JPH07212897A - 音像定位処理方法 - Google Patents

音像定位処理方法

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JPH07212897A
JPH07212897A JP6017882A JP1788294A JPH07212897A JP H07212897 A JPH07212897 A JP H07212897A JP 6017882 A JP6017882 A JP 6017882A JP 1788294 A JP1788294 A JP 1788294A JP H07212897 A JPH07212897 A JP H07212897A
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JP
Japan
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sound image
indirect
reproduced
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Application number
JP6017882A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Fujinami
喜久 藤浪
Jiro Nakaso
二郎 中曽
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音像定位位置が正中面(真正面や真後ろ)の
場合でも、真正面や真後ろに、主音を確実に音像定位さ
せる音像定位処理方法を提供する。 【構成】 音像定位処理された主音に、斜め方向からの
間接音(反射音または残響音)を付加して再生する。付
加する間接音は、主音の音像定位位置nが正中面に近い
ほど(図(A)の真正面の場合や、図(E)の真後ろの
場合)、受聴位置の前後方向mに対して非対称性が増長
されるように可変されたものとする。例えば、図(A)
では一方の方向(音像定位位置13)からレベル「大」
とされた斜め方向からの間接音を付加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は実際のトランスジューサ
(スピーカ、ヘッドホン)とは異なる所望の任意の位置
に音像が定位しているように感じさせる音像定位処理方
法に関し、奥行きと広がりを有する立体音像が再生可能
な音像定位処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、実際のトランスジューサ(ス
ピーカ、ヘッドホン)とは異なる所望の任意の位置に音
像が定位しているように感じさせる音像定位処理があ
り、例えば特開平2-298200号公報記載の「音像形成方法
及びその装置」がある。さらに、本出願人は、上記音像
定位方法に代わるものとして、新たな音像定位方法を発
明し、「音像定位制御の方法」(特願平4−34345
9、出願日:平成4年11月30日)「音像定位制御装
置」(特願平4−356358、出願日:平成4年12
月18日)などを出願している。
【0003】そして、上記した音像定位方法(音像定位
装置)は、種々の改良・改善がなされいる。特定位置
(特定方向)に定位させるために、係数(フィルタ係
数)を設定した一対のコンボルバ(畳み込み演算回路)
で音像定位処理するだけでなく、奥行きと広がりを有す
る立体音像を再生するために、種々の信号処理を付加的
に実行している。例えば、間接音を作成付加したものが
あり、さらに、直接音と間接音とのレベル比及び時間間
隔を可変して、現実の音像空間に相当する反射音と残響
音を再現して、奥行きと広がりを忠実に再現しようとし
たものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな間接音(反射音と残響音)を付加利用した立体音像
再生方法によっても、音像定位位置が正中面の場合(正
面中央方向、すなわち真正面や真後ろの場合)では必ず
しも十分な効果が得られず、真正面や真後ろに音像定位
させることは困難であった。すなわち、スピーカ(一対
のスピーカ)が再生装置の場合では、例えば正中面後方
(真後ろ)に音像定位させたものが前方に定位してしま
う、いわゆる前後逆転の現象が生じて大きな問題となっ
ていた。また、ヘッドホーン(ステレオ用のヘッドホー
