JPH07213635A - マスク用耐熱カバー、耐熱性防塵マスク及び耐熱性防塵マスク用の耐熱性フィルター要素 - Google Patents

マスク用耐熱カバー、耐熱性防塵マスク及び耐熱性防塵マスク用の耐熱性フィルター要素

Info

Publication number
JPH07213635A
JPH07213635A JP6023440A JP2344094A JPH07213635A JP H07213635 A JPH07213635 A JP H07213635A JP 6023440 A JP6023440 A JP 6023440A JP 2344094 A JP2344094 A JP 2344094A JP H07213635 A JPH07213635 A JP H07213635A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
mask
resistant
cover
filter medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6023440A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3280150B2 (ja
Inventor
Yoshihiro Suzuki
美浩 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP02344094A priority Critical patent/JP3280150B2/ja
Publication of JPH07213635A publication Critical patent/JPH07213635A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3280150B2 publication Critical patent/JP3280150B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接作業などの火花発生環境下で使用するの
に適したマスク用耐熱カバー、耐熱性防塵マスク、及び
マスク用耐熱性フィルター要素を提供する。 【構成】 マスク用耐熱カバー1は、マスク濾材部2よ
りも通気抵抗が小さい耐熱性繊維製布からなり、濾材部
の気体流入側の外側表面全体を覆う面積を有する。防塵
マスクは前記カバー1を装着してなる。フィルター要素
は、吸入空気が耐熱シートの後に濾材部を通過するよう
に収納容器内に配置する。 【効果】 耐熱カバー又はシートは、火花を捕捉して濾
材部を保護する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接作業などのように
火花(スパッタ)が発生する環境下で使用するのに適し
たマスクに用いる耐熱カバー及び耐熱性防塵マスク、並
びに耐熱性防塵マスク用の耐熱性フィルター要素に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に防塵マスクには、ポリオレフィン
系繊維又はポリエステル系繊維などの熱可塑性繊維や、
ウール、レーヨン繊維又はガラス繊維などを用いた不織
布又は織物からなる濾材が使用されている。この内、ポ
リオレフィン系繊維などの熱可塑性繊維からなる濾材
は、エレクトレット化処理を施すことによって静電気的
な吸着力を付与することができ、通気抵抗を高めずに塵
埃などの捕集効率を向上させることができるため、エレ
クトレット化して使用されている。しかしながら、溶接
作業などの際に上記の防塵マスクを使用すると、溶接に
より生じる加熱金属粉からなる無数の火花によって、濾
材の構成繊維が溶融したり、収縮したり、燃焼したりし
て、濾材に穴があいたり変形したりすることがあった。
とくに、エレクトレット化しやすいポリオレフィン系繊
維は熱に弱く影響を受けやすかった。濾材に穴があいた
り変形したりすると、単に美観が損われるだけでなく、
リークが起きて濾過効率が低下したり、塵埃の捕集能力
が低下して使用寿命が短くなるといった問題が生じた。
また、場合によっては、加熱金属粉がマスクを貫通して
装着者に接触するといった危険もあった。
