JPH07216722A - 布帛の処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】処理室（８）内に設けた並列する複数個のロッ
ド（３）間に、所定長の布帛（５）を垂下させ、各ロッ
ド（３）を引き出しローラ（９）側へ連続又は間欠移動
させることにより、布帛（５）に乾燥・給湿等の処理を
行う布帛処理装置において、前記処理室（８）の布帛滞
留量の正確な制御を目的とする。 【構成】垂下する布帛（５）群の走行路末端に、垂下す
る布帛（５）の接圧によって回動する押えバー（１３）
を設け、該押えバー（１３）を、その回動角度を検知す
る処理室（８）外の角度検出エンコーダ（１４）に連絡
し、該角度検出エンコーダ（１４）により引き出しロー
ラ（９）の回転速度を制御するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、布帛に前処理、スチー
ミング、染色、仕上げ、改質等の処理を施すための処理
装置に関するものであり、更に詳しくは、上記のような
処理を施すに際し、並設する複数のロッド間に布帛を所
定長垂下させ、各ロッドの定方向移動に伴って垂下する
布帛群を定方向へ移動するようにした布帛の処理装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、布帛に前処理、スチーミン
グ、染色、仕上げ、改質等の処理を行う際、実施装置の
小型化を計ると共に布帛を効率良く処理するため、複数
のロッドを並列させ、このロッド間において布帛を所定
長さ垂れ下がるようにして布帛を各ロッドに保持させ、
この状態でロッドと布帛を同方向に移動させながら上記
のような処理を施すようにした処理装置が既に多数提案
され、又実際に使用されている。

【０００３】前記装置の概要を、本出願人が先に提案し
た実願平３−３３５２６号の明細書及び図面に基いて説
明すると、図１に示すように、スプロケット（１）にか
け渡された無端のチェーン（２）に複数のロッド（３）
を並設し、上記スプロケット（１）によってチェーン
（２）を介して各ロッド（３）を間欠的に順々に送るよ
うにする一方、送りローラ（４）から布帛（５）を所定
位置のロッド（３）に供給し、この布帛（５）を各ロッ
ド（３）間において所定長さ垂れ下がるようにして各ロ
ッド（３）に保持させるようにしている。

【０００４】しかして、上記のように布帛（５）を各ロ
ッド（３）間において所定長さ垂れ下がるようにするた
め、上記のように送りローラ（４）によって布帛（５）
を供給したロッド（３）間において、送り部材（６）の
回動によって昇降する押し下げ部材（７）を設け、上記
送りローラ（４）によって布帛（５）をロッド（３）間
に供給すると共に、上記送り部材（６）を回転させて押
し下げ部材（７）を下降させ、この押し下げ部材（７）
によって供給された布帛（５）をロッド（３）間におい
て所要長さ押し下げるようにしている。

【０００５】そして、このようにして布帛（５）を所定
長さ押し下げた後は、上記送り部材（６）を逆方向に回
転させて押し下げ部材（７）を上昇させ、その後、上記
スプロケット（１）を回転させて上記チェーン（２）に
設けた各ロッド（３）を一定のピッチで送るようにして
いる。しかして上記のような操作を反復して繰り返して
行い、各ロッド（３）間において布帛（５）が所要長さ
垂れ下がるようにし、前述の如く布帛（５）を各ロッド
（３）に保持させるようにしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記の布帛処理装置に
おいて、得られる製品の品質を均等に保つためには処理
室内での布帛滞留長さを均等にする必要がある。そうで
ないと、処理対象が乾燥処理である場合は乾燥状態がむ
らになり、処理対象が給濕である場合には含水量が不均
一となり、又薬剤処理である場合はこれらの処理に濃淡
が生ずる。

【０００７】この様な課題を解決するため、図１の装置
においては定速回転する送りローラ（４）に対して取り
出しローラ（図示しない）側を可変となし、これの回転
数を増減することにより処理室内に存在する布帛長さを
制御している。

【０００８】しかして、前記取り出しローラに増減速を
指示する制御機構の従来形状について検討してみると、
垂下する布帛群がその走行路に設けた回動自在な押えバ
ー（図示しない）を押圧することにより押えバー付属の
電極棒を回動させ、布帛滞留量が過大となり、押えバー
付属の電極棒回動量が所定値を越えるとこれが処理室壁
面に設けた他の電極棒と接触し、該接触状態を感知する
ことにより引き出しローラを増速させ処理室内の布帛量
を減少せしめる構造となっている。