ン)が再生装置の場合では、一般的に頭外定位感が得ら
れにくく、音像が頭の中にこもったり、近傍にまつわり
ついたりする感じがあった。さらに、間接音(反射音と
残響音)を付加した結果、音が2重に聞こえたり、音像
定位位置によっては、間接音付加により不自然感が生じ
てしまうことがあった。
【0005】そこで、本出願人は、一対のスピーカで音
像定位させる場合では、スピーカの方向定位確度特性
(定位しやすさ)が逆ハート状であり、正中面後方(真
後ろ)の定位確度が極端に低いこと、さらに、ヘッドホ
ーンで再生する場合では、経験的には前方方向、特に正
中面前方(真正面)に音像定位させることが困難である
ことを鑑みて、新たな音像定位処理方法を発明したもの
で、正中面方向に対しても奥行きと拡がりを有する立体
音像を再生可能としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、図1〜図4に示すように、離間して配設さ
れた複数のトランスジューサ(スピーカSP1,SP
2)から音像定位処理された信号を再生して、聴取者M
に前記複数のトランスジューサとは異なる任意の位置
(音像定位位置0〜15)に音像が定位しているように
感じさせる音像定位処理方法であって、音像定位位置N
が正中面に近いほど(例えば、図1の(A)及び(E)
の場合)、受聴位置の前後方向mに対して非対称性が増
長されるように可変された(例えば、一方の方向からレ
ベル「大」とされた)、斜め方向からの間接音(反射音
または残響音)を付加するようにしたことを特徴とする
音像定位処理方法を提供するものである。
【0007】さらに、離間して配設された複数のトラン
スジューサ(スピーカSP1,SP2)から音像定位処
理された信号を再生すると共に、(遅延回路23a,2
3bで)音像定位処理される信号を遅延させて間接音
(反射音または残響音)として付加再生し、聴取者
(M)に前記複数のトランスジューサとは異なる任意の
位置(音像定位位置0〜15)に音像が定位しているよ
うに感じさせる音像定位処理方法であって、前記音像定
位位置が正中面に近い場合(例えば、図1の(A)及び
(E)の場合)は、斜め方向からの間接音を1方向から
付加再生し、音像定位位置が真横に近い場合(例えば、
図1の(D)及び(F)の場合)は、斜め方向からの間
接音を対称位置にある2方向から付加再生し、音像定位
位置が斜め方向の場合(例えば、図1の(B)及び
(C)の場合)は、斜め方向からレベル差を持たせた間
接音を対称位置にある2方向から付加再生し、かつ、前
記音像定位位置が前方(180度の範囲)である場合
は、前記間接音は前方斜め方向から付加再生し、前記音
像定位位置が後方(180度の範囲)である場合は、前
記間接音は後方斜め方向から付加再生するようにすると
共に、前記音像定位位置が正中面に近い位置から真横に
近い位置になるにつれて、付加再生される間接音のレベ
ルを低くして、斜め方向からの間接音を付加再生するよ
うにしたことを特徴とする音像定位処理方法を提供する
ものである。
【0008】
【作用】音像定位位置に応じて、位置(方向),レベ
ル,個数(1方向,2方向,なし)などが異なる斜め方
向からの間接音(反射音または残響音)が、音像定位処
理された信号と共に、複数のトランスジューサから付加
再生される。
【0009】
【実施例】本発明になる音像定位処理方法の一実施例を
以下図面と共に詳細に説明する。図1は本音像定位処理
方法により付加再生される間接音を説明する図である。
図2は本音像定位処理方法を実施するための再生システ
ムの構成図である。図3は音像定位処理方法(再生シス
テム)における音像定位位置を説明する図である。図4
は付加される斜め方向からの間接音の基本的な位置(方
向)を説明する図である。
【0010】本音像定位処理方法は、図2(後に詳述す
る)に示すように、離間して配設された複数のトランス
ジューサ(一対のスピーカSP1,SP2、またはステ
レオ用のヘッドホン)から音像定位処理された信号を再
生して、聴取者Mに前記トランスジューサとは異なる任
意の位置に音像が定位しているように感じさせるもので
あり、このため、音像定位処理回路(21,25a,2
5b)で信号を処理して所定の位置に音像を定位させて
いる。
【0011】音像定位処理回路は、例えば左右一対のコ
ンボルバ(畳み込み演算回路)であり、所定のインパル
ス応答係数(フィルタ係数)が設定されたDSP(デジ
