JPH07214683A - 塗膜補修方法及び被塗物支持装置 - Google Patents

塗膜補修方法及び被塗物支持装置

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JPH07214683A
JPH07214683A JP743894A JP743894A JPH07214683A JP H07214683 A JPH07214683 A JP H07214683A JP 743894 A JP743894 A JP 743894A JP 743894 A JP743894 A JP 743894A JP H07214683 A JPH07214683 A JP H07214683A
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誠 相澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車体の補修部周囲の塗膜部に対して、違和感
を生じさせない補修を可能とする。 【構成】 車体1に反射ベース層4の塗装及び塗膜混入
材たるガラスビーズ6の塗着を行う際、車体近傍に耐熱
ガラス板10,11を垂直面に対する角度を変えて複数
設けて、該ガラス板へも同様に上記塗装及び塗着を行っ
て補修用塗膜として予め用意しておき、補修時、塗膜補
修部を上記ガラスビーズ6の層を含んで研磨除去し、該
除去した部分に、該補修部の上記角度に近似するガラス
板10,11からの補修用塗膜21を剥離して貼付し、
その上にクリヤー塗料23を塗装し研磨仕上げする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗膜補修方法及びその
実施に用いる被塗物支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗膜表面からの出射光が塗膜表面
への入射方向に戻る、いわゆる再帰反射性を有する塗膜
構造が知られている(特願昭63−22917号)。こ
れは、被塗物の面に粘着性を有するバインダを塗布した
後、このバインダ層の表面に微細な無数のガラスビーズ
を接着させ、さらにこのガラスビーズの層を透明被覆層
で覆ったものであり、ガラスビーズにおける光の再帰反
射作用により塗装そのものが光輝くことから、輝度が高
く色調の優れた宝石様の塗装効果が得られるという特色
を有する。
【0003】ところで、上記のような塗膜構造の下で
は、バインダの塗布や再帰反射材であるガラスビーズの
敷き詰め等が均一かつ一重に行なわれることが、塗装品
質を維持する上で重要となる。即ち、ガラスビーズの脱
落やガラスビーズの埋め込み不足といった欠陥部の発生
をなくす必要がある。このため、例えば特開平2−20
0432号公報においては、ビーズコートシートに関
し、図12(a),(b),(c)に示すように、ビー
ズ6の脱落が生じた欠陥部より大きな表面積を有する作
業用シート31の表面に仮止め用粘着層を形成し、これ
に多数の補修用ビーズ32を散布し付着させた補修用シ
ート33を準備し、この補修用シート33を補修部に押
し当てて、該補修用シート33に予め散布付着させたビ
ーズ32を転写させる補修方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、自動車の車体
のような立体的で大きな被塗物の場合、補修する箇所が
平面的であるとは限らず、また被塗装面の角度によって
重力による塗料の垂れの程度に差がでるので、車体の各
部によって塗装効率が異なり、色の濃度や彩度が微妙に
異なっている。従って、塗装面が水平面であったか、鉛
直面であったかによって、塗装状態に差がある。
【0005】また、自動車は、商品として販売された後
においても、事故等により車体が傷つけられることがあ
り、生産工場を離れた場所でも上記塗膜構造における欠
陥部の補修が容易にできる技術の提供が望まれる。
【0006】これに対し、従来の補修用シートでは、補
修する箇所が車体の各部のいずれであっても、同じ条件
