JPH07214317A - 溶接作業シミュレータ装置 - Google Patents
溶接作業シミュレータ装置Info
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Abstract
るようにすること。 【構成】アーク溶接に使用するワイヤの種類と径、溶接
速度、チップ‐被溶接母材間距離、ワイヤ送給速度及び
印加するアーク電圧値等の施工条件を与える設定器3
と、該施工条件を用い理論的に定まる上記施工条件の各
要素と溶接電流i、チップからのワイヤ突出量le 、及
びワイヤ先端側に発生するアークのアーク長la の関係
を示す式によるi,le 及びla を求める第1演算機
能、及び溶接速度とワイヤ送給量に対する溶接速度の関
係が楕円の半分の面積に等しいことを利用した関係式よ
り半楕円形近似のビード形状を求める第2演算機能、こ
れら演算結果に基づき被溶接母材に対するワイヤ突出し
状態、及びワイヤ先端側に発生するアークの状態を示す
状態図及び被溶接母材上のビード形状の図を作成する機
能とを有する演算装置1と、該作成された図を表示する
表示装置2とを備える。
Description
援するための溶接作業シミュレータ装置に関するもので
ある。
より溶接を行う場合、手作業により溶接を行うケース
と、自動溶接機により自動的に溶接を行わせるケースと
がある。ここで自動溶接機により溶接を行わせるケース
では、溶接ワイヤを保持した溶接チップを、シールドガ
スの吹き付けノズルであるシールドノズルとともに移動
台車に取り付け、この移動台車の移動制御によってアー
ク溶接して行く。
プをシールドノズル内に配置し、溶接ワイヤの先端と被
溶接材の突き合わせ部分との距離を溶接ワイヤの自動調
整装置であるワイヤ供給装置により自動送出して調整
し、溶接ワイヤと被溶接材との間に電圧を印加すること
によって当該溶接ワイヤと被溶接材との間でアーク放電
させて、溶接ワイヤを溶かしながら、移動台車の移動制
御によって溶接線を移動させ、溶接して行く。
っては、高品質で信頼性の高い溶接を行うために、被溶
接材の材種やその被溶接材の開先形状、その被溶接材の
板厚、および溶接姿勢に応じて定まる種々の条件を最適
に設定し、その条件下で施工しなければならない。
材の材種やその被溶接材の開先形状、その被溶接材の板
厚、および溶接姿勢に応じてワイヤの種類、ワイヤ径、
シールドガス種、アーク電流値、アーク電圧値、溶接速
度など、使用する適正な条件が決まる。これらの条件の
中で、特にアーク電流値、アーク電圧値、溶接速度を狭
義で溶接条件と云う。
この狭義の溶接条件が与えられ、この溶接条件で溶接施
工を行った時に、実際のアーク状態および溶接ビード形
状がどうなるかは推定することができない。そのため、
この狭義の溶接条件を与えてアーク溶接を施工した段階
で、はじめて実際のアーク状態および溶接ビード形状が
わかる。
熟練技能者でないと、設定した条件が適正であるのか、
否かを判断することができない。しかも、熟練技能者で
あっても、設定する値を無意識に誤ってしまうこともあ
り、そのような場合では、その設定条件で実際に溶接が
施工されてはじめて、設定にミスがあったことを知るこ
とになり、品質管理上、問題であるばかりか、製品の加
工不良に繋がり、また、作業時間の無駄ともなって、生
産性の上で大きな支障を来す。
機で溶接を行う場合、溶接条件を予め最適値に設定する
必要がある。そして、被溶接材種、開先形状、板厚、お
よび溶接姿勢ごとにワイヤの種類、ワイヤ径、シールド
ガス種(ガスの種類)、アーク電流値、アーク電圧値、
溶接速度等の溶接条件の設定を行う必要があるが、その
設定の便宜を図るため、従来装置ではこれらはテーブル
形式で与えられている。
値、溶接速度を狭義で溶接条件と云う。ところで、この
狭義の溶接条件が与えられ、この条件で溶接施工を行っ
た時に、アーク状態および溶接ビード形状がどうなるか
は、その設定した数値を見ても推定することができな
い。
れた場合や、設定した溶接条件が不適正の場合、溶接を
施工した段階で初めて不適正であったことが判ることに
なり、事前に察知することはできない。これでは品質管
理上、問題であるばかりか、製品の加工不良に繋がり、
また、作業時間の無駄ともなって、生産性の上で大きな
支障を来す。
接を施工する前に、施工する溶接条件で溶接状態を自動
的にシミュレートすることができ、この条件が適正か否
かを事前に判断することができるようにした溶接条件シ
ミュレータ装置を提供することにある。
ところは、設定した溶接条件とアーク電流及びアーク
長、さらにそれらの条件が適正か否か、不適正の場合に
はその理由を示して非熟練者のトレーニングにも有効な
溶接条件シミュレータ装置を提供することにある。
め、本発明は次のように構成する。すなわち、第1の目
的を達成するためには、アーク溶接に使用するワイヤの
種類と径、溶接速度、ワイヤを支えるチップと被溶接母
材間の距離、チップを介して送り出す前記ワイヤの送給
速度、および印加するアーク電圧値等のアーク溶接の施
工条件を与える溶接条件設定手段と、この溶接条件設定
手段より与えられる施工条件を用い、理論的に定まる上
記施工条件の各要素と溶接電流、チップからのワイヤ突
き出し量、およびワイヤ先端側に発生するアークのアー
ク長の関係を示す式による溶接電流、ワイヤ突き出し
量、およびアーク長を求める第1の演算機能、および溶
接速度とワイヤ送給量に対する溶接速度の関係が楕円の
半分の面積に等しいことを利用した関係式により楕円の
半分の面積に近似させたビード形状を求める第2の演算
機能、および、これら演算結果に基づき、被溶接母材の
溶接位置に対するワイヤ突き出し状態、およびワイヤ先
端側に発生するアークの状態を示す状態図および当該施
工条件でのアーク溶接施工により得られる被溶接母材上
のビード形状の状態を示す図とを作成する機能とを有す
る演算手段と、この演算手段により得られた図を表示す
る表示手段とを備えて構成する。
とも溶接電流並びに発生するアークの電圧並びにアーク
長の文字情報を作成する機能を演算手段に持たせると共
に、表示手段にはこの演算手段により得られた図および
上記文字情報とを表示する機能を持たせる。
演算手段には前記溶接条件設定手段により設定された溶
接条件の適正範囲を調べるための比較基準を用い、当該
設定された溶接条件が適正か否かを調べると共に、その
結果に応じたコメントを作成する溶接条件適否調査機能
