JPH07209506A - マイクロレンズアレイ - Google Patents

マイクロレンズアレイ

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JPH07209506A
JPH07209506A JP475494A JP475494A JPH07209506A JP H07209506 A JPH07209506 A JP H07209506A JP 475494 A JP475494 A JP 475494A JP 475494 A JP475494 A JP 475494A JP H07209506 A JPH07209506 A JP H07209506A
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JP
Japan
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array
light
refracting
optical material
microlens array
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JP475494A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Umeki
和博 梅木
Masanori Satou
昌仙 佐藤
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Ricoh Optical Industries Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Optical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】遮光膜を簡単に形成できるマイクロレンズアレ
イを提供する。 【構成】透明な光学材料1の平坦な面に、凸曲面1Aも
しくは凹曲面による屈折面がアレイ配列され、上記平坦
な面の各屈折面を除く部分に遮光膜2が形成されたマイ
クロレンズアレイであって、遮光膜2が、フォトリソグ
ラフィにより屈折面の配列パターンに応じて開口形成さ
れたフォトレジストにより形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はマイクロレンズアレイ
に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信等の技術に関連して、透明な光学
材料の平坦な面に、「凸曲面もしくは凹曲面による屈折
面」をアレイ配列してなるマイクロレンズアレイが提案
されている。このようなマイクロレンズアレイでは、屈
折面自体の大きさも、通常1mm以下と小さいが、それ
と同じに、屈折面相互の配列間隔、即ち、レンズピッチ
自体も1mm以下と小さい場合が多い。
【0003】マイクロレンズアレイの各屈折面は、透明
な光学材料の平坦な面に形成されるので、レンズピッチ
が小さくなると、任意の一つのマイクロレンズに、これ
に隣接するマイクロレンズに入射すべき光が「迷光」と
して入射し、マイクロレンズアレイの光学性能を低下さ
せる虞れが大である。従って、マイクロレンズアレイに
は、光学材料における屈折面の形成された面に、屈折面
を除くように遮光膜を形成し、個々の屈折面によるレン
ズ作用を光学的に独立させるのが良い。
【0004】遮光膜を形成する方法としては、従来、以
下の如き方法が意図されていた。即ち、マイクロレンズ
アレイの、各マイクロレンズの光軸を中心として、開口
部を形成すべき部分に、フォトレジストのパターンを、
開口部の配列パターンに合わせて、フォトリソグラフィ
により形成し、その上に金属等により遮光膜を形成し、
その後、マイクロレンズアレイを有機溶剤中に浸漬し、
溶剤によりフォトレジストのパターンを溶かし、パター
ン上にある遮光膜を「リフトオフ」により、マイクロレ
ンズアレイから剥がし、マイクロレンズアレイの開口部
以外の部分に遮光膜を形成する。
【0005】この遮光層形成方法は、遮光層を形成する
のに、上記の如く、フォトリソグラフィによるフォトレ
ジストのパターンを形成する工程、金属等による遮光膜
を形成する工程、遮光膜の開口部をリフトオフにより除
去する工程を必要とし、工程数が多いため効率的でな
く、マイクロレンズアレイ製造の効率化が困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述した事
情に鑑みてなされたものであって、効率的な製造が可能
な新規なマイクロレンズアレイの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明のマイクロレン
ズアレイは、「透明な光学材料の平坦な面に、凸曲面も
しくは凹曲面による屈折面がアレイ配列され、上記平坦
な面の各屈折面を除く部分に遮光膜が形成されたマイク
ロレンズアレイ」である。
【0008】請求項1記載のマイクロレンズアレイは、
「遮光膜が、フォトリソグラフィにより屈折面の配列パ
ターンに応じて開口形成されたフォトレジストにより形
成されている」ことを特徴とする。即ち、遮光膜として
形成されるフォトレジスト膜は、屈折面部分が開口する
ように開口形成される。
【0009】請求項2記載のマイクロレンズアレイは、
「遮光膜が、遮光部のパターンに従って印刷形成された
印刷インク層により形成されている」ことを特徴とす
る。
【0010】これら請求項1または2記載のマイクロレ
ンズアレイにおいて「透明な光学材料」は、これを平行
平板とすることができ、この場合、屈折面のアレイ配列
は、平行平板の片面に形成しても良いし(請求項3)、
平行平板の両面に互いに位置合わせして形成してもよ
く、このように両面に屈折面のアレイ配列を形成する場
合には、遮光膜は、平行平板の少なくとも一方の面に形
成される(請求項4)。
【0011】また、請求項1または2記載のマイクロレ
ンズアレイにおいて、「透明な光学材料」を、「互いに
屈折率の異なる2以上の平行平板を積層一体化したも
の」とすることもできる。この場合にも、屈折面のアレ
イ配列は、光学材料の片面に形成しても良いし(請求項
5)、光学材料の両面に、屈折面のアレイ配列を互いに
位置合わせして形成しても良く、屈折面を光学材料の両
面に形成する場合には、遮光膜を、光学材料の少なくと
も一方の面に形成する(請求項6)。
【0012】請求項5または6記載の発明において、
「互いに屈折率の異なる2以上の平行平板を積層一体化
したもの」は、屈折率が互いに異なる2以上の平行平板
を、接着材による接着や、周知の「アノーディック・ボ
ンディング」あるいは「高温ボンディング」等の各種接
合方法で接合したもので良いことは勿論、透明な平行平
板の片面もしくは両面に、この平行平板と屈折率の異な
る透明材料を、蒸着等により「他の平行平板」として成
膜形成したものや、このような成膜層を他の平行平板と
して有する複合的な平行平板と、他の平行平板や他の複
合的な平行平板とを接合したものであっても良い。
【0013】また、請求項5または6記載の発明におけ
る「屈折率の異なる平行平板」は、屈折面のアレイ配列
を形成される以前の形態をさすことも、屈折面のアレイ
配列を形成された後の形態を指す場合もある。前者の場
合は、透明な平行平板の少なくとも一方の面に、この平
行平板とは異なる屈折率の透明材料を蒸着等により成膜
した場合における「成膜された層」が、これに相当する
が、この場合、例えば、凸曲面のアレイ配列形成し終わ
った段階で、成膜された層の形態が変化し、成膜された
層は、凸曲面の屈折面をなす部分のみとして残される場
合もある。
【0014】逆に、後者の場合、即ち、屈折面のアレイ
配列が形成された後の状態が、アレイ配列を有する平行
平板状態となる場合としては、透明な平行平板の少なく
とも片面に、この平行平板と屈折率の異なる透明な硬化
性材質を塗布し、この硬化性材質の表面に「母型」か
ら、凸曲面もしくは凹曲面による屈折面のアレイ配列を
転写し、硬化性材質を硬化させた場合を挙げることがで
きる。
【0015】請求項1〜6記載のマイクロレンズアレイ
において、「屈折面のアレイ配列」は1次元的でも2次
元的でも良く、2次元的な配列の場合は、所謂マトリッ
クス配列(縦・横ともに屈折面が1列に並ぶ配列)でも
よいし、千鳥配列等、屈折面の配列の位相が、配列面の
行または列ごとにずれる配列でもよい。
【0016】なお、透明基板への「屈折面」の形成に
は、例えば、特開平5−173003号公報に開示され
た各種の方法、例えば、同公報の請求項16記載の「光
学材料の表面上に形成された平坦な上端面を有するフォ
トレジスト膜に、フォトリソグラフィによってパターン
を形成して円柱状または楕円柱状のフォトレジスト膜を
形成し、このフォトレジスト膜を熱処理して、その表面
を凸曲面に変形させ、光学材料の表面および変形したフ
ォトレジスト膜をエッチングして、フォトレジスト膜表
面形状としての凸曲面を光学材料に彫り写す」方法や、
あるいは、上記公報開示の、「光学材料の表面上に形成
された平坦な上端面を有するフォトレジスト膜に、中心
部から周辺部へ向かって光透過率が連続的に変化するマ
スクを用いて露光を行い、光照射されたフォトレジスト
部分もしくは光照射されなかったフォトレジスト部分を
除去して、フォトレジスト膜の表面に凹曲面を形成し、
フォトレジスト膜および光学材料をエッチングして、フ
ォトレジスト膜表面形状としての凹曲面を光学材料に彫
り写す」方法、あるいは、後述する実施例の方法等によ
り行うことができる。
【0017】
【作用】請求項1記載の発明において遮光膜材料として
用いられるフォトレジストは、一般に「無色」でなく、
材料に応じた色に着色している。例えば、良く知られた
フォトレジストである、東京応化工業株式会社製の「O
FPR800」は、「オレンジ色」をしており、例え
ば、青色光を放射するLEDからの光に対しては、遮光
性である。
【0018】また、請求項2記載の発明において、遮光
膜材料として用いられる印刷インクは各種の色のものが
あるから、特定の波長の光に対しては、その補色に当た
る色のものを用いて遮光膜とすることができるし、黒色
インクを用いれば、任意の波長の光に対する汎用の遮光
膜が形成できる。
【0019】請求項1記載の発明において、遮光膜はフ
ォトリソグラフィにより形成され、請求項2記載の発明
においては、遮光膜は印刷により形成される。
【0020】
【実施例】図1に、この発明のマイクロレンズアレイの
具体的な形態の例を5種示す。
【0021】図1(a)は、請求項3記載のマイクロレ
ンズアレイの形態を示している。符号1は、透明な光学
材料による平行平板を示す。平行平板1の片面には、平
行平板自体の表面形状として、凸曲面1Aがアレイ配列
するように形成され、これらアレイ配列した凸曲面1A
の個々の表面形状が「屈折面」を構成し、従って、平行
平板1の片面に屈折面のアレイ配列が形成されている。
この屈折面のアレイ配列が形成された面には、各屈折面
を除く部分に、遮光膜2が形成されている。
【0022】図1(b)は、請求項5記載のマイクロレ
ンズアレイの形態を示している。透明な光学材料は、透
明な平行平板1上に、この平行平板1と屈折率の異なる
別の平行平板1Cを積層一体化してなり、平行平板1C
自体の表面形状として形成された凸曲面1A’の配列と
して、屈折面のアレイ配列が形成され、この屈折面のア
レイ配列を除く部分に遮光膜2が形成されている。
【0023】この場合、平行平板1Cの表面形状として
形成される屈折面のアレイ配列の1つの態様として、図
1(b)に表れている「平行平板1Cの、平行な面の間
隔としての厚み」が「0である場合」も含まれる。この
場合は、平行平板1の表面から直接、平行平板1Cの材
料による凸曲面1A’のアレイ配列が形成され、遮光膜
2は平行平板1の表面上に直接形成されることになる。
【0024】図1(c)は、請求項4記載のマイクロレ
ンズアレイの形態を示している。符号1は、透明な光学
材料による平行平板を示す。平行平板1の片面には、平
行平板1自体の表面形状として、凸曲面1Aによる屈折
面のアレイ配列が形成され、他方の面には、平行平板1
自体の表面形状として、凸曲面1Bによる屈折面のアレ
イ配列が形成されている。凸曲面1Aによる屈折面のア
レイ配列が形成された面には、各屈折面を除く部分に遮
光膜2が形成されている。
【0025】勿論、平行平板1の片面に形成された凸曲
面1Aのアレイ配列と、他方の面に形成された凸曲面1
Bのアレイ配列とは互いに対応し、凸曲面1Aによる各
屈折面の光軸と、対応する凸曲面1Bによる屈折面の光
軸とは、互いに光軸合わせされている。
【0026】図1(d)は、請求項6記載のマイクロレ
ンズアレイの形態を示している。透明な光学材料は、透
明な平行平板1の一方の面に、この平行平板1と屈折率
の異なる別の平行平板1Cを積層一体化し、他方の面
に、平行平板1と屈折率の異なる他の平行平板1bを接
合してなる。
【0027】この光学材料の片方の面には、平行平板1
C自体の表面形状として形成された凸曲面1C’の配列
として屈折面のアレイ配列が形成され、この屈折面のア
レイ配列を除く部分に遮光膜2が形成されている。図の
例は、前述した、「平行平板1Cの厚さが屈折面部分以
外で0」の場合、即ち、屈折面を構成する凸面形状のみ
が平行平板1Cで形成された例であり、遮光膜2は平行
平板1の表面に直接形成されている。
【0028】光学材料の他方の面には、平行平板1b自
体の表面形状として形成された凸曲面1B’による屈折
面のアレイ配列が、上記凸曲面1C’のアレイ配列と位
置合わせして形成されている。
【0029】透明な光学材料は、上記の如く請求項3以
下では平行平板であるが、請求項1,2記載の発明にお
いては、平行平板に限らない。例えば、図1(e)に示
すような、プリズム形状の透明な光学材料1Dも可能で
ある。この例では、プリズム形状の透明な光学材料1D
の一つの面に、光学材料1D自体の表面形状として、凸
曲面1D’による屈折面の配列(図面に直交する方向へ
1列に配列されている)が形成され、屈折面以外の部分
に、遮光膜2が形成されている。このようなマイクロレ
ンズアレイでは、例えば、図のように、発散性の光を平
行光束化し、かつ、平行光束化された光束の方向を偏向
させることができる。
【0030】これら、図1(a)〜(e)の各形態にお
いて、遮光膜2は、請求項1記載の発明では、フォトリ
ソグラフィにより屈折面の配列に応じて開口形成され、
請求項2記載の発明では、遮光部のパターンに従って印
刷形成された印刷インク層により形成される。
【0031】図1(a)〜(e)の例では、屈折面の形
状として、凸曲面によるものを例示したが、これらは凹
曲面とすることができることは勿論であり、(c),
(d)の例では、一方の面に形成された屈折面のアレイ
が凹曲面のアレイで、他方の面に形成された屈折面のア
レイが凸曲面のアレイであるようにしても良い。また図
1(e)の例で、光学材料の1以上の面に光学材料と屈
折率の異なる材料による平行平板を接合し、この平行平
板の表面形状として屈折面のアレイ配列を形成すること
もできる。
【0032】以下、この発明のマイクロレンズアレイの
製造工程の具体例を説明する。透明な光学材料の面に凸
曲面もしくは凹曲面による屈折面のアレイを形成する方
法としては前述したように、特開平5−173003号
公報に開示された各種の方法が利用できるが、それ以外
にも種々の方法が可能である。
【0033】図2(a)において符号10は透明な光学
材料を示す。光学材料10の平坦な表面に、所望の厚さ
に熱可塑性材料層12が形成され、その上に、中間層1
4と、フォトレジストの薄層16とが積層されている。
「中間層」は、Si等の非金属材料や、Cu等の金属材
料で形成出来、非金属材料によるときは2000〜50
00Å、金属材料によるときは2000〜10000Å
の厚さが好適である。
【0034】図2(a)に示すフォトレジストの薄層1
6に対し、「マイクロレンズの端面形状のアレイ配列パ
ターン」をパターニングする。パターニングの際の露光
は、マスクを用いて光を均一照射してもよいし、「レー
ザ描画」により、パターンを描き込んでも良い。
【0035】露光により、光照射されされなかった部分
(フォトレジストがネガ型の場合)もしくは光照射され
た部分(フォトレジストがポジ型の場合)を除去する
と、図2(b)に示すように、パターニングがなされ
る。
【0036】上記「マイクロレンズの端面形状」とは、
図2(b)において、パターニングされたフォトレジス
トの薄層16の形状を、図2(b)の上方から見た形状
を言い、例えば、円形状や楕円形状、正方形形状や長方
形形状、あるいは5角形や6角形等の多角形形状であり
得る。
【0037】フォトレジストの薄層16は、その厚みが
薄いため、露光用の光は、薄層16の厚み方向へ均一に
透過する。このため、パターニング後に、剥き出しにな
った中間層14の形状は、例えばマスクを用いる露光の
場合に、正確にマスクのパターンと一致したものにな
る。
【0038】パターニングが終了したら、中間層14を
エッチングチングする。このとき、パターニングされた
フォトレジストの薄層16がマスクとなり、エッチング
は上記「剥き出しになった中間層部分」のみに作用す
る。
【0039】従ってエッチング後は、フォトレジストの
薄層16に形成された端面形状が、そのまま中間層14
に「写される」ことになる。この状態を図2(c)に示
す。エッチングにより中間層14を除去された部分で
は、その下の、熱可塑性材料層12の上面が剥き出しに
なっている。
【0040】続いて、中間層をマスクとして異方性のド
ライエッチングを行う。このドライエッチングは、熱可
塑性材料層12の「マスク(中間層14)に覆われてい
ない部分」を、厚み方向へ彫り込むように進行するの
で、熱可塑性材料層12が厚み方向へ完全にエッチング
されるまでドライエッチングを実行すると、図2(d)
に示すように、上記端面形状に正確に従う熱可塑性材料
層12の3次元パターンが得られる。
【0041】この状態から、マスクとして用いられた中
間層14を、通常の方法で除去すると、図2(e)に示
すように、マイクロレンズの端面形状のアレイ配列を持
った、熱可塑性材料層12の3次元パターンが得られ
る。続いて、熱可塑性材料層12の3次元パターンを加
熱し、熱変形(熱流動と、表面張力の作用により生じ
る)により、所望の凸曲面の「アレイ配列」を創成する
(図2(f))。
【0042】続いて、図2(f)の状態からドライエッ
チングを行い、熱可塑性材料層12により形成された
「凸曲面のアレイ配列」を、光学材料10に彫り写す
(図2(g))。 このとき、ドライエッチングの速度
が、熱可塑性材料層16とデバイス材料10とで互いに
等しければ、熱可塑性材料層12に創成された凸曲面の
アレイ配列が、そのままデバイス材料10の表面形状と
して「彫り写される」ことになる。また、熱可塑性材料
層16と光学材料10とでエッチング速度が、異なれ
ば、光学材料10に彫り写された個々の凸曲面は、熱可
塑性材料層12に創成された凸曲面を、その高さ方向に
「一律に拡大もしくは縮小した形状」となるが、いずれ
にしても、熱可塑性材料層16に創成された凸曲面と対
応した形状となる。
【0043】続いて、凸曲面のアレイ配列が形成された
面にフォトレジストを塗布し、プリベークを行って、所
望の厚さにする。説明の具体性のために、フォトレジス
トはポジ型とする。そして、凸曲面のアレイ配列に対応
する部分を露光する。前記パターニングの際の露光にマ
スクを用いていれば、この露光にも同じマスクもしくは
パターニングに用いたマスクのネガのマスクを用いるこ
とが出来る。
【0044】露光の後、光照射されたフォトレジスト部
分を除去すると、図2(h)に示すように、屈折面(凸
曲面)の配列パターンに応じて開口形成されたフォトレ
ジスト2Aにより遮光膜が形成される。光学材料10と
して平行平板を用いれば、上記の方法で、図1(a)に
示すタイプのマイクロレンズアレイを実現できる。遮光
膜は、フォトレジストを用いる代わりに印刷インキを用
い、通常の印刷により形成してもよい。
【0045】なお、上記の熱可塑性材料としては、ポリ
塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタンや、ポリグリ
シジルメタクリレート樹脂等のメタルリレート類が好適
である。
【0046】図3には、凹曲面による屈折面のアレイ配
列を持つマイクロレンズアレイの製造工程の1例を示
す。合成石英の平行平板による光学材料10上に、転写
材11として、例えばエポキシ材料:9に対しアクリル
材料:1の割合で配合した嫌気性の紫外線硬化性接着剤
を塗布し(図3(a))、次いで、母型12(合成石英
材料の表面に予め所望の凸曲面形状を加工・形成し、A
r,CF4を導入ガスとして用いたプラズマ処理によっ
て合成石英の表面層がフッ素化処理されている)を、転
写材11の表面に押圧し、転写材の硬化に十分な紫外線
2500mJ/cm2を照射する(図3(b),
(c))。この際、必要に応じ上記状態で120℃で3
0分間ポストキュア−してもよい。このようにして転写
材11を硬化させる。
【0047】その後、母型12を光学材料10上の転写
材11から剥離すると、転写材11の表面に、母型の凸
曲面のアレイが転写されて、所望の凹曲面のアレイ配列
が得られる(図3(d))。
【0048】続いて、ECRプラズマエッチング装置を
用い、Ar,CHF3,O2ガスを導入して、3〜5×1
4Toorの条件下(選択比:1)でエッチングし、
転写材表面の凹曲面のアレイ配列を光学材料に彫り写
す。
【0049】その後、印刷インキによる遮光膜2Bを印
刷により形成すれば、遮光膜を持ったマイクロレンズア
レイが得られる(図3(e))。
【0050】図4は、凹曲面による屈折面のアレイ配列
を有するマイクロレンズアレイの場合の製造工程の例を
示す。図4(a)において、平行平板である光学材料1
0の平坦な表面に、所望の厚さに中間層41が形成さ
れ、この上に感光性材料42の薄層が形成されている。
マスク100を用いて、パターニングを行い、フォトレ
ジスト42の薄層に、凹曲面の配列パターンに相当する
部分のフォトレジストを除去したパターンを形成する
(図4(b))。
【0051】図4(c)は、パタ−ニング後、フォトレ
ジスト42のパターンをマスクとして中間層41に対し
ウエットまたはドライエッチングを行い、フォトレジス
ト42によるパターンを中間層41に彫り写した後の状
態を示している。
【0052】続いて、中間層41をマスクとして光学材
料10を所望の深さだけエッチングし、中間層41のパ
ターンに対応した3次元のレリーフ状パターンを光学材
料10に形成する(図4(d))。
【0053】次いで、熱可塑性材料43を塗布してレリ
ーフ状パターンの凹部に熱可塑性材料43を充填し(図
4(e))、さらに、加熱処理を行うと、熱可塑性材料
43は、デバイス基板10及び中間層41との親和性や
表面張力、重力の作用等によって変形し、図4(f)に
示すような凹曲面44が表面形状として創成される。
【0054】上記エッチングした光学材料10の深さと
熱可塑性材料43の温度・粘度および塗布方法によっ
て、充填された部分に含まれる材料の高分子物質の実質
量が異なり、これらの因子を変化させることによって、
凹球面44の曲率が変化する。
【0055】図4(f)の状態から異方性のドライエッ
チングを行い、熱可塑性材料43の表面に創成された凹
曲面44のアレイ配列を光学材料10に彫り写す。その
後、前述したように、フォトリソグラフィによりあるい
は印刷により遮光膜2を形成することにより、遮光膜を
持つ負のマイクロレンズのアレイを得ることができる
(図4(g))。
【0056】最後に、図1(b)に示すタイプのマイク
ロレンズアレイに対する具体例を挙げる。この具体例に
おける製造工程は、図2に即して説明した工程である。
図5に示すように、コバールガラス(波長:1.3μm
の光に対する屈折率:1.48)により平行平板として
形成された光学材料17の片面に、一連の屈折面R1i
他方の面に一連の屈折面R2iを、互いに対応させて形成
した。
【0057】屈折面R1iの直径は200μm、曲率半径
は138±4μm、焦点距離は300μm、屈折面R1i
の配列ピッチは250μmである。他方の面に形成され
た一連の屈折面R2iの直径は200μm、曲率半径は−
460±14μm、焦点距離は1000μm、屈折面R
2iの配列ピッチは250μmである。屈折面数は、それ
ぞれ10個づつである。
【0058】屈折面R11,R12,..R1i,..は、以
下のように形成した。光学材料の表面に熱可塑性材料と
してポリグリシジルメタルリレート樹脂を厚さ39.0
μmに塗布し、その上に中間層として厚さ2000Åの
Siの薄層をスパッタリングで形成した。その上に、フ
ォトレジストの薄層を形成し、直径:200μmの黒円
を、250μmのピッチで10個アレイ配列したマスク
を用いて露光を行い、現像して上記黒円の配列に対応し
たフォトレジスト層を残した。
【0059】次に光学材料をECRプラズマエッチング
装置にセットし、CCl4を15sccM導入し、反応
室内圧力:3〜4×10~4Torr、マイクロ波実行電
力:600W、RF実行電力:500Wの条件で、ドラ
イエッチングを3分間行い、次いで、酸素を7sccM
導入し、反応室内圧力:2〜3×10~4Torr、マイ
クロ波実効電力:600W、RF実効電力:500Wで
80分間のドライエッチングを行った。続いて、同一バ
ッチで導入ガスをCCl4に変更してエッチングを行
い、中間層を除去した。
【0060】以下、熱処理(加熱温度:160度C、加
熱時間:30分)により熱可塑性材料層の表面を凸曲面
化したのち、再度、光学材料17をECRプラズマエッ
チング装置にセットし、酸素:2.5sccM、CHF
3:9.0sccM、Ar:0.9sccMを導入し、
反応室内圧力:2〜3×10~4Torr、マイクロ波実
効電力:620W、RF実効電力:480Wで350分
間のエッチングを行った。その結果、直径:200μ
m、曲率半径:138±4μm、焦点距離:300μ
m、配列ピッチ:250μmの屈折面R1iのアレイ配列
が得られた。
【0061】同様にして光学材料17の他方の面に、直
径:200μm、曲率半径:−460±14μm、焦点
距離:1000μm、配列ピッチ:250μmの屈折面
21,R22,..R2i,...のアレイ配列を得た。
【0062】さらに、黒色インクを用い、印刷により遮
光膜2を、図示のように光学材料17の左側の面に、屈
折面R1i以外の部分に印刷インク層として形成した。こ
のようにして得られたマイクロレンズアレイの、一方の
側に10個の半導体レーザLDi、他方の側に10本の
光学ファイバーOFiを配備し、各半導体レーザから出
た光が、マイクロレンズにより、対応する光学ファイバ
ーのコアの部分に集光するようにした。このようにして
「半導体レーザと光学ファイバの対」ごとの平均の結合
効率として11.5%を実現できた。
【0063】遮光膜2を設けない場合には、任意の1個
の半導体レーザのみを発光させ、他の半導体レーザの発
光を停止した場合に、発光させた半導体レーザ以外の半
導体レーザに対応する光学ファイバーにも、発光させた
半導体レーザからの光が若干、迷光として入射すること
が認められたが、遮光膜2を設けることにより、この種
の迷光の影響を完全に除去することができた。
【0064】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば新規な
マイクロレンズアレイを提供できる。
【0065】この発明のマイクロレンズアレイは、上記
の如き構成となっているから、各マイクロレンズのレン
ズ作用を相互に独立させることができ、隣接するマイク
ロレンズに入射すべき光が迷光として作用することが無
い。また、遮光膜の形成方法は、フォトリソグラフィ
(請求項1)もしくは印刷(請求項2)と極めて簡単で
あるので、遮光膜を形成することが、マイクロレンズア
レイの製造工程を複雑化することが殆ど無い。
【0066】請求項5または6記載の発明では、光学材
料を、屈折率の異なる2以上の材料の組合せで構成でき
るので、より広範な光学性能を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のマイクロレンズアレイの種々の形態
を説明するための図である。
【図2】この発明のマイクロレンズアレイを製造する具
体的な工程の1例を説明するための図である。
【図3】この発明のマイクロレンズアレイを製造する具
体的な工程の別の例を説明するための図である。
【図4】この発明のマイクロレンズアレイを製造する具
体的な工程の他の例を説明するための図である。
【図5】この発明のマイクロレンズアレイの具体例を説
明するための図である。
【符号の説明】
1 光学材料 2 遮光膜 1A 屈折面のアレイ配列を構成する凸曲面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な光学材料の平坦な面に、凸曲面もし
    くは凹曲面による屈折面がアレイ配列され、上記平坦な
    面の各屈折面を除く部分に遮光膜が形成されたマイクロ
    レンズアレイであって、 上記遮光膜が、フォトリソグラフィにより屈折面の配列
    パターンに応じて開口形成されたフォトレジストにより
    形成されていることを特徴とするマイクロレンズアレ
    イ。
  2. 【請求項2】透明な光学材料の平坦な面に、凸曲面もし
    くは凹曲面による屈折面がアレイ配列され、上記平坦な
    面の各屈折面を除く部分に遮光膜が形成されたマイクロ
    レンズアレイであって、 上記遮光膜が、遮光部のパターンに従って印刷形成され
    た印刷インク層により形成されていることを特徴とする
    マイクロレンズアレイ。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のマイクロレンズア
    レイにおいて、 透明な光学材料は平行平板であり、屈折面のアレイ配列
    は、上記平行平板の片面に形成されていることを特徴と
    するマイクロレンズアレイ。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載のマイクロレンズア
    レイにおいて、 透明な光学材料は平行平板であり、屈折面のアレイ配列
    は、上記平行平板の両面に互いに位置合わせして形成さ
    れ、 遮光膜は、上記平行平板の少なくとも一方の面に形成さ
    れていることを特徴とするマイクロレンズアレイ。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載のマイクロレンズア
    レイにおいて、 透明な光学材料は互いに屈折率の異なる2以上の平行平
    板を積層一体化してなり、屈折面のアレイ配列は、上記
    光学材料の片面に形成されていることを特徴とするマイ
    クロレンズアレイ。
  6. 【請求項6】請求項1または2記載のマイクロレンズア
    レイにおいて、 透明な光学材料は互いに屈折率の異なる2以上の平行平
    板を積層一体化してなり、屈折面のアレイ配列は、光学
    材料の両面に互いに位置合わせして形成され、 遮光膜は、上記光学材料の少なくとも一方の面に形成さ
    れていることを特徴とするマイクロレンズアレイ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002084340A1 (en) * 2001-04-10 2002-10-24 President And Fellows Of Harvard College Microlens for projection lithography and method of preparation thereof

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002084340A1 (en) * 2001-04-10 2002-10-24 President And Fellows Of Harvard College Microlens for projection lithography and method of preparation thereof
US7057832B2 (en) 2001-04-10 2006-06-06 President And Fellows Of Harvard College Microlens for projection lithography and method of preparation thereof
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