で作成した補修用シートのビーズを転写させることとな
るため、補修箇所によっては、その周囲との間に違和感
を生じさせてしまい、精度良く一様な塗装品質を得るこ
とができない。
【0007】一方、従来の一般的な塗膜補修方法を適用
することも考えられる。即ち、塗装面に傷などの欠陥が
生じたとき、欠陥部及びその周辺を研磨し、塗装工場で
車両に塗布した同種の塗料か、補修専用塗料を塗布す
る。その後、ヒータ、赤外線ランプなどで加熱硬化さ
せ、塗布面とその周辺をポリッシュして補修を行う。
【0008】しかし、従来の補修方法でこのようにガラ
スビーズ塗装の補修を行うと、図11に示すように、正
常部aと補修部bでガラスビーズ6が二層になったり、
研磨部cの傾斜に沿ってガラスビーズ6が付着するなど
塗膜構造自体が補修によって変化し、これによって補修
部bや研磨部cではその光学的特性(再帰反射する方
向)が正常部aと異なることとなって、リング状の色ム
ラとなって見える。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、立体的な被塗物においても補修部とその周囲の塗膜
部との間において光学的特性の変化に基づく違和感を生
じさせることなく、容易に塗膜を補修することができる
塗膜補修方法及び被塗物支持装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の塗膜補修方法は、被塗物にベース層の塗装
及び塗膜混入材の塗着を行う際、該被塗物近傍に塗布用
部材を配設し、該塗布用部材へも上記ベース層の塗装及
び上記塗膜混入材の塗着を行い、被塗物の塗装補修時塗
膜補修部を、上記塗膜混入材を含んで上記ベース層まで
研磨除去し、該除去した部分に、上記塗布用部材で予め
作成したベース層及び塗膜混入材の層を含んで成る補修
用塗膜を貼付することを特徴とする(請求項1)。
【0011】上記請求項1記載の塗膜補修方法において
は、前記塗布用部材上での前記補修用塗膜の作成は、前
記塗膜混入材上に塗着されるクリア層を含むことがよい
(請求項2)。
【0012】また、前記補修用塗膜の貼付後、貼付部分
及びその周辺部分を含めてクリア塗料を塗装し、該塗装
部分を研磨仕上げするのがよい(請求項3)。
【0013】また上記請求項1記載の塗膜補修方法にお
いて、前記被塗物への前記塗膜混入材の塗着は該被塗物
の非回転状態で行うようにし、前記塗布用部材を複数の
異なる角度で配置し、上記被塗物の塗装補修時前記塗膜
補修部を、その角度に対応する角度で塗着を行った上記
塗布用部材からの前記補修用塗膜で補修を行うことを特
徴とする(請求項4)。
【0014】また、前記塗布用部材が湾曲面を備えるよ
うにしても良い(請求項5)。
【0015】また請求項1記載の塗膜補修方法の実施に
用いる被塗物支持装置においては、ベース層の塗装及び
塗膜混入材の塗着が行われる被塗物を支持する被途物支
持部材と、上記被塗物近傍に配設され、該被塗物の塗装
補修時に用いられる補修用塗膜を作成するために、上記
ベース層の塗装及び上記塗膜混入材の塗着が行われる塗
布用部材と、上記被塗物支持部材に着脱自在に取り付け
られ、上記塗布用部材を複数の異なる角度で支持する固
定治具とを備えたことを特徴とする(請求項6)。
【0016】
【作用】請求項1の塗膜補修方法においては、被塗物に
ベース層の塗装及び塗膜混入材の塗着を行う際、被塗物
近傍に配設した塗布用部材にも被塗物と一緒に同様な塗
装及び塗着が行われ、これにより被塗物と同じ条件での
塗装及び塗着の層を含む補修用塗膜が塗布用部材上に予
め作成される。
【0017】そして、被塗物の塗装補修時にあっては、
塗膜補修部を、塗膜混入材を含んでベース層まで研磨除
去し、この除去した部分に、塗布用部材上に予め作成し
た上記補修用塗膜を貼付すると、被塗物の塗膜補修部
は、塗装時と同じ条件の塗膜によって補修され、その周
囲の正常部分と同様な再帰反射性能を確保できるように
復元される。よって、補修部分とその周囲との間にリン
グ状暗部を生じない高品質の塗装補修を容易に行うこと
ができる。