【０００９】ところが可動する電極棒と処理室壁面に設
けた固定電極棒との組合せによる制御機構では、湿熱処
理等の繰り返しにより電気系統の絶縁不良を起し、度々
誤動作を生じて連続操業に大きな支障を生じている。本
発明はかかる問題点の解消を目的とするもので、両電極
棒の接触不良によるトラブルや、露による絶縁不良を全
く生ぜしめない新規な布帛量調整機構を提供しようとす
るものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明装置は次の構成を備えている。即ち処理室内に
設けた並列する複数個のロッド間に、所定長の布帛を垂
下させ、各ロッドを引き出しローラ側へ連続又は間欠移
動させることにより、布帛に乾燥・給湿等の処理を行う
布帛処理装置において、垂下する布帛群の走行路末端
に、垂下する布帛の接圧によって回動する押えバーを設
け、該押えバーを、その回動角度を検知する処理室外の
角度検出エンコーダに連結し、該角度検出エンコーダに
より引き出しローラ側の回転速度を制御するように構成
したことを要旨とするものである。

【００１１】

【作用】本発明の第１発明の装置によれば、処理室内に
設けた押えバーの回動度により処理室内の布帛量を検知
し、前記押えバーの回動度を検知する処理室外に設置の
角度検出エンコーダにより布帛引き出しローラの速度を
加減するようにしているので、押えバーの傾斜角度に比
例した増速信号を出力することが可能となり、従来のオ
ンオフ制御でなくリニアに制御することが可能となる。
又制御の中心となる角度検出エンコーダを処理室外に設
置しているので、処理室内の多湿雰囲気等による接点の
接触不良やつゆによる絶縁不良を起すことがない。

【００１２】更に、本発明の第２発明の装置によれば、
予め設定した布帛速度を記憶する主速設定器の信号をコ
ントローラに送信し、該コントローラにより、前記角度
検出エンコーダからの信号と主速設定器からの信号を比
較し、その誤差を引き出しローラ駆動用の電動機に伝
え、これを増減速するようにしているので、正確に且つ
迅速に布帛引き出し速度を制御することが出来る。

【００１３】

【実施例】以下図２に示す実施例により本発明装置を具
体的に説明する。尚、以下の実施例において、図１に示
す従来技術と同一の構成要素については同一の符号を付
し、且つその詳しい説明を省略する。図２は実施例の装
置の概要を示す説明図である。

【００１４】図２に示す通り、処理対象の拡布状布帛
（５）は所定の定速回転を行う送りローラ（４）を経由
して二点鎖線で示される処理室（８）内に導入され、並
列する複数本のロッド（３）を経て引き出しローラ
（９）に到達し、積極回転を行う前記引き出しローラ
（９）により引き出された後、矢印方向へ走行し、次過
程へ運ばれる。

【００１５】処理室（８）内に導入された布帛（５）
は、図１に示される公知の送り部材（６）、押し下げ部
材（７）の連動作用で、先に説明した通りこの布帛
（５）を各ロッド（３）間において所定長さ垂れ下がる
ようにして各ロッド（３）に保持されている。尚これら
の機構並びにその作動状態は図１に示す従来機構と全く
同一であるので、図２には図示せず割愛している。

【００１６】軸間に所定長さの布帛（５）が垂れ下がる
ようにこれを把持した複数個のロッド（３）は等間隔に
配列しており、先に図１を参照して説明した通り、スプ
ロケット（１）にかけ渡された無端のチェーン（２）に
前記複数のロッド（３）を並列状態で固着し、前記スプ
ロケット（１）の間欠回動によってチェーン（２）を介
して各ロッド（３）は間欠的に順に引き出され、引き出
しローラ（９）側へ移行するようになっている。尚ロッ
ド（３）を移動させるためのスプロケット（１）及びチ
ェーン（２）の構造は図１の従来構造と同一であるので
図２上ではその一部は図示しておらない。

【００１７】次いで前記送りローラ（４）、及び引き出
しローラ（９）を駆動させる系路について図２により具
体的に説明する。送りローラ（４）の駆動軸は定められ
た回転数で駆動する電動機Ａ（１０）に接続しており、
該電動機Ａ（１０）は主速設定器（１１）に電気回路を
介して連結し、これが指示する回転数で定速回転する。

【００１８】一方垂下する布帛（５）群の走行路の末尾
には、支軸（１２）に固着する一枚羽根状の押えバー
（１３）が設置されている。該押えバー（１３）は回動
自在に支承されており、その回動度、即ち作用面の傾き
は支軸（１２）を経て、処理室（８）外に設けた角度検
出エンコーダ（１４）に伝達される構成となっている。
又、主速設定器（１１）は先に述べた通り、電動機Ａ
（１０）に連結する一方、コントローラ（１５）を経
て、引き出しローラ（９）を駆動する電動機Ｂ（１６）
に連結し、更に前記コントローラ（１５）は先に述べた
角度検出エンコーダ（１４）に接続している。