タルシグナルプロセッサ)などで構成され、入力された
モノラル信号を畳み込み演算処理して、音像定位用のス
テレオ信号として出力する。音像定位用のステレオ信号
は一対のスピーカSP1,SP2で再生され、聴取者M
には一対のスピーカとは異なる任意の位置に音像が定位
しているように感じられる。フィルタ係数を変更するこ
とにより、任意の位置(方向)に音像を定位させること
ができる。なお、一対のコンボルバを利用した音像定位
処理については、文献「M.R.Schroederand B.S.Atal、
“Computer Simulation of Sound Transmission in Roo
ms”、IEEE Conv.Rec.、pt.7、pp.150〜155 (1963)」な
どに詳説されている。本実施例では、主音用の一対のコ
ンボルバと、2個の間接音用の一対のコンボルバとを有
する。この点については、後で詳述する。
【0012】音像定位位置は、図3に示すように、聴取
者Mと所定の角度間隔(左右30度の間隔)で配設され
た一対のスピーカSP1,SP2を基準として、真正面
を0度(360度)として右回りに音像定位位置が規定
され、同図の例では22.5度ごとに16箇所に分割さ
れている。これらの16箇所の位置を、0〜15まで音
像定位位置番号で説明する。前述したように、音像は、
音像定位位置0〜15の16箇所に自在に定位できるよ
うになっている。
【0013】そして、正中面(方向)とは真正面(音像
定位位置0)と真後ろ(音像定位位置8)とを指し、真
横(方向)とは両側(音像定位位置4,12)を指し、
斜め(方向)とは音像定位位置1〜3,音像定位位置5
〜7,音像定位位置9〜11,音像定位位置13〜15
を指す。さらに、音像定位位置1〜3,音像定位位置5
〜7を前斜め(方向)とし、音像定位位置9〜11,音
像定位位置13〜15を後斜め(方向)とする。また、
前方とは前方180度の範囲(音像定位位置12〜0,
0〜4の範囲)、後方とは後方180度の範囲(音像定
位位置4〜12の範囲)を指す。
【0014】また、音像定位処理に際して、間接音が斜
め方向から付加される。間接音は、音像定位させる信号
を遅延させた信号が使用され、図4に示すように、音像
定位位置3,5,11,13の4箇所に基本的に定位さ
れるように、音像定位処理されて付加されるように構成
されている。この間接音の音像定位位置は、後述するよ
うに、本出願人による実験結果に基く最適位置である。
【0015】続いて、本音像定位処理方法により付加さ
れる間接音について、図1を参照して詳述する。同図に
おいて、四角印の位置(方向)は、目的とする主音の音
像定位位置(方向)Nを示す。丸印の位置(方向)は付
加される間接音の音像定位位置(方向)を示し、丸印の
大きさは付加される間接音のレベル(大きさ)を示す。
本音像定位処理方法では、以下、〜のような位置と
大きさの斜め方向からの間接音が、目的とする主音の音
像定位位置Nに応じて付加され、奥行きと拡がりを有す
る立体音像が再生される。
【0016】音像定位位置が正中面に近い場合は、斜
め方向からの間接音を1方向から付加し、音像定位位置
が真横に近い場合は、斜め方向からの間接音を対称位置
にある2方向から付加し、音像定位位置が斜め方向場合
は、斜め方向からレベル差を持たせた間接音を対称位置
にある2方向から付加する。音像定位位置が前方であ
る場合は、間接音は前方斜め方向から付加し、音像定位
位置が後方である場合は、間接音は後方斜め方向から付
加する。音像定位位置が正中面に近い位置から真横に
近い位置になるにつれて、付加される間接音のレベルを
低くする。つまり、対称位置にある2方向から付加され
る間接音のレベルを、1方向から付加される間接音のレ
ベルよりも低くする。間接音を対称位置にある2方向
から付加する時は、2つの間接音にレベル差を持たせ
る。例えば、音像定位位置に近い位置の間接音のレベル
を遠い位置の間接音のレベルよりもを低くする。
【0017】具体的には、図1(A)及び(E)に示す
ように、音像定位位置Nが真正面(音像定位位置0)の
場合では、前方斜め方向(図で示す音像定位位置13、
または図には示さないが音像定位位置2)からレベルの
大きい間接音を付加し、音像定位位置Nが真後ろ(音像
定位位置8)の場合では、後ろ斜め方向(図で示す音像
定位位置11、または図には示さないが音像定位位置
5)からレベルの大きい間接音を付加する。このよう
に、音像定位位置が正中面に近い場合は、斜め方向から
