JPH07211418A - 接地抵抗低減剤および接地電極 - Google Patents

接地抵抗低減剤および接地電極

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JPH07211418A
JPH07211418A JP1595294A JP1595294A JPH07211418A JP H07211418 A JPH07211418 A JP H07211418A JP 1595294 A JP1595294 A JP 1595294A JP 1595294 A JP1595294 A JP 1595294A JP H07211418 A JPH07211418 A JP H07211418A
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JP
Japan
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reducing agent
conductive
resistance reducing
fiber
weight
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JP1595294A
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Inventor
Shinichiro Okada
慎一郎 岡田
Tatsuya Ito
龍哉 伊藤
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接地抵抗低減剤により、高い導電性を長期に
亘り維持するとともに、機械的強度を高める。 【構成】 接地抵抗低減剤は、カーボンブラックなどの
粉粒状導電性物質100重量部に対して、炭素繊維など
の導電性繊維0.01〜20重量部程度を含んでいる。
導電性繊維は、繊維長1〜50mm、アスペクト比10
〜10000程度であり、カールしていてもよい。接地
抵抗低減剤は、水硬性セメントなどの無機硬化性物質を
含んでいてもよい。無機硬化性物質に対する各成分の割
合は、無機硬化性物質100重量部に対して、導電性繊
維0.01〜20重量部、および粉粒状導電性物質20
〜500重量部程度である。接地抵抗低減剤により形成
された接地体は接地電極としても利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送電鉄塔、避雷針、電
力設備、通信設備などをアースする上で有用な接地抵抗
低減剤に関する。
【0002】
【従来の技術】送電鉄塔、避雷針などをアースするた
め、炭素粉末などの導電性物質と水硬性セメントとの混
合物を、接地電極の周囲に散布し、散水することにより
接地体を形成する方法が知られている。しかし、この方
法では、水硬性セメントの硬化に伴なって導電性が低下
する。また、導電性を高めるためには多量の導電性物質
を必要とする。
【0003】特開昭62−35479号公報には、蛇紋
岩などの導電性の高い石を粉砕した石粉と微粒子状のカ
ーボンとを混合した接地抵抗低減剤が提案されている。
また、特開平3−265556号公報には、(1)水硬
性セメント、(2)ベントナイトなどの保水剤としての
粘土鉱物、(3)高吸水性高分子、(4)炭素粉末など
の導電性物質、および(5)電解質溶液を吸着保持す
る、石灰石、ケイ石またはドロマイト粉末を特定の割合
で含む接地抵抗低減剤が提案されている。
【0004】しかし、これらの接地抵抗低減剤は、導電
性物質としてカーボン粉や粒状炭素を用いるので、導電
性が低い。すなわち、接地電極の導電性を高めるために
は多量の粉粒状導電性物質が必要であるものの、多量の
粉粒状導電性物質を用いると、接地抵電極の強度が低下
するとともに、粉粒状導電性物質が流出する虞がある。
また、カーボンブラックなどの粉粒状導電性物質は接触
抵抗が大きいため、接地電極の導電性を高めるには限度
がある。しかも、地中、特に地盤の弱い砂地や砂地層な
どに前記接地抵抗低減剤からなる接地電極を敷設または
