JPH07216269A - 抗菌性塗料 - Google Patents

抗菌性塗料

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JPH07216269A
JPH07216269A JP3903994A JP3903994A JPH07216269A JP H07216269 A JPH07216269 A JP H07216269A JP 3903994 A JP3903994 A JP 3903994A JP 3903994 A JP3903994 A JP 3903994A JP H07216269 A JPH07216269 A JP H07216269A
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JP
Japan
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weight
antibacterial
coating film
paint
component
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JP3903994A
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Akira Ogawa
明 小川
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NISSEI MAINTENANCE KK
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NISSEI MAINTENANCE KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 形成される塗膜に細菌類や黴菌類が繁殖しえ
ぬような物理的繁殖抑制と持続する化学的抗菌性を発揮
せしめて、長期に亘り塗膜の汚損と剥離を防止しえる抗
菌性塗料の提供。 【構成】 アクリル樹脂分15乃至35%重量、酢酸ブ
チルジオキサン並びにプロピレングリコールがそれぞれ
0.5乃至1.5%重量、顔料10乃至25%重量及び
水分40乃至60%重量で構成される塗料成分、若しく
はメタアクリル樹脂分25乃至45%重量、エチレング
リコール10乃至20%重量、脂肪族イソシアネート2
乃至7%重量、脂肪族アミン0.2乃至1.0%重量及
び水分35乃至55%重量で構成される塗料成分に、N
−メチロールクロルアセトアミドの重量に対しメチロー
ル尿素が50乃至90%重量で構成される抗菌成分を混
入分散されてなる抗菌性塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌性を保持する塗料に
係るもので、更に詳しくは細菌類や黴菌類の繁殖を阻止
することにより、長期に亘って塗膜の剥離や汚損を防止
することが可能な抗菌性塗料に関するものである。
【0002】
【従来技術】我が国は冬期の一時期を除き全般に高温多
湿な気候風土にあり、且近年では建物や構築物も鉄骨鉄
筋コンクリートやプレキャストコンクリート等の構造並
びにアルミサッシや新建材等の使用とが相俟って密閉性
が著しく高まり、年間を通じこれら建物や構築物の空間
は温暖に保持される反面、該空間内には極めて多種に亘
る細菌類や黴菌類等が浮遊し或いは随所に付着してお
り、而も細菌類や黴菌類は一旦温度、水分、酸素及び栄
養源等の繁殖条件が整うと短時に且急激な繁殖をなすこ
ととなる。
【0003】他方塗料は素地自体を保護すること及び美
観を付与するという2つの機能を安価に実現しえるもの
であるから、従来より建物や構築物等には積極的に使用
されている。しかしながら建物空間特には居住空間には
食物残滓や油脂分、汗、体液或いは生活用品から発生す
る屑や塵埃等細菌類や黴菌類の栄養源は極めて豊富に存
在し、更に構築物空間においても人や商品等に付着し侵
入する油脂分や水分を初め機器、商品からの屑や塵埃等
細菌類や黴菌類の栄養源となりうるものは豊富にあるか
ら、日光照射もなく風通しの悪い建物、構築物等の隅や
北側壁面、地下室或いは水回り近傍には細菌類や黴菌類
が著しく繁殖する。これがためかかる部分が塗装されて
なる場合には、該細菌類や黴菌類の繁殖に伴いその塗膜
表面には短期に生成される色素や分泌物等によりシミ、
斑が多量に発生するばかりか、塗膜自体も分解劣化され
る等汚損が招来される。而も細菌類や黴菌類は塗膜面と
壁面や床面を形成するコンクリートやモルタル面との間
隙部分には顕著に繁殖するため、該繁殖に伴い塗膜自体
の短期剥離も招来される。
【0004】かかる状況に対し、現状では塗料に殺黴剤
としてアミド化合物(例えば1,2−ベンゾイソチアゾ
リン−3−オン)、ベンズイミダゾール化合物(例えば
2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール)、有機ハ
ロゲン化合物(例えばブロモ酢酸ベンジル)、或いはフ
ェノール酸(例えば4−クロロ−m−クレゾール)等を
適宜量混入し該殺黴剤の揮散若しくは溶出により黴菌類
等を殺黴し以てこれらの繁殖防止を図るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】然るにかかる手段は
殺黴成分の揮散若しくは溶出量に伴い殺黴を図るもので
あり、且常時一定の揮散若しくは溶出をなさしめること
は至難であるから、使用初期においては揮散若しくは溶
出量も多く殺黴性が発揮されるものの、使用経過ととも
に急速に滅失するため残効性はせいぜい3乃至6ケ月と
言われている。而もこれら殺黴剤等は毒性が強く、従っ
て長期に亘り残効性を保持させるため予め高濃度に使用
することは極めて危険であること等により、現状の塗料
は細菌類や黴菌類の繁殖防止に際しては全く未解決の実
情にある。
【0006】本発明はかかる問題に鑑みなされたもので
あって、本発明は形成される塗膜に細菌類や黴菌類が繁
殖しえぬような物理的繁殖抑制と持続する化学的抗菌性
を発揮せしめて、長期に亘り塗膜の汚損と剥離を防止し
える抗菌性塗料を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明が用いた技術的手段の1つは、塗装に伴い形
成される塗膜面に建物等の空間内に浮遊する細菌類や黴
菌類が付着しえぬような平滑性と、仮令付着した場合に
も根拡成長と繁殖条件がなしえぬような塗膜硬度と微細
間隙の無い緻密且強固な接着力を有する塗膜の形成所謂
物理的な繁殖抑制を図るため、塗料成分がアクリル樹脂
分15乃至35%重量、酢酸ブチルジオキサン並びにプ
ロピレングリコール0.5乃至1.5%重量、顔料10
乃至25%重量及び水分40乃至60%重量で構成され
たもの、或いは塗膜の物理的繁殖抑制を一段と高める場
合には塗料成分としてメタアクリル樹脂分25乃至45
%重量、エチレングリコール10乃至20%重量、脂肪
族イソシアネート2乃至7%重量、脂肪族アミン0.2
乃至1.0%重量及び水分35乃至55%重量の構成が
選択される。
【0008】更にいま1つの技術的手段は、形成される
塗膜面に付着し或いは接触する細菌類や黴菌類を長期に
亘って化学的に殺菌させる所謂化学的抗菌性を発揮させ
て繁殖防止を図るため、N−メチロールクロルアセトア
ミドの重量に対しメチロール尿素が50乃至90%重量
の割合で構成される抗菌成分を前記塗料に実質的に10
0ppm以上の濃度に混入させてなる構成、若しくは該
抗菌成分に更にスルホン誘導体並びにイソチアソール誘
導体がN−メチロールクロルアセトアミドの重量に対し
5乃至20%重量の割合で混合されてなる構成、或いは
これら抗菌成分がプロピレングリコールを溶媒として
0.1乃至10%重量の割合で希釈分散されてなる構成
に存する。
【0009】
【作用】本発明の技術的手段は次のような作用を有す
る。即ち塗膜を形成する素材としてアクリル樹脂が主に
使用されてなるから強靭な塗膜の形成がなしえるととも
に、塗膜の安定性や美観付与或いは下地面やプライマー
層面との強度の接着性を図るうえで多量に混合される顔
料(体質顔料及び着色顔料)も、酢酸ブチルジオキサン
の媒介により相互の相溶性と分散性が高められ緻密な塗
膜が形成される。而もプロピレングリコールが可塑材と
して作用するため、塗膜に耐衝撃性や耐ひび割れ性が付
与され、長期使用に際しても亀裂や間隙の発生のない平
滑な塗膜面が保持される。
【0010】更にメタアクリル樹脂を主体とする場合に
は、脂肪族アミンの媒介によりメタアクリル樹脂と水と
の溶解性並びに分散性が高められ且エチレングリコール
の存在により水との相溶性が著しく高められ、而も脂肪
族イソシアネートの作用で硬化が増長され強靭で硬度も
極めて高く且平滑性の優れた塗膜が形成される。加えて
エチレングリコールが可塑材として使用するため、塗膜
に耐衝撃性と耐ひび割れ性も付与される。
【0011】そしてかかる塗膜形成のための塗料には、
N−メチロールクロルアセトアミドの重量に対しメチロ
ール尿素が50乃至90%重量の割合で構成された抗菌
成分が、実質的に100ppm以上の濃度に混入分散さ
れてなるものであって、該N−メチロールクロルアセト
アミド及びメチロール尿素には化学的活性の高いメチル
基若しくはメチレン基を有するから、塗膜が使用に際し
光や熱エネルギー、酸化、加水分解等の物理化学作用を
受けると該メチル基若しくはメチレン基が活性化し、こ
れに伴い遊離クロル基や水酸基の生成が促進されて該ク
ロル基が細菌類や黴菌類の蛋白質中の−S−S−結合を
破壊したり−SH基を酸化し、更に水酸基が細胞膜を通
して菌体蛋白質の変性や凝固作用を及ぼすため、細菌類
や黴菌類の繁殖が阻止される。
【0012】更に活性化したメチル基若しくはメチレン
基はメタノールの生成や、アセトアミド分子は加水分解
によっては酸とアンモニアを生成し若しくは脱水により
アセトニトリルを生成する等細菌類や黴菌類に対し抗菌
性を有する二次生成物が生成されるため、菌類の繁殖が
抑制されることとなる。而も尿素分子の存在により酸と
反応して付加化合物の塩が生成され且該生成物を介して
更に化学作用が促進される等、抗菌成分相互が活性化さ
れる結果長期に亘って抗菌作用が発揮されることとな
る。
【0013】加えて該抗菌成分に更にスルホン誘導体並
びにイソチアゾール誘導体をN−メチロールクロルアセ
トアミドの重量に対し5乃至20%重量の割合で混合さ
せることにより、これら成分自体が抗菌性を有するばか
りか特にイソチアゾール誘導体の存在で抗菌成分相互の
活性化が一段と促進され、強い抗菌力が発揮され且長期
に亘って抗菌作用が維持される。
【0014】更に抗菌成分は塗料に対し実質的に100
ppm以上の濃度に混入分散されるもので極めて微量で
あるものの、抗菌性を有効に発揮させるためには該抗菌
成分が塗料全体に均質に分散されることが重要で、抗菌
成分を直接混入する場合には最大10,000倍に希釈
分散させる必要上撹拌に十分注力する必要が生ずる。か
かる問題に対し抗菌成分をプロピレングリコールを溶媒
として0.1乃至10%重量の割合で希釈分散させるこ
とにより、プロピレングリコールがアクリル樹脂或いは
メタアクリル樹脂や脂肪族イソシアネート、スルホン誘
導体並びにイソチアゾール誘導体、及び水分と十分な相
溶性を有し而も直接混入する場合に比べ10倍乃至10
00倍も多量に混入されるため、塗料全体への抗菌成分
の均質分散が図れる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明すれば、塗装に
より形成される塗膜が建物空間内を浮遊する細菌類や黴
菌類が付着しえぬような平滑性及び仮令付着した細菌類
や黴菌類も根拡生長並びに繁殖できぬような塗膜硬度及
び微細間隙等の発生しにくい緻密で且高接着強力を保持
させる必要上塗膜形成の主要成分としてはアクリル樹脂
が選択されるもので、該アクリル樹脂は水溶性塗料とし
て使用することから通常の場合はカルボキシルモノマー
を用い酸価を高めアミン等で中和することで製造され
る。そして塗装時の条件によっても異なるが、塗料とし
ての粘度はほぼ100乃至10,000ポアズ(cp)
程度が必要とされ且塗膜の性能保持のための顔料等の配
合も考慮すると、該アクリル樹脂分としては少なくとも
15%重量以上が望まれ且最大でも35%重量程度に留
めることが好適である。
【0016】更に形成される塗膜は、均質で緻密に且安
定性に優れ而も下地面やプライマー層面との強固な接着
性を保持させる必要上から体質顔料及び、光沢或いは艶
消し若しくは着色、透明性等所望の美観を付与せしめる
着色顔料とからなる顔料分が10乃至25%重量の割合
で混合される。この顔料分のうち着色顔料はせいぜい
0.5乃至3%重量程度混合することで十分にその目的
が達成しえるものであるから顔料の主体は体質顔料であ
って、該体質顔料は塗膜に要求される物性により種々選
択されるもので、強靭な塗膜形成並びに間隙等の発生を
防止し緻密な塗膜形成を図るためにはカオリナイト、ハ
ロイサイト、アルミナ、パーライト等が望ましく、更に
安定性の高い塗膜形成を図るためにはタルクや炭酸カル
シウムが望ましく、また下地面やプライマー層面との強
固な接着性を図るうえからはタルクや無水ケイ酸等が望
まれる。
【0017】そして着色顔料は耐光性や耐候性或いは耐
退色性の面で無機着色顔料が好適であるが、色調次第で
は有機着色顔料の使用も何んら制限はなく且艷消し等に
際しては無彩色顔料としての二酸化チタンや亜鉛華或い
はカーボンブラックや鉄黒等も当然に使用される。
【0018】而してかかる如き多量の顔料が混合される
場合に肝要なことの1つは、これら顔料とアクリル樹脂
とが相溶し均質に分散されることであって、本発明にお
いては酢酸ブチルジオキサンを0.5乃至1.5%重量
混合させることで顔料を十分に溶解させ、相互の相溶性
を高め均質な分散を図っている。かかる場合酢酸ブチル
ジオキサンの混合割合が0.5%重量以下になると顔料
の溶解が不十分となり、且1.5%重量以上に混合割合
が増大されても相溶性や均質な分散性には特段の効果は
期待されないことに留意すべきである。
【0019】また予め所望の美観が付与されて形成され
た塗膜表面を更に補強するために強靭且硬度も高く透明
な塗膜を形成する場合、若しくは下地面の色彩や模様等
を活用するため強靭且硬度が高く而も透明な塗膜を形成
する場合等においては、塗膜を形成する主要成分として
メタアクリル樹脂が選択されるもので、かかる場合にお
いても水溶性塗料として用いる必要上から該メタアクリ
ル樹脂は通常メタアクリル酸モノマーに、ベンゾール及
びキシロール並びに酢酸エステルを触媒を介して溶液重
合により製造される。そしてかかる場合の塗装に際して
はアクリル樹脂に比べやや高粘度即ち略500乃至2
0,000ポアズ(cp)程度の粘度が望まれることか
ら、メタアクリル樹脂分としては少なくとも25%重量
以上で且最大でも45%重量程度に留めることが好都合
である。
【0020】そして均質且緻密な塗膜の形成にはメタア
クリル樹脂を十分に溶解して水との分散性を高めるうえ
から、脂肪族アミンが0.2乃至1%重量混合される。
而もエチレングリコールを10乃至20%重量混合する
ことにより水との相溶性並びに分散性が一段と高められ
ることとなる。更に形成される塗膜の強靭性と硬度を高
めるうえから脂肪族イソシアネートを2乃至7%重量混
合することにより硬化が増長されるものの、反面ひび割
れ抵抗性の低下や衝撃時における亀裂の発生が増大され
る危険もあるため、本発明においてはエチレングリコー
ルの存在により可塑剤的作用が働きかかる心配が解決さ
れることとなる。
【0021】かくして形成される塗膜には、化学的活性
を高めて細菌類や黴菌類に対し強い抗菌力を持つ遊離ク
ロル基や水酸基を生成せしめ、而もその化学作用で生成
さる二次生成物の抗菌性と且該二次生成物を介して更に
化学作用を促進せしめ長期に亘って抗菌性を保持させる
抗菌成分が混入分散されるもので、該抗菌成分の1つの
素材は化学的活性の高いメチル基若しくはメチレン基と
抗菌力の強いクロル基及び水酸基を多く有し、且化学作
用を促進するのに好都合のアミド基を有し而も酸やアン
モニア若しくはアセトニトリル等の抗菌性を有する二次
生成物の生成に最適なアセトアミド分子を擁するものと
してN−メチロールクロルアセトアミドが選択される。
このN−メチロールクロルアセトアミドはクロロ−N−
(ハイドロオキシメチル)アセトアミドとも称され、こ
の遊離クロル基は抗菌力の強さとともに抗菌寿命も長い
ものであるから抗菌成分の構成割合としては最も多く使
用されるもので、少なくとも抗菌成分の50%以上の重
量を占めることが好適である。
【0022】抗菌成分を構成するいま1つの素材は、化
学的活性の高いメチル基若しくはメチレン基と抗菌力の
強い水酸基を有し、且化学作用を促進させるのに好適な
カルボニル基とともに、生成される酸と反応し更に化学
作用を継続させる尿素分子を有するものとしてメチロー
ル尿素が選択されるもので、具体的には1,3ビス(ハ
イドロオキシメチル)ウレアが挙げられる。そして該メ
チロール尿素はN−メチロールクロルアセトアミドの重
量に対し50乃至90%重量割合で構成されることが抗
菌成分を構成する素材相互の化学作用を促進させるうえ
から望まれるもので、メチロール尿素の構成割合が25
%以下になると二次生成物の生成や更なる化学作用の継
続性が低下し長期に亘る抗菌性に支障が生ずることを留
意すべきである。
【0023】そして更に長期に亘って抗菌性を発揮させ
る場合には、素材自体が抗菌性を有し且特に化学作用の
促進的役割を持つスルホン誘導体、例えば2−(メチル
スルホン)エチルアルコールやイソチアゾール誘導体、
例えばイソチアゾールジノンや1,3,4チアジアゾー
ル等を、N−メチロールクロルアセトアミドの重量に対
し5乃至20%重量の割合で混合させてなる構成の抗菌
成分が効果的である。
【0024】かくしてなる抗菌成分を塗料に混入分散さ
せ形成される塗膜が細菌類や黴菌類に対し実用上の抗菌
性を発揮しえる濃度を決定するためには、菌種によるそ
れぞれの最少発育阻止濃度を測定してみる必要が生ず
る。そこでN−メチロールクロルアセトアミドの重量に
対し、メチロール尿素を50%重量割合で構成した抗菌
成分Aと、該抗菌成分Aにスルホン誘導体として2−
(メチルスルホン)エチルアルコール及びイソチアゾー
ル誘導体として1,3,4チアジアゾールを、それぞれ
N−メチロールクロルアセトアミドの重量に対し5%重
量割合で混合し構成された抗菌成分Bについて、最少発
育阻止濃度を測定してみると
【表1】の通りである。
【0025】
【表1】
【0026】かかる最少発育阻止濃度測定結果からも明
かな如く、菌種により最少発育阻止濃度には極めて大き
な差異が認められるが、本発明において確実且安全な抗
菌性を期待するには、少なくとも抗菌成分の実質的濃度
を100ppm以上に決定しておくことが肝要である。
【0027】ところで塗料若しくは形成される塗膜に対
し抗菌成分濃度を実質的に100ppm以上に保持させ
るには、抗菌成分を直接塗料に混入分散させる場合には
極めて微量であって略10000倍にまで希釈される必
要があり、且有効な抗菌性を発揮させるためには塗料若
しくは形成される塗膜全体に均質に分散されることが重
要となるから、撹拌や分散のための特別な装置や方法が
要求されることとなる。
【0028】かかる問題に対しては、抗菌成分をアクリ
ル樹脂若しくはメタアクリル樹脂及び水に対し相溶性を
有するプロピレングリコールを溶媒として0.1乃至1
0%重量溶解させた分散希釈溶液としたうえ塗料に混入
分散させることにより、略10倍乃至1000倍の希釈
で分散が均質に図れることとなるから特段分散させるた
めの装置や方法を要することなく、塗料全体に均質な分
散が図れることとなる。
【0029】以下に本発明による4種類の塗料について
物性試験及び抗菌性試験の結果を報告すれば、アクリル
樹脂分30%重量、酢酸ブチルジオキサン並びにプロピ
レングリコール1%重量、顔料(無機着色顔料2%、体
質顔料としてカオリナイト8%、タルク8%)18%重
量、及び水分52%重量で構成されるアクリル塗料に前
記抗菌成分Aを100ppmの濃度に混入分散させた塗
料Aと、アクリル塗料に前記抗菌成分Bを100ppm
の濃度に混入分散させた塗料B、及びメタアクリル樹脂
分35%重量、エチレングリコール18%重量、脂肪族
イソシアネート5%重量、脂肪族アミン1%重量、水分
41%重量からなるメタアクリル塗料に、前記抗菌成分
Aを100ppmの濃度に混入分散させた塗料C、及び
メタアクリル塗料に前記抗菌成分Bを100ppmの濃
度に混入分散させた塗料Dについての付着強さ、初期乾
燥によるひび割れ抵抗性、及び耐衝撃性についての試験
結果は
【表2】の通りであった。
【0030】
【表2】
【0031】更に塗料A、塗料B、塗料C、塗料Dの抗
菌性を判定するため以下の通りの黴抵抗性試験を行っ
た。即ち供試菌には黴菌2種を用い前培養及び菌液調整
として、ポテトデキストロース寒天培地で28℃1週間
前培養し、0.05%Tween80生理食塩液で胞子
数105/mlを作成し試験菌液とした。試験方法は塗
料A、塗料B、塗料C、塗料Dをそれぞれ直径2cm厚
さ2mmのガラス板上に塗布し、1週間乾燥させて厚さ
1mmの塗膜を形成させたものを試料とした。そしてこ
れら試料を紫外線ランプ(1.5W)から30cm離れ
た位置に放置し3乃至8ケ月照射したうえ、その試料を
胞子液0.2mlまいた寒天培地上に塗膜面が接するよ
う貼付し、これを28℃1週間培養した。培養後それぞ
れの試料の阻止帯を測定し、経時的に紫外線放射に対す
る黴抵抗性(抗菌性)の結果は
【表3】の通りであった。尚対照試料としてはアクリル
塗料に抗菌成分の無混入のものを用いた。
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】本発明は上述の如き構成からなるもの
で、形成される塗膜が極めて強靭で硬度も高く且緻密で
而も平滑であるから浮遊する細菌類や黴菌類が付着しに
くいばかりか、仮令付着しても根拡ができぬから生長繁
殖が防止され而も簡単な掃除で容易に拭き取りがなしえ
る。更に強固な接着がなされるため下地面やプライマー
層面との間に間隙の発生も無くなる。加えて塗膜自体が
ひび割れ抵抗性や耐衝撃性が極めて高いものであるか
ら、使用段階においてもひび割れや衝撃による塗膜面の
損傷の発生も防止されるため、細菌類や黴菌類の付着繁
殖も無くなる。そして塗膜には、N−メチロールクロル
アセトアミドの重量に対しメチロール尿素が50乃至9
0%重量の割合で構成される抗菌成分、若しくは該抗菌
成分に更にスルホン誘導体並びにイソチアゾール誘導体
がN−メチロールクロルアセトアミドの重量に対し5乃
至20%重量の割合で混合された構成の抗菌成分、或い
はこれら抗菌成分がプロピレングリコールに対し0.1
乃至10%重量希釈分散させたうえ実質的に100pp
m以上の濃度で混入分散されてなるから、塗膜全体に抗
菌成分が均質に分散されるとともに使用に際しての光や
熱、酸化、加水分解等の物理化学作用により、塗膜面が
常に活性化され長期に亘って抗菌力の強い遊離クロル基
や水酸基が生成され細菌類や黴菌類の殺菌殺黴がなされ
繁殖が防止され、而も抗菌性を有する二次生成物も生成
されることから、塗膜面での繁殖が防止され塗膜の剥離
が無くなり且塗膜表面での繁殖も防止されることにより
汚損もなくなり塗膜の美観が長期に保持されることとな
る。更に本発明は化学作用に基づく遊離クロル基や水酸
基の強い抗菌力及び抗菌性を有する二次生成物で抗菌を
図るものであるから、抗菌成分も極めて微量の使用であ
り安全性が極めて高く而も建物空間等を常時清潔に保持
しえる等、極めて多くの特長を有する抗菌性塗料といえ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル樹脂分が15乃至35%重
    量、酢酸ブチルジオキサン並びにプロピレングリコール
    がそれぞれ0.5乃至1.5%重量、顔料10乃至25
    %重量、及び水分40乃至60%重量で構成される塗料
    成分に、N−メチロールクロルアセトアミドの重量1に
    対しメチロール尿素が50乃至90%重量の割合で構成
    される抗菌成分が、実質的に100ppm以上の濃度に
    混入分散されてなる抗菌性塗料。
  2. 【請求項2】 塗料成分がメタアクリル樹脂分25乃
    至45%重量、エチレングリコール10乃至20%重
    量、脂肪族イソシアネート2乃至7%重量、脂肪族アミ
    ン0.2乃至1.0%重量、及び水分35乃至55%重
    量で構成される請求項1記載の抗菌性塗料。
  3. 【請求項3】 抗菌成分に、更にスルホン誘導体並び
    にイソチアゾール誘導体がN−メチロールクロルアセト
    アミドの重量に対し、それぞれ5乃至20%重量混合さ
    れた構成からなる請求項1若しくは請求項2記載の抗菌
    性塗料。
  4. 【請求項4】 抗菌成分がプロピレングリコールに対
    し0.1乃至10%重量希釈分散されてなる請求項1、
    請求項2若しくは請求項3記載の抗菌性塗料。
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