【0003】この問題を解決するため、難燃剤を付着さ
せた濾材を用いたマスクが提案されている。このマスク
は濾材に難燃剤が付着しているため燃えにくくなってい
るが、火花の熱によって濾材を構成する繊維が収縮した
り、溶融したりするのを完全に防ぐことができず、濾材
に穴が開いたり変形したりするのを十分に防止すること
ができなかった。また、難燃剤としては、通常、ハロゲ
ン化合物や重金属(アンチモンなど)を含む有害化合物
が用いられており、それらの熱分解物を作業者が吸入す
ることになるので、人体に悪影響を及ぼすことも懸念さ
れていた。更に、難燃加工によって通気抵抗が大きくな
る点も問題であった。
【0004】なお、ガラス繊維を主体とする濾材を用い
る場合には、火花によってガラス繊維自体が燃焼した
り、溶融したりすることはないが、ガラス繊維の飛散を
防止するために使用されている熱可塑性繊維や樹脂が火
花によって溶解するので、ガラス繊維が飛散し、作業者
が吸込むおそれがあった。
【0005】また、本発明者は耐熱性繊維からなる濾材
を用いたマスクも検討したが、一般に耐熱性繊維は微細
な繊維径のものを得ることが難しく、エレクトレット化
も行いにくいため、微細な塵埃を高い捕集効率で捕集す
る能力を備えた濾材を得ることは困難であった。しか
も、防塵マスクなどでは塵埃を捕集して目詰りしたら使
い捨てにするので、製造コストの高い耐熱性繊維を用い
ることは不経済でもあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、溶接作業などの火花が発生する環境下で使用して
も、マスクの濾材に穴があいたり、変形したりすること
がなく、濾材の持つ捕集能力を十分に発揮させることが
でき、しかも着用者が難燃剤の熱分解により発生した有
害な物質や飛散した繊維を吸込む心配がない状態で使用
することができるマスク用耐熱カバー及び耐熱性防塵マ
スク、更には耐熱性防塵マスク用の耐熱性フィルター要
素を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的の一つは、本
発明による、耐熱性繊維から構成され、マスク濾材部よ
りも通気抵抗が小さい繊維布からなり、マスク濾材部の
気体流入側の外側表面全体を覆う面積を有することを特
徴とするマスク用耐熱カバーによって達成することがで
きる。
【0008】前記のもう一つの目的は、本発明による、
耐熱性繊維から構成され、マスク濾材部よりも通気抵抗
が小さい繊維布からなる耐熱カバーを、マスク濾材部の
気体流入側の外側表面を覆うように装着したことを特徴
とする耐熱性防塵マスクによって達成することができ
る。
【0009】前記の更にもう一つの目的は、本発明によ
る、通気開口部を有する気体流入側−蓋部と、気密性側
面部と、通気開口部を有する気体流出側−蓋部とからな
る収納容器内に、耐熱性繊維の布からなる耐熱シートを
前記の気体流入側蓋部側に設け、前記耐熱シートよりも
通気抵抗が大きい濾材部を前記の気体流出側蓋部側に設
け、前記の気体流入側−蓋部の通気開口部から吸入され
た空気が前記の耐熱シートを透過した後に前記の濾材部
を通過するように配置したことを特徴とする、耐熱性防
塵マスク用の耐熱性フィルター要素によって達成するこ
とができる。
【0010】本発明のマスク用耐熱カバーを図面に沿っ
て説明する。図1は本発明の耐熱カバー1の一例の装着
前の正面図であり、図2は本発明の耐熱カバー1の他の
例の装着前の正面図である。また、図3は図2の耐熱カ
バー1の側面図であり、図4は、図3のIV−IV線断面図
である。更に、図5は、耐熱カバー1をマスク濾材部2
に装着した耐熱性防塵マスクを装着時の外側から見た斜
視図であり、図6は耐熱性防塵マスクを耐熱カバー1と
マスク濾材部2とに分離して示した説明図である。
【0011】本発明の耐熱カバー1は、耐熱性繊維から
構成される繊維布11からなり、溶接時などに生じる火
花(加熱金属粉)を捕捉し、マスク濾材部2に穴があい
たり、焦げたり、変形したりするのを防止する働きをす
る。耐熱性繊維としては、芳香族ポリアミド繊維(アラ
ミド繊維)、ポリアミドイミド繊維、芳香族ポリエーテ
ルアミド繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、フェノー
