方(JIS・BO601・3−
5項608頁の定義による)で0.2〜20μmの範囲
内,望ましくは1〜10μmの範囲内に表面の凹凸が管
理され,且つその凹凸が一定の方向性を有しないランダ
ム状態にあることを謂う。〔図5(実施例図)〕 このような状態にある表面を形成する方法としては,先
ず予め通常の機械的加工手段により,寸法的に整えた
後,その表面をサンドブラスト法(硬い砂状の粒子を空
気と共に表面に吹き付ける方法),ショットブラスト法
(硬い球状の粒子を空気と共に表面に吹き付ける方
法),エッチング法(化学薬剤による腐触作用による方
法,又は電解的に表面を荒らす方法)などによって,方
向性の無い,深さのコントロールされた凹凸を設けるこ
とが出来る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】軸受部を有する定着装置用定着ロールの構成を
示す図で,(イ)は側断面図を(ロ)はX面における横
断面図を示す。
【図2】筒状断熱材(ブッシュ)を有する定着装置用定
着ロールの構成を示す図で,(ハ)は側断面図を,
(ニ)はY面における横断面図を示す。
【図3】上ロール(熱ロール)の代わりにヒーターを有
する構成の定着装置用ロールの横断面図を示す。
【図4】断熱ブッシュ及び軸受を有する構成の定着装置
の摺動性能を試験する装置の断面図。
【図5】方向性のない凹凸を有する摺動面の顕微鏡写
真。プラスト加工、Rz値6.31μm,43倍。(実
施例8)
【図6】(参考例)方向性のある凹凸を有する摺動面の
顕微鏡写真。切削加工仕上,Rz値6.23μm,43
倍。(比較例10)
【図7】(参考例)方向性のある凹凸を有する摺動面の
顕微鏡写真。研磨加工,Rz値6.15μm,43倍。
(比較例12)
【符号の説明】 1 上ロール(ヒーター内蔵) 2 下ロール 3 シリコーンゴム 4 滑り軸受 5 筒状断熱剤(断熱ブッシュ) 6 玉軸受(ボールベアリング) 7 滑り軸受又は玉軸受 8 歯車 9 ヒーター 10 フレーム 11 バネ(押付け用) 12 記録紙 13 定着フィルム 14 定着フィルム駆動ロール 15 テストロール(ヒーター内蔵) 16 ハウジング 17 荷重 X・Y 断面位置指示
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録紙上に担持させた未定着トナ−を定
    着させる定着装置を構成する定着ロ−ル(上ロ−ルと下
    ロ−ル)において,〔(軸受)或いは(筒状断熱材)〕
    と摺動,接触する部分のロ−ル表面に10点平均粗さR
    zで0.2μm〜20μmの二次元的に方向性のない凹
    凸を設けたことを特徴とする定着ロ−ル。
  2. 【請求項2】 材料として〔(軸受)或いは(筒状断熱
    材)〕と摺動,接触する部分のロ−ル表面に,アルミニ
    ウム合金を使用して構成された請求項1記載の定着ロ−
    ル。
  3. 【請求項3】 材料として〔(軸受)或いは(筒状断熱
    材)〕と摺動,接触する部分のロ−ル表面に,鉄鋼材料
    を使用した請求項1記載の定着ロ−ル。
  4. 【請求項4】 ブラスト法或いはエッチング加工法によ
    り〔(軸受)或いは(筒状断熱材)〕と摺動,接触する
    摺動部表面を凹凸加工した請求項1,2,3記載の定着
    ロ−ル。
JP2613194A 1994-01-28 1994-01-28 複写機等用定着装置用ロ−ル Pending JPH07217644A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6701120B2 (en) * 2000-11-29 2004-03-02 Ricoh Company, Ltd. Heating device having a heating roller with a large diameter portion which supports bearings
JP2012212137A (ja) * 2011-03-24 2012-11-01 Mitsubishi Chemicals Corp プロセスカートリッジ、画像形成装置
JP2012212136A (ja) * 2011-03-24 2012-11-01 Mitsubishi Chemicals Corp 感光体ドラムに装着される部材、端部部材、軸受け、感光体ドラムユニット、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

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JP2012212136A (ja) * 2011-03-24 2012-11-01 Mitsubishi Chemicals Corp 感光体ドラムに装着される部材、端部部材、軸受け、感光体ドラムユニット、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

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