の間接音を1方向からのみ、レベルを「大」として、す
なわち、受聴位置の前後方向mに対して非対称性となる
ように、間接音を付加する。
【0018】また、図1(D)及び(F)に示すよう
に、音像定位位置Nが真横(音像定位位置4,12)の
場合は、斜め方向からの間接音を対称位置にある2方向
(同図(D)で示す音像定位位置3と13、または同図
(F)で示す音像定位位置5と11)から付加する。こ
の間接音のレベルは、前記した1方向から付加される間
接音(図1(A)及び(E)の場合)よりも、極めて低
いレベルとする。このように、音像定位位置が真横に近
い場合は、2方向からレベルを「極小」として、受聴位
置の前後方向mに対して対称性となるように、斜め方向
からの間接音を付加する。
【0019】また、図1(B)及び(C)に示すよう
に、音像定位位置Nが斜め方向(音像定位位置1,2)
の場合は、斜め方向からの間接音を対称位置にある2方
向(図で示す音像定位位置3と13)から付加する。こ
の間接音のレベルは、前記した1方向から付加される間
接音(図1(A)及び(E)の場合)よりも低いが、前
記した2方向から付加される間接音(図1(D)及び
(F))よりは高く、つまり、音像定位位置が正中面に
近い位置から真横に近い位置になるにつれて、付加され
る間接音のレベルを低くしてあり、図1中では、(A)
及び(E)、(B)、(C)、(D)及び(F)となる
につれて、全体のレベルが低くなる。さらに、音像定位
位置に近い位置の間接音のレベルを遠い位置の間接音の
レベルよりもを低く、音像定位位置が右側の同図(B)
及び(C)の場合では、音像定位位置3(右側)の間接
音のレベルは音像定位位置13(左側)の方よりも低
い。すなわち、図1(B)では2方向からレベルを
「中」「小」とし、図1(C)では2方向からレベルを
「小」「極小」とし、斜め方向からの間接音を付加す
る。
【0020】以上、〜のように、目的とする音像定
位位置に応じて位置(方向)と大きさ(レベル)の斜め
方向からの間接音が付加され、すなわち、音像定位位置
(方向)が正中面に近いほど、受聴位置の前後方向に対
して非対称性が増長されるように可変された、斜め方向
からの間接音が付加されて、奥行きと拡がりを有する立
体音像が再生される。なお、主音を図1(A)に示した
音像定位位置0から音像定位位置15(すなわち、図1
(B)に示した音像定位位置1とは反対方向の位置)に
音像定位させる場合では、非対称の(1つの)間接音の
位置を図1(A)に示した音像定位位置13から音像定
位位置3に置き換えてから、対称位置にある(2つの)
間接音を付加しつつ、主音を音像定位位置15に音像移
動させると良い。このように構成すると、間接音の非対
称性の特異点(主音を音像定位位置0に定位させる場合
では、間接音は音像定位位置13でも、音像定位位置3
のどちらでも良い)から生じる聴感上の不自然さがなく
なる。また、斜め方向からの間接音を対称位置にある2
方向から付加再生する場合では、付加再生する間接音の
レベルに差があれば良く、音像定位位置に近い位置の間
接音のレベルを遠い位置の間接音のレベルよりもを高く
しても良い。
【0021】次に、具体的なシステム構成例を詳述す
る。図2は本音像定位処理方法を実施するための再生シ
ステムを構成図である。 (具体例1:基本的な構成例)図2において、20はモ
ノラル信号(音像定位させられる入力音響信号、デジタ
ル信号)の入力端子である。21は、前述した図3
(A)に示した16箇所の音像定位位置に音像を定位さ
せるための主音用音像定位回路である。主音用音像定位
回路21は左右一対のコンボルバ(畳み込み演算回路)
からなり、所定のインパルス応答係数(フィルタ係数)
が設定されたDSPなどで構成され、入力された前記モ
ノラル信号を畳み込み演算処理して、音像定位用のステ
レオ信号(主音)として出力する。
【0022】さらに、入力されたモノラル信号は分岐さ
れ、減衰回路(アッテネータ)22で主音よりも減衰さ
せられ、遅延回路23a,23bで遅延処理される。遅
延処理された信号はレベル調整回路24a,24bでレ
ベル調整されて、間接音として音像定位させるために、
間接音用音像定位回路25a,25bで処理される。間
接音用音像定位回路25a,25bは、間接音が斜め方
向から付加されるように、前述した図4に示した4箇所
の音像定位位置(3,5,11,13)に間接音を音像
定位させるためのものである。