ル樹脂系繊維、アクリル酸化繊維(商品名:パイロメッ
クス)、カーボン繊維などが好適に使用できる。耐熱性
繊維は火花と接触しても溶融したり、収縮したりしない
ように、分解点(融点)が350℃以上、望ましくは4
00℃以上であるのがよい。
【0012】繊維布11には、上記耐熱性繊維からなる
編織布や不織布が用いられるが、繊維の平面的な組合せ
からなる編織布よりも、繊維が3次元的に絡み合ってい
る不織布の方が、火花(加熱金属粉)を確実に捕捉でき
るので、不織布を用いるのが好ましい。特に、水流絡
合、ニードルパンチなどの手段により、バインダーを使
用せずに作成した不織布が望ましく、バインダーの熱分
解による有害物の発生や、バインダーの熱劣化による繊
維の飛散の心配がないのでよい。
【0013】耐熱性繊維から構成される繊維布11の通
気抵抗を、マスク濾材部2の通気抵抗よりも小さくす
る。すなわち、耐熱カバーでは粒径が比較的大きな火花
(加熱金属粉)を捕捉し、耐熱カバーを通過する粒径が
比較的小さい加熱金属粉やその他の塵埃をマスク濾材部
で捕捉する。これは、粒径が比較的大きな加熱金属粉
は、それが有する熱量も大きいので、耐熱カバーで捕捉
しないとマスク濾材部を損傷させるおそれがあるのに対
し、粒径が比較的小さい加熱金属粉は、それが有する熱
量も小さいので、浮遊中にその熱量を失い、耐熱カバー
で捕捉しなくてもマスク濾材部を損傷させることがない
からである。
【0014】耐熱カバーで捕捉する金属粉の平均粒径
は、使用環境によって種々異なるので特に限定されるも
のではないが、一般的には約50μm以上とするのが好
ましい。このように耐熱カバーの通気抵抗を小さくする
と、塵埃の大部分を占める約5μm以下の粒子はマスク
濾材部2で捕集される。この結果、目詰りはマスク濾材
部2で優先的に生じるので、マスク濾材部2のみを交換
し、製造コストの高い耐熱性繊維で作られる耐熱カバー
1は繰り返し使用することが可能となる。耐熱性繊維か
ら構成される繊維布11は、平均粒径が約50〜100
μmの加熱金属粉を捕集することができれば、できるだ
け粗い構造となっていることが望ましく、例えば通気抵
抗(初期圧力損失)が風速10cm/秒の条件で1.5
mmH2 O以下の繊維布を用いるとよい。
【0015】耐熱性繊維から構成される繊維布11の目
付、厚み及び見かけ密度は、前記の通気抵抗条件(捕集
条件)を満たす限り特に限定されるものではないが、例
えば、目付が好ましくは50〜200g/m2 、より好
ましくは50〜100g/m2 、厚みが好ましくは0.
5〜3.0mm、より好ましくは0.5〜1.5mm、
見かけ密度が好ましくは0.01〜0.15g/cm3
の不織布が適している。目付が50g/m2 未満になる
と目的とする火花(加熱金属粉)の捕捉が不十分とな
り、200g/m2 を越えると火花の捕捉能力があまり
向上しなくなる上に、通気抵抗が増大し、重くなりすぎ
る。また、目付が100g/m2 以下だと通気抵抗をあ
まり上げずに、平均粒径が約50μmの粒子を捕捉しや
すくなるので特に好ましい。厚みが0.5mm未満にな
ると粒径が比較的大きな粒子も通過しやすくなり、3.
0mmを越えるとカバーが厚くなりすぎて取り扱いずら
くなる。また、厚みが1.5mm以下だと取り扱い性も
よく、平均粒径が約50μmの粒子を捕捉しやすくなる
ので特に好ましい。見かけ密度が0.01g/cm3
満になると加熱金属粉の捕捉が不十分となり、0.15
g/cm3 を越えると粒径の小さい粒子も捕捉して目詰
まりを起こしやすくなる。
【0016】耐熱カバー1は、マスク濾材部2を火花か
ら守るために装着されるので、マスク濾材部2の気体流
入側の外側全体を覆える面積を備えている必要がある。
ただし、耐熱カバー1は、装着時にマスク濾材部2の気
体流入側の外側全体を覆えればよいので、例えば図1、
図2及び図4に示すように、装着しない時にはひだ折り
加工されたコンパクトな構造となっており、装着する時
には図5のように、ひだが開いてマスク濾材部2の気体
流入側の外側全体を覆うのに十分な面積となるものであ
ればよい。ひだ折り加工された耐熱カバー1は、図5に
示すように、両端部13を固定して中央部のひだ14を