【００１９】垂下する布帛（５）群が複数本のロッド
（３）により連続的に送られる態様において、これが押
えバー（１３）を押した際、押えバー（１３）に連結す
る角度検出エンコーダ（１４）が先に説明した通り、押
えバー（１３）と同様に回動し、その角度を検出する。
検出された角度信号はコントローラ（１５）に送られ、
主速設定器（１１）より送られた所定値の信号と比較さ
れる。押えバー（１３）よりの角度検出信号が予め設定
された角度信号より小さければ、そのままの布帛走行速
度を保持し、若し押えバー（１３）の回動が所定値より
大きい時は、コントローラ（１５）より、電動機Ｂ（１
６）へ増速信号を発し、引き出しローラ（９）を増速す
る構成となっている。

【００２０】尚、図２に示す通り、複数のロッド
（３）、押えバー（１３）、支軸（１２）は処理室
（８）内に設置しており、一方、送りローラ（４）、電
動機Ａ（１０）、主速設定器（１１）、コントローラ
（１５）、角度検出エンコーダ（１４）、電動機Ｂ（１
６）、引き出しローラ（９）は処理室（８）外に設置し
ている。

【００２１】実施例の装置は上述の如き構成からなるも
ので、以下図２を参照しながらその駆動状態の概略を、
一部先の記述と重複するが説明する。主速設定器（１
１）の指示により電動機Ａ（１０）と電動機Ｂ（１６）
は駆動し、布帛（５）は矢印方向に搬送され、処理室
（８）内において図示の如きループを作りながら引き出
しローラ（９）側へ移動する。尚運転初期は電動機Ａ
（１０）のみ駆動し、図２の如き態様になってから電動
機Ｂ（１６）は連動して駆動する。

【００２２】かかる態様において、垂下する布帛（５）
群の末尾が押えバー（１３）を押した時、押えバー（１
３）と連結されている角度検出エンコーダ（１４）が押
えバー（１３）と同様に動作し、その角度を検出する。
検出した角度信号はコントローラ（１５）に送られ、予
め設定された角度より検出角度が少なければそのままの
布帛速度を保持し、検出角度が大きくなり、設定値以上
になれば、電動機Ｂ（１６）を増速し、処理室内の布帛
量を低減させる。この様にして布帛貯留量を制御するの
である。

【００２３】

【発明の効果】本発明装置を用いることにより、従来装
置で発生していた湿気等による誤動作を解消し、且つ増
速のための押えバー設定角度を任意に設定することが出
来る。又押えバー角度に比例した速度制御が可能とな
り、従来装置に比較してシビアな制御を達成し、得られ
る製品の品質、及び生産性を格段にあげることが出来
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来装置の概略を示す説明図である。

【図２】本発明に係る実施例の装置の概略を示す説明図
である。

【符号の説明】

３ ロッド ４ 送りローラ ５ 布帛 ８ 処理室 ９ 引き出しローラ １０ 電動機Ａ １１ 主速設定器 １３ 押えバー １４ 角度検出エンコーダ １５ コントローラ １６ 電動機Ｂ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｄ０６Ｂ 15/00

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 処理室（８）内に設けた並列する複数個
   のロッド（３）間に、所定長の布帛（５）を垂下させ、
   各ロッド（３）を引き出しローラ（９）側へ連続又は間
   欠移動させることにより、布帛（５）に乾燥・給湿等の
   処理を行う布帛処理装置において、垂下する布帛（５）
   群の走行路末端に、垂下する布帛（５）の接圧によって
   回動する押えバー（１３）を設け、該押えバー（１３）
   を、その回動角度を検知する処理室（８）外の角度検出
   エンコーダ（１４）に連絡し、該角度検出エンコーダ
   （１４）により引き出しローラ（９）の回転速度を制御
   するように構成したことを特徴とする布帛の処理装置。
2. 【請求項２】 布帛（５）を処理室（８）内へ導入する
   送りローラ（４）の回転数を予め設定する主速設定器
   （１１）が、電気回路を介して送りローラ（４）駆動用
   の電動機Ａ（１０）に接続すると共に、コントローラ
   （１５）を経由して引き出しローラ（９）駆動用の電動
   機Ｂ（１６）に接続し、更に前記コントローラ（１５）
   が電気回路を介して角度検出エンコーダ（１４）に接続
   している請求項１に記載の布帛の処理装置。