を付加して構成すると共に、表示手段にはこの演算手段
により得られた図およびコメントを表示させる構成とす
る。
常の溶接作業をシミュレートするために、設定手段より
シミュレートに必要な溶接速度(台車移動速度)ws、
チップ‐母材間距離l、ワイヤ送給速度Vw 、アーク電
圧VA 、ワイヤの種類、ワイヤ径などの施工条件情報を
演算手段に与える。
ワイヤを用いた場合のアーク溶接の状態を、チップ‐母
材間距離,ワイヤ送給速度およびアーク電圧の設定値を
用いて、予め定めてあるこれらのパラメータ間の関係式
で演算を行い、溶接電流、ワイヤ突き出し量le および
アーク長la を求め、この状態でのアーク溶接の状況を
示した状態図を作図し、表示する。さらに、溶接速度の
設定値と、ワイヤ送給速度およびアーク電圧の設定値を
勘案してビード形状を模擬し、形状を画像化して表示す
る。
と、演算手段は新たな条件での演算を行い、図を作成し
直して表示する。このように、施工条件を変えると、そ
の都度、表示図を更新する。
た少なくとも溶接電流並びに発生するアークの電圧並び
にアーク長の文字情報を作成し、表示手段は演算手段に
より得られた図および文字情報とを表示する。
よりアーク溶接の施工条件を与えると、予め設定してい
たこれらのパラメータ間にある関係式に基づいたシミュ
レーション演算を行い、発生アーク近傍の状態図(チッ
プ,ノズル,ワイヤ,アーク,母材)およびビード形状
図を表示すると共に、上記設定手段での設定溶接条件お
よび演算により求められたアーク電流、アーク長の演算
値を表示するようにしたものであるから、施工しようと
する溶接条件(溶接電流(アーク電流)、アーク電圧、
溶接速度)が適正か否かが施工状態を示す画像の形で表
示されることにより、これを見て直感的に判定できるた
め、溶接施工によるトラブルを防止できるようになる。
は、上記の他に、演算手段は前記溶接条件設定手段によ
り設定された溶接条件の適正範囲を調べるための比較基
準を用いて設定溶接条件が適正なものであるか否かが調
べられ、また、その調べた結果に応じたコメントを作成
する。そして、表示手段にはこの演算手段により得られ
た図およびコメントが表示される。
加したことにより、設定溶接条件が適正か否かが調べら
れるその結果に応じたコメントが表示手段に表示される
ことから、設定溶接条件が良いのか悪いのか、そして、
悪い場合には何が悪いのか等をコメントとして表示する
ことができるので、上記の効果に加えて、未熟練者のト
レーニングに一層の効果が期待できる。
照して説明する。 (第1の実施例)図1は本発明の一実施例を示すブロッ
ク図である。図1において、1は演算器、2はこの演算
器1の表示部、3は溶接条件設定器である。演算器1と
しては例えば、パソコンやワークステーションなどを利
用することが考えられる。そして、パソコンやワークス
テーションなどでは、マイクロプロセッサを制御の中枢
とするプログラム処理により、各種の演算を行って、後
述するアーク溶接のシミュレーションを実施し、また、
その結果をグラフィックプログラムにより画像化して表
示部2に表示することができる。
ン機能によりその結果を画像化して表示するに適したデ
ィスプレイであれば何でも良く、例えば、CRTディス
プレイや、液晶パネルディスプレイ、プラズマディスプ
レイなど、キャラクタとグラフィックを表示できるもの
であれば利用できる。
自動溶接機の溶接速度(台車移動速度)(ws)、自動
溶接機のチップ‐母材間距離(l)、自動溶接機のワイ
ヤ送給速度(Vw )、溶接に使用するアーク電圧値(V
A )、溶接に使用するシールドガス種(CO2 (炭酸ガ
ス)またはCO2 +Ar(炭酸ガスとアルゴンガスの混
合ガス))、溶接に使用するワイヤの種類(ソリッドワ
イヤまたはコアードワイヤ)、溶接に使用するワイヤ径
(d=1.2mm φ,1.4 mmφ,1.6 mmφ)などの条件設定
と、溶接開始/溶接終了の指示指令(シミュレート実行
の指令)を行うための装置であり、溶接速度wsを設定
する専用のダイヤルつまみ3aおよびチップ‐母材間距
離lを設定する専用のダイヤルつまみ3bおよびワイヤ
送給速度Vw を設定する専用のダイヤルつまみ3cおよ
びアーク電圧値VA を設定する専用のダイヤルつまみ3
dと、シールドガス種(CO2 を使用するのか、CO2
+Arを使用するのかを選択する)を選択するスイッチ
3e、ワイヤの種類(ソリッドワイヤを使用するのか、
コアードワイヤを使用するのか)を選択するスイッチ3
j、ワイヤ径d=1.2 mmφを選択するスイッチ3f、ワ
イヤ径d=1.4 mmφを選択するスイッチ3g、ワイヤ径
d=1.6 mmφを選択するスイッチ3h、および溶接開始
/溶接終了の指示用のスイッチ3jを操作パネル面に備
えている。
のボリューム(可変抵抗器)の抵抗値を可変操作するた
めのつまみであり、それぞれのボリュームは例えば、所
定の電位差を両端に印加された分圧抵抗であって、ダイ
ヤルつまみの可変操作により分圧比を可変することによ
って、連続的に設定値(設定電圧)を変化させることが
できるようにしている。従って、これらのダイヤルつま
み3a〜3dを可変操作することにより、無断階で溶接
速度wsおよびチップ‐母材間距離lおよびワイヤ送給
速度Vw およびアーク電圧値VA の設定値を与えること
ができる。これら溶接速度,チップ‐母材間距離,ワイ
ヤ送給速度,アーク電圧の設定値はアナログ信号として
出力される。
3jは切り替え操作により、所定の直流電圧と、零ボル
トの電圧の2種の電圧を出力するものであり、所定の直
流電圧はディジタル信号の論理レベル“H”の信号と
し、零ボルトの電圧はディジタル信号の論理レベル
“L”の信号として利用する。従って、これらシールド
ガス種,ワイヤの種類,ワイヤ径(1.2 mmφ,1.4 mm
φ,1.6 mmφ)の情報と溶接開始/溶接終了の信号はデ
ィジタル信号である。
れている。A/D変換器4はアナログ信号をディジタル
信号に変換する回路であり、溶接条件設定器3の出力す
るアナログ信号をディジタル信号に変換して演算器1に
与える装置であって、溶接速度wsおよびチップ‐母材
間距離lおよびワイヤ送給速度Vw およびアーク電圧値
VA の設定値をディジタル信号に変換して演算器1に与
える装置である。
件設定器3の出力するディジタル信号(スイッチ3e〜
3jの出力)を処理してパラレルデータとして演算器1
へ出力するものである。