開かせることで、椀形状に成形された立体的なマスク表
面を包むように覆えるのでよい。
【0017】本発明の耐熱カバー1は、例えば図1に示
すようにマスク濾材部2への装着手段として耳掛け紐1
2を設けて、マスク濾材部2の上から装着して使用する
ことができる。この場合、マスク濾材部2と耐熱カバー
1とを重ねて着用することにより、耐熱性防塵マスクが
形成される。また、本発明の耐熱カバー1には、例えば
図2に示すように、両端部13にマスク濾材部2への装
着手段としてフックなどの接合具15を設け、この接合
具15で耐熱カバー1とマスク濾材部2とを接合して、
耐熱性防塵マスク3を形成することもできる。接合具1
5には、上記フックの他に、面ファスナー、ボタン、ホ
ック、クリップなどを使用することができる。
【0018】なお、耐熱カバー1を縫着、熱接着又はバ
インダー接着などによってマスク濾材部2に接合して耐
熱性防塵マスクを形成してもよいが、上記のように耳掛
け紐12や、接合具15などの装着手段によって着脱自
在に設ける方がよい。これは、耐熱カバー1とマスク濾
材部2との使用寿命が一般に異なるので、寿命がきた方
だけを取り替えることができるからである。通常は、塵
埃を捕集することで使用寿命がくる使い捨て式のマスク
濾材部2を取り替えることにより、高価な耐熱性繊維か
らなる耐熱カバー1を長期間使用することができる。
【0019】本発明においては、耐熱カバー1とマスク
濾材部2との間に空間を設けて装着するのが好ましい。
適当なスペーサー部材(前記の接合具を併用してもよ
い)を耐熱カバー1とマスク濾材部2との間に挿入する
ことによって空間を設けてもよいが、その空間は、耐熱
カバー1とマスク濾材部2とを単に密着させないことに
よってできる空間であってもよい。また、空間は部分的
に形成されていてもよく、例えば、耐熱カバー1とマス
ク濾材部2との形状の相違によって装着した際に生じる
空間であってもよい。耐熱カバー1とマスク濾材部2と
の間に空間があると、耐熱カバー1を設けたことによる
通気抵抗の増加を大幅に軽減できる上に、耐熱カバー1
で捕捉した火花(加熱金属粉)の熱がマスク濾材部2に
伝達されるのを阻止することができ、熱伝導によるマス
ク濾材部2の熱変形や熱劣化を防止することができる。
【0020】本発明の耐熱性防塵マスクにおけるマスク
濾材部2には、一般の粉塵の捕集を目的としたマスク用
濾材をそのまま利用することができ、耐熱処理などを施
す必要がない。従って、本発明のマスク濾材部2は、例
えば、粉塵捕集が可能な繊維層を有する濾材からなり、
好ましくは不織布製濾材、更に好ましくは密度勾配を設
けた不織布製濾材からなることができる。また、極細繊
維(例えば繊維径1〜10μm)から構成される密層を
設けることが望ましく、このような繊維層は例えばメル
トブロー不織布によって得ることができる。更に、濾材
をエレクトレット化して捕集効率を高めることもでき
る。エレクトレット化する場合、ポリオレフィン系の繊
維から構成される不織布を使用することが望ましく、ポ
リプロピレン繊維からなるメルトブロー不織布や、水流
絡合不織布が好適である。なお、濾材には必要に応じて
活性炭、ゼオライト、活性炭繊維などからなる脱臭層
や、補強や装飾の目的で、編織布、ネットなどを積層し
てもよい。
【0021】また、マスク濾材部2は、例えば図6に示
すように、お椀型などの立体形状に成形して装着者の顔
面形状にフィットしやすいようにするのが望ましい。マ
スク濾材部2には、従来から使用されているマスクをそ
のまま使用してもよく、例えば、耳掛け紐や鼻金などの
装着された成形マスクなども好適に利用することができ
る。
【0022】本発明による耐熱性フィルター要素は、例
えば、図7に示す防塵マスク4に挿入して用いることが
できる。防塵マスク4は、集塵部5と装着部6とからな
る。装着部6は中空のほぼ半球状であり、その半球体の
突出した外表面上に、空気吸入及び集塵を行う集塵部5
を有し、その中空半球体の内側に或る程度の空間を保持
しながら装着者の鼻部や口唇部及びそれらの周辺部を封
入する。従って、装着部6の顔面接触領域61は、装着
者の顔面形状(特に鼻部及び口唇部の周辺の形状)に適
合する形状を有する。また、装着部6の端部に紐7を設
け、装着時に装着者の頭部に引っ掛けて防塵マスク4を
