JPH07214986A - 複式筆記具 - Google Patents

複式筆記具

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Publication number
JPH07214986A
JPH07214986A JP6035213A JP3521394A JPH07214986A JP H07214986 A JPH07214986 A JP H07214986A JP 6035213 A JP6035213 A JP 6035213A JP 3521394 A JP3521394 A JP 3521394A JP H07214986 A JPH07214986 A JP H07214986A
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JP
Japan
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cap
shaft
tip
center shaft
protrusion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6035213A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Kobayashi
小林  清一
Naoki Sekiguchi
直樹 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP6035213A priority Critical patent/JPH07214986A/ja
Publication of JPH07214986A publication Critical patent/JPH07214986A/ja
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  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 先軸又は中軸に対してキャップを回転させ
て、複数の筆記体の先端を選択的に先軸先端口から出没
可能とすると共に、キャップに対し後端の天冠を回転す
ることで消しゴムの出没を可能とした複式筆記具を安価
に提供可能とする。 【構成】 各筆記体の先端を先軸の先端口から選択的に
出没可能とした複式筆記具に於いて、円筒カムの後方に
一体的に樹脂製のキャップが設けられ、キャップの内孔
部に螺旋溝が形成されて、樹脂製の天冠が長いスリット
を有した内筒部と操作部とで一体的に設けられ、天冠の
内筒部がキャップの内孔に嵌装され、操作部がキャップ
後方の外周部に回転のみ可能に止着されて内筒部内に、
後方に消しゴムを挟着する弾性部と前方の筒部に突起を
有した消しゴムホルダーが突起をスリットと螺旋溝に嵌
入した状態で装着されて、先軸又は中軸に対しキャップ
を回転することで筆記体の先端が出没し、キャップに対
し天冠の外筒部を回転することで消しゴムが出没可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業状の利用分野】本考案は、複数の筆記体の先端を
先軸先端口に於いて交互に出没自在とし、且つキャップ
後端から消しゴムを出没自在とした複式筆記具の提供に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複式筆記具の一例としては、同出
願人による実開昭64ー3491号公報に見られるよう
に、2本の筆記体を案内する摺動溝を有して先軸に対し
固着されるガイド筒と、当該ガイド筒に嵌装される二本
の筆記体に取付けられた摺動コマに接するカム斜面を前
端部に有すると共に、後端はノック部となしてキャップ
に対し軸方向に移動自在に、且つ円周方向の回転は一体
となるよう装着された円筒カムを備え、先軸に対するキ
ャップの回転操作により二本の筆記体を先軸先端口に於
いて選択的に出没可能とした複式筆記具が存在する。
又、特開平3ー79397号公報に見られるように摺動
コマの後端縁に軸方向に変位する円周状のカム斜面を有
し、それと当接するカム係合突起をキャップの内孔部に
有した複式筆記具が存在する。又、本願の引用例とし
て、同出願人による実開昭60ー120889号公報に
見られるように、キャップ後端から突出した天冠を回転
させて消しゴムを出没させるようにした複式筆記具が存
在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の引用例には、多
くの部位に金属部品が使用され、構造も複雑で、部品点
数も多くなりコスト高となる問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する為
に案出された本考案の複式筆記具は、樹脂製の先軸と樹
脂製の中軸の先方を互いに回転不能且つ抜け止め状態に
嵌着する係合部を夫々設けて両者を固定したこと。中軸
に一体化したガイド筒と中軸の後方側面に縦溝と周溝を
巾狭部を通じて接続した略Lの字状の窓部が穿設され、
ガイド筒に設けた複数の案内溝に摺動コマを後端に止着
した少なくとも一本をシャープペンシル筆記体とした複
数の筆記体をリターンスプリングを介して夫々前後動自
在に嵌装し、軸方向に変位するカム斜面を前端部に円周
状に設けた円筒カムの側面に突起を設けて、突起を周溝
に弾性的に嵌入させてガイド筒ならびに中軸に対して円
筒カムを一定範囲で回転且つ軸推移可能に抜け止めし、
先軸又は中軸に対する円筒カムの回転によって各摺動コ
マを前後方向に交互に移動させて各筆記体の、先端を先
軸先端口より選択的に出没自在とし、シャープペンシル
の選択時のみに於いて円筒カムを軸推移して芯を繰り出
す。又、第1の実施例として円筒カムの後方に一体的に
樹脂製のキャップがその内孔部に螺旋溝が形成されて設
けられ、樹脂製の天冠が長いスリットを有した内筒部と
操作部とで一体的に設けられて、天冠の内筒部がキャッ
プの内孔に嵌装され、操作部がキャップ後方の外周部に
回転のみ可能に止着される。又、第2の実施例として樹
脂製キャップの内孔部で、円筒カムの後方に長いスリッ
トを有した内筒部が一体に延設され、樹脂製の天冠が内
孔に螺旋溝を有した筒部と操作部とで一体的に設けられ
て、筒部を内筒部に嵌挿した状態で操作部がキャップ後
方に回転のみ可能に止着される。以上により内筒部内
に、後方に消しゴムを挟着する弾性部と前方の筒部に突
起を有した消しゴムホルダーが突起をスリットと螺旋溝
に嵌入した状態で装着されて、先軸又は中軸に対しキャ
ップを回転することで筆記体の先端が出没し、キャップ
に対し天冠の操作部を回転することで消しゴムが出没可
能となるように構成されている。以上により、本願複式
筆記具は部品点数が省略され構造が簡単なので、組み立
てが容易となりコストダウンが可能となる。又、キャッ
プ後端に落下衝撃が加わっても円筒カムの突起が周溝の
前壁に当接しない設計なので突起等の破壊が防止される
効果もある。
【0005】
【実施例】先ず、図1及び図3は本考案の第1の実施例
を示している。本考案の複式筆記具はガイド筒2を一体
に備えた中軸1、先軸3、円筒カム5を一体に備えたキ
ャップ4、一対の摺動コマ6、6`、シャープペンシル
筆記体7、ボールペン等筆記体8、天冠37、消しゴム
ホルダー42、消しゴム47を主な構成要素とする。先
ず、中軸1は樹脂製で、図1に示すように、略中央部か
ら後端まで側面に開口した軸方向に長い案内溝9とそれ
と反対側の側面に同様の案内溝9`を有したガイド筒2
が設けられている。ガイド筒2の前半部には各案内溝
9、9`と連通して孔32、32`を有した仕切り部1
6を備えて前端を開口した筒部10が設けられ、筒部1
0の後端に段部31を有して段部31の前方外周部には
膨出状の係合部13が形成されている。
【0006】又、中軸1の後方側面には図2に示すよう
に縦溝18が先方の傾斜面50を介して巾狭部51が周
溝19に接続されて略Lの字状の窓部が穿設されてい
る。又後述するが、円筒カム5の突起17は縦溝18よ
り挿入され、突起17が傾斜面50を弾性的に拡開して
巾狭部51を通過して周溝19内に入る。円筒カム5は
突起17が周溝19の周方向の後壁に当接しながら回転
して、シャープペンシル筆記体7又はボールペン等筆記
体8の筆記部が先軸先端口から交互に出没することにな
る。又、周溝19はシャープペンシル筆記体7が突出す
るときの突起17の位置で円筒カム5が軸推移可能なよ
うに巾広溝52が設けられ、筆記体の収納時又はボール
ペン等筆記体8が突出するときの突起17の位置で円筒
カム5が略軸推移不可となるように周溝19の後壁54
aと後壁54cとの間に傾斜面54bが接続されて巾狭
溝53が設けられている。又、後述するが、軸推移の前
端でキャップ4の壁20が中軸1の後端に当接して突起
17の前端が周溝19の前壁55に当接しないように設
定されている。
【0007】先軸3は、前方が先細状で、内孔部先端に
は内段部27を有して先端口が設けられている。又、後
端孔には、前記ガイド筒の筒部10の外周部に設けられ
た係合部13と迎合して筒部10と抜け止め且つ回転止
めされる係合溝12が設けられている。尚、筒部10と
先軸3は適宜な力で着脱可能に固定される。(実開昭6
4ー3491号公報の先軸の構成と同じ)
【0008】キャップ4は樹脂製で、先端に円筒カム5
を一体に有している。円筒カム5は筒状を成し、前端縁
に円周状に前後に変位するカム斜面14を有し、カム斜
面14の最前端部には切欠15が形成されている。又、
円筒カム5の側面には前記中軸1の縦溝18に挿入して
弾性的に周溝19に嵌入して一定範囲(略180度)で
回転且つ抜け止めする突起17が形成されている。
【0009】ところで、キャップ4は前記円筒カム5の
後方に延設した筒部を有し、筒部の内孔部には螺旋溝3
3が形成されている。又、円筒カム5の後端には円周状
にやや突出したボス部36を有し、筒部の後方には突状
の係合部35を有した軸部34が設けられている。一
方、樹脂製の天冠37は長いスリット41を有した内筒
部40bとその外側で内面に円周状の溝を呈した係合部
38が形成された操作部40aとで一体に設けられてい
る。天冠37は内筒部40bがキャップ4の内孔部に嵌
装され、上記操作部40aの係合部38が係合部35に
弾性的に嵌入して天冠37は操作部40aに於いてキャ
ップ4に対し回転のみ可能に止着される。尚、ボス部3
