JPH0720836Y2 - 回転陽極型x線管 - Google Patents

回転陽極型x線管

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JPH0720836Y2
JPH0720836Y2 JP1987109209U JP10920987U JPH0720836Y2 JP H0720836 Y2 JPH0720836 Y2 JP H0720836Y2 JP 1987109209 U JP1987109209 U JP 1987109209U JP 10920987 U JP10920987 U JP 10920987U JP H0720836 Y2 JPH0720836 Y2 JP H0720836Y2
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JP
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ray tube
anode
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anode target
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秀道 尾▲崎▼
晃正 大上
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Toshiba Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 [考案の目的] (産業上の利用分野) この考案は回転陽極型X線管に係り、特にその回転機構
の改良に関する。
(従来の技術) 一般に、X線管は例えばX線診断として医療用に利用さ
れているが、胃の検診などの場合には、従来、第2図に
示すようなX線管が用いられている。このX線管は、い
わゆる回転陽極型といわれるもので、真空外囲器1内に
は偏心した陰極2と略傘状の陽極ターゲット3が対向配
設され、陽極ターゲット3は回転機構により支持され
且つ回転出来るようになっている。このような用途の回
転陽極型X線管では、通常、陽極ターゲットは0.5Kg乃
至2.0Kgの範囲の重量のものが広く使用されている。更
に、真空外囲器1の外には、回転機構に対応してステ
ータ(図示せず)が配設され、回転機構を駆動してい
る。
この種の回転陽極型X線管において、従来の陽極ターゲ
ット3及び回転機構を詳細に示すと第3図のようにな
り、有蓋回転円筒8の一端(蓋部)には支持柱6が同軸
的に一体に突設され、この支持柱6には略傘状の陽極タ
ーゲット3がナット7により固着されている。そして、
回転円筒8の内側には、回転軸9が同軸的に固着されて
いる。この場合、回転軸9の一端には円板10が一体に形
成されていて、この円板10が回転円筒8の蓋部内面にネ
ジ11により固着されている訳である。尚、これら回転円
筒8、支持柱6、回転軸9により回転部が構成されてい
る。
又、回転軸9と回転円筒8の間には、筒状の陽極固定基
部14が挿入配設され、この陽極固定基部14は真空外囲器
1(第2図参照)に固定されている。そして、陽極固定
基部14と回転軸9との間には、2組のボールベアリング
1213が介在配設され、このボールベアリング1213
筒状スペーサ15、16により所定間隔を保たれると共に支
持され、ナット17により固定されている。このボールベ
アリング1213はいずれも内輪レース18、外輪レース19
及びボール20より構成され、内輪レース18は回転軸9に
固定され、外輪レース19は陽極固定基部14に固定 されている。
さて、上記のような従来のX線管においては、動作中の
ボールベアリング1213の温度は、高温の陽極ターゲッ
ト3からの熱伝導によって200〜400℃にも達するので、
良好な潤滑を持続することが困難であり、潤滑の良否が
回転機構4の性能に大きな影響を及ぼしている。
そこで、ボールベアリング1213には、潤滑材として軟
質金属を利用した固体潤滑方式が一般に採用されてい
る。その理由は、X線管では高真空を維持したまま陽極
ターゲット3を回転させる必要があり、油等の流体によ
る潤滑が困難であるためである。軟質金属としては、A
g、Au、Pb等が代表的なもので、特にAgは高融点である
ため、高温状態で使用されても、安定性が高く長寿命が
達成出来る。従って、Ag固体潤滑材は、他の金属との混
合潤滑方式も含め、宇宙用、高真空機器用として広く利
用されている。
そして、従来、このAg固体潤滑方式については、潤滑材
としての寿命の点から潤滑膜の膜厚は、0.5乃至1μm
程度が良好とされている。
(考案が解決しようとする問題点) Agは融点が961℃であり、一般的に利用されている軟質
金属の固体潤滑材のうちで比較的高い融点であるが、X
線管のボールベアリングに使用される場合には、製造工
程の一つである排気工程において、約500℃という高温
状態に曝されるため、ボール及びボールの転動面に潤滑
材の相互転移が生じ、Agの凹凸が生じ易い。このような
凹凸が生じた場合には、その硬質性の故に回転トルク、
回転振動等の回転特性を大きく劣化させる。又、Agが高
融点、高硬度であるため、ボールの転動面の凹凸を平滑
化することは、非常に困難である。
この考案は、回転トルク、回転振動等の回転特性が著し
く向上し、ボールベアリングの長寿命化を図った回転陽
極型X線管を提供することを目的とする。
[考案の構成] (問題点を解決するための手段) この考案は、対をなすボールベアリングのボール及びこ
のボールに接する内輪レース並びに外輪レースにそれぞ
れ直接又は中間層を介して付着されたAgからなる固体潤
滑膜の合計の膜厚が、次の条件を満足している回転陽極
型X線管である。すなわち、 (a) 陽極ターゲットの重量が、0.5Kg乃至1.0Kgの範
囲に設定されている場合には、固体潤滑膜の合計の膜厚
が、0.05μm乃至0.15μmの範囲であり、 又は、 (b) 陽極ターゲットの重量が、1.0Kg乃至2.0Kgの範
囲に設定されている場合には、固体潤滑膜の合計の膜厚
が、0.1μm乃至0.3μmの範囲である。
(作用) この考案によれば、回転トルク、回転振動等の回転特性
が優れ、ボールベアリングの長寿命化を図ることが出来
る。
(実施例) 以下、図面を参照して、この発明の一実施例を詳細に説
明するが、この発明は上記問題点を解消するために、ボ
ールベアリングを改善したもので、ボールベアリングに
ついてのみ説明することにする。
即ち、従来例(第3図)と同一箇所は同一符号を付す
と、この発明の回転陽極型X線管におけるボールベアリ
ングは第1図に示すように構成され、内輪レース18、外
輪レース19及び両者間に位置する複数のボール20からな
っている。
この場合、ボール20はFeを基材とする耐熱合金からな
り、更にその表面には、固体潤滑膜22が被着されてい
る。又、内輪レース18と外輪レース19の各転動面にも、
固体潤滑膜25、26が被着されている。
固体潤滑膜22,25,26は、いずれも銀(Ag)からなり、陽
極ターゲット3の重量が0.7Kgの場合、ボール20の固体
潤滑膜22の膜厚を約0.08μmとし、内輪レース18の固体
潤滑膜25の膜厚を約0.01μm、外輪レース19の固体潤滑
膜26の膜厚を約0.01μmとして、3つの合計の膜厚を約
0.1μmとした。
この回転陽極型X線管は、10万回程度のX線撮影の繰返
しにも耐えて従来の相当に厚い潤滑膜のものと同等の寿
命特性が得られるとともに、回転トルクや回転振動、騒
音においては改善がみられた。なお、ボールの膜厚は全
面の平均膜厚であり、内、外輪レースのそれはボールに
接する全周の面の平均膜厚である。
そして、陽極ターゲット3の重量が1.5Kgの場合は、ボ
ール20の固体潤滑膜22の膜厚を約0.12μmとし、内輪レ
ース及び外輪レースの固体潤滑膜25,26の膜厚をそれぞ
れ約0.02μmとして、3つの合計の膜厚を約0.16μmと
した。この回転陽極型X線管も、回転トルクや振動、騒
音の点で改善がみられ、且つ必要十分な寿命特性が得ら
れた。
ところで本考案者らは、陽極ターゲットの重量や固体潤
滑膜の膜厚をパラメータとして、ボールベアリングの回
転トルクを測定し、比較分析した結果、陽極ターゲット
の重量と膜厚、回転トルクの間に強い相関があることを
確認した。種々の比較検討の結果、陽極ターゲットの重
量に対してAg固体潤滑膜の膜厚を次の範囲に設定するこ
とにより、実用上、十分満足できることを確認した。
すなわち、陽極ターゲットの重量が0.5Kg乃至1.0Kgの範
囲の場合は、対をなすベアリングのボール及び内、外輪
レースの固体潤滑膜の最適な合計膜厚が、0.05μm乃至
0.15μmの範囲であった。また、陽極ターゲットの重量
が1.0Kg乃至2.0Kgの範囲の場合は、固体潤滑膜の合計膜
厚が0.1μm乃至0.3μmの範囲で最適であった。
なお、固体潤滑膜22,25,26と内輪レース18、外輪レース
19、ボール20との間に、Ni、Cu等の中間層を設けること
もできる。
なおまた、この考案の回転陽極型X線管は、上記ボール
ベアリング以外は従来例(第3図)と同様構成ゆえ、詳
細な説明を省略する。
[考案の効果] この考案によれば、ボールベアリングのAg潤滑膜の厚さ
を最適化でき、回転トルクや回転振動、騒音の増大をも
たらすことなく長寿命の回転陽極型X線管を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例に係る回転陽極型X線管の
要部(ボールベアリング)を示す断面図、第2図は一般
に使用されている回転陽極型X線管の全体を示す概略構
成図、第3図は従来の回転陽極型X線管の回転機構付近
を示す断面図である。 3……陽極ターゲット、6……支持柱、8……回転円
筒、9……回転軸、1213……ボールベアリング、14…
…陽極固定基部、18……内輪レース、19……外輪レー
ス、20……ボール、22、25、26……固体潤滑膜。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】傘状の陽極ターゲットが固着された回転部
    と、この回転部にボール及びこのボールに接する内輪レ
    ース並びに外輪レースにより対を構成するボールベアリ
    ングを介して設けられた有底筒状の陽極固定基部とを具
    備し、上記ボールベアリングのボール及びこのボールに
    接する内輪レース並びに外輪レースにそれぞれ直接又は
    中間層を介してAgからなる固体潤滑膜が付着されてなる
    回転陽極型X線管において、 上記の対をなすボールベアリングのAg固体潤滑膜の合計
    の膜厚は、 (a) 上記陽極ターゲットの重量が0.5Kg乃至1.0Kgの
    範囲に設定されている場合には0.05μm乃至0.15μmの
    範囲に、 又は、 (b) 上記陽極ターゲットの重量が1.0Kg乃至2.0Kgの
    範囲に設定されている場合には0.1μm乃至0.3μmの範
    囲に、 設定されていることを特徴とする回転陽極型X線管。
JP1987109209U 1987-07-16 1987-07-16 回転陽極型x線管 Expired - Lifetime JPH0720836Y2 (ja)

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JPS60211750A (ja) * 1984-04-04 1985-10-24 Toshiba Corp 回転陽極型x線管

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