固定させる。
【0023】前記の集塵部5を分解した状態を図8に示
す。すなわち、集塵部5はハウジング51とフィルター
部8と連結部52とを有する。ハウジング51は、樹脂
又は金属製で両端が開放された円筒状であることができ
る。ハウジング51は、フィルター部8の固定手段を有
する。固定手段は、例えば、ハウジング51の気体流入
側端部51aで半径方向内側に突出したリング状ストッ
パー51b(図8)であるか、または、ハウジング51
の気体流入側端部51aに設けた、通気開口部を有する
蓋(図示せず)であってもよい。
【0024】ハウジング51の気体流出側端部51cか
らフィルター部8を挿入した後、リテイナー52によ
り、フィルター部8をハウジング51内に固定して収納
する。リテイナー52は、フィルター部8と接触する押
圧面52a、その内側に形成される内部空間52b、集
塵部5と装着部6とを連結する連結部52c、及び前記
の連結部52cの内部貫通孔であって、前記内部空間5
2bと装着部6の内部とを通気する連絡孔52dを有す
る。
【0025】リテイナー52は、適当な固定手段によっ
てハウジング51と連結し、内部にフィルター部8を固
定して収納する。その固定手段としては、例えば、リテ
イナー52の外側側面52eと、ハウジング51の相当
する内側側面に設けたネジであることができる。集塵部
5は、連結部52cによって装着部6と脱着自在に取り
付けてもよい。あるいは、リテイナー52を装着部6と
一体的に成形し、そのリテイナー52にハウジング51
を嵌め込むことによって脱着自在に取り付けることがで
きる。
【0026】フィルター部8を分解した状態を図9に示
す。すなわち、フィルター部8は、ケース81及び気体
流出側蓋部82とから形成される収納容器と、それらの
内部に収納された耐熱シート83と濾材部84とを有す
る。ケース81は、樹脂又は金属製の気体流入側−蓋部
85と側壁86とから構成される。蓋部85及び82に
格子85a及び82aを設け、それらの格子85a及び
82aによって耐熱シート83及び濾材部84を収納・
保持する。また、格子85a及び82aの間は、それぞ
れ通気開口部85b及び82bとなる。気体流入側−蓋
部85の中心部に遮蔽板81dを設けると、火花(加熱
金属粉)を発生する作業現場から通気開口部85bへ最
短距離で到達する加熱金属粉の吸入を防止することがで
きるので好ましい。
【0027】耐熱シート83と濾材部84とを、耐熱シ
ート83を気体流入側にしてケース81に挿入した後、
気体流出側蓋部82をケース81の気体流出側端部87
に適当な固定手段(図示せず)により脱着自在に固定し
て、耐熱シート83と濾材部84とを固定・保持する。
固定手段としては、例えば、ケース81の内径と気体流
出側蓋部82の外径とを合わせてはめ込んだり、はめ込
んだ後に治具によって固定したり、あるいは気体流出側
蓋部82の外側側面と、ケース81の相当する内側側面
に設けたネジで固定する手段などを挙げることができ
る。なお、場合によっては、蓋部82は接着剤や超音波
シール、熱シールなどのシール手段によってケース81
に固定してもよい。気体流入側蓋部85と側壁86とを
別々に成形してよく、更に、側壁86と気体流出側蓋部
82とを一体成形し、気体流入側蓋部85を脱着自在に
固定してもよい。耐熱シート83及び/又は濾材部84
が目詰まりした場合は、それぞれ気体流出側蓋部82又
は気体流入側蓋部85を外して、新しい耐熱シート83
及び/又は濾材部84と取り替えることができる。
【0028】耐熱シート83及び濾材部84の材料や物
性は、前記の耐熱カバー及びマスク濾材部の場合と同じ
である。例えば、耐熱シート83は、前記と全く同様の
理由で、前記に列挙した各種耐熱性繊維から構成される
繊維布、すなわち、編織布、好ましくは不織布を用い
る。特に、水流絡合又はニードルパンチ処理により調製
した不織布が好ましい。また、耐熱シート83の通気抵
抗を濾材部84の通気抵抗よりも小さくして、耐熱シー
ト83の目詰まりが遅くなるようにする。特に、耐熱シ
ート83は、粒径が約50〜100μmの加熱金属粉を
捕集することができるように粗い構造とし、例えば通気
抵抗(初期圧力損失)が風速10cm/秒の条件で1.