【0018】尚、塗布用部材としては、耐熱ガラスが好
ましいが、耐熱性を有し、塗膜に対して熱膨張率差があ
り、かつ化学的・機械的に塗膜が固着しにくいという条
件を備えた他の材料も用いることができる。
【0019】請求項2の塗膜補修方法においては、塗布
用部材上での補修用塗膜の作成を、塗膜混入材上のクリ
ア層まで塗装して行うため、塗膜混入材の層がベース層
から脱落することを防止することができる。
【0020】請求項3の塗膜補修方法においては、補修
用塗膜の貼付後、その貼付部分及びその周辺部分を含め
てクリア塗料を塗装し、該塗装部分を研磨仕上げするの
で、より外観性の優れた補修を行うことができる。
【0021】請求項4の塗膜補修方法においては、被塗
物への塗膜混入材の塗着を被塗物の非回転状態で実施す
ることを前提として、塗布用部材を複数の異なる角度で
配置しておき、被塗物の塗装補修時、塗膜補修部を、そ
の角度に対応する角度で塗着を行った塗布用部材からの
補修用塗膜で補修を行うため、被塗物の塗膜補修部と作
成された補修用塗膜両者の、塗装角度位置の相違に基づ
く塗着効果の違いによる補修部分の色目の違和感をなく
すことができる。
【0022】請求項5の塗膜補修方法においては、塗布
用部材に湾曲面を備えるようにして、被塗物の塗装補修
時、塗膜補修部を、その湾曲面に対応する湾曲面で塗着
を行った塗布用部材からの補修用塗膜で補修を行うた
め、被塗物の塗膜補修部と作成された補修用塗膜両者
の、湾曲面形状の相違に基づく塗着効果の違いによる補
修部分の色目の違和感をなくすことができる。
【0023】請求項6の被塗物支持装置においては、被
塗物を支持する被途物支持部材に対し、被塗物近傍に配
設され、被塗物の塗装補修時に用いられる補修用塗膜を
作成するために、被塗物と一緒に同様なベース層の塗装
及び塗膜混入材の塗着が行われる塗布用部材と、被塗物
支持部材に着脱自在に取り付けられ、塗布用部材を複数
の異なる角度で支持する固定治具とを備えたので、被塗
物の塗膜補修部に対して、塗装角度位置の相違に基づく
塗着効果の違いによる補修部分の色目の違和感を生ずる
ことのない補修用塗膜を作成することができると共に、
例えば被塗物に対しベース層の塗装及び塗膜混入材の塗
着を行い、その後クリア塗料を1回だけ塗布した時点
で、塗布用部材を固定治具と一緒に取外し、それ以後被
塗物のみに所要の厚みまでクリア塗料の塗布を繰り返す
といった工程を実施することも容易にできる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。図6は本発明の前提となるガラスビーズ塗装の塗
膜構造の一例を示したものであり、被塗物たる車体1の
表面(被塗装面)に、順に、下塗層2,中塗層3,反射
ベース層4,バインダ層5が形成されている。さらに、
このバインダ層5には、例えば粒径50μmのガラスビ
ーズ6の単層が付着形成され、このガラスビーズ6の単
層を覆うように透明クリア層7が形成されている。要す
るに、この塗膜構造では、塗膜混入材として再帰反射用
部材のガラスビーズ6をバインダ層5によって反射ベー
ス層4に接着させている。
【0025】次に、上記塗膜構造の各層の形成方法の具
体例について説明する。
【0026】(1)下塗層2の形成 エポキシ樹脂系塗料(例えば日本ペイント社製の商品
名「OTO U−2602」)を膜厚20μmで塗布す
る。 温度160℃で30分間焼き付ける。
【0027】(2)中塗層3の形成 ポリエステルメラニン塗料(例えば日本ペイント社製
の商品名「OTO 825」)を膜厚40μmで塗布す
る。 温度140℃で30分間焼き付ける。
【0028】(3)反射ベース層4の塗装 アクリルメラニン塗料(例えば日本ペイント社製の商
品名「OTO 520」)を膜厚15μmで塗布する。 温度140℃で30分間焼き付ける。 上記塗装の代りに、車体1全体を100〜150℃に
加熱して、ノズル等により高反射性の金属粉、例えばア
ルミフレーク等の光輝材をバインダ層5形成用の接着材
と共に噴霧状に車体1に吹き付け、これにより反射ベー
ス層4を形成することもできる。この場合、吹き付け後