6は内筒部40bの先端部のガイドとなる。
【0010】又、内筒部40b内には後端に消しゴム4
7を止着した消しゴムホルダー42が装着される。消し
ゴムホルダー42は後方に消しゴム47を挟着する一対
の弾性片45が形成され、弾性片45の内面には係止突
起46を有している。又、前方の筒部43の外周には突
起44が形成されている。消しゴムホルダー42は突起
44と弾性片45を内筒部のスリット41に嵌装し、突
起44が更に螺旋溝33に嵌入した状態で内筒部40b
内に配設されている。この状態で、キャップ4に対し操
作部40aを回転すると消しゴムホルダー42が前後動
して消しゴム47が後端孔39から出没可能となる。
【0011】又、摺動コマ6は、外面に突起22を有し
て、突起22の後端面には中央部が突出してその両側が
前述した円筒カム5のカム斜面14と略同勾配のカム斜
面を有している。又、芯パイプ23のフランジ部24に
当接して、芯パイプ23の後方を長く突出して嵌着する
孔が設けられている。又、摺動コマ6`は摺動コマ6と
同様に突起22`とカム斜面を有し、先端にはボールペ
ン等筆記体8の後端を止着する係止部26が設けられて
いる。尚、係止部はパイプ状に成して筆記体の後端を嵌
着することも可能である。
【0012】シャープペンシル筆記体7は、一般的なチ
ャック機構を内蔵し、後端にチャック機構と連結した継
手29を介して芯パイプ23に接合し、芯パイプ23の
後方に設けたフランジ部24に当接して摺動コマ6が嵌
着され、摺動コマ6の後端から突出した芯パイプ23の
後端孔は尾栓25等で閉塞されている。芯の繰り出し
は、シャープペンシル筆記体7の先端の段部28が先軸
3の内段部27に当接した状態で、摺動コマ6の軸推移
によりチャックを移動して行われる。
【0013】次に、組立順序で説明すると、シャープペ
ンシル筆記体7、ボールペン等筆記体8は後端に夫々の
摺動コマ6、6`を接続させて、前述の中軸のガイド筒
2の各案内溝9、9`に移動自在に嵌装され、各摺動コ
マ6、6`の前端面と案内溝9、9`前面の仕切り部1
6との間に介装したリターンスプリング30、30`に
より後方へ附勢される。キャップ4は円筒カム5を中軸
1の後端孔に挿入して突起17を周溝19に弾性的に嵌
入させて、中軸1に対して円周方向に略180度で回転
自在且つ抜け止めして止着される。又、シャープペンシ
ル筆記体7が突出した状態で、キャップ4は中軸1に対
して芯繰り出しに必要なストローク分軸推移可能と成さ
れ、筆記体の収納時又はボールペン等筆記体8の突出し
た状態で軸推移を不可と成される。各摺動コマ6、6`
は常時リターンスプリング30、30`によって後方へ
附勢されているので、常にその突起22、22`のカム
斜面を円筒カム5のカム斜面14に接触した状態を保っ
ている。
【0014】又、中軸1の段部31の前面に先軸3の後
端面が当接状態で、筒部10の係合部13が先軸3の係
合溝12に弾性的に嵌着して、先軸3と中軸1が回転止
め且つ抜け止め状態に固定される。尚、先軸3は適宜な
力で着脱可能になっている。この状態で、先軸3又は中
軸1に対してキャップ4を一方に回転すると、摺動コマ
6が前進して円筒カム5のカム斜面14の最前端の切欠
15が一方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6の
突起22に係止して筆記先端部が先軸先端口から突出状
態になる。又、先軸3又は中軸1に対してキャップ4を
他方に回転すると、摺動コマ6が後退してシャープペン
シル筆記体7の筆記先端部が先軸先端口から没入すると
共に、摺動コマ6`が前進して他方のボールペン等筆記
体8の筆記先端部が先軸先端口から突出する。
【0015】一方、消しゴム47を止着した消しゴムホ
ルダー42を天冠37の内筒部40b内に嵌装した状態
でキャップ4の後端から回転を加えながら挿入して、天
冠の操作部40aをキャップ4の後端に止着する。以上
により、キャップ4に対し天冠の操作部40aを左右に
回転すると後端孔39から消しゴム47が出没する。
【0016】又、図3は円筒カムの突起17と中軸1`
の係合状態を示す他の対応例を示している。この場合に
は周溝60に突起17を嵌装する手段として、中軸1`
の後端から突起17を嵌装するガイド溝61の上壁に傾
斜面63を有した仕切り壁62を設けている。仕切り壁
62を設けた理由は、上記係合部に於ける中軸1`の剛
性を強化することにある。
【0017】次に、図5は本考案の第2の実施例を示し
ている。本考案の複式筆記具はガイド筒2を一体に備え
た中軸1、先軸3、円筒カム5を一体に備えたキャップ
70、一対の摺動コマ6、6`シャープペンシル筆記体
7、ボールペン等筆記体8、天冠72、消しゴムホルダ
ー81、消しゴム86を主な構成要素とする。第2の実
施例は、上記第1の実施例と同様に構成される部分が多
く、以下重複して説明することになる。先ず、中軸1は
樹脂製で、図に示すように、略中央部から後端まで側面
に開口した軸方向に長い案内溝9とそれと反対側の側面
に同様の案内溝9`を有したガイド筒2が設けられてい
る。ガイド筒2の前半部には、各案内溝9、9`と連通
して孔32、32`を有した仕切り部16を備えて前端
を開口した筒部10が設けられ、筒部10の後端に段部
31を有して段部31の前方外周部には膨出状の係合部
13が形成されている。
【0018】又、中軸1の後方側面には図2に示すよう
に縦溝18が先方の傾斜面50を介して巾狭部51が周
溝19に接続されて略Lの字状の窓部が穿設されてい
る。又後述するが、円筒カム5の突起17は縦溝18よ
り挿入され、突起17が傾斜面50を弾性的に拡開して
巾狭部51を通過して周溝19内に入る。円筒カム5は
突起17が周溝19の周方向の後壁に当接しながら回転
して、シャープペンシル筆記体7又はボールペン等筆記
体8の筆記部が先軸先端口から交互に出没することにな
る。又、周溝19はシャープペンシル筆記体7が突出す
るときの突起17の位置で円筒カム5が軸推移可能なよ
うに巾広溝52が設けられ、筆記体の収納時又はボール
ペン等筆記体8が突出するときの突起17の位置で円筒
カム5が略軸推移不可となるように周溝19の後壁54
aと後壁54cとの間に傾斜面54bが接続されて巾狭
溝53が設けられている。又、後述するが、軸推移の前
端でキャップ70の壁20が中軸1の後端に当接して突
起17の前端が周溝19の前壁55に当接しないように
設定されている。
【0019】先軸3は、前方が先細状で、内孔部先端に
は内段部27を有して先端口が設けられている。又、後
端孔には、前記ガイド筒の筒部10の外周部に設けられ
た係合部13と迎合して筒部10と抜け止め且つ回転止
めされる係合溝12が設けられている。尚、筒部10と
先軸3は適宜な力で着脱可能に固定される。(実開昭6
4ー3491号公報の先軸の構成と同じ)
【0020】キャップ70は樹脂製で、先方の内孔に円
筒カム5を軸支する円周状の壁20が形成されている。
又、外周部後方で、やや小径の軸部78には突状の係合
部71が形成されている。円筒カム5は筒状を成し、前
端縁に円周状に前後に変位するカム斜面14を有し、カ
ム斜面14の最前端部には切欠15が形成されている。
又、円筒カム5の側面には、前記中軸1の縦溝18に挿
入して、弾性的に周溝19に嵌入して一定範囲(略18
0度)で回転且つ抜け止めする突起17が形成されてい
る。
【0021】ところで、円筒カム5は後方に延設した内
筒部70aを有し、更に段部76の後方で長いスリット
75が形成されている。一方、樹脂製の天冠72は後方
に外筒状の操作部79が形成されて、その内方で前方に
向かって筒部73が設けられ、筒部73の内孔部には螺
旋溝74が形成されている。又、操作部79の内面には
円周状の溝を呈した係合部80が形成されている。
【0022】ところで、前記天冠72の筒部73をスリ
ット75を有した筒部70aの外周に嵌装する状態でキ
ャップ70の後方内孔に嵌挿して、操作部79の係合部
80をキャップの軸部78の係合部71に弾性的に嵌着
し、キャップ70に対して天冠72を回転のみ可能に止
着する。
【0023】又、円筒カム5後方のスリット75を有し
た内筒部70a内には後端に消しゴム86を止着した消
しゴムホルダー81が装着される。消しゴムホルダー8
1は後方に消しゴム86を挟着する一対の弾性片84が
形成され、弾性片84の内面には係止突起85を有して
いる。又、前方の筒部82の外周には突起83が形成さ
れている。消しゴムホルダー81は突起83と弾性片8
4を内筒部70aのスリット75に嵌装し、突起83が
更に天冠72の螺旋溝74に嵌入した状態で内筒部70
a内に配設されている。この状態で、キャップ70に対
し天冠の操作部79を回転すると消しゴムホルダー81
が前後動して消しゴム86が天冠の後端孔77から出没
可能となる。
【0024】又、摺動コマ6は、外面に突起22を有し
て、突起22の後端面には中央部が突出してその両側が
前述した円筒カム5のカム斜面14と略同勾配のカム斜
面を有している。又、芯パイプ23のフランジ部24に
当接して、芯パイプ23の後方を長く突出して嵌着する
孔が設けられている。又、摺動コマ6`は摺動コマ6と
同様に突起22`とカム斜面を有し、先端にはボールペ
ン等筆記体8の後端を止着する係止部26が設けられて
いる。尚、係止部はパイプ状に成して筆記体の後端を嵌
着することも可能である。
【0025】シャープペンシル筆記体7は、一般的なチ
ャック機構を内蔵し、後端にチャック機構と連結した継
手29を介して芯パイプ23に接合し、芯パイプ23の
後方に設けたフランジ部24に当接して摺動コマ6が嵌
着され、摺動コマ6の後端から突出した芯パイプ23の
後端孔は尾栓25等で閉塞されている。芯の繰り出し
は、シャープペンシル筆記体7の先端の段部28が先軸
3の内段部27に当接した状態で、摺動コマ6の軸推移
によりチャックを移動して行われる。
【0026】次に、組立順序で説明すると、シャープペ
ンシル筆記体7、ボールペン等筆記体8は後端に夫々の
摺動コマ6、6`を接続させて、前述の中軸のガイド筒
2の各案内溝9、9`に移動自在に嵌装され、各摺動コ
マ6、6`の前端面と案内溝9、9`前面の仕切り部1
6との間に介装したリターンスプリング30、30`に
より後方へ附勢される。
【0027】一方、スリット75を有した内筒部70a
内に消しゴム86を止着した消しゴムホルダー81が嵌
装され、天冠72の筒部73が円筒カム5後方の内筒部
70aを被嵌する状態でキャップ70の内孔に嵌挿され