件を設定することにより、演算器1はこの設定された溶
接条件に基づいてアーク現象シミュレーションを行い、
その結果をグラフィック化して設定溶接条件のデータと
共に表示部2に表示する。
る。この図2は、演算器1の表示部2における具体的表
示例である。図において、6は溶接機における溶接チッ
プ、7はワイヤ、8はアーク、9はシールドノズル、1
0は被溶接母材、11は溶接ビードである。
され、このワイヤ7先端は被溶接母材10の溶接部分に
対向して配され、ワイヤ7と被溶接母材10に印加した
アーク電圧により、ワイヤ7と被溶接母材10との間に
アーク8が生じている様子が描かれている。シールドノ
ズル9は溶接チップ6とワイヤ7を囲み、シールドガス
を吹き出してアーク溶接部分を当該シールドガスでシー
ルドし、酸化等を防ぐ。
態を示したものと、その条件で溶接した結果、得られる
施工後の被溶接母材10上における溶接ビード11の形
状を示した断面図である。
配置し、その上面側に溶接チップ6を配置すると共に、
溶接チップ6よりワイヤ7を突き出し、その先端と被溶
接母材10との間にアーク8が生じている様子を画面の
右上領域に示し、その下の領域に、施工後に得られる被
溶接母材10上における溶接ビード11の形状を断面図
で示している。
に基づいて描写されており、この図を描写するために、
つぎのようなシミュレーションを演算器1は実施する。
すなわち、本装置においては、溶接条件設定器3にて、
溶接条件を設定することにより、その設定条件に基づい
てシミュレーションするが、その際にアナログ信号を演
算するので、そのパラメータと記号をつぎのように、定
義するものとする。
のうち、溶接速度をws[mm/min]、チップ‐母材間
距離をl[mm]、ワイヤ送給量をVw [ mm /sec ]、
アーク電圧をVA [V]、ワイヤ径をd[mmφ]とす
る。
突き出し、その先端から被溶接母材10に向けてアーク
8が流れている様子を示しているが、この時の各位置の
寸法や条件およびそれらの記号は以下に定義する如きで
あるとする。
先端から被溶接母材10に向けて生じているアーク8の
長さである。また、le はワイヤ突き出し量であり、溶
接チップ6より突き出されたワイヤ7の突き出し長さで
ある。Va は真のアーク電圧であり、ワイヤ7の先端か
ら被溶接母材10に向けて生じているアーク8の持つ電
位差である。
ーク電流iによって発生する電圧降下分である。そし
て、ワイヤ突き出し長がle のとき、アーク長la なる
アークが生じているとすると、このときの真のアーク電
圧がVa で、iなるアーク電流(溶接電流)が流れるこ
とによって、ワイヤ突き出し部に発生する電圧降下がV
e であるとすると、VA ,Va ,Ve の間にはつぎの関
係がある。
突き出し長le から、溶接電流であるアーク電流iは次
の(2)式の関係がある。
また、ワイヤ径dはソリッドワイヤの場合は与えられた
直径そのままの値を、また、コアードワイヤの場合では
ワイヤ径dに0.8 〜0.95の値を乗ずる。
し部に生ずる電圧降下は、次の(3)式の関係にある。 Ve =k4 ・le ・i−k5 ・v/i …(3) 但し、k4 ,k5 は定数である。
での電圧降下Ve から真のアーク電圧Va は次の(4)
式で求められる。 Va =VA −Ve …(4) そして、アーク長la は次の(5)式の関係がある。
ガスの種類(CO2 またはCO2 +Ar)によって異な
る。
la であり、この関係から求められたワイヤ突き出し長
le を(2)式に与え、演算する操作を繰り返すと、ワ
イヤ突き出し長le およびアーク長la は一定値に収束
する。
長le が求められるので、チップ‐母材間距離lの設定
値を含めて、l,la およびle の関係を図2の右半分
の領域の図、および図3のように、その寸法関係を反映
した溶接作業状態図の作図を行い、画像として表示する
ようにする。
半分で模擬する。この楕円の長径方向の半径をa,短径
方向の半径をbとすると、当該楕円の上半分の面積はπ
・a・b/2で与えられる。この面積とワイヤ送給量で
ある(d/2)2 π・Vw に対する溶接速度wsが等し
い。すなわち、 (π・a・b/2)=(d/2)2 π・Vw /ws …(6) さらに通常、アーク電圧VA が低いと、溶接ビードは凸
状になっているので、 b=k9 −k10・VA …(7) とする。ここで、k9 ,k10は定数である。
半径aおよび短径方向の半径bを求め、このaおよびb
を有する楕円の上半分を被溶接母材の溶接線上に描いた
図を作成して、得られるビード形状として表示部表示用
画面である図2の右領域下部に描画する。
は溶接終了の信号がオンになるまで繰り返す。これによ
り、各種条件設定を変更すれば、その変更後の溶接の状
態を、現在の設定条件の値と共に、ただちにグラフィッ
ク表示させることができる。
る。本装置の演算の流れ図を図4および図5に示し、こ
れに基づいて以下、説明する。本装置を作動させると演
算器1は、まず、ワイヤ突き出し長le を仮設定する
(S1)。これは予め具体的数値が初期設定値として用
意されており、例えば、初期値として15mmに設定され
る。
接開始/溶接終了スイッチ3jが溶接開始側に操作され
るのを待つ(溶接開始がオンになるのを待つ)(S
2)。操作者の操作により、溶接開始スイッチ3jがオ
ンになれば、溶接条件設定器3からディジタル信号入力
器5を介して演算器1に、この溶接開始スイッチ3jの
オンを知らせる信号が与えられるので、演算器1はこれ
によりシミュレート演算動作して、溶接条件設定器3に
設定されたシールドガス種(CO2 またはCO2 +A
r)、ワイヤの種類(ソリッドワイヤまたはコアードワ
イヤ)、およびワイヤ径d(1.2 mm,1.4mm ,1.6mm )
の設定値をディジタル信号入力器5を通して取り込む
(S3)。
された溶接速度ws、チップ‐母材間距離l、ワイヤ送
給速度Vw 、アーク電圧値Va のアナログ設定値をA/
D変換器4を通して取り込む(S4)。
だアナログ量をそれぞれの物理量に変換する(S5)。
その一例を図6に示す。図はいずれも横軸に入力電圧を
とっており、縦軸は(a)が溶接速度ws、(b)がチ
ップ‐母材間距離l、(c)がワイヤ送給速度Vw 、
(d)がアーク電圧VA をとっている。入力電圧に対し
て縦軸相当の物理量に変換する。
給速度Vw およびワイヤ突き出し長le から、溶接電流
iを(2)式に基づいて演算する(S6)。ここで、