5mmH2 O以下の繊維布を用いるとよい。また、耐熱
シート83を構成する繊維布の目付、厚み及び見かけ密
度も前記と同様の範囲であるのが、前記と同様の理由で
好ましい。
【0029】なお、フィルター部8においては、耐熱シ
ート83や濾材部84の形状については、それぞれ通気
通路を完全に遮断している限り制限がないので、例え
ば、図9に示すように、ジグザグ加工した濾材を用いる
ことができる。また、耐熱シート83と濾材部84との
間に適当なスペーサー手段を設けて、間隔を設けること
もできる。こうして、通気抵抗の増加と耐熱シート83
から濾材部84への熱伝導を防止することができる。更
に、フィルター部8とリテーナー52との間に電動ファ
ンを設けて通気を補助することで、装着者の不快感を軽
減ないし除去することもできる。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1 繊度2デニールのフェノール樹脂繊維(群栄化学株式会
社製:商品名カイノール)70%と繊度2デニールの芳
香族ポリアミド繊維(帝人株式会社製:商品名コーネッ
クス)30%とからなる繊維ウェブに水流絡合処理を施
し、目付80g/m2 、厚み1mmの水流絡合不織布を
作製した。この水流絡合不織布を図2に示すようにひだ
折り加工し、両端を固定した後、四隅にフックを設け
て、耐熱カバーを得た。一方、エレクトレット化された
ポリプロピレン繊維からなる目付60g/m2、厚み
0.9mmのメルトブロー不織布と、エレクトレット化
されたポリプロピレン繊維からなる目付60g/m2
厚み0.6mm水流絡合不織布とを主たる濾材とし、図
6に示すような防塵マスクを作製した。この防塵マスク
を装着した後、防塵マスクの耳掛け紐部に耐熱カバーの
フックをかけて、防塵マスクの上から耐熱カバーを装着
することにより耐熱性防塵マスクを得た。得られたマス
クは、火花によって穴があいたり、変形することもな
く、濾材の持つ塵埃の捕集能力を十分に発揮できた。ま
た、難燃剤やバインダーを使用していないので、有害物
質の発生もなく、繊維の飛散も生じなかった。更には、
濾材の使用寿命がきた場合には、防塵マスクを新しいも
のと取り替えることで、耐熱カバーは引続き利用でき
た。
【0031】実施例2 繊度1.5デニールの芳香族ポリアミド繊維(デュポン
株式会社製:商品名ケブラー)100%からなる繊維ウ
ェブに水流絡合処理を施し、目付80g/m2、厚み1
mmの水流絡合不織布を作製した。この水流絡合不織布
を図1に示すようにひだ折り加工し、両端を固定した
後、耳掛け紐を取付けて、耐熱カバーを得た。実施例1
で用いたのと同じ防塵マスクを装着した後、その上から
上記耐熱カバーを重ねて装着して、耐熱性防塵マスクを
得た。得られたマスクは、火花によって穴があいたり、
変形することもなく、濾材の持つ塵埃の捕集能力を十分
に発揮できた。また、難燃剤やバインダーを使用してい
ないので、有害物質の発生もなく、繊維の飛散も生じな
かった。更には、濾材の使用寿命がきた場合には、防塵
マスクを新しいものと取り替えることで、耐熱カバーは
引続き利用できた。
【0032】実施例3 繊度2デニールのフェノール樹脂繊維(群栄化学株式会
社製:商品名カイノール)60%と繊度2デニールの芳
香族ポリアミド繊維(帝人株式会社製:商品名コーネッ
クス)40%とからなる繊維ウェブに水流絡合処理を施
し、目付100g/m2 、厚み1.2mmの水流絡合不
織布を作製した。この水流絡合不織布を直径7cmの円
形に打抜いて耐熱シートを得た。一方、エレクトレット
化されたポリプロピレン繊維からなる目付80g/
2、厚み1.1mmのメルトブロー不織布と、エレク
トレット化されたポリプロピレン繊維からなる目付50
g/m2 、厚み0.5mm水流絡合不織布とを積層した
濾材を、ポリエステル繊維50%とレーヨン繊維50%
とからなる繊維ウェブにアクリル樹脂エマルジョン(固
形分付着量50g/m2 )を含浸することによって結合
した目付90g/m2 の補強用濾材とポイントシールに
よって貼り合わせた後、図9に示すようにひだ折り加工
して外形が直径7cmの円形となるように成形した濾材
部を作製した。この濾材部の上流側に上記耐熱シートを
配置して、図8及び図9に示すようなカートリッジフィ
ルタ8を作製し、これを図7に示すような防塵マスクに
取付けて、耐熱性防塵マスクを得た。得られたマスクで
は、濾材部が火花によって穴があいたり、変形すること
もなく、濾材の持つ塵埃の捕集能力を十分に発揮でき
た。また、耐熱シートには難燃剤やバインダーを使用し
ていないので、有害物質の発生もなく、繊維の飛散も生
じなかった。更には、濾材部の使用寿命がきた場合に
は、濾材部を新しいものと取り替えることで、耐熱シー
トは引続き利用できた。
【0033】
【発明の効果】本発明のマスク用耐熱カバーは、耐熱性
繊維から構成される繊維布からなり、マスク濾材部の気
体流入側の外側全体を覆うことができるので、耐熱性繊
維から構成される繊維布によって火花(加熱金属粉)を