て、天冠72がキャップ70に回転のみ可能に止着され
る。又、その時、消しゴムホルダー81の突起83は弾
性的に螺旋溝74に嵌入する。(突起83を螺旋溝74
に嵌入する為に適宜天冠72を回動させながら嵌着する
動作がいる。)以上により、キャップ70に対して天冠
の操作部79を左右に回転すると後端孔77から消しゴ
ム86が出没する。
【0028】その状態から、円筒カム5を中軸1の後端
孔に挿入して突起17を周溝19に弾性的に嵌入させ
て、中軸1に対して円周方向に180度で回転自在且つ
抜け止めして止着する。又、シャープペンシル筆記体略
7が突出した状態で、キャップ70は中軸1に対して芯
繰り出しに必要なストローク分軸推移可能と成され、筆
記体の収納時又はボールペン等筆記体8の突出した状態
で、軸推移を不可と成される。各摺動コマ6、6`は常
時リターンスプリング30、30`によって後方へ附勢
されているので、常にその突起22、22`のカム斜面
を円筒カム5のカム斜面14に接触した状態を保ってい
る。
【0029】又、中軸1の段部31の前面に先軸3の後
端面が当接状態で、筒部10の係合部13が先軸3の係
合溝12に弾性的に嵌着して、先軸3と中軸1が回転止
め且つ抜け止め状態に固定される。尚、先軸3は適宜な
力で着脱可能になっている。この状態で、先軸3又は中
軸1に対してキャップ70を一方に回転すると、摺動コ
マ6が前進して円筒カム5のカム斜面14の最前端の切
欠15が一方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6
の突起22に係止して筆記先端部が先軸先端口から突出
状態になる。又、先軸3又は中軸1に対してキャップ7
0を他方に回転すると、摺動コマ6が後退してシャープ
ペンシル筆記体7の筆記先端部が先軸先端口から没入す
ると共に、摺動コマ6`が前進して他方のボールペン等
筆記体8の筆記先端部が先軸先端口から突出する。
【0030】又、図3及び図4は円筒カムの突起17と
中軸1`の係合状態を示す他の対応例を示している。こ
の場合には周溝60に突起17を嵌装する手段として、
中軸1`の後端から突起17を嵌装するガイド溝61の
上壁に傾斜面63を有した仕切り壁62を設けている。
仕切り壁62を設けた理由は、上記係合部に於ける中軸
1`の剛性を強化することにある。
【0031】
【作用】第1の実施例に於いて、先軸3又は中軸1に対
してキャップ4を一方に回転すると、図1に示すように
円筒カム5のカム斜面14の先端に設けた切欠15が一
方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6と係合して
その筆記先端部を先軸先端口から突出する。この時円筒
カム5の突起17は中軸1の周溝19で巾広溝52に位
置している。この状態で天冠37の後端をノックして円
筒カム5を軸推移すると、その動作が摺動コマ6、芯パ
イプ23、シャープペンシル筆記体7に伝達され、筆記
先端部の段部28が先軸3の内段部27に当接した状態
から継手29と共にチャックが軸推移して芯が繰り出さ
れる。又、先軸3又は中軸1に対してキャップ4を他方
に回転すると、シャープペンシル筆記体7が後退し、代
わりにボールペン等筆記体8の筆記先端部が先軸先端口
から突出する。尚、筆記体収納時、ボールペン等筆記体
の突出時に於いては、突起17が周溝19の巾狭溝53
に位置して、ノックして中軸1の後端にキャップ4の壁
20が当接した状態で突起17が周溝19の前壁55に
当接しないので、突起等が破壊することはない。次に、
キャップ4の前方に対して天冠37の操作部40aを左
右に回転すると、消しゴムホルダー42が前後動して後
端孔39から消しゴム47が出没する。
【0032】又、第2の実施例に於いて、先軸3又は中
軸1に対してキャップ70を一方に回転すると、図5に
示すように円筒カム5のカム斜面14の先端に設けた切
欠15が一方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6
と係合してその筆記先端部を先軸先端口から突出する。
この状態で天冠72の後端をノックして円筒カム5を軸
推移すると、チャックが軸推移して芯が繰り出される。
又、先軸3又は中軸1に対してキャップ70を他方に回
転すると、シャープペンシル筆記体7が後退して代わり
にボールペン等筆記体8の筆記先端部が先軸先端口から
突出する。次にキャップ70の前方に対して天冠の操作
部79を左右に回転すると、消しゴムホルダー81が前
後動して後端孔77から消しゴム86が出没する。
【0033】
【発明の効果】本考案は第1の実施例に示すように、円
筒カムの後方に一体的に樹脂製のキャップが設けられ、
キャップの内孔部に螺旋溝が形成されて、樹脂製の天冠
がスリットを有した内筒部と外筒状の操作部とで一体的
に設けられて、操作部がキャップの後方の軸部に回転の
み可能に止着されたことで、従来例に対し金属が樹脂に
代替えされ、部品点数が省略されて構造が単純化され、
且つ、組立てが容易となりコスト低減が達成される。
又、第2の実施例に示すように、円筒カムの後方に長い
スリット有した内筒部が一体に延設されてキャップが設
けられ、内孔部に螺旋溝が形成された樹脂製の天冠が円
筒カム後方の内筒部に被嵌された状態でキャップに嵌装
され、天冠がキャップに対し回転のみ可能に止着された
ことで従来例に対し金属が樹脂に代替えされ、部品点数
が省略されて構造が単純化され、且つ組立てが容易とな
りコスト低減が達成される。又、実施例によれば、先
軸、ガイド部を一体に備えた中軸を樹脂成形品として、
円筒カムの側面に設けた突起を中軸の後方に穿設した周
溝に弾性的に嵌入させ、又、中軸に先軸及びキャップと
接合する係合部を一体的に設けたことで、従来の複式筆
記具に対して部品点数が省略されて構造が単純化され、
且つ組立てが容易となり一層のコスト低減が達成され
る。又、後端落下等の衝撃が加わっても円筒カムと中軸
を係止する突起が周溝の前壁に当接しないので破損等の
問題が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例を示す全体の縦断面図
で、要部の一部が非断面となっている。
【図2】円筒カムの突起と中軸の周溝との係合状態を示
す説明図である。
【図3】円筒カムの突起と中軸の周溝との係合状態の他
の対応例を示す説明図である。
【図4】図3に於ける係合部の要部断面図である。
【図5】本考案の第2の実施例を示す全体の縦断面図
で、要部の一部が非断面となっている。
【符号の説明】
1 中軸 1` 中軸 2 ガイド筒 3 先軸 4 キャップ 5 円筒カム 6 摺動コマ 6` 摺動コマ 7 シャープペンシル筆記体 8 ボールペン等筆記体 9 案内溝 9` 案内溝 10 筒部 11 ノックスプリング 12 係合溝 13 係合部 14 カム斜面 15 切欠 16 仕切り部 17 突起 18 縦溝 19 周溝 20 壁 21 窓 22 突起 22` 突起 23 芯パイプ 24 フランジ部 25 尾栓 26 係止部 27 内段部 28 段部 29 継手 30 リターンスプリング 30` リターンスプリング 31 段部 32 孔 32` 孔 33 螺旋溝 34 軸部 35 係合部 36 ボス部 37 天冠 38 係合部 39 後端孔 40a 操作部 40b 内筒部 41 スリット 42 消しゴムホルダー 43 筒部 44 突起 45 弾性片 46 係止突起 47 消しゴム 50 傾斜面 51 巾狭部 52 巾広部 53 巾狭溝 54a 後壁 54b 傾斜面 54c 後壁 55 前壁 60 周溝 61 ガイド溝 62 仕切り壁 63 傾斜面 70 キャップ 70a 内筒部 71 係合部 72 天冠 73 筒部 74 螺旋溝 75 スリット 76 段部 77 後端孔 78 軸部 79 操作部 80 係合部 81 消しゴムホルダー 82 筒部 83 突起 84 弾性片 85 係止突起 86 消しゴム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 複式筆記具
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業状の利用分野】本考案は、複数の筆記体の先端を
先軸先端口に於いて交互に出没自在とし、且つキャップ
後端から消しゴムを出没自在とした複式筆記具の提供に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複式筆記具の一例としては、同出
願人による実開昭64−3491号公報に見られるよう
に、2本の筆記体を案内する摺動溝を有して先軸に対し
固着されるガイド筒と、当該ガイド筒に嵌装される二本
の筆記体に取付けられた摺動コマに接するカム斜面を前
端部に有すると共に、後端はノック部となしてキャップ
に対し軸方向に移動自在に、且つ円周方向の回転は一体
となるよう装着された円筒カムを備え、先軸に対するキ
ャップの回転操作により二本の筆記体を先軸先端口に於
いて選択的に出没可能とした複式筆記具が存在する。
又、特開平3−79397号公報に見られるように摺動
コマの後端縁に軸方向に変位する円周状のカム斜面を有
し、それと当接するカム係合突起をキャップの内孔部に
有した複式筆記具が存在する。又、本願の引用例とし
て、同出願人による実開昭60−120889号公報に
見られるように、キャップ後端から突出した天冠を回転
させて消しゴムを出没させるようにした複式筆記具が存
在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の引用例には、多
くの部位に金属部品が使用され、構造も複雑で、部品点
数も多くなりコスト高となる問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する為
に案出された本考案の複式筆記具は、樹脂製の先軸と樹
脂製の中軸の先方を互いに回転不能且つ抜け止め状態に
嵌着する係合部を夫々設けて両者を固定したこと。中軸
に一体化したガイド筒と中軸の後方側面に縦溝と周溝を
巾狭部を通じて接続した略Lの字状の窓部が穿設され、
ガイド筒に設けた複数の案内溝に摺動コマを後端に止着
した少なくとも一本をシャープペンシル筆記体とした複
数の筆記体をリターンスプリングを介して夫々前後動自
在に嵌装し、軸方向に変位するカム斜面を前端部に円周
状に設けた円筒カムの側面に突起を設けて、突起を周溝
に弾性的に嵌入させてガイド筒ならびに中軸に対して円