(2)式に代入するワイヤ径dの値は、使用するワイヤ
がソリッドワイヤではそのまま、また、コアードワイヤ
の場合ではdに0.8 〜0.95の値を乗じたものを用いる。
て生ずる電圧降下を、(3)式に基づいて演算して求め
る(S7)。更に真のアーク電圧Va をVA とVe から
(4)式で求め(S8)、さらにアーク長la を(5)
式に従って求める(S9)。
le =l−la の関係から求め(S10)、この求めた
ワイヤ突き出し長le をステップS5に戻し、上述した
ステップS10までの演算を繰り返す。これにより、ワ
イヤ突き出し長le およびアーク長la は一定値に収束
する。
長le が求められたので、次に演算器1は、チップ‐母
材間距離lの設定値を含めて、l,la およびle の関
係を含めた状態図を作図し、図2の右領域および図3の
ように、その大きさに応じて図示する(S21)。
き演算してaおよびbを求め、ビード形状について図7
のように、楕円の上半分で模擬する。そして、ビード形
状として図2の右、下図を描画する。また、溶接条件を
文字で図2の画面左半分の領域に一覧表示する(S2
2)。
を、溶接条件設定器3の溶接開始/溶接終了スイッチ3
jの操作により、溶接終了信号が来るまで繰り返す(S
23)。そして、溶接条件設定器3の設定操作を行って
溶接条件の変更を行うことにより、変更された条件での
状態をただちにシミュレートして、その状態を示す画像
を表示することから、施工しようとする溶接条件(溶接
電流(アーク電流)、アーク電圧、溶接速度)が適正か
否かが施工前に直感的に知ることができる。
により、施工しようとする溶接条件(溶接電流(アーク
電流)、アーク電圧、溶接速度)が適正か否かが施工状
態を示す画像の形で表示されることにより、これを見て
直感的に判定できるため、溶接施工によるトラブルを防
止できる。
給速度、アーク電圧、チップ‐母材間距離等のパラメー
タの変化が、溶接現像(アーク現象も含む)にどのよう
に影響するか、理解するのが困難であるが、本シミュレ
ータを用いることにより、視覚的に理解できる。
速度,チップ‐母材間距離,ワイヤ送給速度およびアー
ク電圧を与える信号はアナログ量であり、可変抵抗器を
変化させることによってその大きさを変えることができ
るようにし、そして、図6に示すように、上記溶接速度
等の信号の大きさとアナログ量とは単調増加の関係にし
た。
およびワイヤ径は、選択されたパラメータのディジタル
信号でハイレベルになるようにし、逆に演算器1はシー
ルドガス種,ワイヤの種類およびワイヤ径(1.2 mmφ,
1.4 mmφ,1.6 mmφなど)について、どのパラメータの
信号の情報がハイレベルになっているか、調べることに
よって、選択されているパラメータを認識することがで
きるようにした。
プ‐母材間距離,ワイヤ送給速度およびアーク電圧のア
ナログ信号はA/D変換器を経て演算器1に取り込ま
れ、設定されている溶接速度、チップ‐母材間距離,ワ
イヤ送給速度およびアーク電圧の各大きさを認識させる
ようにし、また、シールドガスの種類,ワイヤの種類お
よびワイヤ径を選定すると、ワイヤ送給速度およびチッ
プ‐母材間距離およびアーク電圧の間に一定の関係があ
ることを利用して、この関係からアーク長la およびワ
イヤ突き出し長le を、演算により求め、さらに溶接ト
ーチの先端近傍と共に、チップからワイヤ突き出し長l
e に相当するワイヤ、ワイヤ先端から母材へアーク長l
a に相当する長さのアークを描いて演算器1の表示部2
に表示させるようにした。さらに、溶接速度wsを取り
込み、これとワイヤ送給速度およびアーク電圧から、ビ
ード形状を演算し、演算器1の表示部2に表示させるよ
うにした。
ル信号を取り込み、シールドガスの種類,ワイヤの種類
およびワイヤ径dに応じたアーク長la およびワイヤ突
き出し長le を演算により求め、演算器1の表示部2
に、溶接トーチの先端近傍の図形と共に、チップからワ
イヤ突き出し長le に相当するワイヤ、ワイヤ先端から
母材へアーク長la に相当する長さのアークの図形を描
くと云った上述の処理を繰り返すようにし、最新の設定
内容に合わせて図形の表示を行うようにした。
に、アークの状態図と併せて、選択したシールドガス種
類、ワイヤ径の情報や、チップ‐母材間距離、ワイヤ送
給速度、アーク電流値、アーク電圧値、アーク長等の情
報も文字表示するようにした。
ュレーションを容易に実施でき、シミュレーション結果
を図で表示できることにより、施工しようとする溶接条
件(溶接電流(アーク電流)、アーク電圧、溶接速度)
が適正か否かが、施工状態を示す画像の形で知ることが
できることから、これより直感的に設定溶接条件の適否
判定ができるため、溶接施工におけるトラブルを防止で
きる。
その設定条件下での溶接状況をシミュレーションし、ア
ークの状態を含むその条件下でのアーク溶接の状態図を
表示すると共に、溶接の状態が定量的にわかるように、
選択したシールドガス種類、ワイヤ径の情報や、チップ
‐母材間距離、ワイヤ送給速度、アーク電流値、アーク
電圧値、アーク長等の情報も文字表示するようにしたも
のであり、施工しようとする溶接条件(溶接電流(アー
ク電流)、アーク電圧、溶接速度)が適正か否かが、施
工状態を示す画像から直感的に判定できるようになるも
のであるが、不適正であった場合にその理由がわかるよ
うにすれば、非熟練者のトレーニングにあたっても一層
の技量向上効果が期待できる。このような効果が得られ
る実施例を次に説明する。
を示すブロック図である。図8において、1aは演算
器、2はこの演算器1aの表示部、3は溶接条件設定器
である。
素は、基本的には第1の実施例における同一名称の構成
要素である演算器1、表示部2、溶接条件設定器3と同
じであるが、第2の実施例における演算器1aは第1の
実施例の構成における演算器1の持つ機能に加えて、更
に演算したシミュレーション結果からアーク電流及びア
ーク電圧が適正範囲内にある場合とない場合で、それぞ
れコメントを作成して表示器2に表示する機能を持たせ
てある。
準として電流・電圧適正条件が設定されるが、当該電流
・電圧適正条件の範囲は例えば、熟練者の経験に基づ
き、あるいは実験値等を元に予め設定してある。そし
て、さらに演算器1aには、この比較基準にて比較して
その結果に応じた最適なコメントを選択して表示器2に
表示する機能を持たせてある。