の表面を研磨して平滑面とすると、光の反射率が向上
し、光の再帰性を向上させることができる。
【0029】(4)塗膜混入材たるガラスビーズ6の単
層の塗着 バインダ塗料を膜厚2μm〜3μmで塗布する。 室温状態(15℃〜30℃)で粒径50μmのガラス
ビーズ6を、自然落下によってバインダ塗料上に散布す
る。この自然落下による散布の代りに、非回転状態に置
いた車体1に対して、ガラスビーズ6を静電付着させて
もよい。 バインダ塗料上の過剰ビーズ6を高速エアーによって
吹き飛ばす。上記した静電付着による場合には、車体1
に振動を付加しながら静電付着を実行することにより、
ビーズ6上にラップした重合ビーズ6を振るい落とすこ
とができる。 バインダ塗料の種類に応じた温度と時間とで焼き付け
る。かくして塗膜混入材たるガラスビーズ6の単層が被
塗物たる車体1に塗着される。
【0030】(5)クリア層7の形成 アクリルメラニン塗料(例えば日本ペイント社製の商
品名「OTO 563」)を膜厚40μmで塗布する。 温度140℃で30分間焼き付ける。 上記アクリルメラニン塗料を再度、膜厚40μmで塗
布し、温度140℃で30分間焼き付ける。 ビーズ6の径に応じて上記塗布及び焼き付けを繰り返
す(図7参照)。
【0031】図1及び図2を参照しながら、上記塗膜構
造を前提とした塗膜補修方法について説明する。
【0032】(1)図1に示すように、自動車の塗装工
場において、被塗物支持部材である車輪9a付の台車9
に載せて中塗層3まで塗装を完了した被塗物たる車体1
に対して、つまり反射ベース層4の塗装及び塗膜混入材
たるガラスビーズ6の塗着を行うに先立ち、車体1近傍
に、塗布用部材として耐熱ガラス板10,11を配置す
る。
【0033】図1では、中塗層3まで塗装を完了した車
体1近傍の水平面と垂直面に、それぞれ耐熱ガラス板1
0,11を、図3及び図4に示す塗布用部材支持装置1
2,13により設置している。
【0034】図3は水平用の耐熱ガラス板10の塗布用
部材支持装置12を示したものであり、台車9の前端面
に取り付けられた取付部材14と、この取付部材14に
設けた孔14aに対して図5の如く差込み部15aを差
し込んで着脱自在とした固定治具15とから成る。耐熱
ガラス板10は、その各辺が固定治具15に対してマス
キングテープ17で止められて、固定される。そしてこ
の水平用の耐熱ガラス板10は車体1前端部に露出され
て配置される。
【0035】図4は垂直用の耐熱ガラス板11の塗布用
部材支持装置13を示したものであり、上記の場合と同
じく台車9に取り付けられた取付部材14と、この取付
部材14に設けた孔14aに対して差込み部15aを差
し込んで着脱自在とした固定治具15とから構成されて
いる。殊に、垂直用の取付部材14は、車体1をそのタ
イヤハウス部分で台車9上に支持する支柱16に対して
取り付けられており、これにより垂直用の耐熱ガラス板
11は、車体1のタイヤハウスに対応する位置で台車9
の側面に取り付けられて、車体1外方に露出される。こ
の垂直用の耐熱ガラス板11も、その各辺が固定治具1
5に対してマスキングテープ17で止められて、固定さ
れる。
【0036】(2)上記車体1に対して、反射ベース層
4の塗装及び塗膜混入材たるガラスビーズ6の塗着を行
う。その際、車体1近傍に配置した耐熱ガラス板10,
11に対しても、反射ベース層4の塗装及びガラスビー
ズ6の塗着を行う。そして、耐熱ガラス板10,11
は、これに反射ベース層4,バインダー層5,ガラスビ
ーズ層6,第一クリヤ層7を塗布し、焼付け乾燥が終了
したときに、固定治具15と共に車体1の取付部材14
から取り外し、修理工場やディラー等に配布して補修の
ためにストックしておく。この場合、塗布用部材上での
補修用塗膜21(図1)の作成は、ガラスビーズ6の上
のクリア層7まで塗装を完了しているので、ガラスビー
ズ層6を傷める心配はない。
【0037】(3)車体1については、そのままクリヤ
層7の塗布、焼付け乾燥を繰返し、所要の厚みを得る。
図7に、ガラスビーズ塗装を仕上げるのに必要なクリア
