JPH07217540A - 防水剤吹き付け用ポンプのポンピングチューブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 防水材などの粘稠性建材を押送するポンプの
ポンピングチューブに該粘稠性建材が付着するの防止
し、内容物が変わつてもポンピングチューブの交換をな
くして作業性の向上を図る。 【構成】 外郭体２と、外郭体２の内側同心上に枢設し
たローター６との間にあって外郭体２の内周に沿わせて
設けたポンピングチューブ１をシリコンゴムにて形成し
てなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建造物に防水処理を施
す際に使用するゴムアスファルトエマルジョン、アクリ
ルゴムエマルジョン、その他各種ゴム系エマルジョン等
の防水剤を連続的にノズルから噴出させる防水剤吹き付
け用ポンプのポンピングチューブに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の防水剤、塗料その他この種建材を
連続的に押し出すポンプのポンピングチューブの材質
は、天然ゴム単体、ブチルゴム単体、合成ブチルゴム、
ＮＢＲ（ブタジエン・アクリロニトリルゴム）製等であ
った。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のポ
ンピングチューブの材質は天然ゴム、又はブチルゴム単
体或いは合成ブチルゴム、ＮＢＲ等であり、耐酸、耐候
性（気候変動など通常の温度）に優れていることからタ
イヤチューブなどにも使用されているが、その反面、耐
熱性例えばポンピングチューブ等においては遊星ローラ
の転圧によって生じる高い温度で軟化して寿命が短く、
また塗料など内容物（油性物）が付着しやすく、しかも
落ちにくいので使用後は直ちに洗浄するようにしている
が、それでも該チューブの内壁には徐々に内容物が付着
して流通が悪くなるので、できるだけ長期に亘って安定
的な使用を維持するには内容物の種類例えばプライマー
剤（下塗剤）、防水剤、モルタルなど毎に専用のポンピ
ングチューブと取り替えて使用しなければならず、一連
の作業の途中に於いてこうした取り替え作業をすること
は著しいロスタイムとなっていた。本発明は、上記従来
例のポンピングチューブに係る最大の欠点とされた内容
物の付着についての改善を図るものである。

【０００４】

【課題を解決する為の手段】円弧状外郭体の内壁と、該
外郭体内で転動する複数の遊星ローラーとの間に介在し
たポンピングチューブをシリコンゴムにて形成してな
る。

【０００５】

【作用】シリコンゴムはそれ自体同士の癒着結合は良好
であるが、他のものとの付着を嫌い（接着性不良）いづ
れとも馴染まない性質があり、しかも高い温度にもよく
耐えて強靭であると共に、弾力性に富むことから、ポン
ピングチューブをシリコンゴムにて形成することで、何
れにも付着し易いゴムアスファルトエマルジョン、アク
リルゴムエマルジョン、その他各種ゴム系エマルジョン
等の防水剤を該ポンピングチューブの内壁に全く付着さ
せることなく移送でき、使用後の手入れも容易となり、
しかも強靭であるためポンプが動作して発熱してもそれ
によって疲労、変形することがなく、長期間に亘って使
用が可能である。

【０００６】

【実施例】以下本発明について図面に示す実施例に従っ
て詳述すると、ポンプ本体Ａの側面部に半円形の外郭体
２を突設すると共に、該外郭体２の内側同心上には、中
央から等角度をもって放射状に突出する複数のアーム
３，３・・外端に、前記外郭体２の内壁と相対する遊星
ローラー４，４・・を枢着したローター６を枢設して、
該ローター６を軸心５上の電動機またはエンジン等の原
動機と連動するようになし、前記外郭体の内壁部には該
遊星ローラー４，４・・と接するシリコンゴム製のポン
ピングチューブ１を内接させ、該ポンピングチューブ１
の両端部をポンプ本体Ａの側面に抑止金具８，１２によ
って固定した吸引ホース９と、送出ホース１３の各端部
にそれぞれ接続金具７，１１を介して接続し、ポンプを
運転する事により防水剤タンク１０から粘稠材をノズル
１４へ向かって強力に押送するようにしている。

【０００７】次に上記構成の一連動作について述べる
と、先ずタンク１０内に予めゴムアスファルトエマルジ
ョン或いはアクリルゴムエマルジョン等各種ゴム系エマ
ルジョンの何れか１種類の防水剤を投入して準備してお
き、原動機を駆動すると、ローター６が回転し、各アー
ム３の先端の遊星ローラー４，４・・が転動して、ポン
ピングチューブ１を外郭体２の内壁に押し当て、該遊星
ローラー４，４・・による加圧点の移動によって該チュ
ーブ１内に充満した内容物を該ローラーの移動方向に押
送し、順次巡ってくるローラーによりチューブ内に蓄え
た内容物を連続的に扱き出す。このようにして、ポンプ
動作としてはローラーによってチューブ１の内容物を高
速で強制的に扱いて絞り出すように作用する。従って該
チューブは発熱して高い温度になり内容物が付着しやす
い状態になるが、チューブをシリコンゴムとしたことに
より、内容物は付着せず、それにシリコンゴムは熱に十
分耐えるので長期間の使用も可能である。

【０００８】

【発明の効果】本発明は、ポンピングチューブを他の物
質との付着を嫌い、滑りのよいシリコンゴムで形成した
ことにより、粘稠性で何れとも付着しやすいゴムアスフ
ァルトエマルジョン或いはアクリルゴムエマルジョン等
各種ゴム系エマルジョンが該チューブの管壁に全く付着
せず、内容物の押送の際に抵抗が少なく、従ってこれま
でのように内容物毎にチューブを交換する必要がなく、
例え万一付着が見られたとしても内部の洗浄が極めて容
易である。

【０００９】又、シリコンゴムは、弾性に富み、しかも
強靭であるから骨材を入れた混和材の移送も可能であ
り、それに耐熱性、耐寒性にも優れているので過酷な使
用条件下にも変形や変質を伴わず十分耐える事ができ
る。

【００１０】内壁に従来例のような付着がないから内容
物毎にポンピングチューブを交換する必要がなくなり、
ロスタイムが削減でき作業性が著しく向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のポンピングチューブを備えたポンプの
縦断面図

【符号の説明】

１ ポンピングチューブ ２ 外郭体 ６ ローター

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円弧状外郭体の内壁と、該外郭体内で転
   動する複数の遊星ローラーとの間に介在したポンピング
   チューブを、該遊星ローラーの転動によって防水剤等の
   粘稠材を連続的に押し出すようにした防水剤吹き付け用
   ポンプにおいて、該ポンピングチューブをシリコンゴム
   にて形成したことを特徴とする防水剤吹き付け用ポンプ
   のポンピングチューブ。