条件は適正です。”、“アーク電流が低いです。”、
“アーク電流は適正ですがアーク電圧が高過ぎます。”
と云った具合いのコメントを用意してある。そして、適
正範囲にあると判定した場合には“溶接条件は適正で
す。”と云ったコメントを選択して表示器2に表示さ
せ、また、比較基準に照らしてアーク電流が低い場合は
“アーク電流が低いです。”と云う旨のメッセージを選
択して表示器2に表示させ、また、比較基準に照らして
アーク電流は適正範囲であるがアーク電圧が高過ぎる場
合では“アーク電流は適正ですがアーク電圧が高過ぎま
す。”と云う旨のメッセージを選択して表示器2に表示
すると云った機能を持たせてある。
器3にて、溶接条件を設定することにより、演算器1a
はこの設定された溶接条件に基づいてアーク現象シミュ
レーションを行い、その結果をグラフィック化して設定
溶接条件のデータと共に表示部2に表示する。
同様に図2の如きであり、演算器1aの表示部2におけ
る具体的表示例である。図には溶接機における溶接チッ
プ6の先端からワイヤ7が繰り出され、このワイヤ7先
端は被溶接母材10の溶接部分に対向して配され、ワイ
ヤ7と被溶接母材10に印加したアーク電圧により、ワ
イヤ7と被溶接母材10との間にアーク8が生じている
様子が描かれている。シールドノズル9は溶接チップ6
とワイヤ7を囲み、シールドガスを吹き出してアーク溶
接部分を当該シールドガスでシールドし、酸化等を防
ぐ。
態を示したものと、その条件で溶接した結果、得られる
施工後の被溶接母材10上における溶接ビード11の形
状を示した断面図である。
材10を配置し、その上面側に溶接チップ6を配置する
と共に、溶接チップ6よりワイヤ7を突き出し、その先
端と被溶接母材10との間にアーク8が生じている様子
を画面の右上領域に示し、その下の領域に、施工後に得
られる被溶接母材10上における溶接ビード11の形状
を断面図で示している。
に基づいて描写されており、この図を描写するために、
演算器1aは第1の実施例の場合と同様のシミュレーシ
ョンを実施する。
件を設定することにより、その設定条件に基づいてシミ
ュレーションするが、その際にアナログ信号を演算する
ので、そのパラメータと記号をつぎのように、定義する
ものとする。
のうち、溶接速度をws[mm/min]、チップ‐母材間
距離をl[mm]、ワイヤ送給量をVw [ mm /sec ]、
アーク電圧をVA [V]、ワイヤ径をd[mmφ]とす
る。
突き出し、その先端から被溶接母材10に向けてアーク
8が流れている様子を示しているが、この時の各位置の
寸法や条件およびそれらの記号は以下に定義する通りで
あることも変わりはない。
先端から被溶接母材10に向けて生じているアーク8の
長さである。また、le はワイヤ突き出し量であり、溶
接チップ6より突き出されたワイヤ7の突き出し長さで
ある。Va は真のアーク電圧であり、ワイヤ7の先端か
ら被溶接母材10に向けて生じているアーク8の持つ電
位差である。
ーク電流iによって発生する電圧降下分である。そし
て、ワイヤ突き出し長がle のとき、アーク長la なる
アークが生じているとすると、このときの真のアーク電
圧がVa で、iなるアーク電流(溶接電流)が流れるこ
とによって、ワイヤ突き出し部に発生する電圧降下がV
e であるとすると、VA ,Va ,Ve の間には(1)式
の関係がある。
る。そして、ワイヤ径d、ワイヤ送給速度Vw およびワ
イヤ突き出し長le から、溶接電流であるアーク電流i
は(2)式の関係がある。
数であり、また、ワイヤ径dはソリッドワイヤの場合は
与えられた直径そのままの値を、また、コアードワイヤ
の場合ではワイヤ径dに0.8 〜0.95の値を乗ずる。
し部に生ずる電圧降下は、(3)式の関係にある。すな
わち、Ve =k4 ・le ・i−k5 ・v/iなる関係で
ある。但し、k4 ,k5 は定数である。
での電圧降下Ve から真のアーク電圧Va は(4)式、
つまり、Va =VA −Ve で求められる。そして、アー
ク長la は(5)式、つまり、la =(Va −k6 ・i
−k7 )/k8 の関係がある。但し、k6 ,k7,k8
は定数であり、k6 はシールドガスの種類(CO2 また
はCO2 +Ar)によって異なる。
la であり、この関係から求められたワイヤ突き出し長
le を(2)式に与え、演算する操作を繰り返すと、ワ
イヤ突き出し長le およびアーク長la は一定値に収束
する。
長le が求められるので、チップ‐母材間距離lの設定
値を含めて、l,la およびle の関係を図2の右半分
の領域の図、および図3のように、その寸法関係を反映
した溶接作業状態図の作図を行い、画像として表示する
ようにする。
のように、楕円の上半分で模擬する。この楕円の長径方
向の半径をa,短径方向の半径をbとすると、当該楕円
の上半分の面積はπ・a・b/2で与えられる。この面
積とワイヤ送給量である(d/2)2 π・Vw に対する
溶接速度wsが等しいと置くと、(6)式である (π・a・b/2)=(d/2)2 π・Vw /ws の関係が成り立つ。
接ビードは凸状になる傾向があるので、bは第1の実施
例同様に(7)式、すなわち、b=k9 −k10・VA で
モデル化する。但し、k9 ,k10は定数である。
半径aおよび短径方向の半径bを求め、このaおよびb
を有する楕円の上半分を被溶接母材の溶接線上に描いた
図を作成して、得られるビード形状として表示部表示用
画面である図2の右領域下部に描画する。
は溶接終了の信号がオンになるまで繰り返す。これによ
り、各種条件設定を変更すれば、その変更後の溶接の状
態を、現在の設定条件の値と共に、ただちにグラフィッ
ク表示させることができる。
せて、溶接条件設定値およびシミュレーション結果等を
参照してアーク電流及びアーク電圧が適正範囲内にある
か否かを判定し、その結果、適正範囲内にある場合とな
い場合で、それぞれコメントを作成して表示器2に表示
する。
準として電流・電圧適正条件が設定されているが、当該
電流・電圧適正条件の範囲は例えば、熟練者の経験に基
づき、あるいは実験値等に基づいている。そして、さら
に演算器1aには、この比較基準にて比較してその結果
に応じた最適なコメントを選択して表示器2に表示する
機能を持たせてある。
予め設定されており、“溶接条件は適正です。”、“ア
ーク電流が低いです。”、“アーク電流は適正ですがア
ーク電圧が高過ぎます。”と云った具合いのコメントを