層7の塗り重ね回数とビーズ6の粒径との関係を示す。
【0038】(4)次に、車体1の補修時の工程を説明
する。図2(a)に示すように損傷を受けた車体1の補
修部19に対しては、その補修部19を研磨機18によ
り研磨し、予め設定しておいた面積で、中塗層3の表面
まで研磨除去する(図2(b))。符号20は、この作
業でガラスビーズ6を含んで研磨除去された空間部を示
す。
【0039】(5)予め耐熱ガラス板10,11を用い
て作成した、補修用塗膜であるガラスビーズ塗装塗膜2
1を、これら耐熱ガラス板10,11から剥離させ(図
1参照)、補修部19を研磨した研磨除去空間20の面
積と同等の大きさの塗膜片21aにカットする。そし
て、図2(c)に示すように、研磨除去空間20の底部
にバインダ22を塗布した後、上記塗膜片21aを研磨
除去空間20内に挿入して貼付する。その後、透明クリ
ア塗料23を塗布して塗装膜厚を調整することになる。
ここで耐熱ガラス板10,11に塗装したガラスビーズ
塗装塗膜21のいずれを用いるかは、車体1の補修部1
9が水平面又は垂直面のいずれに属するかにより決定さ
れる。つまり、当該補修部19の角度に対応する方の耐
熱ガラス板10,11からの補修用塗膜21で補修を行
う。上記ガラスビーズ塗装塗膜21の耐熱ガラス板1
0,11からの剥離は、ガラス板と塗膜との間に熱膨張
差があるため、耐熱ガラス板10,11に熱を加えるこ
とにより、容易に剥がすことができる。なお、上記ベー
ス層4,ガラスビーズ6の単層及び第一クリヤ層7を一
体とするガラスビーズ塗装塗膜21は、上記ステップ
(2)の段階で耐熱ガラス板10,11から剥離し、こ
れをそれぞれ水平部及び垂直部の補修用塗膜として予め
用意しておくこともできる。
【0040】(6)次いで正常部分はマスキングを行
い、補修部のみスポット的に、つまり補修用塗膜片21
aの貼付部分及びその周辺部分を含めてクリア塗料23
を塗布し、このクリア塗料23の塗布と焼付け乾燥とを
繰返し、図2(d)に示すように、正常部分より厚膜に
なるまで行う。
【0041】(7)研磨機18を用いて正常部分と補修
部をポリッシュをし、図2(e)に示すように表面が平
滑になるようにクリア塗料23を研磨仕上げする。上記
補修方法は、複数の耐熱ガラス板10,11を、角度を
変えて設けておき、補修時、補修部の角度に対応するガ
ラス板10,11から切り出した補修用塗膜21で補修
を行うものである。即ち、車体1に生じた補修部19が
水平面に属する場合には、水平用のガラス板10に塗装
したガラスビーズ塗装塗膜21が用いられ、また、車体
1に生じた補修部19が垂直面に属する場合には、垂直
用のガラス板11に塗装したガラスビーズ塗装塗膜21
が用いられる。このため、このガラスビーズ塗装塗膜2
1を用いた補修は、結果的に垂れ等に起因する塗膜膜厚
の程度が車体製造時のものとほぼ同じになり、補修後に
おいて補修部とその周辺の正常部分とで同様な塗装状態
を確保でき、再帰反射に関する光学特性の相違がなくな
って塗装の違和感(影など)が生じなくなる。
【0042】上記実施例では、平坦なガラス板10,1
1を用いたが、平面ガラスに限らず、車体1の外観に合
わせて任意の曲率で湾曲した曲面のものを使用すること
ができる。例えば、上記ガラス板10,11の代りに、
図8(a),(b)に示すように湾曲したガラス板10
a,11aを用いることができる。
【0043】また、上記実施例では、ガラスビーズ塗装
塗膜21として水平面用と垂直面用の2種類を用いる場
合について説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。即ち、塗布用部材たる耐熱ガラスを水平,垂
直に限らず様々に角度に変えて複数設けておき、補修
時、該補修部の角度に対応する塗布用部材からの補修用
塗膜で補修を行うことができる。
【0044】上記実施例では、図6の塗膜構造を前提と
したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9の
如く、反射ベース層4の表面に一定厚さの平坦な着色ク