筒カムを一定範囲で回転且つ軸推移可能に抜け止めし、
先軸又は中軸に対する円筒カムの回転によって各摺動コ
マを前後方向に交互に移動させて各筆記体の、先端を先
軸先端口より選択的に出没自在とし、シャープベンシル
の選択時のみに於いて円筒カムを軸推移して芯を繰り出
す。又、第1の実施例として円筒カムの後方に一体的に
樹脂製のキャップがその内孔部に螺旋溝が形成されて設
けられ、樹脂製の天冠が長いスリットを有した内筒部と
操作部とで一体的に設けられて、天冠の内筒部がキャッ
プの内孔に嵌装され、操作部がキャップ後方の外周部に
回転のみ可能に止着される。又、第2の実施例として樹
脂製キャップの内孔部で、円筒カムの後方に長いスリッ
トを有した内筒部が一体に延設され、樹脂製の天冠が内
孔に螺旋溝を有した筒部と操作部とで一体的に設けられ
て、筒部を内筒部に嵌挿した状態で操作部がキャップ後
方に回転のみ可能に止着される。以上により内筒部内
に、後方に消しゴムを挟着する弾性部と前方の筒部に突
起を有した消しゴムホルダーが突起をスリットと螺旋溝
に嵌入した状態で装着されて、先軸又は中軸に対しキャ
ップを回転することで筆記体の先端が出没し、キャップ
に対し天冠の操作部を回転することで消しゴムが出没可
能となるように構成されている。以上により、本願複式
筆記具は部品点数が省略され構造が簡単なので、組み立
てが容易となりコストダウンが可能となる。又、キャッ
プ後端に落下衝撃が加わっても円筒カムの突起が周溝の
前壁に当接しない設計なので突起等の破壊が防止される
効果もある。
【0005】
【実施例】先ず、図1及び図3は本考案の第1の実施例
を示している。本考案の複式筆記具はガイド筒2を一体
に備えた中軸1、先軸3、円筒カム5を一体に備えたキ
ャップ4、一対の摺動コマ6、6`、シャープペンシル
筆記体7、ボールペン等筆記体8、天冠37、消しゴム
ホルダー42、消しゴム47を主な構成要素とする。先
ず、中軸1は樹脂製で、図1に示すように、略中央部か
ら後端まで側面に開口した軸方向に長い案内溝9とそれ
と反対側の側面に同様の案内溝9`を有したガイド筒2
が設けられている。ガイド筒2の前半部には各案内溝
9、9`と連通して孔32、32`を有した仕切り部1
6を備えて前端を開口した筒部10が設けられ、筒部1
0の後端に段部31を有して段部31の前方外周部には
膨出状の係合部13が形成されている。
【0006】又、中軸1の後方側面には図2に示すよう
に縦溝18が先方の傾斜面50を介して巾狭部51が周
溝19に接続されて略Lの字状の窓部が穿設されてい
る。又後述するが、円筒カム5の突起17は縦溝18よ
り挿入され、突起17が傾斜面50を弾性的に拡開して
巾狭部51を通過して周溝19内に入る。円筒カム5は
突起17が周溝19の周方向の後壁に当接しながら回転
して、シャープペンシル筆記体7又はボールペン等筆記
体8の筆記部が先軸先端口から交互に出没することにな
る。又、周溝19はシャープペンシル筆記体7が突出す
るときの突起17の位置で円筒カム5が軸推移可能なよ
うに巾広溝52が設けられ、筆記体の収納時又はボール
ペン等筆記体8が突出するときの突起17の位置で円筒
カム5が略軸推移不可となるように周溝19の後壁54
aと後壁54cとの間に傾斜面54bが接続されて巾狭
溝53が設けられている。又、後述するが、軸推移の前
端でキャップ4の壁20が中軸1の後端に当接して突起
17の前端が周溝19の前壁55に当接しないように設
定されている。
【0007】先軸3は、前方が先細状で、内孔部先端に
は内段部27を有して先端口が設けられている。又、後
端孔には、前記ガイド筒の筒部10の外周部に設けられ
た係合部13と迎合して筒部10と抜け止め且つ回転止
めされる係合溝12が設けられている。尚、筒部10と
先軸3は適宜な力で着脱可能に固定される。(実開昭6
4−3491号公報の先軸の構成と同じ)
【0008】キャップ4は樹脂製で、先端に円筒カム5
を一体に有している。円筒カム5は筒状を成し、前端縁
に円周状に前後に変位するカム斜面14を有し、カム斜
面14の最前端部には切欠15が形成されている。又、
円筒カム5の側面には前記中軸1の縦溝18に挿入して
弾性的に周溝19に嵌入して一定範囲(略180度)で
回転且つ抜け止めする突起17が形成されている。
【0009】ところで、キャップ4は前記円筒カム5の
後方に延設した筒部を有し、筒部の内孔部には螺旋溝3
3が形成されている。又、円筒カム5の後端には円周状
にやや突出したボス部36を有し、筒部の後方には突状
の係合部35を有した軸部34が設けられている。一
方、樹脂製の天冠37は長いスリット41を有した内筒
部40bとその外側で内面に円周状の溝を呈した係合部
38が形成された操作部40aとで一体に設けられてい
る。天冠37は内筒部40bがキャップ4の内孔部に嵌
装され、上記操作部40aの係合部38が係合部35に
弾性的に嵌入して天冠37は操作部40aに於いてキャ
ップ4に対し回転のみ可能に止着される。尚、ボス部3
6は内筒部40bの先端部のガイドとなる。
【0010】又、内筒部40b内には後端に消しゴム4
7を止着した消しゴムホルダー42が装着される。消し
ゴムホルダー42は後方に消しゴム47を挟着する一対
の弾性片45が形成され、弾性片45の内面には係止突
起46を有している。又、前方の筒部43の外周には突
起44が形成されている。消しゴムホルダー42は突起
44と弾性片45を内筒部のスリット41に嵌装し、突
起44が更に螺旋溝33に嵌入した状態で内筒部40b
内に配設されている。この状態で、キャップ4に対し操
作部40aを回転すると消しゴムホルダー42が前後動
して消しゴム47が後端孔39から出没可能となる。
【0011】又、摺動コマ6は、外面に突起22を有し
て、突起22の後端面には中央部が突出してその両側が
前述した円筒カム5のカム斜面14と略同勾配のカム斜
面を有している。又、芯パイプ23のフランジ部24に
当接して、芯パイプ23の後方を長く突出して嵌着する
孔が設けられている。又、摺動コマ6`は摺動コマ6と
同様に突起22`とカム斜面を有し、先端にはボールペ
ン等筆記体8の後端を止着する係止部26が設けられて
いる。尚、係止部はパイプ状に成して筆記体の後端を嵌
着することも可能である。
【0012】シャープペンシル筆記体7は、一般的なチ
ャック機構を内蔵し、後端にチャック機構と連結した継
手29を介して芯パイプ23に接合し、芯パイプ23の
後方に設けたフランジ部24に当接して摺動コマ6が嵌
着され、摺動コマ6の後端から突出した芯パイプ23の
後端孔は尾栓25等で閉塞されている。芯の繰り出し
は、シャープペンシル筆記体7の先端の段部28が先軸
3の内段部27に当接した状態で、摺動コマ6の軸推移
によりチャックを移動して行われる。
【0013】次に、組立順序で説明すると、シャープペ
ンシル筆記体7、ボールペン等筆記体8は後端に夫々の
摺動コマ6、6`を接続させて、前述の中軸のガイド筒
2の各案内溝9、9`に移動自在に嵌装され、各摺動コ
マ6、6`の前端面と案内溝9、9`前面の仕切り部1
6との間に介装したリターンスプリング30、30`に
より後方へ附勢される。キャップ4は円筒カム5を中軸
1の後端孔に挿入して突起17を周溝19に弾性的に嵌
入させて、中軸1に対して円周方向に略180度で回転
自在且つ抜け止めして止着される。又、シャープペンシ
ル筆記体7が突出した状態で、キャップ4は中軸1に対
して芯繰り出しに必要なストローク分軸推移可能と成さ
れ、筆記体の収納時又はボールペン等筆記体8の突出し
た状態で軸推移を不可と成される。各摺動コマ6、6`
は常時リターンスプリング30、30`によって後方へ
附勢されているので、常にその突起22、22`のカム
斜面を円筒カム5のカム斜面14に接触した状態を保っ
ている。
【0014】又、中軸1の段部31の前面に先軸3の後
端面が当接状態で、筒部10の係合部13が先軸3の係
合溝12に弾性的に嵌着して、先軸3と中軸1が回転止
め且つ抜け止め状態に固定される。尚、先軸3は適宜な
力で着脱可能になっている。この状態で、先軸3又は中
軸1に対してキャップ4を一方に回転すると、摺動コマ
6が前進して円筒カム5のカム斜面14の最前端の切欠
15が一方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6の
突起22に係止して筆記先端部が先軸先端口から突出状
態になる。又、先軸3又は中軸1に対してキャップ4を
他方に回転すると、摺動コマ6が後退してシャープペン
シル筆記体7の筆記先端部が先軸先端口から没入すると
共に、摺動コマ6`が前進して他方のボールペン等筆記
体8の筆記先端部が先軸先端口から突出する。
【0015】一方、消しゴム47を止着した消しゴムホ
ルダー42を天冠37の内筒部40b内に嵌装した状態
でキャップ4の後端から回点を加えながら挿入して、天
冠の操作部40aをキャップ4の後端に止着する。以上
により、キャップ4に対し天冠の操作部40aを左右に
回転すると後端孔39から消しゴム47が出没する。
【0016】又、図3は円筒カムの突起17と中軸1`
の係合状態を示す他の対応例を示している。この場合に
は周溝60に突起17を嵌装する手段として、中軸1`
の後端から突起17を嵌装するガイド溝61の上壁に傾
斜面63を有した仕切り壁62を設けている。仕切り壁
62を設けた理由は、上記係合部に於ける中軸1`の剛
性を強化することにある。
【0017】次に、図5は本考案の第2の実施例を示し
ている。本考案の複式筆記具はガイド筒2を一体に備え
た中軸1、先軸3、円筒カム5を一体に備えたキャップ
70、一対の摺動コマ6、6`シャープペンシル筆記体
7、ボールペン等筆記体8、天冠72、消しゴムホルダ
ー81、消しゴム86を主な構成要素とする。第2の実
施例は、上記第1の実施例と同様に構成される部分が多
く、以下重複して説明することになる。先ず、中軸1は
樹脂製で、図に示すように、略中央部から後端まで側面
に開口した軸方向に長い案内溝9とそれと反対側の側面
に同様の案内滑9`を有したガイド筒2が設けられてい
る。ガイド筒2の前半部には、各案内溝9、9`と連通
して孔32、32`を有した仕切り部16を備えて前端
を開口した筒部10が設けられ、筒部10の後端に段部
31を有して段部31の前方外周部には膨出状の係合部
13が形成されている。
【0018】又、中軸1の後方側面には図2に示すよう
に縦溝18が先方の傾斜面50を介して巾狭部51が周