用意してある。
適正範囲にあると判定した場合には“溶接条件は適正で
す。”と云ったコメントを選択して表示器2に表示さ
せ、また、比較基準に照らしてアーク電流が低い場合は
“アーク電流が低いです。”と云う旨のメッセージを選
択して表示器2に表示させ、また、比較基準に照らして
アーク電流は適正範囲であるがアーク電圧が高過ぎる場
合では“アーク電流は適正ですがアーク電圧が高過ぎま
す。”と云う旨のコメントを選択して表示器2に表示す
るこれにより、設定した溶接条件下におけるアーク溶接
の状況をシミュレーションした結果を見ることができ、
設定した溶接条件が適正か否か、そして、不適正な場合
には何が不適正かが具体的にわかるようになる。
めの比較基準として、図9にソリッドワイヤによるアー
ク溶接の、そして、図10にコアードワイヤによるアー
ク溶接の、それぞれ電流・電圧適正条件範囲Raの一例
を示す。いずれも縦軸はアーク電圧(単位は[V])、
横軸は溶接電流(単位は[A])である。
状態での表示器2の表示画面の例を示す。これにより、
設定された溶接条件に基づいて行ったアーク現象シミュ
レーションの結果を示すグラフィックと、設定溶接条件
のデータとが表示された表示部2の表示画面に、さらに
設定溶接条件の適否がコメント欄CMTに表示され、本
装置の使用者に報知される。
ずれも適正範囲内にある場合で、このときは演算器1a
は設定条件が適正条件に照らして適正であるので“溶接
条件は適正です。”のコメントが表示器2に表示されて
いる状態を示している。また、図12はアーク電流が低
い場合であり、コメント欄CMTに“アーク電流が低
い”旨のコメントが表示されている状態を示しており、
また、図13はアーク電流は適正範囲であるがアーク電
圧が高過ぎる場合であり、コメント欄CMTに“アーク
電流は適正ですがアーク電圧が高過ぎる”旨のコメント
が表示されている状態を示している。
図14および図15に示し、これに基づいて以下、説明
する。本装置を作動させると演算器1aは、まず、ワイ
ヤ突き出し長le を仮設定する(St1)。これは予め
具体的数値が初期設定値として用意されており、例え
ば、初期値として15mmに設定される。
溶接開始/溶接終了スイッチ3jが溶接開始側に操作さ
れるのを待つ(溶接開始がオンになるのを待つ)(St
2)。
jがオンになれば、溶接条件設定器3からディジタル信
号入力器5を介して演算器1aに、この溶接開始スイッ
チ3jのオンを知らせる信号が与えられるので、演算器
1aはこれによりシミュレート演算動作して、溶接条件
設定器3に設定されたシールドガス種(CO2 またはC
O2 +Ar)、ワイヤの種類(ソリッドワイヤまたはコ
アードワイヤ)、およびワイヤ径d(1.2 mm,1.4mm ,
1.6mm )の設定値をディジタル信号入力器5を通して取
り込む(St3)。
された溶接速度ws、チップ‐母材間距離l、ワイヤ送
給速度Vw 、アーク電圧値Va のアナログ設定値をA/
D変換器4を通して取り込む(St4)。
んだアナログ量をそれぞれの物理量に変換する(St
5)。その一例を図6に示す。図はいずれも横軸に入力
電圧をとっており、縦軸は(a)が溶接速度ws、
(b)がチップ‐母材間距離l、(c)がワイヤ送給速
度Vw 、(d)がアーク電圧VA をとっている。入力電
圧に対して縦軸相当の物理量に変換する。
給速度Vw およびワイヤ突き出し長le から、溶接電流
iを(2)式に基づいて演算する(St6)。ここで、
(2)式に代入するワイヤ径dの値は、使用するワイヤ
がソリッドワイヤではそのまま、また、コアードワイヤ
の場合ではdに0.8 〜0.95の値を乗じたものを用いる。
て生ずる電圧降下を、(3)式に基づいて演算して求め
る(St7)。更に真のアーク電圧Va をVA とVe か
ら(4)式で求め(St8)、さらにアーク長la を
(5)式に従って求める(St9)。
をle =l−la の関係から求め(St10)、この求
めたワイヤ突き出し長le をステップSt5に戻し、上
述したステップSt10までの演算を繰り返す。これに
より、ワイヤ突き出し長leおよびアーク長la は一定
値に収束する。
長le が求められたので、次に演算器a1は、チップ‐
母材間距離lの設定値を含めて、l,la およびle の
関係を含めた状態図を作図し、図2の右領域および図3
のように、その大きさに応じて図示する(St21)。
づき演算してaおよびbを求め、ビード形状について図
7のように、楕円の上半分で模擬する。そして、ビード
形状として図2の右、下図を描画する。また、溶接条件
を文字で図2の画面左半分の領域に一覧表示する(St
22)。
器3にて設定された溶接条件の適否をチェックし(St
23)、その結果、適正であれば“溶接条件は適正”の
コメントを表示器2に表示し(St24)、不適正であ
れば何が適正で何の条件が不適正であるのかを調べ、表
示器2にコメント表示する(St25)。
示、設定条件の適否チェック、そして、その結果に基づ
くコメント表示処理を、溶接条件設定器3の溶接開始/
溶接終了スイッチ3jの操作により、溶接終了信号が来
るまで繰り返す(St26)。
って溶接条件の変更を行うことにより、変更された条件
での状態をただちにシミュレートして、その状態を示す
画像を表示すると共に、設定した溶接条件の適否につい
てコメント表示することから、施工しようとする溶接条
件(溶接電流(アーク電流)、アーク電圧、溶接速度)
が適正か否かを施工前に直感的に知ることができ、ま
た、不適正の場合には何が不適正で何が適正か等を具体
的に知ることができる。
により、施工しようとする溶接条件(溶接電流(アーク
電流)、アーク電圧、溶接速度)が適正か否かが施工状
態を示す画像の形で表示されることにより、これを見て
直感的に判定できるため、溶接施工によるトラブルを防
止できる。
給速度、アーク電圧、チップ‐母材間距離等のパラメー
タの変化が、溶接現像(アーク現象も含む)にどのよう
に影響するか、理解するのが困難であるが、本シミュレ
ータを用いることにより、視覚的に理解できる。
接速度,チップ‐母材間距離,ワイヤ送給速度およびア
ーク電圧を与える信号はアナログ量であり、可変抵抗器
を変化させることによってその大きさを変えることがで
きるようにし、そして、図6に示すように、上記溶接速
度等の信号の大きさとアナログ量とは単調増加の関係に
した。
およびワイヤ径は、選択されたパラメータのディジタル