埋設すると、地震、車両の走行に伴なう振動、不等沈下
などにより、接地電極にクラックが発生し、導電性がさ
らに低下する。
【0005】一方、機械的強度を高めるためには、接地
抵抗低減剤の全量に対して50重量%以上の水硬性セメ
ントを必要とするものの、水硬化性セメントの含有量を
多くすると、接地電極の導電性が低下する。従って、高
い導電性と機械的強度とを両立することが困難であり、
高い導電性を長期に亘り維持できなくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高い導電性を維持できる接地抵抗低減剤および接地
電極を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、高い導電性および機
械的強度を両立できる接地抵抗低減剤および接地電極を
提供することある。
【0008】本発明のさらに他の目的は、クラックの発
生を抑制できるとともに、万一クラックが生じても高い
導電性を長期に亘り維持できる接地抵抗低減剤および接
地電極を提供することある。
【0009】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するため
鋭意検討の結果、導電性繊維と粉粒状導電性物質とを組
合せたり、さらに無機硬化性物質を併用した組成物を用
いると、高い導電性を維持できるとともに、機械的強度
の大きな接地体が得られることを見いだし、本発明を完
成した。
【0010】すなわち、本発明の接地抵抗低減剤は、導
電性繊維と粉粒状導電性物質とを含んでいる。導電性繊
維の長さおよびアスペクト比は、高い導電性を維持でき
る範囲であればよく、例えば、導電性繊維の長さ1〜5
0mm程度、アスペクト比10〜10000程度であっ
てもよい。導電性繊維は、直毛状、フィブリル化又はカ
ールしていてもよい。導電性繊維は、導電性を有する種
々の繊維、例えば、炭素繊維などであってもよい。前記
接地抵抗低減剤は、さらに無機硬化性物質を含んでいて
もよい。
【0011】さらに、本発明の接地電極は、前記接地抵
抗低減剤で形成されている。
【0012】なお、本明細書においては、特に言及しな
い限り、接地体と接地電極を総称して「接地電極」とい
う。
【0013】前記導電性繊維としては、導電性の高い種
々の繊維、例えば、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス
スチール(SUS)などの金属繊維;導電性ウィスカ
ー;導電性有機繊維;ポリアクリロニトリル、フェノー
ル樹脂、コプナ樹脂、レーヨンなどの高分子、石油又は
石炭系ピッチなどの炭素繊維化可能な繊維を素材とする
炭素繊維などが挙げられる。これらの導電性繊維は、一
種又は二種以上使用できる。
【0014】このような導電性繊維を用いると、粉粒状
の導電性物質単独の場合とは異なり、少量であっても粉
粒状導電性物質を橋渡しし、高い導電性を確保できる。
また、粉粒状導電性物質との接触効率が高いので、粉粒
状導電性物質の流出も抑制できる。さらに、水硬性物質
と併用すると、接地抵抗低減剤で構成された接地体を補
強できるだけでなく、接地体にクラックやひび割れが生
じても、橋渡しする導電性繊維により導電性が低下しな
い。
【0015】これらの導電性繊維のうち、好ましい導電
性繊維には耐蝕性に優れる炭素繊維が含まれる。炭素繊
維は、炭素繊維化可能な繊維を、不活性ガス雰囲気又は
真空下、800〜1500℃程度の温度で焼成した炭化
繊維であってもよいが、導電性の高い黒鉛化繊維である
のが好ましい。黒鉛化繊維は、1500℃を越える温
度、例えば、2000〜3500℃、好ましくは250
0〜3500℃程度で焼成することにより得られる。な
お、黒鉛化繊維は、黒鉛の結晶構造を有していなくても
よい。
【0016】前記導電性繊維は、直毛状の繊維であって
もよいが、フィブリル化した繊維、特にカールした捲縮
繊維であるのが好ましい。フィブリル化した繊維や捲縮
した繊維を用いると、繊維同士の絡み合いにより導電性
繊維の接触割合だけでなく、粉粒状導電性物質との接触
割合を大きくでき、直毛状の繊維に比べて、導電性を著
しく高めることができる。
【0017】導電性繊維は短繊維として使用される場合
が多い。短繊維の長さは、伸長状態ではなく捲縮状態で
の長さを含めて導電性および混合分散性などを損わない
範囲で選択でき、例えば、1〜50mm、好ましくは2
〜40mm程度である。導電性繊維に長さが1mm未満
であると、高い導電性を付与できない場合があり、50
mmを越えると、均一な混合分散性が損われる場合があ
る。
【0018】導電性繊維のアスペクト比は、導電性およ
び混合分散性などを損わない範囲で選択でき、例えば、
10〜10000、好ましくは25〜5000、さらに
好ましくは50〜2500程度である。アスペクト比が
10未満では、導電性が低下し、10000を越えると
混合分散性が低下し易い。
【0019】なお、導電性繊維の素線径は、繊維の種類
に応じて、例えば、1μm〜0.5mm程度の範囲から
適当に選択できる。炭素繊維の素線径は、例えば、5〜
30μm、好ましくは7〜25μm程度である。
【0020】粉粒状導電性物質としては、導電性を有す
る種々の粉粒体、例えば、カーボンブラック(例えば、
ケッチェンブラック、アセチレンブラックなど)、黒鉛
などの炭素質粉粒体、銅、アルミニウム、銀などの金属
粉粒体などが含まれる。これらの導電性物質のうち、耐
蝕性の高い炭素質粉粒体を用いる場合が多い。
【0021】粉粒状導電性物質の粒度は、その種類によ
り大きく異なり、炭素質粉粒体のうちカーボンブラック
では、0.01〜10μm程度である場合が多く、他の
粉粒状導電性物質では、例えば、150メッシュ以下で
ある場合が多い。これらの粉粒状導電性物質は凝集して
いてもよい。これらの粉粒状導電性物質は、一種又は二
種以上使用できる。
【0022】接地抵抗低減剤において、前記導電性繊維
と粉粒状導電性物質との割合は、導電性などを損わない
範囲で適当に選択でき、例えば、粉粒状導電性物質10
0重量部に対して、導電性繊維0.01〜20重量部、
好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.
5〜5重量部程度である。導電性繊維の割合が0.01
重量部未満であると導電性および機械的強度がさほど向
上せず、20重量部を越えると導電性繊維の混合分散性
が低下し易い。
【0023】前記接地抵抗低減剤の強度を向上させるた
めには、無機硬化性物質を併用するのが有用である。無
機硬化性物質には、例えば、セッコウ;消石灰やドロマ
イトプラスターなどの石灰;水硬性物質が含まれる。水
硬性物質としては、セメント(例えば、ポルトランドセ
メント、早強ポルトランドセメント、アルミナセメン
ト、急硬高強度セメント、焼きセッコウなどの自硬性セ
メント;石灰スラグセメント、高炉セメント;混合セメ
ント)などの水硬性セメントが含まれる。無機硬化性物
質も一種又は二種以上使用できる。
【0024】好ましい無機硬化性物質には、例えば、セ
ッコウ、消石灰やドロマイトプラスター、水硬性セメン
トなどが含まれる。
【0025】このような無機硬化性物質を含有させる
と、前記導電性繊維の補強効果と相まって、無機硬化性
物質の硬化により、接地抵抗低減剤で構成された接地体
の強度をさらに向上できる。また、無機硬化性物質の硬
化に伴なって、通常、導電性が低下する場合が多いもの
の、前記導電性繊維と粉粒状導電性物質との接触効率が
高いので、無機硬化性物質が硬化しても、導電性の低下
を抑制できる。
【0026】無機硬化性物質に粉粒状導電性物質を添加
して接地抵抗低減剤とするためには、多量の粉粒状導電
性物質が必要となる。また、無機硬化性物質に導電性繊
維を添加して接地抵抗低減剤とするためには、導電性繊
維の添加量は、1〜5体積%程度の少量でよいものの、
導電性繊維は一般に高価である。
【0027】これに対して、無機硬化性物質に、導電性
繊維および粉粒状導電性物質を混合して接地抵抗低減剤
とすると、分散された粉粒状導電性物質を導電性繊維が
橋渡しし、導電性繊維が極めて少量であっても高い導電
性が発現する。
【0028】例えば、図1に示すように、セメントの硬
化物の体積固有抵抗は約106 Ω・cmであり、セメン
ト100重量部に導電性カーボンブラック100重量部
を添加して硬化させると、体積固有抵抗は2500Ω・
cm程度に低下する。また、図1の曲線Aに示すよう
に、セメント100重量部に炭化炭素繊維を0.1〜
0.77体積%程度添加すると、体積固有抵抗は900
〜40Ω・cm程度に低下する。これに対して、図1の
曲線Bに示すように、セメント100重量部に、導電性
カーボンブラック100重量部および炭化又は黒鉛化炭
素繊維0.1〜1重量部(0.08〜0.77体積%)
程度添加すると、体積固有抵抗を20〜2Ω・cm程度
に低下させることができ、極めて少量の導電性繊維によ
り、導電性を顕著に向上させることができる。
【0029】無機硬化性物質を含む組成物において、各
成分の割合は、導電性および機械的強度を損わない範囲
で選択でき、例えば、無機硬化性物質100重量部に対
して、導電性繊維0.01〜20重量部(好ましくは
0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量
部)、および粉粒状導電性物質20〜500重量部(好
ましくは30〜400重量部、さらに好ましくは50〜
300重量部)程度である。導電性繊維の割合が0.0
1重量部未満であると接地抵抗低減剤の導電性及び機械
的強度が低下し、20重量部を越えると導電性繊維の均
一な分散性が低下し易い。また、粉粒状導電性物質の割
合が20重量部未満であると接地電極の導電性が低下し
易く、500重量部を越えると機械的強度が低下し易
い。
【0030】なお、接地抵抗低減剤は、前記無機硬化性
物質に代えて、又は無機硬化性物質とともに、水分を適
度に保持して高い導電性を維持するため、保水性を有す
る吸湿性物質を含んでいてもよい。吸湿性物質として
は、例えば、澱粉系ポリマー、セルロース系ポリマー、
アクリル酸系ポリマー、メタクリル酸系ポリマー、マレ
イン酸系ポリマー、イソブチレン無水マレイン酸共重合
体などの高吸水性樹脂;活性炭、酸性白土、活性白土、
活性アルミナ、酸化チタン、粘土鉱物(例えば、カオリ
ン、ベントナイト、ケイソウ土、木節粘土、ガイロメ粘
土など)、ゼオライト、パーライト、バーミキュライ
ト、シラスバルーン、焼成カオリン、ケイ酸マグネシウ
ムなどの吸湿性を有する多孔質無機物質が挙げられる。
これらの吸湿性物質は一種又は二種以上使用できる。
【0031】好ましい吸湿性物質には、高い吸湿性や、
保水能を有する高吸湿性物質、例えば、ケイソウ土、ゼ
オライト、ベントナイトなどの多孔質無機物質や粘土鉱
物、特に粘土鉱物が含まれる。
【0032】接地抵抗低減剤は、補強繊維(例えば、ガ
ラス繊維;アルミニウムシリケート質繊維、アルミナ質
繊維、炭化ケイ素繊維などのセラミック繊維;ポリエチ
レン繊維、ポリプロピレン繊維、セルロース繊維、レー
ヨン繊維、アセテート繊維、ナイロン繊維、ポリエステ
ル繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維(ビニロン繊
維)、ポリエーテルスルホン繊維、芳香族ポリアミド繊
維(アラミド繊維など)などの高分子繊維)を添加して
もよい。
【0033】また、接地抵抗低減剤に対して、砂、ケイ
砂、パーライトなどの骨材を添加してもよい。また、接
地抵抗低減剤は、着色剤、硬化剤、有機酸塩、無機酸塩
などの凝結遅延剤、塩化カルシウムなどの硬化促進剤、
ナフタレンスルホン酸ナトリウムなどの減水剤、凝固
剤、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
ポリビニルアルコールなどの増粘剤、発泡剤、合成樹脂
エマルジョンなどの防水剤、可塑剤などの種々の添加剤
を含んでいてもよい。
【0034】本発明の接地抵抗低減剤は水と混練した混
練物(モルタル)として、銅、アルミニウムなどの導電
性線材で構成された接地電極の周囲に散布、打設などの
方法により、接地体を形成し、接地電極をアースするこ
とができる。また、前記混練物を接地電極が配された地
中の穿設孔に注入することにより、接地体とともに接地
電極をアースしてもよい。また、無機硬化性物質を含む
場合には、水との混練物とすることなく、接地抵抗低減
剤を接地電極の周囲に配したり、接地電極が配された穿
設穴に注入し、散水や土壌中の水分により硬化させ、接
地体を形成してもよい。
【0035】さらに、前記のように本発明の接地抵抗低
減剤は、導電性の低下を抑制できる導電性繊維を含んで
いるため、接地体に止まらず接地電極自体とすることも
可能である。特に、前記無機硬化性物質を含む接地抵抗
低減剤は、接地電極を形成する上で有用である。この場
合には、前記接地抵抗低減剤と水との混合物からなる流
動性組成物またはモルタルを、地中の穴(例えば、直径
10cm,深さ5mなどの穴)に注入し、固化させるこ
とにより接地電極を形成できる。前記混練物などにおけ
る水の割合は、打設又は注入可能な流動性組成物が得ら
れる範囲で適当に選択できる。
【0036】接地抵抗低減剤で形成された接地体や接地
電極の断面形状は、多角形状、楕円状、円状などのいず
れであってもよく、特に制限されない。また、接地体や
接地電極の形状は、地盤の強度などに応じて選択でき、
例えば、砂地や砂地層、湿地帯などのように地盤の弱い
箇所では柱状の接地電極であってもよく、プレート状、
ブロック状などの接地電極であってもよい。なお、本発
明の接地抵抗低減剤で形成された接地体や接地電極、特
に無機硬化性物質を含む接地体や接地電極は、地震、車
両の走行に伴なう振動、不等沈下などにより、敷設また
は埋設した接地電極に応力が作用しても、クラックやひ
び割れの発生、導電性の低下を顕著に抑制できる。
【0037】
【発明の効果】本発明の接地抵抗低減剤および接地電極
は、導電性繊維および粉粒状導電性物質を含むので、高
い導電性を長期に亘り維持できる。また、無機硬化性物
質を含む場合には、接地体や接地電極の機械的強度を高
めることができる。高い導電性および機械的強度を両立
できる。また、導電性物質が繊維状であるため、クラッ
クの発生を抑制できるとともに、万一クラックが生じて
も高い導電性を長期に亘り維持できる。
【0038】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0039】実施例1 炭素粉末およびセメントを含む市販の接地抵抗低減剤
(大阪ヒューズ(株)製、パーコム)100重量部に、
捲縮したピッチ系炭化炭素繊維(素繊径18μm、捲縮
状態での繊維長25mm)1重量部および水90重量部
を添加して混合し、得られた混練物を型枠(4cm×4
cm×16cm)に打設し、23℃、相対湿度50%で
3週間に亘り養生して硬化し、供試体を作製した。
【0040】実施例2 炭化炭素繊維の添加量を0.1重量部とする以外、実施
例1と同様にして、供試体を作製した。
【0041】実施例3 炭化した炭素繊維に代えて、黒鉛化炭素繊維(素繊径1
8μm、捲縮状態での繊維長25mm)を用いる以外、
実施例1と同様にして、供試体を作製した。
【0042】実施例4 捲縮した炭素繊維に代えて、直毛状のピッチ系炭化炭素
繊維(素繊径18μm、繊維長25mm)を用いる以
外、実施例1と同様にして供試体を作製した。
【0043】比較例1 炭素繊維を添加することなく、実施例1と同様にして供
試体を作製した。
【0044】実施例5 普通ポルトランドセメント100重量部に対して、導電
性カーボンブラック100重量部、捲縮したピッチ系炭
化炭素繊維(素繊径18μm、捲縮状態での繊維長25
mm)1重量部、および水60重量部を添加して混合し
た。得られたセメントモルタルを型枠(4cm×4cm
×16cm)に打設し、23℃、相対湿度50%で3週
間に亘り養生し、供試体を作製した。
【0045】実施例6 普通ポルトランドセメント100重量部に対して、ケッ
チェンブラック100重量部、実施例1で用いた炭素繊
維1重量部、および水60重量部を用いる以外、実施例
5と同様にして供試体を作製した。
【0046】実施例7 炭素繊維として、捲縮状態での繊維長5mmのピッチ系
炭化炭素繊維(素繊径18μm)を用いる以外、実施例
5と同様にして、供試体を作製した。
【0047】実施例8 銅繊維(素繊径90μm、繊維長3mm)10重量部を
さらに添加する以外、実施例5と同様にして供試体を作
製した。
【0048】比較例2 炭化炭素繊維1重量部を添加することなく、実施例5と
同様にして、供試体を作製した。
【0049】比較例3 導電性カーボンブラック100重量部を添加することな
く、実施例5と同様にして、供試体を作製した。なお、
炭素繊維の体積含有率を同じくするため、炭化炭素繊維
の添加量は0.4重量部(繊維の体積%Vf=0.77
%)とした。
【0050】比較例4 市販の接地抵抗低減剤(サンコー社製、マルコサイトM
5)100重量部に水90重量部を添加して混練し、得
られた混練物を型枠(4cm×4cm×16cm)に打
設し、23℃、相対湿度50%で3週間に亘り養生し、
供試体を作製した。
【0051】そして、前記実施例および比較例で得られ
た供試体の両端部に導電性接着剤(ドータイト)を塗布
し、テスターを用いて電気抵抗を測定した。また、3点
曲げ試験により、供試体の曲げ強度を測定した。結果を
表に示す。
【0052】
【表1】 表より明らかなように、実施例の供試体は、比較例の供
試体に比べて、電気抵抗値が極めて小さいだけでなく、
強度が大きい。
【0053】実施例9 普通ポルトランドセメント100重量部に対して、導電
性カーボンブラック100重量部、捲縮したピッチ系炭
化炭素繊維(素繊径18μm、捲縮状態での繊維長25
mm)0.1〜1重量部(0.08〜0.77体積%)
を添加する以外、実施例5と同様にして、供試体を作製
した。
【0054】比較例5 導電性カーボンブラックを添加することなく、普通ポル
トランドセメント100重量部に対して、捲縮したピッ
チ系炭化炭素繊維(素繊径18μm、捲縮状態での繊維
長25mm)0.05〜0.4重量部(0.1〜0.7
7体積%)を添加する以外、実施例5と同様にして、供
試体を作製した。
【0055】そして、実施例9および比較例5で得られ
た供試体の体積固有抵抗値を測定したところ、図1に示
す結果を得た。なお、参考までに、比較例2で得られた
供試体の体積固有抵抗値も示す。
【0056】図1より明らかなように、セメントと粉粒
状導電性物質とで構成された比較例2の供試体、セメン
トと導電性繊維とで構成された比較例5の供試体に比べ
て、実施例9の供試体は、セメントおよび粉粒状物質に
少量の導電性繊維を添加するだけで、電気抵抗が大きく
低下し、粉粒状導電性物質と導電性繊維により、導電性
が相乗的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例9および比較例5における導電性
繊維の添加量と体積固有抵抗値との関係を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01R 4/66 A //(C04B 28/00 14:36 14:38) A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性繊維と、粉粒状導電性物質とを含
    む接地抵抗低減剤。
  2. 【請求項2】 導電性繊維の長さが1〜50mmである
    請求項1記載の接地抵抗低減剤。
  3. 【請求項3】 導電性繊維のアスペクト比が10〜10
    000である請求項1記載の接地抵抗低減剤。
  4. 【請求項4】 導電性繊維が、カールしている請求項1
    記載の接地抵抗低減剤。
  5. 【請求項5】 導電性繊維が、炭素繊維である請求項1
    記載の接地抵抗低減剤。
  6. 【請求項6】 粉粒状導電性物質100重量部に対し
    て、導電性繊維0.01〜20重量部を含む請求項1記
    載の接地抵抗低減剤。
  7. 【請求項7】 さらに、無機硬化性物質を含む請求項1
    記載の接地抵抗低減剤。
  8. 【請求項8】 無機硬化性物質100重量部に対して、
    導電性繊維0.01〜20重量部、および粉粒状導電性
    物質20〜500重量部を含む請求項7記載の接地抵抗
    低減剤。
  9. 【請求項9】 請求項1又は6に記載の接地抵抗低減剤
    で形成された接地電極。
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