溝19に接続されて略Lの字状の窓部が穿設されてい
る。又後述するが、円筒カム5の突起17は縦溝18よ
り挿入され、突起17が傾斜面50を弾性的に拡開して
巾狭部51を通過して周溝19内に入る。円筒カム5は
突起17が周溝19の周方向の後壁に当接しながら回転
して、シャープペンシル筆記体7又はボールペン等筆記
体8の筆記部が先軸先端口から交互に出没することにな
る。又、周溝19はシャープペンシル筆記体7が突出す
るときの突起17の位置で円筒カム5が軸推移可能なよ
うに巾広溝52が設けられ、筆記体の収納時又はボール
ペン等筆記体8が突出するときの突起17の位置で円筒
カム5が略軸推移不可となるように周溝19の後壁54
aと後壁54cとの間に傾斜面54bが接続されて巾狭
溝53が設けられている。又、後述するが、軸推移の前
端でキャップ70の壁20が中軸1の後端に当接して突
起17の前端が周溝19の前壁55に当接しないように
設定されている。
【0019】先軸3は、前方が先細状で、内孔部先端に
は内段部27を有して先端口が設けられている。又、後
端孔には、前記ガイド筒の筒部10の外周部に設けられ
た係合部13と迎合して筒部10と抜け止め且つ回転止
めされる係合溝12が設けられている。尚、筒部10と
先軸3は適宜な力で着脱可能に固定される。(実開昭6
4−3491号公報の先軸の構成と同じ)
【0020】キャップ70は樹脂製で、先方の内孔に円
筒カム5を軸支する円周状の壁20が形成されている。
又、外周部後方で、やや小径の軸部78には突状の係合
部71が形成されている。円筒カム5は筒状を成し、前
端縁に円周状に前後に変位するカム斜面14を有し、カ
ム斜面14の最前端部には切欠15が形成されている。
又、円筒カム5の側面には、前記中軸1の縦溝18に挿
入して、弾性的に周溝19に嵌入して一定範囲(略18
0度)で回転且つ抜け止めする突起17が形成されてい
る。
【0021】ところで、円筒カム5は後方に延設した内
筒部70aを有し、更に段部76の後方で長いスリット
75が形成されている。一方、樹脂製の天冠72は後方
に外筒状の操作部79が形成されて、その内方で前方に
向かって筒部73が設けられ、筒部73の内孔部には螺
旋溝74が形成されている。又、操作部79の内面には
円周状の溝を呈した係合部80が形成されている。
【0022】ところで、前記天冠72の筒部73をスリ
ット75を有した筒部70aの外周に嵌装する状態でキ
ャップ70の後方内孔に嵌挿して、操作部79の係合部
80をキャップの軸部78の係合部71に弾性的に嵌着
し、キャップ70に対して天冠72を回転のみ可能に止
着する。
【0023】又、円筒カム5後方のスリット75を有し
た内筒部70a内には後端に消しゴム86を止着した消
しゴムホルダー81が装着される。消しゴムホルダー8
1は後方に消しゴム86を挟着する一対の弾性片84が
形成され、弾性片84の内面には係止突起85を有して
いる。又、前方の筒部82の外周には突起83が形成さ
れている。消しゴムホルダー81は突起83と弾性片8
4を内筒部70aのスリット75に嵌装し、突起83が
更に天冠72の螺旋溝74に嵌入した状態で内筒部70
a内に配設されている。この状態で、キャップ70に対
し天冠の操作部79を回転すると消しゴムホルダー81
が前後動して消しゴム86が天冠の後端孔77から出没
可能となる。
【0024】又、摺動コマ6は、外面に突起22を有し
て、突起22の後端面には中央部が突出してその両側が
前述した円筒カム5のカム斜面14と略同勾配のカム斜
面を有している。又、芯パイブ23のフランジ部24に
当接して、芯パイプ23の後方を長く突出して嵌着する
孔が設けられている。又、摺動コマ6`は摺酌コマ6と
同様に突起22`とカム斜面を有し、先端にはボールペ
ン等筆記体8の後端を止着する係止部26が設けられて
いる。尚、係止部はパイプ状に成して筆記体の後端を嵌
着することも可能である。
【0025】シャープペンシル筆記体7は、一般的なチ
ャック機構を内蔵し、後端にチャック機構と連結した継
手29を介して芯パイプ23に接合し、芯パイプ23の
後方に設けたフランジ部24に当接して摺動コマ6が嵌
着され、摺効コマ6の後端から突出した芯パイプ23の
後端孔は尾栓25等で閉塞されている。芯の繰り出し
は、シャープペンシル筆記体7の先端の段部28が先軸
3の内段部27に当接した状態で、摺動コマ6の軸推移
によりチャックを移動して行われる。
【0026】次に、組立順序で説明すると、シャープペ
ンシル筆記体7、ボールペン等筆記体8は後端に夫々の
摺動コマ6、6`を接続させて、前述の中轄のガイド筒
2の各案内溝9、9`に移動自在に嵌装され、各摺動コ
マ6、6`の前端面と案内溝9、9`前面の仕切り部1
6との間に介装したリターンスプリング30、30`に
より後方へ附勢される。
【0027】一方、スリット75を有した内筒部70a
内に消しゴム86を止着した消しゴムホルダー81が嵌
装され、天冠72の筒部73が円筒カム5後方の内筒部
70aを被嵌する状態でキャップ70の内孔に嵌挿され
て、天冠72がキャップ70に回転のみ可能に止着され
る。又、その時、消しゴムホルダー81の突起83は弾
性的に螺旋溝74に嵌入する。(突起83を螺旋溝74
に嵌入する為に適宜天冠72を回動させながら嵌着する
動作がいる。)以上により、キャップ70に対して天冠
の操作部79を左右に回転すると後端孔77から消しゴ
ム86が出没する。
【0028】その状態から、円筒カム5を中軸1の後端
孔に挿入して突起17を周滑19に弾性的に嵌入させ
て、中軸1に対して円周方向に180度で回転自在且つ
抜け止めして止着する。又、シャープペンシル筆記体略
7が突出した状態で、キャップ70は中軸1に対して芯
繰り出しに必要なストローク分軸推移可能と成され、筆
記体の収納時又はボールペン等筆記体8の突出した状態
で、軸推移を不可と成される。各摺動コマ6、6`は常
時リターンスプリング30、30`によって後方へ附勢
されているので、常にその突起22、22`のカム斜面
を円筒カム5のカム斜面14に接触した状態を保ってい
る。
【0029】又、中軸1の段部31の前面に先軸3の後
端面が当接状態で、筒部10の係合部13が先軸3の係
合溝12に弾性的に嵌着して、先軸3と中軸1が回転止
め且つ抜け止め状態に固定される。尚、先軸3は適宜な
力で着脱可能になっている。この状態で、先軸3又は中
軸1に対してキャップ70を一方に回転すると、摺動コ
マ6が前進して円筒カム5のカム斜面14の最前端の切
欠15が一方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6
の突起22に係止して筆記先端部が先軸先端口から突出
状態になる。又、先軸3又は中軸1に対してキャップ7
0を他方に回転すると、摺動コマ6が後退してシャープ
ペンシル筆記体7の筆記先端部が先軸先端口から没入す
ると共に、摺動コマ6`が前進して他方のボールペン等
筆記体8の筆記先端部が先軸先端口から突出する。
【0030】又、図3及び図4は円筒カムの突起17と
中軸1`の係合状態を示す他の対応例を示している。こ
の場合には周溝60に突起17を嵌装する手段として、
中軸1`の後端から突起17を嵌装するガイド溝61の
上壁に傾斜面63を有した仕切り壁62を設けている。
仕切り壁62を設けた理由は、上記係合部に於ける中軸
1`の剛性を強化することにある。
【0031】
【作用】第1の実施例に於いて、先軸3又は中軸1に対
してキャップ4を一方に回転すると、図1に示すように
円筒カム5のカム斜面14の先端に設けた切欠15が一
方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6と係合して
その筆記先端部を先軸先端口から突出する。この時円筒
カム5の突起17は中軸1の周溝19で巾広溝52に位
置している。この状態で天冠37の後端をノックして円
筒カム5を軸推移すると、その動作が摺動コマ6、芯パ
イプ23、シャープペンシル筆記体7に伝達され、筆記
先端部の段部28が先軸3の内段部27に当接した状態
から継手29と共にチャックが軸推移して芯が繰り出さ
れる。又、先軸3又は中軸1に対してキャップ4を他方
に回転すると、シャープペンシル筆記体7が後退し、代
わりにボールペン等筆記体8の筆記先端部が先軸先端口
から突出する。尚、筆記体収納時、ボールペン等筆記体
の突出時に於いては、突起17が周溝19の巾狭溝53
に位置して、ノックして中軸1の後端にキャップ4の壁
20が当接した状態で突起17が周溝19の前壁55に
当接しないので、突起等が破壊することはない。次に、
キャップ4の前方に対して天冠37の操作部40aを左
右に回転すると、消しゴムホルダー42が前後動して後
端孔39から消しゴム47が出没する。
【0032】又、第2の実施例に於いて、先軸3又は中
軸1に対してキャップ70を一方に回転すると、図5に
示すように円筒カム5のカム斜面14の先端に設けた切
欠15が一方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6
と係合してその筆記先端部を先軸先端口から突出する。
この状態で天冠72の後端をノックして円筒カム5を軸
推移すると、チャックが軸推移して芯が繰り出される。
又、先軸3又は中軸1に対してキャップ70を他方に回
靴すると、シャープペンシル筆記体7が後退して代わり
にボールペン等筆記体8の筆記先端部が先軸先端口から
突出する。次にキャップ70の前方に対して天冠の操作
部79を左右に回転すると、消しゴムホルダー81が前
後動して後端孔77から消しゴム86が出没する。
【0033】
【発明の効果】本考案は第1の実施例に示すように、円
筒カムの後方に一体的に樹脂製のキャップが設けられ、
キャップの内孔部に螺旋溝が形成されて、樹脂製の天冠
がスリットを有した内筒部と外筒状の操作部とで一体的
に設けられて、操作部がキャップの後方の軸部に回転の
み可能に止着されたことで、従来例に対し金属が樹脂に
代替えされ、部品点数が省略されて構造が単純化され、
且つ、組立てが容易となりコスト低減が達成される。
又、第2の実施例に示すように、円筒カムの後方に長い
スリット有した内筒部が一体に延設されてキャップが設
けられ、内孔部に螺旋溝が形成された樹脂製の天冠が円
筒カム後方の内筒部に被嵌された状態でキャップに嵌装
され、天冠がキャップに対し回転のみ可能に止着された
ことで従来例に対し金属が樹脂に代替えされ、部品点数