信号でハイレベルになるようにし、逆に演算器1aはシ
ールドガス種,ワイヤの種類およびワイヤ径(1.2 mm
φ,1.4 mmφ,1.6 mmφなど)について、どのパラメー
タの信号の情報がハイレベルになっているか、調べるこ
とによって、選択されているパラメータを認識すること
ができるようにした。
ップ‐母材間距離,ワイヤ送給速度およびアーク電圧の
アナログ信号はA/D変換器を経て演算器1aに取り込
まれ、設定されている溶接速度、チップ‐母材間距離,
ワイヤ送給速度およびアーク電圧の各大きさを認識させ
るようにし、また、シールドガスの種類,ワイヤの種類
およびワイヤ径を選定すると、ワイヤ送給速度およびチ
ップ‐母材間距離およびアーク電圧の間に一定の関係が
あることを利用して、この関係からアーク長la および
ワイヤ突き出し長le を、演算により求め、さらに溶接
トーチの先端近傍と共に、チップからワイヤ突き出し長
le に相当するワイヤ、ワイヤ先端から母材へアーク長
la に相当する長さのアークを描いて演算器1aの表示
部2に表示させるようにした。さらに、溶接速度wsを
取り込み、これとワイヤ送給速度およびアーク電圧か
ら、ビード形状を演算し、演算器1aの表示部2に表示
させるようにした。
ル信号を取り込み、シールドガスの種類,ワイヤの種類
およびワイヤ径dに応じたアーク長la およびワイヤ突
き出し長le を演算により求め、演算器1aの表示部2
に、溶接トーチの先端近傍の図形と共に、チップからワ
イヤ突き出し長le に相当するワイヤ、ワイヤ先端から
母材へアーク長la に相当する長さのアークの図形を描
くと云った上述の処理を繰り返すようにし、最新の設定
内容に合わせて図形の表示を行うようにした。
に、アークの状態図と併せて、選択したシールドガス種
類、ワイヤ径の情報や、チップ‐母材間距離、ワイヤ送
給速度、アーク電流値、アーク電圧値、アーク長等の情
報も文字表示するようにした。そして更には設定した溶
接条件の適否を溶接適正範囲の基準に照らしてチェック
して、その結果から、設定した溶接条件適否のコメント
と、不適正の場合には何が不適正なのか理由をコメント
表示して知らせることができるようにした。
して溶接シミュレーションを容易に実施でき、シミュレ
ーション結果を図で表示できることにより、施工しよう
とする溶接条件(溶接電流(アーク電流)、アーク電
圧、溶接速度)が適正か否かが、施工状態を示す画像の
形で知ることができるから、これより直感的に設定溶接
条件の適否判定ができるため、溶接施工におけるトラブ
ルを防止できる他、溶接条件の不適正の場合に何が不適
正なのかを具体的に知ることができ、非熟練者の技能ト
レーニングにも極めて有用となる。
は最新の設定内容に合わせて、その設定条件下での溶接
状況をシミュレーションして、アークの状態を含むその
条件下でのアーク溶接の状態図を表示すると共に、溶接
の状態が定量的にわかるように、選択したシールドガス
種類、ワイヤ径の情報や、チップ‐母材間距離、ワイヤ
送給速度、アーク電流値、アーク電圧値、アーク長等の
情報も文字表示するようにしたものであり、施工しよう
とする溶接条件(溶接電流(アーク電流)、アーク電
圧、溶接速度)が適正か否かが、施工状態を示す画像か
ら直感的に判定できるようになると共に、不適正であっ
た場合にその理由がわかるようになるので、非熟練者の
トレーニングに一層の効果が期待できる。
るものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜、
変形して実施し得るものであり、例えば、上記実施例の
数値は一例であり、これに限るものではない他、上記シ
ールドガス種、ワイヤの種類およびワイヤ径等もこれに
限るものではない。さらに、本実施例ではシミュレータ
として装置を示したが、アーク溶接機に本装置を組み込
み、溶接施工開始前に設定条件でシミュレーションを実
施させて確認してから、この設定条件でのアーク溶接を
実施させるようにすることもできる。
件設定器にて設定されたアーク溶接の施工条件の個別の
設定条件の適否を示す内容としても良く、また、不適正
の場合に、適正範囲から外れている量をも求めてこれを
表示する構成とすることも容易にできる。
施工しようとする溶接条件(溶接電流(アーク電流)、
アーク電圧、溶接速度)が適正か否かが施工状態を示す
画像の形で表示されることにより、これを見て直感的に
判定できるため、溶接施工によるトラブルを防止できる
ようになる。また、設定した溶接条件の適否をコメント
により具体的に知ることができるので、未熟練者のトレ
ーニングに最適である等の効果が得られる。
本発明の第1の実施例における装置全体構成のブロック
図。
装置の表示例を示す図。
溶接時の寸法関係を示す図。
明するためのフローチャート。
明するためのフローチャート。
溶接条件設定器におけるアナログ量で与える各種パラメ
ータの入出力特性図。
ビード形状の模擬を説明するための図。
本発明の第2の実施例における装置全体構成のブロック
図。
設定された溶接条件の適正範囲を調べるための比較基準
としての一例を示すアーク溶接の電流・電圧適正条件範
囲Raの例を示す図。
て、設定された溶接条件の適正範囲を調べるための比較
基準としての一例を示すアーク溶接の電流・電圧適正条
件範囲Raの例を示す図。
て、設定された溶接条件の適否のコメントを付加表示し
た表示例を示す図。
て、設定された溶接条件の適否のコメントを付加表示し
た表示例を示す図。
て、設定された溶接条件の適否のコメントを付加表示し
た表示例を示す図。
て、本発明の第2実施例における装置の動作例を説明す
るためのフローチャート。
て、本発明の第2実施例における装置の動作例を説明す
るためのフローチャート。
Claims (6)
- 【請求項1】 アーク溶接に使用するワイヤの種類と
径、溶接速度、ワイヤを支えるチップと被溶接母材間の
距離、チップを介して送り出す前記ワイヤの送給速度、
および印加するアーク電圧値等のアーク溶接の施工条件
を与える溶接条件設定手段と、 この溶接条件設定手段より与えられる施工条件を用い、
理論的に定まる上記施工条件の各要素と溶接電流、チッ
プからのワイヤ突き出し量、およびワイヤ先端側に発生
するアークのアーク長の関係を示す式による溶接電流、
ワイヤ突き出し量、およびアーク長を求める第1の演算
機能、および溶接速度とワイヤ送給量に対する溶接速度
の関係が楕円の半分の面積に等しいことを利用した関係