捕捉し、火花からマスク濾材部を保護することができ
る。このため、従来のマスクのように火花(加熱金属
粉)がマスク濾材部を貫通して装着者に接触する危険が
なく、また、マスク濾材部に穴があいたり、変形したり
して、濾材の捕集効率が低下したり、保持容量が低下す
ることもない。しかも、有害な難燃剤を使用しないの
で、人体に悪影響を及ぼす心配もない。また、本発明の
マスク用耐熱カバーはマスク濾材部よりも通気抵抗の小
さな繊維布で構成されているため、マスク濾材部と共に
装着しても通気抵抗が大幅に上昇する心配はなく、塵埃
も主としてマスク濾材部で捕集されるので、濾材が有効
に働く。
【0034】本発明のマスク用耐熱カバーにおいて、マ
スク濾材部の気体流入側の外側表面全体を覆うことがで
きる装着手段を設けると、耐熱カバーとマスク濾材部と
の着脱が可能となり、寿命がきた方だけを取り替えるこ
とができる。例えば、マスク濾材部に使い捨てマスクを
用いて、塵埃を捕集して使用寿命がきたら取り替えるよ
うにすると、高価な耐熱性繊維で構成される耐熱カバー
を繰り返し使用することが可能となる。
【0035】耐熱性繊維の水流絡合不織布からなる耐熱
カバーを用いると、耐熱カバーにはバインダーや接着繊
維が全く使用されていないので、バインダーなどの熱分
解や熱劣化による有害物の発生や繊維の飛散が起きる心
配がない。また、ひだ折り加工された耐熱カバーを用い
ると、マスク濾材部に椀状などの立体形状のマスクを用
いても、装着時にはその立体形状に合わせて耐熱カバー
を広げることができ、確実にマスク濾材部を覆うことが
できる。
【0036】前記の耐熱カバーを備えた本発明の耐熱性
防塵マスクにおいては、耐熱カバーがマスク濾材部の気
体流入側の外側全体を覆うように装着されていて火花
(加熱金属粉)からマスク濾材部を保護することができ
るので、従来のマスクのように火花がマスクを貫通して
装着者に接触する危険がなく、また、マスクに穴があい
たり、変形したりして、濾材の捕集効率が低下したり、
塵埃の保持容量が低下することもない。しかも、有害な
難燃剤を使用しないので、人体に悪影響を及ぼす心配も
ない。また、本発明の耐熱性防塵マスクではマスク濾材
部よりも通気抵抗の小さな繊維布からなる耐熱カバーを
装着しているため、従来のマスクと比べて通気抵抗が大
幅に増大することもなく、十分な塵埃の捕集能力を有す
る。
【0037】更に、収納容器内に、耐熱シートと濾材部
とを封入した、耐熱性防塵マスク用の本発明による耐熱
性フィルター要素においても、濾材部の前に耐熱シート
が配置されているので、火花(加熱金属粉)から濾材部
を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマスク用耐熱カバーの一例を示す正面
図である。
【図2】本発明のマスク用耐熱カバーの他の例を示す正
面図である。
【図3】図2のマスク用耐熱カバーの側面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】図1のマスク用耐熱カバーを、装着時の外側か
ら見た場合の斜視図である。
【図6】図2の耐熱性防塵マスクの装着時の状態を、マ
スク用耐熱カバーと防塵マスクとに分解して示した説明
図である。
【図7】本発明による耐熱性フィルター要素を装着して
用いることのできる防塵マスクの斜視図である。
【図8】図7の防塵マスクに含まれる集塵部の分解図で
ある。
【図9】図8の集塵部に含まれるフィルター部の分解図
である。
【符号の説明】 1・・・耐熱カバー 11・・耐熱性繊維から構成される繊維布 12・・耳掛け紐 15・・フック 2・・・マスク濾材部 3・・・耐熱性防塵マスク 4・・・防塵マスク 5・・・集塵部 8・・・フィルター部 83・・耐熱シート 84・・濾材部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性繊維から構成され、マスク濾材部
    よりも通気抵抗が小さい繊維布からなり、マスク濾材部
    の気体流入側の外側表面全体を覆う面積を有することを
    特徴とするマスク用耐熱カバー。
  2. 【請求項2】 マスク濾材部の気体流入側の外側表面全
    体を覆うように装着する手段を備えた請求項1に記載の
    マスク用耐熱カバー。
  3. 【請求項3】 繊維布が水流絡合不織布からなる請求項
    1に記載のマスク用耐熱カバー。
  4. 【請求項4】 繊維布がひだ折り加工されている請求項
    1に記載のマスク用耐熱カバー。
  5. 【請求項5】 耐熱性繊維から構成され、マスク濾材部
    よりも通気抵抗が小さい繊維布からなる耐熱カバーを、
    マスク濾材部の気体流入側の外側表面を覆うように装着
    したことを特徴とする耐熱性防塵マスク。
  6. 【請求項6】 通気開口部を有する気体流入側−蓋部
    と、気密性側面部と、通気開口部を有する気体流出側−
    蓋部とからなる収納容器内に、耐熱性繊維の布からなる