が省略されて構造が単純化され、且つ組立てが容易とな
りコスト低減が達成される。又、実施例によれば、先
軸、ガイド部を一体に備えた中軸を樹脂成形品として、
円筒カムの側面に設けた突起を中軸の後方に穿設した周
溝に弾性的に嵌入させ、又、中軸に先軸及びキャップと
接合する係合部を一体的に設けたことで、従来の複式筆
記具に対して部品点数が省略されて構造が単純化され、
且つ組立てが容易となり一層のコスト低減が達成され
る。又、後端落下等の衝撃が加わっても円筒カムと中軸
を係止する突起が周溝の前壁に当接しないので破損等の
問題が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例を示す全体の縦断面図
で、要部の一部が非断面となっている。
【図2】円筒カムの突起と中軸の周溝との係合状態を示
す説明図である。
【図3】円筒カムの突起と中軸の周溝との係合状態の他
の対応例を示す説明図である。
【図4】図3に於ける係合部の要部断面図である。
【図5】本考案の第2の実施例を示す全体の縦断面図
で、要部の一部が非断面となっている。
【符号の説明】 1 中軸 1` 中軸 2 ガイド筒 3 先軸 4 キャップ 5 円筒カム 6 摺動コマ 6` 摺動コマ 7 シャープペンシル筆記体 8 ボールペン等筆記体 9 案内溝 9` 案内溝 10 筒部 11 ノックスプリング 12 係合溝 13 係合部 14 カム斜面 15 切欠 16 仕切り部 17 突起 18 縦溝 19 周溝 20 壁 21 窓 22 突起 22` 突起 23 芯パイプ 24 フランジ部 25 尾栓 26 係止部 27 内段部 28 段部 29 継手 30 リターンスプリング 30` リターンスプリング 31 段部 32 孔 32` 孔 33 螺旋溝 34 軸部 35 係合部 36 ボス部 37 天冠 38 係合部 39 後端孔 40a 操作部 40b 内筒部 41 スリット 42 消しゴムホルダー 43 筒部 44 突起 45 弾性片 46 係止突起 47 消しゴム 50 傾斜面 51 巾狭部 52 巾広部 53 巾狭溝 54a 後壁 54b 傾斜面 54c 後壁 55 前壁 60 周溝 61 ガイド溝 62 仕切り壁 63 傾斜面 70 キャップ 70a 内筒部 71 係合部 72 天冠 73 筒部 74 螺旋溝 75 スリット 76 段部 77 後端孔 78 軸部 79 操作部 80 係合部 81 消しゴムホルダー 82 筒部 83 突起 84 弾性片 85 係止突起 86 消しゴム ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 複式筆記具
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業状の利用分野】本考案は、複数の筆記体の先端を
先軸先端口に於いて交互に出没自在とし、且つキャップ
後端から消しゴムを出没自在とした複式筆記具の提供に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複式筆記具の一例としては、同出
願人による実開昭64ー3491号公報に見られるよう
に、2本の筆記体を案内する摺動溝を有して先軸に対し
固着されるガイド筒と、当該ガイド筒に嵌装される二本
の筆記体に取付けられた摺動コマに接するカム斜面を前
端部に有すると共に、後端はノック部となしてキャップ
に対し軸方向に移動自在に、且つ円周方向の回転は一体
となるよう装着された円筒カムを備え、先軸に対するキ
ャップの回転操作により二本の筆記体を先軸先端口に於
いて選択的に出没可能とした複式筆記具が存在する。
又、特開平3ー79397号公報に見られるように摺動
コマの後端縁に軸方向に変位する円周状のカム斜面を有
し、それと当接するカム係合突起をキャップの内孔部に
有した複式筆記具が存在する。又、本願の引用例とし
て、同出願人による実開昭60ー120889号公報に
見られるように、キャップ後端から突出した天冠を回転
させて消しゴムを出没させるようにした複式筆記具が存
在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の引用例には、多
くの部位に金属部品が使用され、構造も複雑で、部品点
数も多くなりコスト高となる問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する為
に案出された本考案の複式筆記具は、樹脂製の先軸と樹
脂製の中軸の先方を互いに回転不能且つ抜け止め状態に
嵌着する係合部を夫々設けて両者を固定したこと。中軸
に一体化したガイド筒と中軸の後方側面に縦溝と周溝を
巾狭部を通じて接続した略Lの字状の窓部が穿設され、
ガイド筒に設けた複数の案内溝に摺動コマを後端に止着
した少なくとも一本をシャープペンシル筆記体とした複
数の筆記体をリターンスプリングを介して夫々前後動自
在に嵌装し、軸方向に変位するカム斜面を前端部に円周
状に設けた円筒カムの側面に突起を設けて、突起を周溝
に弾性的に嵌入させてガイド筒ならびに中軸に対して円
筒カムを一定範囲で回転且つ軸推移可能に抜け止めし、
先軸又は中軸に対する円筒カムの回転によって各摺動コ
マを前後方向に交互に移動させて各筆記体の、先端を先
軸先端口より選択的に出没自在とし、シャープペンシル
の選択時のみに於いて円筒カムを軸推移して芯を繰り出
す。又、第1の実施例として円筒カムの後方に一体的に
樹脂製のキャップがその内孔部に螺旋溝が形成されて設
けられ、樹脂製の天冠が長いスリットを有した内筒部と
操作部とで一体的に設けられて、天冠の内筒部がキャッ
プの内孔に嵌装され、操作部がキャップ後方の外周部に
回転のみ可能に止着される。又、第2の実施例として樹
脂製キャップの内孔部で、円筒カムの後方に長いスリッ
トを有した内筒部が一体に延設され、樹脂製の天冠が内
孔に螺旋溝を有した筒部と操作部とで一体的に設けられ
て、筒部を内筒部に嵌挿した状態で操作部がキャップ後
方に回転のみ可能に止着される。以上により内筒部内
に、後方に消しゴムを挟着する弾性部と前方の筒部に突
起を有した消しゴムホルダーが突起をスリットと螺旋溝
に嵌入した状態で装着されて、先軸又は中軸に対しキャ
ップを回転することで筆記体の先端が出没し、キャップ
に対し天冠の操作部を回転することで消しゴムが出没可
能となるように構成されている。以上により、本願複式
筆記具は部品点数が省略され構造が簡単なので、組み立
てが容易となりコストダウンが可能となる。又、キャッ
プ後端に落下衝撃が加わっても円筒カムの突起が周溝の
前壁に当接しない設計なので突起等の破壊が防止される
効果もある。
【0005】
【実施例】先ず、図1及び図3は本考案の第1の実施例
を示している。本考案の複式筆記具はガイド筒2を一体
に備えた中軸1、先軸3、円筒カム5を一体に備えたキ
ャップ4、一対の摺動コマ6、6`、シャープペンシル
筆記体7、ボールペン等筆記体8、天冠37、消しゴム
ホルダー42、消しゴム47を主な構成要素とする。先
ず、中軸1は樹脂製で、図1に示すように、略中央部か
ら後端まで側面に開口した軸方向に長い案内溝9とそれ
と反対側の側面に同様の案内溝9`を有したガイド筒2
が設けられている。ガイド筒2の前半部には各案内溝
9、9`と連通して孔32、32`を有した仕切り部1
6を備えて前端を開口した筒部10が設けられ、筒部1
0の後端に段部31を有して段部31の前方外周部には
膨出状の係合部13が形成されている。
【0006】又、中軸1の後方側面には図2に示すよう
に縦溝18が先方の傾斜面50を介して巾狭部51が周
溝19に接続されて略Lの字状の窓部が穿設されてい
る。又後述するが、円筒カム5の突起17は縦溝18よ
り挿入され、突起17が傾斜面50を弾性的に拡開して
巾狭部51を通過して周溝19内に入る。円筒カム5は
突起17が周溝19の周方向の後壁に当接しながら回転
して、シャープペンシル筆記体7又はボールペン等筆記
体8の筆記部が先軸先端口から交互に出没することにな
る。又、周溝19はシャープペンシル筆記体7が突出す
るときの突起17の位置で円筒カム5が軸推移可能なよ
うに巾広溝52が設けられ、筆記体の収納時又はボール
ペン等筆記体8が突出するときの突起17の位置で円筒
カム5が略軸推移不可となるように周溝19の後壁54
aと後壁54cとの間に傾斜面54bが接続されて巾狭
溝53が設けられている。又、後述するが、軸推移の前
端でキャップ4の壁20が中軸1の後端に当接して突起
17の前端が周溝19の前壁55に当接しないように設
定されている。
【0007】先軸3は、前方が先細状で、内孔部先端に
は内段部27を有して先端口が設けられている。又、後
端孔には、前記ガイド筒の筒部10の外周部に設けられ
た係合部13と迎合して筒部10と抜け止め且つ回転止
めされる係合溝12が設けられている。尚、筒部10と
先軸3は適宜な力で着脱可能に固定される。(実開昭6
4ー3491号公報の先軸の構成と同じ)
【0008】キャップ4は樹脂製で、先端に円筒カム5
を一体に有している。円筒カム5は筒状を成し、前端縁
に円周状に前後に変位するカム斜面14を有し、カム斜
面14の最前端部には切欠15が形成されている。又、
円筒カム5の側面には前記中軸1の縦溝18に挿入して
弾性的に周溝19に嵌入して一定範囲(略180度)で
回転且つ抜け止めする突起17が形成されている。
【0009】ところで、キャップ4は前記円筒カム5の
後方に延設した筒部を有し、筒部の内孔部には螺旋溝3
3が形成されている。又、円筒カム5の後端には円周状
にやや突出したボス部36を有し、筒部の後方には突状
の係合部35を有した軸部34が設けられている。一
方、樹脂製の天冠37は長いスリット41を有した内筒
部40bとその外側で内面に円周状の溝を呈した係合部
38が形成された操作部40aとで一体に設けられてい
る。天冠37は内筒部40bがキャップ4の内孔部に嵌
装され、上記操作部40aの係合部38が係合部35に
弾性的に嵌入して天冠37は操作部40aに於いてキャ
ップ4に対し回転のみ可能に止着される。尚、ボス部3
6は内筒部40bの先端部のガイドとなる。
【0010】又、内筒部40b内には後端に消しゴム4
7を止着した消しゴムホルダー42が装着される。消し
ゴムホルダー42は後方に消しゴム47を挟着する一対
の弾性片45が形成され、弾性片45の内面には係止突
起46を有している。又、前方の筒部43の外周には突
起44が形成されている。消しゴムホルダー42は突起