式により楕円の半分の面積に近似させたビード形状を求
める第2の演算機能、および、これら演算結果に基づ
き、被溶接母材の溶接位置に対するワイヤ突き出し状
態、およびワイヤ先端側に発生するアークの状態を示す
状態図および当該施工条件でのアーク溶接施工により得
られる被溶接母材上のビード形状の状態を示す図を作成
する機能とを有する演算手段と、 この演算手段により得られた図を表示する表示手段とを
備えてなる溶接作業シミュレータ装置。 - 【請求項2】 アーク溶接に使用するワイヤの種類と
径、溶接速度、ワイヤを支えるチップと被溶接母材間の
距離、チップを介して送り出す前記ワイヤの送給速度、
および印加するアーク電圧値等のアーク溶接の施工条件
を与える溶接条件設定手段と、 この溶接条件設定手段より与えられる施工条件を用い、
理論的に定まる上記施工条件の各要素と溶接電流、チッ
プからのワイヤ突き出し量、およびワイヤ先端側に発生
するアークのアーク長の関係を示す式による溶接電流、
ワイヤ突き出し量、およびアーク長を求める第1の演算
機能、および溶接速度とワイヤ送給量に対する溶接速度
の関係が楕円の半分の面積に等しいことを利用した関係
式により楕円の半分の面積に近似させたビード形状を求
める第2の演算機能、および、これら演算結果に基づ
き、被溶接母材の溶接位置に対するワイヤ突き出し状
態、およびワイヤ先端側に発生するアークの状態を示す
状態図および当該施工条件でのアーク溶接施工により得
られる被溶接母材上のビード形状の状態を示す図と溶接
条件および上記求めた少なくとも溶接電流並びに発生す
るアークの電圧並びにアーク長の文字表示情報とを作成
する機能とを有する演算手段と、 この演算手段により得られた図および文字表示情報とを
表示する表示手段とを備えてなる溶接作業シミュレータ
装置。 - 【請求項3】 アーク溶接に使用するワイヤの種類と
径、溶接速度、ワイヤを支えるチップと被溶接母材間の
距離、チップを介して送り出す前記ワイヤの送給速度、
および印加するアーク電圧値等のアーク溶接の施工条件
を与える溶接条件設定手段と、 この溶接条件設定手段より与えられる施工条件を用い、
理論的に定まる上記施工条件の各要素と溶接電流、チッ
プからのワイヤ突き出し量、およびワイヤ先端側に発生
するアークのアーク長の関係を示す式による溶接電流、
ワイヤ突き出し量、およびアーク長を求める第1の演算
機能、および溶接速度とワイヤ送給量に対する溶接速度
の関係が楕円の半分の面積に等しいことを利用した関係
式により楕円の半分の面積に近似させたビード形状を求
める第2の演算機能、および、これら演算結果に基づ
き、被溶接母材の溶接位置に対するワイヤ突き出し状
態、およびワイヤ先端側に発生するアークの状態を示す
状態図および当該施工条件でのアーク溶接施工により得
られる被溶接母材上のビード形状の状態を示す図を作成
する機能、前記溶接条件設定手段により設定された溶接
条件の適正範囲を調べるための比較基準を用い、当該設
定された溶接条件が適正か否かを調べると共に、その結
果に応じたコメントを作成する溶接条件適否調査機能と
を有する演算手段と、 この演算手段により得られた図およびコメントを表示す
る表示手段とを備えてなる溶接作業シミュレータ装置。 - 【請求項4】 アーク溶接に使用するワイヤの種類と
径、溶接速度、ワイヤを支えるチップと被溶接母材間の
距離、チップを介して送り出す前記ワイヤの送給速度、
および印加するアーク電圧値等のアーク溶接の施工条件
を与える溶接条件設定手段と、 この溶接条件設定手段より与えられる施工条件を用い、
理論的に定まる上記施工条件の各要素と溶接電流、チッ
プからのワイヤ突き出し量、およびワイヤ先端側に発生
するアークのアーク長の関係を示す式による溶接電流、
ワイヤ突き出し量、およびアーク長を求める第1の演算
機能、および溶接速度とワイヤ送給量に対する溶接速度
の関係が楕円の半分の面積に等しいことを利用した関係
式により楕円の半分の面積に近似させたビード形状を求
める第2の演算機能、および、これら演算結果に基づ
き、被溶接母材の溶接位置に対するワイヤ突き出し状
態、およびワイヤ先端側に発生するアークの状態を示す
状態図および当該施工条件でのアーク溶接施工により得
られる被溶接母材上のビード形状の状態を示す図と溶接
条件および上記求めた少なくとも溶接電流並びに発生す
るアークの電圧並びにアーク長の文字表示情報とを作成
する機能、前記溶接条件設定手段により設定された溶接
条件の適正範囲を調べるための比較基準を用い、当該設
定された溶接条件が適正か否かを調べると共に、その結
果に応じたコメントを作成する溶接条件適否調査機能と
を有する演算手段と、 この演算手段により得られた図およびコメントを表示す
る表示手段とを有する演算手段と、 - 【請求項5】 溶接条件設定手段で与えるアーク溶接の
施工条件には使用するシールドガスの種別を含めると共
に、演算手段のアーク長演算の関係式にはシールドガス
の種別に対応する補正を加えるようにすることを特徴と
する請求項1乃至4いずれか一項記載の溶接作業シミュ
レータ装置。 - 【請求項6】 演算手段が作成するコメントは溶接条件
設定手段にて与えられたアーク溶接の施工条件の個別の
適否を示す内容であることを特徴とする請求項3乃至4
いずれか一項記載の溶接作業シミュレータ装置。
Priority Applications (1)
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JP4591894A JP3233772B2 (ja) | 1993-12-10 | 1994-03-16 | 溶接作業シミュレータ装置 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP31061893 | 1993-12-10 | ||
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JPH07214317A true JPH07214317A (ja) | 1995-08-15 |
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ID=26386022
Family Applications (1)
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