リア層8を形成した構成のものに対しても適用すること
ができる。このように着色クリア層8をビーズ6の車体
1側表面よりも内側位置に形成すると、塗膜への入射光
は同図にeで示すように、着色クリア層8を通る着色光
としての反射光と、同図にfで示すように、ビーズ6で
直接反射する光とに分れる。この場合、着色クリア層8
は一定厚さで平滑表面を有するものとしたので、対ビー
ズ接触部分と非接触部分とで厚さの変化がない。従っ
て、図にeで示した光は、着色クリア層8内の通過長に
殆ど差を生じることがなく、陰影の発生を防止しつつ均
一な着色反射光が得られる。また、図にfで示した光
は、ビーズ6で直接反射されるので、非着色光となる。
この光は、再帰反射強度が強く、かつ着色クリア層8の
色に左右されず、反射ベース層4の影響を強く受けたも
のとなり、光輝性の向上が図られる。
【0045】また、図10の如く、一定厚さの平滑な着
色クリア層8をビーズ6よりも外側位置に形成したもの
に対しても適用することができる。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような優れた効果が得られる。
【0047】1)請求項1の塗膜補修方法によれば、被
塗物近傍に配設した塗布用部材に被塗物と同一条件での
塗装及び塗着が行われ、補修用塗膜を用意することがで
きる。従って、被塗物の塗装補修時、研磨除去した塗膜
補修部に、この補修用塗膜を貼付すると、塗膜補修部
は、本来存在していた塗膜と同じ条件での補修用塗膜に
よって補修されることになり、再帰反射に関してその周
囲の正常部分の光学特性と同じ状態に復元することがで
きる。よって、塗膜補修部とその周囲とで違和感を生じ
させない高品質の塗装補修を容易に行うことができる。
【0048】2)請求項2の塗膜補修方法によれば、塗
布用部材上での補修用塗膜の作成を、塗膜混入材上のク
リア層まで塗装して行うため、塗膜混入材の層がベース
層から脱落することを防止することができる。
【0049】3)請求項3の塗膜補修方法によれば、補
修用塗膜の貼付後、その貼付部分及びその周辺部分を含
めてクリア塗料を塗装し、該塗装部分を研磨仕上げする
ので、より外観性の優れた補修を行うことができる。
【0050】4)請求項4の塗膜補修方法によれば、被
塗物への塗膜混入材の塗着を被塗物の非回転状態で実施
することを前提として、塗布用部材を複数の異なる角度
で配置しておき、被塗物の塗装補修時、塗膜補修部を、
その角度に対応する角度で塗着を行った塗布用部材から
の補修用塗膜で補修を行うため、被塗物の塗膜補修部と
作成された補修用塗膜両者の、塗装角度位置の相違に基
づく塗着効果の違いによる補修部分の色目の違和感をな
くすことができる。
【0051】5)請求項5の塗膜補修方法によれば、塗
布用部材に湾曲面を備えるようにして、被塗物の塗装補
修時、塗膜補修部を、その湾曲面に対応する湾曲面で塗
着を行った塗布用部材からの補修用塗膜で補修を行うた
め、被塗物の塗膜補修部と作成された補修用塗膜両者
の、湾曲面形状の相違に基づく塗着効果の違いによる補
修部分の色目の違和感をなくすことができる。
【0052】6)請求項6の被塗物支持装置によれば、
被塗物を支持する被途物支持部材に対し、被塗物近傍に
配設され、被塗物の塗装補修時に用いられる補修用塗膜
を作成するために、被塗物と一緒に同様なベース層の塗
装及び塗膜混入材の塗着が行われる塗布用部材と、被塗
物支持部材に着脱自在に取り付けられ、塗布用部材を複
数の異なる角度で支持する固定治具とを備えたので、被
塗物の塗膜補修部に対して、塗装角度位置の相違に基づ
く塗着効果の違いによる補修部分の色目の違和感を生ず
ることのない補修用塗膜を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における補修方法の一工程を示
す図である。
【図2】本発明の実施例における補修方法の他の工程を
示す図である。
【図3】図1の工程に用いる塗布用部材支持装置の構成
を示す側面図である。
【図4】同じく塗布用部材支持装置の構成を示す正面図