44と弾性片45を内筒部のスリット41に嵌装し、突
起44が更に螺旋溝33に嵌入した状態で内筒部40b
内に配設されている。この状態で、キャップ4に対し操
作部40aを回転すると消しゴムホルダー42が前後動
して消しゴム47が後端孔39から出没可能となる。
【0011】又、摺動コマ6は、外面に突起22を有し
て、突起22の後端面には中央部が突出してその両側が
前述した円筒カム5のカム斜面14と略同勾配のカム斜
面を有している。又、芯パイプ23のフランジ部24に
当接して、芯パイプ23の後方を長く突出して嵌着する
孔が設けられている。又、摺動コマ6`は摺動コマ6と
同様に突起22`とカム斜面を有し、先端にはボールペ
ン等筆記体8の後端を止着する係止部26が設けられて
いる。尚、係止部はパイプ状に成して筆記体の後端を嵌
着することも可能である。
【0012】シャープペンシル筆記体7は、一般的なチ
ャック機構を内蔵し、後端にチャック機構と連結した継
手29を介して芯パイプ23に接合し、芯パイプ23の
後方に設けたフランジ部24に当接して摺動コマ6が嵌
着され、摺動コマ6の後端から突出した芯パイプ23の
後端孔は尾栓25等で閉塞されている。芯の繰り出し
は、シャープペンシル筆記体7の先端の段部28が先軸
3の内段部27に当接した状態で、摺動コマ6の軸推移
によりチャックを移動して行われる。
【0013】次に、組立順序で説明すると、シャープペ
ンシル筆記体7、ボールペン等筆記体8は後端に夫々の
摺動コマ6、6`を接続させて、前述の中軸のガイド筒
2の各案内溝9、9`に移動自在に嵌装され、各摺動コ
マ6、6`の前端面と案内溝9、9`前面の仕切り部1
6との間に介装したリターンスプリング30、30`に
より後方へ附勢される。キャップ4は円筒カム5を中軸
1の後端孔に挿入して突起17を周溝19に弾性的に嵌
入させて、中軸1に対して円周方向に略180度で回転
自在且つ抜け止めして止着される。又、シャープペンシ
ル筆記体7が突出した状態で、キャップ4は中軸1に対
して芯繰り出しに必要なストローク分軸推移可能と成さ
れ、筆記体の収納時又はボールペン等筆記体8の突出し
た状態で軸推移を不可と成される。各摺動コマ6、6`
は常時リターンスプリング30、30`によって後方へ
附勢されているので、常にその突起22、22`のカム
斜面を円筒カム5のカム斜面14に接触した状態を保っ
ている。
【0014】又、中軸1の段部31の前面に先軸3の後
端面が当接状態で、筒部10の係合部13が先軸3の係
合溝12に弾性的に嵌着して、先軸3と中軸1が回転止
め且つ抜け止め状態に固定される。尚、先軸3は適宜な
力で着脱可能になっている。この状態で、先軸3又は中
軸1に対してキャップ4を一方に回転すると、摺動コマ
6が前進して円筒カム5のカム斜面14の最前端の切欠
15が一方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6の
突起22に係止して筆記先端部が先軸先端口から突出状
態になる。又、先軸3又は中軸1に対してキャップ4を
他方に回転すると、摺動コマ6が後退してシャープペン
シル筆記体7の筆記先端部が先軸先端口から没入すると
共に、摺動コマ6`が前進して他方のボールペン等筆記
体8の筆記先端部が先軸先端口から突出する。
【0015】一方、消しゴム47を止着した消しゴムホ
ルダー42を天冠37の内筒部40b内に嵌装した状態
でキャップ4の後端から回転を加えながら挿入して、天
冠の操作部40aをキャップ4の後端に止着する。以上
により、キャップ4に対し天冠の操作部40aを左右に
回転すると後端孔39から消しゴム47が出没する。
【0016】又、図3は円筒カムの突起17と中軸1`
の係合状態を示す他の対応例を示している。この場合に
は周溝60に突起17を嵌装する手段として、中軸1`
の後端から突起17を嵌装するガイド溝61の上壁に傾
斜面63を有した仕切り壁62を設けている。仕切り壁
62を設けた理由は、上記係合部に於ける中軸1`の剛
性を強化することにある。
【0017】次に、図5は本考案の第2の実施例を示し
ている。本考案の複式筆記具はガイド筒2を一体に備え
た中軸1、先軸3、円筒カム5を一体に備えたキャップ
70、一対の摺動コマ6、6`シャープペンシル筆記体
7、ボールペン等筆記体8、天冠72、消しゴムホルダ
ー81、消しゴム86を主な構成要素とする。第2の実
施例は、上記第1の実施例と同様に構成される部分が多
く、以下重複して説明することになる。先ず、中軸1は
樹脂製で、図に示すように、略中央部から後端まで側面
に開口した軸方向に長い案内溝9とそれと反対側の側面
に同様の案内溝9`を有したガイド筒2が設けられてい
る。ガイド筒2の前半部には、各案内溝9、9`と連通
して孔32、32`を有した仕切り部16を備えて前端
を開口した筒部10が設けられ、筒部10の後端に段部
31を有して段部31の前方外周部には膨出状の係合部
13が形成されている。
【0018】又、中軸1の後方側面には図2に示すよう
に縦溝18が先方の傾斜面50を介して巾狭部51が周
溝19に接続されて略Lの字状の窓部が穿設されてい
る。又後述するが、円筒カム5の突起17は縦溝18よ
り挿入され、突起17が傾斜面50を弾性的に拡開して
巾狭部51を通過して周溝19内に入る。円筒カム5は
突起17が周溝19の周方向の後壁に当接しながら回転
して、シャープペンシル筆記体7又はボールペン等筆記
体8の筆記部が先軸先端口から交互に出没することにな
る。又、周溝19はシャープペンシル筆記体7が突出す
るときの突起17の位置で円筒カム5が軸推移可能なよ
うに巾広溝52が設けられ、筆記体の収納時又はボール
ペン等筆記体8が突出するときの突起17の位置で円筒
カム5が略軸推移不可となるように周溝19の後壁54
aと後壁54cとの間に傾斜面54bが接続されて巾狭
溝53が設けられている。又、後述するが、軸推移の前
端でキャップ70の壁20が中軸1の後端に当接して突
起17の前端が周溝19の前壁55に当接しないように
設定されている。
【0019】先軸3は、前方が先細状で、内孔部先端に
は内段部27を有して先端口が設けられている。又、後
端孔には、前記ガイド筒の筒部10の外周部に設けられ
た係合部13と迎合して筒部10と抜け止め且つ回転止
めされる係合溝12が設けられている。尚、筒部10と
先軸3は適宜な力で着脱可能に固定される。(実開昭6
4ー3491号公報の先軸の構成と同じ)
【0020】キャップ70は樹脂製で、先方の内孔に円
筒カム5を軸支する円周状の壁20が形成されている。
又、外周部後方で、やや小径の軸部78には突状の係合
部71が形成されている。円筒カム5は筒状を成し、前
端縁に円周状に前後に変位するカム斜面14を有し、カ
ム斜面14の最前端部には切欠15が形成されている。
又、円筒カム5の側面には、前記中軸1の縦溝18に挿
入して、弾性的に周溝19に嵌入して一定範囲(略18
0度)で回転且つ抜け止めする突起17が形成されてい
る。
【0021】ところで、円筒カム5は後方に延設した内
筒部70aを有し、更に段部76の後方で長いスリット
75が形成されている。一方、樹脂製の天冠72は後方
に外筒状の操作部79が形成されて、その内方で前方に
向かって筒部73が設けられ、筒部73の内孔部には螺
旋溝74が形成されている。又、操作部79の内面には
円周状の溝を呈した係合部80が形成されている。
【0022】ところで、前記天冠72の筒部73をスリ
ット75を有した筒部70aの外周に嵌装する状態でキ
ャップ70の後方内孔に嵌挿して、操作部79の係合部
80をキャップの軸部78の係合部71に弾性的に嵌着
し、キャップ70に対して天冠72を回転のみ可能に止
着する。
【0023】又、円筒カム5後方のスリット75を有し
た内筒部70a内には後端に消しゴム86を止着した消
しゴムホルダー81が装着される。消しゴムホルダー8
1は後方に消しゴム86を挟着する一対の弾性片84が
形成され、弾性片84の内面には係止突起85を有して
いる。又、前方の筒部82の外周には突起83が形成さ
れている。消しゴムホルダー81は突起83と弾性片8
4を内筒部70aのスリット75に嵌装し、突起83が
更に天冠72の螺旋溝74に嵌入した状態で内筒部70
a内に配設されている。この状態で、キャップ70に対
し天冠の操作部79を回転すると消しゴムホルダー81
が前後動して消しゴム86が天冠の後端孔77から出没
可能となる。
【0024】又、摺動コマ6は、外面に突起22を有し
て、突起22の後端面には中央部が突出してその両側が
前述した円筒カム5のカム斜面14と略同勾配のカム斜
面を有している。又、芯パイプ23のフランジ部24に
当接して、芯パイプ23の後方を長く突出して嵌着する
孔が設けられている。又、摺動コマ6`は摺動コマ6と
同様に突起22`とカム斜面を有し、先端にはボールペ
ン等筆記体8の後端を止着する係止部26が設けられて
いる。尚、係止部はパイプ状に成して筆記体の後端を嵌
着することも可能である。
【0025】シャープペンシル筆記体7は、一般的なチ
ャック機構を内蔵し、後端にチャック機構と連結した継
手29を介して芯パイプ23に接合し、芯パイプ23の
後方に設けたフランジ部24に当接して摺動コマ6が嵌
着され、摺動コマ6の後端から突出した芯パイプ23の
後端孔は尾栓25等で閉塞されている。芯の繰り出し
は、シャープペンシル筆記体7の先端の段部28が先軸
3の内段部27に当接した状態で、摺動コマ6の軸推移
によりチャックを移動して行われる。
【0026】次に、組立順序で説明すると、シャープペ
ンシル筆記体7、ボールペン等筆記体8は後端に夫々の
摺動コマ6、6`を接続させて、前述の中軸のガイド筒
2の各案内溝9、9`に移動自在に嵌装され、各摺動コ
マ6、6`の前端面と案内溝9、9`前面の仕切り部1
6との間に介装したリターンスプリング30、30`に
より後方へ附勢される。
【0027】一方、スリット75を有した内筒部70a
内に消しゴム86を止着した消しゴムホルダー81が嵌
装され、天冠72の筒部73が円筒カム5後方の内筒部
70aを被嵌する状態でキャップ70の内孔に嵌挿され
て、天冠72がキャップ70に回転のみ可能に止着され
る。又、その時、消しゴムホルダー81の突起83は弾
性的に螺旋溝74に嵌入する。(突起83を螺旋溝74
に嵌入する為に適宜天冠72を回動させながら嵌着する
動作がいる。)以上により、キャップ70に対して天冠
の操作部79を左右に回転すると後端孔77から消しゴ
ム86が出没する。
【0028】その状態から、円筒カム5を中軸1の後端
孔に挿入して突起17を周溝19に弾性的に嵌入させ
て、中軸1に対して円周方向に180度で回転自在且つ
抜け止めして止着する。又、シャープペンシル筆記体略
7が突出した状態で、キャップ70は中軸1に対して芯
繰り出しに必要なストローク分軸推移可能と成され、筆
記体の収納時又はボールペン等筆記体8の突出した状態
で、軸推移を不可と成される。各摺動コマ6、6`は常
時リターンスプリング30、30`によって後方へ附勢
されているので、常にその突起22、22`のカム斜面
を円筒カム5のカム斜面14に接触した状態を保ってい
る。
【0029】又、中軸1の段部31の前面に先軸3の後
端面が当接状態で、筒部10の係合部13が先軸3の係
合溝12に弾性的に嵌着して、先軸3と中軸1が回転止
め且つ抜け止め状態に固定される。尚、先軸3は適宜な
力で着脱可能になっている。この状態で、先軸3又は中
軸1に対してキャップ70を一方に回転すると、摺動コ
マ6が前進して円筒カム5のカム斜面14の最前端の切
欠15が一方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6
の突起22に係止して筆記先端部が先軸先端口から突出
状態になる。又、先軸3又は中軸1に対してキャップ7
0を他方に回転すると、摺動コマ6が後退してシャープ
ペンシル筆記体7の筆記先端部が先軸先端口から没入す
ると共に、摺動コマ6`が前進して他方のボールペン等
筆記体8の筆記先端部が先軸先端口から突出する。
【0030】又、図3及び図4は円筒カムの突起17と
中軸1`の係合状態を示す他の対応例を示している。こ
の場合には周溝60に突起17を嵌装する手段として、
中軸1`の後端から突起17を嵌装するガイド溝61の
上壁に傾斜面63を有した仕切り壁62を設けている。
仕切り壁62を設けた理由は、上記係合部に於ける中軸
1`の剛性を強化することにある。
【0031】
【作用】第1の実施例に於いて、先軸3又は中軸1に対
してキャップ4を一方に回転すると、図1に示すように
円筒カム5のカム斜面14の先端に設けた切欠15が一
方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6と係合して
その筆記先端部を先軸先端口から突出する。この時円筒
カム5の突起17は中軸1の周溝19で巾広溝52に位
置している。この状態で天冠37の後端をノックして円
筒カム5を軸推移すると、その動作が摺動コマ6、芯パ
イプ23、シャープペンシル筆記体7に伝達され、筆記
先端部の段部28が先軸3の内段部27に当接した状態
から継手29と共にチャックが軸推移して芯が繰り出さ
れる。又、先軸3又は中軸1に対してキャップ4を他方
に回転すると、シャープペンシル筆記体7が後退し、代
わりにボールペン等筆記体8の筆記先端部が先軸先端口
から突出する。尚、筆記体収納時、ボールペン等筆記体
の突出時に於いては、突起17が周溝19の巾狭溝53
に位置して、ノックして中軸1の後端にキャップ4の壁
20が当接した状態で突起17が周溝19の前壁55に
当接しないので、突起等が破壊することはない。次に、
キャップ4の前方に対して天冠37の操作部40aを左
右に回転すると、消しゴムホルダー42が前後動して後
端孔39から消しゴム47が出没する。
【0032】又、第2の実施例に於いて、先軸3又は中
軸1に対してキャップ70を一方に回転すると、図5に
示すように円筒カム5のカム斜面14の先端に設けた切
欠15が一方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6
と係合してその筆記先端部を先軸先端口から突出する。
この状態で天冠72の後端をノックして円筒カム5を軸
推移すると、チャックが軸推移して芯が繰り出される。
又、先軸3又は中軸1に対してキャップ70を他方に回
転すると、シャープペンシル筆記体7が後退して代わり
にボールペン等筆記体8の筆記先端部が先軸先端口から
突出する。次にキャップ70の前方に対して天冠の操作
部79を左右に回転すると、消しゴムホルダー81が前
後動して後端孔77から消しゴム86が出没する。
【0033】
【発明の効果】本考案は第1の実施例に示すように、円
筒カムの後方に一体的に樹脂製のキャップが設けられ、
キャップの内孔部に螺旋溝が形成されて、樹脂製の天冠
がスリットを有した内筒部と外筒状の操作部とで一体的
に設けられて、操作部がキャップの後方の軸部に回転の
み可能に止着されたことで、従来例に対し金属が樹脂に
代替えされ、部品点数が省略されて構造が単純化され、
且つ、組立てが容易となりコスト低減が達成される。
又、第2の実施例に示すように、円筒カムの後方に長い
スリット有した内筒部が一体に延設されてキャップが設
けられ、内孔部に螺旋溝が形成された樹脂製の天冠が円
筒カム後方の内筒部に被嵌された状態でキャップに嵌装
され、天冠がキャップに対し回転のみ可能に止着された
ことで従来例に対し金属が樹脂に代替えされ、部品点数
が省略されて構造が単純化され、且つ組立てが容易とな
りコスト低減が達成される。又、実施例によれば、先
軸、ガイド部を一体に備えた中軸を樹脂成形品として、
円筒カムの側面に設けた突起を中軸の後方に穿設した周
溝に弾性的に嵌入させ、又、中軸に先軸及びキャップと
接合する係合部を一体的に設けたことで、従来の複式筆
記具に対して部品点数が省略されて構造が単純化され、
且つ組立てが容易となり一層のコスト低減が達成され
る。又、後端落下等の衝撃が加わっても円筒カムと中軸
を係止する突起が周溝の前壁に当接しないので破損等の
問題が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例を示す全体の縦断面図
で、要部の一部が非断面となっている。
【図2】円筒カムの突起と中軸の周溝との係合状態を示
す説明図である。
【図3】円筒カムの突起と中軸の周溝との係合状態の他
の対応例を示す説明図である。
【図4】図3に於ける係合部の要部断面図である。
【図5】本考案の第2の実施例を示す全体の縦断面図
で、要部の一部が非断面となっている。
【符号の説明】 1 中軸 1` 中軸 2 ガイド筒 3 先軸 4 キャップ 5 円筒カム 6 摺動コマ 6` 摺動コマ 7 シャープペンシル筆記体 8 ボールペン等筆記体 9 案内溝 9` 案内溝 10 筒部 11 ノックスプリング 12 係合溝 13 係合部 14 カム斜面 15 切欠 16 仕切り部 17 突起 18 縦溝 19 周溝 20 壁 21 窓 22 突起 22` 突起 23 芯パイプ 24 フランジ部 25 尾栓 26 係止部 27 内段部 28 段部 29 継手 30 リターンスプリング 30` リターンスプリング 31 段部 32 孔 32` 孔 33 螺旋溝 34 軸部 35 係合部 36 ボス部 37 天冠 38 係合部 39 後端孔 40a 操作部 40b 内筒部 41 スリット 42 消しゴムホルダー 43 筒部 44 突起 45 弾性片 46 係止突起 47 消しゴム 50 傾斜面 51 巾狭部 52 巾広部 53 巾狭溝 54a 後壁 54b 傾斜面 54c 後壁 55 前壁 60 周溝 61 ガイド溝 62 仕切り壁 63 傾斜面 70 キャップ 70a 内筒部 71 係合部 72 天冠 73 筒部 74 螺旋溝 75 スリット 76 段部 77 後端孔 78 軸部 79 操作部 80 係合部 81 消しゴムホルダー 82 筒部 83 突起 84 弾性片 85 係止突起 86 消しゴム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製の先軸と樹脂製の中軸の先方を互
    いに回転不能且つ抜け止め状態に嵌着して両者を固定
    し、中軸に一体化したガイド筒とガイド筒の複数の案内
    溝に、夫々筆記体をガイド筒と摺動コマとの間にリター
    ンスプリングを附勢して前後動に連動するように嵌装
    し、中軸に対してキャップを回転可能に抜け止めして、
    キャップの内径部に一体化したカム部の前端縁と摺動コ
    マの後端縁のいずれかに軸方向に変位する円周状のカム
    斜面を設け、カム部の前端縁と摺動コマの後端縁を当接
    させることにより先軸又は中軸に対するキャップの回転
    によって交互に前後動させて、各筆記体の先端を先軸の
    先端口から選択的に出没可能とした複式筆記具に於い
    て、上記樹脂製のキャップの内孔部で、カム部の後方に
    螺旋溝が形成されて、樹脂製の天冠が長いスリットを有
    した内筒部と操作部とで一体的に設けられ、天冠の内筒
    部がキャップの内孔に嵌装され、操作部がキャップ後方
    に回転のみ可能に止着されるか、上記樹脂製のキャップ
    の内孔部で、カム部の後方に長いスリットを有した内筒
    部が一体に延設され、樹脂製の天冠が内孔に螺旋溝を有
    した筒部と操作部とで一体的に設けられて、筒部に内筒
    部が嵌挿した状態で操作部がキャップ後方に回転のみ可
    能に止着されて、上記内筒部内に、消しゴムを挟着する
    弾性部と突起を有した消しゴムホルダーが突起をスリッ
    トと螺旋溝に嵌入した状態で装着されて、先軸又は中軸
    に対しキャップを回転することで筆記体の先端が出没
    し、キャップに対し天冠の操作部を回転することで消し
    ゴムが出没可能となるように構成したことを特徴とする
    複式筆記具。
  2. 【請求項2】 少なくとも一本をシャープペンシル筆記
    体として、キャップが中軸及びガイド筒に対し軸推移し
    て芯の繰り出しが可能と成されたことを特徴とする上記
    請求項1記載の複式筆記具。
JP6035213A 1994-02-09 1994-02-09 複式筆記具 Pending JPH07214986A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5899618A (en) * 1995-08-28 1999-05-04 Mitsubishi Pencil Kabushiki Kaisha Multiplex writing implement

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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