【0023】つまり、図4に示したように、前記間接音
用音像定位回路25a,25bでは、水平面の約29
2.5度(これは音像定位位置13)、約67.5度
(同音像定位位置3)、水平面の約247.5度(同音
像定位位置11)、約112.5度(同音像定位位置
5)に音像定位させるためのフィルタの係数が適宜設定
され、上記斜め方向から間接音が付加再生されるように
している。また、遅延回路23a,23bでは、遅延時
間約4ms(2〜5ms)が与えられ、減衰回路22で
主信号に対して40%となるように減衰されて、間接音
が形成されようにしてある。
【0024】さらに、28は前記主音用音像定位回路2
1に、音像定位命令(例えば、音像定位置「1」に音像
定位させろという命令)に応じたフィルタ係数を設定す
るコントローラ(CPU)である。29は、前述した
〜のように、音像定位命令(目的とする音像定位位置
に)応じて、位置(方向)と大きさ(レベル)異なる斜
め方向からの間接音を付加し、すなわち、主音の音像定
位位置(方向)が正中面に近いほど、受聴位置の前後方
向に対して非対称性が増長されるように可変して、斜め
方向からの間接音を付加するように、前記間接音用音像
定位回路25a,25bにフィルタ係数を設定し、レベ
ル調整回路24a,24bにレベルを設定するサブコン
トローラ(CPU)である。
【0025】例えば、図1(B)に示す例は、音像定位
位置「1」に音像定位させろという命令の場合であり、
コントローラ28は主音用音像定位回路21に音像定位
位置「1」のフィルタ係数を設定する。同時に、サブコ
ントローラ29は、レベル調整回路24aを「レベル
中」とし、間接音用音像定位回路25aに音像定位位置
「13」のフィルタ係数を設定し、さらに、レベル調整
回路24bを「レベル小」とし、間接音用音像定位回路
25bに音像定位位置「3」のフィルタ係数を設定す
る。
【0026】また、例えば、図1(E)に示す例は、音
像定位位置「8」に音像定位させろという命令の場合で
あり、コントローラ28は主音用音像定位回路21に音
像定位位置「8」のフィルタ係数を設定する。同時に、
サブコントローラ29は、レベル調整回路24aを「レ
ベル大」とし、間接音用音像定位回路25aに音像定位
位置「11」のフィルタ係数を設定し、さらに、レベル
調整回路24bを「レベル0」とし、間接音用音像定位
回路25bからの信号を実質的に切断する。
【0027】そして、図2に示すように、主音用音像定
位回路21,間接音用音像定位回路25a,25bで音
像処理された信号(ステレオ信号)は、左右の加算回路
26R,26Lで加算混合され、左右のD/A変換部を
含むアンプ27R,27Lにより、アナログ信号とされ
増幅されて、一対のスピーカSP1,SP2から再生さ
れる。一対のスピーカSP1,SP2から再生された音
は、リスナ(聴取者M)により聴取される。そして、リ
スナ(聴取者M)には、主音(直接音相当)が所望の音
像位置に音像定位しているように聞こえ、さらに、図1
に示すように、主音の音像位置に応じた間接音(間接音
相当・反射音相当)が斜め方向から付加再生されて、奥
行きと広がりを有する立体音像が再生される。
【0028】これは、本出願人が、種々の実験検討を重
ねた結果、異なる方向から到達する同一音に時間差を与
えると、先行音効果により先行する音は方向知覚され後
続する音は方向知覚されないことを考慮して、主音を正
中面(真正面,真後ろ)に音像定位させる場合に、一方
の斜め方向だけに音像定位させた間接音(すなわち、遅
延させた後続する音)を加えることで、心理的に何等の
違和感がなく立体音像再生、頭外定位再生できることを
見いだした結果である。
【0029】しかも、前述したように、(a)この間接音
の方向は、前述したように、右側では約67.5度(音
像定位位置3)、約112.5度(音像定位位置5)、
左側では約292.5度(音像定位位置13)、約24
7.5度(音像定位位置11)が最適である、(b)間接
音の遅延時間は従来よりも短い約4ms(2〜5ms)
付近に最適点がある(なお、従来、間接音の遅延時間
は、5〜30msであった) (c)間接音の混合比は、比較的大きく約40%が効果的
である(なお、従来、間接音の混合比は、約10%程度
であった)、(d)そして、前述した〜のように、目
的とする音像定位位置に応じて位置(方向)と大きさ
(レベル)の斜め方向からの間接音が付加し、すなわ
ち、音像定位位置(方向)が正中面に近いほど、受聴位
置の前後方向に対して非対称性が増長されるように可変
して、斜め方向からの間接音を付加することにより、一
層奥行きと広がりが増大することを、実験的に確認した
ものである。
【0030】(具体例2:簡易な構成例)これは、音像
定位位置が正中面に近い場合は、斜め方向からの間接音
を1方向から付加再生し、音像定位位置が斜め方向や真
横に近い場合には、斜め方向からの間接音を付加再生し
ないようにしたものである。図5に示すように、極めて
簡易な構成で実現できる。すなわち、図1(A)及び
(E)に示すように、音像定位位置Nが真正面(音像定
位位置0)の場合では、前方斜め方向(音像定位位置1
3)から間接音を付加し、音像定位位置Nが真後ろ(音
像定位位置8)の場合では、後ろ斜め方向(音像定位位
置11)から間接音を付加する。このように、音像定位
位置が正中面に近い場合は、斜め方向からの間接音を1
方向からのみ付加する。
【0031】この構成例では、図4に示すように、主音
用音像定位回路21,減衰回路22,遅延回路23a,
間接音用音像定位回路25a,コントローラ28に、ス
イッチ30を付加するだけで構成できる。スイッチ30
は、間接音用音像定位回路25aからの出力をON・O
FFするものである。コントローラ28により、音像定
位位置が真正面の場合では、間接音用音像定位回路25
aに音像定位位置13用の係数とし、真後ろの場合で
は、音像定位位置11用の係数とし、この場合だけ、ス
イッチ30をONとして、間接音を付加する。音像定位
位置が真正面,真後ろの以外場合では、スイッチ30を
OFFとして、間接音を付加しないようにする。
【0032】このような簡易な構成でも、真正面や真後
ろに音像定位させること場合に効果があり、正中面後方
(真後ろ)に音像定位させたものが前方に定位してしま
う、いわゆる前後逆転の現象が生じることがなくなる。
【0033】(具体例3:シャフラフィルタを用いた構
成例)これは、図6に示すように、間接音用音像定位回
路31としてシャフラフィルタを用いた構成例である。
シャフラフィルタは、対称な2つの位置に音像を定位さ
せることができるので、例えば音像定位位置3と13、
または音像定位位置5と11に、1個の間接音用音像定
位回路で、間接音を定位させることができる。そして、
主音の音像定位位置が正中面に近い場合は、非シャフラ
フィルタ構成として、斜め方向からの間接音を1方向か
ら付加再生し、主音の音像定位位置が斜め方向や真横に
近い場合には、シャフラフィルタ構成として、対称な位
置にある2つの斜め方向からの間接音を付加再生する。
非シャフラ/シャフラ構成は、コントローラ28からの
制御信号で切換える。
【0034】このように、間接音用音像定位回路31を
シャフラ構成にすれば、1個の音像定位回路で対称な2
つの位置に音像定位させることができ、図2に示したよ
うに、間接音用音像定位回路25a,間接音用音像定位
回路25bの2個の音像定位回路が必要でなくなる。な
お、このとき、シャフラ出力にレベル差を設けるように
しても良い。また、シャフラフィルタの具体的な構成
は、文献「D.H.Cooper and J.L.Bauck、“Prospects fo
r Transaural Recording”J.Audio Eng.Soc.、vol.37、
pp.3〜19 (1989) 」などに詳説されている。
【0035】(具体例4:係数の対称性を利用した構成
例)これは、図7に示すように、1個の間接音用音像定
位回路25aだけで間接音処理をさせた構成例である。
一般的に、対称な2つの位置に音像を定位させる場合、
2つの音像定位回路の係数は対称性を持つ。すなわち、
前記した図2に示した間接音用音像定位回路25a,間
接音用音像定位回路25bからなる2個の音像定位回路
では、その処理係数は左右を互いに入替えた関係を持
つ。この結果、間接音用音像定位回路25aの左右の出
力を入替えたものが、間接音用音像定位回路25bの出
力に等しいこととなる。そこで、図7に示すように、1
個の間接音用音像定位回路25aの出力をそのままレベ
ル調整回路34aに入力しつつ、間接音用音像定位回路
25aの左右の出力を入替えたものレベル調整回路34
bに入力する。これらレベル調整回路34a,34bの
左右の出力を間接音の出力として、加算回路26R,2
6Lに入力する。
【0036】そして、主音の音像定位位置が正中面に近
い場合は、一方のレベル調整回路(34aまたは34
b)を「レベル0」として、斜め方向からの間接音を1
方向から付加再生し、主音の音像定位位置が斜め方向や
真横に近い場合には、レベルを適宜設定して、対称な位
置にある2つの斜め方向からの間接音を付加再生する。
レベル調整回路34a,34bのレベルは、コントロー
ラ28からの制御信号で設定する。このように構成にす
れば、1個の間接音用音像定位回路で対称な2つの位置
に間接音を音像定位させることができ、図2に示したよ
うに、間接音用音像定位回路25a,間接音用音像定位
回路25bの2個の音像定位回路が必要でなくなる。
【0037】(具体例5:複数の間接音を設けた構成
例)また、図8に主要部を示すように、前記した図2,
5,6,7の遅延回路23a(遅延時間4ms)に加え
て、遅延時間の異なる遅延回路32a(遅延時間8m
s)を設けて、遅延回路23aと遅延回路32aの出力
を加算回路33aで加算して、間接音としても良い。こ
のようにして、2個の間接音を同一方向から付加再生す
ると、残響音の効果が生じて、より一層奥行きと広がり
が増大する。
【0038】(具体例6:ヘッドホーンによる構成例)
また、トランスジューサとして、スピーカに代えてステ
レオ用ヘッドホーンを用いても良い。この場合では、ヘ
ッドホーン再生にもかかわらず、頭外定位感が得られ、
音像が頭の中にこもったり、近傍にまつわりついたりす
る感じがなくなる。なお、ヘッドホーン再生に際して
は、ヘッドホーンの特性補正,耳道補正を併用すると一
層効果的であり、さらに、20Hz程度の低音域を十分
に再生できるようにしておくと良い。
【0039】また、複数のトランスジューサは一対のス
ピーカやステレオ用ヘッドホーンに限定されるものでな
く、トランスジューサ(スピーカ)の数が3以上の立体
音場システムにおいて適用できる。さらに、音源の数が
2以上の場合では個別に処理し加算すればよい。主音と
間接音とは、加算回路で加算して同一のスピーカから再
生する構成に限られず、加算することなく別のスピーカ
(マルチスピーカ)から再生しても良い。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明になる音像
定位処理方法は、音像定位位置が正中面に近いほど、受
聴位置の前後方向に対して非対称性が増長されるように
可変された、斜め方向からの間接音を付加再生するよう
にしたので、音像定位位置が正中面(真正面や真後ろ)
の場合)でも効果的に音像定位させることでき、奥行き
と広がりを有する立体音像を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる音像定位処理方法の一実施例を説
明する図で、音像定位処理方法により付加再生される間
接音を説明する図である。
【図2】本音像定位処理方法を実施するための再生シス
テムの構成図である。
【図3】音像定位処理方法(再生システム)における音
像定位位置を説明する図である。
【図4】付加される斜め方向からの間接音の基本的な位
置(方向)を説明する図である。
【図5】他の実施例を説明する再生システムの構成図で
ある。
【図6】他の実施例を説明する再生システムの構成図で
ある。
【図7】他の実施例を説明する再生システムの構成図で
ある。
【図8】他の実施例を説明する再生システムの構成図で
ある。
【符号の説明】
0〜15 音像定位位置 21 主音用音像定位回路 22 減衰回路(アッテネータ) 23a,23b 遅延回路 24a,24b レベル調整回路 25a,25b 間接音用音像定位回路 26R,26L 加算回路 27R,27L D/A変換部を含むアンプ 28 コントローラ(CPU) 29 サブコントローラ(CPU) 30 スイッチ 31 間接音用音像定位回路 32a 遅延回路 33a 加算回路 34a,34b レベル調整回路 M 聴取者 m 受聴位置の前後方向 N 主音の音像定位位置 SP1,SP2 スピーカ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】離間して配設された複数のトランスジュー
    サから音像定位処理された信号を再生して、聴取者に前
    記複数のトランスジューサとは異なる任意の位置に音像
    が定位しているように感じさせる音像定位処理方法であ
    って、 音像定位位置が正中面に近いほど、受聴位置の前後方向
    に対して非対称性が増長されるように可変された、斜め
    方向からの間接音を付加再生するようにしたことを特徴
    とする音像定位処理方法。
  2. 【請求項2】音像定位位置が前方である場合は、前方斜
    め方向からの間接音を付加再生すると共に、音像定位位
    置が後方である場合は、後方斜め方向からの間接音を付
    加再生するようにしたことを特徴とする請求項1に記載
    の音像定位制御方法。
  3. 【請求項3】音像定位位置が正中面に近い場合は、斜め
    方向からの間接音を1方向から付加再生し、音像定位位
    置が真横に近い場合は、斜め方向からの間接音を対称位
    置にある2方向から付加再生するようにしたことを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の音像定位制御方
    法。
  4. 【請求項4】音像定位位置が正中面に近い場合は、斜め
    方向からの間接音を1方向から付加再生し、音像定位位
    置が真横に近い場合は、斜め方向からの間接音を付加再
    生しないようにしたことを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の音像定位制御方法。
  5. 【請求項5】音像定位位置が斜め方向の場合は、斜め方
    向からの間接音を対称位置にある2方向から付加再生す
    るとともに、付加再生する間接音のレベルに差を持たせ
    るようにしたことを特徴とする請求項3に記載の音像定
    位制御方法。
  6. 【請求項6】斜め方向からの間接音を対称位置にある2
    方向から付加再生する時は、音像定位位置に近い位置の
    間接音のレベルを遠い位置の間接音のレベルよりもを低
    くしたことを特徴とする請求項5に記載の音像定位制御
    方法。
  7. 【請求項7】音像定位位置が正中面に近い位置から真横
    に近い位置になるにつれて、付加再生される間接音のレ
    ベルを低くするようにしたことを特徴とする請求項3に
    記載の音像定位制御方法。
  8. 【請求項8】複数個の間接音を同一方向から付加再生す
    るようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項7に記
    載の音像定位制御方法。
  9. 【請求項9】間接音は、音像定位処理される信号を遅延
    させたものであることを特徴とする請求項1〜請求項8
    に記載の音像定位制御方法。
  10. 【請求項10】離間して配設された複数のトランスジュ
    ーサから音像定位処理された信号を再生すると共に、音
    像定位処理される信号を遅延させて間接音(反射音また
    は残響音)として付加再生し、聴取者に前記複数のトラ
    ンスジューサとは異なる任意の位置に音像が定位してい
    るように感じさせる音像定位処理方法であって、 前記音像定位位置が正中面に近い場合は、斜め方向から
    の間接音を1方向から付加再生し、音像定位位置が真横
    に近い場合は、斜め方向からの間接音を対称位置にある
    2方向から付加再生し、音像定位位置が斜め方向の場合
    は、斜め方向からレベル差を持たせた間接音を対称位置
    にある2方向から付加再生し、かつ、 前記音像定位位置が前方である場合は、前記間接音は前
    方斜め方向から付加再生し、前記音像定位位置が後方で
    ある場合は、前記間接音は後方斜め方向から付加再生す
    るようにすると共に、 前記音像定位位置が正中面に近い位置から真横に近い位
    置になるにつれて、付加再生される間接音のレベルを低
    くして、斜め方向からの間接音を付加再生するようにし
    たことを特徴とする音像定位処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999035885A1 (fr) * 1998-01-08 1999-07-15 Sanyo Electric Co., Ltd. Dispositif de localisation d'images sonores
JP2012065264A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Denso Corp 立体音場生成装置

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