である。
【図5】図3の塗布用部材支持装置における固定治具の
着脱構造を示す図である。
【図6】本発明の実施例で前提とした塗膜構造を示した
断面図である。
【図7】ガラスビーズの粒径とクリア層の塗り重ね回数
との関係を示す図である。
【図8】塗布用部材たる耐熱ガラス板の他の具体例を示
す図である。
【図9】本発明に適用可能な他の塗膜構造の断面図であ
る。
【図10】本発明に適用可能な更に他の塗膜構造の断面
図である。
【図11】従来の補修方法による補修結果例を示した断
面図である。
【図12】従来の補修方法を示した図である。
【符号の説明】
1 車体 2 下塗層 3 中塗層 4 反射ベー
ス層 5 バインダ層 6 ガラスビ
ーズ 7 透明クリア層 8 着色クリア
層 9 台車 9a 車輪 10,11 耐熱ガラス板 12,13 塗布
用部材支持装置 14 取付部材 14a 孔 15 固定治具 15a 差込み部 16 支柱 17 マスキング
テープ 18 研磨機 19 補修部 20 研磨除去空間 21 ガラスビー
ズ塗装塗膜 21a 塗膜片 22 バインダ 23 透明クリア塗料

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗物にベース層の塗装及び塗膜混入材
    の塗着を行う際、該被塗物近傍に塗布用部材を配設し、
    該塗布用部材へも上記ベース層の塗装及び上記塗膜混入
    材の塗着を行い、被塗物の塗装補修時塗膜補修部を、上
    記塗膜混入材を含んで上記ベース層まで研磨除去し、該
    除去した部分に、上記塗布用部材で予め作成したベース
    層及び塗膜混入材の層を含んで成る補修用塗膜を貼付す
    ることを特徴とする塗膜補修方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の塗膜補修方法において、
    前記塗布用部材上での前記補修用塗膜の作成は、前記塗
    膜混入材上に塗着されるクリア層を含むことを特徴とす
    る塗膜補修方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の塗膜補修方法において、
    前記補修用塗膜の貼付後、貼付部分及びその周辺部分を
    含めてクリア塗料を塗装し、該塗装部分を研磨仕上げす
    ることを特徴とする塗膜補修方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の塗膜補修方法において、
    前記被塗物への前記塗膜混入材の塗着は該被塗物の非回
    転状態で行うようにし、前記塗布用部材を複数の異なる
    角度で配置し、上記被塗物の塗装補修時前記塗膜補修部
    を、その角度に対応する角度で塗着を行った上記塗布用
    部材からの前記補修用塗膜で補修を行うことを特徴とす
    る塗膜補修方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の塗膜補修方法において、
    前記塗布用部材が湾曲面を備えることを特徴とする塗膜
    補修方法。
  6. 【請求項6】 ベース層の塗装及び塗膜混入材の塗着が
    行われる被塗物を支持する被途物支持部材と、上記被塗
    物近傍に配設され、該被塗物の塗装補修時に用いられる
    補修用塗膜を作成するために、上記ベース層の塗装及び
    上記塗膜混入材の塗着が行われる塗布用部材と、上記被
    塗物支持部材に着脱自在に取り付けられ、上記塗布用部
    材を複数の異なる角度で支持する固定治具とを備えたこ
    とを特徴とする被塗物支持装置。
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CN106040565A (zh) * 2015-04-15 2016-10-26 关西涂料株式会社 基底形成用涂料的选定方法和修补涂装方法

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