    耐熱シートを前記の気体流入側蓋部側に設け、前記耐熱
    シートよりも通気抵抗が大きい濾材部を前記の気体流出
    側蓋部側に設け、前記の気体流入側−蓋部の通気開口部
    から吸入された空気が前記の耐熱シートを透過した後に
    前記の濾材部を通過するように配置したことを特徴とす
    る、耐熱性防塵マスク用の耐熱性フィルター要素。
JP02344094A 1994-01-26 1994-01-26 マスク用耐熱カバー、耐熱性防塵マスク及び耐熱性防塵マスク用の耐熱性フィルター要素 Expired - Fee Related JP3280150B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02344094A JP3280150B2 (ja) 1994-01-26 1994-01-26 マスク用耐熱カバー、耐熱性防塵マスク及び耐熱性防塵マスク用の耐熱性フィルター要素

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02344094A JP3280150B2 (ja) 1994-01-26 1994-01-26 マスク用耐熱カバー、耐熱性防塵マスク及び耐熱性防塵マスク用の耐熱性フィルター要素

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07213635A true JPH07213635A (ja) 1995-08-15
JP3280150B2 JP3280150B2 (ja) 2002-04-30

Family

ID=12110565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02344094A Expired - Fee Related JP3280150B2 (ja) 1994-01-26 1994-01-26 マスク用耐熱カバー、耐熱性防塵マスク及び耐熱性防塵マスク用の耐熱性フィルター要素

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3280150B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3280150B2 (ja) 2002-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE35062E (en) Filter element
US5419953A (en) Multilayer composite air filtration media
JP5754900B2 (ja) 発泡体成形層を有するろ過面体マスク
BE1002341A5 (nl) Beschermende kleding.
JP5124080B2 (ja) フィルター材料の周りに熱成形ハウジングを有するフィルター要素
CA1280851C (en) High efficiency respirator
US20060201513A1 (en) Flat-foldable face-mask and process of making same
US9216306B2 (en) Filter element that has plenum containing bonded continuous filaments
US20220072346A1 (en) Filter cartridge holder with fit-check device
KR20100017288A (ko) 파지 가능한 탭을 포함하는 유지보수 불필요 평탄 절첩식 호흡기
JP2016529415A (ja) ダーツ付きマスク本体を有するフィルタ式フェースピースレスピレータ
JP2012513298A (ja) 小型マルチガスフィルタ
KR20190064753A (ko) 마스크
JP3884158B2 (ja) フィルタ
JP3280150B2 (ja) マスク用耐熱カバー、耐熱性防塵マスク及び耐熱性防塵マスク用の耐熱性フィルター要素
KR101927624B1 (ko) 유해 먼지 차단용 하이브리드 목 토시
JP4357720B2 (ja) 電気掃除機用集塵袋およびそれを備えてなる電気掃除機
US20030089089A1 (en) Respirator filter element
JP2587938Y2 (ja) 脱臭用濾材
JPH0634719U (ja) フィルタ
JP2023136264A (ja) フィルターの廃棄方法
JP7450998B1 (ja) 送風機取付部付き石綿除去作業用防護服
JP2593189Y2 (ja) ミストコレクタ用フィルタ
JP2016073445A (ja) マスク
KR20210085984A (ko) 유해 먼지 차단용 넥워머

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees