JPH07209680A - 光波長変換素子及びその製造方法並びにレーザユニット - Google Patents

光波長変換素子及びその製造方法並びにレーザユニット

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JPH07209680A
JPH07209680A JP6004319A JP431994A JPH07209680A JP H07209680 A JPH07209680 A JP H07209680A JP 6004319 A JP6004319 A JP 6004319A JP 431994 A JP431994 A JP 431994A JP H07209680 A JPH07209680 A JP H07209680A
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core
harmonic
clad
light
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JP6004319A
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Kozaburo Yano
光三郎 矢野
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導波路型SHG素子の外側に高効率化とクラ
ッド保護のために新たに第3層を設け、SHG素子の発
熱による劣化及び効率の低下を防ぐ。 【構成】 コア1とクラッド2の2層からなるガラスフ
ァイバに第3層として金属薄膜3を設ける。コア1内に
結合された基本波5は、屈折率の高いコア1内に閉じ込
められて伝播し、コア1の非線形材料との相互作用によ
り発生した第2高調波4は、コア1とクラッド2の相互
の屈折率で決まるある角度でクラッド2の内部に放射さ
れる。放射された第2高調波は、クラッド2と金属薄膜
3の界面にて全反射を繰り返しながら進行し、出射端面
より散乱あるいは吸収等による減衰なく効率よく取り出
される。これにより、クラッド層と空気層との界面の付
着物や析出物による散乱や吸収による伝播損失を防ぐこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光波長変換素子及びそ
の製造方法並びにレーザユニットに関し、より詳細に
は、光ディスクやレーザプリンタ等、光を応用した民生
用機器あるいは業務用機器に使用できるレーザ光源及び
波長多重記録システム等に用いることのできる光波長変
換素子及びその製造方法並びにレーザユニットに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスク,コンパクトディスク,レー
ザディスクあるいは光磁気ディスク等のピックアップ用
光源として、従来、主に赤から赤外(650nm〜830nm)の
波長の半導体レーザを使用しているが、記録容量の向上
を図るため、さらに短波長のレーザを光源として用いる
ための検討が現在進められている。一つは、直接青色発
振が可能なII−VI族化合物半導体レーザであり、また、
一方では、既存の半導体レーザを用いて第2高調波発生
(SHG)素子により、その半分の波長のレーザ光を得
ようとするものである。
【0003】特に、SHG素子を用いた短波長光源は、
その実用性から現在盛んに研究開発が進められている。
SHG素子では、高効率波長変換を実現するための一つ
の方法として、位相整合距離を長く取ること、及び基本
波の閉じ込め効率を高くすることが重要である。このた
め、従来から導波路型の波長変換素子による検討がなさ
れてきている。加えて、導波路型の光波長変換素子にお
いて、伝播損失を少なくし、高効率化を図る試みもなさ
れている。
【0004】例えば、特開昭62−262835号公報
に記載の「光導波路形波長変換素子」は、中心部に光高
調波発生効率の高い物質で形成されたコアが形成され、
その外側に中心部より屈折率が低く、かつ高調波光に光
透過性を有する物質で形成された第2層が設けられ、そ
の外側に第2層よりも屈折率が低く、高調波光に光透過
性を有する物質で形成された第3層が設けられたもので
ある。
【0005】この公報において、前記第2層と前記第3
層は、各々の材料のドーピングにより屈折率差を設けて
作製し、さらにその外側に耐候性に優れたポリマー等に
より被覆することにより、光閉じ込め効率を高くし、か
つ耐環境性の改善を図ろうとしているが、素子の構造が
複雑であること、SHG素子の作製方法が繁雑であるこ
とから、コスト的に問題があった。
【0006】また、SHG素子では、用いる光学材料の
非線形性を利用することから、その位相整合において基
本波と第2高調波の位相速度を合わせる必要があり、特
に光記録のような民生用システムに応用する際には、動
作補償温度範囲が、例えば−十数℃から数十℃と広範囲
に亘り、このような素子外部の温度変化に伴う材料の屈
折率変化を極力抑えるための技術が必要不可欠であり、
このことがSHG素子の実用化を妨げる一つの要因とな
っていた。このため、SHGレーザユニットに温度制御
用の素子を取り付ける試みがなされている。
【0007】例えば、特開平2−110436号公報に
記載の「光波長変換素子」は、非線形光学材料のコアが
それよりも低屈折率のクラッド内に充填されてなるファ
イバであって、コアに入射された基本波を波長変換して
クラッド中に放射する光波長変換素子において、素子温
度を調節する温度調節手段を設けたものである。
【0008】この公報のものは、ファイバチェレンコフ
型のSHGユニットに限定し、そのユニット中の半導体
レーザ並びにファイバ素子各々にペルチェ素子等の温度
制御用素子を取り付け、その各々の構成部品を温度制御
することにより、放射されるSHG光の放射角を制御し
ようとするものであるが、温度制御素子が最低2個必要
であること、また、温度制御用駆動回路が複雑かつ大型
化すること等により、コスト的に問題があった。加え
て、ファイバ型への適用しかできないといった問題があ
った。さらに、波長多重記録システムに応用しようとし
た場合、上述の問題点に加えて異なる発振波長を有する
レーザ光源が多数個必要となり、それらのアライメント
やコスト的な問題により実現が困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】光記録システムの記録
密度の向上には、上述のようにSHG素子を光源として
用いることにより対応可能であるが、SHG素子の高効
率化が重要である。そのため、上記従来技術に記載のよ
うな工夫が試みられているが、コストや性能的に実用可
能な素子にするには、コアとクラッドとの2層からなる
導波路型波長変換素子の改善を行う必要がある。具体的
には、2層構造のSHG素子では、クラッドと空気との
界面に、空気中のゴミや油分あるいは水分等が付着して
いると、その部分においてクラッドを伝播してきた第2
高調波が散乱,吸収され、損失や吸収発熱による素子の
劣化の要因となる。
【0010】また、付着物による問題だけではなく、一
般にクラッド材は石英系のガラス材で構成されることが
多いが、その場合、空気中の水分が原因でクラッドガラ
ス中のアルカリ成分が空気やクラッド界面に浮いてきた
りすることが多々ある。このアルカリ成分の析出によ
り、その部分でやはり散乱されたり吸収されたりするこ
とが考えられ、素子そのものの高効率化の妨げになって
いた。また、これを改善するための素子構造が前述の通
り複雑であり、製造方法やコストの両面において実現す
ることが困難であった。
【0011】また、光記録システムの記録密度の向上に
は、上述のようにSHG素子を光源として用いることに
より対応可能であるが、実用可能なシステムにする際に
は、システム周辺の温度変化の影響を受けないようにす
ること、種々のタイプのSHG素子にも対応可能とする
こと、並びにコスト的には使用する温度制御素子を可能
な限り少なくし、また、温度制御用駆動回路を単純かつ
小型化することが重要であり、従来のSHGレーザユニ
ットではこれが困難であった。また、さらに記録密度向
上のため、波長多重記録を行おうとした場合は、400nm
〜500nmの短波長領域で、かつ一個の光源で任意の発振
波長を得ることは現状では困難である。
【0012】本発明は、このように実情に鑑みてなされ
たもので、導波路型波長変換素子の外側に高効率化とク
ラッドの保護のために新たに第3層を設け、第2高調波
発生素子の発熱による劣化及び効率の低下を防ぐこと、
また、第2高調波発生素子と温度制御素子を一体化し、
発振波長及び強度を安定化するようにした光波長変換素
子及びその製造方法並びにレーザユニットを提供するこ
とを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、(1)レーザ光の波長を半分にする第2
高調波発生素子において、中心部に第2高調波発生効率
の高い物質で形成された第1層であるコアと、該コアの
周辺に該コアより屈折率が低く、かつ第2高調波光の光
透過性のよい物質で形成された第2層であるクラッド層
と、該クラッド層の外側に第2高調波に対する反射率の
高い物質で形成された第3層とが設けられていること、
更には、(2)前記第2層の保護層として耐環境性に優
れ、かつ前記第1層及び前記第2層における発熱による
素子の劣化を防止するために、前記第3層として熱伝導
性のよい金属薄膜を使用すること、或いは、(3)ファ
イバの両端面に接着剤を塗布して前記両端面を封止する
工程と、前記ファイバを軸方向に回転させながら前記フ
ァイバの外側に第2高調波に対する反射率の高い物質を
形成して薄膜を製膜する工程と、前記ファイバの両端面
を切断する工程とから成ること、或いは、(4)レーザ
光の波長を半分にする第2高調波発生素子を用いるレー
ザユニットにおいて、前記第2高調波発生素子と温度制
御用素子とを一体にして用いること、更には、(5)前
記(4)において、制御温度を変化させることにより、
第2高調波素子より出射されるレーザ光の波長を任意に
変えることができること、或いは、(6)基本波である
光を出射する半導体レーザと、該半導体レーザからの光
がレンズ系を介して端面に結合される有機コアファイバ
と、該有機コアファイバで発生した第2次高調波から基
本波を除去するフィルタと、前記各構成要素を収納する
筐枠と、該筐枠の一部に設けられた温度制御用素子とか
ら成ること、或いは、(7)半導体レーザと、該半導体
レーザからの光を導入して、基本波を発生する共振器
と、該共振器からの光を第2高調波に変換する非線形光
学結晶と、前記各構成要素を収納する筐枠と、該筐枠の
一部に設けられた温度制御用素子とから成ることを特徴
としたものである。
【0014】
【作用】第2高調波発生(SHG)レーザユニットの特
徴としては、400nm代の波長のレーザ光を容易に得られ
ることがあげられる。しかしながら、高効率化(ハイパ
ワー化)を達成するためには、前述のような問題点があ
る。本発明では、これらの課題を解決するために、第2
層のクラッド層の外側にアルミニウムや銀等の第2高調
波に対する反射率の高い金属薄膜を第3層として製膜取
り付けることに着目をしている。該第3層により、コア
から発生した第2高調波は、クラッド内を第2層と第3
層の界面で全反射を繰り返しながら伝播し、有効に素子
の出射端面から取り出すことが可能となる。また、第3
層を設けることにより、従来のクラッド空気界面でのゴ
ミや油分あるいは水分等の付着を防ぐことが可能とな
り、その付着物により散乱や吸収による効率の低下を防
ぐことが可能となる。さらに、金属製の第3層は、第2
層であるクラッドの保護膜としての作用も期待でき、空
気中の水分によるクラッドガラス中のアルカリ成分の析
出を抑えることが可能となり、それによって同様にクラ
ッド空気界面での散乱や吸収の防止につながる。
【0015】また、上述のような吸収が起こると、その
部分で素子が発熱し、屈折率が変化し、効率が低下する
だけでなく、素子そのものの劣化の要因にもなるが、金
属という非常に熱伝導性の高い物質を第3層に用いるこ
とで、仮に吸収による発熱が生じたとしても、その放熱
作用が期待でき、素子の長寿命化,高信頼性が可能とな
る。一方、本発明の素子の製造は、従来の電子デバイス
あるいは光学デバイスに用いられている製膜技術をほと
んどそのまま利用できることから、繁雑な製造プロセス
が不要であり、素子の製造コストを低減させることが可
能である。また、光波長多重記録では、精度良く波長を
変化させることが必要であり、従来では、必要な波長の
レーザをそれぞれ用意し、各々個別に駆動するようにし
て検討されてきたが、本発明によれば、一つの光源及び
駆動回路で実現することが可能である。
【0016】また、光ディスクや光磁気ディスクに代表
される光記録システムの記録密度を向上させるために
は、超解像を利用するなど、システムサイドでの改良も
さることながら、光源に従来よりも短波長のレーザを用
いることが有用である。さらに、本発明によれば、高効
率化や耐環境性の向上とともに、製造方法の簡略化によ
るコスト低減が可能である。また、温度制御素子と一体
にすることにより、発振波長及び発振強度を安定化させ
ることができ、記録密度の向上とともに、記録雑音特性
(C/N)も低減することが可能である。
【0017】また、第2高調波発生(SHG)レーザユ
ニットの特徴としては、400nm代の波長のレーザ光を容
易に得られることであり、さらに温度制御一体型とする
ことにより、同一波長で出力強度を安定させることがで
きることである。また、逆に制御温度を変化させること
により、10nm程度の波長範囲で任意の波長のレーザ光
を得ることも可能である。
【0018】
【実施例】実施例について、図面を参照して以下に説明
する。図1(a),(b)は、本発明によるファイバ導
波路型光波長変換素子の一実施例を説明するための構成
図で、図(a)は断面図、図(b)は側面図である。図
中、1はコア(第1層)、2はクラッド(第2層)、3
は金属薄膜(第3層)、4は第2高調波、5は基本波で
ある。
【0019】コア1とクラッド2の2層からなるガラス
ファイバに、第3層として金属薄膜3を設けたものであ
る。コア1内に結合された基本波5は、屈折率の高いコ
ア1内に閉じ込められて伝播し、コア1の非線形材料と
の相互作用により発生した第2高調波4は、コア1とク
ラッド2の相互の屈折率で決まるある角度でクラッド2
の内部に放射される。放射された第2高調波は、クラッ
ド層2と金属薄膜層3の界面にて全反射を繰り返しなが
ら進行し、出射端面より散乱あるいは吸収等による減衰
なく効率よく取り出される。
【0020】本実施例では、クラッドガラスにFD11
(米国ショット社の重フリント系ガラス),コア材料に
3,5−ジメチル−1−(4−ニトロフェニル)ピラゾ
ール(PRA),コア径:1.4μm,外径:1mmのファ
イバ導波路型の第2高調波発生(SHG)素子を用い
た。また、金属薄膜としてはアルミニウムを用いた。
【0021】図2(a)〜(c)は、本発明によるSH
G(Second Harmonic Generation:第2高調波発生)素
子の製造工程を示す図で、図中、6はエポキシ樹脂で、
その他、図1と同じ作用をする部分は同一の符号を付し
てある。まず、図2(a)に示す工程において、FD1
1をクラッドガラスとする中空キャピラリ内に、コア材
料である3,5−ジメチル−1−(4−ニトロフェニ
ル)ピラゾールを充填,結晶化したファイバを用意し、
該ファイバの両端面にエポキシ樹脂6等の接着剤を塗布
し、端面を封止する。これは、第3層を製膜する際に真
空蒸着法を用いることから、両端面からのコア材料の昇
華によるダメージを防ぐためである。
【0022】次に、図2(b)に示す工程において、フ
ァイバのサンプル部分が冷却できるようにした真空蒸着
装置内にファイバサンプルをセッティングし、かつ該フ
ァイバサンプルを軸方向に回転させながら、抵抗加熱に
よりアルミニウム3を第2層であるクラッドガラス2の
外側に製膜する。この時、サンプル側は必ず冷却できる
機構を設けておくことが重要である。次に、図2(c)
に示す工程において、製膜を終えたファイバサンプル
は、エポキシ樹脂6等で封止された両端面をダイシング
ソーにて切断することにより、本発明によるSHG素子
は作ることができる。
【0023】なお、本実施例で用いたコア材料は、3,
5−ジメチル−1−(4−ニトロフェニル)ピラゾール
に限らず、MNA(ジメチルニトロアニリン),DAN
(4−(N,N−dimethylamino)−3−acetoamindonitro
benzene)といった他の有機非線形物質を用いても、同
様の効果が得られる。また、クラッド材料については、
コア材料よりも屈折率の低い材料であればよく、本実施
例にて使用した材料に限るものではない。また、第3層
である金属薄膜についても、クラッド内を伝播する第2
高調波を効率よく反射でき得るものであればよく、例え
ば、材料としてアルミニウムの替わりに銀を使用しても
構わない。さらに、金属薄膜の替わりに誘電体多層膜や
単層膜のように、選択的に反射が生じる物質を使用して
も構わない。仮に、誘電体膜を第3層として用いる場合
でも、図2(a)〜(c)に示した製造方法は変わらな
い。
【0024】図3は、本発明によるSHG素子としてフ
ァイバチェレンコフ放射型を用いた場合の温度制御一体
型のレーザユニットの構成図で、図中、11は半導体レ
ーザ、12はコリメータレンズ、13はフォーカシング
レンズ、14は有機コアファイバ、15は円錐プリズ
ム、16はIR(赤外)カットファルタ、17は筐枠、
18はペルチェ素子、19は半導体レーザ駆動用ピン、
20は温度制御用ペルチェ素子駆動用ピン、21は光、
22は第2次高調波である。
【0025】筐枠17内には、半導体レーザ11とコリ
メータレンズ12とフォーカシングレンズ13と有機コ
アファイバ14と円錐プリズム15とIRカットフィル
タ16とが格納されている。基本波である半導体レーザ
11の光21(波長:880nm,出力:100mW)は、コリメ
ータレンズ12とフォーカシングレンズ13を通り、S
HG素子である有機コアファイバ14の端面に結合され
る。本実施例では、クラッドガラスにSF11(HOY
A製,FD11のPbが含まれていないもので、FD1
1と光学的屈折率特性が同等),コア材料に3,5−ジ
メチル−1−(4−ニトロフェニル)ピラゾール,コア
径:1.4μm,外径:1mmのSHG素子を用いた。
【0026】発生した2次高調波22は、円錐プリズム
15でコリメートされ、本発明のレーザユニットから出
射される。この時、有機コアファイバ14の出射端から
第2高調波とともに出射されてくる基本波は、IRカッ
トフィルタ16で吸収され、本レーザユニットからは必
要な第2高調波だけが取り出されることになる。また、
本発明のレーザユニットは、アルミニウム製の筐枠17
で覆われ、かつ該筐枠17の一部に温度制御用のペルチ
ェ素子18を設けた。
【0027】このような構成で、本発明の温度制御一体
型のSHGレーザユニットが組み込まれたピックアップ
を光ディスク装置に組み込み、記録再生を行ったとこ
ろ、従来の半導体レーザ(780nm)で書込んだ場合に比
べて、およそ4倍の情報を書込むことができた。また、
第2高調波出力の安定性を評価するため、光スペクトラ
ムアナライザにて出力波長や出力強度特性を観察したと
ころ、波長,及び強度ともにふらつきはなく、安定であ
ることが分った。また、制御温度による発振波長のシフ
ト量を測定したところ、室温20℃を基準に±30℃の
変化量に対して、波長を±10nm、合計で20nmの発振
波長変化量を得ることができた。
【0028】図4は、本発明によるSHG素子として内
部共振器型を用いた場合の温度制御一体型のレーザユニ
ットの構成図で、図中、31は半導体レーザ、32は固
体レーザ媒質、33は非線形光学結晶、34は誘電体ミ
ラー、35は出力ミラー、36は筐枠、37はペルチェ
素子、38は半導体レーザ駆動用ピン、39は温度制御
用ペルチェ素子駆動用ピン、40はレーザ光、41は第
2高調波である。
【0029】筐枠36内には、半導体レーザ31と誘電
体ミラー34と固体レーザ媒質32と非線形光学結晶3
3と出力ミラー35とが設けられている。半導体レーザ
31の光(波長:809nm)は、誘電体ミラー34(809n
m:AR(Antireflection :減反射)コート,1064nm:
HR(High Reflection :高反射)コートを通り、共振
器内部に導入される。導入された809nmのレーザ光によ
って、固体レーザ媒質32(本実施例ではNd:YVO4
を用いた)の吸収励起により、波長1064nmのレーザ光4
0が発生する。該レーザ光が基本波となり、非線形光学
結晶33(本実施例では、KTP結晶を用いた)を通っ
て第2高調波に変換され、出力ミラー35(1064nm:H
Rコート,532nm:ARコート)を通って素子の外部へ
出力される。図3に示す実施例と同様、本発明のレーザ
ユニットもアルミニウム製の筐枠36で覆われ、かつ該
筐枠の一部に温度制御用のペルチェ素子37を設けた。
【0030】このような構成で、図3に示す実施例と同
様に、本発明の温度制御一体型のSHGレーザユニット
が組み込まれたピックアップを光ディスク装置に組み込
み、記録再生を行ったところ、従来の半導体レーザ(78
0nm)で書込んだ場合に比べて、およそ2.5倍の情報を
書込むことができた。また、第2高調波出力の安定性を
評価するため、光スペクトラムアナライザにて出力波長
や出力強度特性を観察したところ、波長、及び強度とも
にふらつきはなく、安定であることが分った。その理由
は、温度を制御することにより、固体レーザ媒質の温度
上昇を防ぎ、また、吸収による発熱のため、発生する熱
レンズ効果を抑えることができたためである。ただし、
共振器型を用いた図中に示すレーザユニットでは、固体
レーザ媒質の吸収による基本波の発生を利用しているた
め、図3に示す実施例のごとく、発生する第2高調波の
波長を可変する用い方はできない。
【0031】以上の実施例において、SHG素子にファ
イバチェレンコフ型と内部共振器型を用いたが、SHG
素子であれば、いずれの構造であってもよく、例えば、
3次元光導波路チェレンコフ放射型SHG素子,バルク
位相整合型SHG素子,QPM(Quasi Phase Machin
g)型SHG素子などのいずれの素子でも同じ機能とな
ることは明白である。さらに、和周波発生素子や差周波
発生素子を初めとした非線形光学素子であっても、同様
の結果が得られることは明白である。また、例として掲
げた光学系の配置や構造などに限定されることはなく、
基本構成として一次光源,入射光学系,SHG素子,ビ
ーム整形光学系,温度制御素子に当る部品により構成さ
れ、所定の機能を有するように組み込まれた光学系を有
していれば良い。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、以下のような効果がある。 (1)本発明の光波長変換素子は、クラッド層と空気層
との界面の付着物や析出物による散乱や吸収による伝播
損失を防ぎ、また、金属薄膜を第3層として用いた場合
は、それ自身の熱伝導性により、SHG素子の発熱によ
る劣化並びに効率の低下を防ぐ効果が期待できる。ま
た、さらに被覆を施さなくとも、耐環境性向上のための
効果が期待でき、素子の長寿命化が可能となり、信頼性
の高い短波長レーザ光源として光システムへの応用が可
能となる。さらに、本発明によるSHG素子の製造方法
は、従来の電子デバイスや光デバイスのプロセスが応用
できることから、低コストで作ることができ、本発明の
もたらす経済効果は大きい。 (2)本発明の温度制御一体型のSHGレーザユニット
は、従来の素子に比べて、ある一定の温度あるいは任意
の温度に調節して用いることができるため、出力波長及
び強度の安定性に優れ、また、逆に制御温度を変化させ
ることにより、任意の波長が必要なシステムにも用いる
ことができる特徴を有する。また、温度制御一体型とし
たことにより、温度制御用素子並びに駆動回路を一対で
使用することが可能となり、小型軽量で耐環境性に優
れ、集光径の小さいピックアップ素子を従来に比較して
低コストで作製することが可能となる。また、このピッ
クアップを用いることにより、小型軽量で記憶容量の大
きい光ディスク装置の実現が可能である。さらに、将
来、波長多重記録などへの応用展開も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるファイバ導波路型光波長変換素
子の一実施例を説明するための構成図である。
【図2】 本発明によるSHG素子の製造工程を示す図
である。
【図3】 本発明によるSHG素子としてファイバチェ
レンコフ放射型を用いた場合の温度制御一体型のレーザ
ユニットの構成図である。
【図4】 本発明によるSHG素子として内部共振器型
を用いた場合の温度制御一体型のレーザユニットの構成
図である。
【符号の説明】
1…コア、2…クラッド、3…金属薄膜、4…第2高調
波、5…基本波、6…接着剤。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光の波長を半分にする第2高調波
    発生素子において、中心部に第2高調波発生効率の高い
    物質で形成された第1層であるコアと、該コアの周辺に
    該コアより屈折率が低く、かつ第2高調波光の光透過性
    のよい物質で形成された第2層であるクラッド層と、該
    クラッド層の外側に第2高調波に対する反射率の高い物
    質で形成された第3層とが設けられていることを特徴と
    する光波長変換素子。
  2. 【請求項2】 前記第2層の保護層として耐環境性に優
    れ、かつ前記第1層及び前記第2層における発熱による
    素子の劣化を防止するために、前記第3層として熱伝導
    性のよい金属薄膜を使用することを特徴とする請求項1
    記載の光波長変換素子。
  3. 【請求項3】 ファイバの両端面に接着剤を塗布して前
    記両端面を封止する工程と、前記ファイバを軸方向に回
    転させながら前記ファイバの外側に第2高調波に対する
    反射率の高い物質を形成して薄膜を製膜する工程と、前
    記ファイバの両端面を切断する工程とから成ることを特
    徴とする光波長変換素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 レーザ光の波長を半分にする第2高調波
    発生素子を用いるレーザユニットにおいて、前記第2高
    調波発生素子と温度制御用素子とを一体にして用いるこ
    とを特徴とするレーザユニット。
  5. 【請求項5】 制御温度を変化させることにより、第2
    高調波素子より出射されるレーザ光の波長を任意に変え
    ることができることを特徴とする請求項4記載のレーザ
    ユニット。
  6. 【請求項6】 基本波である光を出射する半導体レーザ
    と、該半導体レーザからの光がレンズ系を介して端面に
    結合される有機コアファイバと、該有機コアファイバで
    発生した第2次高調波から基本波を除去するフィルタ
    と、前記各構成要素を収納する筐枠と、該筐枠の一部に
    設けられた温度制御用素子とから成ることを特徴とする
    レーザユニット。
  7. 【請求項7】 半導体レーザと、該半導体レーザからの
    光を導入して、基本波を発生する共振器と、該共振器か
    らの光を第2高調波に変換する非線形光学結晶と、前記
    各構成要素を収納する筐枠と、該筐枠の一部に設けられ
    た温度制御用素子とから成ることを特徴とするレーザユ
    ニット。
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