JPH07215044A - 車両用蓄熱暖房装置 - Google Patents

車両用蓄熱暖房装置

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JPH07215044A
JPH07215044A JP6010888A JP1088894A JPH07215044A JP H07215044 A JPH07215044 A JP H07215044A JP 6010888 A JP6010888 A JP 6010888A JP 1088894 A JP1088894 A JP 1088894A JP H07215044 A JPH07215044 A JP H07215044A
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JP
Japan
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cooling water
engine cooling
engine
temperature
heating
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Application number
JP6010888A
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English (en)
Inventor
Koichi Nakada
浩一 中田
Kazuhisa Mogi
和久 茂木
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 急速暖房及び効率の良い吹出し温度持続を両
立させる。 【構成】 コントローラ66はエンジン用水温センサ6
2及びヒータ用水温センサ64が接続されている他、電
動ポンプ30及びブロワ46が接続されている。さら
に、コントローラ66には急速暖房用のマップAと吹出
し温度持続用のマップBとが記憶されており、エンジン
始動直後から蓄熱材の融点に達するまでは急速暖房用の
マップAに基づいて電動ポンプ30及びブロワ46の作
動を制御し、蓄熱材の融点に達してからエンジン側のエ
ンジン冷却水温度がヒータ側のエンジン冷却水温度以上
になるまでは吹出し温度持続用のマップBに基づいてこ
れらの作動を制御する。従って、急速暖房及び効率の良
い吹出し温度持続を両立させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用蓄熱暖房装置に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】車両用
蓄熱暖房装置としては、エンジン冷却水を熱源とする熱
交換器(温水式ヒータ)によって、車室内空間を暖房す
る構成が一般的であるが、この構成に蓄熱装置を付加し
たものが既に案出されている。その一例が実開昭62−
10228号公報に開示されており、以下この公報に開
示された構成について説明する。
【0003】図16には、エンジン冷却水循環経路15
0が示されている。この図に示されるように、エンジン
冷却水循環経路150の途中には、エンジン152、熱
交換器(温水式ヒータ)154、蓄熱装置156、及び
ポンプ158が配設されている。
【0004】蓄熱装置156は断熱材160で覆われた
保温容器162を備えており、この保温容器162の入
口及び出口にはバルブ164、166がそれぞれ配設さ
れている。また、保温容器162の内部には、複数の蓄
熱材(潜熱蓄熱材)168が収容されている。
【0005】また、熱交換器154の近傍にはブロワ1
70が配設されており、熱交換器154によって生じた
暖気を車室内空間へ送給するようになっている。さら
に、エンジン冷却水循環経路150の途中にはバルブ1
72が配設されており、必要に応じてエンジン冷却水の
送給経路を変更するようになっている。
【0006】上記構成のエンジン冷却水循環経路150
は、以下の如くして用いられる。すなわち、図17に示
されるように、蓄熱時には、バルブ172が図示の状態
とされた上で、図示しないウォータポンプが作動され
る。なお、この場合、ポンプ158及びブロワ170は
停止されている。これにより、高温状態のエンジン冷却
水がエンジン152から蓄熱装置156の保温容器16
2内に送給されて保温されるので、保温容器162内の
蓄熱材168が加熱される。
【0007】次に、図18に示されるように、蓄熱暖房
運転時には、バルブ172が図示の状態に切り換えられ
た上で、ポンプ158が作動される。なお、この場合、
ブロワ170が作動状態とされる。これにより、蓄熱装
置156で蓄えられた熱が熱交換器154で放熱され、
この結果生じた暖気がブロワ170によって車室内空間
へ送給される。
【0008】ところで、この種の車両用蓄熱暖房装置に
は、暖房運転開始時には速やかに暖気を車室内空間へ送
給してできるだけはやく車室内空間を温めたいという要
請が当然にあり、その一方で、吹出し温度が所定温度に
達した後は蓄熱装置に蓄熱された熱量を浪費するのを避
けてできるだけ長く吹出し温度を持続させたいという要
請がある。
【0009】しかしながら、上記公報に開示された構成
による場合、ポンプ158及びブロワ170が常に一定
の出力で作動される。別言すれば、蓄熱材168の熱量
を考慮した上で、ポンプ158及びブロワ170の作動
をきめ細かく制御することはなされていない。従って、
前述した急速に暖房するという要請及び効率良く吹出し
温度を持続させるという要請を同時に満たすことができ
ない。
【0010】本発明は上記事実を考慮し、急速暖房及び
効率の良い吹出し温度持続を両立させることができる車
両用蓄熱暖房装置を得ることが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る車両用蓄熱
暖房装置は、エンジン及びラジエータを途中に有し、エ
ンジン冷却水を循環させることによりエンジンを冷却す
る第1のエンジン冷却水循環経路と、この第1のエンジ
ン冷却水循環経路に接続され、エンジン冷却水が通過す
ることにより蓄熱する蓄熱装置及びエンジン冷却水が通
過することにより放熱する暖房用ヒータを途中に有する
第2のエンジン冷却水循環経路と、この第2のエンジン
冷却水循環経路内においてエンジン冷却水を循環させる
エンジン冷却水循環ポンプと、暖房用ヒータ付近に設け
られ、暖房用ヒータ側へ送風して暖気を車室内空間へ送
給する送風手段と、エンジン側のエンジン冷却水温度が
暖房用ヒータ側のエンジン冷却水温度以上である第1の
場合にはエンジンによって昇温されたエンジン冷却水を
暖房用ヒータに送給し、エンジン側のエンジン冷却水温
度が暖房用ヒータ側のエンジン冷却水温度未満である第
2の場合には蓄熱装置によって昇温されたエンジン冷却
水を暖房用ヒータに送給する制御手段と、を有し、さら
に、前記制御手段に、前記エンジン冷却水循環ポンプに
よるエンジン冷却水の循環流量及び前記送風手段による
暖気の送風量を前記暖房用ヒータ側のエンジン冷却水温
度に応じて決定する複数の制御マップを記憶させ、前記
制御手段は、前記第2の場合に、前記複数の制御マップ
から最適の制御マップを暖房用ヒータ側のエンジン冷却
水温度に基づいて選択し、当該制御マップに基づいて前
記循環流量及び送風量を制御する、ことを特徴としてい
る。
【0012】
【作用】上記構成の本発明の作用は、以下の通りであ
る。
【0013】エンジン側のエンジン冷却水温度が暖房用
ヒータ側のエンジン冷却水温度以上である第1の場合に
は、制御手段によって、エンジンによって昇温されたエ
ンジン冷却水が暖房用ヒータに送給される。なお、この
状態は、通常の暖房運転状態である。暖房用ヒータで
は、高温のエンジン冷却水が通過することにより放熱す
る。そして、この際に生じた暖気が、送風手段によって
車室内空間へと送給される。
【0014】一方、エンジン側のエンジン冷却水温度が
暖房用ヒータ側のエンジン冷却水温度未満である第2の
場合には、制御手段によって、蓄熱装置によって昇温さ
れたエンジン冷却水が暖房用ヒータに送給される。暖房
用ヒータでは、蓄熱装置によって昇温された高温のエン
ジン冷却水が通過することにより放熱する。そして、こ
の際に生じた暖気が、送風手段によって車室内空間へと
送給される。
【0015】ここで、本発明では、エンジン冷却水循環
ポンプによるエンジン冷却水の循環流量及び送風手段に
よる暖気の送風量を暖房用ヒータ側のエンジン冷却水温
度に応じて決定する複数の制御マップを制御手段に記憶
させており、前述した第2の場合になると、制御手段に
よってこれらの制御マップの中から最適な制御マップが
暖房用ヒータ側のエンジン冷却水温度に基づいて選択さ
れる。その結果、選択された制御マップに基づいて、エ
ンジン冷却水循環ポンプによるエンジン冷却水の循環流
量及び送風手段による暖気の送風量が制御される。
【0016】従って、例えば、複数の制御マップとし
て、エンジン冷却水循環ポンプによるエンジン冷却水の
循環流量(エンジン冷却水循環ポンプの仕事量)を最大
に維持すると共に送風手段による暖気の送風量(送風手
段の強さ)を所定温度に達してから増加させた後に最大
に維持し、暖房用ヒータ側のエンジン冷却水温度を急速
に上昇させかつ迅速に暖気を送給するような制御マップ
(以下、「急速暖房マップ」と称す)と、エンジン冷却
水循環ポンプによる循環流量及び送風手段による送風量
のバランスを保って蓄熱装置に蓄えた熱量を浪費せずに
吹出し温度を持続させる制御マップ(以下、「吹出し温
度持続マップ」と称す)と、を制御手段に記憶させてお
けば、エンジンを始動させた直後つまりエンジン冷却水
が低温状態にある場合には急速暖房マップを用い、エン
ジン冷却水温度がある程度高くなってきたら吹出し温度
持続マップに切り換えるといった制御が可能となる。こ
れにより、迅速に暖気を車室内空間へ送給する急速暖
房、及び、蓄熱装置の熱量を浪費せずに効率良く消費し
ながら吹出し温度を持続させる吹出し温度持続の双方を
同時に満たすことができる。
【0017】
【実施例】以下、図1〜図15を用いて、本発明の一実
施例について説明する。
【0018】図1には、本実施例に係る車両用蓄熱暖房
装置10の概略構成が示されている。この図に示される
ように、車両用蓄熱暖房装置10は、管路12Aによっ
て構成された第1のエンジン冷却水循環経路12を備え
ている。この第1のエンジン冷却水循環経路12の途中
には、エンジン14、ラジエータ16、及びウォータポ
ンプ18が配置されている。なお、第1のエンジン冷却
水循環経路12の途中には、サーモスタット(三方弁)
20と共に分岐管22が接続されている。従って、ラジ
エータ16によってエンジン冷却水を冷却する必要がな
い場合には、サーモスタット20が切り換えられてエン
ジン冷却水は分岐管22を通る。
【0019】また、車両用蓄熱暖房装置10は、管路2
4Aによって構成された第2のエンジン冷却水循環経路
24が接続されている。この第2のエンジン冷却水循環
経路24の途中には、暖房用のヒータ26、蓄熱装置2
8、及びエンジン冷却水循環ポンプとしての電動ポンプ
30が配置されている。蓄熱装置28の内部には、複数
の蓄熱材(潜熱蓄熱材)32が収容されている。なお、
第2のエンジン冷却水循環経路24の途中には、バルブ
(三方弁)34と共に分岐管36が接続されている。従
って、暖房する必要がない場合には、バルブ34が切り
換えられてエンジン冷却水は分岐管36を通る。
【0020】上述した第1のエンジン冷却水循環経路1
2と第2のエンジン冷却水循環経路24とは接続管3
8、40によって接続されている。なお、接続管38と
第2のエンジン冷却水循環経路24との接続部位には、
バルブ42(三方弁)が配設されている。従って、第1
のエンジン冷却水循環経路12と第2のエンジン冷却水
循環経路24とを接続する場合にはバルブ42が図2図
示の如く切り換えられ、第1のエンジン冷却水循環経路
12と第2のエンジン冷却水循環経路24とを分離する
場合にはバルブ42が図3図示の如く切り換えられる。
【0021】また、図4に示されるように、ヒータ26
付近にはエバポレータ44を挟んで送風手段としてのブ
ロワ46が配設されている。ブロワ46付近には内外気
切換ダンパ48が配設されており、ブロワ46が作動す
ることにより内気、外気を適宜取込みヒータ26側へ送
風する。なお、ヒータ26付近にはエアミックスダンパ
50、モード切換ダンパ52等が配設されている。
【0022】次に、制御系の構成について説明する。図
5に示されるように、インストゥルメントパネル54の
略中央裏面側(温度設定スイッチ56付近)には内気セ
ンサ58が配設されており、車室内空間の室温(吹出し
温度)を検出している。また、図6に示されるように、
車両の前端部には外気センサ60が配設されており、外
気温を検出している。さらに、図7に示されるように、
エンジン14の出口側にはエンジン用水温センサ62が
配設されており、エンジン14内を流れるエンジン冷却
水の水温を検出している。また、図8に示されるよう
に、ヒータ26の出口側にはヒータ用水温センサ64が
配設されており、ヒータ26内を流れるエンジン冷却水
の水温を検出している。
【0023】図9に示されるように、これらの温度設定
スイッチ56、内気センサ58、外気センサ60、エン
ジン用水温センサ62、及びヒータ用水温センサ64は
制御手段としてのコントローラ66に接続されており、
各々検出値をコントローラ66に出力している。また、
コントローラ66は第1のエンジン冷却水循環経路12
と第2のエンジン冷却水循環経路24とを分離・接続す
るバルブ42、ブロワ46、電動ポンプ30とも接続さ
れており、これらの作動を制御している。
【0024】ここで、このコントローラ66のROMに
は、図10及び図11に示されるマップA、マップBが
記憶されている。以下、これらのマップについて説明す
る。なお、図10及び図11に示されるグラフは、いず
れも横軸にヒータ用水温センサ64で検出される「ヒー
タ出口水温」を採り、一方の縦軸に電動ポンプ30によ
るエンジン冷却水の循環流量を決定する「ポンプ仕事
量」を採り、他方の縦軸にブロワ46による暖気の送風
量を決定する「ブロワの強さ」を採ったものである。
【0025】図10に示されるマップAは急速暖房用の
マップであり、エンジン14の始動直後からヒータ出口
水温(後述するT5 )が蓄熱材32の融点(後述するT
P )に達するまで用いるマップである。このマップAに
基づく制御内容は、以下の通りである。すなわち、電動
ポンプ30のポンプ仕事量は、ヒータ出口水温が0°C
から蓄熱材32の融点に至るまで最大に維持される。一
方、ブロワ46の強さは、ヒータ出口水温が0°Cから
40°Cに至るまではゼロ(停止状態)に維持され、4
0°Cから50°Cに至るまでは比例的に強くなり、5
0°C以降は最強に維持される。このマップAの意図す
るところは、ヒータ出口水温を可能な限り速やかに昇温
させて暖房の開始時期を早める点にある。
【0026】一方、図11に示されるマップBは吹出し
温度持続用のマップであり、ヒータ出口水温が蓄熱材3
2の融点に達してから、〔エンジン側水温〕≧〔ヒータ
サーキット水温〕となるまで用いるマップである。この
マップBに基づく制御内容は、以下の通りである。すな
わち、電動ポンプ30のポンプ仕事量は、ヒータ出口水
温が40°Cのときに最大となり、40°Cから蓄熱材
32の融点に至るまで比例的に減少する。一方、ブロワ
46の強さは、ヒータ出口水温が40°Cで最も弱く
(停止状態)、40°Cから蓄熱材32の融点に至るま
では比例的に強くなる。
【0027】上述したマップA、マップBは、外気セン
サ60によって検出された外気温(T3 )が例えば、−
10°Cといったように低い場合には、図12、図13
に示される如く、シフトされて補正される。
【0028】図12には、マップAを補正したマップ
A’が示されている。このマップA’もマップAと同様
に急速暖房用のマップである。このマップA’では、ブ
ロワ46の立ち上がりが40°Cから50°Cにシフト
されている(破線から実線へシフト)。これにより、外
気温が低い場合には、ブロワ46を作動させるべきヒー
タ出口水温が引き上げられて、適正な吹出し温度が得ら
れる。なお、電動ポンプ30のポンプ仕事量については
この場合も急速暖房用であることから最大状態を維持す
ることに変わりはないので破線は省略して実線でのみ示
している。
【0029】一方、図13には、マップBを補正したマ
ップB’が示されている。このマップB’もマップBと
同様に吹出し温度持続用のマップである。このマップ
B’においても、電動ポンプ30及びブロワ46の立ち
上がりが40°Cから50°Cにシフトされている(破
線から実線へシフト)。これにより、外気温が低い場合
には、電動ポンプ30のポンプ仕事量を大きくすること
でエンジン冷却水の循環流量を増加させ、かつ、ブロワ
46の強さを弱くすることで、適正な吹出し温度が得ら
れる。
【0030】なお、いずれの補正マップA’、補正マッ
プB’においても、前述した場合とは逆に外気温が高い
場合には、それぞれ逆方向へシフトされる。
【0031】上述したマップA、マップB、マップ
A’、マップB’が、本発明における「制御マップ」に
相当する。
【0032】次に、図14に示されるフローチャートに
基づいて、本実施例の作用を説明する。
【0033】エアコンスイッチがONされると、まずス
テップ100で、各センサ及びスイッチから各温度が取
り込まれる。具体的には、温度設定スイッチ56によっ
て設定された目標温度T1 、内気センサ58によって検
出された内気温(吹出し温度)T2 、外気センサ60に
よって検出された外気温T3 、エンジン用水温センサ6
2によって検出されたエンジン出口水温T4 、ヒータ用
水温センサ64によって検出されたヒータ出口水温T5
がそれぞれ取り込まれる。
【0034】次いで、ステップ102で、エンジン出口
水温T4 がヒータ出口水温T5 以上か否かが判断され
る。ステップ102で否定された場合、つまりエンジン
出口水温T4 がヒータ出口水温T5 未満である場合(な
お、この場合が本発明における「第2の場合」に相当す
る)は、ステップ104に移行して更に外気温T3 が所
定温度TP 以下か否かが判断される。ステップ104で
肯定された場合は、ステップ106に移行してマップ
A、マップBが補正される。すなわち、マップAはシフ
トされてマップA’となり、マップBはシフトされてマ
ップB’となる。なお、所定温度TP は、低温用として
は例えば−10°Cといった温度に設定される。
【0035】ステップ106でマップシフトがなされた
場合及びステップ104で否定された場合は、ステップ
108に移行して、ヒータ出口水温T5 が蓄熱材32の
融点TQ と同一であるか(ヒータ出口水温T5 が蓄熱材
32の融点TQ に達しているか)否かが判断される。
【0036】ステップ108で否定された場合は、更に
ステップ110でフラグ(F1 )がセットされているか
否かが判断される。ステップ110で否定された場合
は、ステップ112でマップ選択がなされる。なお、こ
のステップ112に移行した場合は、急速暖房を行う場
合であり、補正しない場合はマップAが選択され、補正
する場合はマップA’が選択されることになる。
【0037】一方、ステップ110で肯定された場合
は、ステップ114でマップ選択がなされた後、ステッ
プ116でフラグ(F1 )がセットされる。なお、この
ステップ114に移行した場合は、吹出し温度を持続さ
せる場合であり、補正しない場合はマップBが選択さ
れ、補正する場合はマップB’が選択されることにな
る。また、ステップ116でフラグ(F1 )をセットす
るのは、吹出し温度持続系統に入った後は、後述する通
常暖房系統に移行することはあっても急速暖房系統に戻
ることはないようにするためである。
【0038】ステップ112又はステップ114でマッ
プ選択がなされた後、ステップ118で図3図示状態と
なるようにバルブ42が切り換えられる。これにより、
エンジン14側となる第1のエンジン冷却水循環経路1
2と、蓄熱装置28及びヒータ26側となる第2のエン
ジン冷却水循環経路24とが分離される。
【0039】次いで、ステップ120で、選択したマッ
プに応じて電動ポンプ30及びブロワ46の作動が制御
される。これにより、電動ポンプ30によって第2のエ
ンジン冷却水循環経路24内を循環するエンジン冷却水
の循環流量、及び、ブロワ46によって車室内空間へ送
給される暖気の送風量が、ヒータ出口水温T5 に応じて
最適量にその都度設定される。
【0040】次いで、ステップ122でフラグ(F2
がセットされた後、ステップ100に戻る。なお、ステ
ップ122でフラグ(F2 )をセットするのは、マップ
を使った系統に入ったことを記憶しておくためである。
【0041】一方、ステップ102で肯定された場合、
即ちエンジン出口水温T4 がヒータ出口水温T5 以上で
ある場合(なお、この場合が本発明における「第1の場
合」に相当する)には、通常暖房系統に移行させるべ
く、ステップ122でフラグ(F1 )をリセットした
後、ステップ124でバルブ42が図2図示状態に切り
換えられる。これにより、エンジン14側となる第1の
エンジン冷却水循環経路12と、蓄熱装置28及びヒー
タ26側となる第2のエンジン冷却水循環経路24とが
一つの循環経路となる。
【0042】次いで、ステップ126でフラグ(F2
がセットされているか否か、即ちマップ系統を経由して
通常暖房系統に移行してきたか否かが判断される。ステ
ップ126で肯定された場合は、ステップ128で最早
作動させておく必要がない電動ポンプ30がOFFにさ
れた後、ステップ130でフラグ(F2 )がリセットさ
れる。一方、ステップ126で否定された場合、即ち直
接に通常暖房系統に入ってきた場合(更に別言すれば、
エアコンスイッチをONした時点で既にエンジン出口水
温T4 がヒータ出口水温T5 以上になっていた場合)
は、ステップ132でブロワ46がONされる。
【0043】その後、ステップ134で目標温度T1
内気温(吹出し温度)T2 とが一致したか否かが判断さ
れる。ステップ134で否定された場合はステップ10
0に戻って通常暖房系統を繰り返し、ステップ134で
肯定された場合はステップ136でブロワ46がOFF
される。次に、ステップ138でエアコンスイッチがO
FFされたか否かが判断され、否定されればステップ1
00に戻り、肯定されれば終了する。
【0044】上述した制御を更に具体的な一例(冬季等
においてエンジン14が充分に温まっていない状態で、
車両走行状態になりかつエアコンスイッチがONされた
場合、とする)を通して、以下に簡単に説明する。
【0045】この場合、エンジン出口水温T4 がヒータ
出口水温T5 よりも低いので、ステップ102で否定さ
れてマップ系統に移行する。そして、最初は、ヒータ出
口水温T5 が蓄熱装置28の蓄熱材32の融点TQ に達
していないので、ステップ108で否定されて急速暖房
系統に移行する。具体的には、マップA(図10参照)
〔或いはマップA’(図12参照)〕が選択される。図
10に示されるように、このマップAでは、電動ポンプ
30の仕事量が最大に維持されるため、ヒータ出口水温
5 が速やかに昇温される。また、ブロワ46の強さは
ヒータ出口水温T5 が40°Cになるまではゼロ(停止
状態)とされるので、まだあまり温められていない暖気
が車室内空間へ送給されることを防止することができ
る。なお、ヒータ出口水温T5 が40°Cになるとブロ
ワ46は比例的に強くなり、ヒータ出口水温T5 が50
°Cに到達した時点で最強となり、その後はこの状態を
維持するので、速やかに暖気を車室内空間へ送給するこ
とができる。
【0046】この急速暖房を行っているうちに、ヒータ
出口水温T5 が蓄熱材32の融点T Q に達する。ヒータ
出口水温T5 が蓄熱材32の融点TQ に達すると、ステ
ップ108で肯定されるので、吹出し温度持続系統に移
行する。具体的には、マップB(図11参照)〔或いは
マップB’(図13参照)〕が選択される。図11に示
されるように、このマップBでは、蓄熱装置28に蓄え
られた熱量を浪費することなく、効率良く消費して吹出
し温度を持続させるべく、電動ポンプ30の仕事量はヒ
ータ出口水温T5 が融点TQ に近づけば減少しヒータ出
口水温T5 が低くなってくると再び増加する。逆に、ブ
ロワ46は、電動ポンプ30の仕事量が減少するにつれ
て強くなり、電動ポンプ30の仕事量が増加するにつれ
て弱くなる。このようにして両者のバランスを保ちなが
ら蓄熱装置28で蓄えた熱量を効率良く消費すること
で、次の通常暖房運転系統に移行するまで吹出し温度を
持続させる。
【0047】上述したマップ系統による暖房運転を継続
しているうちに、エンジン出口水温T4 が昇温して、ヒ
ータ出口水温T5 以上となる。これにより、ステップ1
02で肯定されるので、通常暖房系統に移行して車室内
空間が暖房される。
【0048】図15は上述した例をグラフ化したもので
あり、以下参考までにこのグラフを用いて更に説明す
る。
【0049】図15(A)に示されるように、エンジン
始動後、蓄熱材32の融点TQ に達するまでは、マップ
Aに基づいて急速暖房が行われる。このときの電動ポン
プ30の仕事量は最大であり(図15(B)参照)、ブ
ロワ46の強さはゼロ若しくは比例的に強くなる(図1
5(C)参照)。
【0050】次に、図15(A)に示されるように、蓄
熱材32の融点TQ に達した後、エンジン出口水温T4
≧ヒータ出口水温T5 となるまでは、マップBに基づい
て吹出し温度持続運転が行われる。このときの電動ポン
プ30の仕事量は減少しており(図15(B)参照)、
又ブロワ46の強さは中程度である(図15(C)参
照)。
【0051】その後、図15(A)に示されるように、
エンジン出口水温T4 ≧ヒータ出口水温T5 の条件が満
たされると、通常暖房運転が行われる。このときは、電
動ポンプ30が既にOFFにされており(図15(B)
参照)、ブロワ46の強さは若干弱まりながらも中程度
に維持される(図15(C)参照)。
【0052】総括して見ると、図15(D)に示される
ように、速やかに暖気が生成され、その後は吹出し温度
が持続されることが判る。
【0053】このように本実施例では、急速暖房用のマ
ップAと吹出し温度持続用のマップBをコントローラ6
6に記憶させ、これらに基づいて暖房運転を行う構成と
したので、速やかに暖気を車室内空間に送給させること
ができると共に蓄熱装置28に蓄えられた熱量を浪費す
ることなく効率良く消費して吹出し温度を持続させるこ
とができる。すなわち、本実施例によれば、急速暖房及
び効率の良い吹出し温度持続を両立させることができ
る。また、これにより、電動ポンプ30及びブロワ46
の消費電力の削減を図ることもできる。
【0054】さらに、本実施例では、外気温T3 に応じ
て急速暖房用のマップA及び吹出し温度持続用のマップ
Bを補正する構成としたので、外気温に応じた適正な吹
出し温度を得ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る車両用
蓄熱暖房装置は、制御手段に、エンジン冷却水循環ポン
プによるエンジン冷却水の循環流量及び送風手段による
暖気の送風量を暖房用ヒータ側のエンジン冷却水温度に
応じて決定する複数の制御マップを記憶させ、制御手段
は、エンジン側のエンジン冷却水温度が暖房用ヒータ側
のエンジン冷却水温度未満である第2の場合に、複数の
制御マップから最適の制御マップを暖房用ヒータ側のエ
ンジン冷却水温度に基づいて選択し、当該制御マップに
基づいて循環流量及び送風量を制御する構成であるの
で、急速暖房及び効率の良い吹出し温度持続を両立させ
ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る車両用蓄熱暖房装置の概略構成
図である。
【図2】通常暖房運転系統で暖房する場合におけるエン
ジン冷却水の送給経路を示す図1に対応する概略構成図
である。
【図3】マップ系統で暖房する場合におけるエンジン冷
却水の送給経路を示す図1に対応する概略構成図であ
る。
【図4】ブロワ及びヒータ等の配置関係を示す概略構成
図である。
【図5】内気センサの配置を示す斜視図である。
【図6】外気センサの配置を示す斜視図である。
【図7】エンジン用水温センサの配置を示す正面図であ
る。
【図8】ヒータ用水温センサの配置を示す斜視図であ
る。
【図9】ブロック図である。
【図10】急速暖房用のマップである。
【図11】吹出し温度持続用のマップである。
【図12】図10に示されるマップを補正したマップで
ある。
【図13】図11に示されるマップを補正したマップで
ある。
【図14】暖房運転時のフローチャートである。
【図15】(A)は時間に応じたヒータ出口側水温の変
化を示すグラフであり、(B)は時間に応じたポンプの
仕事量の変化を示すグラフであり、(C)は時間に応じ
たブロワの強さの変化を示すグラフであり、(D)は時
間に応じた吹出し温度の変化を示すグラフである。
【図16】従来例に係る車両用蓄熱暖房装置の概略構成
図である。
【図17】蓄熱時のエンジン冷却水の送給経路を示す図
16に対応する概略構成図である。
【図18】蓄熱暖房時のエンジン冷却水の送給経路を示
す図16に対応する概略構成図である。
【符号の説明】
10 車両用蓄熱暖房装置 12 第1のエンジン冷却水循環経路 14 エンジン 16 ラジエータ 18 ウォータポンプ 24 第2のエンジン冷却水循環経路 26 ヒータ 28 蓄熱装置 30 電動ポンプ(エンジン冷却水循環ポンプ) 32 蓄熱材 42 バルブ 46 ブロワ(送風手段) 62 エンジン用水温センサ 64 ヒータ用水温センサ 66 コントローラ(制御手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン及びラジエータを途中に有し、
    エンジン冷却水を循環させることによりエンジンを冷却
    する第1のエンジン冷却水循環経路と、 この第1のエンジン冷却水循環経路に接続され、エンジ
    ン冷却水が通過することにより蓄熱する蓄熱装置及びエ
    ンジン冷却水が通過することにより放熱する暖房用ヒー
    タを途中に有する第2のエンジン冷却水循環経路と、 この第2のエンジン冷却水循環経路内においてエンジン
    冷却水を循環させるエンジン冷却水循環ポンプと、 暖房用ヒータ付近に設けられ、暖房用ヒータ側へ送風し
    て暖気を車室内空間へ送給する送風手段と、 エンジン側のエンジン冷却水温度が暖房用ヒータ側のエ
    ンジン冷却水温度以上である第1の場合にはエンジンに
    よって昇温されたエンジン冷却水を暖房用ヒータに送給
    し、エンジン側のエンジン冷却水温度が暖房用ヒータ側
    のエンジン冷却水温度未満である第2の場合には蓄熱装
    置によって昇温されたエンジン冷却水を暖房用ヒータに
    送給する制御手段と、 を有し、 さらに、前記制御手段に、前記エンジン冷却水循環ポン
    プによるエンジン冷却水の循環流量及び前記送風手段に
    よる暖気の送風量を前記暖房用ヒータ側のエンジン冷却
    水温度に応じて決定する複数の制御マップを記憶させ、 前記制御手段は、前記第2の場合に、前記複数の制御マ
    ップから最適の制御マップを暖房用ヒータ側のエンジン
    冷却水温度に基づいて選択し、当該制御マップに基づい
    て前記循環流量及び送風量を制御する、 ことを特徴とする車両用蓄熱暖房装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007285550A (ja) * 2006-04-13 2007-11-01 Toyota Motor Corp 蓄熱型熱交換器および空調システム
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US10363794B2 (en) 2015-11-18 2019-07-30 Hyundai Motor Company Air conditioning control method for vehicle

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